JPH07101512B2 - 光情報記憶方法及び光応答装置 - Google Patents

光情報記憶方法及び光応答装置

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JPH07101512B2
JPH07101512B2 JP59230067A JP23006784A JPH07101512B2 JP H07101512 B2 JPH07101512 B2 JP H07101512B2 JP 59230067 A JP59230067 A JP 59230067A JP 23006784 A JP23006784 A JP 23006784A JP H07101512 B2 JPH07101512 B2 JP H07101512B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、相異なるレドックスポテンシャルをする種
々の電荷移動化合物の混合物や、単一の両性有機電荷移
動化合物を使用して光学装置を構成する、更に詳しくい
えば、こうした有機電荷移動物質を記憶媒体及びスイッ
チング機構として光システムに応用する方法及び装置に
関する。
〔従来の技術及び問題点〕
情報革命の到来に伴い、近年になり、光記憶システムや
オプトエレクトロニックスイッチの開発に焦点を合わせ
た研究活動が盛んに行われるようになった。特に、レー
ザー光の物質への作用は、光記憶システムにおけるその
潜在的使用能力が故に、注目すべき研究対象となってい
る。潜在的に、光記録によれば、1平方センチメートル
当たり1億ビット以上の情報記憶密度の獲得が可能であ
る。現在のところ、光記憶装置として、結晶相転移(ス
トゥーク、ジャーナル オブ ノン−クリスタリン ソ
リッヅ、1970年版、第4巻)、並びに、レーザーで物質
にビットを形成してデータを記憶させる光化学正孔焼付
(PHB)を使用したものが主流となっている。アプライ
ド フィジクス レターの第11巻40号(1982年6月1日
発行)には、“有機薄膜のレーザーマーキング”という
表題でローブル等による報文が掲載されており、そこに
はレーザービームを用いて有機薄膜に孔を開ける技法が
記載されている。同様に、アプライド フィジクス レ
ターの第1巻41号(1982年7月1日発行)に、スパッタ
リング形成した青色イリジウム酸化膜上への光書き込み
についてのマボッシュ等の報告が掲載されている。
この技法は、光書き込み機構を用いて、光学媒体の融点
以下の温度で熱的に脱水を誘起するものである。更に、
ジャーナル オブ アプライド フィジクスの第3巻50
号(1979年3月発行)に、「染料一重合体系における光
誘導現象」という表題の下で、染料一重合体系における
拡散に基づく光マーキングプロセスについての報告がナ
ボトニー等によりなされている。
従来の光記憶システム技術においては、記憶媒体中の記
憶データを消去できないという重大な欠点があったた
め、書き込み、読み取り、消去の3機能を要するコンピ
ュータ技術に応用されることはほとんどなかった。
米国特許第4、371,883号(出願日:1980年3月14日、発
明の名称:電流制御双安定電気有機薄膜スイッチング装
置(TCNQ、即ち、テトラ・シアノ・キノジメタン、及び
米国特許出願第385,523号(出願日:1982年6月7日、発
明の名称:電流制御双安定電気有機薄膜スイッチング装
置(TCNQ)の製造方法)には、Cu TCNQ、即ち、銅テト
ラ・シアノ・キノジメタンのような有機電荷移動塩類
が、電界作用下において、平衡ないしは第1状態と第2
状態との間を安定、かつ再現性よく2状態スイッチング
することが開示されている。更に詳しくいえば、ある種
の有機電荷移動塩が電界作用下において、2状態可逆的
な電気化学的トポタクティックレドックス反応を起こ
し、第1状態から第2状態へスイッチすること(2状態
スイッチング)、そして、平衡ないしは第1状態から第
2状態にスイッチする際に起るインピーダンス変化を検
知することにより、ある一定エリアが第1状態にあるか
第2状態にあるかを決定することができることを開示し
ている。とりわけ、電界がCu TCNQ又はそれと同類の有
機電荷移動塩の薄膜に加えられ、この加えられた電界が
しきい値以上になると、有機薄膜のインピーダンスが、
比較的高インピーダンスから比較的低インピーダンスへ
と低下することが示されている。ポーテンバー等は、有
機フィルムが電気的にスイッチすると、スイッチ後の第
2状態が、平衡ないしは第1状態のそれとは異なる光学
特性を有するようになることを2論文中に記載してい
る。その1つは、ケミカ スクリプタ第17巻219〜221号
(1981年)に記載の“銅−TCNQ半導性フィルムの波動及
びX線光電子スペクトル”であり、他はアメリカン ケ
ミカル ソサエティー シンポジウム シリーズの184
号(1982年)に記載の“半導性薄膜における電気的スイ
ッチング及びメモリー現象”であり、これら両論文に
は、赤外線分光手段が記載されると共に、高名なラマン
分光技法(松崎等)が参照されている。この参照文献
は、“伝動性TCNQ塩のラマンスペクトル”という表題の
下、ソリッド ステートコミュニケーションズ第33巻40
3〜405頁(1980年)に記載されているもので、直流ない
しは交流電界によりスイッチしたCu TCNQフィルムが、
第1状態にあるか第2状態にあるかを決定する技法を開
示している。カミトス等はこの追跡研究を行い、上記文
献中に記載の、Cu TCNQ塩を第1状態から第2状態にス
イッチさせる電気化学電荷移動式を、ラマン分光技法を
使用して証明している(“Cu TCNQフィルムにおける電
気的スイッチング機構のラマン分析”、ソリッドステー
ト コミュニケーションズ第42巻8号561〜565頁(1982
年)。上記論文はいずれも加えられた電界によりスイッ
チしたCu TCNQのある一領域が、第1状態にあるか第2
状態にあるかを、分光装置を用いて識別することができ
ることを指摘している。
本発明の発明者、ポーテンバー、プーラー及びベンソン
は、現在係属中の米国特許出願第464,711号(出願日:19
83年2月7日、発明の名称:有機電荷移動塩を用いた光
学記憶及びスイッチング装置)において、2状態光学ス
イッチング装置を開示している。彼等は、ある種の有機
電荷移動塩は光照射により2状態スイッチングが引き起
こされることを見出した。また、この光照射がある一定
のしきい値以上になると、有機電荷移動塩は第1状態か
ら第2状態にスイッチすることも判った。有機電荷移動
塩のある一部が第1状態にあるか第2状態にあるかを測
定する手段としては、分光装置その他の光学装置が使用
されている。この米国出願には、第1状態を“0"で、第
2状態を“1"で表示するバイナリーの情報を記憶する光
学装置、並びに、第2状態(“1")から平衡状態
(“0")にスイッチバックさせるための光学及び熱処理
装置の記載がなされている。しかしながら、この出願に
記載されている有機光学装置は、有機光学記憶媒体のあ
る特定エリア上にわずか2ビットの情報を記憶するだけ
の2状態システムであった。
〔本発明による改良手段及びその作用〕
この発明は、上記係属中の米国特許出願第461−771号に
記載の有機電荷移動スイッチングシステムを改良し、同
一スポットに3ビット以上の情報を光記憶することが可
能な有機記憶媒体を開発したものである。本願発明者等
は、ある種の両性有機電荷移動物質が多段階電子移動反
応を起こし、複数状態間にスイッチすると共に、これら
の各状態を分光装置を使用して同定することができ、更
には、光、赤外線又は熱源からのエネルギーを使用して
記憶媒体中の情報を消去し、該記憶媒体をその第1ない
しは基底状態に復帰させることができることを見出し
た。この発明による装置は、 (1) 相異なるレドックスポテンシャルを有する複数
の電荷移動化合物の混合物、又は、多状態電荷移動性を
有する単一の両性有機電荷移動化合物を膜状に形成した
光記憶媒体と、 (2) 該光記憶媒体上のある1スポットに照射し、こ
のスポットを複数状態のうちのいずれかの状態にスイッ
チさせる光エネルギー源とから構成される。
前記有機物質は、印加される光学場の強度が増加する
と、ある一つの状態から他の状態へとスイッチする。
また、ある特定の光学場強度の下においては、両性媒体
はある特定の状態のスイッチすること、前記多段階電子
移動反応の各状態は、独自の一連のレドックス分子種の
存在により固定され得ることも判明した。こうした電子
ないしは基礎的吸収モードの変化を利用し、存在する特
定のレドックス分子種を同定することで、光記憶媒体上
のデータ記憶スポット(すなわち、光学ビームの被照射
スイッチ)の状態を読み取ることができる。例えば、4
段階電子移動反応を起こす両性有機電荷移動物質を用
い、この物質に光書き込みビームを照射すると、作用す
る光学場強度の大きさによって、光記憶媒体の被照射ス
ポットの基底状態から、他の3状態のうちのいずれか1
つの状態へと選択的にスイッチさせることができる。し
たがって、光書き込みビームを使って、各データ記憶ス
ポットに多ビットのデータを記憶させることが可能とな
る。同様に、光学並びに分光装置を使用すれば、膜上に
書き込まれた多ビットの記憶データを読み取ることもで
きる。よって、光記憶媒体上のデータ記憶スポットを適
当に配置すれば、通常の2次元構成を用いた高密度の光
記憶装置を製作することができる。
また、光学又は加熱装置により生成される熱エネルギー
を利用すれば、光学記憶フィルムの全部又は一部に記憶
されたデータを消去し、多数の記憶スポットの状態を基
底ないしは平衡状態に復帰させることができること、こ
