JPH0710544U - ボールジョイント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】大型化する事なく、負荷容量の増大を図る。 【構成】ジョイントピン１の球体部５の外周面７を第一
の摺動面とする他、球体部５の内部に、第二の摺動面を
形成する為の中央受孔１１を設ける。ハウジング２側に
球状凹面９と中央凸部１２とを形成し、上記外周面７及
び中央受孔１１の内周面と対向させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案に係るボールジョイントは、例えば自動車用ステアリング装置に組み込 んで使用する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば自動車用ステアリング装置には従来から、例えば図２に示す様なボール ジョイントを装着している。このボールジョイントは、ジョイントピン１と、ハ ウジング２と、押圧片３とから構成されている。ジョイントピン１の一端部（図 ２の下端部）には、外周面を球面状の摺動面とした球体部５を形成している。又 、図示しないフランジ、或は取付腕により、アームの先端部等に固定されるハウ ジング２には、上記球体部５を揺動自在に保持する為の、有底の支持孔６を設け ている。この支持孔６の奥半部（図２の下半部）内周面及び押圧片３の内周面と 、上記球体部５の外周面７との間には、合成樹脂製のスリーブ４を設けている。 押圧片３は、上記球体部５の外周面７を上記スリーブ４の内周面８に向け押し付 けると共に、この球体部５が支持孔６から抜け出すのを防止する為のもので、全 体がほぼ円環状に形成されている。この押圧片３の内周面は、上記球体部５の外 周面７に見合う球状凹面９としている。この様な押圧片３は、ハウジング２の開 口端部に内嵌し、更にかしめ固定される。

【０００３】 上述の様に構成されるボールジョイントでは、球体部５の外周面７と、スリー ブ４の内周面８との摺動に基づき、上記ジョイントピン１がハウジング２に対し 揺動したり、或は回転したりする事が許容される。尚、上記球体部５端面の平面 部１５と支持孔６の底面との間の空間部１０にはグリースを充填し、上記内、外 両周面８、７同士の間の潤滑を図っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述のボールジョイントに於いては、ハウジング２の高さ寸法Ｈを 抑える必要上、球体部５の端面に平面部１５を形成している。この為、この球体 部５の外周面７の投影面積が小さい。その結果、例えばステアリング用のボール ジョイントの様に、荷重の入力方向がジョイントピン１の軸と直角方向となる様 な状態で使用する場合には、上記荷重を受ける面積が狭くなって、耐荷重性が不 足する。この耐荷重性を高める為には、前記球体部５の外周面７の投影面積を大 きくする必要があるが、単に球体部５の外径を大きくする事で、この投影面積を 大きくしたのでは、球体部５の寸法が大きくなり重量が増大する。本考案のボー ルジョイントは、上述の様な事情に鑑みて考案されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のボールジョイントは、前述した従来のボールジョイントと同様に、外 周面を球面状の摺動部とした球体部を一端に有するジョイントピンと、上記球体 部を保持する有底の支持孔を有するハウジングと、上記支持孔の開口周縁部に固 定されて、上記球体部の上記支持孔からの抜け止めを図る環状の押圧片と、この 押圧片の内周面及び上記支持孔の内周面と上記球体部の外周面との間に設けられ たスリーブとを備えている。

【０００６】 特に、本考案のボールジョイントに於いては、上記ジョイントピンの軸心を通 り、且つ上記球体部の底面中央部に開口する、その底部を球状凹面とした中央受 孔と、上記支持孔の底部中央部に形成され、その頂部を上記中央受孔の球状凹面 と対応する球状凸面とした中央凸部とを備えている。そして、上記スリーブの一 部が、上記球状凹面と球状凸面との間に介在する事を特徴としている。

【０００７】

【作用】

上述の様に構成される本考案のボールジョイントは、球体部の外周面により構 成される摺動部の他に、更に球体部の内部に、更にもう１つの摺動部が存在する 。そして、これら２つの摺動部がハウジングに対してジョイントピンを、スリー ブを介して変位自在に支持する。

【０００８】

【実施例】

次に、図示の実施例に就いて説明する。尚、前述した従来のボールジョイント と同等部分には、同一符号を付して重複する説明を省略し、以下、本考案の特徴 部分を中心に説明する。本考案のボールジョイント於いては、図１に示す様に、 ジョイントピン１の軸心を通る中央受孔１１を、球面状の球体部５の底面（図１ の下面）の中央部に形成している。この中央受孔１１の内径は、開口部が大きく 、奥（図１の上方）に向うに従って小さくなっている。又、上記中央受孔１１の 底部は、球状凹面としている。一方、ハウジング２の底面中央部には、円柱状で 、上記中央受孔１１の底部の球状凹面に見合う球状凸面をその先端部に有する、 中央凸部１２が形成されている。

【０００９】 即ち、本考案のボールジョイントは、前記従来構造に於ける球体部５に中央受 孔１１を、ハウジング２に中央凸部１２を、それぞれ形成し付加した構造となっ ている。尚、球体部５の外周面７と前記支持孔６の内周面との間、並びに上記中 央受孔１１の内周面と上記中央凸部１２の外周面との間には、その全面に亙る形 状のスリーブ４を設けている。このスリーブ４は、合成樹脂の射出成形等によっ て造られている。

【００１０】 上記の様に構成される本考案のボールジョイントに於いては、ジョイントピン １に対し、このジョイントピン１の軸心と直角方向に加わった荷重を、球体部５ の球面状の外周面７と、更にその中央部に形成された中央受孔１１の内周面との 二面によって支承する。従って、ハウジング２の高さ寸法Ｈ（図２）を大きくす る事なく、荷重の支承面積を大きくできる。尚、図１の符号１３はジョイントピ ン１の揺動を許容すべく、上記中央受孔１１の内周面と中央凸部１２の外周面と の間に介在させた隙間、１４は摺動部を保護する為のブーツである。

【００１１】

【考案の効果】

本考案のボールジョイントは、以上に述べた通り構成され作用する為、ジョイ ントピンやハウジングを大型化する事なく、耐荷重性、即ち、負荷容量の増大を 図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のボールジョイントを示す縦断面図。

【図２】従来のボールジョイントを示す縦断面図。

【符号の説明】

１ ジョイントピン ２ ハウジング ３ 押圧片 ４ スリーブ ５ 球体部 ６ 支持孔 ７ 外周面 ８ 内周面 ９ 球状凹面 １０ 空間部 １１ 中央受孔 １２ 中央凸部 １３ 隙間 １４ ブーツ １５ 平面部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面を球面状の摺動部とした球体部を
   一端に有するジョイントピンと、上記球体部を保持する
   有底の支持孔を有するハウジングと、上記支持孔の開口
   周縁部に固定され、上記球体部の上記支持孔からの抜け
   止めを図る環状の押圧片と、この押圧片の内周面及び上
   記支持孔の内周面と上記球体部の外周面との間に設けら
   れたスリーブとを備えたボールジョイントに於いて、上
   記ジョイントピンの軸心を通り、且つ上記球体部の底面
   中央部に開口する、その底部を球状凹面とした中央受孔
   と、上記支持孔の底部中央部に形成され、その頂部を上
   記中央受孔の球状凹面と対応する球状凸面とした中央凸
   部とを備え、上記スリーブの一部が、上記球状凹面と球
   状凸面との間に介在する事を特徴とするボールジョイン
   ト。