JPH071009A - 管の冷間圧延方法 - Google Patents
管の冷間圧延方法Info
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- JPH071009A JPH071009A JP17114793A JP17114793A JPH071009A JP H071009 A JPH071009 A JP H071009A JP 17114793 A JP17114793 A JP 17114793A JP 17114793 A JP17114793 A JP 17114793A JP H071009 A JPH071009 A JP H071009A
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- roll
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 得られる管の寸法精度や表面性状が抽伸法に
も匹敵し、しかも小径管の処理であっても高能率,高歩
留りで行うことができる“管の冷間圧延手段”を確立す
る。 【構成】 図2で示すような“4個の孔型ロ−ル11をパ
スラインX回りに相対向させて配設した圧延機”を相隣
接するスタンド12,12間で45°ずつ孔型ロ−ルの位相
を変えタンデムに配置して成る連続圧延機群のパスライ
ンXに、ライン上流側の一端が芯金支持台14等で把持さ
れた芯金13を配し、該芯金13と孔型ロ−ル11間で素材管
材4を圧延して順次管の外径を絞ると共に肉厚を減じる
ことによって、冷間にて高能率,高歩留りで品質の優れ
た管を製造する。
も匹敵し、しかも小径管の処理であっても高能率,高歩
留りで行うことができる“管の冷間圧延手段”を確立す
る。 【構成】 図2で示すような“4個の孔型ロ−ル11をパ
スラインX回りに相対向させて配設した圧延機”を相隣
接するスタンド12,12間で45°ずつ孔型ロ−ルの位相
を変えタンデムに配置して成る連続圧延機群のパスライ
ンXに、ライン上流側の一端が芯金支持台14等で把持さ
れた芯金13を配し、該芯金13と孔型ロ−ル11間で素材管
材4を圧延して順次管の外径を絞ると共に肉厚を減じる
ことによって、冷間にて高能率,高歩留りで品質の優れ
た管を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、小径管の製造にも好
適な“管の冷間圧延方法”に関するものである。
適な“管の冷間圧延方法”に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、継目無金属管の製造手段
として幾つかの方法が知られていたが、例えば継目無鋼
管の場合には一般的に次の方法が採用されている。即
ち、まず熱間で2ロ−ル傾斜穿孔機(所謂“マンネスマ
ンピアサ”)によりビレットを穿孔し、引き続いてこれ
に芯金を挿入した状態でマンドレルミルにより肉厚を減
じた後、再加熱してストレッチレデュ−サで外径を絞っ
て仕上げる方法である。
として幾つかの方法が知られていたが、例えば継目無鋼
管の場合には一般的に次の方法が採用されている。即
ち、まず熱間で2ロ−ル傾斜穿孔機(所謂“マンネスマ
ンピアサ”)によりビレットを穿孔し、引き続いてこれ
に芯金を挿入した状態でマンドレルミルにより肉厚を減
じた後、再加熱してストレッチレデュ−サで外径を絞っ
て仕上げる方法である。
【0003】ところで、上記方法において、“肉厚を減
ずる工程”で用いられるマンドレルミルは、図10で示す
如く、一般には“半円形状の孔型を有する一対の孔型ロ
−ル1,1 をパスライン回りに対向させた状態で配置した