の逆方向多段階電荷移動反応は熱により惹き起こされる
プロセスであること、各種の有機電荷移動物質は選択的
にしきい値又はメモリー光学スイッチング特性を有する
ことなども判明した。
この発明の光記憶媒体は、両性有機電荷移動物質の薄状
フィルムから構成される。この両性有機電荷移動物質は
多段階電荷移動反応を起こし、この移動反応の各段階で
多重レドックス分子種が電気化学的に生成される。ま
た、上記各段階ないしは状態は、各段階に独自の一連の
生成レドックス分子種を観測することにより固定され得
る。
この両性有機電荷移動物質の製作法には数種類あり、そ
れらの詳細については後述するが、まず第1の方法は、
例えばCu TCNQやCu TCNQ(i−Pr)といった2種のラ
ジカルイオン塩の混合物を含有する薄膜を生長させて両
性混合物を生成する方法である。第2の方法は、種々の
受容体分子(例えばTCNQ,TANP,TCNQ(i−Pr))を、
シグマ及びパイ結合システムを介して化学的に複合連結
させて両性混合物を生成する方法である。第3図の方法
は、光学スイッチング及び両性特性を有する高非局在化
ラジカルイオン受容体分子を合成する方法である。
したがって、この発明の一つの目的は、平衡状態から2
ないしはそれ以上の状態(レドックス状態)への光学的
スイッチングが可能な光学媒体を提供するところにあ
る。光学媒体がどの準位の状態にスイッチするかは、種
々の光周波数の下での電磁場レベルにより決定される。
また、特定のスイッチ状態は、電子光スペクトルないし
は基礎吸収モードの変化を観測することで同定すること
ができる。
この発明のもう一つの目的は、加えられた電場の作用に
より多段階電荷移動反応を起こす両性有機電荷移動媒体
を生成するところにある。この有機媒体は、種々の光周
波数の下での電磁エネルギーの作用により、光学場強度
の増加に伴い遂次段階的なレドックス反応を起こす。こ
うした多段階スイッチング特性のため、光ビームを利用
すれば、両性有機電荷移動物質を、一つの安定酸化状態
から第2、第3又は第4の安定酸化状態へとスイッチさ
せることが可能となる。そして、各状態の同定は、その
スイッチ状態に関連する生成レドックス分子種の光学特
性観測により行い得る。前記両性有機電荷移動物質は、
熱エネルギーが加えられると、平衡状態へと復帰する逆
反応を起こし、該物質に記憶されたデータが消去され
る。各種の両性有機電荷移動物質は選択的に、メモリー
若しくはしきい値多段階スイッチング特性を有する。
この発明の更にもう一つの目的は、両性電荷移動物質を
用いた多状態光記憶装置を提供するところにある。
光書き込みビームは、両性膜上の少なくとも一つのデー
タ記憶スポットに照射すべく制御される。光書き込みビ
ームの作用電磁場レベルを可調節とし、ビーム被照射デ
ータ記憶スポットの状態を、複数状態のうちの一特定状
態にスイッチさせる。データ記憶スポットに記憶された
データは次いで、分光技法を介し、データ記憶スポット
の光学特性を測定することにより読み取られる。記憶デ
ータの消去は、両性有機電荷移動フィルムのある特定部
に熱エネルギーを加え、その部分を基底ないしは平衡状
態に復帰させることで行われる。
尚、上述においては、この発明の特徴を光記憶媒体や光
記憶装置に関連づけて説明したが、両性有機電荷移動物
質の有する多状態スイッチング機能を、他の光学装置や
光応答装置等に応用することも勿論可能である。
〔実施例〕
この発明の一実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明す
る。
多段階スイッチングを理解する上において、2状態スイ
ッチングの原理をいくらか理解する必要があるので、こ
こでまず係属中の米国特許出願(発明の名称:光電荷移
動塩を用いた光記憶及びスイッチング装置、特許出願第
464,711号)を参照しつつ、2状態スイッチングについ
て説明する。Cu TCNQのような双安定有機電荷移動塩
が、十分な光学場強度を有するビーム照射を受け、第1
状態から第2状態へスイッチする際に生じる基本的な電
気化学トポタクティックレドックス反応を以下に示す。
こうしたスイッチングが起こる理由は、光学ビーム(す
なわち、種々の周波数の下での電磁場)により、有機電
子受容体(この場合TCNQ)と供与体(Mで表示)との結
合が分断され、電荷が供与体から受容体へ移っていくた
めだと考えられる。前記の等式(1)は、有機塩が第1
状態から第2状態へとスイッチする際の電荷分布の変化
を明確に示している。第1ないしは基底状態において
は、有機電子受容体モエティー(moiety)はもっぱら還
元形 で存在する。しかしながら、第2ないしはスイッチ後の
状態においては、前記有機電子受容体モエティーは、還
元形 及び中性形(TCNQ゜)の両形で存在する。第(1)式か
ら判るように、各状態にはそれぞれ独自の一組のレドッ
クス分子種が存在する。すなわち、受容体モエティーは
第1状態においてはもっぱら還元形で存在するのに対
し、(例えば、 分子種のみが存在)、第2ないしはスイッチ後の状態に
おいては還元形及び中性形の両形で存在する(例えば、 とTCNQ゜両分子種が存在)。2状態電荷塩が第1状態に
あるか第2状態にあるかは、可視光、分光、けい光、そ
の他の光学装置を使用して、各レドックス分子種に関連
した光学特性を同定することで決定される。第1図に有
機電荷移動塩Cu TCNQのラマンスペクトルバンドを示
す。
第1a図は中性TCNQ(例えばTCNQ゜)のスペクトルバンド
を、第1b図はほとんど全有機電子受容体モエティーが還
元形で存在する第1状態におけるCu TCNQ(例えば、 レドックス分子種のみ存在)のスペクトルバンドをそれ
ぞれ示す。第1c図は、有機電子受容体モエティーが還元
形及び中性酸化形の両形で存在する第2ないしはスイッ
チ後の状態におけるCu TCNQ(例えば、 及びTCNQ゜分子種がともに存在)スペクトルバンドを示
す。ラマンスペクトルバンドは基本的吸収モードであ
り、有機電子受容体モエティーの酸化状態に応答し、存
在するレドックス分子種の同定を確実に行う。すなわ
ち、本例においては、TCNQ又はTCNQ゜レドックス分子種
の存在を検出する。有機電荷移動塩にCu TCNQを用いれ
ば、波数1451cm-1のスペクトルバンドを分析するだけ
で、該有機塩が第1状態にあるか第2状態にあるかを決
定することができる。すなわち、Cu TCNQ有機電荷移動
塩が第2状態下にある場合には、波数1451cm-1の位置に
高強度のスペクトルバンドが出現するが、第1状態下に
ある場合にはそれがあらわれない。
次に、多状態両性電荷移動物質を2以上の2状態有機電
荷移動塩から生成する方法について説明する。
〔2種以上の2状態有機電荷移動塩から多状態両性電荷
移動物質を生成する方法〕 まず第1番目の方法は、2種の2状態有機電荷移動塩か
ら多結晶混合物を生成する方法である。この方法では、
ある設定割合で混合された2種のラジカルイオン塩を含
有する膜が生長生成される。例えば、中性TCNQ゜と中性
TCNQ(i−Pr)をCH3CNのような溶媒に添加して溶液
を生成した後、この溶液を銅金属箔に作用させると、該
銅金属箔上に複合体Cu2[TCNQ(i−Pr)]の多結晶
フィルムが生長生成される。勿論、他の周知方法を用い
てこの多結晶混合物を生成することも可能である。両性
電荷移動塩であるCu2[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]に光源
(例えばアルゴンイオンレーザー)より光を照射する
と、該物質の光学特性が光出力密度(watts/cm2)の増
加に伴い変化する。3状態にそれぞれ対応する3種類の
スペクトルが観察される。これは、Cu TCNQを基底状態
から第2状態にスイッチさせるのに要する光学場強度
が、Cu TCNQ(i−Pr)をスイッチさせるのに要する
光学エネルギーよりも高レベルであるからである。した
がって、こうした光学場強度依存性を利用すれば、各銅
双安定塩に種々の光学場強度を順次作用させながら、段
階的にスイッチさせることができる。
第2図はCu[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]の3状態をそれ
ぞれ示すラマン分光側光定量プロットである。第2a図は
スイッチ前の基底状態の光学特性を示す。基底状態にお
いては、Cu TCNQ及びCu TCNQ(i−Pr)ともに高ν
(C=C伸縮)ラマンバンド(10)が観察された。
Cu TCNQ(i−Pr)の伸縮周波数は1390cm-1であり、Cu
TCNQの伸縮バンド(1375cm-1)からほぼ15cm-1のシフト
が見られた。ラマンバンド(10)は、TCNQ及びTCNQ(i
−Pr)モエティー両者の還元形(すなわち、 レドックス分子種)での存在を同定する。
第2b図は第2状態の光学特性を示す。この第2状態は、
中性TCNQ(i−Pr)゜レドックス分子種の存在と関連
した、1451cm-1におけるラマンバンド(12)の出現によ
り同定することができる。基底状態(第2a図参照)から
第2状態(第2b図参照)へスイッチさせるべく、フィル
ムに一定の光学場強度を印加し、TCNQ(i−Pr)をそ
の還元分子種から中性分子種へとスイッチさせたが、こ
の時点においてはTCNQ分子のスイッチは観察されなかっ
た。前記第2状態は、中性TCNQ(i−Pr)゜分子種に
相当する1451cm-1でのピーク(12)の出現、並びに、充
分子種に相当する1462cm-1での強度低下により同定する
ことができる。
第2c図は、高次しきい値にまで光学場強度を増加した後
に観察されたフィルムの光学特性を示す。この時点での
光学場強度は、Cu TCNQ及びCu TCNQ(i−Pr)塩両者
