JPH0710340B2 - 空気清浄力を有する組成物およびその製造方法 - Google Patents

空気清浄力を有する組成物およびその製造方法

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JPH0710340B2 JP1280776A JP28077689A JPH0710340B2 JP H0710340 B2 JPH0710340 B2 JP H0710340B2 JP 1280776 A JP1280776 A JP 1280776A JP 28077689 A JP28077689 A JP 28077689A JP H0710340 B2 JPH0710340 B2 JP H0710340B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、NOxやSOxやO3ガス等の有害ガスや、NH3をは
じめとする窒素化合物系ガス、H2Sをはじめとする硫黄
化合物系ガス、アセトアルデヒドをはじめとするカルボ
キシル基系ガス、酢酸をはじめとするカルボン酸系ガス
等を含有する汚染空気を清浄化する、空気清浄材とし
て、あるいは燃焼排ガス、有害ガスの清浄材として使用
する事ができる組成物に関する。また本発明の組成物
は、食品鮮度保持剤としても使用することができる。
[従来の技術] 空気中のNOxガスやSOxガスやO3ガスは、呼吸器疾患を起
こすために低減することが望ましく、発生を防止しある
いは低減するための各種の燃焼装置やガス洗浄装置や化
学処理装置が用いられている。しかし汚染された空気か
ら、簡易な設備を用いて、これ等の有害ガスを効率よく
除去する方法は、一般化されていない。
空気中の窒素化合物系ガスや硫黄化合物系ガスは悪臭を
伴うため、活性炭を用いる吸着法や、他の香料を用いる
マスキング法や、臭気ガスを化学反応させる化学法で、
悪臭の処理が行なわれている。しかし従来の脱臭剤は、
脱臭力が短期間で劣化するという問題点がある。
繊維学会誌(繊維と工業)Vol.42,No12(1986),P18〜P
26には、Fe(II)化合物とアスコルビン酸とを溶液状態
で反応させて得られた錯体化合物が、窒素化合物系臭気
ガスに対して脱臭力を有することが述べられている。し
かし本発明者等の知見では、この錯体化合物は、硫黄化
合物系臭気ガスに対する脱臭力が弱く、また窒素化合物
系臭気ガスは錯体化合物に吸着して脱臭されるが、吸着
量に限度があるため、脱臭力が短期間で劣化するという
問題点がありアンモニア以外のガスは取りづらい。更に
この錯体化合物は蒸留や真空乾燥で粉末状とするが、製
造工程が複雑であるし、Fe(II)化合物として、FeSO4,
FeCl2,Fe(NO3等の化合物を使用するので高価なも
のとなる。また粉末であるため例えばゼオライト等に担
持させることが必要で、使用方法も複雑である。更に従
来の吸着あるいは化学反応型の清浄剤は、一部のガス
(分子の大きさ、反応のし易さから除去が容易なガス)
は除去できるが、他のガスは除去できないため、清浄フ
ィルターは複数個を使用し、各々の汚染ガスを分離して
除去することとなるため、装置が大きくなる。
[発明が解決しようとする課題] 空気を清浄化するには、有害なNOxガスやSOxガスやO3
スを除去することが可能で、同時に悪臭を伴うカルボキ
シル基系ガス、カルボン酸系ガス、窒素化合物系ガス、
硫黄化合物系ガス等も除去するめことが可能な、空気清
浄材が望まれる。一方内燃機関の排ガス中に含まれる有
毒ガスとか、化学プラント等で発生する悪臭.有毒ガス
を除去する吸収能力の大きい清浄材が望まれている。
(本明細書では、これ等の有害ガスもまた悪臭ガスも除
去できる性能を、以下空気清浄力と略記する)。
また長期間に亘って使用しても、強い空気清浄力を発揮
する空気清浄材が望まれる。
更に、製造に際して蒸留や真空乾燥等の複雑な処理を要
しない空気清浄材は簡易に製造できるために望ましく、
また粉末ではない、形状を有する空気清浄材は、使用が
容易なために望ましい。
本発明は、前記の各要望を満足する空気清浄材を提供す
ることを目的としている。
本発明者等は更に、本発明の組成物が、食品鮮度保持剤
としても優れた性能を有する事を見出した。従って、本
発明は、空気清浄の用途に限定されることのない組成物
である。
[課題を解決するための手段および作用] 本発明者等は、例えばFeSO4やFeCl2やFe(NO3等のF
e(II)化合物は用いないで、鉄とアスコルビン酸とを
反応させ、大気中で乾燥させると、鉄とアスコルビン酸
と大気中の酸素と湿分とが反応して、硫黄系化合物、窒
素系化合物、低級脂肪酸、SOx、NOx、O3等のほゞあらゆ
る有害ガスを除去でき、空気清浄力の強い反応生成物が
得られることを知見した。また鉄を過量に用いて未反応
の鉄を残存させ、鉄と反応生成物を共存させると、大気
中の酸素、湿分と鉄の反応によって清浄力が再生され、
長期間に亘って、強い空気清浄力を発揮することを知得
した。更にアスコルビン酸に類似した酸として(OH)基
と(COOH)基とをもった酸(本明細書ではアスコルビン
酸および(OH)基と(COOH)基とをもった酸を、以下オ
キシ多塩基酸類と略記する)を多種類テストしたとこ
ろ、効果に差はあるが、空気清浄力があった。特にクエ
ン酸や酒石酸やグルコン酸も、アスコルビン酸と同様
に、空気清浄力の強い反応生成物を形成することを知得
した。
これらの他に本発明で使用出来るオキシ多塩基酸類とし
てリンゴ酸、マンノン酸、キシロン酸、タルトロン酸等
がある。
アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸の2種
あるいは2種以上を混合した酸を用いても、アスコルビ
ン酸と同様に、空気清浄力の強い反応生成物が得られ
る。(本明細書では、アスコルビン酸、クエン酸、酒石
酸、グルコン酸から選ばれる1種または2種以上の混合
酸を、以下アスコルビン酸等と略記する)。
本発明者等は更に、鉄に替えて、マンガンとアスコルビ
ン酸とを反応させると、鉄を用いた場合よりも更に強い
空気清浄力を有する反応生成物が得られることを知得し
た。またマンガンを用いると、鉄を用いた場合に比べ
て、硫化水素系臭気ガスに対する脱臭力が顕著に向上す
る。鉄とマンガンの合金や、鉄粒とマンガン粒の混合物
を用いると、マンガン含有量に見合う空気清浄力の向上
が発揮される。尚本明細書で鉄およびマンガンとは、こ
れ等の合金やこれ等の混合物を含む。
本発明者等は更に金属の種類を変えて、クロム、ニッケ
ル、亜鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバルトについて
試験したが、これ等の金属もアスコルビン酸等で処理し
て、反応生成物と金属との共存物を作ると、空気清浄力
や、再生効果があることが判った。Ni,Alは同等で、Cr,
Zn等はやゝ落ちるが、鉄やマンガンと同様の効果を発揮