圧延スタンド”2をパスライン方向に交互に90°ずつ
位相をずらせて複数台タンデムに設置した連続圧延機の
形態をしており、このマンドレルミルにおいては、マン
ドレル(芯金)3を挿通した被圧延管材4(以降 "管
材" と記す)を熱間で圧延して外径を絞ると同時に肉厚
も減ずる加工が行われる。
ずる工程”で用いられるマンドレルミルは、図10で示す
如く、一般には“半円形状の孔型を有する一対の孔型ロ
−ル1,1 をパスライン回りに対向させた状態で配置した
圧延スタンド”2をパスライン方向に交互に90°ずつ
位相をずらせて複数台タンデムに設置した連続圧延機の
形態をしており、このマンドレルミルにおいては、マン
ドレル(芯金)3を挿通した被圧延管材4(以降 "管
材" と記す)を熱間で圧延して外径を絞ると同時に肉厚
も減ずる加工が行われる。
【0004】しかし、マンドレルミルは圧延スタンドが
2ロ−ルなので肉厚圧下により材料が周方向へ流れやす
く、そのため相対するロ−ルとの対接部(ロ−ル隙間
部)から材料がはみ出す現象(噛み出し)を起こしがち
である。従って、このロ−ル隙間部での噛み出しを防ぐ
ため、ロ−ル孔型は、図11で示したようにロ−ル隙間部
で半径方向に大きな“逃がし”が与えられた楕円形状を
しているのが一般的である。ただ、その逃がし量は「長
径/短径比」で1.3 程度にもなり、それ故に圧延されて
いく途中の管材の断面形状も楕円形になっている。
2ロ−ルなので肉厚圧下により材料が周方向へ流れやす
く、そのため相対するロ−ルとの対接部(ロ−ル隙間
部)から材料がはみ出す現象(噛み出し)を起こしがち
である。従って、このロ−ル隙間部での噛み出しを防ぐ
ため、ロ−ル孔型は、図11で示したようにロ−ル隙間部
で半径方向に大きな“逃がし”が与えられた楕円形状を
しているのが一般的である。ただ、その逃がし量は「長
径/短径比」で1.3 程度にもなり、それ故に圧延されて
いく途中の管材の断面形状も楕円形になっている。
【0005】そして、先に述べたように、次スタンドで
は90°位相を変えてロ−ルが配置されており、これに
より次スタンドでの管材の圧下を長径方向から行って、
相直交する方向から繰り返しで肉厚圧下を加えている。
は90°位相を変えてロ−ルが配置されており、これに
より次スタンドでの管材の圧下を長径方向から行って、
相直交する方向から繰り返しで肉厚圧下を加えている。
【0006】しかしながら、このように90°位相を変
えた圧下が繰り返される上記圧延では、圧延される管材
は周方向に繰り返し曲げを受けることになり、素材の変
形能が高い熱間加工の場合は格別に問題とはされないも
のの、加工温度が低くなって変形能が低下してくると管
材は内面より割れを生じて圧延が不可能になってしま
う。更に、孔型の形状が基本的に楕円形状であるため、
90°位相を変えた圧延がなされても管材は寸法精度が
低いものとなるのは如何ともし難い。
えた圧下が繰り返される上記圧延では、圧延される管材
は周方向に繰り返し曲げを受けることになり、素材の変
形能が高い熱間加工の場合は格別に問題とはされないも
のの、加工温度が低くなって変形能が低下してくると管
材は内面より割れを生じて圧延が不可能になってしま
う。更に、孔型の形状が基本的に楕円形状であるため、
90°位相を変えた圧延がなされても管材は寸法精度が
低いものとなるのは如何ともし難い。
【0007】もっとも、この寸法精度を改善するため、
このようなスタンド群で圧延された管材は最終スタンド
において“外径圧下率を微小にして孔型を真円に近付け
た仕上げ用の圧延機”でサイジングされるが、それでも
やはり高寸法精度の管を得ることは不可能であった。
このようなスタンド群で圧延された管材は最終スタンド