に2状態スイッチングさせるに必要なしきい値以上とな
っている。このため、電気化学電荷移動反応が生じ、Cu
TCNQ電荷移動複合体の一部がスイッチし、中性TCNQ゜
レドックス分子種が生成される。この第3状態の光学特
性は、中性TCNQ゜レドックス分子種の存在に関連する14
51cm-1でのラマンバンド(14)の出現により同定するこ
とができる。上記Cu2[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]で観測
された多状態スイッチングは、以下の等式2−4により
理解できる。
第(2)式は、E1以上の強度を有する光学ビーム照射時
に生ずる、Cu TCNQ(i−Pr)膜の2状態スイッチン
グ反応を説明するものである。
この電気化学反応において、スイッチ後の状態は、▲TC
NQ(i−Pr) ▼及び 両レドックス分子種の存在を検出することで同定し得
る。第(3)式は、E2以上の強度を有する光学ビーム照
射時に生ずる、Cu TCNQフィルムの2状態スイッチング
反応を示す。この電気化学反応において、スイッチ後の
状態は、TCNQ゜および 両レドックス分子種の存在を検出することで同定し得
る。前2式におけるスイッチング光学しきい値は受容体
モエティーのレドックスポテンシャルに依存する。第3
図のテーブルは、受容体モエティーの還元ポテンシャル
と光学場強度スイッチングしきい値との関係を示すもの
である。本例において、Cu TCNQと、Cu TCNQ(i−Pr)
とから多状態両性物質を生成できるのは、Cu TCNQを
スイッチさせるに要する光学的しきい値と、Cu TCNQ
(i−Pr)をスイッチさせるに要する光学的しきい値
とに差異があるためである。こうした光学場強度依存性
を利用すれば、各2状態電荷移動塩を段階的にスイッチ
させることができる。したがって、多状態両性電子移動
媒体の生成が可能となる。第(4)式は両性混合物Cu2
[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]のスイッチング特性を示す
ものである。E1以上、かつE2未満の光学場強度を有する
光学ビームを照射すると、両性膜は第2状態(B状態)
にスイッチする。この第2状態(B状態)の同定は、▲
TCNQ(i−Pr) ▼レドックス分子種の検出により行
われる。第2b図ですでに示したように、▲TCNQ(i−P
r) ▼レドックス分子種の光学特性はラマンスペク
トルバンド(12)により同定される。次いで、光学場強
度をE2以上に増加すると、両性物質は第3状態(C状
態)にスイッチする。第3状態の同定は、TCNQ゜及び▲
TCNQ(i−Pr) ▼レドックス分子種の検出により行
われる。すなわち、第2c図に示すような、ラマン分光装
置を用いたラマン分光側光定量プロットから検出され
る。
したがって、Cu2[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]は3状態に
スイッチする。まず、光学場強度がE1未満の場合には、
両性物質は基底状態(A状態)にあり、次いで光学場強
度をE1以上かつE2未満のレベルまで増加すると、両性物
質は第2状態(B状態)にスイッチし、光学場強度を更
にE2以上にまで増加すると、両性物質は第2状態から第
3状態へ(B状態からC状態へ)、ないしは、基底状態
から第3状態へ(A状態からC状態)へとスイッチす
る。したがって、照射光学ビームの強度調節により、Cu
2[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]膜上のある1スポットを3
状態のうちのいずれか1状態にスイッチさせることがで
きる。前記Cu2[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]のスイッチ後
の状態は、光学若しくは加熱装置を用いて該物質を加熱
すれば反転させることができる。第(4)式は可逆反応
であり、熱照射によりこの電荷移動反応は反転し、又は
メモリーが消去され、もとの電荷移動複合体が再生され
る(すなわち、両性物質が基底状態に復帰する)。
上記Cu2[TCNQ:TCNQ(i−Pr)]は両性物質のほんの
一例にすぎず、他種の2以上の電荷移動塩の複合混合物
より同様な有機両性物質が種々獲得できる。こうした両
性有機電荷移動物質を生成するには、2つの条件が満足
されなければならない。
(1) 2種の2状態電荷移動塩をスイッチさせるに要
する光学場強度しきい値が相異すること、及び、 (2) 電気化学反応により生成されるレドックス分子
種が、それぞれ異なる電子光学赤外スペクトル特性ない
しはラマンスペクトル特性を有することである。
本願発明者等は、光学場からのエネルギー存在下におい
て、上述の2状態光学スイッチングを起こす有機電荷移
動化合物を多数発見すると共に、種々のTCNQ誘導体が電
子供与性金属と複合し、光学メモリーや光学スイッチン
グ特性を有する有機電荷移動塩を形成することを発見し
た。これらのTCNQ誘導体を以下に列挙する。
TCNQ(OMe)(メトキシTCNQ) TCNQ(OMe)(ジメトキシTCNQ) TCNQ(OMe)(OEt)(メトキシ−エトキシTCNQ) TCNQ(OMEe)(O−i−Pr)(メトキシ−イソプロポキ
シTCNQ) TCNQ(OMe)(O−i−Bu)(メトキシ−イソブトキシT
CNQ) TCNQ(O−i−C2H5)(イソペントキシTCNQ) TCNQ(OEt)(SMe)(エトキシ−メチルメルカプトTCN
Q) TCNQ Cl(クロロTCNQ) TCNQ Br(ブロモTCNQ) TCNQ Cl Me(クロロメチルTCNQ) TCNQ Br Me(ブロモメチルTCNQ) TCNQ I Me(ヨウ化メチルTCNQ) TCNQ I(ヨウ化TCNQ) TCNQ(OMe)(OCH3(メトキシ−ジメトキシTCNQ) TCNQ(CN)(ジシアノTCNQ) TCNQ(Me)(メチルTCNQ) TCNQ(Et)(エチルTCNQ) TCNQ(i−Pr)(イソプロピルTCNQ) TCNQ(i−pr)(ジイソプロピルTCNQ) 本願発明者等は、更に、少なくとも一つのシアノメチレ
ン官能基を含む有機電子受容体と、電子供与体モエティ
ーとの複合形成により、メモリー及びスイッチング機能
を有する有機塩が生成されること、並びに、少なくとも
一つのキノレン単位を含む有機電子受容体と、電子供与
体モエティーとの複合によっても、同様にメモリー及び
スイッチング機能を有する有機塩が生成されることを見
出した。更に特定すれば、以下に列挙する有機電子受容
体から生成される有機塩が光メモリーや光学的スイッチ
ング機能を有する。
テトラシアノキノジメタン(TCNQ), テトラシアノナフトキノジメタン(TNAP), テトラシアノエチレン(TCNE), 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(D
DQ),ヘキサシアノブチレン(HCBD), 11,11,12,12,−テトラシアノ−1,4−ナフトキノジメタ
ン(benzo−TCNQ), 2,5−ビス(ジシアノメチレン)−2,5−ジハイドロチオ
フェン, 2,5−ビス(ジシアノメチレン)−2,5−セレノフェン,
チオフェン−(T)−TCNQ, (セレノフェン(Se)−(TCNQ), テトラシアノ−キノキナゾリノキナゾリン(TCQQ), ヘキサシアノトリメチレンサイクロプロパン(HMCTMC
P), 2,4−ビス(ジシアノメチレン)−1,3−ジチエタン(BD
DT),及び、前記TCNQ誘導体のいずれか。以下に列挙す
る金属は、上述の有機電子受容体と複合し、光学的スイ
ッチング機能を有する有機塩を形成する。
銅、銀、鉛、ニッケル、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、バリウム、クロム、モリブデン、タングステン、コ
バルト、鉄、アンチモニー、セシウム、マグネシウム。
更に、電子供与体として機能し得る次の有機物質は、有
機電子受容体と複合し、光メモリーや光学的スイッチン
グ特性を有する有機塩を形成する。
テトラチオエレン、ジチオジアミノエチレン、ジチオジ
サリノエチレン、テトラアミノエチレン、アゼン、芳香
族炭化水素。
勿論、シアノエチレン官能基ないしはキノレン単位を有
する有機電子受容体とから形成されるその他の有機電荷
移動塩や、同様な光学特性を有する有機塩なども、前述
のように、光照射の下で第1状態から第2状態にスイッ
チする。こうした2状態光学スイッチング化合物を結合
すれば、多状態両性有機電荷移動物質を生成することが
できる。
両性有機電荷移動物質のスイッチ後の状態を確認できる
のは、中性及びラジカルイオン分子種のラマンモード
が、キノン式構造体への置換基により大きく影響される
からである。各種レドックス分子種に関連する光学特性
は、種々の技法を用いて同定され得る。一般には、分光
装置が使用され、多状態両性有機電荷移動媒体上の特定
スポットの状態が同定されるが、赤外線分光装置やラマ
ン分光装置なども、スイッチ後の特定状態を同定するの
に用いられる。ラマン分光技法ないしはその他、多状態
両性有機電荷移動媒体からの反射レーザー光の特定狭ス
ペクトルバンドを分析するような類似技法の使用が望ま
しいが、有機電子受容体モエティーの酸化状態変化、又
は、電子供与体モエティーの還元状態変化を同定できる
ような方法であれば、上記以外の周知技法の使用も可能
である(すなわち、X線光電子分光器(XPS),ラマン
ないしは赤外線分光装置を使用すれば、電子供与体や有
機電子受容体モエティーの酸化状態変化を検出すること
ができる)。
ある種の場合には、特定のスイッチ状態下のレドックス
