JPH07102248A - 吸油材 - Google Patents

吸油材

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JPH07102248A
JPH07102248A JP5246491A JP24649193A JPH07102248A JP H07102248 A JPH07102248 A JP H07102248A JP 5246491 A JP5246491 A JP 5246491A JP 24649193 A JP24649193 A JP 24649193A JP H07102248 A JPH07102248 A JP H07102248A
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享 稲岡
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
Toshio Tamura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】油水混合系からでも広範な種類の油に対して多
量の油を吸収して膨潤し、しかも吸収した油の保油性能
に優れ、且つ吸油速度を著しく向上した貯蔵および取扱
いが容易な吸油材を提供する。 【構成】溶解度パラメーターが9以下の疎水性単量体を
架橋性単量体の存在下に重合して得られる吸油性架橋重
合体(I)30〜99.5重量部および疎水性シリカ等
のメタノール値25%以上の疎水性無機化合物(II)
0.5〜70重量部からなる吸油剤組成物(III)を油
透過性の材料からなる容器中に充填してなる吸油材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸油材に関する。さらに
詳しくは、油水混合系からでも広範な種類の油に対して
多量の油を吸収して膨潤し、しかも吸収した油の保油性
能に優れ、且つ吸油速度を著しく向上した貯蔵や取扱い
が容易な吸油材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、海上への流出油や廃水中の油分の
回収が環境保全上大きな問題となっている。また、家庭
や工場で廃棄される小規模の廃油や工場における機械油
などの漏油の簡便な処理方法が強く望まれている。
【0003】これらの流出油や廃水中の油分の回収ある
いは廃油や漏油の処理の有力な手段の一つとして、吸油
材で油を吸着したのち焼却その他の後処理を行なう手法
が従来より用いられている。このような吸油材として、
例えばポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維、ポリエ
チレン繊維などの疎水性繊維やその不織布からなる合成
繊維系吸油材が使用されていた。しかし、従来の合成繊
維系吸油材は、吸油作用が毛細管現象で吸油材中に存在
する空隙に油を吸着保持することによるため、吸油後の
保油性能に劣っており、低粘性油に対しては実質的に保
油能がなく、また粘性油に対してもわずかな外圧により
容易に吸収していた油を再放出するため液ダレを生じ易
く、後処理がきわめて煩雑になる欠点を有していた。ま
た、油水混合系の油分や水面に浮上している薄膜状油の
回収に適用した場合、水分を多量に吸収するため油の回
収率が悪く、しかも吸油材が水中に沈むため回収が困難
であったり、回収後の燃焼に不都合が生じる問題点があ
った。
【0004】これらの問題点を解決する手段として、本
発明者らは特定の架橋重合体の粒状物を疎水性多孔質布
からなる袋中に充填してなる吸油材(特開平4−152
86)を報告している。この吸油材は、吸油作用が疎水
性構造からなる架橋重合体の分子内部に油を吸収して膨
潤することによるため、油水混合系の油分や水面に浮上
している薄膜状油に対しても油のみを選択的に吸収し、
しかも一旦吸収した油に対する保油能に優れるなどの利
点を有している。しかし、この吸油材は、合成繊維系吸
油材と比較して油の吸収に要する時間がきわめて長いと
いう欠点を有しており、特に高粘性油の吸油速度が小さ
いという問題点があった。
【0005】そこで高粘性油に対する吸油速度を向上さ
せるため、これらの吸油材に用いられる架橋重合体を微
粒状に加工し吸油材の表面積を増大させる工夫がなされ
ている。しかし、架橋重合体の微粒化に伴い粒子同士の
凝集が起こり易くなるため、実際には期待される十分な
吸油速度が得られなかった。また、低粘性油に対する吸
収に際しては、油の接触面付近の架橋重合体のみが短時
間で油を吸収して膨潤するために、粒子間への油の通液
が阻害されるというゲルブロック現象によって、実質上
吸油速度が低下する現象さえ生じることがあった。従っ
て、これらの吸油材は、油の流出事故時などの油を短時
間に吸収処理することが要求される分野には適応が困難
である欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の吸油
材が有する前記問題点を解決するものである。すなわ
ち、本発明の目的は、広範な種類の油に対して、また油
水混合系からでも多量の油を吸収して膨潤し、しかも吸
収した油の保油性能に優れ、且つ吸油速度を著しく向上
した貯蔵や取扱いが容易な吸油材を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の吸
油性架橋重合体と特定の疎水性無機化合物とを混合複合
化した吸油剤組成物を容器中に充填することによって前
記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち本発明は、溶解度パラメーター
(SP値)が9以下の単量体を主成分としてなる分子中
に1個の重合性不飽和基を有する単量体(A)96〜9
9.999重量%および分子中に少なくとも2個の重合
性不飽和基を有する架橋性単量体(B)0.001〜4
重量%(ただし単量体(A)および(B)の合計は10
0重量%である)からなる単量体成分を重合して得られ
る吸油性架橋重合体(I)30〜99.5重量部および
