JPH07103574B2 - 緑化用コンクリート工法 - Google Patents

緑化用コンクリート工法

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JPH07103574B2
JPH07103574B2 JP1016868A JP1686889A JPH07103574B2 JP H07103574 B2 JPH07103574 B2 JP H07103574B2 JP 1016868 A JP1016868 A JP 1016868A JP 1686889 A JP1686889 A JP 1686889A JP H07103574 B2 JPH07103574 B2 JP H07103574B2
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忠男 杉本
兼治 安藤
信彦 林
広文 稲田
正人 吉川
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Chubu Electric Power Co Inc
Sato Kogyo Co Ltd
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Chubu Electric Power Co Inc
Sato Kogyo Co Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は、透水性及び保水性を有し、植物の生育が可能
であると共に、強度の優れた緑化用コンクリート構造物
を施工する方法に関するものである。
ロ.従来の技術 植物の生育が可能なコンクリート構造物を施工する方法
としては、空隙率の大きい粗骨材を主として、セメント
ミルク、添加剤を加えて硬練りし、振動を与えて締め固
める空隙コンクリート工法や、コンクリートの細骨材の
量を減じた配合(細骨材100kg/m3程度)にして吹き付け
手段により形成する空隙コンクリート工法が知られてい
る。
又特公昭54−42722号公報には、粒状のワラ、籾殻等の
腐食性空隙材と有機肥料、種子を混練した基盤強化材を
傾斜面に吹き付けた後、未だその強化基盤が半硬化の内
に、水を吹き付けて、セメント液を洗い流し、強化基盤
表面を非アルカリ化して、植物を植生する方法が開示さ
れている。
一方、特開昭59−88352号公報には、コンクリートに人
造繊維を混入して、コンクリート構造物の強度を高める
技術が開示されている。
ハ.発明が解決しようとする課題 しかしながら振動により締め固める空隙コンクリート工
法は、振動による締め固めや、セメントミルクの硬さ等
の施工技術が、空隙の品質に大きな影響を与えるため、
空隙の調整が難しいかった。このため、空隙が小さくな
ったり、不連続になったりして、植物が着眼しないこと
が多いし、又この工法による構造物は、保水性を有して
いないため、折角植物が着眼しても、順調に生育しない
ことが多かった。
一方、吹き付けによる空隙コンクリート工法は、吹き付
けにおいて骨材の圧送に要する運動エネルギーを、少な
いモルタル分で柔らげて付着させるものであるから、モ
ルタル分が、配合上非常に少なく、吹き付けられた骨材
のエネルギーを吸収できずに跳ね返ってしまい、付着性
が悪い欠点が生じていた。
更に特公昭54−42722号公報に記載された発明は、セメ
ント配合率の極めて低い、所謂セメント強化土壌を緑化
する方法についての発明であり、緑化は可能であるもの
の、強度が不十分なため、急斜面にコンクリート構造物
を作成する場合には、適用できなかった。
又特開昭59−88352号公報の方法は、コンクリート構造
物の強度を高めるためのものであり、混入する人造繊維
は、唯単に補強材として作用し、何らの透水性も有して
いないため、植物の着眼、生育に適したコンクリート構
造物を提供できるものではなかった。
ニ.問題を解決するための手段 本発明は、上記従前のコンクリート構造物の工法に関し
て生じていた欠点に鑑み、成されたものであって、十分
な透水性、保水性を有し、確実に植物を着眼できる緑化
用コンクリート工法に関するものであり、その構成は、
植物の着根に適した緑化用コンクリート構造物を形成す
るための工法であって、植物性長繊維と、主としてナイ
ロンファイバーあるいはカーボンファイバーからなる人
造繊維とを添加配合したコンクリートを、アンカーで固
定された補強材を包含するように吹き付け、または打設
することによって、補強材が埋設されたコンクリート構
造物を形成するとともに、そのコンクリート構造物の内
部に、植物性長繊維と人造繊維とからなる透水性の高い
空隙構造を形成することにある。
また、その緑化用コンクリート工法において、前記コン
クリート構造物を階段状に形成したことにあり、さら
