JPH07103979A - 競合法を利用する生体成分の測定方法 - Google Patents

競合法を利用する生体成分の測定方法

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JPH07103979A
JPH07103979A JP26984893A JP26984893A JPH07103979A JP H07103979 A JPH07103979 A JP H07103979A JP 26984893 A JP26984893 A JP 26984893A JP 26984893 A JP26984893 A JP 26984893A JP H07103979 A JPH07103979 A JP H07103979A
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solid
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JP26984893A
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Wataru Morikawa
亘 森河
Takeshi Terano
剛 寺野
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体成分に対する抗体を利用した、生体成
分、例えば血中リポプロティンスモールA(以下、Lp
(a)と略称することがある)等の免疫学的測定方法におい
て、被検試料の前希釈操作を軽減、あるいは削除させる
ことのできる方法を提供する。 【構成】 酵素免疫測定法(以下、ELISAと略称す
ることがある)等の免疫学的測定方法に基づく生体成分
の測定において、生体成分を捕捉する固相抗体と被検試
料中の生体成分との反応時に、固相抗体と同一の遊離抗
体を生体成分を含む被検試料に添加することにより、固
相抗体と遊離抗体との間で生じる当該生体成分に対する
競合反応を利用し、当該生体成分が固相抗体側に過剰に
結合する量を制限するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体成分に対する抗体
を利用した、生体成分、例えば血中リポプロティンスモ
ールA(以下、Lp(a)と略称することがある)等の測定
方法に関する。さらに詳細には、酵素免疫測定法(以
下、ELISAと略称することがある)等の免疫学的測
定方法に基づく血中Lp(a)の測定において、固相抗体
と被検試料中の抗原蛋白質との反応時に、固相抗体と同
一の遊離抗体をLp(a)を含む被検試料に添加すること
により、固相抗体と遊離抗体との間で生じる当該抗原蛋
白に対する競合反応を利用し、当該抗原蛋白が固相抗体
側に結合する量を制限するものである。これにより、従
来不可欠の被検試料の前希釈操作を軽減、あるいは削除
させることのできる方法を提供する。従って、本発明は
生体成分の測定に生化学的あるいは医学的意義が存する
分野、例えば臨床診断の分野において利用価値を有す
る。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする問題点】リポ
蛋白は蛋白質と脂質の複合体であり、生体内、特に血液
中の一成分としてその存在が知られている。リポ蛋白に
は、低比重リポ蛋白(以下LDLと称する)、高比重リポ
蛋白(以下HDLと称する)等、種々のリポ蛋白が存在す
るが、なかでも、リポ蛋白の1つであるリポプロティン
スモールAの生体内存在量と動脈硬化症との関連性が最
近特に注目されている。
【0003】Lp(a)は1963年にBerg等によっ
て発見され(Berg K. Acta Pathol.Microbiol.Scand. 5
9, p.369-382(1963))、構造的に類似したLDLの遺伝
的変異として報告されたもので、現在では動脈硬化性疾
患の独立した危険因子として考えられている。Lp(a)
の構造やその生理的意義については不明な点が多かった