する。本明細書で鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバルトの2以上の金属
とは、2以上の金属の合金、混合物、および溶射、メッ
キ、複層焼結によって複層に形成したものをいう。
その例を第1表に示すが、これは44μの各々の金属粉末
にL−アスコルビン酸を、モル比で0.2添加し、水で混
練後乾燥し、金属と反応生成物の共存物を得た。この共
存物40grを40の密封箱に入れて、初期NH3濃度を2000p
pmとして、経過時間毎の脱NH3率を測定した。また使用
後の共存物を大気中に10時間放置した後再度同様の脱ア
ンモニアテストを行い再生効果を調査した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、即ち、
(1)鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、アルミ
ニウム、銅、スズ、コバルトの1または2以上の金属
と、オキシ多塩基酸類の1または2以上の酸との反応生
成物が、未反応の該金属と共存している共存物である、
空気清浄力を有する組成物であり、また (2)鉄およびまたはマンガンと、アスコルビン酸、ク
エン酸、酒石酸、グルコン酸から選ばれる1または2以
上の酸との反応生成物が、未反応の鉄およびまたはマン
ガンと共存している共存物である、空気清浄力を有する
組成物である。
本発明で用いる金属は、高純度のもは不必要で、通常の
不純物を含有するもので十分である。また本発明の組成
物は蒸留や真空乾燥等の複雑な処理を要しないため簡易
に製造できる。また本発明では、粉末ではない、使用が
容易な形状の金属を用いることができる。従って従来品
の如く、ゼオライト等に担持させることが不必要で、使
用が容易な形状の組成物が得られる。
本発明の組成物の空気清浄作用を鉄およびまたはマンガ
ンの例で説明する。
本明細書では、鉄およびまたはマンガンを以下鉄等と略
記する。尚、基材が鉄で、これに例えばマンガンをメッ
キしあるいは溶射しあるいは複層に焼結化させると、マ
ンガンで被覆された鉄が得られ、また同様の方法で、鉄
で被覆されたマンガンも製造できるが、本明細書で鉄等
とは、これらの鉄とマンガンの複層成形物を含む。後で
述べるが、本発明の組成物は鉄等にアスコルビン酸等
を、例えば接触させ、乾燥して製造する。この接触によ
って鉄等の表面や結晶粒界は、アスコルビン酸等によっ
て腐食されあるいは粒界腐食されて、微細な凹凸が生
じ、その表面積が拡大する。更に時間の経過と共に反応
が進み亀裂が増加し表面積が更に増大する。腐食された
表面は、鉄等とアスコルビン酸等との反応生成物(錯体
中Fe2+に[OH]が配位結合し、連鎖状となったものと想
定される)で掩われている。第1図はその金属組織の写
真で、鉄とアスコルビン酸とが反応した共存物に、後で
述べる固体塩基(Ca(OH))を吹きつけた例である。
第1図で白い破片状物は、固体塩基である。反応生成物
の構造は下記の如くに想定される。
本発明の組成物は鉄等と反応生成物との接触表面積が広
いために、後で述べる鉄等と反応生成物との間の化学反
応は円滑に進行する。更に反応生成物が粒界に差し込み
アンカー効果を発揮し、反応生成物が脱落せず、鉄等に
密着しているので再生効果が発揮できる。
本発明の空気清浄化機構を本発明者等は次のように想定
している。
i.窒素化合物系ガス(例えばNH3)は金属表面の反応生
成物に一次的に前記反応生成物中のFe2+に配位結合し、
アンミン錯塩となる。
反応生成物+NH3→デヒドロアスコルビン酸−Fe2+(N
H3 ii.吸着したNH3は、反応生成物直下の活性な鉄が触媒と
なり錯塩中のFe(OH)の1部及び大気中O2とアンミン
錯塩中のNH3が反応して O2+NH3→N2+H2Oで反応生成物が一部再生される。
iii.活性な鉄が大気中のO2,湿分のもとで還元剤として
働き、デヒドロアスコルビン酸の酸化還元のサイクリッ
ク機構が成立する。
デヒドロアスコルビン酸+Fe還元→再生アスコルビン酸 iv.再生アスコルビン酸は鉄と大気中酸素、湿分、NOx、
SOx、O3等の酸化剤と反応して新しい反応生成物を作り
つつ有害ガスを分解し活性酸素を生成する。
再生アスコルビン酸+(酸化剤、湿分) →新しい反応生成物+S,N,+活性酸素 v.カルボキシル基系ガス(例えばアセトアルデヒド),N
H3,H2Sは活性酸素で酸化分解される。O+R−CHO,NH3,
H2S →R−COOH(酢酸),N2,S,H2O vi 上記で生成した酢酸又はその他の低級脂肪酸は固体
塩基で固定される。
vii H2Sの一部は酸化鉄の触媒反応、固体塩基があるこ
とによって H2S→HS-+S0 HS-→H++S0 分解析出する。
金属鉄がある限り再生機構が作りあげられ、清浄化効果
が持続しつつ、アスコルビン酸は金属の中心部に向かっ
て腐食反応を進めるため、ミクロ的に金属に腐食割れが
進行し、反応生成物の表面積は増大し、長期に亘って空
気の清浄化効果が続くものと想定している。
請求項(3)の組成物、請求項(1)または(2)の組
成物に、更に固体塩基を配することを特徴とする。
本発明で固体塩基とは、例えばCaO,Ca(OH)2,Na2CO3,N
aHCO3,MgO,Mg(OH)2,MgCO3等で、請求項(1)や
(2)の組成物に配した際に水溶液とならないものをい
う。水溶液状になると、反応生成物が溶解し効果が低下
する。本発明者等の知見によると、固体塩基を添加し
て、請求項(1)の組成物の反応の場を塩基性にする
と、硫化水素系の臭気ガスに対する脱臭力が向上し低級
脂肪酸等の固定能力が向上する。固体塩基の添加は、例
えば固体塩基の粉末を、請求項(1)や(2)の組成物
がほゞ乾燥の段階で、あるいは乾燥後の段階で、直接吹
きつけあるいは速乾性の有機溶媒と混じて吹きつけある
いは浸漬して行なうことができる。
固体塩基の配する量は、反応の場が塩基性(PH>7.0)
になれば十分効果がある。反応生成物はPH:4.0〜5.5程
度であるので、添加量は接触物の重量の1%〜10%あれ
ばほゞ十分である。
本発明者等は、第2表に記載の各種金属粉とアスコルビ
ン酸等を用いて、請求項(2)の組成物と請求項(3)
の組成物を製造した。この各種組成物の脱臭力を第2図
に示した脱臭力測定装置を用いて測定した。第2図で1
は臭気ガスホルダー、2はサンプルカプセル、3は流量
計である。臭気ガスとしてはNH3ガスまたH2Sガスを用い
た。
第2図でサンプルカプセル2に第1表の各粉末を1g宛づ
つ挿入し、NH3ガスまたはH2Sガスを濃度100ppmに調整し
て流し、平衡吸着量を測定した。その結果を第3表に示
した。第2表および第3表でNo5は比較例で、FeSO4とア
スコルビン酸とを溶液状態で反応させて得られた錯体化
合物である。第3表に示す如く、本発明の組成物は、比
較例に比べて10倍〜100倍の寿命を有する。またH2Sガス
に対しては、固体塩基を配した請求項(3)のNo1およ
