JPH07104644A - ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 - Google Patents

ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体

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JPH07104644A
JPH07104644A JP24540393A JP24540393A JPH07104644A JP H07104644 A JPH07104644 A JP H07104644A JP 24540393 A JP24540393 A JP 24540393A JP 24540393 A JP24540393 A JP 24540393A JP H07104644 A JPH07104644 A JP H07104644A
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JP
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oligomer
hologram
recording material
compound
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JP24540393A
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Yasushi Oe
靖 大江
Hiromitsu Ito
浩光 伊藤
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性、強度など耐候性及び化学安定性に優
れ、とくに乾式現像処理において解像度、回折効率、透
明性及び再生波長再現性に優れ、たホログラム記録材料
及びホログラム記録用媒体を提供する。 【構成】カチオン重合性の官能基を少なくとも1個以上
有するカチオン重合が可能なオリゴマー(A)と、重合
可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有
し、ラジカル重合可能、かつオリゴマー(A)と屈折率
の異なる化合物(B)と、露光によりエチレン性不飽和
結合を有する化合物の重合を活性化するとともに、酸又
はカチオンを発生する光重合開始剤(C)とから構成さ
れるホログラム記録材料及びホログラム記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に膜形成し、光
学系において露光することでホログラム形成可能なホロ
グラム記録材料びホログラム記録用媒体に係り、とくに
アルゴンレーザ光に対して高感度であり、耐熱性など耐
候性及び保存安定性に優れ、かつ解像度、回折効率、透
明性などのホログラム特性に優れたホログラム記録材料
及びホログラム記録用媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラムは三次元立体像の再生
が可能であることから、その優れた意匠性、装飾効果か
ら書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギ
フトなどに利用されている。またホログラムはサブミク
ロン単位での情報の記録と等価であるといえることから
有価証券、クレジットカードなどの偽造防止用のマーク
などにも利用されている。
【0003】近年は、微細な装飾効果を利用したものか
ら、自動車などに搭載されるヘッドアップディスプレイ
(HUD)に代表されるようなホログラム光学素子(H
OE)への応用が考えられている。
【0004】このようにホログラムもディスプレイ、光
学素子或いは画像の多重記録などに用いれるように用途
の拡大とともに、解像度、回折効率、透明性、感度、耐
候性を向上させたホログラム記録用材料が求められてい
る。そこでホログラム記録材料は、可視発振波長を有す
るレーザ光に対して高感度で感光し、高い解像度を示す
ことが要求されており、実際においては、ホログラムの
回折効率、再生光の波長の再現性、バンド幅(再生光ピ
ークの半値幅)等のホログラム特性が目的のホログラム
に適合することが必要である。
【0005】上記HOE用のホログラム記録材料として
は、回折効率は空間周波数5000〜6000本で90
%以上、バンド幅(再生光ピークの半値幅)が20〜3
0nm、再生波長のピーク波長は、撮影波長から5nm
以内であることが望ましく、さらにこれらホログラムは
長期にわたる保存安定性及び耐候性に優れていることも
必要である。
【0006】これまでは、ホログラム記録材料として、
ハロゲン化銀乳剤、硬化された重クロム酸ゼラチンなど
の感光材料が一般的に用いられてきた。重クロム酸ゼラ
チンは高い回折効率と低いノイズ特性を有する反面、貯
蔵寿命が短く劣化しやすいこと、製造されたホログラム
が耐湿性、耐熱性など耐候性に劣り、またハロゲン化銀
乳剤においてもホログラム記録用媒体の製造、ホログラ
ムの製造処理工程が煩雑になるという問題点を有してい
た。