が、1987年 Eaton等により、Lp(a)に固有な
アポ蛋白であるアポリポプロティンスモールA(以下a
po(a)と称する)が、血液線溶系の酵素の一種であるプ
ラスミノーゲンと構造的に著しい相同性を有することが
発表されてから、リポ蛋白と血液凝固線溶系を結びつけ
るものとして、動脈硬化性疾患に深く関与しているもの
と考えられている(J.W.McLean, et al., Nature 300,
p.132-137(1987))。
【0004】図1にLp(a)の構造を示す。図に示した
ように、Lp(a)はLp(a)に固有なアポ蛋白であるap
o(a)が、LDLにそのアポ蛋白(リポ蛋白の脂質部分を
除いた蛋白部分、LDLの場合apoB100)とのジスル
フィド結合を介して結合した構造を有する。apo(a)
は大量の糖鎖を含む高分子蛋白であり、その分子量は2
8万から80万ダルトンまで報告されている。その特徴
は線溶系に働くプラスミノーゲンとの構造的な相同性が
著しいことである。プラスミノーゲンにはループ状のク
リングルドメインが5つあり、最後にセリンプロテアー
ゼ構造部分を持っている。apo(a)も同じくこのクリ
ングル構造を有しており、プラスミノーゲンのクリング
ル4と相同性の高いクリングルを最大37個、次にプラ
スミノーゲンのクリングル5に相同性の高い部分、最後
にセリンプロテアーゼ部分に相同性の高い部分から形成
されている。
【0005】ところで、心筋梗塞、虚血性心疾患、脳梗
塞などの疾患を持つ疾患群は有意にLp(a)値が対象群
に比べ高値を示すことが知られている。例えば、Dah
len等は232人についての血清Lp(a)を測定し、
Lp(a)値が48mg/dl以下群に比較し、48mg
/dl以上群では11年間の経過中で心血管障害による
死亡が2.6倍に達し、虚血性心疾患の発症率は4倍高
いと報告している(DahlenG.H. et al., Circulation 7
4, p.758-765(1986))。また、バイパス手術後1〜14
年を経過した167例で、移植静脈片の梗塞群と非梗塞
群ではLp(a)値が有意に異なり、梗塞群が非梗塞群の
2倍であり、この差異は若年者で著しいとの報告もある
(Hoff H.F. et al., Circulation 77, p,1238- (198
8))。
【0006】このLp(a)の血液内の存在量を測定する
ことにより、これらの疾患群の危険因子をあらかじめ知
ることが可能である。また、危険因子の予知の結果、患
者の血液を取り出し、Lp(a)を除いた後、再び採血者
に血液を戻す手法であるプラズマアフェレーシス、ある
いは、薬物投与によりLp(a)を除くことができればこ
れら危険因子を除くことが可能となる。
【0007】従来、Lp(a)を初めとする血中内に多量
に存在する物質を測定する場合は、一般に免疫比濁法等
が広く使用されており、当該測定方法の測定域は5〜5
0mg/dlとみなされている。
【0008】ところで、一般に、血中に存在する物質の
存在量は、一般健常人であれば一定量に対して正規分布
するが、本発明の対象であるLp(a)は、健常人の分布
が1〜100mg/dlと非常に広く分布し、その分布
形態は、極度に低値側に傾いた8〜9mg/dlを中央
値とする対数正規分布することが特徴的である。上述の
ような、分布及び濃度域が対象となるLp(a)抗原量の
定量には、免疫比濁法よりもさらに感度が高いことが要
求され、この意味においてELISA法はLp(a)の測
定に関しては有利である。また、Lp(a)には、多くの
多形性があり(Utermann,G et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 86,P.4171-4174(1989))、これがLp(a)の測定にお
ける問題となっている。この点について言及すれば、免
疫凝集体の量を測定する免疫比濁法は、厳密には、各フ
ェノタイプに起因する分子サイズに影響される可能性は
高く、その意味からもLp(a)の測定に限っては、EL
ISA法が推奨されるものである。