メタノール値(メタノール水溶液に濡れ始める時の水溶
液中のメタノール容積%)が25%以上の疎水性無機化
合物(II)0.5〜70重量部からなる吸油剤組成物
(III)を油透過性材料からなる容器中に充填してなる
吸油材に関するものである。
【0009】
【作用】溶解度パラメーター(SP値)は、化合物の極
性を表す尺度として一般的に用いられており、本発明で
はSmallの計算式にHoyの凝集エネルギー定数を
代入して導いた値を適用するものとし、単位(cal/
cm31/2で表せる。
【0010】本発明で用いられる単量体(A)の主成分
を構成する単量体は、溶解度パラメーター(SP値)が
9以下で分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体
であり、溶解度パラメーター(SP値)が9を越える単
量体を単量体(A)の主成分に用いると、吸油性能の不
十分な架橋重合体しか得られないため好ましくない。
【0011】溶解度パラメーター(SP値)が9以下で
分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体として
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリ
レート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アク
リレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、オクチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェニル(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ジブチルマレエート、ジドデシルマ
レエート、ドデシルクロトネート、ジドデシルイタコネ
ートなどの不飽和カルボン酸エステル;(ジ)ブチル
(メタ)アクリルアミド、(ジ)ドデシル(メタ)アク
リルアミド、(ジ)ステアリル(メタ)アクリルアミ
ド、(ジ)ブチルフェニル(メタ)アクリルアミド、
(ジ)オクチルフェニル(メタ)アクリルアミドなどの
炭化水素基を有する(メタ)アクリルアミド;1−ヘキ
セン、1−オクテン、イソオクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィン;ビニルシ
クロヘキサンなどの脂環式ビニル化合物;ドデシルアリ
ルエーテルなどの炭化水素基を有するアリルエーテル;
カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビ
ニル、ステアリン酸ビニルなどの炭化水素基を有するビ
ニルエステル;ブチルビニルエーテル、ドデシルビニル
エーテルなどの炭化水素基を有するビニルエーテル;ス
チレン、t-ブチルスチレン、オクチルスチレンなどの芳
香族ビニル化合物などをあげることができ、これらの単
量体を1種または2種以上用いることができる。これら
の中でも、より優れた吸油性能および保油性能を与える
単量体として、少なくとも1個の炭素数3〜30の脂肪
族炭化水素基を有し、かつアルキル(メタ)アクリレー
ト、アルキルアリール(メタ)アクリレート、アルキル
(メタ)アクリルアミド、アルキルアリール(メタ)ア
クリルアミド、脂肪酸ビニルエステル、アルキルスチレ
ンおよびα−オレフィンからなる群より選ばれる少なく
とも1種の不飽和化合物(a)を主成分としてなる単量
体(A)が特に好ましい。
【0012】このような溶解度パラメーター(SP値)
が9以下の単量体の単量体(A)中における使用量は、
単量体(A)の全体量に対して50重量%以上、より好
ましくは70重量%以上となる割合である。溶解度パラ
メーター(SP値)が9以下の単量体の単量体(A)中
の使用量が50重量%未満では、吸油性能や保油性能に
劣った架橋重合体しか得られない。
【0013】したがって、本発明では、単量体(A)中
に溶解度パラメーター(SP値)が9以下の単量体が5
0重量%以上含有される必要があるが、単量体(A)中
に50重量%未満の割合で溶解度パラメーター(SP
値)が9を越える分子中に1個の重合性不飽和基を有す
る単量体が含有されてもよい。このような単量体として
は、例えば(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、無
水マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レートなどをあげることができる。
【0014】本発明で用いられる架橋性単量体(B)の
例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、N,N´−メチレンビスアクリルアミド、N,N´
−プロピレンビスアクリルアミド、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート、多価アルコール(例えばグリセリ
ン、トリメチロールプロパンあるいはテトラメチロール
メタン)のアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリ
ル酸とのエステル化によって得られる多官能(メタ)ア
クリレートやジビニルベンゼンなどをあげることがで
き、これらの架橋性単量体を1種または2種以上用いる
ことができる。
【0015】吸油性架橋重合体(I)を製造する際に用
いられる単量体成分中の単量体(A)および架橋性単量
体(B)の比率は、単量体(A)および架橋性単量体
(B)の合計に対して、単量体(A)が96〜99.9
99重量%の範囲、架橋性単量体(B)が0.001〜
4重量%の範囲である。
【0016】単量体(A)が96重量%未満であったり
架橋性単量体(B)が4重量%を越えると、得られる架
橋重合体の架橋密度が高くなりすぎて多量の油を吸収で
きなくなるため好ましくない。また、単量体(A)が9
9.999重量%を越えたり架橋性単量体(B)が0.
