JPH07103643B2 - プレストレストコンクリート用pc鋼より線の防錆方法 - Google Patents

プレストレストコンクリート用pc鋼より線の防錆方法

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JPH07103643B2
JPH07103643B2 JP1055527A JP5552789A JPH07103643B2 JP H07103643 B2 JPH07103643 B2 JP H07103643B2 JP 1055527 A JP1055527 A JP 1055527A JP 5552789 A JP5552789 A JP 5552789A JP H07103643 B2 JPH07103643 B2 JP H07103643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はプレストレストコンクリートの製造に際して、
プレストレスの導入に使用するPC鋼より線の防錆方法に
関する。
(従来の技術) 従来、心線の周囲に複数の側線をより合わせたPC鋼より
線の防錆方法として、プレストレストコンクリートの製
造に際して、PC鋼線に予め緊張力を与えた後に、これを
埋め込んでコンクリートを打設し、そのコンクリートの
固化後にPC鋼より線の両端を開放してコンクリートにプ
レストレスを導入するプレテンショニング方式に使用す
るものとしては、第17図に示すように、ポリエチレンも
しくはエポキシ等の合成樹脂の粉体材料を使用した粉体
塗装法、又は同材料を使用した押出成形法によってPC鋼
より線10の全体の外周面に被覆層11を被着させる方法
(特開昭59−130960号公報)がある。
この方法では、被覆層11が被着されるPC鋼より線10の側
線10a,10a……間の螺旋状溝形部分13内まで被覆層11に
よって完全に被覆させるには、被覆層11の全体の厚さを
相当厚くする必要があり、そうすると被覆層11の外面に
表われる螺旋状溝形部分14が小さくならざるを得ない。
しかし、被覆層11の外面の螺旋状溝形部分14は、プレテ
ンショニング方式において、コンクリートに対する付着
力を得るための最大主要部であり、この螺旋状溝形部分
14が小さくなることはコンクリートに対する付着力の低
下を招くものである。
また、PC鋼より線は、これを構成している心線及び側線
の相互間に空隙があり、これが長手方向に連続している
ものであるため、端部が完全密閉されなければ空気や、
水がこの空隙内を自由に流通することとなり、また表面
の被覆にそのピンホールやコンクリート打設時の被覆破
損による水等の浸透によって生じる内部腐食が問題とな
ってきた。
一方、コンクリートとの付着力を高めるために前出の特
開昭59−130960号公報では、被覆層の表面に砂状粒子を
押し込んで付着させる方法が開示されているが、未だ実
施例も少なく、実際にプレテンショニング方式の場合、
その殆どが防錆処理なしの裸のPC鋼より線が使用されて
いるのが現状である。
また、コンクリート打設後、その固化を待ってPC鋼線を
緊張し、プレストレスを導入させるポストテンショニン
グ方式に使用するものとしては、プレストレス導入に際
し、PC鋼より線とコンクリートとの付着力が問題となら
ず、逆にコンクリートに対してPC鋼より線が軸方向に移
動できるものである必要があるため、第18図に示すよう
にPC鋼より線10の表面に油脂系の防錆兼用の潤滑剤15を
塗布し、その外側に押出成形法によって合成樹脂筒16を
被せる方法(米国特許第3646748号明細書、特公昭53−4
7609号公報)がある。この方法では、PC鋼より線の表面
に塗布した防錆兼用の潤滑剤15に経時的な劣化が生じ、
また塗布状態が不完全になり易く、更に合成樹脂筒16に
亀裂が生じた場合には著しく防錆効果が低下するという
問題が生じている。
このような問題を解決せんとして、近年、第19図に示す
ようにPC鋼より線10の表面に鉄との密着性に優れている
ポリエチレン又はエポキシ等の合成樹脂材料を用い、粉
体塗装法によって被覆層17を形成し、更にその外側に押
出成形法によって合成樹脂筒18を被せる方法が開発され
ているが、この方法においても前述のプレテンショニン
グ方式のものと同様にPC鋼より線を構成している心線及
び側線相互間に空隙があり、切断端面あるいは被覆層17
のピンホールや破損部分から水等が浸透する問題が解決
されていない。
更に第20図、第21図に示すようにPC鋼より線のより合わ