【0009】Lp(a)の測定に対するELISA法につ
いては、現実的に、既にいくつかの報告がなされてお
り、例えば、抗apo(a)抗体を利用した酵素免疫測定
法(ELISA法)を挙げることができる(H.Guo, et a
l., J. Lipid Res., 30, p.23-37(1989); W.L.T.Wong
et al., Clin. Chem., 36, p.192-197(1990))。上述の
理由により、Lp(a)を測定する際においては、ELI
SA法が推奨されるところであるが、しかしながら、E
LISA法は高感度であるが故に、被測定物質が多量に
存在する被検試料の実際の測定においては、通常、数段
階に及ぶ希釈操作を経て被検試料を調製することを与儀
なくされる。この被検試料調製操作は、測定者に多大な
労力を課すとともに、希釈率の増大は誤差の増大に結び
つくものである。この被検試料の希釈操作の問題は、解
決されるべき重要な問題点である。
【0010】
【問題点を解決するための手段、発明の構成】上述の問
題点に鑑み、本発明者は競合反応をELISA法に導入
し、被検試料の希釈操作を軽減する方法を考案し、この
方法を用いてLp(a)を好適に測定できる方法の提供を
課題として検討した。
【0011】本発明者等は鋭意研究の結果、ハイブリド
ーマ法の技術を用いてLp(a)の添加によって免疫凝集
反応を認めないモノクローナル抗体を作製し、当該モノ
クローナル抗体をマイクロプレートに固定化し、抗原抗
体反応時にこの固定したモノクローナル抗体と同一種の
遊離モノクローナル抗体を被検試料とともに添加するこ
とにより、被検試料中のLp(a)に対して固定化抗体と
遊離抗体が競合する免疫学的測定系を構築した。なお、
遊離モノクローナル抗体の添加量については、被検試料
中のLp(a)量を考慮して、適宜増減させることができ
る。この方法により、固相抗体側に結合すべきLp(a)
量を制限することが可能となり、従来不可欠であった希
釈操作を低減あるいは削除することのできる本発明を完
成させるに至った。
【0012】以下本発明を詳細に説明する。本測定法の
原理及び測定法の概略を図2及び図3に示した。今回の
測定法では、一般的にサンドイッチELISAに分類さ
れる測定系の一次反応(抗原抗体反応)時に、固相抗体と
同一の遊離抗体を被検試料とともに反応系に添加させる
ことを大きな特徴とする。また、今回の測定法で使用す
る固相抗体及び競合反応に使用する遊離抗体は、Lp
(a)の添加に際して免疫学的凝集体を認めないモノクロ
ーナル抗体を用いることを特徴とする。なお、本測定系
の標識抗体に関しては、Lp(a)を認識するポリクロー
ナル抗体、あるいは固定化抗体とは異なるLp(a)上の
エピトープを認識するものであればどの部位を認識して
いるモノクローナル抗体を用いても本測定は可能であ
る。
【0013】1分子中の1つの認識部位を認識する性質
を有するモノクローナル抗体の場合、通常、抗原の添加
によって抗原抗体複合体からなる凝集体を形成すること
はないが、Lp(a)のように1つの分子内に数多くの同
一ドメインがくり返し存在している場合は、たとえモノ
クローナル抗体といえどもこのくり返し構造を認識して
おれば、凝集体を形成する可能性は否定できない。本測
定系においては、固相抗体に結合する抗原量を制限する
ことを目的としており、液相で生ずる免疫複合体形成
は、本来目的とした反応を複雑にするものであり、回避
されるべきものである。
【0014】以下、本発明の最適な実施態様である、遊
離抗体を競合的にサンドイッチ型ELISAに適用した
場合のLp(a)の測定について概略を述べる。しかしな
がら、本発明は抗ヒトapo(a)モノクローナル抗体を
用いた免疫学的測定方法を広く包含するものであり、サ
ンドイッチ型ELISAに限定されるものではない。サ
ンドイッチ型RIA(放射免疫測定法)、蛍光物質あるい
は化学発光物質を標識化した免疫学的測定法等も好適な
態様と考えられる。また、本測定法は、上記の測定法等
において希釈を不可欠とするものであれば、Lp(a)以