において“外径圧下率を微小にして孔型を真円に近付け
た仕上げ用の圧延機”でサイジングされるが、それでも
やはり高寸法精度の管を得ることは不可能であった。
【0008】なお、このマンドレルミルの仕上げスタン
ドとして“4つのロ−ルをパスライン周りに相対向させ
た状態で配したスタンド”を使用し、かつそのロ−ルの
孔型寸法を油圧制御にて拡縮することによって、マンド
レルミル特有の“管端での増肉”や“断面内での偏肉”
を取り除き、更に外径真円度の向上を狙った新しいマン
ドレルミルが特開昭62−270204号公報に開示さ
れている。
ドとして“4つのロ−ルをパスライン周りに相対向させ
た状態で配したスタンド”を使用し、かつそのロ−ルの
孔型寸法を油圧制御にて拡縮することによって、マンド
レルミル特有の“管端での増肉”や“断面内での偏肉”
を取り除き、更に外径真円度の向上を狙った新しいマン
ドレルミルが特開昭62−270204号公報に開示さ
れている。
【0009】しかし、このマンドレルミルはあくまでも
仕上げ圧下の寸法精度向上を狙ったものであって、仕上
げスタンド(最終スタンド)である“4ロ−ルスタン
ド”での加工度は極く小さく、この4ロ−ルスタンドで
圧延を行っても若干の寸法精度向上は認められるものの
周方向の偏肉等を完全に取り除くのは難しく、高寸法精
度の管をこの加工のみで仕上げれるものではなかった。
仕上げ圧下の寸法精度向上を狙ったものであって、仕上
げスタンド(最終スタンド)である“4ロ−ルスタン
ド”での加工度は極く小さく、この4ロ−ルスタンドで
圧延を行っても若干の寸法精度向上は認められるものの
周方向の偏肉等を完全に取り除くのは難しく、高寸法精
度の管をこの加工のみで仕上げれるものではなかった。
【0010】また、このマンドレルミルは、熱間での加
工を意図したものであるため小径の管に適用するのは不
可能であり、しかも得られる圧延材の表面状態も冷間抽
伸に比べて著しく劣るものであった。従って、製品とし
て光沢面を有する美麗な肌が要求される場合にはダイス
抽伸のような仕上げ加工を付加する必要があった。勿
論、ダイス抽伸を行う場合は、管材を把持するために口
絞り加工を施さなければならず、材料歩留りや作業能率
の点で非常に不利であることは言うまでもない。
工を意図したものであるため小径の管に適用するのは不
可能であり、しかも得られる圧延材の表面状態も冷間抽
伸に比べて著しく劣るものであった。従って、製品とし
て光沢面を有する美麗な肌が要求される場合にはダイス
抽伸のような仕上げ加工を付加する必要があった。勿
論、ダイス抽伸を行う場合は、管材を把持するために口
絞り加工を施さなければならず、材料歩留りや作業能率
の点で非常に不利であることは言うまでもない。
【0011】そのため、良好な表面肌を得るべく前述し
た2ロ−ル圧延法を冷間加工に適用する試みもなされた
が、この方法で冷間連続圧延を行うと、管材は先に述べ
たように変形能の低い状態で周方向に曲げ変形を繰り返
し受けるために内面より割れを生じて圧延が不可能にな
るという問題が生じた。
た2ロ−ル圧延法を冷間加工に適用する試みもなされた
が、この方法で冷間連続圧延を行うと、管材は先に述べ
たように変形能の低い状態で周方向に曲げ変形を繰り返
し受けるために内面より割れを生じて圧延が不可能にな
るという問題が生じた。
【0012】この割れを防止するには、1スタンド当り
の加工度を低くして噛み出しが生じにくくし、これによ
り孔型の逃がし量を小さくして(孔型の「長径/短径
比」を1に近付けて)管材周方向の曲げ変形量が小さく
なるようにすれば良いのであるが、この手立てによって
所望の成果を得ようとすれば1スタンド当りの圧下率を