びNo2が、請求項(2)のNo3,No4よりも優れた脱臭力を
有している。
本発明者等はまた、平均粒度が10μの鉄粉にアスコルビ
ン酸をモル比で0.2添加し、水を添加して撹拌後、水分
を蒸発させて乾燥した。この粉末と、この粉末に更に重
量比で3%のCa(OH)の粉末を混合したものを、各々
5gr宛脱脂綿に塗着し、NH3ガスとH2Sガスに対する脱臭
力を調査した。脱臭力のテストは、40の密閉ボックス
に臭気ガスを入れ、その後で前記の脱脂綿を入れ、ファ
ンでボックス内の空気を循環させた。その結果を第3図
に示した。第3図(B)に見られる如く、固体塩基(Ca
(OH))を配さない場合は、H2Sガスに対する脱臭力
は弱いが、Ca(OH)を配する事によってH2Sガスに対
する脱臭力が向上する。
請求項(4)は、反応生成物と鉄等との共存物が、鉄等
に対して0.005〜0.5のモル比のアスコルビン酸等とで形
成されている。請求項(1)または(2)または(3)
に記載の組成物である。
本発明者等は10μの鉄粉に、3モル濃度のアスコルビン
酸を、アスコルビン酸でモル比が0〜1.0の間で添加量
を変えて加え、100℃で蒸発乾燥して鉄とアスコルビン
酸の使用量比率が異なる請求項(1),(2)の各種の
組成物を製造した。各組成物1g宛を、第2図のサンプル
カプセル2内に装入し100ppmのアンモニアガスを流し
て、アンモニアの除去量を調べた。第4図にその結果を
示した。(アスコルビン酸重量)/(鉄粉重量)がモル
比で0.5を超えると、アンモニアの除去量が低下する。
本発明者等は、モル比で0.5以上の場合の共存物を顕微
鏡で調査したが、鉄粉がアスコルビン酸中に埋め込まれ
た状態となる。また粉以外の場合でも、モル比が0.5以
上では鉄等の表面はアスコルビン酸によって覆われてい
る。このような状態では、例えば臭気ガスとの反応性が
弱い。モル比で0.5以下では、表面がアスコルビン酸で
覆われないで反応生成物が表面に観察されるが、この状
態では臭気ガスとの反応性が強い。
しかしモル比で0.005未満では、反応生成物の生成量が
不十分となる。第4図の傾向は、請求項(3)の組成物
の場合にも認められる。
請求項(5)の組成物は、用途が燃焼排ガスや有毒ガス
の清浄材であり、また請求項(6)の組成物は用途が空
気清浄材である。
本発明者等は、第5図の装置を用いて、本発明の組成物
の空気清浄力を調べた。4はフィルターに形成した本発
明の組成物で、鉄80%,マンガン20%からなる後で請求
項(21)で述べる空孔径2mmの3次元網目状の焼結体
で、該焼結体に対して、アスコルビン酸を3重量%を用
いて製造されている。尚フィルター4の総重量は40grで
ある。5は汚染空気室で、容量は1m3である。汚染空気
室5には、後で述べる各種の汚染空気を導入口6から導
入し、導入口6を閉塞した後、循環ポンプ7を作動させ
て、汚染空気室5内の汚染空気を、矢印8方向に循環せ
しめる。尚循環ポンプの容量は1m3/分である。尚9はガ
スサンプル採取口である。第6図はその結果を示す図で
ある。第6図(A)は処理前の汚染空気が23〜36ppmのS
O2を含有する例である。また第6図(B)は処理前の汚
染空気が10〜20ppmのNO2を含有する例で、第6図(C)
は1〜3ppmのアセトアルデヒドを含有する例で、また第
6図(D)は1〜3ppmのO3を含有する例である。第6図
の(A),(B),(C),(D)にみられる如く、汚
染空気中のSO2やNO2やアセトアルデヒドやO3は、10分〜
30分の運転で分解されて、残存率は0となり、清浄な空
気となる。
本発明者等はまた、第5図の装置を用いて、NH3ガスとH
2Sガスの脱臭性能を調べた。この際フィルター4として
は、後で請求孔(21)で述べる、三次元網目状の鉄の焼
結体をアスコルビン酸で処理し、更にCa(OH)をエタ
ノールを用いて配した組成物4-1と、三次元網目状の鉄
の焼結体の表面をマンガンの焼結で掩うった複層焼結体
をアスコルビン酸で処理し、同様の方法でCa(OH)
配した組成物4-2とを用いた。比較例は同じ大きさの活
性炭のフィルターである。その結果を第7図に示した。
第7図で(A)はNH3ガスの例で、(B)はH2Sガスの例
で、脱臭率(%)は、 {(処理前ガス濃度−処理後ガス濃度)/(処理前ガス濃度)}×100 である。比較例に比べて、4-1,及び4-2は、優れた脱臭
率を示している。尚マンガンを用いた4-2は鉄のみの4-1
よりも強い脱臭力を有することが分かる。
本発明者等は、また第7図の4-1,4-2及び比較例のフィ
ルターを高濃度のNH3ガス雰囲気や高濃度のH2Sガス雰囲
気を24時間曝し、その後大気中に取り出して、24時間大
気中で酸素と湿分とを接触させて反応生成物を再生後、
同一の装置で脱臭テストを行なった。その結果を第8図
に示す。4-1や4-2のフィルターは初回の時よりも良好な
脱臭性能に再生されていたが、比較例の活性炭は全く脱
臭力を有していなかった。
本発明者等はまた、前述した三次元網目状の鉄−マンガ
ン焼結性多孔体(30mmφ×50mml)を自動車排ガス孔の
最終端にセットして、排ガスの清浄力を調べたが、排ガ
ス中のNOxやSOxはほゞ完全に除去されていた。
また発電所ボイラー排ガス設備の脱硝プラント(NH3
ス‐V2O5触媒分解型)の排出孔に上述と同質の多孔体の
組成物をセットしたところ、未分解NH3ガスを多孔体の
組成物が吸収するために、V2O5触媒体の使用期間を2年
から4年まで延長することができた。
請求項(7)の組成物は、食品鮮度保持剤である。本発
明者等は、第2表のNo.1〜5の組成物を20のダンボー
ル箱の内壁に吹きつけ、ダンボール箱の内部に供試材を
装入し、室温(20℃)で供試材の鮮度保持性能を比較し
た。その結果を第4表に示した。No.5は比較材で、食品
鮮度保持力を有するといわれている従来材である。第4
表にみられる如く、本発明の組成物であるNo1〜No4はNo
5と同等の食品鮮度保持性能を有し、これ等を用いない
場合に比べて、供試材の鮮度保持期間を約2倍に延長で
きる。本発明の組成物が食品鮮度保持力を有する理由は
詳かではないが、先に述べた活性酸素等が発生しあるい
は関与している思われる。
請求項(8)および(9)および(10)は、塑性加工に
より製造した鉄等や、更に、2次加工して得られた鉄等
を用いる。塑性加工とは、例えば熱間圧延.冷間圧延、
押出し、引抜、鍛造等の、熱間あるいは冷間で汎用され
ている塑性加工を指す。また2次加工とは、これ等の成
形品に更に塑性加工や切断や接合を施す加工で、例えば
容器、網、ハニカム、ファイバー等に製造する加工をい
う。これ等の方法を用いると、各種の形状や大きさの、
板状物、箔状物、線状物、管状物、網状物、ハニカム状
物、ファイバー状物、微小片物の鉄等が安価に且つ容易
に得られる。アスコルビン酸等を接触させる具体的な方
法は、後で請求項(22),(23)において詳説する。
本発明者等は、板厚が30μの鉄箔を、一度圧延組織を消
滅して粒界腐食をうけやすくするため、800℃に焼戻.