外の他の測定対象に対しても適用可能と考えられる。
【0015】まず、あらかじめ用意した抗Lp(a)モノ
クローナル抗体をマイクロタイタープレートのウエルに
吸着固定させる。アルブミンを用いブロッキングを行な
った後、ここに、Lp(a)を含む被検試料である血清
と、マイクロタイタープレートに固定させたものと同一
の遊離モノクローナル抗体を同時に添加する。インキュ
ベートし、洗浄後、酵素標識した抗ヒトapo(a)モノ
クローナル抗体を加えインキュベートし、さらに洗浄
後、基質を添加し、一定時間後に反応を停止し、基質の
発色量を吸光度で測定すればよい。
【0016】抗apo(a)モノクローナル抗体は通常用
いられている方法を参考にして調製すればよく、その概
略は以下の如くである。Lp(a)は正常ヒト血清より、
超遠心処理で比重1.063〜1.15の画分を分取し、
それらをセファロース CL-6Bカラムを用いて精製す
る。得られたLp(a)をマウスに免疫し、この免疫マウ
スより得られた脾臓細胞と適当なミエローマ細胞とを融
合し、ハイブリドーマを作製してこのハイブリドーマよ
り所望のマウスモノクローナル抗体を調製する。
【0017】マウス抗体のスクリーニング法は以下の方
法で行なった。つまり、まずLp(a)に反応するが、L
DLには反応しないクローンを選択した。得られたクロ
ーンをマウス腹腔に接種し腹水を得、これをプロテイン
Aカラムに通液して精製し、数十種のモノクローナル抗
体を得た。得られたモノクローナル抗体のうち、プラス
ミノーゲンに反応しない抗体を選択し、かつLp(a)添
加により免疫学的比濁を認めない抗体を選択した。
【0018】標識抗体の調製法としては固相抗体とは異
なる部位を認識する抗ヒトapo(a)モノクローナル抗
体を上述の方法に準じて調製し、マウス腹腔よりプロテ
インAカラムを用いて精製し、さらにペプシン処理後、
そのF(ab)'2を例えば石川等の方法に従いペルオキシダ
ーゼで標識すればよい。
【0019】
【発明の効果】本発明において確立した測定系によっ
て、ELISA法において従来不可欠であった被検試料
の希釈操作を低減あるいは削除することのできる、Lp
(a)の好適な測定が可能となった。
【0020】以下、本発明の理解を深めるために実施例
に添って説明するが、本発明はこれらの実施例に何等限
定されるものではない。
【0021】
【実施例】 実施例 1 (モノクローナル抗体の調製並びに選定)精製ヒトLp
(a)を免疫原として、本発明において使用されるモノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマはケラーとミル
シュタインの方法(Kohler and Milstein, Nature,256
p,495-497(1975))としてよく知られた方法を参考にして
得られた。得られたハイブリドーマより調製された数十
種の抗ヒトLp(a)モノクローナル抗体をすべて、Cambi
aso等の方法に従い、ラテックス粒子(セキスイ化学
社)に感作した(Cambiaso CL etal. Methods Enzymol.7
4(B):106,1981.)。Lp(a)を含む血清50μlにグリシ
ンからなる緩衝液760μlを添加し、37℃で一定時
間インキュベーション後、調製した抗ヒトLp(a)モノ
クローナル抗体感作ラテックスを200μl添加し、3
7℃で一定時間反応させ、その凝集を吸光度を測定する
ことにより確認した。
【0022】上述の方法で選択された抗体のラテックス
凝集反応での挙動を図4に示す。白丸実線はラテックス
凝集反応において凝集を与えない抗体、黒角実線は凝集
を与える抗体の挙動である。これらの測定で凝集反応を
起こさないモノクローナル抗体、No.895を選択
し、固相抗体及び競合抗体用として選択した。なお、標
識抗体用のモノクローナル抗体は、本選択方法による必
要性はない。こうして得られたモノクローナル抗体を実
施例2に示すELISA法による測定に供した。なお、
上述のモノクローナル抗体はいずれもIgG1タイプの