001重量%未満では、得られる架橋重合体の油に対す
る可溶性が増大して、吸油後に架橋重合体が流動化し吸
油材としての性能が得られないため好ましくない。
【0017】本発明における吸油性架橋重合体(I)
は、例えば前記単量体成分を水性媒体中にポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチンなど
の保護コロイド剤やアルキルスルホン酸ナトリウム、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、脂肪酸石鹸などの界面活性剤の
存在下に分散させ油溶性ラジカル重合開始剤により懸濁
重合することにより製造できる。また必要により単量体
成分を水不溶性の有機溶剤に溶解させてから懸濁重合す
ることもできる。油溶性ラジカル重合開始剤としては、
例えばベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、クメンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物;
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−ア
ゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などを
挙げることができ、一般に単量体成分に対して0.1〜
5重量%の範囲で用いることができる。重合温度は、単
量体成分の種類や重合開始剤の種類により0〜150℃
の範囲で適宜選択することができる。
【0018】また、本発明において吸油性架橋重合体
(I)を製造する方法として、塊状重合で吸油性架橋重
合体(I)を重合した後、粉砕などの操作を加えて粒度
調整を行なう方法をあげることができる。塊状重合は例
えば、単量体成分を上記重合開始剤の存在下、型に流し
込み、50〜150℃の条件下に重合を行なえばよい。
【0019】本発明において吸油性架橋重合体(I)
は、懸濁重合時にホモミキサーなどによるプレ懸濁工程
の導入や重合時の攪拌動力を調節することにより、平均
粒径0.5〜500μmの範囲の粒状物とすることが好
ましい。架橋重合体(I)の粒状物の平均粒径が0.5
μm未満では、粒状物同士の凝集に基づくママコ現象の
ために表面積が低下し、吸油速度の向上した吸油剤を得
ることが困難となる。また、吸油性架橋重合体(I)の
粒状物の平均粒径が500μmを越えると、架橋重合体
の表面積の低下に伴って吸油速度も低下するため好まし
くない。
【0020】メタノール値(以下M値ということがあ
る)は、水不溶性化合物の疎水化度を表わす尺度として
一般的に用いられており、メタノール水溶液に水不溶性
化合物が湿潤しはじめる時のメタノールの容積%で表わ
される。本発明においては、所定濃度に調製されたメタ
ノール水溶液中に水不溶性化合物の粉体を入れ、手振り
により2度振とうした後の該粉体の湿潤の有無により測
定した値を採用するものとする。たとえば、M値30%
の化合物とは、メタノールの容積%が30%以上のメタ
ノール水溶液に湿潤し且つメタノールの容積%が30%
未満のメタノール水溶液に湿潤しない化合物である。
【0021】本発明における疎水性無機化合物(II)
は、メタノール値が25%以上の疎水化度を有するもの
であれば特に制限はなく、例えば酸化亜鉛、アルミナ
(酸化アルミニウム)、ケイ酸アルミニウム、シリカ
(酸化ケイ素)、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸
化チタン、チタン酸バリウム、酸化鉄、硫酸バリウム、
炭酸バリウム、酸化バリウム、二酸化マンガン、炭酸マ
ンガン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの疎
水化変性物をあげることができ、これらの1種または2
種以上用いることができる。これらの疎水性無機化合物
の中でも種々の粒径の粉体として入手が容易な疎水性シ
リカや疎水性アルミナが好ましい。
【0022】また、前記無機化合物を疎水化変性し疎水
性無機化合物(II)を得る方法としては特に制限はな
く、例えば無機化合物の粉体の表面を化学的あるいは物
理的に不活性化すればよく、例えばアルキルアルコキシ
シラン、アルキルハロゲン化シランなどのシランカップ
リング剤を用いる方法、ジメチルシロキサンなどのポリ
シロキサンを用いる方法、合成ワックスや天然ワックス
を用いる方法、カルシウムなどにより金属表面処理する
方法などをあげることができる。
【0023】本発明で用いられる疎水性無機化合物(I
I)は、平均粒径が0.01〜300μmの範囲の粉体
であることが好ましい。この平均粒径が0.01μm未
満では、粉体同士の凝集が起こり、吸油速度を低下させ
るため好ましくない。また、この平均粒径が300μm
を越えると、吸油性架橋重合体(I)との相乗効果が発
現され難く、吸油速度を向上させることができないため
好ましくない。
【0024】吸油性架橋重合体(I)および疎水性無機
化合物(II)を含有してなる吸油剤組成物(III)は、
これらの成分を混合して粒状物等に成形すればよい。粒
状物を製造するには、これらの成分を混合して造粒させ
ればよく、その製造方法には特に制限はない。混合方法
には湿式混合や乾式混合のいずれも採用することができ