焼入した後、10%HCl水溶液で表層を酸洗した後、1モ
ルの濃度のアスコルビン酸溶液に30分間浸漬し、100℃
で大気中で乾燥し鉄箔の表面に反応生成物を形成した。
更に表面に、メタノールとNa2CO3との混合液を吹きつけ
て、表面のPHが約8の鉄箔を基材とする組成物を作成し
た。この組成物を、第9図のハニカム材として用いて、
直径が10cm、長さが10cmの、第9図に示した脱臭筒を作
成して、家庭用のトイレに静置し、1年間使用したが、
臭気は感知されなかった。尚第9図で10はハニカム状の
組成物で、11は保持厚紙である。
本発明者等はまた、目の大きさが、1mmの鉄製金網を、
2モルの濃度のアスコルビン酸の溶液に10分間浸漬し
て、金網の表面に反応生成物を形成し、これを常温で乾
燥し、網状の組成物を作成した。この網状の組成物を容
量が20のダンボール箱の内面に張りつけ、内部に第4
表に示す生鮮食品を入れ、室温に保持し、鮮度保持力を
調査した。第5表にみられる如く、本発明の網状の組成
物を張りつけたダンボール箱は、通常の場合に比べて、
約2倍の鮮度保持力を有していた。
請求項(11),(12)は、鉄等の粉末や、鉄等の粉末を
用いた成形物を鉄等として用いる、組成物に関する。粉
末の鉄等とアスコルビン酸等とを反応せしめ、粉末の表
面を反応生成物とし、また粉末の内質を未反応の鉄とす
ると、粉末状の共存物が得られるる。第10図はその例を
示す図で、平均粒径が50μの鉄粉と、0.10モルのアスコ
ルビン酸とを混合し、自然乾燥して製造した、粉状の共
存物である。12は反応生成物で、鉄の内質部33上に亀甲
状に形成されている。
粒度の異なる粉末の鉄等を用いると、細かい粉末は内質
も反応生成物となるが、粗い粉末の内質は未反応の鉄等
であるため、粉末状の共存物となる。先に第2表、第3
表、第4表で、No1〜No4の本発明の組成物を述べたが、
これ等は、請求項(12)で製造した粉末状組成物の実施
例である。
鉄等の粉末は、結合剤を用いて混練し、混練物を成形す
ると各種の形状の成形物が得られる。結合剤としては水
ガラス、セメント、ベントナイト等の無機系の結合剤や
CMC、ポリアクリル、メチルセルローズ等の有機系の結
合剤を用いる事ができる。成形方法としては押出やロー
ルやペレタイザーや射出成形機等を用いることができ
る。この方法によると球形や円筒形や、中空円筒形や多
角形の棒状物、片状物、粒状物、塊状物等が製造でき
る。請求項(12)では、これ等の成形物をアスコルビン
酸等と接触させて、共存物を製造する。
鉄等の粉末はまた、結合剤を用いて金属または非金属の
担持体に担持させて成形物とする事ができる。例えば鉄
等の粉末を結合剤を用いて、ガラス球や有機高分子球体
の表面に塗着すると、球状の成形物となる。
有機高分子球体として発泡処理をした有機高分子球体、
例えばスチレン膨張発泡体(積水化学(株)製)、エク
スパンセルプラスチック微小中空球体(ジャパンフェラ
イト(株)製)、エポキシバルーン(エマーソンカミン
グ社製)等は、使用に先立って発泡処理(蒸気、熱水等
による加熱処理)することによって、見掛比重が0.30以
下の中空のあるいは微細な空孔を有する有機高分子球体
となる。これ等の発泡処理をした有機高分子球体を基体
として用いると、軽量で球状の成形物が得られる。請求
項(10)では、これらの成形物にアスコルビン酸等を接
触させて、共存物とする。
第11図はこの方法で製造した球状の共存物の例で、13は
有機高分子球体、12はアスコルビン酸等と鉄等との反応
生成物、14は未反応の鉄等である。
担持体としてはまた、例えばウレタンフォーム等の三次
元に連通孔を有する多孔体を用いることができる。例え
ばウレタンフォームの骨格に鉄粉等を塗着すると、骨格
が鉄粉等で掩われた、三次元に連通孔を有する多孔体の
成形物が得られる。請求項(12)ではこの多孔体に、ア
スコルビン酸等を接触させて、共存物を製造する。ウレ
タンフォームに替えて、有機質三次元織物(株式会社有
沢製作所製)を用いても、ウレタンフォームと同様に、
三次元に連通孔を有する多孔体の成形物が得られる。ま
た担持させる他の方法として、例えば合成樹脂原料(ポ
リウレタン、ポリエステル、ポリスチレン等)に金属粉
末を添加して、糸状、フォーム状に混合合成処理し、金
属混合紡糸、金属混合発泡材として、合成樹脂に金属粉
末を担持させたものを、アスコルビン酸等で処理して
も、共存物が得られる。
請求項(12)において、先に述べた、紡状物、片状物、
粒状物、塊状物を用いて製造した共存物や、例えば有機
高分子球体の表面に鉄等の粉末を塗着した球体を用いて
製造した共存物も、通気性の収納容器に収納して、空気
清浄用フィルターとして用いる事ができるが、三次元に
連通孔を有する多孔体の成形物を用いて製造した共存物
を用いた組成物は、収納容器が不必要で、そのまゝ空気
清浄用フィルターとして用いる事ができる。
請求項(11)や(12)の成形物や担持体に担持させた成
形物には、請求項(12)で述べた、上記の全ての成形物
や担持体に担持させた成形物を含む。
請求項(13),(14)は、鉄等の粉や粒にアスコルビン
酸等を接触させた、例えば第10図に示した粉状物や粒状
物を、結合剤を用いて成形し、あるいは金属または非金
属の担持体に担持させて成形した、組成物の製造方法で
ある。この方法での結合剤や、成形方法や担持体は、請
求項(12)で述べたと同じ結合剤や成形方法や担持体を
用いる事ができる。第12図は、有機高分子球体13に粉状
の共存物15を担持させた請求項(14)の共存物の例を示
す図である。13は有機高分子球体で、14は鉄の粉の未反
応の内質で、12は反応生成物である。第12図の例で製造
した共存物を用いて製造した組成物は、活性な表面積が
広いために、この球状の組成物を、例えば通気性の収納
容器に多数個を充填して、空気清浄用フィルターとして
用いると、空気清浄効率の高いフィルターとなる。第12
図で16は、その際の汚染ガスの流路の例である。
請求項(15)は、共存物の製造に用いる鉄等を、非金属
の担持体に、溶射や電解.無電解メッキによって鉄等を
担持させて形成する。この方法で形成した鉄等の成形物
をアスコルビン酸等と接触させて、共存物を製造する。
有機質の合成繊維、ウレタンフォーム等が有機質系の非
金属の担持体として使用できる。またガラス質等の成形
物が無機質系の非金属の担持体として使用できる。
請求項(16),(17)は、鉄等の焼結体を形成し、これ
にアスコルビン酸等を接触させて共存物を製造する、組
成物に関する。焼結によると、凹凸や、マクロ空孔やミ
クロ空孔が多く、ガスとの接触面積が大きい成形体が得
られる。この成形体を用いて共存物を製造すると、反応
生成物と鉄等とが接触する面積が広く、またミクロ、マ
クロ空孔がアンカー効果となり反応生成物が金属に密着
して脱落しづらくまた汚染空気が組成物と接触する面積
が広く、活性な空気清浄材が得られ、極めて好ましい。
焼結体に使用する鉄粉は、例えばCを2.0〜4.5重量%含
有する鉄は粉砕し易く、乾式粉砕や湿式粉砕で、平均粒
径が50μ以下の鉄粉が容易に経済的に製造できる。
鉄マンガン合金粉は、例えばフェロマンガンを粉砕して
