JPH07103333A - 中空シャフト用密閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】シャフトを通じて長手方向通路内に伸びている
内側スプラインを有する中空シャフトの端部の密閉装置
を提供する。 【構成】シャフト１の中空部内に固定部材１８、密閉部
材１１が回転可能に取付けられ、固定部材、密閉部材外
周には外歯スプライン１９，１４が設けられ、シャフト
の内歯スプライン６と係合する。密閉部材の嵌入部１２
にはＯリング２４が設けられ、密閉部材をシャフトへ押
込むことにより密封を果し、固定部材が面Ｐ２をこえ、
スプライン１８の係合が外れるように装置長さを設定す
る。密閉部材内部２５に、密閉部材に対し固定部材を回
転方向に付勢するばね２６を設け、固定部材の軸端部に
制御ノブ１７が固定され、ノブの回転により密閉装置の
引抜きを可能としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般に長手方向に伸び
ている開口部内に伸びているスプラインを有する中空シ
ャフトの端部を密閉するための密閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】歯車箱及び他の駆動装置、特に駆動補助
装置として航空エンジンで使用されている装置はしばし
ば、シャフトの中心を通じて長手方向開口部内に伸びて
いる内側スプラインを有する中空シャフトを含んでいる
動力駆動装置を備えている。これらの駆動シャフトは、
駆動シャフトと被駆動要素との間のスプライン付き接続
部を通じて、被駆動要素にトルクを伝達する。このよう
な駆動シャフトを使用する駆動装置は従来技術でよく知
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら歯車箱又
は駆動装置の用途によっては、全ての駆動シャフトが使
用されるわけではない。このことは通常、歯車箱又は駆
動装置に問題を提起するわけではないが、未使用の駆動
シャフトでは、歯車箱又は駆動装置からその中空開口部
を通じて油漏れが生じ得る。これは、スプライン付き接
続部が歯車箱から循環する油により潤滑される駆動装置
では特に重大である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】シャフトを通じて長手方
向通路内に伸びている内側スプラインを有する中空シャ
フトの端部の密閉装置を開示する。本装置は、シャフト
の開口部を通じての油漏れを防止するためにシャフト内
の開口部を密閉するように寸法決定されている密閉部材
に回転するように取付けられた固定部材を有する。固定
部材及び密閉部材はそれぞれ、中空シャフトの内側スプ
ラインに係合し得るスプライン又はスプラインの歯を有
する。ノブ部材が固定部材に取付けられ且つ使用者が固
定部材を一般に長手軸の周りに手動で回転運動させるこ
とができるように密閉部材の反対側端部から伸びてい
る。

【０００５】固定部材は、装置が中空シャフトの開口端
部内を長手方向に滑動し得るように、そのスプライン又
はスプラインの歯が密閉部材のスプライン又はスプライ
ンの歯と整列している第１の位置間を回転し得る。固定
部材及び密閉部材のスプラインは、シャフトの内側スプ
ラインに沿って滑動する。シャフトの内側スプラインは
横断面Ｐ１とＰ２との間に伸びている。装置の長さは、
密閉部材がシャフトの端部を密閉するように配置される
ときに、固定部材が面Ｐ２を僅かに越えて伸びるように
設定される。固定部材のスプラインがもはや密閉部材の
スプライン又はシャフトの内側スプラインと整列しない
位置まで固定部材を回転させるために、偏倚手段が密閉
部材と固定部材との間に配置されている。固定部材のス
プラインは面Ｐ２上に位置する内側スプラインの端部と
接触し、それにより装置を中空シャフトの端部から取出
すことはできない。装置を取出したければ、固定部材の
スプラインがシャフトの内側スプラインと整列するよう
にノブ部材が手動操作され、それにより装置は中空シャ
フトから手動で取出され得る。

【０００６】装置の設置時に、密閉部材は、中空シャフ
トの開口部を通じての油漏れを防止するために、中空シ
ャフトから離れた端面と面Ｐ１との間に位置している。

【０００７】ノブ部材、従って固定部材の回転運動を、
固定部材のスプラインが密閉部材のスプラインと整列し
ている位置と、スプラインが密閉部材のスプラインと整
列していないロック位置との間に制限するために、移動
制限機構がノブ部材と密閉部材との間に挿入されてい
る。固定部材のスプラインが密閉部材のスプラインと整
列していない位置の方に固定部材を偏倚させるために、
密閉部材と固定部材との間にばねも挿入され得る。