分子種の特性を、物質の視感色彩変化により同定するこ
とができる。第4図のテーブルに、2状態電荷移動物質
(Ag TCNQとCu TCNQ)を使って観察された色彩変化を概
記する。これらの物質は混合されると、多状態物質を生
成するものである。更に、数種の有機電子受容体分子、
例えば、TCNQ(OMe)2,TCNQ([O−i−Pr][OM
e]),TCNQ(i−Pr)などは、還元状態においては発
しないが、酸化状態においては広バンドけい光を発す
る。このけい光を第5図に示す (対象物質はTCNQ[(OMe)(O−i−Pr)])。
けい光を利用すれば、酸化状態の変化を記録したり、あ
る種の物質の種々のレドックス分子種を区別したりする
ことができる(例えば、けい光の存在によりある特定中
性レドックス分子種の存在が確認される)。したがっ
て、2種の2状態ラジカルイオン塩から多状態両性電荷
移動物質を生成することが可能となる。種々の関連ラジ
カルイオン受容体分子から、こうした多状態スイッチン
グを果たす物質が生成されるが、この種受容体分子の例
は既に挙げたものや、第6図に示されるものがある。こ
れらの受容体分子に別種の分子を混合したり、供与性金
属を置換したりしたものからは、多状態スイッチング効
果が観察される。例えば、Cu TCNQとAg TCNQからなる多
状態両性有機電荷移動物質の膜に、種々の光学場を作用
させると、多状態スイッチングが惹起こされる。各構成
2状態電荷移動塩をスイッチさせるに要する光学場強度
は、供与体−受容体の結合強度に依存する。
尚、2種の2状態電荷移動物質から成る多状態電荷移動
塩について以上説明したが、3種以上の2状態電荷移動
物質を結合すれば、4以上のスイッチ状態を有する両性
電荷移動物質を形成することができるのは勿論である。
〔2種以上の2状態電荷移動分子の結合により多状態両
性電荷移動複合体を形成する方法〕 多状態両性電荷移動物質を生成するもう一つの方法は、
種々の受容体分子を、シグマ及びパイ結合系を介して化
学的に結合し、大分子を生成する方法である。生成大分
子は両性で、複数状態に光学的にスイッチする。そし
て、これら各状態は、独自の組合わせのレドックス分子
種により同定され得る。この方法によれば、受容体分子
が等量の供与性金属と反応し、多状態スイッチング系を
構成する分子が形成される。第7図に、化学結合される
2種のラジカルイオン受容体分子の数列を示す。勿論、
第7図に示されたものに限らず、その他の化学結合鎖に
より2分子を結合してもよい。2分子が化学結合した第
7図に示される分子は、TCNQモエティーと、塩素、臭
素、フッ素、CH3,OMe,その他類似の置換基などの置換基
Rを有するTCNQモエティーとを連結したものである。こ
こで留意すべきことは、結合鎖とTCNQモエティー間、及
び結合鎖とTCNQ誘導体モエティー間の共有結合はいずれ
も、電気化学スイッチング反応中に破壊されることはな
いこと、更には、レドックス分子種のラマン分光モード
はキノン式構造体上の置換基に大きく影響されるので、
電気化学反応中に形成される種々のレドックス分子種は
光学及び分光技法により容易に固定し得ることなどであ
る。以下に記す第(5)式は、 (TCNQ)−CH2SCH2COCH2SCH2−(TNAP)両性電荷移動分
子の多状態スイッチング反応を示すものである。
(TCNQ)−R−(TNAP)(Rは−CH2SCH2COCH2SCH2−化
学結合鎖を示す)にE1以上、かつE2未満の強度を有する
光学ビームを照射すると、該物質は基底状態(A状態)
から第2状態(B状態)にスイッチする。第(5)式に
示される如く、第2状態においては、 両レドックス分子種が存在する。この第2状態は、既述
の光学及び分光装置を用い、 レドックス分子種の存在を検出することにより同定され
る。光学場強度をE2以上のレベルにまで増加すると、物
質は第2状態から第3状態へ(B状態からC状態へ)、
又は初期ないしは基底状態から第3状態へ(A状態から
B状態を経てC状態へ)とスイッチする。第(5)式に
示される如く、第3状態においては、[(TCNQ゜)−R
−(TNAP゜)], レドックス分子種が存在する。そしてこの第3状態は、
既述の光学及び分光装置を用い、 [(TCNQ゜)−R−(TNAP゜)]レドックス分子種の存
在を検出することにより同定される。ここにおいて留意
すべきことは、結合鎖とTCNQ及びTNAPモエティー間の両
共有結合は、受容体モエティーが還元状態下にある時で
あっても(例えば、[(TCNQ゜)−R−(TNAP゜)]レ
ドックス分子種)破壊されないということである。
上記においては、[(TCNQ)−R−(TNAP)]化合物を
用いて、化学結合プロセスにより形成される両性物質の
説明をしたが、その他の2状態有機電荷移動塩を等価の
化学結合鎖で連結しても同様な両性物質が形成されるこ
とは言うまでもない。前記の2状態スイッチング化合物
同様、第7図に示される分子は化学結合により、多状態
光学スイッチング特性を有する両性化合物が形成され得
る。化学結合により両性物質を形成する2状態有機電荷
移動塩は次の2条件を満たすものに限定される。
(1) 結合される2種の2状態電荷移動塩は、相異な
る光学場強度の下で基底状態からその他の高準位状態に
スイッチすること、及び、 (2) 多段階レドックス反応により生成されるレドッ
クス分子種が、光学及び分光装置により容易に固定され
得ることである。
尚、2種以上の2状態有機電荷移動塩分子、ないしは、
2種以上の多状態分子化合物を化学的に結合すれば、4
以上の状態に光学的にスイッチする一つの大分子複合体
を生成することもできるが、これもこの発明の技術範囲
に属するものである。
また、第(5)式は可逆反応であり、光学ないしは加熱
装置により熱エネルギーが加えられると、反応は反転
し、両性物質の一部ないしは全部が基底状態に復帰す
る。そしてこのプロセスにより、両性有機電荷移動媒体
上の記憶情報が消去される。
〔非局在化両性分子系により各状態両性電荷移動物質を生成する方法〕
上述の諸概念を利用すれば、TCNQ有機化合物類に関連し
た光誘起電荷移動特性のみならず、両性レドックス特性
をも有する大非局在化分子系を合成、進展させることが
できる。そして、このためには以下の4つが重要な要因
となる。
(1) 合成分子は、光誘起レドックス反応を起こし、
電子対シグマ結合を崩壊することなく、分子間ないしは
分子内で電子を移動すること、 (2) 分子系内の各ラジカルパートナーが独自の熱安
定性を有すること、 (3) 種々のレドックス分子種を生成する光誘起電気
化学反応が可逆的であること、 (4) 各レドックス分子種の同定は、光学ないしはそ
の他の分光技法により容易に行えることなどである。
要するに、ここにいう合成分子は多数の周知両性分子の
有する多状態レドックス特性と、銅又は銀TCNQ型複合体
に見られるスイッチング効果に関連した光学特性とを併
せもつものである。多状態スイッチング効果を奏する強
非局在化ラジカルイオン受容体分子の数列を第8図に示
す。図中の両性分子(15),(16)は、アルケンないし
は芳香族基をインサートしたTCNQラジカルイオン誘導体
である(すなわち、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,
4−ベンゾキノン及びP−クロルアニル)。また、両分
子(17),(18)は2段階ラジカルイオンであり、端末
基が部分的に環状パイシステムを形成する、酸化状態に
おいて芳香族特性を有するものである(すなわち、ペン
タシアノプロペンと、2−ジシアノメチレン−1,1,2,2
−テトラシアノプロパンジアイド)。更に、第8図に
は、拡張パイシステムを形成するテトラシアノアレキノ
ジメタンから成る非局在化分子類の分子(19)、1,3−
四角状酸ジアミド、及び、キノサイクロプロペンを置換
したジシアノメチリデンからなる2種の化合物(21),
(22)が示される。受容体型両性分子以外に、ラジカル
イオン電子受容体と複合した両性供与体分子も光誘起多
状態スイッチング特性を有する。第9図にこの種の両性
供与体分子を数列示す。
図中、化合物(23)はベンゾトリチオフェン、化合物
(24)は窒素原子を橋頭にもつヘテロアレーン、化合物
(25)は4,4′−バイピリジン塩、化合物(26)は4,4′
−バイチオピラン、化合物(27)は1,2−ビス(チオク
サンテン−9−イリデン)エテン、化合物(29)は1,2
−ビス(4H−チオピラン−4−イリデン)であって、×
は電子供与体置換起及び/又は電子受容体置換基であ
る。受容体化合物は銅、鉛、ニッケル、銀等の種々の金
属と複合体を形成する。多状態両性電荷移動分子化合物
は、薄膜ないしは単結晶体として生長形成され、種々の
装置形状に合せて製作される。第(6)式は、両性電荷
移動分子、Cu2[C10N6]から形成された物質の多状態ス
イッチング反応を示すものである。
Cu2[C10N6]物質にE1以上、かつE2未満の光学場強度を
有する光ビームを照射すると、該両性物質は初期ないし
は基底状態(A状態)から第2状態にスイッチする。第
(6)式に示される如く、第2状態においては、▲Cu
▼[C16N62-及び レドックス分子種が存在し、この第2状態の同定は、既
述の光学及び分光装置を用いた前記両分子種の検出によ
り行われる。光学場強度をE2以上のレベルにまで増加す
ると、物質は第2状態から第3状態へ(B状態からC状
態へ)又は基底状態から第3状態へ(A状態からB状態
を経てC状態へ)とスイッチする。第(6)式に示され
る如く、第3状態においては、▲Cu ▼[C
16N62-及び2Cu゜▲[C10N6 ▼レドックス分子種が存在す
る。そしてこの第3状態は、既述の光学及び分光装置を