製造できる。
マンガン粉は、金属マンガンを粉砕しあるいはマンガン
鉱石を還元して得ることができる。
酸化鉄粉は、例えば上記の、Cを2.0〜4.5%含有する鉄
粉を沸騰水中で煮沸すると、表面が酸化した酸化鉄粉が
得られるし、酸化鉄粉そのものは例えば製鉄所の製鋼工
程で得られる。
酸化マンガン粉は、マンガン鉱石を粉砕し、あるいは炭
酸マンガンの粉末を処理して得られる。
炭素粉末は、例えば黒鉛電極を粉砕して得られるし、微
粉コークスを用いる事もできる。
請求項(17)では必要に応じて、更にSi,Ni,Cr,Mo,Cu,A
l等を加えるが、金属粉末で添加してもよいし、これ等
の元素を含有する鉄を粉砕して添加してもよいし、焼結
に支障のない薬剤として添加することもできる。尚、S
i,Ni,Cr,Mo,Cu,Al等は焼結体の強度や耐熱性や耐食性を
向上させるために添加する。
上記の各粉末を調合し結合剤と混練する。結合剤として
は、水ガラス、セメント、ベントナイト等の無機系結合
剤や、CMC、ポリアクリル等の有機系の結合剤を用いる
ことができる。尚各粉末の粒度を50μ以下に調整すると
混練して得られる混練物は、加工成形や担持体に担持さ
せて成形するのが容易な混練物となる。
混練物は押出やロールやペレタイザーや射出成形機を用
いて、請求項(12)で述べたと同様の形状の成形物に成
形できる。
また混練物は、請求項(12)で述べたと同様の有機高分
子球体の表面に塗着担持させて成形物とする事ができ
る。
この成形物を次に焼結する。加工成形して得られた成形
物は通常の焼結の熱処理によって、それぞれの成形物の
形状に相当した焼結体となる。有機高分子球体に担持さ
せて成形した成形物は、焼結に際して、400℃以下で有
機高分子は熱分解して消失し、内部が中空の球状の焼結
体となる。
焼結の温度、時間は、鉄とマンガンの混合比等によって
当然調整するが、焼結後の焼結組織にあるマクロ空孔比
率が、空気清浄効果に及ぼす影響が大きい。本発明者等
の試験によると、第13図に示す如く、空孔率{顕微鏡で
200倍に拡大し観察した際の、(空孔面積/全観察面
積)×100}が15%以下では、空気清浄力は弱い。これ
は前述の如く、反応生成物が焼結体に十分担持されない
しまた表面積が少なくなるためと思われる。空孔率は、
焼結温度や焼結時間を制御して調整できるし、また後で
請求項(18)や(19)で述べる、成分調整や熱分解剤の
添加によって調整することができる。空孔率を調整でき
る点が、焼結で製造した金属の特徴である。
請求項(18)は、請求項(17)の粉末原料を製造する際
に、その炭素含有量と酸素含有量とを下記(1)式の如
くに調整して、焼結体を製造する。
但し[C]:粉末原料の炭素含有量(重量%) [O]:粉末原料の酸素含有量(重量%) 粉末原料の[C]を2.1%以上に調整すると、鉄とFe3C
の共晶が生成し、液相焼結化させ易い。
第14図は粉末原料の[O]と[C]とが、焼結体の性質
に及ぼす影響を示す図である。粉末原料の成分を第
(1)式の如くに調整すると、製造した焼結体は熱歪割
れがなく、また靭性の優れた焼結体が得られる。
更にに第(1)式の[C]および[O]を含有する粉末
原料を用いた焼結体は、焼結の際に自己還元反応によっ
て、[C]と[O]からCOガスやCO2ガスが発生する
が、焼結体にはCOガスやCO2ガスの脱出した跡のミクロ
気泡が多数残留している。この焼結体は従って表面積が
大きく、ミクロ気泡を有しているが、後でアスコルビン
酸等を接触させると、アスコルビン酸等がミクロ気泡に
浸み込んで、反応生成物との接触面積が更に広くなっ
て、反応性のよい組成物となる。またこの組成物は、汚
染空気との接触面積も大きいために、活性な空気清浄材
となる。
第15図は、請求項(18)の焼結体の表面を示す図で、18
はCOガスやCO2ガスが脱出した跡のミクロ気泡、19は焼
結のマトリックスである。
請求項(19)は、請求項(16)や(17)や(18)の焼結
体の製造に際して、粉末原料に、焼結に際してガスを発
生する熱分解物を添加する方法である。焼結体の表面積
を増大し、鉄等と反応生成物との接触面積を更に増大さ
せ、あるいは組成物と汚染ガスとの接触面積を更に増大
させると、更に空気清浄力の強い組成物が得られる。焼
結体の表面積を増大するためには、粉末原料に、例えば
プラスチック粉末、オガ屑等の有機物あるいは例えば石
灰石粉、ドロマイト粉等の炭酸塩を添加することが極め
て有効である。有機物の場合は200℃〜400℃で熱分解
し、また炭酸塩粉は900℃〜1100℃で熱分解し、放出さ
れたガスの跡が空孔として焼結体の表面に残留する。第
16図はこの空孔を有する焼結体の例で、19は焼結のマト
リックスで、20はこの空孔である。この焼結体に後でア
スコルビン酸等を接触させると、表面積が大きいために
活性に富む組成物となる。
請求項(20)は、請求項(17),(18),(19)におい
て、焼結体の形状が、板状物、管状物、粒状物、中空粒
状物、塊状物である、組成物の製造方法である。
請求項(17)で述べたが、粉末原料と結合剤との混練物
を成形するに際し、板状成形物は例えばロール成形によ
り、管状成形物は例えば押出成形により、粒状成形物は
例えばペレタイジングにより得られる。これ等の成形物
を焼結すると、形状が板状、管状、粒状の焼結体が得ら
れる。
また中空粒状の焼結体は、既に述べた如く、有機高分子
球体の表面に混練物を塗着しこれを焼結して得られる。
また塊状物は、大型の焼結体を製造してこれを破砕する
ことによって得られる。
請求項(20)では、これ等の焼結体にアスコルビン酸等
を接触させて共存物を製造するが、基体が焼結体である
ために破壊し難く、通気性の収納容器内に多数個を収納
し、これに汚染空気を通過させると、空気清浄力の優れ
たエメレントとなる。
請求項(21)は、請求項(17),(18),(19)におい
て、焼結体の形状が、3次元に連通孔を有する焼結体で
ある、組成物の製造方法である。
3次元に連通孔を有する。多孔質の焼結体を用いて製造
した組成物は、通気性の収納容器等が不必要で、例えば
汚染空気の流路にそのまゝ配して、汚染空気を通過させ
ると、通過の間に汚染空気が含有する例えばNOxやSOxや
臭気成分が分解されて、清浄化されたガスや空気とな
る。
3次元に連通孔を有する焼結体の製造方法の例を具体的
に説明する。
第1の例は、粉末原料と結合剤の混練物を、有機質3次
元多孔体の骨格に塗着させる。有機質3次元多孔体とし
ては、ウレタンフォームや、先に述べた有機質三次元織
物を用いる事ができる。粉末原料は平均粒径が50μ以上
では有機質3次元多孔体の骨格に塗着しづらい。混練物
の塗着は、ロールスキーズ法や吹きつけ法や浸漬法によ
って行なう。混練物を塗着した有機質3次元多孔体を、
300〜350℃に2〜3時間加熱すると有機高分子は熱分解
して消失し、脱脂される。更に800〜1200℃に約60分間
加熱すると、塗着した混練物が焼結して、焼結の骨格よ
りなる、3次元に連通孔を有する焼結体が得られる。尚
粉末原料が含有する炭素は、焼結の際に金属酸化物を還
元する。
本発明者等は、粒銑(C:4.3%,Si:0.1%,Mn:0.4%,P:0.