【0007】かかる問題に対して、耐候性及び保存安定
性に優れ、かつ解像度、回折効率、透明性などのホログ
ラム特性に優れたホログラム製造に用いられるれるホロ
グラム記録材料として、担体となるバインダー樹脂にポ
リ−N−ビニルカルバゾールを用いたホログラム記録材
料が挙げられ、例えば特開昭60−227280号公報
に記載される、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ
−5−ノボルネン−無水−2,3−ジカルボン酸と色素
からなるホログラム記録材料、特開昭60−45283
号公報に記載される、架橋剤として環状シス−α−ジカ
ルボニル化合物と増感剤からなるホログラム記録材料、
特開昭60−260080号公報に記載される、2,3
−ボルナンジオンとチオフラビンTからなるホログラム
記録材料、特開昭62−123489号公報に記載され
る、チオフラビンTとヨードホルムからなるホログラム
記録材料がある。
【0008】また特開昭60−88005号公報に高感
度で光硬化可能な材料として光重合開始剤の構成成分を
3−ケトクマリン類とジアリールヨードニウム塩との組
み合わせとした光硬化樹脂組成材料が記載され、さらに
この光重合開始剤を担体となる重合体にポリメチルメタ
クリレートと組み合わせたグラム記録材料が特開平4−
31590号公報に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ホ
ログラム記録用材料は、前者はポリ−N−ビニルカルバ
ゾールが主剤とする感光性樹脂組成物であり、高解像
度、高回折効率を有するが、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール自体の結晶性または溶剤に対する溶解性により、得
られた感光性樹脂組成物が白濁或いは白化しやすく、透
明性に劣るため、ホログラムの再現性の点に問題を有し
ている。
【0010】また後者は化学的に安定でかつ高解像度、
高感度を有するものの、湿式処理の場合、担体となる重
合体が膨潤工程において溶媒に若干溶解を起こすため、
現像むらが起きやすいという問題を有し、ホログラム中
に空隙が多数存在するため、耐熱性及び耐圧性に劣ると
いう問題を有している。
【0011】さらに感光後の現像工程に湿式処理を行な
わない場合のホログラム記録材料として、特開平2−3
081号公報に記載されるように、溶媒可溶性熱可塑性
樹脂、液体エチレン性不飽和モノマー、光重合開始剤及
び可塑剤とを組み合わせ、露光処理工程のみで屈折率像
を形成する実質的に固体の光重合組成物がある。ろころ
が、このホログラム記録材料は488nmにおける感度
が30mJ/cm2 と低く、可塑剤が残留するため、高
温に曝されると再生光波長が短波長にシフトしやすく、
またHUDにしたときの耐熱性に劣るという問題点を有
する。
【0012】そこで本発明は、耐熱性、強度など耐候性
及び化学安定性に優れ、とくに乾式現像処理において解
像度、回折効率、透明性及び再生波長再現性に優れ、た
ホログラム記録材料及びホログラム記録用媒体を提供す
るものある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
カチオン重合性の官能基を少なくとも1個以上有するカ
チオン重合が可能なオリゴマー(A)と、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有し、ラジカ
ル重合可能、かつオリゴマー(A)と屈折率の異なる化
合物(B)と、露光によりエチレン性不飽和結合を有す
る化合物の重合を活性化するとともに、酸又はカチオン
を発生する光重合開始剤(C)とからなることを特徴と
するホログラム記録材料である。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に基づき、オリゴマー(A)の重合度が2〜15の範
囲であることを特徴とするホログラム記録材料である。
【0015】請求項3記載の発明は、反応性オリゴマー
(A)の粘度が50℃で1000〜15000cpsの
範囲にあることを特徴とするホログラム記録材料であ
る。
【0016】請求項4記載の発明は、基板上に請求項1
のホログラム記録材料からなる記録膜を形成し、前記記
録膜をホログラフィックな露光処理後、紫外線全面露光
或いは加熱処理によりホログラムを形成してなることを
特徴とするホログラム記録媒体である。
【0017】
【作用】本発明によれば、カチオン重合性の官能基を少
なくとも1個以上有するカチオン重合が可能なオリゴマ
ー(A)と、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なく
とも1個以上有し、ラジカル重合可能、かつオリゴマー
(A)と屈折率の異なる化合物(B)と、露光によりエ
チレン性不飽和結合を有する化合物の重合を活性化する
とともに、酸又はカチオンを発生する光重合開始剤
(C)とから構成されることにより、レーザー照射によ
る感光させると光重合開始剤の作用によって、重合速度
の高いラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