極めて小さくせざるを得ず、そのため所望の総圧下率を
確保するのに膨大な数の圧延スタンドが必要となって実
際的ではない。
の加工度を低くして噛み出しが生じにくくし、これによ
り孔型の逃がし量を小さくして(孔型の「長径/短径
比」を1に近付けて)管材周方向の曲げ変形量が小さく
なるようにすれば良いのであるが、この手立てによって
所望の成果を得ようとすれば1スタンド当りの圧下率を
極めて小さくせざるを得ず、そのため所望の総圧下率を
確保するのに膨大な数の圧延スタンドが必要となって実
際的ではない。
【0013】一方、管の冷間圧延に適用できる設備とし
て、“半円形状の孔型を有する一対のロ−ルをパスライ
ン回りに対向させた状態で配置した圧延スタンド”をパ
スライン方向に交互に90°ずつ位相をずらせて複数台
タンデムに設置することは通常のマンドレルミルと同様
であるが、図12で示したように、口絞り加工を要するこ
となく管材4の一端を把持して前方より引き抜く装置5
を設け、これによって管材に付加される“軸方向の張
力”により材料を軸方向に流れやすくして管材周方向へ
のメタルフロ−を抑制し、ロ−ル隙間部への噛み出しを
防止した装置が提案されている(特開昭62−3460
8号公報)。
て、“半円形状の孔型を有する一対のロ−ルをパスライ
ン回りに対向させた状態で配置した圧延スタンド”をパ
スライン方向に交互に90°ずつ位相をずらせて複数台
タンデムに設置することは通常のマンドレルミルと同様
であるが、図12で示したように、口絞り加工を要するこ
となく管材4の一端を把持して前方より引き抜く装置5
を設け、これによって管材に付加される“軸方向の張
力”により材料を軸方向に流れやすくして管材周方向へ
のメタルフロ−を抑制し、ロ−ル隙間部への噛み出しを
防止した装置が提案されている(特開昭62−3460
8号公報)。
【0014】そして、この圧延設備では、上述のように
ロ−ル隙間部への材料の噛み出しが軸方向張力付加によ
って抑えられるので、ロ−ル孔型の逃がし部を小さくし
て前記孔型の「長径/短径比」を1に近付けることがで
きるとされ、そのため断面内曲げ変形量(管材周方向の
曲げ変形量)が小さくなって、冷間加工を行っても内面
割れは発生しないとされている。
ロ−ル隙間部への材料の噛み出しが軸方向張力付加によ
って抑えられるので、ロ−ル孔型の逃がし部を小さくし
て前記孔型の「長径/短径比」を1に近付けることがで
きるとされ、そのため断面内曲げ変形量(管材周方向の
曲げ変形量)が小さくなって、冷間加工を行っても内面
割れは発生しないとされている。
【0015】更に、この圧延設備では、図12からも分か
るようにマンドレルの代わりをするプラグ6が入側から
把持される構成となっているので(図中の符号7はプラ
グ把持装置を示す)、圧延中は管材内面とプラグは滑り
の状態を維持し、圧延終了と同時にプラグはそのままで
管材から抜け出てしまう。このように、上記圧延設備で
はマンドレルの抜き取り工程が不要であるので、圧延終
了後にマンドレルを管材から抜き取る工程が必要であっ
た従来のマンドレルミルに比べて工程が1つ省略される
という利点もある。
るようにマンドレルの代わりをするプラグ6が入側から
把持される構成となっているので(図中の符号7はプラ
グ把持装置を示す)、圧延中は管材内面とプラグは滑り
の状態を維持し、圧延終了と同時にプラグはそのままで
管材から抜け出てしまう。このように、上記圧延設備で
はマンドレルの抜き取り工程が不要であるので、圧延終
了後にマンドレルを管材から抜き取る工程が必要であっ
た従来のマンドレルミルに比べて工程が1つ省略される
という利点もある。
【0016】しかしながら、この圧延設備による場合も