用い、2Cu゜▲[C10N6 ▼レドックス分子種の存在
を検出することにより同定される。上記例においては▲
Cu ▼[C10N62-分子構造体を示したが、これ以外
にも第8図及び第9図に示した両性分子構造体や類似化
合物を用いれば、光学多状態スイッチング特性を有する
合成分子複合体を形成することができることは言うまで
もない。また同様に、この発明によれば、4以上のスイ
ッチング状態を有する多状態合成分子を製作することも
可能である。更にまた、第(6)式は可逆電子移動反応
であり、光学ないしは加熱装置により熱エネルギーが加
えられると、反応は反転し、両性物質の一部ないしは全
部が初期状態に復帰する。そしてこの復帰プロセスによ
り、合成両性分子により形成されるメモリー媒体が消去
される。
〔多状態両性電荷移動物質の一般的的スイッチング特性〕
本願発明者等は、これまでに多状態両性電荷移動媒体を
製作する3つの方法について説明してきた。一般的に、
光学場強度を増加すると、両性物質は一連の状態を経過
してスイッチする。第10図に、一般化した光学スイッチ
ング特性を図表で示す。第1ないしは基底状態において
は、有機スイッチング媒体は第10図中“B"で示されるレ
ドックス分子種から構成される。光学書き込みビームが
照射されると、媒体上の被照射スポットが高順位状態に
スイッチする(すなわちデータ記憶スポットとなる)。
書き込みビームの光学場強度が、強度しきい値(T1)以
上、かつ、強度しきい値(T2)未満の強度に達すると、
被照射スポットは第2状態にジャンプする。この第2状
態は、第10図中A1で示されるレドックス分子種の出現に
より同定される。この状態において、レドックス分子種
Bは減少した割合で存在し続けるが、レドックス分子種
A2及びA3は実質上存在しない。既述の如く、ラマン分光
器等の光学及び分光装置を使用し、レドックス分子種A1
の存在は同定される。
次いで、光学場強度が、強度しきい値(T2)以上、か
つ、強度しきい値(T3)未満の強度にまで増加される
と、被照射スポット内の物質は第3状態にジャンプす
る。第3状態においては、レドックス分子種B,A1及びA2
が存在し、これらの同定は光学ないしは分光装置を用い
て行われる。同様に、光学場強度が強度しきい値(T3
以上のレベルにまで増加されると、被照射スポット内の
物質は第4状態にジャンプする。この状態においては、
レドックス分子種B,A1,A2及びA3が存在する。このよう
に、特定のデータ記憶スポットに存在するレドックス分
子種を同定することで、該スポットのスイッチング状態
を容易に決定することができる。第11図は上記一般化し
た両性系の真理値表である。この表によれば、ある種の
レドックス分子種の存在が同定することで、データ記憶
スポットの状態を決定することができる。例えば、光学
装置によりレドックス分子種(A3)が検出されると、デ
ータ記憶スポットは第4状態にあることが、一方、レド
ックス分子種(A3)は検出されるが、レドックス分子種
(A3)はほとんど検出されない場合には、データ記憶ス
ポットは第3状態にあることが図より容易に判る。ま
た、レドックス分子種(A2),(A3),(A4)がいずれ
もほとんど検知されないような場合には、データ記憶ス
ポットは第1ないしは基底状態にあることが図より判
る。
こうした両性電荷移動物質に見られるスイッチング現象
は、しきい値スイッチング又はメモリースイッチングの
いずれかである。しきい値スイッチングにあっては、光
ビームが除去されると被照射スポットは基底状態へと急
速に復帰する。一方、メモリースイッチングにあって
は、ビーム除去後も、エネルギーが付加されなければ、
被照射スポットは低準位の熱的安定状態には復帰しな
い。大抵の場合、大気の熱エネルギーだけでは電気化学
反応を逆転させ、低準位の状態(例えば、熱的により安
定な状態)へと復帰させるには不十分である。
メモリー保持時間長は、 (1) 物質の種類、 (2) 光学書き込みビームの直径、 (3) 光学書き込みビームの照射時間及び強度、 そして (4) 両性電荷移動フィルムの厚み にそれぞれ依存する。一般的には、供与体及び受容体分
子種間の結合エネルギーが大きければ大きい程、それだ
けある一状態から他状態へスイッチさせるに要するしき
い値が大きくなると共に、スイッチング作用はメモリー
スイッチングとなる可能性が高まる。同様に、両性電荷
移動物質をある一状態から他状態にスイッチさせるに要
する入射光学エネルギーは、 (1) 結合エネルギー、 (2) 光学書き込みビームの照射サイズ、 (3) 光学書き込みビームの照射期間、及び、 (4) 両性フィルムないしは物質の厚みないしは形状
等の要因に依存する。尚、光学ビームの周波数は、電磁
スペクトルの紫外、可視、及び/又は赤外領域から選択
される。
光学源より発生する熱エネルギーを両性物質の一部に加
えると、該部分は熱的により安定な状態へと戻り、十分
な熱エネルギーが印加されると、基底状態に復帰する。
次に記す発明装置の実施例においては、CO2レーザーを
用いて熱エネルギーを加え、物質を基底状態へと復帰さ
せている。
〔多状態光学スイッチング装置の実施例〕
既述の多状態両性電荷移動物質は、種々の光学スイッチ
ング及び記憶装置において、光学記憶媒体として使用す
ることができる。こうした多状態両性電荷移動物質を光
学記憶媒体として用いる光学記憶装置の概略図を第12図
に示す。図において、両性電荷移動物質(29)が支持基
体(31)ないしは該基体(31)上に付着されている。該
両性物質(29)は、既述の方法で供与性金属基体(31)
上に生長形成、ないしは、スパッタリング等の方法によ
り基体(31)上に析出形成されたものである。前記両性
物質膜(29)上面には、光透過性保護コーティング(3
3)が設けられている。光書き込みビーム(35)は、両
性物質(29)の上面の特定スポット(すなわち、データ
記憶スポット)にその焦点が整合される。光書き込みビ
ームの発生装置としては、高強度光源ないしはアルゴン
又はCO2レーザー等のレーザー源が使用され、該ビーム
の整合焦点により、フィルム上面のデータ記憶スポット
領域内に光学場が生成される。前記光学書き込みビーム
は数種の離散強度レベルを有し、各強度レベルに応じて
データ記憶スポットがある特定状態にスイッチさせられ
る。したがって、ビーム強度によりデータ記憶スポット
は各状態にスイッチする。例えば、使用光学媒体が3状
態電荷移動物質である場合、光学ビーム強度が第1しき
い値(T1)に達すると、データ記憶スポットは基底状態
から第2状態にスイッチし、強度(T2)では第2状態か
ら第3状態にスイッチし、強度(T3)ではデータ記憶ス
ポットは第4状態にスイッチする。前述の如く、上記状
態変化を惹起するに要する光学強度は使用両性物質の種
類、膜厚及び形状、更には、光書き込みビームのビーム
径や強度に依存する。
メモリー装置にあっては、光学書き込みビーム(35)の
照射経路を周知の光学ないしは電気制御装置によって両
性電荷移動物質(29)上面の他のデータ記憶スポット位
置上に指向させ、その被照射スポット位置を基底状態か
らいずれか一つの高準位状態へとスイッチさせる。特定
のデータ記憶スポット位置におけるビーム強度を制御す
れば、光記憶媒体中の該スポット位置に多ビットのデー
タを記憶させることができる。例えば、3段階電子移動
反応を起こす両性有機電荷移動物質に光書き込みビーム
を照射すれば、該ビームの光学場強度に応じて、光記憶
媒体は基底状態から他の3状態のうちのいずれかの状態
へとスイッチする。したがって、書き込みビームを用い
て、各データ記憶スポットに3ビットのデータコードを
記憶させることが可能となる。もしこのメモリー装置を
バイナリーコンピュータと共に使用すれば、第1ないし
は基底状態では“01"で、第2状態は“10"で、また第3
状態では“11"で表示され得る。また選択的に、該メモ
リー装置をベーススリーコンピュータと共に用いること
も可能である。記憶媒体上に記憶されたデータは、分光
装置を用いた該媒体上のデータ記憶スポットの特定スイ
ッチ状態観測により決定される。第13図に分光装置の概
略図を示す。図中、(37)及び(39)は、膜表面上の多
数スポットからピックアップされた2つのデータ記憶ス
ポット位置である。前記スポット(37)には光源(41)
からの読み取り光学ビームが照射される。この読み取り
光学ビームの強度は第1強度しきい値よりもずって低い
レベルであるため、被照射スポット(37)の状態変化は
起こらない。尚、ラマン分光分析用の光源(41)は単色
光源でもよく、レーザー源の使用が望ましい。膜表面上
のスポット(37)での反射光(43)は光学バンドパスフ
ィルター(45)により集光、そしてフィルターされた
後、光学装置(47)に導かれ、各所望バンドのスペクト
ル強度が測定される。該光学装置(47)では特定のスペ
クトルバンド(ラマンバンド)のマグニチュードが観測
され、特定レドックス分子種の同定が行われる。尚、特
定スペクトルバンドのマグニチュード測定用の装置とし
ては、フィルターと検出器を複数個組み合わせたものを
使用してもよいし、伝統的なラマン分光装置を利用して
もよい。各選択バンドのスペクトル強度のマグニチュー
ドに基づき、周知の論理検出回路(48)は、一組のレド
ックス分子種の存在を確定した後、データ記憶スポット
のスイッチ状態を限定する。読み取り光学ビームの照射
経路を、周知の光学装置により、両性有機電荷移動物質
(29)上面の各データ記憶スポット(例えば、(37)及
び(39))上に指向させるようにすれば、各データ記憶
スポットの状態を決定することができる。すなわち、3
状態を有する両性電荷移動物質であれば、分光装置によ
る特定データ記憶スポットの状態測定により、該スポッ