る。湿式混合は、例えば吸油性架橋重合体(I)および
疎水性無機化合物(II)を必要に応じて界面活性剤の
存在下に水性媒体中に混合分散した後、濾別乾燥する方
法等により行なうことができる。乾式混合は、例えばコ
ロイドミルやニーダーやミキサーにて吸油性架橋重合体
(I)と疎水性無機化合物(II)を混合することによ
り行なうことができる。特に、湿式混合は、前記懸濁重
合で得られた吸油性架橋重合体(I)の水分散体をその
まま疎水性無機化合物(II)と混合できるため好まし
い。また、塊状重合で得られた架橋重合体(I)と疎水
性無機化合物(III)とを粉砕操作などで粒度調整を行
いながら混合する方法も採用することができる。
【0025】なかでも、本発明においては、吸油性架橋
重合体(I)の粒状物と疎水性無機化合物(II)の粉体
とを水性媒体中に混合分散した後、両者を凝集造粒させ
てから造粒物を水性媒体から分離して得られる粒状物が
特に好ましい。また、この粒状物の平均粒径としては、
0.1〜5mmの範囲が好ましい。
【0026】このようにして製造される吸油剤組成物
(III)中の吸油性架橋重合体(I)および疎水性無機
化合物(II)の配合割合は、吸油性架橋重合体(I)が
30〜99.5重量部および疎水性無機化合物(II)が
0.5〜70重量部となる割合である。疎水性無機化合
物(II)の量が0.5重量部未満では、吸油性架橋重合
体(I)の粒子同士が凝集し、吸油剤の吸油速度が低下
するため好ましくない。また、疎水性無機化合物(II)
を70重量部を越えて多量に使用すると、吸油材の吸油
量や保油性能が低下するため好ましくない。
【0027】また吸油剤組成物(III)中には、吸油性
能を損なわない範囲の量で吸油性架橋重合体(I)と疎
水性無機化合物(II)以外の成分を含有してもよい。
【0028】吸油剤組成物(III)中に含有できるその
他の成分として、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カル
シウムなどのメタノール値が25%未満の親水性無機化
合物、金属石鹸などの有機酸金属塩類、ポリスチレンや
ポリエチレンや酢酸ビニルなどの樹脂類、ワックスなど
の有機化合物類、綿やパルプなどの繊維類などをあげる
ことができ、これらの1種または2種以上を用いること
ができる。
【0029】本発明に用いられる油透過性の材料の表面
状態は特に制限されるものでないが、その中でも多孔質
材料が好ましい。多孔質材料としては、それ自体が水に
溶解したり膨潤したりせず、しかも該材料からなる容器
の内部に充填する前記吸油剤組成物(III)を外部に漏
洩せず且つ油を容易に通過させるように吸油剤組成物
(III)の大きさより小さな孔径の孔を多数有するもの
であればよい。このような多孔質材料として例えば合成
繊維やパルプなどの天然繊維からなる布や紙、ステンレ
スメッシュなどの網などを用いることができる。中で
も、特に優れた吸油性能を有する吸油材を提供するもの
として、それ自体が疎水性を有し好ましくは油を吸着す
る高い親油性を有するポリプロピレンやポリエチレン等
のポリオレフィン、ポリエステル、ナイロンあるいはポ
リウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の合
成樹脂製の不織布または織布であることが好ましい。ま
た、この多孔質材料からなる容器の形状としては特に制
限はなく、例えば布や紙製の袋状物、網製の篭状物など
を挙げることができる。
【0030】本発明の吸油材は、吸油性架橋重合体
(I)と疎水性無機化合物(II)からなる吸油剤組成物
(III)を油透過性材料からなる容器中に充填すること
によって得られる。充填方法は特に制限はなく、例えば
湿式混合後乾燥を施した粒状物や乾式混合によって得ら
れた粒状物を通常用いられる粉体充填装置などにより容
器中に充填する方法を挙げることができる。また、湿式
混合により得られた粒状物(III)の水分散体を容器中
に充填し、その後余剰の水を容器から排出させて乾燥す
る方法を採用することもできる。
【0031】また、本発明の吸油材は、円筒状、直方体
状、球状、ソーセージ状など用途にあわせてあらゆる形
態に成形して用いることができる。
【0032】さらに、本発明の吸油材は、前記吸油剤組
成物(III)に併せて、例えば、もみがら、ワラ、パル
プ、綿、多孔質石灰、多孔質シリカ、多孔質パーライ
ト、ポリプロピレン繊維、発泡ポリウレタンフォームな
どの従来公知の吸油材を容器内に充填して用いたもので
もよい。
【0033】
【実施例】次に、本発明について実施例をあげて詳細に
説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではな
い。なお、例中特にことわりのない限り、部は重量部を
表わすものとする。
【0034】
【実施例1】温度計、攪拌機、ガス導入管および還流冷
却器を備えた500mlフラスコに、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル(株式会社日本触媒製、商品名:ソ
フタノール150、以下の実施例においてもこの商品を
使用した)3部を水300部に溶解して仕込み、攪拌下
フラスコ内を窒素置換し、窒素気流下に40℃に加熱し
た。その後、単量体(A)としてイソブチルメタクリレ
ート(SP値:7.5)59.762部およびステアリ