1パスでの加工度をそれほど大きくすることはできず、
外径圧下率は精々数パ−セント以下程度、肉厚圧下率も
数パ−セント以下程度にしか設定できない。しかも、管
材に軸方向張力(引抜き力)を付加したとしてもロ−ル
隙間部からの噛み出し防止効果はそれほど顕著ではな
く、噛み出しを十分に抑えるにはやはり孔型両縁に大き
なサイドリリ−フ(逃がし)を設けざるを得なかった。
このため偏肉が発生し易やすくて高い寸法精度を得にく
く、製品とするにはダイスによる抽伸法等の仕上げ加工
が不可欠であった。
1パスでの加工度をそれほど大きくすることはできず、
外径圧下率は精々数パ−セント以下程度、肉厚圧下率も
数パ−セント以下程度にしか設定できない。しかも、管
材に軸方向張力(引抜き力)を付加したとしてもロ−ル
隙間部からの噛み出し防止効果はそれほど顕著ではな
く、噛み出しを十分に抑えるにはやはり孔型両縁に大き
なサイドリリ−フ(逃がし)を設けざるを得なかった。
このため偏肉が発生し易やすくて高い寸法精度を得にく
く、製品とするにはダイスによる抽伸法等の仕上げ加工
が不可欠であった。
【0017】なお、抽伸法は、図13で示したように、管
材4を挿通させる円孔が設けられた穴ダイス8を用い、
管材4の内面よりプラグ9を当てて出側に配置した引抜
き機により該管材を引き抜いて縮径,減肉する加工法で
ある。そして、通常は複数のパス回数にて所望の外径,
肉厚を有する管に仕上げられる。この加工法は、加工さ
れた管材の寸法精度が高い上に表面肌が美麗であり、こ
の点からして一般的に製品の仕上げ加工に広く適用され
ている。
材4を挿通させる円孔が設けられた穴ダイス8を用い、
管材4の内面よりプラグ9を当てて出側に配置した引抜
き機により該管材を引き抜いて縮径,減肉する加工法で
ある。そして、通常は複数のパス回数にて所望の外径,
肉厚を有する管に仕上げられる。この加工法は、加工さ
れた管材の寸法精度が高い上に表面肌が美麗であり、こ
の点からして一般的に製品の仕上げ加工に広く適用され
ている。
【0018】ところが、先にも述べたように、抽伸法で
は加工の準備として“口絞り”が必要であり、このため
材料歩留りが低く、また潤滑下地処理のために能率が低
下するのを如何ともし難い。しかも、この作業を複数回
繰り返す必要があるので能率が悪くなることは言うまで
もない。
は加工の準備として“口絞り”が必要であり、このため
材料歩留りが低く、また潤滑下地処理のために能率が低
下するのを如何ともし難い。しかも、この作業を複数回
繰り返す必要があるので能率が悪くなることは言うまで
もない。
【0019】しかも、配列されている各ダイスの引き抜
き力が出側管材に作用するため、中間焼鈍なしでの総加
工度を大きく取りすぎると出側の引き抜き力により管材
が破断するという不都合もあった。これを防ぐには、途
中の焼鈍なしでの総加工度を小さくしなければならず、
所望の加工度を得るには数回の中間焼鈍が必要となる。
き力が出側管材に作用するため、中間焼鈍なしでの総加
工度を大きく取りすぎると出側の引き抜き力により管材
が破断するという不都合もあった。これを防ぐには、途
中の焼鈍なしでの総加工度を小さくしなければならず、
所望の加工度を得るには数回の中間焼鈍が必要となる。
【0020】このようなことから、本発明が目的とした
のは、得られる管の寸法精度や表面性状が抽伸法にも匹
敵し、しかも小径管に対しても高能率,高歩留りで加工
を行うことができる“管の冷間圧延手段”を確立するこ
とであった。
のは、得られる管の寸法精度や表面性状が抽伸法にも匹
敵し、しかも小径管に対しても高能率,高歩留りで加工
を行うことができる“管の冷間圧延手段”を確立するこ