る化合物(B)に重合反応を生じるとともに、レーザー
照射による光干渉作用の弱い部位の化合物(B)が光干
渉作用の強い部位に移動し、それとともに分子量が10
00以下のオリゴマー(A)は重合サイトから拡散・滲
み出すことによって化合物(B)とオリゴマー(A)と
が局所的に偏在するため、オリゴマー(A)と化合物
(B)との屈折率が異なることで屈折率変調が生じ、ホ
ログラム記録が行われる。紫外線露光により未反応の化
合物(B)を重合させ、さらに未反応のオリゴマー
(A)を加熱により重合し定着することができる。
【0018】また本発明のホログラム記録用媒体は再生
光のピーク波長並びにそのバンド幅の再現性に優れ、ま
た耐候性、化学的安定性に優れる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。図1は本発明のホログラム記録材料からなるホログ
ラム記録用媒体の構成を説明する概略図であり、図2は
ホログラム撮影用の二光束光学系を説明する概略説明図
である。
【0020】本発明のホログラム記録材料の高分子化合
物(A)は、カチオン重合が可能なオリゴマー(A)
は、構造単位中にエポキシ基或いはビニルエーテル基等
のカチオン重合性の官能基を少なくとも1個以上有し、
重合度が2〜15の範囲であり、詳しくは重量平均分子
量が8000以下のものが望ましい。これより重量平均
分子量が大きい(8000を越える)と化合物(B)の
拡散速度が低下し、現像工程において乾式処理のみで
は、回折効率の高いホログラムとならない。また50℃
における粘度が1000〜15000cpsの範囲にあ
り、化合物(B)と相溶性を有するとともに屈折率が無
ければならない。
【0021】具体的にはポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル、ソリビトールポリジグリシジルエーテ
ル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、安息香酸ジグ
リシジルエステルの他に、グルタル酸ビス(4−ビニロ
キシメチルシクロヘキシルメチル)、テレ(イソ)フタ
ル酸ビス(2−ビニロキシエチル)、テレ(イソ)フタ
ル酸ビス(4−ビニロキシブチル)、ビスフェノールA
ビス(2−ビニロキシブチル)、ビスフェノールAビス
(4−ビニロキシブチル)等のモノマー及びオリゴマー
を挙げることができるが、これに限定されることはな
い。
【0022】また重合可能なエチレン性不飽和結合を少
なくとも1個以上有し、ラジカル重合可能、かつオリゴ
マー(A)と屈折率の異なる化合物(B)は、エチレン
性の不飽和結合を少なくとも1個以上含むモノマーで、
1官能基であるビニルモノマーの他にオリゴマーを含む
ものであり、或いはこれらの混合物としてもよい。さら
にオリゴマー(A)と屈折率の異なることが必要であ
る。例えばオリゴマー(A)が芳香族カチオンオリゴマ
ーの場合には、化合物(B)を脂肪族ラジカルモノマー
とし、またオリゴマー(A)が脂肪族カチオンオリゴマ
ーの場合には、化合物(B)を芳香族ラジカルモノマー
を組み合わせる。Kogelnikの理論より、反応性
オリゴマー(A)と化合物(B)の屈折率差が0.03
以上あることが好ましい。
【0023】具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート等の高沸点ビニルモノマー、脂肪族ポリヒドロ
キシ化合物、例えばエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカ
ンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マン
ニトールなどのジ或いはポリ(メタ)アクリルエステル
類、芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えばヒドロキノ
ン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール等のジ或い
はポリ(メタ)アクリル酸エステル、イソシアヌル酸の
エチレンオキシド変性(メタ)アクリル酸エステル等が
挙げられるが、これに限定されることはない。
【0024】また露光により化合物(B)を活性化する
とともに、酸を発生する光重合開始剤(C)としては、
オニウム塩が挙げられ、感度並びに分光増感を考慮する
とジアリールヨードニウム塩が最適である。他に本発明
に用いられる化合物としてはMacromolecul
es,10,1307(1977).に記載の化合物、
例えばジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウ
ム、(p−アニシル)フェニルヨードニウム、ビス(m
−ニトロフェニル)ヨ−ドニウム、ビス(p−tert
−ブチルフェニル)ヨードニウムなどのクロリド塩、ブ
ロミド塩、或いはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォス
フェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩などが挙げ
られる。
【0025】具体的には、ジフェニルヨードニウムクロ
ライド、ジフェニルヨードブロマイド、ジフェニルヨー
ドニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニ
ウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(p−tert
−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフ
ェート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨード
ニウムテトラフルオロホスフェート、ビス(p−ter
t−ブチルフェニル)ヨードニウムクロライド、ビス
(p−クロロフェニル)ヨードニウムクロライド、ビス
(p−クロロフェニル)ヨードニウムテトラフルオロホ
スフェート、トリフェニルスルホニウムクロライド、ト
リフェニルスルホニウムブロミド、トリ(4−メトキシ
フェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリ
(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロ
ホスネート、トリ(4−エトキシフェニル)スルホニウ
ムテトラフルオロボレート、トリフェニルホスホニウム
クロライド、トリフェニルホスホニウムブロミド、トリ
(4−メトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロ
ボレート、トリ(p−メトキシフェニル)ホスホニウム
ヘキサフルオロホスホネート、トリ(p−メトキシフェ
ニル)ホスホニウムヘキサフルオロボレートなどが挙げ
られる。
【0026】本発明のホログラム記録材料に使用される
分光増感剤としては、3−ケトクマリン類及びp−ジア
ルキルアミノベンジリデン誘導体を挙げることができ
る。例えば一般式(I)で表される3−ケトクマリン類が
ある。
【0027】
【化1】
【0028】(式中、R1 、R2 は、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルコキシド基またはジアルキルアミノ基、ア
リール基或いは縮合されたベンゼン環を示し、R3 は、
水素原子或いはシアノ基を表し、R4 は低級アルキル
基、アリール基を表す)
【0029】一般式(I)で表される化合物の具体的な例
は、3−チエノイルクマリン、3−(4−メトキシベン
ゾイル)クマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−(4
−シアノベンゾイルクマリン、3−チエノイル−4−メ
トキシクマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシベ
ンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシク
マリン、3−(4−シアノベンゾイル)−7−メトキシ
クマリン、5,7−ジメトキシ−3−チエノイルクマリ
ン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、7
−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、7−ジエ
チルアミノ−3−(4−シアノベンゾイル)クマリン、
7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチエルアミノベン
ゾイル)クマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7-ジ
エチルアミノクマリン、3−シンモナイル−7−ジエチ
ルアミノクマリン、4−シアノ−3−シンモナイル−7
−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノ
シンモナイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−ア
セチル−7−ジエチルアミノクマリン、3−カルボキシ
−7−ジエチルアミノクマリン、 3−(4−カルボキ
シベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン等が挙げ
られる。さらにクマリンベンゼン環に芳香環が縮合され
ていてもよい。
【0030】また、一般式(II)で表される3位にカル
ボニル置換されたビスケトクマリン類から選ばれた少な
くとも1種の化合物であり、クマリンのベンゼン核にア
ルコキシ基またはジアルキルアミノ基が置換されている
ことが望ましい。
【0031】
【化2】
【0032】(式中、R1 、R2 、R5 、R6 は、水素
原子、ハロゲン原子、アルコキシド基またはジアルキル
アミノ基、アリール基或いは縮合されたベンゼン環を示
し、R 3 、R4 は、水素原子或いはシアノ基を示す)
【0033】一般式(II) で表される化合物の具体的な
例は、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−
カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、5,7−ジ
メトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリン、5,
7,7’−トリメトキシ−3,3’−カルボニルビスク
マリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキ
シクマリン)、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ
メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(5,
7−ジエトキシクマリン)、7−ジエチルアミノ−3,
3’−カルボニルビスクマリン、7−ジエチルアミノ−
5’,7’−ジメトキシ−3,3’−カルボニルビスク
マリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミ
ノクマリン、3,3’−カルボニルビス(ジュロリジノ
クマリン)、3,3’−カルボニルビス(4−シアノ−
7−ジエチルアミノクマリン)等が挙げることができ
る。
【0034】さらに、一般式(III)で表されるp−アル
キルアミノベンジリデン誘導体が挙げられる。
【0035】
【化3】
【0036】(式中、R1 、R2 は低級アルキル基を示
し、Xは水素原子、フェニル基、アシル基、シアノ基、
アンモニオ基またはアルコキシカルボニル基から選ばれ
た残基であり、Yはアシル基、シアノ基、アンモニオ基
またはアルコキシカルボニル基から選ばれた残基であ
り、nは0または1である)一般式(III)で表されるジ
アルキルアミノベンジリデン化合物の具体的な例は、以
下化学式(IV)のように表される。
【0037】
【化4】
【0038】上記したように本発明のホログラム記録材
料は、カチオン重合性の官能基を少なくとも1個以上有
するカチオン重合が可能なオリゴマー(A)と、重合可
能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有し、
ラジカル重合可能、かつオリゴマー(A)と屈折率の異
なる化合物(B)と、露光によりエチレン性不飽和結合
を有する化合物の重合を活性化するとともに、酸又はカ
チオンを発生する光重合開始剤(C)とから構成される
ことにより、これら各成分を適宜選択し、任意の割合で
混合し適当な溶媒に溶解させて得た感光液をスピンコー
ター、ロールコーター、バーコーターなどを用いてガラ
ス板やポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート
板、ポリエステルフィルムなどの基板2上に皮膜状に塗
布することによって感光層3が形成され、図1に示すホ
ログラム記録用媒体1が得られる。感光層3上には酸素
遮断のために保護層4を設けてもよい。保護層4は例え
ばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタ
レートなどのプラスチック、ガラスなどの光学的に透明
なものを貼り合わせ、押出機などによる積層、溶液の塗
工などにより形成される。
【0039】本発明のホログラム記録材料の各成分の配
合比は特定されることはないが、ホログラム撮影時の照
射光の透過率が1%以上となるようにホログラム記録材
料を調整することが望ましい。さらに本発明のホログラ
ム記録材料には、必要に応じて公知のバインダー、可塑
剤、熱重合防止剤、酸化防止剤或いは連鎖移動剤などの
各種添加剤を加えてもよい。
【0040】本発明のホログラム記録材料の構成例を挙
げると、露光によりエチレン性不飽和結合を有する化合
物の重合を活性化するとともに、酸又はカチオンを発生
する光重合開始剤(C)をジアリールヨードニウム塩と
した場合、オリゴマー(A)100重量部に対し、0.
1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。ま
た増感剤は、オリゴマー(A)100重量部に対し、
0.1〜30重量部の範囲である。なお、光重合開始剤
及び増感剤の使用量は、感光層皮膜の膜厚とその光学密
度(または光学濃度)によって制限され、光学密度が2
を越さない範囲で使用することが好ましい(或いは透過
率とする場合は、ホログラム撮影時の照射光の透過率が
1%以上となるような範囲とすることが好ましい)。こ
の範囲を逸脱すると高い回折効率を得ることが困難とな
るとともに感度特性が低下する。
【0041】図2はホログラム撮影用の二光束光学系を
説明する概略図であり、レーザ5から発振されたレーザ
光6は、ミラー7、ビームスプリッター8、スペイシャ
ルフィルター9、レンズ10を介してホログラム記録用
媒体1に照射される。
【0042】干渉パターンの露光工程では、本発明のホ
ログラム記録材料に適する光源としてヘリウム−カドミ
ウムレーザ、アルゴンレーザなどがあるが、これに限定
されるものではない。
【0043】なお露光後の定着工程は、ヘリウム−カド
ミウムレーザ、アルゴンレーザ、高圧水銀灯、キセノン