【０００８】

【実施例】通常歯車箱（図示せず）から伸びている中空
動力駆動シャフト１の端部を図１に示す。このシャフト
１は、シャフト１の端面４に開口部３を形成する一般に
長手方向に伸びている通路２を規定する内壁７を有す
る。シャフト１は、横断面Ｐ１とＰ２との間に伸びてい
る内側スプライン６を有する。面Ｐ１は端面４から軸方
向に離れ且つスプライン６の一方の端部を規定している
が、面Ｐ２は面Ｐ１から端面４とは反対側に離れ且つス
プライン６の反対側端部９上に位置している。駆動シャ
フト１の内壁７は長手方向に伸びている通路２の外側境
界を限定している。面Ｐ１及びＰ２は、駆動シャフト１
の長手軸８と垂直に伸びている。スプライン６の端面９
は一般に面Ｐ２に沿って伸びている。

【０００９】駆動シャフト１が結合されている歯車箱か
ら、一般に長手方向に伸びている通路２を通じて油が漏
れないように駆動シャフト１の開口部３を密閉するため
に、密閉装置１０が装着され得る。密閉装置１０は、長
手方向通路２の部分内の端面４と面Ｐ１との間に滑動し
て入るように寸法決定されている一般に円筒形の密閉部
分１２を有する第１の密閉部材１１を含んでいる。第１
の外側スプライン１４が密閉部材１１の部分１３上に形
成され且つ駆動シャフト１上に位置する内側スプライン
６と協働して滑動する。スプライン１４がスプライン６
に係合される間に、密閉部分１０は駆動シャフト１に対
しては軸８に沿って軸方向に移動し得る。しかしこれら
の要素間の相対的回転は生じ得ない。

【００１０】密閉装置１０は更に、密閉部分１２内に形
成されたボア１６内に油密性をもって回転装着されたピ
ン１５を含んでいるロック／ロック解除アセンブリ１０
ａを備えている。この継目を通じて油が漏れないよう
に、ピン１５とボア１６との間にＯリング２３等が機能
するように挿入されている。制御ノブ１７がピン１５の
端部に固着され且つ駆動シャフト１の端面４を部分的に
覆っている。

【００１１】固定部材１８は、密閉部材１１に対して制
御ノブ１７の反対側端部に位置するように、ピン１５の
反対側端部に固着されている。固定部材１８の周辺は、
固定部材１８もスプライン６に沿って軸方向に滑動し得
るように、スプライン１４及びスプライン６の外形に似
た歯付き外形１９を限定している。図２及び図４に示す
如く、このような歯１９の数は、駆動シャフトを通じて
開口部２の周辺の周りに伸びているスプラインの総数よ
り少なくてもよい。

【００１２】密閉部材１１の軸方向長さは、密閉部分１
２が端面と面Ｐ１との間の長手方向通路２に密閉係合さ
れているときに、固定部材１８上に形成されたスプライ
ンの歯１９の側面が面Ｐ２の僅かに内側に移動させられ
るように設定される。従って、固定部材１８が長手軸８
周りの回転運動を受けると、スプラインの歯１９は、シ
ャフト１上に形成されたスプライン６の端部９に当接す
るように移動して、スプラインの歯１４と整列しなくな
る。このように適切に挿入された位置では、制御ノブ１
７は駆動シャフト１から僅かに移動させられるか又は駆
動シャフトに軽く当接する。密閉部分１２の周辺上に位
置するＯリング２４はシャフト１の内壁７に密封当接
し、それによりこれらの要素間からの油漏れはなくな
る。

【００１３】密閉部分１２の下流の密閉部材１１は、ピ
ン１５、固定部材１８の部分及びねじりばね２６を収納
するための内側開口部２５を限定している。ばね２６
は、一方の端部２７が密閉部材１２に取付けられ、他方
端部２８が固定部材１８に取付けられている。ねじりば
ね２６は通常固定部材１８を、そのスプラインの歯１９
が密閉部材１１上に形成されたスプライン１４と整列し
ていない図４の示す位置の方に偏倚させる。