せ前の側線10a及び心線10bに合成樹脂からなる被覆層18
を被着させ、その後、これらをより合わせてより線とな
し、その表面にグリース19を塗布し、その外側に合成樹
脂被覆層20を設ける方法及びグリースを使用せずにより
線の外面に合成樹脂被覆層21を被着させる方法(実開昭
61−144121号公報)が提案されている。
この方法ではPC鋼より線を構成している心線及び側線そ
れぞれに合成樹脂による被覆がなされており、より完全
な防錆がなされているものであるが、これはより合わせ
る前の心線、及び側線のそれぞれに被覆層を形成し、こ
れをより合わせてより線となしたものであり、合成樹脂
被覆層があるため、より合わせ加工後の残留応力を除く
ための熱処理(ブルーイング)を施すことができない。
即ち、通常PC鋼より線は、そのより合わせ加工後に約40
0℃程度に加熱して加工後の残留応力を除き、これによ
ってより合わせ状態を安定化させるものであるが、PC鋼
線の場合には、より合わせがほとんど弾性変形のみの状
態でなされるため、ブルーイングがなされないと、切断
の度にその端部からばらけてしまうという問題がある。
またブルーイングなしにてもより合わせが維持されるよ
うな加工を施すとすれば、その加工時に合成樹脂被覆層
が損傷され、防錆効果を維持できない等の問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 上述の如き従来の問題にかんがみ、本発明は、ブルーイ
ングがなされ、安定なより状態のPC鋼より線に対し、そ
の心線、及び側線のそれぞれ合成樹脂によって被覆さ
れ、しかも加工に際して被覆層を傷つけずに加工でき、
防錆効果の高いPC鋼より線の防錆方法の提供を目的とし
たものである。
(課題を解決するための手段) 上述の如き目的を達成するための本発明のPC鋼より線の
防錆方法の要旨は、第一に心線の周囲に複数の側線をよ
り合わせて形成され、ブルーイング処理により、より合
せ状態が安定化しているPC鋼より線のよりを部分的に順
次緩解しつつ、その緩解位置に合成樹脂塗料を供給し
て、前記側線並びに心線の各々の全周に合成樹脂被覆を
形成した後より合わせ状態を元に復元させることにあ
り、第二に心線の周囲に複数の側線をより合わせて形成
され、ブルーイング処理により、より合せ状態が安定化
しているPC鋼より線のよりを部分的に順次緩解しつつ、
その緩解位置に合成樹脂塗料を供給して、前記側線並び
に心線全周に合成樹脂被覆を形成した後より合わせ状態
を元に復元させ、その後更にその表面に合成樹脂被覆処
理を施すことにある。
(作用) この方法では、既により合わせられているPC鋼より線を
部分的に緩解させることにより、各側線及び心線間が開
かれ、これによってその各々の線に合成樹脂塗料が被着
可能な状態になる。この状態で各線毎にその全面に、例
えば静電法もしくは浸漬法等の粉体塗装法による塗装が
施される。塗装後、より合わせ状態が元に戻されて、各
側線及び心線のそれぞれに防錆被覆が施されたPC鋼より
線となる。
また、このようにして防錆されたPC鋼より線は、各側線
間の螺旋状溝形部分の深さが防錆被覆前より大きくな
り、その分だけプレテンショニング用として使用した場
合にコンクリートに対する付着力が大きくなる。
また、各側線及び心線に合成樹脂被覆を形成後、緩解を
解除してより合わせ状態を元に復元させた後、更にその
表面に合成樹脂被覆処理を施すことにより、プレストレ
ストコンクリート施工の際に破損され難い強固な被覆が
得られる。
(実施例) 次に本発明の実施例を第1図〜第16図について説明す
る。
第1図は第1実施例に使用する装置の配列を示してい
る。図において31は巻き戻し装置であり、第8図に示す
断面のように心線10bの周囲に側線10a,10a……をより合
わせ、ブルーイング処理によって、より状態が安定化さ
れているPC鋼より線10を巻き付けたコイル32を回転自在
に軸支させるようにしている。33は入側送り込み装置で
あり、一対の駆動無端ベルト33a,33bを互いに圧接さ
せ、その間に巻き戻し装置31から引き出したPC鋼より線
10を挾持させ、両ベルト33a,33bの駆動によって強制的
に送り込むようにしている。34は付着物除去装置であ
り、この実施例ではショットブラストが使用され、PC鋼
より線10にショット又は砂を吹き付け、油分等の付着物
を除去させるようにしている。35は加熱装置であり、こ
こでは高周波誘導加熱装置によってPC鋼より線を後の粉
体塗装に必要な温度に加熱させるようにしている。36は