灯などの光源を利用し全面露光または加熱処理により行
う。
【0044】このホログラム記録用媒体1にレーザ照
射、加熱処理を加えることで、レーザ照射部位の光干渉
作用の強い部位は、光重合開始剤及び増感剤の作用によ
り、重合速度の高いラジカル重合可能なエチレン性不飽
和結合を有する化合物(B)に重合反応を生じるととも
に、レーザー照射による光干渉作用の弱い部位の化合物
(B)が光干渉作用の強い部位に移動し、それとともに
分子量が1000以下のオリゴマー(A)は重合サイト
から拡散・滲み出すことによって化合物(B)とオリゴ
マー(A)とが局所的に偏在するため、オリゴマー
(A)と化合物(B)との屈折率が異なることで屈折率
変調が生じ、ホログラム記録が行われる。紫外線露光に
より未反応の化合物(B)を重合させ、さらに未反応の
オリゴマー(A)を加熱により重合し定着することがで
きる。
【0045】さらに本発明のホログラム記録材料を具体
的な実施例を挙げて説明する。
【0046】〔実施例1〕 ○カチオン重合性の官能基を有するカチオン重合が可能なオリゴマー(A) ポリグリセリン ポリグリシジルエーテル 100重量部 (デコナールEX 長瀬産業社製) ○重合可能なエチレン性不飽和結合を有し、ラジカル重合可能、かつオリゴマー (A)と屈折率の異なる化合物(B) フェノールEO変性アクリレート 120重量部 (東亞合成化学工業社製 アロニックスM−210) ○光重合開始剤 ジフェニルヨードニウムヘキサフルフォスフェート 5重量部 ○増感剤 3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン酸 1重量部 からなる感光液をガラス板に膜厚が約20μmとなるよ
うに塗布し、さらにポリビニルアルコール(PVA)膜
で被覆してホログラム記録用媒体を作製した。
【0047】作製したホログラム記録用媒体に、通常の
ホログラム撮影で用いられる二光束光学系の装置によ
り、二光束のなす角度を135°とし、アルゴンレーザ
を光源として、488nmの光でホログラム記録を行っ
た後、キセノン灯で約1分間全面露光した。さらにPV
A膜を剥離後、90℃、1時間加熱して反射型ホログラ
ムを作製した。
【0048】この反射型ホログラムの回折効率を分光光
度計(日本分光工業社製)で測定した。この装置は幅3
mmのスリットを有したフォトマルチメーターで、試料
を中心に半径20cmの円周上に設置できる、幅0.3
mmの単色光を45°の角度で入射し、試料からの回折
光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料を
置かないで直接入射光を受講したときの値の比を回折効
率とした。この反射型ホログラムは、露光エネルギー8
mJ/cm2 で、回折効率は82%であり、再生光波長
のλmax は485nmであった。
【0049】〔実施例2〕増感剤に2−ベンゾイル−3
−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペンニト
リルを用いる以外は実施例1と同様にホログラム記録用
媒体、ホログラムを作製し回折効率を測定した。このホ
ログラムは、露光エネルギー12mJ/cm2 で、回折
効率は89%であり、再生光波長のλmax は480nm
であった。
【0050】〔実施例3〕カチオン重合性の官能基を有
するカチオン重合が可能なオリゴマー(A)にビニルウ
レタンオリゴマー(VECTOMER2020 All
ied−Signal社製)を用いる以外は実施例1と
同様にホログラム記録用媒体、ホログラムを作製し回折
効率を測定した。このホログラムは、露光エネルギー1
0mJ/cm2 で、回折効率は92%であり、再生光波
長のλmax は486nmであった。
【0051】〔実施例4〕実施例2において増感剤を2
−ベンゾイル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)−
2−プロペンニトリルを用いる以外は実施例1と同様に
ホログラム記録用媒体、ホログラムを作製し回折効率を
測定した。このホログラムは、露光エネルギー15mJ
/cm2 で、回折効率は90%であり、再生光波長のλ
max は481nmであった。
【0052】〔実施例5〕重合可能なエチレン性不飽和
結合を有し、ラジカル重合可能、かつオリゴマー(A)
と屈折率の異なる化合物(B)を変性ビスフェノールA
アルコキシジアクリレート(日本化薬社製 KAYAR
AD R−551)とし、ジクロロメタン200重量部
に溶解させ、塗布後60℃で20分間ベークした以外
は、実施例1と同様にホログラム記録用媒体、ホログラ
ムを作製し回折効率を測定したところ、露光エネルギー
11mJ/cm2 で、回折効率は96%であり、再生光
波長のλmax は486nmであった。
【0053】〔実施例6〕実施例5において増感剤に2
−ベンゾイル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)−
2−プロペンニトリルを用いる以外は、実施例5と同様
にホログラム記録用媒体、ホログラムを作製し回折効率
を測定したところ、露光エネルギー15mJ/cm