ルアクリレート(SP値:7.9)39.842部、架
橋性単量体(B)として1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート0.396部および重合開始剤としてベンゾ
イルパーオキシド0.5部からなる溶液をフラスコ内に
一度に加え、750rpmの条件下で激しく攪拌した。
【0035】ついで、フラスコ内の温度を80℃に昇温
し、同温度で2時間維持して重合反応を行い、その後さ
らにフラスコ内を90℃に昇温し、2時間維持して重合
を完了させることにより、平均粒径30μmの吸油性架
橋重合体(1)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)
を得た。
【0036】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に疎水
性シリカ(日本シリカ製、ニップシールSS−70、M
値:65)の微粉体(平均粒径:4μm)5部を加え、
300rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分散体
を得た。ついで、先の重合で得られた吸油性架橋重合体
(1)を含む水分散体80部を徐々に加え10分間攪拌
を続け、吸油性架橋重合体(1)と疎水性シリカとから
なる凝集物を得た。この凝集物をろ別し80℃で乾燥後
に解砕することにより、吸油性架橋重合体(1)20部
および疎水性シリカ5部からなる平均粒径2mmの大き
さに造粒された粒状物を得た。
【0037】得られた粒状物10gを10cm×7.5cm
のポリプロピレン不織布(目付け50g/m2 、孔径約
90μm)製の袋に充填した後、充填口を熱融着して閉
じることにより本発明の吸油材(1)を得た。
【0038】
【実施例2】実施例1において単量体(A)としてヘキ
サデシルメタクリレート(SP値:7.8)49.93
0部およびN−オクチルメタクリルアミド(SP値:
8.6)49.930部、架橋性単量体(B)としてジ
ビニルベンゼンO.140部を代わりに用い、また回転
数を300rpmに変更した以外は実施例1と同様の方
法により、平均粒径100μmの吸油性架橋重合体
(2)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)を得た。
【0039】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施
例1で用いたのと同じ疎水性シリカの微粉体5部を加
え、300rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分
散体を得た。ついで、吸油性架橋重合体(2)を含む水
分散体180部を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油
性架橋重合体(2)と疎水性シリカとからなる凝集物を
得た。この凝集物をろ別し80℃で乾燥後に解砕するこ
とにより、吸油性架橋重合体(2)45部および疎水性
シリカ5部からなる平均粒径3mmの大きさに造粒され
た粒状物を得た。この粒状物10gを用い、実施例1と
同様の方法により吸油材(2)を得た。
【0040】
【実施例3】前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル
3部を水300部に溶解した水溶液中に単量体(A)と
してドデシルアクリレート(SP値:7.9)57.7
72部およびN,N−ジオクチルアクリルアミド(SP
値:8.2)38.515部、架橋性単量体(B)とし
てポリプロピレングリコールジメタクリレート(分子量
4000)3.713部および重合開始剤として2,2
´−アゾビスイソブチロニトリルO.5部からなる溶液
を加え、ホモミキサーにて10000回転で10分間混
合し単量体の水分散液を得た。
【0041】ついで、温度計、攪拌機、ガス導入管およ
び還流冷却器を備えた500mlのフラスコに上記単量
体の水分散液を仕込み、400rpmの条件下で激しく
攪拌しながらフラスコ内を窒素置換した。引き続き窒素
気流下にフラスコ内の温度を70℃に昇温し、同温度で
2時間維持して重合反応を行い、その後さらに90℃に
昇温して重合を完了させ、平均粒径5μmの吸油性架橋
重合体(3)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)を
得た。
【0042】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施
例1で用いたのと同じ疎水性シリカ5部を加え、300
rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分散体を得
た。ついで、吸油性架橋重合体(3)を含む水分散体3
0部を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性架橋重合
体(3)と疎水性シリカとからなる凝集物を得た。さら
に、この凝集物をろ別し80℃で乾燥後に解砕すること
により、吸油性架橋重合体(3)7.5部および疎水性
シリカ5部からなる平均粒径0.2mmの大きさに造粒
された粒状物を得た。
【0043】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により吸油材(3)を得た。