PC鋼より線10のよりを緩めて側線10a,10a……及び心線1
0bの相互間を互いに拡開させる緩解装置であり、第2図
に示すように架台37に回転自在に支持させた回転筒体38
に緩解ガイド板39を固定し、その緩解ガイド板39をチェ
ーン40を介してモーター41により回転させるようにして
いる。緩解ガイド板39には第3図、第4図に示すように
その中心に心線ガイド筒42が、その周囲に間隔を隔てて
同一円周上配置に側線ガイド穴43,43……が設けられて
いるとともに外周にチェーンホィール44が一体成形され
ている。
45は粉体塗料供給装置であり、第5図に示すようにスプ
レブース46内にPC鋼より線10の緩解部分10Cが挿通され
るようにし、その緩解部分10Cに向けて三方向よりスプ
レーガン47,47,47により合成樹脂粉体塗料が空気ととも
に吹き付けられるようにしている。
48は後加熱装置であり、これには赤外線ランプが使用さ
れる。
49は冷却装置であり、冷風を流通させて防錆処理PC鋼よ
り線10Aを常温まで冷却させるようにしている。
50は出側引き出し装置であり、互いに圧接されて駆動さ
れる一対の無端ベルト50a,50bを有し、これに防錆処理P
C鋼より線10Aを挾持して強制的に引き出すようにしてい
る。
51は巻き取り装置であり、リール52を回転駆動させて防
錆処理PC鋼より線10Aを巻き取るようにしている。
53は準備作業用の先導ワイヤー巻き取り装置である。
次にこの装置を使用して行う防錆処理について説明す
る。
この装置の連続運転に先立ち準備作業を行う。まず、巻
き戻し装置31からPC鋼より線10の先端を引き出し、送り
込み装置33の無端ベルト33a,33b間、付着物除去装置34
及び加熱装置35内を通して緩解装置36まで送り込む。
次いでその先端部より手作業で第6図に示すようにより
合わせをほぐし、各側線10aを緩解ガイド板39の側線ガ
イド穴43に、心線10bを心線ガイド筒42に挿通する。そ
して、第7図に示すように一定長さLだけ緩解部分10c
を作り、先端側を手作業にて再びより合わせる。このよ
り合わせは、各側線10aがより加工後ブルーイング処理
によって、より状態に永久変形されているため、特に大
きな労力を要せずにできる。次いで、そのより合わせ先
端部に、第7図に示すように先導ワイヤー54を固定す
る。この先導ワイヤー54は、粉体塗料供給装置45、後加
熱装置48、冷却装置49及び引き出し装置50を通して先導
ワイヤー巻き取り装置53に巻きつけておく。
この状態で全装置を連続運転を開始させる。これによっ
てPC鋼より線10は連続して巻き戻し装置31から送り込み
装置33に引き出され、各装置内を通って防錆処理されて
引き出し装置50により引き出される。そして完全に防錆
処理された部分が引き出し装置50外に引き出されたと
き、不完全処理部分を切断し、順次連続して引き出され
る防錆処理PC鋼線10Aを、巻き取り装置51のリール52に
巻き取る。
次にこの防錆処理工程について説明すると、PC鋼より線
10は、送り込み装置33及び引き出し装置50により周方向
の回転が阻止されて軸方向にのみ移動される。そして、
まず、加熱装置35では、粉体塗料供給装置45において、
合成樹脂粉体塗料が付着した際にこれが溶融して表面に
付着する温度が維持される温度に加熱する。この状態で
緩解装置36に送られ、ここではPC鋼より線10のより合わ
せピッチに合わせてそのより方向に緩解ガイド板39がモ
ータ41により回転され、これによってPC鋼より線10は、
準備作業においてほぐされた一定長さL分だけ常にほぐ
され、L分移動後には自動的に再度より合わされる。こ
の一定長さLは、後述する合成樹脂粉体塗料が吹き付け
られた後に硬化が始まるまでの一定時間ほぐされたまま
の状態のまま維持される長さにあらかじめ設定する。
このようにしてほぐされた状態で粉体供給装置45のスプ
レーブース46内に入り、スプレーガン47により の電価
が与えられた合成樹脂粉体塗料が吹き付けられ、これが
緩解装置36にて、 の電価が与えられている各側線10a
及び心線10bの表面に付着して溶融されて、第9図に示
すように各線10a,10bの表面に均一に厚さに合成樹脂被
覆層aが形成される。そして緩解部分10cを通過し、再
度より合わされることにより第10図に示すように各線10
a,10bの外面に合成樹脂被覆層aが被着された状態の防
錆処理PC鋼より線10Aとなり、後加熱装置48内で再度加
熱されて被覆層表面が整えられ、冷却装置49にて冷却さ