2 で、回折効率は94%であり、再生光波長のλmax
486nmであった。
【0054】〔実施例7〕実施例5においてカチオン重
合性の官能基を有するカチオン重合が可能なオリゴマー
(A)にビニルウレタンオリゴマー(VECTOMER
2020 Allied−Signal社製)を用いる
以外は実施例1と同様にホログラム記録用媒体、ホログ
ラムを作製し回折効率を測定したところ、露光エネルギ
ー15mJ/cm2 で、回折効率は94%であり、再生
光波長のλmax は486nmであった。
【0055】〔実施例8〕実施例6においてカチオン重
合性の官能基を有するカチオン重合が可能なオリゴマー
(A)をビニルウレタンオリゴマー(VECTOMER
2020 Allied−Signal社製)とした以
外は、実施例5と同様にホログラム記録用媒体、ホログ
ラムを作製し回折効率を測定したところ、露光エネルギ
ー15mJ/cm2 で、回折効率は90%であり、再生
光波長のλmax は481nmであった。
【0056】〔実施例9〕 ○カチオン重合性の官能基を有するカチオン重合が可能なオリゴマー(A) ビスフェノールA系エポキシ樹脂 100重量部 (旭電化社製 オプトンKT−990) ○重合可能なエチレン性不飽和結合を有し、ラジカル重合可能、かつオリゴマー トリメチロールプロパントリアクリレート 120重量部 (東亜合成化学工業社製 アロニックスM−309) とした以外は、実施例1と同様にホログラム記録用媒
体、ホログラムを作製し回折効率を測定したところ、露
光エネルギー9mJ/cm2 で、回折効率は82%であ
り、再生光波長のλmax は483nmであった。
【0057】〔実施例10〕実施例9において増感剤に
2−ベンゾイル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−プロペンニトリルを用いる以外は、カチオン重合
性の官能基を有するカチオン重合が可能なオリゴマー
(A)をビニルウレタンオリゴマー(VECTOMER
2020 Allied−Signal社製)とした以
外は、実施例9と同様にホログラム記録用媒体、ホログ
ラムを作製し回折効率を測定したところ、露光エネルギ
ー10mJ/cm2 で、回折効率は98%であり、再生
光波長のλmax は487nmであった。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、カチオン重
合性の官能基を少なくとも1個以上有するカチオン重合
が可能なオリゴマー(A)と、重合可能なエチレン性不
飽和結合を少なくとも1個以上有し、ラジカル重合可
能、かつオリゴマー(A)と屈折率の異なる化合物
(B)と、露光によりエチレン性不飽和結合を有する化
合物の重合を活性化するとともに、酸又はカチオンを発
生する光重合開始剤(C)とから構成されることによ
り、とくに乾式処理において高感度で、高解像度、高回
折効率、高透明性を有するとともに、耐熱性など耐候性
に優れ,かつ化学的に安定したホログラム記録材料及び
ホログラム記録用媒体を提供できる。また極めて要求性
能の高いHOE用のホログラム記録材料に用いることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム記録材料からなるホログラ
ム記録用媒体の構成を説明する概略図である。
【図2】ホログラム撮影用の二光束光学系を説明する概
略図である。
【符号の説明】
1 ホログラム記録用媒体 2 基材 3 感光層 4 保護層 5 レーザ 6 レーザ光 7 ミラー 8 ビームスプリッター 9 スペイシャルフィルター 10 レンズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン重合性の官能基を少なくとも1
    個以上有するカチオン重合が可能なオリゴマー(A)
    と、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個
    以上有し、ラジカル重合可能、かつオリゴマー(A)と
    屈折率の異なる化合物(B)と、露光によりエチレン性
    不飽和結合を有する化合物の重合を活性化するととも
    に、酸又はカチオンを発生する光重合開始剤(C)とか
    らなることを特徴とするホログラム記録材料。
  2. 【請求項2】 前記オリゴマー(A)の重合度が2〜1
    5の範囲であることを特徴とする請求項1記載のホログ
    ラム記録材料。
  3. 【請求項3】 前記反応性オリゴマー(A)の粘度が5
    0℃で1000〜15000cpsの範囲にあることを
    特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
  4. 【請求項4】 基板上に請求項1のホログラム記録材料
    からなる記録膜を形成し、前記記録膜をホログラフィッ
    クな露光処理後、紫外線全面露光或いは加熱処理により
    ホログラムを形成してなることを特徴とするホログラム
    記録媒体。
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