に、前記コンクリート構造物上に緑化基盤材を吹き付け
て積層したことにある。
本発明の工法においては、コンクリート中へセメントを
300〜600kg/m3配合することが必要である。配合するセ
メントの量が300kg/m3以下であると構造物の強度が低く
なり、逆に600kg/m3を越えると、透水性が低下して好ま
しくない。又植物性長繊維の配合量は10〜50kg/m3であ
ることが適当であり、10kg/m3以下になると構造物の透
水性が低下し、50kg/m3を越えると、コンクリートを圧
送するのに閉塞などの現象が生じるので好ましくない。
又植物性長繊維の長さは、20〜30mm程度であると、構造
物の隅々まで水分を供給できるので好ましい。
更にコンクリート中には、人造繊維を配合することが必
要である。本発明において添加配合する人造繊維は、唯
単にコンクリート構造物のタフネスを向上させるばかり
でなく、植物性長繊維と一体になって、高い透水性を有
する構造を形成し、コンクリート構造物の透水機能、保
水機能を高めるという、重要な役割を担う。このような
人造繊維としては、ナイロンファイバー或はカーボンフ
ァイバー等が適している。
更に添加する人造繊維の形状が100〜3000本程度の束状
であると、構造物の保水性、透水性を有効に高めること
ができるので好ましい。
本発明の工法は、補強材を埋設することが必要であり、
更にその補強材は、アンカーで固定することが不可欠で
ある。この補強材としては、鉄筋、金網等を用いること
ができる。
又本発明の工法には、凍結融解の対策として、人造繊維
の他に、例えばAE材、高分子エマルジョン等を添加する
ことができる。
ホ.作用 配合した植物性長繊維によって、コンクリート構造物
は、多数の空隙を有し、表層に植物が着根するのに適し
ている。植物性長繊維は、透水性及び保水性に優れてお
り、植物の生育に必要な水分を供給するのに役立つ。又
植物性長繊維は、ある程度の長さを有しているため、構
造物の隅々までの水分を行き渡らせることができるし、
腐敗すれば、客土や肥料となり植物の生育を促進する。
又配合した人造繊維は、コンクリート構造物のタフネス
を高め、且つそれのみならず、植物性長繊維と絡み合っ
て、透水性の高い重合構造を形成する。このため、植物
性長繊維のみを配合した場合に比べ、構造物の透水性は
格段に高くなる。
たとえば、実験においては、コンクリート構造物を形成
する際に、単位セメント量350〜400kg/m3中に、植物性
長繊維(ワラ)のみを20〜30kg/m3配合した場合、人造
繊維(ビニロン)のみを10〜15kg/m3配合した場合、植
物性長繊維(ワラ)を20〜30kg/m3配合するとともに人
造繊維(ビニロン)を6.5kg/m3配合した場合の透水係数
の平均値は、それぞれ、1.64×10-2cm/sec.、1.15×10
-2cm/sec.、5.43×10-2cm/sec.であり、植物性長繊維
(ワラ)人造繊維(ビニロン)とを同時に添加配合した
場合の透水係数は、それぞれの単体を添加配合した場合
に比べて、きわめて高いものとなるという結果が得られ
ている。
構造物に埋設された鉄筋、金網等からなる補強材は、ア
ンカーで固定され、緑化用コンクリートと、地山法面と
を一体化する役目を担う。
従って、本発明の構造物は、植物性長繊維等の、強度を
低下させる材料を含んでいるにも拘らず、斜面から剥れ
たり、崩れたりする心配がない。
ヘ.実施例 本発明の緑化用コンクリート工法について説明すると次
の通りである。
先ず繊維質の植物を所定の長さに切断して長繊維を作
る。
繊維質の植物としてはワラ、すすき、竹、い草、よしな
どが好ましく、コンクリートの中で形状が変形しないも
ので水和反応の過程で悪影響が無いものであればどんな
長繊維でもよい。
長繊維の形状寸法は、圧送するホース径に制約を受け、
内径40mmのときは、繊維径5〜3mm程度、長さ20〜30mm
程度である。
上記の植物性長繊維及び人造繊維を、まだ固まらないコ
ンクリート又はドライミックスコンクリートの中に混入
し、打設又は吹き付けてコンクリート構造物を作る。植
物性長繊維、人造繊維を混入する時期は、混練から吹き
付け又は打設に至る過程であれば何時でも良い。
更に、植物性長繊維のみでは生育上、肥料分など偏るこ
とも考えられるため、超緩効性のコーティング肥料や有
機肥料などの固形肥料を必要最小限度添加することによ
り、植物の成育を適切に管理することもできる。
コンクリート成分の配合比は、コンクリート1m3当た
り、長繊維10〜50kg、セメント300〜600kg、粗骨材500
〜1000kg、細骨材500〜1000kg、その他の添加材0〜20k
gが好ましい。
以上のようにして形成されたコンクリート構造物は、混
入された植物性長繊維が時間の経過と共に吸水し、又腐