れて被着された合成樹脂塗料が完全に硬化される。かく
して、第10図に示すように各線10a,10bの合成樹脂被覆
aを独立したものとすることができる。
また、上述の実施例における後加熱装置48は合成樹脂粉
体塗料の種類によっては必ずしも必要ではない。
また、上述の実施例ではPC鋼より線と粉体塗料に+及び
−の電価を与えて付着させる静電法による粉体塗装法を
使用しているが、PC鋼より線を予め加熱しておき、これ
に流動させた粉体塗料を吹き付けて付着させる、いわゆ
る流動浸漬法による粉体塗装法を使用してもよいもので
ある。
更にまた、第11図に示すように、粉体塗料供給装置45と
後加熱装置48の間に二次被覆用の静電粉体塗料供給装置
55を設置し、各線10a,10bの再より合わせの後にその表
面の合成樹脂被覆層aの外側に更に二次被覆層bを付着
させることにより、更に信頼度の高い防錆処理PC鋼より
線が得られる。
(試験例) I.防錆力試験 (1)試験片の種類 イ)従来の表面のみ防錆方法のもの ロ)本発明防錆方法のもの (2)防錆被覆の樹脂種類と厚さ イ)従来のもの エポキシ樹脂700ミクロン ロ)本発明のもの エポキシ樹脂300ミクロン (3)PC鋼より線の種類 イ)従来のもの SWPRB 7本より12.7mm ロ)本発明のもの SWPRB 7本より12.7mm (4)試験方法 塩水噴霧試験 (5)試験片長さ 200mm (6)試験方法 a. 従来品及び各発明品本5本を第12図に示すように両
端をカッターにて切断したままとし、塩水に浸漬し、両
端側面より内部に塩水の浸透による腐食状況を見る。
b. 従来品及び各発明品本5本を第13図に示すように両
端の切断面を合成樹脂Fにて密閉し、試験片中央に螺旋
状溝形を挟み幅3mm、長さ50mm程度被覆を切除しその切
断部分Gからより内部に塩水の浸透による腐食状況を見
る。
(7)試験時間 2,000時間 (8)判定方法 表面被覆層を剥ぎ取り、側線をほぐし1本ずつとして、
流水で水洗後2時間内に放置し肉眼で観察する。
(9)試験結果 イ)従来の表面のみ防錆方法のもの a.切断面両端側面より塩水が浸透し、より線内部錆発生
によって表面被覆層全体が膨張し、側線及び心線共著し
い錆が全体に発生していた。
b.被覆層切除部分(幅3mm、長さ50mm)より塩水が浸透
し、より線内部錆発生によって表面被覆層全体が膨張
し、側線、心線共著しい錆が全体に発生していた。
ロ)本発明の防錆方法のもの a. 切断面両端の防錆処理を施していない側面のみに錆
発生が認められるだけで、側線、心線に錆発生は認めら
れなかった。
b. 被覆層切除部分(幅3mm、長さ50mm)の防錆処理を
施していない所に錆発生が認められるだけで、側線、心
線に錆発生は認められなかった。
II.コンクリート付着力試験(定着長試験) (1)コンクリートの標準配合 設計基本強度(kgf/cm2) 400 脱型時強度(kgf/cm2) 300 セメントの種類 早強ポルトランドセメント 粗骨剤の最大寸法(mm) 25 スランプの範囲(cm) 6±1.5 空気量の範囲(%) 3±1 最大水セメント(%) 45 単位セメント量(kg) 400 (2)コンクリート供試体寸法 タテ(mm) 115 ヨコ(mm) 115 長さ(mm) 3,000 (3)試験に供したPC鋼より線の種類の寸法 (4)試験方法 1) 第14図に示すようにコンクリート供試体60部分
に、そのコンクリート打設前にPC鋼より線61を配置し、
ジャッキ62にてPC鋼より線61に矢印方向に所定の引張荷
重をかける。
2) コンクリート供試体60部分にコンクリートを打設
し、コンクリートが固まった後(コンクリート圧縮強度
が300kg/cm2以上となってから)ジャッキ62による引張
を徐々にゆるめる。
3) PC鋼より線61が縮みコンクリート供試体60に応力
が導入される状態を、コンクリート供試体表面に貼付け
た歪ゲージ63,63……で測定する。
(5)試験結果 結果は、第15図に示すグラフのごとくであった。グラフ
は本発明方法による防錆処理PC鋼より線の方が防錆なし
の裸PC鋼より線より稍高い値を示している。
この理由は本発明方法では、側線及び心線のそれぞれに
防錆被覆層が形成されるため、第16図(イ)(ロ)に示
す、 d1:心線径 d2:側線径 h:溝深さ l1:側線間隔(円周距離) l2:側線間隔(直線距離) のそれぞれが 1)被覆なしの場合…d1=d2=4.25mm φ l1=6.676m