サブクラスに属し、代表的なモノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマは微工研に受託番号13123号
(FERM P-13123)として寄託されている。
【0023】実施例 2 (モノクローナル抗体を用いた競合法ELISAによる
Lp(a)の測定)PBSよりなる抗体希釈液に抗ヒトap
o(a)モノクローナル抗体を5μg/mlになるように
溶解し、これを96ウエルマイクロタイタープレート(N
UNC 社製、IMMUNO MODULE MAXI SORP F8)に、1ウエル
当たり150μlずつ添加し、4℃で一晩靜置した。各
ウエルより上記抗体液を吸引除去し、マイクロプレート
洗浄器(DYNATECH社製、ULTRA WASH II)を用いて洗浄
後、1%アルブミン(生化学工業社製、Albumin Fractio
n V, Bovine)溶解液を300μl添加し、4℃で靜置し
た。アルブミン溶液を吸引除去し、前記緩衝液で3回洗
浄し測定ウエルとした。
【0024】別に、ペルオキシダーゼ標識した抗apo
(a)モノクローナル抗体F(ab)'2を準備した。また、P
BSを基本とする緩衝液に、100μg/mlの濃度に
なるよう、マイクロタイタープレートに結合させたもの
と同種のモノクローナル抗体を希釈し、これを競合抗体
液とした。
【0025】測定用ウエルに下記の方法で調製した測定
試料を1ウエルあたり10μlずつ入れ、同時に上述の
競合抗体液を200μl入れ、30℃で45分間放置し
一次の抗原抗体反応を実施した。各ウエル中の反応液を
吸引除去し、0.5% Tween 20を含むPBS(p
H7.2)で4回洗浄後、ペルオキシダーゼ標識した抗a
po(a)モノクローナル抗体F(ab)'2 を1ウエル当たり
100μlずつ加え、さらに45分間反応を行なった。
同様に緩衝液で4回洗浄の後、基質溶液(OPD/H2
2)100μlを各ウエルに添加後、45分間遮光下で放
置した後、2N硫酸を各ウエルに100μlずつ加え反
応を停止した。撹拌し、各ウエルを均一にした後、49
2nmの吸光度を測定した。
【0026】実施例 3 (ポリクローナル抗体を用いた競合法ELISAによる
Lp(a)の測定)PBSよりなる抗体希釈液に抗ヒトap
o(a)抗体(Dako社)を10μg /mlになるように
溶解し、これを96ウエルマイクロタイタープレート(N
UNC 社製、IMMUNO MODULE MAXI SORP F8)に、1ウエル
当たり150μlずつ添加し、4℃で一晩靜置した。各
ウエルより上記抗体液を吸引除去し、マイクロプレート
洗浄器(DYNATECH社製、ULTRA WASH II)を用いて洗浄
後、1%アルブミン(生化学工業社製、Albumin Fractio
n V, Bovine)溶解液を300μl添加し、4℃で靜置し
た。アルブミン溶液を吸引除去し、前記緩衝液で3回洗
浄し測定ウエルとした。
【0027】別に、ペルオキシダーゼ標識した抗apo
(a)モノクローナル抗体F(ab)'2を準備した。また、P
BSを基本とする緩衝液に、100μg/mlの濃度に
なるよう、マイクロタイタープレートに結合させたもの
と同種のポリクローナル抗体を希釈し、これを競合抗体
液とした。
【0028】測定用ウエルに下記の方法で調製した測定
試料を1ウエルあたり10μlずつ入れ、同時に上述の
競合抗体液を200μl入れ、30℃で45分間放置し
一次の抗原抗体反応を実施した。各ウエル中の反応液を
吸引除去し、0.5% Tween 20を含むPBS(p
H7.2)で4回洗浄後、ペルオキシダーゼ標識した抗a
po(a)モノクローナル抗体F(ab)'2 を1ウエル当たり
100μlずつ加え、さらに45分間反応を行なった。
同様に緩衝液で4回洗浄の後、基質溶液(OPD/H2
2)100μlを各ウエルに添加後、45分間遮光下で放
置した後、2N硫酸を各ウエルに100μlずつ加え反
応を停止した。撹拌し、各ウエルを均一にした後、49
2nmの吸光度を測定した。