01%,S:0.02%残Fe)を湿式粉砕し、この粉末を沸騰水
中で煮沸して、平均粒径が10μの表面を酸化した鉄粉
(C:4.0%,O:6.5%,Mn:0.38%,Si:0.1%,P:0.01%,S:0.
02%,残Fe)を製造した。この鉄粉を、CMCと水で混練
し、空孔径が2mmのウレタンフォームにスプレー法にて
塗着し、乾燥(100℃)、脱脂(200℃)、自己還元(80
0℃)、焼結(1100℃)の熱処理を窒素雰囲気中で行
い、三次元に連通孔を有する焼結多孔体を形成した。そ
の外観の拡大図を第17図に示した。
本発明者等はまた、前記と同様に混練物を形成し、ウレ
タンフォームに塗着し、乾燥後、さらに平均粒径が5μ
の金属マンガン粉と、体積比で50%の平均粒径が10μの
プラスチック粉末を、CMCと水とで混練し、上塗り塗着
した。その後、前記と同様の熱処理を施して、骨格の内
層が鉄で外層が極めて多孔質なマンガンからなる、3次
元に連通孔を有する複層焼結多孔体を作成した。第18図
は外観の拡大図である。
第17図、第18図で21は焼結体の骨格、18はCO,CO2ガスの
脱出後の気孔、20は熱分解剤が熱分解後の空孔および金
属粉末間隙、22は3次元の連通孔である。
第17図と第18図で示した3次元に連通孔を有する多孔体
を、30%酒石酸溶液に含浸して、本発明の共存物を製造
した。この共存物を組成物として、第5図に示した装置
で脱臭剤として用いた。前記の第7図および第8図はそ
の結果を示す図である。第7図および第8図にみられる
如く、この組成物は優れた脱臭力を有していた。
請求項(21)の第2の例として、3次元に連通孔を有す
る焼結体は下記の方法でも製造する事ができる。第19図
はその製造工程の説明図である。型枠23内に多数の有機
高分子球体13を充填し、上部より加圧する。この加圧に
よって、有機高分子球体13は相互に面接触するに至る。
上部より加圧したまゝ、型枠23内の空隙に混練物を流し
込み、そのまゝ熱処理する。この熱処理で有機高分子球
体13は熱分解して消失し、面接触部で相互に連通した、
3次元に連通した空孔を形成し、混練物は焼結体とな
る。
第20図は有機高分子球体13を相互に熱分解性の接着剤24
で接着した例である。この際も同様に空隙に、粉末原料
と結合剤とを混練した混練物を流し込み、熱処理する
が、有機高分子球体13と接着剤24とは熱分解して消失
し、3次元の連通孔を形成し、混練物は焼結体となる。
この第2の例によると、空孔率が定量化された、3次元
に連通孔を有する焼結体が得られる。
請求項(21)で3次元に連通孔を有する焼結体には、第
1の例および第2の例で作成した焼結体も含まれる。
請求項(22)は、請求項(9)または(12)または(1
4)または(15)または(17)で、アスコルビン酸等
を、鉄等に接触させる方法が、濃度が0.1〜5モルのア
スコルビン酸等の水溶液を用いて、鉄等をこの水溶液に
浸漬し取り出し乾燥し、あるいはこの水溶液を鉄等に吹
きつけた後で乾燥する、組成物の製造方法である。
濃度が0.1モル以下の水溶液では反応生成物の生成速度
が遅く、また反応生成物の量も不十分となり易い。5モ
ル以上では、反応生成物中に未反応のアスコルビン酸が
多量に残り、反応生成物がアスコルビン酸でカバーさ
れ、空気清浄効率が低下する。また例えば請求項(21)
の、3次元に連通した空孔を有する焼結体に、5モル以
上の高い濃度のアスコルビン酸等を接触させると、アス
コルビン酸等によって連通した空孔は目塞りし易い。尚
この方法は粉末の鉄等にも適用できるが、粉末やファイ
バー状等の鉄等に対しては、後で述べる請求項(23)の
方法を用いると共存物が容易に製造できる。
本発明者等の知見によると、ある程度大きい形状のもの
は0.1〜5モルのアスコルビン酸等を、浸漬法によりあ
るいは吹きつけ法により鉄等に塗布でき、また粉末等の
形状の小さい物は、請求項(23)の方法でアスコルビン
酸等を接触させると、共存物の製造が容易となる。この
方法でアスコルビン酸等を接触させると、鉄等と反応生
成物とが密着した共存物が得られる。
請求項(23)は、アスコルビン酸等を鉄等に接触させる
方法が、鉄等に、鉄等に対するモル比で0.005〜0.5のア
スコルビン酸等を含有する水溶液を加えて混練し、その
まゝ乾燥させる接触方法である、請求項(9),(1
2),(14),(15),(17)に記載の組成物の製造方
法である。この方法は、すでに述べた如く、鉄等が小さ
い形状の場合に用いると、簡易に共存物を製造する事が
できる。
請求項(24)は、アスコルビン酸等を鉄等に接触させる
方法が、鉄等にアスコルビン酸等の水溶液を、常時ある
いは周期的にあるいは間欠的に添加する接触方法であ
る、請求項(9),(10),(12),(15),(17),
(21)に記載の組成物の製造方法である。本発明者等
は、平均粒径が10μの表面を酸化した鉄粉に、平均粒径
が5μのFe-Mn粉とFe-Cr粉とを混練段階で添加し、請求
項(21)で述べた方法で、ウレタンフォームを用いて、
3次元に連通した空孔の平均孔径が1mmの、巾:2m、高
さ:1m、厚さ20mmの、三次元に連通した空孔を有する焼
結体を製造した。その成分は、C:0.1%,Cr:0.5%,Mn:1.