トに記憶された3ビットのワードを読み出すことができ
る。
第14図は、電気化学電荷移動反応を反転させ、両性有機
電荷移動物質(29)上面の少なくとも一つのデート記憶
スポット位置を基底状態に復帰させる熱的消去手段を示
す概略図である。第14図には熱的消去手段の2態様が示
されている。その一つは、スポット位置(37)に焦点整
合される光学ビーム(49)による熱放射を利用するもの
で、この熱放射により加熱されたスポット区域は基底状
態に復帰する。第1しきい値未満の強度を有するCO2
ーザーをスポット位置(37)上に照射すると、一定期間
経過後、生成熱エネルギーにより該スポット位置(37)
は基底状態、ないしは熱力学的により安定な状態に復帰
する。周知の光学装置を用いて光学加熱ビーム(49)の
照射方向を制御するように構成すれば、両性有機電荷移
動物質(29)上面の各スポットに記憶されたデータを逐
次消去することができるようになる。もう一つの手段
は、基体(31)下方に設けた電気加熱素子(51)による
熱伝導を利用するもので、該素子(51)によりフィルム
状両性電荷移動物質(29)の一部分に熱エネルギーが加
えられると、該部分に記憶されていたデータが消去され
る。
更に、レーザー源から放射されるレーザービームの照射
時間及び強度を変更使用すれば、単一レーザー源からの
レーザービームをそれぞれ光書き込みビーム(35)、光
読み取りビーム(41)及び光加熱ビーム(49)として使
用することができる。尚、上記以外の他の周知手段ない
しは装置を用いても、所望の光学書き込み、読み取り及
び消去各ビームを生成すると共に、これら各ビームを両
性有機電荷移動物質上面の特定スポット位置上に選択的
に指向させるようにすることができる。これらもこの発
明の技術的範囲に含まれるものである。
以上の説明からして、この発明を多くの変更態様とする
ことができることは明らかである。ゆえに、以上に詳述
したところからしてではなく、この発明の特許請求の範
囲内で、この発明を実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1a図は中性TCNQのスペクトルバンドを示す図、第1b図
は第1状態下にあるCu TCNQのスペクトルバンドを示す
図、第1c図は第2状態下にあるCu TCNQのスペクトルバ
ンドを示す図、第2図はCu[TCNQ(i−Pr)]の3状
態をそれぞれ示すラマン分光側光定量プロット、第2a図
は基底状態の光学特性を示す図、第2b図は第2状態の光
学特性を示す図、第2c図は第3状態の光学特性を示す
図、第3図は受容体モエティーの還元ポテンシャルと光
学場強度スイッチングしきい値間の関係を示すテーブ
ル、第4図は混合により多状態物質を生成する2状態物
質を使って観察された視感色彩変化の概略テーブル、第
5図は中性状態下にあるTCNQ[(OMe)(O−i−−P
r)]のけい光を示すグラフ図、第6図はこの発明によ
る多状態スイッチング物質生成に使用されるラジカルイ
オン受容体分子の分子図、第7図は多状態光学スイッチ
ング特性を有する2分子化学結合分子の数列を示す分子
図、第8図はこの発明により教示される多状態スイッチ
ング特性を有する高非局在化ラジカルイオン受容体分子
の数例を示す分子図、第9図はこの発明により教示され
る多状態スイッチング特性を有する高非局在化ラジカル
イオン供与体分子の数例を示す分子図、第10図はこの発
明により教示される多状態両性電荷移動物質の一般化光
学スイッチング特性を表すグラフ図、第11図は一般化光
学スイッチング特性を表す真理値表、第12図は多状態両
性電荷移動物質を用いた光学記憶装置の概略図、第13図
は各データ記憶スポットの状態を評価するのに使用され
る光学装置の概略図、第14図は熱的消去手段ないしは装
置の概略図である。 10,12,14……ラマンバンド、29……両性電荷移動物質、
35……光書き込みビーム、37,39……データ記憶スポッ
ト、41……光読み取りビーム、47……光学装置、48……
論理検出回路、49……光加熱ビーム、51……電気加熱素
子。

Claims (74)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多状態光応答有機電荷移動膜上の特定スポ
    ットに光書き込みビームを指向させ、該特定スポットに
    複数の設定光学場強度レベルのうちの一設定強度レベル
    を有する前記光書き込みビームを照射し、前記特定スポ
    ットを複数状態のうちのあるひとつの特定状態にスイッ
    チさせる光情報記憶方法。
  2. 【請求項2】さらに多状態光応答有機電荷移動膜上の特
    定データ記憶スポットに、該膜の最低スイッチングしき
    い値以下の強度を有する光読み取りビームを照射し、前
    記特定データ記憶スポットでの反射光を集光して該反射
    光の予設定スペクトルバンドにおけるスペクトル強度を
    測定し、該予設定スペクトルバンドにおけるスペクトル
    強度パターンに基づき前記特定データ記憶スポットの状
    態を指定する特許請求の範囲第1項記載の光情報記憶方
    法。
  3. 【請求項3】予設定スペクトルバンドがラマンバンドで
    ある特許請求の範囲第2項記載の光情報記憶方法。
  4. 【請求項4】さらに多状態光応答有機電荷移動膜の一部
    分に熱エネルギーを加え、該部分を熱力学的により安定
    な状態へ復帰させる特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の光情報記憶方法。
  5. 【請求項5】熱エネルギーが光ビームにより供給される
    特許請求の範囲第4項記載の光情報記憶方法。
  6. 【請求項6】熱エネルギーが電気加熱素子により供給さ
    れる特許請求の範囲第4項記載の光情報記憶方法。
  7. 【請求項7】電気供与体モエティーと有機電子受容体モ
    エティーとの複合体を含有する少なくとも2種の有機化
    合物から構成される多状態光応答有機電荷移動媒体から
    成る光応答装置であって、前記少なくとも2種の有機化
    合物が互いに異なるレドックスポテンシャルを有し、各
    有機化合物に特有の光学場強度を形成する光帯域電磁エ
    ネルギーが加えられると前記有機化合物はそれぞれ第1
    酸化状態から第2酸化状態にスイッチすると共に、各有
    機化合物の酸化状態が同定可能な相異なる光学スペクト
    ルを有することを特徴とする光応答装置。
  8. 【請求項8】前記少なくとも2種の有機化合物のうちの
    特定の一有機化合物が、 テトラシアノキノジメタン(TCNQ), テトラシアノナフトキノジメタン(TNAP), テトラシアノエチレン(TCNE), 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(D
    DQ), ヘキサシアノブタレン(HCBD), 11,11,12,12−テトラシアノ−1,4−ナフトキノジメタン
    (ベンゾTCNQ), 2,5−ビス(ジシアノメタレン)−2,5−ジヒドロチオフ
    ェン, 2,5−ビス(ジシアノメチレン)−2,5−セレノフェン,
    チオフェン−(T)−TCNQ, (セレノフェン(Se)−TCNQ), テトラシアノ−キノキナゾリノキナゾリン(TCQQ), ヘキサシアノトリメチレン サイクロプロパン(HMCTMC
    P), 2,4−ビス(ジシアノメチレン)−1,3−ジチエタン(BD
    DT),及び 化学記号法 TCNQ(OMe) TCNQ IMe TCNQ(OMe) TCNQ I TCNQ(OMe)(OEt) TCNQ(OMe)(OCH3 TCNQ(OMEe)(O−i−Pr) TCNQ(CN) TCNQ(OMe)(O−i−Bu) TCNQ(Me) TCNQ(OMe)(O−i−C2H5) TCNQ(Et) TCNQ(OEt)(SMe) TCNQ(i−Pr) TCNQ Cl TCNQ(i−Pr) TCNQ Br TCNQ ClMe TCNQ Br Me で示されるTCNQ誘導体のいずれかより成る部類中から選
    択された有機電子受容体モエティーを更に含むものであ
    る特許請求の範囲第7項記載の光応答装置。
  9. 【請求項9】前記少なくとも2種の有機化合物のうちの
    特定の一有機化合物が、化学記号法 TCNQ(OMe) TCNQ(OMe) TCNQ(OMe)(OEt) TCNQ Cl TCNQ Br TCNQ ClMe TCNQ Br Me TCNQ IMe TCNQ I TCNQ(CN) TCNQ(Me) TCNQ(Et) TCNQ(i−Pr) で示される物質より成る部類中から選択された電子受容
    体モエティーを更に含むものである特許請求の範囲第7
    項記載の光応答装置。
  10. 【請求項10】前記少なくとも2種の有機化合物のうち
    の特定の一有機化合物が、 銅、銀、鉛、ニッケル、リチウム、ナトリウム、カリウ
    ム、バリウム、クロム、モリブデン、タングステン、コ
    バルト、鉄、アンチモニー、セシウム、マグネシウムか
    ら成る部類中から選択された、電子受容体と複合して有
    機塩を形成する化学特性を有する電子供与体モエティー
    を更に含む特許請求の範囲第7項記載の光応答装置。
  11. 【請求項11】前記少なくとも2種の有機化合物のうち
    の特定の一有機化合物が、 テトラチオエチレン、ジチオジアミノエチレン、ジチオ
    ゼセレノエチレン、テトラアミノエチレン、アゼン、芳
    香族炭化水素、芳香族複素環式化合物より成る部類中か