【0044】
【実施例4】実施例1において単量体(A)としてドデ
シルアクリレート(SP値:7.9)99.823部、
架橋性単量体(B)としてエチレングリコールジアクリ
レートO.177部を代わりに用いた以外は実施例1と
同様の方法により、平均粒径30μmの吸油性架橋重合
体(4)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)を得
た。
【0045】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施
例1で用いたのと同じ疎水性シリカ5部を加え、300
rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分散体を得
た。ついで、吸油性架橋重合体(4)を含む水分散体8
0部を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性架橋重合
体(4)と疎水性シリカとからなる凝集物を得た。さら
に、この凝集物をろ別し80℃で乾燥後に解砕すること
により、吸油性架橋重合体(4)20部および疎水性シ
リカ5部からなる平均粒径2mmの大きさに造粒された
粒状物を得た。
【0046】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により吸油材(4)を得た。
【0047】
【実施例5】実施例1において単量体(A)としてt−
ブチルスチレン(SP値:7.9)54.881部およ
び1−デセン(SP値:7.0)44.903部、架橋
性単量体(B)としてジビニルベンゼンO.216部を
代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法により、吸
油性架橋重合体(5)を含む水分散体(樹脂純分25重
量%)を得た。ついで、この水分散体から樹脂分をろ別
乾燥したのちコロイドミルで粉砕することにより、平均
粒径5μmの吸油性架橋重合体(5)の粒状物を得た。
【0048】さらに、この吸油性架橋重合体(5)の粒
状物(平均粒径5μm)15部および疎水性シリカ(日
本シリカ製、ニップシールSS−75、M値:30)の
微粉体(平均粒径:4μm)5部をコロイドミルを用い
て混合することにより平均粒径1mmの大きさに造粒さ
れた粒状物を得た。
【0049】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により吸油材(5)を得た。
【0050】
【実施例6】実施例1において単量体(A)としてノニ
ルフェニルアクリレート(SP値:8.3)74.79
3部およびヒドロキシエチルアクリレート(SP値:1
0.3)24.931部を代わりに用い、架橋性単量体
(B)としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
トの量を0.276部に変更した以外は実施例1と同様
の方法により、平均粒径30μmの吸油性架橋重合体
(6)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)を得た。
【0051】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に疎水
性アルミナ(日本アエロジル製、RFY−C、M値:5
0)の微粉体(平均粒径:3μm)5部を加え、300
rpmの条件下で攪拌し疎水性アルミナの水分散体を得
た。ついで、吸油性架橋重合体(6)を含む水分散体6
0部を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性架橋重合
体(6)と疎水性アルミナとからなる凝集物を得た。さ
らに、この凝集物をろ別し80℃で乾燥後解砕すること
により、吸油性架橋重合体(6)15部と疎水性アルミ
ナ5部とからなる凝集した粒状物を含む水分散体21
6.5部を得た。
【0052】得られた水分散体108.25g(粒状物
として10g)を10cm×7.5cmのポリエステル不織
布(目付け50g/m2 、孔径約100μm)製の袋に
充填して水分を濾過したのち、充填口を熱融着して閉
じ、次いでローラーにて余剰な水を絞り出し60℃で乾
燥させることにより、本発明の吸油材(6)を得た。
【0053】
【実施例7】実施例1において単量体(A)としてラウ
リン酸ビニル(SP値:7.9)99.811部、架橋
性単量体(B)としてトリメチロールプロパントリアク
リレート0.187部を代わりに用いた以外は実施例1
と同様の方法により、平均粒径30μmの吸油性架橋重
合体(7)を含む水分散体(樹脂純分25重量%)を得
た。
【0054】また、前記ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施
例1で用いたのと同じ疎水性シリカの微粉体1部および
ステアリン酸アルミニウムの微粉体(平均粒径:5μ
m)4部を加え、300rpmの条件下で攪拌し疎水性
シリカとステアリン酸アルミニウムの水分散体を得た。
ついで、吸油性架橋重合体(7)を含む水分散体60部
を徐々に加え10分間攪拌を続け、吸油性架橋重合体
(7)と疎水性シリカおよびステアリン酸アルミニウム
とからなる凝集物を得た。さらに、この凝集物をろ別し