00%,Si:0.1%,P:0.01%,S:0.015%,酸素:0.01%であ
った。この三次元に連通した空孔を有する焼結体を、畜
舎の側壁に、一般建材の替りに、第21図の如くに使用し
た。側壁上部のスプレー管25からは常に3%のアスコル
ビン酸水溶液を流下させて循環させたが、三次元に連通
した空孔を有する焼結体は適度な通気性があるいもかか
わらず、畜舎外には悪臭は殆どなかった。尚第21図で4
は三次元に連通した空孔を有する焼結体、26はアスコル
ビン酸再生装置、7は循環ポンプである。
請求項(25)は不織布状の組成物である。既に述べた如
く、鉄等とアスコルビン酸等の共存物としては、粉状、
箔状、ファイバー状のものが得られる。請求項(25)で
は、この共存物と、合成繊維、ガラス繊維、天然繊維、
セルローズ、炭素繊維から選ばれる1または2以上とを
用いて、これ等を混合.接着して不織布状組成物を形成
する。またこれ等を混合.接着して不織布状とした後
に、表面に固体アルカリを配して不織布状組成物を形成
する。不織布状組成物は、簡易な空気清浄用.集塵用フ
ィルターとして、またダンボール等の内面に配して食品
鮮度保持剤として、用いる事ができる。
請求項(26)は、鉄等にアスコルビン酸等を配した共存
物に、不織布に形成するに先立って、固体塩基を配し、
固体塩基を配した後で、合成繊維、ガラス繊維、天然繊
維、セルローズ、炭素繊維等と混合接着した不織布であ
る。この不織布状組成物は、請求項(25)と同様な用途
に用いることができる。
請求項(27)はまた、製造方法の異なる不織布状組成物
である。請求項(27)では、鉄等の金属粉、箔、ファイ
バーから選ばれる1または2以上と、合成繊維、ガラス
繊維、天然繊維、セルローズ、炭素繊維から選ばれる1
または2以上との繊維とを、混合.接着して予め不織布
を形成する。この不織布にアスコルビン酸等を接触させ
るが、アスコルビン酸等を接触させると、鉄等の金属粉
や、箔や、ファイバーは、反応生成物と鉄等との共存物
となって、空気清浄力や食品鮮度保持力を有するに至
る。尚請求項(25)や(26)や(27)で、金属粉の直径
や、箔の厚さや、ファイバーの直径は1μ〜1mmを通常
用いるが、不織布を形成するには、この寸法が好まし
い。尚請求項(25)や(27)で、不織布等にアスコルビ
ン酸等を接触させ、更に表面に固体塩基を配すると、硫
黄化合物系および低級脂肪酸系の臭気ガスに対する脱臭
力が強くなる。請求項(27)の不織布状組成物の用途
は、請求項(25)や(26)の不織布と同様である。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明の空気清浄力を有する組成物
は、有害なNOxガスやSOxガスやO3ガスを除去する事が可
能で、また悪臭を伴う窒素化合物系ガスや硫黄化合物系
ガスや低級脂肪酸を除去することもできる。
本発明の空気清浄力を有する組成物は、長期間に亘って
使用しても、強い空気清浄力を保持している。
本発明の空気清浄力を有する組成物は、簡易に製造する
事が可能で安価である。
本発明の空気清浄力を有する組成物は、食品鮮度保持力
を備えている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の共存物の金属組織の写真、 第2図は脱臭力測定装置の図、 第3図は固体塩基を配した際の効果を示す図、 第4図はアスコルビン酸等の使用量と脱臭力との関係を
示す図、 第5図は空気清浄力測定装置の図、 第6図は本発明の組成物の空気清浄力の例を示す図、 第7図は本発明の組成物の脱臭力の例を示す図、 第8図は反応生成物を再生後の本発明の組成物の脱臭力
の例を示す図、 第9図は本発明の組成物で製造した脱臭筒の例を示す
図、 第10図は請求項(12)の粉末共存物の拡大図、 第11図は請求項(12)で製造した球状の共存物の説明
図、 第12図は請求項(14)の粉末を用いて製造した球状の共
存物の説明図、 第13図は、焼結体の空孔率と脱臭力の関係を示す図、 第14図は、焼結体を製造する粉末原料の[C]と[O]
の好ましい範囲を示す図、 第15図は、焼結した鉄等の外観の例を示す図、 第16図は、請求項(19)で製造した、焼結した鉄等の例
を示す図、 第17図は、3次元に連通孔を有する焼結体の例を示す
図、 第18図は、3次元に連通孔を有する焼結体の他の例を示
す図、 第19図は、3次元に連通孔を有する焼結体の製造方法を
説明する図、 第20図は、3次元に連通孔を有する焼結体の他の製造方
法を説明する図、 第21図は、請求項(24)の組成物の使用方法の例を示す
図、 である。 1:臭気ガスホルダー、2:サンプルカプセル、3:流量計、
4:フィルターに形成した組成物、5:汚染空気室、6:汚染
空気の導入口、7:循環ポンプ、8:ガス循環方向、9:ガス
サンプル採取口、10:ハニカム状組成物、11:保持厚紙、
12:反応生成物、13:有機高分子球体、14:未反応の鉄
等、15:粉状の共存物、16:汚染ガスの流路、17-1,17-2,
17-3:焼結用の粉末原料の成分領域、18:ミクロ気泡、1
9:焼結のマトリックス、20:空孔、21:焼結体の骨格、2
2:三次元の連通孔、23:型枠、24:熱分解性の接着剤、2
5:スプレー管、26:アスコルビン酸再生装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61L 9/01 H 7344−4C E 7344−4C B01D 53/34 53/81 B01J 20/02 C 7202−4G 20/28 A 7202−4G (31)優先権主張番号 特願平1 −210018 (32)優先日 平1(1989)8月16日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 野田 多美夫 愛知県東海市東海町5―3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 猪狩 俶将 千葉県我孫子市白山1―6―7―202 猪 狩環境化学研究所内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜鉛、
    アルミニウム、銅、スズ、コバルトの1または2以上の
    金属と、オキシ多塩基酸類の1または2以上の酸との反
    応生成物が、未反応の該金属と共存している共存物であ
    る、空気清浄力を有する組成物。
  2. 【請求項2】鉄およびまたはマンガンと、アスコルビン
    酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸から選ばれる1また
    は2以上の酸との反応生成物が、未反応の鉄およびまた
    はマンガンと共存している共存物である、空気清浄力を
    有する組成物。
  3. 【請求項3】請求項(1)および(2)の共存物に更に
    固体塩基を配したことを特徴とする、空気清浄力を有す
    る組成物。
  4. 【請求項4】共存物が金属1グラム原子に対してオキシ
    多塩基酸類が0.005モル〜0.5モルで形成された共存物で
    ある、請求項(1)または(2)または(3)に記載
    の、空気清浄力を有する組成物。
  5. 【請求項5】用途が、燃焼排ガス、有害ガスの清浄材で
    ある、請求項(1)または(2)または(3)または
    (4)に記載の空気清浄力を有する組成物。
  6. 【請求項6】用途が、室内空気清浄材である、請求項
    (1)または(2)または(3)または(4)に記載の
    空気清浄力を有する組成物。
  7. 【請求項7】用途が、食品鮮度保持剤である、請求項
    (1)または(2)または(3)または(4)に記載の
    空気清浄力を有する組成物。
  8. 【請求項8】塑性加工により成形した鉄、マンガン、ク
    ロム、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバ
    ルトの1または2以上の金属の成形品あるいは該成形品
    の2次加工品と、オキシ多塩基酸類の1または2以上の
    酸との反応生成物が、未反応の該成形品あるいは該成形
    品の2次加工品と共存した共存物でありあるいは必要に
    応じて該共存物に更に固体塩基が配されていることを特
    徴とする、空気清浄力を有する組成物。
  9. 【請求項9】塑性加工により成形した鉄または鉄とマン
    ガンよりなる成形品にあるいは該成形品の2次加工品
    に、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸か
    ら選ばれる1または2以上を接触させて、共存物を製造
    することを特徴とする、請求項(2)または(3)また
    は(4)または(8)に記載の、空気清浄力を有する組
    成物の製造方法。
  10. 【請求項10】塑性加工により成形した鉄または鉄とマ
    ンガンよりなる成形品、あるいは該成形品の2次加工品
    が、板状物、箔状物、線状物、管状物、網状物、ハニカ
    ム状物、ファイバー状物、微小片物である請求項(9)
    に記載の空気清浄力を有する組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバルトの1または2以