【0029】実施例 4 (モノクローナル抗体を用いた競合法ELISAの評価)
高濃度のLp(a)を含む被検試料である血清の希釈系を
用い、競合法ELISAで測定し、その反応曲線を図5
に示した。また対象として、競合抗体を含まない同様の
系で測定した結果を白丸で示した。図に示したように、
本測定方法により、0.5〜約100mg/dl付近ま
でLp(a)が測定可能となり、一方、従来のELISA
法での測定範囲は0.05〜約2mg/dlである。対
象と比較すれば、本測定法においては約50〜100倍
の希釈を削除できることとなる。
【0030】実施例 5 (ポリクローナル抗体を用いた競合法ELISAの評価)
高濃度のLp(a)を含む血清被検試料の希釈系を用い、
実施例3に示した方法に従い、その反応曲線を得た。結
果は図6に示したように、Lp(a)の固相抗体への結合
は抑制されたが、反応曲線はある臨界的なLp(a)濃度
を境に、急激に上昇しLp(a)の定量性を示さなかっ
た。 以上の結果は、抗原抗体反応時、一定の臨界的L
p(a)濃度で反応液相で抗原とポリクローナル抗体との
間に、免疫複合体が形成されたことを示唆するものであ
り、以後、その状態でのLp(a)の定量化を複雑なもの
としている。
【0031】実施例 6 (Lp(a)に対して凝集体を認めるモノクローナル抗体を
競合抗体、及び固相抗体に用いた系でのELISAの評
価) 高濃度のLp(a)を含む血清被検試料の希釈系を用
い、実施例2に示した方法に従い、その反応曲線を得
た。結果は図7に示したように、実施例5の結果とほぼ
同様の結果が得られた。 しかし、本実施例における測
定は、ポリクローナル抗体系のそれと比較すると、凝集
体の形成が緩和なことに起因ためか、反応曲線の上昇は
緩やかであり、約20mg/dl付近までは定量可能と
考えられた。つまり、本発明におけるモノクローナル抗
体の選択はLp(a)とモノクローナル抗体との免疫凝集
反応の程度に因るところが大きく、望ましくは、免疫凝
集体を認めないものが選択されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Lp(a)の構造を解説する図である。
【図2】 本測定の原理及び測定方法を示す図である。
【図3】 本測定の原理及び測定方法を示す図である。
(図2の続き)
【図4】 本発明に使用される抗体のラテックス凝集反
応での挙動を示す図である。
【図5】 競合法ELISAでの反応曲線を示す図であ
る。
【図6】 ポリクローナル抗体を固相及び競合抗体とし
て競合法ELISAの系を組んだ際の反応曲線を示す図
である。
【図7】 Lp(a)に対して凝集体を認めるモノクロー
ナル抗体を固相及び競合抗体として競合法ELISAの
系を組んだ際の反応曲線を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノクローナル抗体を用いた免疫学的測
    定方法において、希釈操作を施さないか選択的に希釈操
    作を施した生体試料を被検試料とし、被検試料中の測定
    対象物質と当該測定対象物質を捕捉する固相抗体との反
    応時に、当該固相抗体と同一の遊離抗体を添加し、固相
    抗体と遊離抗体との間に競合を生ぜしめることを特徴と
    する生体成分の測定方法。
  2. 【請求項2】 生体成分との抗原抗体反応により凝集体
    を形成することのない性質を有するモノクローナル抗体
    を固相抗体並びに遊離抗体として使用する請求項1記載
    の生体成分の測定方法。
  3. 【請求項3】 測定対象物質である生体成分が血中リポ
    プロティンスモールAである請求項1ないし請求項2に
    記載の生体成分の測定方法。
  4. 【請求項4】 免疫学的測定方法が、酵素免疫測定法、
    放射免疫測定法、化学発光免疫測定法及び蛍光免疫測定
    法より選ばれる請求項1ないし請求項3に記載の生体成
    分の測定方法。
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