蝕が進んで植物の根が進入できる空隙が形成され、緑化
の基盤又は根の侵入孔となる。
次に吹き付け手段により構築された法面の実例を示す。
第1図は吹き付け時の緑化用コンクリートの状態を示す
断面図、第2図は吹付け後数カ月後の状態を示す断面図
である。
第1図において、1は法面であり、その法面1には表面
全体を覆うべくコンクリートが吹き付けられ、緑化用コ
ンクリート構造物2が形成されている。緑化用コンクリ
ート構造物2には、セメントや骨材などに混じって植物
性長繊維3が混入されており、又鉄筋、金網等をアンカ
ーで固定した補強材4が埋設されている。
図示のように植物性長繊維3が緑化用コンクリート構造
物2内に適度な配分で散在し、あるものは外部に突き出
した状態にあり、またあるものは構造物内部に埋設され
ている。緑化用コンクリート構造物の形状は、階段状に
することにより、生育に適した条件を備えることができ
る。
第2図において、5は用土を含む緑化基盤材、6は植物
である。
同図に示すように、階段状に吹き付けられた緑化用コン
クリート構造物2の凹凸面に、緑化基盤材5を吹き付け
る。時間の経過と共に緑化基盤材5中の種子が成長し、
緑化用コンクリート構造物2の中の植物性長繊維3へ根
をおろし、更に奥へ侵入して、緑化基盤材5が植物6に
よって緑化用コンクリート構造物2と一体となり、法面
を保護すると共に、全表面を一様に緑化する。
これは吹き付け工法ばかりでなく、打設工法その他従来
のあらゆるコンクリート工法に適用して、透水性を発現
でき、腐蝕しにくいエポキシ被覆鉄筋や金網などの補強
材があっても、その周囲がセメントモルタルなどで覆わ
れ、補強効果を有し、更に施工上、目づまりしにくい緑
化用コンクリートで覆われた法面が形成される。
ト.効果 本発明の工法は、配合する植物性長繊維と人造繊維が絡
み合い、透水性の高い構造を形成するので、構造物への
植物の着眼、生育を保証できる。
而もセメント配合率が高い上、人造繊維が補強効果をも
発揮するし、埋設した補強材は、アンカーで固定され、
コンクリート構造物と地山法面とを一体化するので、コ
ンクリート構造物の強度、タフネスは極めて高く、従来
不可能であった、急斜面のコンクリート構造物の緑化が
可能となる。
更に長繊維は稲ワラ、麦ワラ等を利用できるので、従来
無駄に廃棄されていたものを利用して資源の有効利用を
図り、農業の安定経営のために寄与する効果も大いに期
待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は法面に吹き付け施工された直後のコンクリート
構造体を示す断面図、第2図は緑化基盤層を積層したコ
ンクリート構造体の吹き付け後数カ月の状態を示す断面
図である。 1……法面、2……コンクリート構造物、3……植物性
長繊維及び人造繊維、4……鉄筋、金網等をアンカーで
固定した補強材、5……緑化基盤材、6……着眼した植
物、7……アンカー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 兼治 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電力 技術研究所内 (72)発明者 林 信彦 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電力 技術研究所内 (72)発明者 稲田 広文 神奈川県厚木市三田47―3 佐藤工業株式 会社技術開発本部中央技術研究所内 (72)発明者 吉川 正人 愛知県名古屋市中区丸の内3丁目21番25号 佐藤工業株式会社名古屋支店内 (56)参考文献 特公 昭54−42722(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物の着眼に適した緑化用コンクリート構
    造物を形成するための工法であって、 植物性長繊維と、主としてナイロンファイバーあるいは
    カーボンファイバーからなる人造繊維とを添加配合した
    コンクリートを、 アンカーで固定された補強材を包含するように吹き付
    け、または打設することによって、 補強材が埋設されたコンクリート構造物を形成するとと
    もに、 そのコンクリート構造物の内部に、植物性長繊維と人造
    繊維とからなる透水性の高い空隙構造を形成することを
    特徴とする緑化用コンクリート工法。
  2. 【請求項2】前記コンクリート構造物を階段状に形成し
    てなる請求項1に記載の緑化用コンクリート工法。
  3. 【請求項3】前記コンクリート構造物上に緑化基盤材を
    吹き付けて積層してなる請求項1に記載の緑化用コンク
    リート工法。
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