とであった。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべくなされたもので、「図1に示すような“4個の
孔型ロ−ル11をパスラインX回りに相対向させて配設し
た圧延機”を、 図2で示したように相隣接するスタンド
12,12間で45°ずつ孔型ロ−ルの位相を変えタンデム
に配置して成る連続圧延機群のパスラインXに、 ライン
上流側の一端が把持された芯金13を配し(図2における
符号14は芯金支持台を示している)、 該芯金13と孔型ロ
−ル11間で素材(管材4)を圧延して順次管の外径を絞
ると共に肉厚を減じることによって、 冷間にて高能率,
高歩留りで品質の優れた管を圧延製造できるようにした
点」に大きな特徴を有している。
成すべくなされたもので、「図1に示すような“4個の
孔型ロ−ル11をパスラインX回りに相対向させて配設し
た圧延機”を、 図2で示したように相隣接するスタンド
12,12間で45°ずつ孔型ロ−ルの位相を変えタンデム
に配置して成る連続圧延機群のパスラインXに、 ライン
上流側の一端が把持された芯金13を配し(図2における
符号14は芯金支持台を示している)、 該芯金13と孔型ロ
−ル11間で素材(管材4)を圧延して順次管の外径を絞
ると共に肉厚を減じることによって、 冷間にて高能率,
高歩留りで品質の優れた管を圧延製造できるようにした
点」に大きな特徴を有している。
【0022】なお、図3は相隣なるスタンド間での孔型
ロ−ル11の配置状態をより分かりやすく説明した模式図
であって、隣合うスタンドではロ−ルの圧下方向がパス
ライン周りに45°ずつ位相を変えた状態となってお
り、このように位相を変えたスタンドが交互に並べて配
置されていることを示している。
ロ−ル11の配置状態をより分かりやすく説明した模式図
であって、隣合うスタンドではロ−ルの圧下方向がパス
ライン周りに45°ずつ位相を変えた状態となってお
り、このように位相を変えたスタンドが交互に並べて配
置されていることを示している。
【0023】ここで、芯金13の形状はストレ−トの丸棒
形状でも良いが、各スタンドでの外径圧下に応じて最適
条件で減肉できるように各スタンド部位で外径を決定
し、これに基づき径が軸方向で不連続的に変化する図4
で示したような段付き形状のものとすれば、寸法精度や
総加工度の一層の向上が可能になる。
形状でも良いが、各スタンドでの外径圧下に応じて最適
条件で減肉できるように各スタンド部位で外径を決定
し、これに基づき径が軸方向で不連続的に変化する図4
で示したような段付き形状のものとすれば、寸法精度や
総加工度の一層の向上が可能になる。
【0024】
【作用・効果】さて、上記本発明に係る管の圧延方法に
よると従来の圧延法では製造することのできなかった高
寸法精度の管を能率良く製造することができるようにな
り、抽伸法に頼るしかなかった高寸法精度の小径管の製
造も可能となる。
よると従来の圧延法では製造することのできなかった高
寸法精度の管を能率良く製造することができるようにな
り、抽伸法に頼るしかなかった高寸法精度の小径管の製
造も可能となる。
【0025】即ち、本発明法による主な作用・効果を列
記すると次の通りになる。 (a) 4ロ−ル式の圧延スタンドで管材の圧延がなされ
るので2ロ−ル式や3ロ−ル式の場合に比べて材料が周
方向より軸方向に流れ易く、ロ−ル隙間部での材料の噛
み出しが発生しにくい。従って、ロ−ル孔型の逃がし量
を小さく抑えて孔型形状を真円に近くすることが可能と
なる。その結果、圧延の際に管材が受ける断面内曲げ
(管材周方向の曲げ)変形量が小さくなり、変形能が低
い冷間圧延においても管材は割れることがなく、1パス