【００１４】密閉部材１１に対する固定部材１８と制御
ノブ１７との回転運動は、スタッド部材２９により制限
され得る。この部材は制限ノブの回転運動を、固定部材
１８のスプラインの歯１９がスプライン１４と整列して
いる第１の位置と、スプラインの歯１９が内側スプライ
ン６の端部９に当接するように円周上を移動させられる
第２の位置との間に制限するように、密閉部材１２に固
着され且つ制御ノブ１７内に形成された弧状開口部を通
じて伸び得る。あるいは弧状溝が密閉部材１１の面内に
形成され得且つスタッド部材が制御ノブ１７に固着され
得る。

【００１５】密閉装置をシャフト１に取付けるために、
制御ノブ１７が、密閉部材１２に対して、スプラインの
歯１９をスプライン１４と自動的に整列させる第１の位
置に回転される。この配向では、装置は、図３に示す位
置に達するまでシャフト１の端部内を軸方向に滑動され
得る。一旦この位置に来ると、制御ノブ１７が解除さ
れ、且つ面Ｐ２に沿って伸びているこれらのスプライン
の端部を係合させるために、スプラインの歯１９が内側
スプライン６と整列しないようにねじりばね２６が固定
部材１８を軸８の周りに自動的に回転させる。このこと
から装置は、Ｏリング２３，２４により駆動シャフト１
の端面４の開口部３から油が漏れないようにするため
に、シャフト１の端部でロックされる。

【００１６】装置が適切なロック位置にあるときにその
ことを指示するために視覚的指示要素が装着され得る。
これは、装置が所定位置で適切にロックされたときに着
色スポットが制御ノブ１７内の開口部を通じて認められ
得るように、制御ノブ１７を貫通する開口部と、密閉部
分１２の端面上の視覚的要素、例えば着色スポットとか
らなり得る。

【００１７】前述した説明は単に例示的なものであり、
単に特許請求の範囲で限定された本発明の範囲を制限す
るものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】ロック解除状態にある本発明の装置を図２の線
Ｉ−Ｉで切断した部分長手断面図である。

【図２】図１の線ＩＩ−ＩＩで切断した横断面図であ
る。

【図３】ロック状態にある本発明の装置を図４の線ＩＩ
Ｉ−ＩＩＩで切断した長手断面図である。

【図４】図３の線ＩＶ−ＩＶでの断面図である。

【図５】図３に示す本発明の装置を左側から見た端面図
である。

【符号の説明】

１ 駆動シャフト ２ 通路 ３ 開口部 １０ 密閉装置 １０ａ ロック−ロック解除アセンブリ １１ 密閉部材 １７ 制御ノブ １８ 固定部材

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【手続補正書】

【提出日】平成３年５月２８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通路を規定し且つ横断面Ｐ１とＰ２との
   間の通路内を伸びている内側スプラインを有する中空シ
   ャフトの密閉装置であって、端面が、 ａ）通路を密閉するように装着される密閉部分、及びシ
   ャフトの内側スプラインに係合するように装着される第
   １の外側スプラインを有する第２の部分を有する第１の
   部材と、 ｂ）シャフトの内側スプラインに係合するように装着さ
   れる第２の外側スプラインを有する第２の部材と、 ｃ）第１のスプライン及び第２のスプラインがシャフト
   の内側スプラインに係合するように配置されている第１
   の位置と、第２のスプラインをシャフトの内側スプライ
   ンと係合させないように第２のスプラインが第１のスプ
   ラインに対して移動させられる第２の位置との間で第２
   の部材が可動するように、第２の部材を第１の部材に接
   続している接続手段とを含んでいることを特徴とする装
   置。
2. 【請求項２】 接続手段が、第２の部材に取付けられ且
   つ第１の部材により回転するように支持されているピン
   を含んでいることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 第２の部材をその第２の位置の方に偏倚
   させるように、第１の部材と第２の部材との間で機能す
   るように挿入された偏倚手段を更に含んでいることを特
   徴とする請求項２に記載の装置。
4. 【請求項４】 偏倚手段がねじりばねを含んでいること
   を特徴とする請求項３に記載の装置。
5. 【請求項５】 ノブ部材の回転運動により第２の部材の
   回転運動が引き起こされるように、ピンに固着されたノ
   ブ部材を更に含んでいることを特徴とする請求項２に記
   載の装置。
6. 【請求項６】 第２の部材及びノブ部材が第１の部材の
   対向端部に位置していることを特徴とする請求項５に記
   載の装置。