    ら選択された、電子受容体モエティーと複合して有機塩
    を形成するような化学特性を有する電子供与体モエティ
    ーを更に含む特許請求の範囲第7項記載の光応答装置。
  12. 【請求項12】前記少なくとも2種の有機化合物のうち
    の特定の一有機化合物が、銀、銅より成る部類中から選
    択された電子供与体モエティーを更に含む特許請求の範
    囲第7項記載の光応答装置。
  13. 【請求項13】前記少なくとも2種の有機化合物のうち
    の特定の一有機化合物が、少なくとも一つのシアノメチ
    レン官能基を結合すると共に、電子供与体モエティーと
    複合して有機塩を形成する化学特性を有する電子供与体
    モエティーを更に含む特許請求の範囲第7項記載の光応
    答装置。
  14. 【請求項14】前記少なくとも2種の有機化合物のうち
    の特定の一有機化合物が、少なくとも一つのキノレン単
    位を結合すると共に、電子供与体モエティーと複合して
    有機塩を形成するような化学特性を有する電子受容体モ
    エティーを更に含む特許請求の範囲第7項記載の光応答
    装置。
  15. 【請求項15】有機電荷移動媒体上の一部エリアへの照
    射により、被照射エリア内にある少なくとも一つの有機
    化合物に電気化学トポタクティックレドックス反応を惹
    起こし、第1状態から第2状態にスイッチさせる、光帯
    域電磁エネルギー源を更に具備する特許請求の範囲第7
    項記載の光応答装置。
  16. 【請求項16】光帯域電磁エネルギー源の光学場強度
    を、各有機化合物の有機電子受容体モエティーを第1酸
    化状態から第2酸化状態へスイッチさせるに要する複数
    のレベル間に変更する装置を更に具備する特許請求の範
    囲第15項記載の光応答装置。
  17. 【請求項17】前記少なくとも2種の有機化合物のそれ
    ぞれの酸化状態を決定すべく、有機電荷移動媒体上の一
    部分上に焦点整合される分光装置を更に具備する特許請
    求の範囲第7項記載の光応答装置。
  18. 【請求項18】有機電荷移動媒体上の一区域に逆転反応
    を惹起こし、2種の有機化合物のうち少なくとも一つの
    有機化合物を第2酸化状態から第1酸化状態に復帰させ
    る、熱エネルギー源を更に具備する特許請求の範囲第15
    項記載の光応答装置。
  19. 【請求項19】各有機化合物が、第1酸化状態下におい
    てはラジカルイオン状態の有機電子受容体モエティーを
    含み、第2酸化状態下においてはラジカルイオン及び中
    性両状態の有機電子受容体モエティーを含む特許請求の
    範囲第7項記載の光応答装置。
  20. 【請求項20】各有機化合物中にラジカルイオン及び中
    性電子受容体モエティーが存在するかどうかを決定する
    分光装置を更に具備する特許請求の範囲第19項記載の光
    応答装置。
  21. 【請求項21】各有機化合物の電子受容体モエティーが
    化学的に結合し、単一非局在化分子を形成する特許請求
    の範囲第7項記載の光応答装置。
  22. 【請求項22】各有機化合物の酸化状態変化により、電
    荷移動媒体の被照射エリアの電気的インピーダンスが可
    同定性変化を惹起こされる特許請求の範囲第7項記載の
    光応答装置。
  23. 【請求項23】各有機化合物の特定の酸化状態が、電荷
    移動媒体の一部分に存在する一組の酸化分子種の分光装
    置による同定に用いられる、独自のラマン吸収スペクト
    ルを有する特許請求の範囲第17項記載の光応答装置。
  24. 【請求項24】分光装置により同定される一組の特定酸
    化分子種により、電荷移動媒体の一部分の状態が限定さ
    れる特許請求の範囲第23項記載の光応答装置。
  25. 【請求項25】光帯域電磁エネルギー源を、電荷移動媒
    体上の複数のデータ記憶スポットのうちの1スポットに
    選択的に指向させる装置と、前記光帯域電磁エネルギー
    源の光学場強度を、各データ記憶スポットを特有の組合
    せの酸化分子種の存在により同定される各状態にスイッ
    チさせるに要する複数のレベル間に変更する装置と、を
    更に設けた特許請求の範囲第24項記載の光応答装置。
  26. 【請求項26】データ記憶スポットに存在する一組の酸
    化分子種を同定し、前記スポットの状態を決定し、その
    結果スポットに記憶されているデータを同定する分光装
    置を、複数のデータ記憶スポットのうちの1スポットに
    指向させる装置を更に具備する特許請求の範囲第25項記
    載の光応答装置。
  27. 【請求項27】分光装置が、さらに各データ記憶スポッ
    トに照射される光学読み取りビームと、該ビームの前記
    データ記憶スポットでの反射光を集光し、予設定複数ス
    ペクトルバンドにおけるクペクトル強度を測定する光学
    装置とを具備する特許請求の範囲第26項記載の光応答装
    置。
  28. 【請求項28】光学装置により予設定複数ラマンバンド
    におけるスペクトル強度を測定する特許請求の範囲第27
    項記載の光応答装置。
  29. 【請求項29】分光装置により各データ記憶スポットか
    らのけい光放射を検出する特許請求の範囲第26項記載の
    光応答装置。
  30. 【請求項30】分光装置が、さらに予設定スペクトルバ
    ンドにおけるスペクトル強度パターンに基づき、各デー
    タ記憶スポットのスイッチ後の状態を決定する検出回路
    装置を具備する特許請求の範囲第27項記載の光応答装
    置。
  31. 【請求項31】光帯域電磁エネルギー源と光学読み取り
    ビームが、複数の強度レベルに調節できる単一照射ビー
    ムである特許請求の範囲第27項記載の光応答装置。
  32. 【請求項32】少なくとも一つの有機化合物から構成さ
    れる多状態光応答有機電荷移動媒体から成る光応答装置
    であって、前記有機化合物が電子受容体モエティーと複
    合した電子供与体モエティーを含有すると共に、該有機
    電子受容体モエティーが、それぞれに特有の光学場強度
    値の光帯域電磁エネルギーを加えることによりその酸化
    状態を独立的に変更する、相異なる両性レドックス特性
    を有する少なくとも2つの領域を有し、更には、該少な
    くとも2領域の各領域の酸化状態は同定可能な独自の光
    学スペクトルを有する光応答装置。
  33. 【請求項33】有機化合物が有機非局在化分子を含有す
    ると共に、有機電子受容体モエティーが、光帯域電磁エ
    ネルギーを加えることにより独立的に酸化状態を変更す
    る少なくとも2つの孤立領域を有する特許請求の範囲第
    32項記載の光応答装置。
  34. 【請求項34】有機電子受容体モエティーが、共有結合
    により連結された、独自のレドックスポテンシャルを有
    する少なくとも2つの個々の構成電子受容体モエティー
    から成る特許請求の範囲第32項記載の光応答装置。
  35. 【請求項35】各構成電子受容体モエティーが、 テトラシアノキソジメタン(TCNQ), テトラシアノナフトキノジメタン(TNAP), テトラシアノエチレン(TCNE), 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(D
    DQ), ヘキサシアノブタレン(HCBD), 11,11,12,12−テトラシアノ−1,4−ナフトキノジメタン
    (ベンゾTCNQ), 2,5−ビス(ジシアノメチレン)−2,5−ジハイドロチオ
    フェン, 2,5−ビス(ジシアノメチレン)−2,5−セレノフェン,
    チオフェン−(T)−TCNQ, (セレノフェン(Se)−TCNQ), テトラシアノ−キノキナゾリノキナゾリン(TCQQ), ヘキサシアノトリエチレン サイクロプロパン(HMCTMC
    P), 2,4−ビス(ジシアノメチレン)−1,3−ジチエタン(BD
    DT),及び、 化学記号法 TCNQ(OMe) TCNQ IMe TCNQ(OMe) TCNQ I TCNQ(OMe)(OEt) TCNQ(OMe)(OCH3
    TCNQ(OMEe)(O−i−Pr) TCNQ(CN) TCNQ(OMe)(O−i−Bu) TCNQ(Me) TCNQ(OMe)(O−i−C2H5) TCNQ(Et) TCNQ(OEt)(SMe) TCNQ(i−Pr) TCNQ Cl TCNQ(i−Pr) TCNQ Br TCNQ ClMe TCNQ Br Me で示されるTCNQ誘導体のいずれかより成る部類中から選
    択された物質である特許請求の範囲第34項記載の光応答
    装置。
  36. 【請求項36】各構成電子受容体モエティーが、 TCNQ(OMe) TCNQ(OMe) TCNQ(OMe)(OEt) TCNQ Cl TCNQ Br TCNQ ClMe TCNQ Br Me TCNQ IMe TCNQ I TCNQ(CN) TCNQ(Me) TCNQ(Et) TCNQ(i−Pr) より成る部類中から選択された物質である特許請求の範
    囲第34項記載の光応答装置。
  37. 【請求項37】電子供与体モエティーが、 銅、銀、鉛、ニッケル、リチウム、ナトリウム、カリウ
    ム、バリウム、クロム、モリブデン、タングステン、コ
    バルト、鉄、アンチモニー、セシウム、マグネシウムよ
    り成る部類中から選択された、有機電子受容体と複合し
    て有機塩を形成する化学特性を有する物質である特許請