m l2=6.37 5m h=2.694mm 2)心線、側線に300μの被覆を施した場合…d1=d2
4.85mmφ l1=7.618mm l2=7.275m h=3.075mm となり、外径並びに螺旋状溝幅、溝深さが大きくなり、
コンクリート付着力が向上してくるからである。
(発明の効果) 上述したように本発明のPC鋼より線の防錆方法は、PC鋼
より線のよりを部分的に順次緩解しつつ、各側線及び心
線のそれぞれの全周面に合成樹脂被覆を施すようにした
ことにより、ブルーイング後のPC鋼より線に対し、側線
及び心線が独立してともに完全な合成樹脂被覆ができ、
防錆効果が高く、しかも安定なより状態の防錆PC鋼より
線が得られることとなったものである。
更にまた本発明においては、各側線及び心線のそれぞれ
に合成樹脂被覆が施されるため、より線の外径が大きく
なり、しかも周囲にできる各側線間の螺旋状溝形部の深
さが大きくなるため、PC鋼より線の定着をコンクリート
に対する付着力によって維持させるようにした、例え
ば、プレテンショニング方式の如きプレストレストコン
クリート工法に使用する場合に、コンクリートとの付着
力が大きくなり、付着長を短くできるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に使用する装置の配列を示すブ
ロック図、第2図は緩解装置の断面図、第3図は緩解ガ
イド板の正面図、第4図は同断面図、第5図は粉体塗料
供給装置の部分断面図、第6図はスレーディングにおけ
るPC鋼より線の先端ほぐし状態の側面図、第7図は同じ
く緩解ガイド板への先端部の装着状態の側面図、第8図
は錆処理前のPC鋼より線の断面図、第9図は緩解部分に
おける合成樹脂塗料被着状態の断面図、第10図は防錆処
理後のPC鋼より線の断面図、第11図は他の実施例に使用
する装置の配列を示すブロック図、第12図、第13図はそ
れぞれ別々の試験片の側面図、第14図は試験装置を示す
側面図、第15図は同試験結果を示すグラフ、第16図
(イ)(ロ)は防錆処理前後の形状を比較した断面図、
第17図〜第21図はそれぞれ別々の従来例の断面図であ
る。 10……PC鋼より線、10A……防錆処理PC鋼より線、10a…
…側線、 10b……心線、10c……緩解部分、31……巻き戻し装置、 32……コイル、33……送り込み装置、 33a,33b……無端ベルト、34……付着物除去装置、35…
…加熱装置、 36……緩解装置、37……架台、38……回転筒体、39……
緩解ガイド板、 40……チェーン、41……モータ、42……心線ガイド筒、 43……側線ガイド穴、44……チェーンホィール、 45……静電粉体塗料供給装置、46……スプレーブース、 47……スプレーガン、48……後加熱装置、49……冷却装
置、 50……引き出し装置、51……巻き取り装置、52……リー
ル、 53……先導ワイヤー巻き取り装置、54……先導ワイヤ
ー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒沢 志郎 東京都調布市若葉町1―36―7 黒沢建設 株式会社内 (72)発明者 蓮井 武 北海道江別市向ケ丘17―14 (56)参考文献 特開 昭62−68639(JP,A) 特開 昭51−130960(JP,A) 特開 昭61−103633(JP,A) 実開 昭61−144121(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】心線の周囲に複数の側線をより合わせて形
    成され、ブルーイング処理により、より合せ状態が安定
    化されているPC鋼より線のよりを部分的に順次緩解しつ
    つ、その緩解位置に合成樹脂塗料を供給して、前記側線
    並びに心線の各々の全周に合成樹脂被覆を形成した後よ
    り合わせ状態を元に復元させることを特徴としたPC鋼よ
    り線の防錆方法。
  2. 【請求項2】心線の周囲に複数の側線をより合わせて形
    成され、ブルーイング処理により、より合せ状態が安定
    化されているPC鋼より線のよりを部分的に順次緩解しつ
    つ、その緩解位置に合成樹脂塗料を供給して、前記側線
    並びに心線全周に合成樹脂被覆を形成した後より合わせ
    状態を元に復元させ、その後更にその表面に合成樹脂被
    覆処理を施すことを特徴としてなるプレストレストコン
    クリート用PC鋼より線の防錆方法。
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