80℃で乾燥後解砕することにより吸油性架橋重合体
(7)15部、疎水性シリカ1部およびステアリン酸ア
ルミニウム4部からなる平均粒径2mmの大きさに造粒
された粒状物を得た。
【0055】得られた粒状物10gを10cm×7.5cm
のナイロン織布(目付け50g/m2 、孔径約90μ
m)製の袋に充填した後、充填口を接着剤で閉じること
により本発明の吸油材(7)を得た。
【0056】
【実施例8】前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル
1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施例1で
用いた疎水性シリカの微粉体2部及びステアリン酸アル
ミニウムの微粉体(平均粒径:5μm)3部を加え、3
00rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカとステアリン
酸アルミニウムの水分散体を得た。次いで、吸油性架橋
重合体(4)を含む水分散体60部を徐々に加え10分
間攪拌を続け、吸油性架橋重合体(4)と疎水性シリカ
及びステアリン酸アルミニウムからなる凝集物を得た。
さらに、この凝集物をろ別し80℃で乾燥後解砕するこ
とにより吸油性架橋重合体(4)15部、疎水性シリカ
2部およびステアリン酸アルミニウム3部からなる平均
粒径2mmの大きさに造粒された粒状物を得た。
【0057】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により吸油材(8)を得た。
【0058】
【比較例1】実施例4においてドデシルアクリレートの
量を94.637部に、エチレングリコールジアクリレ
ートの量を5.363部にそれぞれ変更した以外は実施
例4と同様の方法により、平均粒径30μmの比較重合
体(1)を含む水分散体を得た。この水分散体と実施例
1で用いたのと同じ疎水性シリカを用いて、実施例4と
同様の方法で比較重合体(1)20部および疎水性シリ
カ5部からなる平均粒径2mmの大きさに造粒された粒
状物を得た。
【0059】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により比較吸油材(1)を得た。
【0060】
【比較例2】実施例4においてドデシルアクリレート9
9.823部からなる単量体(A)の代わりにドデシル
アクリレート39.854部およびメタクリル酸(SP
値:10.1)59.780部を用い、エチレングリコ
ールジアクリレートの量を0.366部に変更した以外
は実施例4と同様の方法により、平均粒径30μmの比
較重合体(2)を含む水分散体を得た。この水分散体と
実施例1で用いたのと同じ疎水性シリカを用いて、実施
例4と同様の方法で比較重合体(2)20部および疎水
性シリカ5部からなる平均粒径2mmの大きさに造粒さ
れた粒状物を得た。
【0061】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により比較吸油材(2)を得た。
【0062】
【比較例3】実施例4において架橋性単量体(B)を用
いなかった以外は実施例4と同様の方法により、平均粒
径30μmの比較重合体(3)を含む水分散体を得た。
この水分散体と実施例1で用いたのと同じ疎水性シリカ
を用いて、実施例4と同様の方法で比較重合体(3)2
0部および疎水性シリカ5部からなる平均粒径4mmの
大きさに造粒された粘着性のある粒状物を得た。
【0063】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により比較吸油材(3)を得た。
【0064】
【比較例4】前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル
1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施例1で
用いたのと同じ疎水性シリカの微粉体1部を加え、30
0rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分散体を得
た。ついで、実施例4の重合で得られた吸油性架橋重合
体(4)を含む水分散体800部を徐々に加え10分間
攪拌を続け、吸油性架橋重合体(4)と疎水性シリカと
からなる凝集物を得た。
【0065】さらに、この凝集物をろ別し80℃で乾燥
後に解砕することにより、吸油性架橋重合体(4)20
0部および疎水性シリカ1部からなる平均粒径8mmの
大きさに造粒された粘着性のある粒状物を得た。
【0066】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により比較吸油材(4)を得た。
【0067】
【比較例5】前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル
1.5部を水150部に溶解した水溶液中に実施例1で
用いたのと同じ疎水性シリカの微粉体5部を加え、30
0rpmの条件下で攪拌し疎水性シリカの水分散体を得
た。ついで、実施例4で得られた吸油性架橋重合体
(4)を含む水分散体8部を徐々に加え10分間攪拌を
続け、吸油性架橋重合体(4)と疎水性シリカとからな
る凝集物を得た。さらに、この凝集物をろ別し80℃で
乾燥後解砕することにより、吸油性架橋重合体(4)2