    求の範囲第34項記載の光応答装置。
  38. 【請求項38】電子供与体モエティーが、銀、銅より成
    る部類中から選択された金属である特許請求の範囲第34
    項記載の光応答装置。
  39. 【請求項39】構成電子受容体モエティーが、少なくと
    も一つのシアノメチレン官能基を結合すると共に、電子
    供与体モエティーと複合して有機塩を形成する化学特性
    を有する有機物質である特許請求の範囲第34項記載の光
    応答装置。
  40. 【請求項40】構成電子受容体モエティーが、少なくと
    も一つのキノレン単位を結合すると共に、電子供与体モ
    エティーと複合し有機塩を形成する化学特性を有する有
    機物質である特許請求の範囲第34項記載の光応答装置。
  41. 【請求項41】有機電子受容体モエティーが、アルケン
    基をインサートしたTCNEラジカル誘導体である特許請求
    の範囲第32項記載の光応答装置。
  42. 【請求項42】有機電子受容体モエティーが、芳香基族
    をインサートしたTCNEラジカル誘導体である特許請求の
    範囲第32項記載の光応答装置。
  43. 【請求項43】有機電子受容体モエティーが、2,3−ジ
    クロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンである特許
    請求の範囲第32項記載の光応答装置。
  44. 【請求項44】有機電子受容体モエティーが、P−クロ
    ルアニルである特許請求の範囲第32項記載の光応答装
    置。
  45. 【請求項45】有機電子受容体モエティーが、端末基が
    部分的に環状パイプ系を形成する、酸化状態において芳
    香族特性を有する2段階ラジカルイオンである特許請求
    の範囲第32項記載の光応答装置。
  46. 【請求項46】有機電子受容体モエティーが、ペンタシ
    アノプロペンである特許請求の範囲第32項記載の光応答
    装置。
  47. 【請求項47】有機電子受容体モエティーが、メチリン
    −1,1,2,2,テトラシアノプロパンジアイドである特許請
    求の範囲第32項記載の光応答装置。
  48. 【請求項48】有機電子受容体モエティーが、拡張パイ
    系を有するテトラシアノアレノキノジメタンから成る特
    許請求の範囲第32項記載の光応答装置。
  49. 【請求項49】有機電子受容体モエテイーが、1,3スク
    ウェアリック酸ジアミドである特許請求の範囲第32項記
    載の光応答装置。
  50. 【請求項50】有機電子受容体モエテイーが、キノサイ
    クロプロペンを置換したジシアノメチリデンから成る特
    許請求の範囲第32項記載の光応答装置。
  51. 【請求項51】有機電荷移動媒体上の一部エリアへの照
    射により、被放射エリア内にある電子受容体モエティー
    の少なくとも一領域に、電気化学トポタクティックレド
    ックス反応を惹起こしその酸化状態を変化させる、光帯
    域電磁エネルギー源を更に具備する特許請求の範囲第32
    項記載の光応答装置。
  52. 【請求項52】光帯域電磁エネルギー源の光学場強度
    を、電子受容体モエティーの各領域を第1酸化状態から
    第2酸化状態へスイッチさせるに要する複数のレベル間
    に変更する装置を更に具備する特許請求の範囲第42項記
    載の光応答装置。
  53. 【請求項53】電子受容体モエティーの各領域の酸化状
    態を決定すべく、有機電荷移動媒体の一部分上に焦点整
    合される分光装置を更に具備する特許請求の範囲第32項
    記載の光応答装置。
  54. 【請求項54】有機電荷移動媒体の一区域に逆転反応を
    惹起こし、電子受容体モエティーの少なくとも一領域を
    第2酸化状態から第1酸化状態に復帰させる、熱エネル
    ギー源を更に具備する特許請求の範囲第51項記載の光応
    答装置。
  55. 【請求項55】電子受容体モエティーの各領域の酸化状
    態変化により、電荷移動媒体の被照射エリアの電気ポテ
    ンシャルが可同定性変化を惹起こされる特許請求の範囲
    第32項記載の光応答装置。
  56. 【請求項56】電子受容体モエティーの各特定領域の酸
    化状態が、電荷移動媒体の一部分に存在する一組の酸化
    分子種の分光装置による同定に用いられる、独自のラマ
    ン吸収スペクトルを有する特許請求の範囲第53項記載の
    光応答装置。
  57. 【請求項57】分光装置により固定される一組の特定酸
    化分子種により、電荷移動媒体の一部分の状態が限定さ
    れる特許請求の範囲第56項記載の光応答装置。
  58. 【請求項58】光帯域電磁エネルギー源を、電荷移動媒
    体上の複数のデータ記憶スポッのうちの1スポットに選
    択的に指向させる装置と、前記光帯域電磁エネルギー源
    の光学場強度を、各データ記憶スポットを特有の組合せ
    の酸化分子種の存在により同定される各状態にスイッチ
    させるに要する複数のレベル間に変更する装置と、を更
    に設けた特許請求の範囲第57項記載の光応装置。
  59. 【請求項59】データ記憶スポットに存在する一組の酸
    化分子種を同定し、前記スポットの状態を決定し、その
    結果スポットに記憶されているデータを同定する分光装
    置を、複数のデータ記憶スポットのうちの1スポットに
    指向させる装置を更に具備する特許請求の範囲第58項記
    載の光応答装置。
  60. 【請求項60】分光装置が、さらに各データ記憶スポッ
    トに照射される光学読み取りビームと、該ビームの前記
    データ記憶スポットでの反射光を集光し、予設定複数ス
    ペクバンドにおけるスペクトル強度を測定する光学装置
    とを具備する特許請求の範囲第59項記載の光応答装置。
  61. 【請求項61】光学装置により予設定複数ラマンバンド
    におけるスペクトル強度を測定する特許請求の範囲第60
    項記載の光応答装置。
  62. 【請求項62】分光装置により各データ記憶スポットか
    らのけい光放射を検出する特許請求の範囲第59項記載の
    光応答装置。
  63. 【請求項63】分光装置が、さらに予設定スペクトルバ
    ンドにおけるスペクトル強度パターンに基づき、各デー
    タ記憶スポットのスイッチ後の状態を決定する検出回路
    装置を具備する特許請求の範囲第60項記載の光応答装
    置。
  64. 【請求項64】光帯域電磁エネルギー源と光学読み取り
    ビームが、複数の強度レベルに調節できる単一照射ビー
    ムである特許請求の範囲第60項記載の光応答装置。
  65. 【請求項65】少なくとも一つの有機化合物から構成さ
    れる多状態光応答性有機電荷移動媒体より成る光応答装
    置であって、前記有機化合物が電子受容体モエティーと
    複合した有機電子供与体モエティーを含有すると共に、
    該有機電子供与体モエティーが、それぞれに特有の光学
    場強度値の光帯域電磁エネルギーの印加によりその酸化
    状態を独立的に変更する、相異なる両性レドックス特性
    を有する少なくとも2つの領域を有し、更には、該少な
    くとも2領域の各領域の酸化状態が同定可能な独自の光
    学スペクトルを有することを特徴とする光応答装置。
  66. 【請求項66】有機電子供与体モエティーが、共有結合
    により連結された、独自のレドックスポテンシャルをす
    る少なくとも2つの個々の構成電子供与体モエティーか
    ら成る特許請求の範囲第65項記載の光応答装置。
  67. 【請求項67】電子供与体モエテイーが、 テトラチオエチレン、ジチオジアミノエチレン、ジチオ
    ジセレノエチレン、テトラアミノエチレン、アゼン、芳
    香族炭化水素、芳香族複素環式化合物より成る部類中か
    ら選択された、電子受容体モエティーと複合し有機塩を
    形成する化学特性を有する有機物質である特許請求の範
    囲第66項記載の光応答装置。
  68. 【請求項68】電子供与体モエティーが、少なくとも一
    環が少なくとも一つの非共有電子対を有するヘテロ原子
    を含む、少なくとも一つの共役領域を有する多環式化合
    物である特許請求の範囲第65項記載の光応答装置。
  69. 【請求項69】電子供与体モエティーがベンゾトリチオ
    フェンである特許請求の範囲第65項記載の光応答装置。
  70. 【請求項70】電子供与体モエティーが、非短縮ニトロ
    ゲン原子を有するヘテロアレンである特許請求の範囲第
    65項記載の光応答装置。
  71. 【請求項71】電子供与体モエティーが 4,4′−ビピリジウム塩である特許請求の範囲第65項記
    載の光応答装置。
  72. 【請求項72】電子供与体モエティーが 4,4′−ビチオラピンである特許請求の範囲第65項記載
    の光応答装置。
  73. 【請求項73】電子供与体モエティーが 1,2−ビス(チオクサンテン−9−イリデン)エテンで
    ある特許請求の範囲第65項記載の光応答装置。
  74. 【請求項74】電子供与体モエティーが構造式 (式中、Xは電子供与体及び/又は電子受容体置換基)
    により表示される化合物である特許請求の範囲第65項記
    載の光応答装置。
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