での総加工度の大きい圧延が可能になる。また、ロ−ル
孔型形状を真円に近くできるので、圧延された管材の寸
法精度も高くなる。
記すると次の通りになる。 (a) 4ロ−ル式の圧延スタンドで管材の圧延がなされ
るので2ロ−ル式や3ロ−ル式の場合に比べて材料が周
方向より軸方向に流れ易く、ロ−ル隙間部での材料の噛
み出しが発生しにくい。従って、ロ−ル孔型の逃がし量
を小さく抑えて孔型形状を真円に近くすることが可能と
なる。その結果、圧延の際に管材が受ける断面内曲げ
(管材周方向の曲げ)変形量が小さくなり、変形能が低
い冷間圧延においても管材は割れることがなく、1パス
での総加工度の大きい圧延が可能になる。また、ロ−ル
孔型形状を真円に近くできるので、圧延された管材の寸
法精度も高くなる。
【0026】(b) しかも、隣り合うスタンド間におい
てロ−ルの圧下方向がパスライン周りに45°変化して
いるので、ロ−ル隙間部で逃がした部分は次スタンドの
溝底部で圧下されることとなり、そのため得られる管の
寸法精度は更に高くなる。そして、この寸法精度は、下
流側の圧延スタンドで加工度を小さくしてサイジングを
行うことによって一段と向上し、抽伸法と同等の高寸法
精度の製品を得ることが可能である。
てロ−ルの圧下方向がパスライン周りに45°変化して
いるので、ロ−ル隙間部で逃がした部分は次スタンドの
溝底部で圧下されることとなり、そのため得られる管の
寸法精度は更に高くなる。そして、この寸法精度は、下
流側の圧延スタンドで加工度を小さくしてサイジングを
行うことによって一段と向上し、抽伸法と同等の高寸法
精度の製品を得ることが可能である。
【0027】(c) 本発明の方法では、管材は出側から
の張力無しで各スタンドへ容易に噛み込んでいくため引
抜き装置や口絞り処理は不要であり、抽伸法に比べ能
率,材料歩留りの点で非常に有利である。
の張力無しで各スタンドへ容易に噛み込んでいくため引
抜き装置や口絞り処理は不要であり、抽伸法に比べ能
率,材料歩留りの点で非常に有利である。
【0028】(d) また、先に説明したように抽伸法で
は出側での抽伸力が管材を破断しないように加工度を抑
える必要があるが、本発明の方法ではこのような制限が
非常に少ないので1パスでの加工度も大きく取ることが
でき、抽伸法で数パスに分けて行う必要のあった加工が
本発明の方法では1パスだけで済むため、この点からも
本発明の方法での加工能率や材料歩留りは抽伸法に比べ
て非常に高くなる。
は出側での抽伸力が管材を破断しないように加工度を抑
える必要があるが、本発明の方法ではこのような制限が
非常に少ないので1パスでの加工度も大きく取ることが
でき、抽伸法で数パスに分けて行う必要のあった加工が
本発明の方法では1パスだけで済むため、この点からも
本発明の方法での加工能率や材料歩留りは抽伸法に比べ
て非常に高くなる。
【0029】(e) 本発明の方法では芯金は圧延機の上
流側で一端が固定されているので、各圧延スタンドでの
外径圧下率に応じて最適の肉厚圧下ができるように芯金
の外径を1スタンド毎に設定することが可能であり、こ
のため加工の円滑性並びに製品の寸法精度や品質の点で
非常に有利である上、圧延完了と同時に管材は必然的に
芯金より抜け出ることとなるので芯金抜き取りの後工程
が不要なため、作業工数の点でも極めて有利である。
流側で一端が固定されているので、各圧延スタンドでの
外径圧下率に応じて最適の肉厚圧下ができるように芯金
の外径を1スタンド毎に設定することが可能であり、こ
のため加工の円滑性並びに製品の寸法精度や品質の点で
非常に有利である上、圧延完了と同時に管材は必然的に
芯金より抜け出ることとなるので芯金抜き取りの後工程