部と疎水性シリカ5部からなる平均粒径0.5mmの大
きさに造粒された粒状物を得た。
【0068】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により比較吸油材(5)を得た。
【0069】
【比較例6】実施例4において疎水性シリカ(日本シリ
カ製、ニップシールSS−70、M値:65)の代わり
にシリカ(日本シリカ製、ニップシールSS−73、M
値:15)の微粉末(平均粒径:3μm)を同量用いた
以外は実施例4と同様の方法により吸油性架橋重合体
(4)20部とシリカ5部からなる平均粒径4mmの大
きさに造粒された粒状物を得た。得られた粒状物は吸油
性架橋重合体(4)とシリカの単独凝集体を多く含む不
均一な凝集体であった。
【0070】この粒状物10gを用い、実施例1と同様
の方法により比較吸油材(5)を得た。
【0071】
【実施例9】実施例1〜8で得られた吸油材(1)〜
(8)、比較例1〜6で得られた比較吸油材(1)〜
(6)および市販のポリプロピレン不織布10g(10
cm×25cm、目付け400g/m2,嵩密度0.1g/c
m3)を実施例1で用いたポリプロピレン不織布に充填し
たもののそれぞれを20℃の条件下に灯油中に1分間浸
漬した後引き上げ、200メッシュの金網上に1分間放
置して油切りした。その後秤量により吸油材に吸収され
た吸油量を測定した。次いで吸油後の吸油材を200メ
ッシュの金網上に置き、上部に20g/cm2の荷重を1
分間かけ、流出した油量を測定し、次式に従い荷重後の
保油率を計算した。
【0072】保油率(%)={(吸油量−流出油量)/
吸油量}×100 それらの評価結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明の吸油材は、特定の吸油性架橋重
合体と疎水性無機化合物とからなる粒状物を多孔質材料
からなる容器中に充填してなり、それらの複合効果によ
り、油水混合系からも油のみを選択的に吸収でき一旦吸
収した油の保油性能に優れる。さらに本発明の吸油材中
の粒状物は、高粘性の油に対する濡れ性が改善されてお
り、また低粘性の油の吸油に際して油の接触面付近での
吸油膨潤による吸油剤内部への油の通液阻害(ゲルブロ
ックの生成)が有効に防止されているため、広範な種類
の油に対して吸油速度のきわめて速いものとなる。ま
た、本発明の吸油材は取扱い性に問題があった粉体を容
器に収納した状態で吸油能を発揮するため、使用時の取
扱いがきわめて容易であり、しかもコンパクトに貯蔵で
きる利点を有している。
【0075】したがって、本発明の吸油剤は、海上流出
油回収、浮上油回収、廃水中の油分回収、エマルション
ブレーカー、廃油処理剤、食用廃油処理剤、機械油廃油
処理剤、家庭用または工業用ふきとり剤、化学ぞうき
ん、漏油センサー、オイルシール剤、各種保油剤などの
非常に広範な用途に適応できるほか、各種芳香剤、殺虫
剤、集魚剤などの徐放性基材としても使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 31/02 LHM // C08L 33/04 LHU 33/26 LJV (72)発明者 田村 俊雄 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒川崎研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解度パラメーター(SP値)が9以下
    の単量体を主成分としてなる分子中に1個の重合性不飽
    和基を有する単量体(A)96〜99.999重量%お
    よび分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する
    架橋性単量体(B)0.001〜4重量%(ただし単量
    体(A)および(B)の合計は100重量%である)か
    らなる単量体成分を重合して得られる吸油性架橋重合体
    (I)30〜99.5重量部およびメタノール値(メタ
    ノール水溶液に濡れ始める時の水溶液中のメタノール容
    積%)が25%以上の疎水性無機化合物(II)0.5〜
    70重量部からなる吸油剤組成物(III)を油透過性材
    料からなる容器中に充填してなる吸油材。
  2. 【請求項2】 単量体(A)が、少なくとも1個の炭素
    数3〜30の脂肪族炭化水素基を有し且つアルキル(メ
    タ)アクリレート、アルキルアリール(メタ)アクリレ
    ート、アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキルアリ
    ール(メタ)アクリルアミド、脂肪酸ビニルエステル、
    アルキルスチレンおよびα−オレフィンからなる群より
    選ばれる少なくとも1種の不飽和化合物(a)を主成分
    としてなるものである請求項1記載の吸油材。
  3. 【請求項3】 吸油剤組成物(III)が、吸油性架橋重
    合体(I)の粒状物と疎水性無機化合物(II)の粉体と
    を水性媒体中に混合分散した後に両者を凝集造粒するこ
    とによって得られる粒状物である請求項1記載の吸油
    材。
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