    上の金属の粉末、あるいは該金属の粉末を用いて製造し
    た成形物と、オキシ多塩基酸類の1または2以上の酸と
    の反応生成物が、未反応の該金属の粉末と共存した共存
    物であり、あるいは必要に応じて該共存物に更に固体塩
    基が配されていることを特徴とする、空気清浄力を有す
    る組成物。
  12. 【請求項12】鉄およびまたはマンガンの粉末に、ある
    いは該粉末を結合剤を用いて成形しあるいは更に塑性加
    工を加えて成形した成形物に、あるいは該粉末を結合剤
    を用いて金属または非金属の担持体に担持させた成形物
    に、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸か
    ら選ばれる1または2以上を接触させて、共存物を製造
    することを特徴とする、請求項(2)または(3)また
    は(4)または(11)に記載の、空気清浄力を有する組
    成物の製造方法。
  13. 【請求項13】鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバルトの1または2以
    上の金属の粉あるいは粒と、オキシ多塩基酸類の1また
    は2以上の酸との反応生成物が、未反応の該金属の粉あ
    るいは粒と共存している共存物を用いて成形した成形物
    でありあるいは必要に応じて該成形物に更に固体塩基が
    配されていることを特徴とする、空気清浄力を有する組
    成物。
  14. 【請求項14】鉄およびまたはマンガンの粉あるいは粒
    に、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸か
    ら選ばれる1または2以上を接触させ、その後で該接触
    させた粉あるいは粒を、結合剤を用いて成形し、あるい
    は金属または非金属の担持体に担持させて成形し、共存
    物を製造することを特徴とする、請求項(2)または
    (3)または(4)または(13)に記載の、空気清浄力
    を有する組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】非金属の担持体に鉄およびまたはマンガ
    ンを溶射あるいはメッキして担持させた後、アスコルビ
    ン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸から選ばれる1ま
    たは2以上を接触させて、共存物を製造することを特徴
    とする、請求項(2)または(3)または(4)に記載
    の、空気清浄力を有する組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】鉄およびまたはマンガンの焼結体と、ア
    スコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸から選ば
    れる1または2以上の酸との反応生成物が、未反応の該
    焼結体と共存した共存物でありあるいは必要に応じて該
    共存物に更に固体塩基が配されていることを特徴とす
    る、空気清浄力を有する組成物。
  17. 【請求項17】鉄粉、鉄マンガン合金粉、マンガン粉、
    酸化鉄粉、酸化マンガン粉から選ばれる1または2以上
    を含有し必要に応じて炭素粉末を更に含有する粉末原料
    を、結合剤と混練し、必要に応じて更にSi,Ni,Cr,Mo,C
    u,Alから選ばれる1または2以上を添加し混練して混練
    物とし、該混練物を成形した成形物を、あるいは該混練
    物を担持体に担持させて成形した成形物を焼結して、鉄
    およびまたはマンガンの焼結体とし、該焼結体に、アス
    コルビン酸、クエン酸、酒石酸、グリコン酸から選ばれ
    る1または2以上を接触させて、共存物を製造すること
    を特徴とする、請求項(2)または(3)または(4)
    または(16)に記載の、空気清浄力を有する組成物の製
    造方法。
  18. 【請求項18】粉末原料の炭素と酸素とを下記(1)式
    の如くに調整することを特徴とする、請求項(17)に記
    載の、空気清浄力を有する組成物の製造方法。 但し[O]:粉末原料の酸素含有量(重量%) [C]:粉末原料の炭素含有量(重量%)
  19. 【請求項19】粉末原料が焼結に際してガスを発生する
    熱分解物を更に含有することを特徴とする、請求項(1
    7)または(18)に記載の空気清浄力を有する組成物の
    製造方法。
  20. 【請求項20】焼結体が、板状物、管状物、粒状物、中
    空粒状物、塊状物、である、請求項(17)または(18)
    または(19)に記載の、空気清浄力を有する組成物の製
    造方法。
  21. 【請求項21】焼結体が、3次元に連通孔を有する焼結
    体である、請求項(17)または(18)または(19)に記
    載の、空気清浄力を有する組成物の製造方法。
  22. 【請求項22】アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グ
    ルコン酸から選ばれる1または2以上を接触させる方法
    が、濃度が0.1〜5モルの該酸の水溶液に被接触物を浸
    漬し取り出して乾燥し、あるいは該水溶液を被接触物に
    吹きつけた後乾燥する、接触方法である事を特徴とす
    る、請求項(9)または(12)または(14)または(1
    5)または(17)に記載の、空気清浄力を有する組成物
    の製造方法。
  23. 【請求項23】アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グ
    ルコン酸から選ばれる1または2以上を接触させる方法
    が、鉄およびまたはマンガンに、鉄およびまたはマンガ
    ンに対するモル比で0.005〜0.5のアスコルビン酸、クエ
    ン酸、酒石酸、グルコン酸から選ばれる1または2以上
    を含有する水溶液を加えて混練し、そのまゝ乾燥する接
    触方法である、請求項(9)または(12)または(14)
    または(15)または(17)に記載の、空気清浄力を有す
    る組成物の製造方法。
  24. 【請求項24】アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グ
    ルコン酸から選ばれる1または2以上を接触させる方法
    が、鉄およびまたはマンガンに、常時あるいは周期的に
    あるいは間欠的に、アスコルビン酸、クエン酸、酒石
    酸、グルコン酸からぱえらばれる1または2以上の水溶
    液を添加する接触方法である、請求項(9)または(1
    2)または(15)または(17)に記載の空気清浄力を有
    する組成物の製造方法。
  25. 【請求項25】鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバルトの1または2以
    上の金属と、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グル
    コン酸から選ばれる1または2以上の酸との反応生成物
    が、未反応の該金属と共存している粉状、箔状、ファイ
    バー状の共存物と、合成繊維、ガラス繊維、天然繊維、
    セルローズ、炭素繊維から選ばれる1または2以上の繊
    維とを、混合.接着して不織布状物に成形し、必要に応
    じて該不織布状物に更に固体塩基を配した、不織布状の
    空気清浄力を有する組成物。
  26. 【請求項26】鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバルトの1または2以
    上の金属と、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、グル
    コン酸から選ばれる1または2以上の酸との反応生成物
    が、未反応の該金属と共存している粉状、箔状、ファイ
    バー状の共存物を作成し、この共存物に固体塩基を配し
    た後、これを、合成繊維、ガラス繊維、天然繊維、セル
    ローズ、炭素繊維から選ばれる1または2以上の繊維と
    混合.接着して不織布状に形成した、不織布状の空気清
    浄力を有する組成物。
  27. 【請求項27】鉄、マンガン、クロム、ニッケル、亜
    鉛、アルミニウム、銅、スズ、コバルトの1または2以
    上の金属の、粉、箔、ファイバーから選ばれる1または
    2以上と、合成繊維、ガラス繊維、天然繊維、セルロー
    ズ、炭素繊維から選ばれる1または2以上の繊維とを、
    混合.接着して不織布を形成し、該不織布に、アスコル
    ビン酸クエン酸、酒石酸、グルコン酸から選ばれる1ま
    たは2以上の酸を塗着し、必要に応じてその後固体塩基
    を配した事を特徴とする、不織布状の空気清浄力を有す
    る組成物。
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