が不要なため、作業工数の点でも極めて有利である。
【0030】なお、本発明の方法では加工中に管材内面
と芯金の間に滑り摩擦が生じ、この摩擦力が芯金に軸方
向張力となって作用する。そして、肉厚加工を加える各
スタンドで生じるこの軸方向張力の大きさはそのスタン
ドで加える肉厚加工度が増加するにつれて増加し、芯金
の入側(ライン上流側)把持部に重畳して作用する。従
って、総加工度が増加してスタンド数が増えたり、1ス
タンド当りの加工度が増加すると、それに応じて芯金の
入側把持部に作用する張力は増加する。そのため、総加
工度を大きくする場合には、この張力が芯金の設計許容
応力内となるように留意しなければならない。
と芯金の間に滑り摩擦が生じ、この摩擦力が芯金に軸方
向張力となって作用する。そして、肉厚加工を加える各
スタンドで生じるこの軸方向張力の大きさはそのスタン
ドで加える肉厚加工度が増加するにつれて増加し、芯金
の入側(ライン上流側)把持部に重畳して作用する。従
って、総加工度が増加してスタンド数が増えたり、1ス
タンド当りの加工度が増加すると、それに応じて芯金の
入側把持部に作用する張力は増加する。そのため、総加
工度を大きくする場合には、この張力が芯金の設計許容
応力内となるように留意しなければならない。
【0031】管材内面と芯金との間の潤滑については、
化成処理もしくは油の塗布によって確保すれば良い。そ
して、油潤滑の場合、芯金の内部に設けた油供給路を通
して油を管材内面に吹付けるようにすれば、予め管材内
面に油を塗布するという工程を減らすことができる。
化成処理もしくは油の塗布によって確保すれば良い。そ
して、油潤滑の場合、芯金の内部に設けた油供給路を通
して油を管材内面に吹付けるようにすれば、予め管材内
面に油を塗布するという工程を減らすことができる。
【0032】また、肉厚圧下を加えない部分では芯金が
管材内面と接触しないように径を小さくしたところの、
図5で示したような形状の芯金を用いれば、管材内面と
芯金との間の摩擦が減少するので芯金の把持部にかかる
張力は低くなり、より総加工度の大きな加工が可能にな
る。
管材内面と接触しないように径を小さくしたところの、
図5で示したような形状の芯金を用いれば、管材内面と
芯金との間の摩擦が減少するので芯金の把持部にかかる
張力は低くなり、より総加工度の大きな加工が可能にな
る。
【0033】そして、一部のスタンドを“内面に芯金を
当てずに絞り圧延のみを行う絞りスタンド”とし、これ
らスタンド群と“芯金を当てて肉厚加工を行う肉厚加工
スタンド”の群とを連続配置して圧延を行わせることも
可能であり、これにより加工効率の向上が図れる。
当てずに絞り圧延のみを行う絞りスタンド”とし、これ
らスタンド群と“芯金を当てて肉厚加工を行う肉厚加工
スタンド”の群とを連続配置して圧延を行わせることも
可能であり、これにより加工効率の向上が図れる。
【0034】更に、必要により、一部のスタンドの圧下
部直下の部位において図6で示した如く芯金にテ−パを
付与しておくと、このテ−パ面に働く“圧下の垂直応
力”の軸方向成分(図7で示したf)により芯金の把持
部にかかる張力が低減されるようになるため、総加工度
を一層大きく取ることが可能になる。即ち、芯金にテ−
パを付与しておくと図7に示す如くそのテ−パ面に垂直
応力Fが働くが、同時にその軸方向成分fが芯金の入側
方向(ライン上流側方向)、つまり芯金を圧縮する向き
に働く。この力は摩擦による張力と相反するので、芯金
の把持部に働く張力を抑え、その結果として1パスでの
総加工度を更に大きく取ることが可能になる訳である。
部直下の部位において図6で示した如く芯金にテ−パを
付与しておくと、このテ−パ面に働く“圧下の垂直応
力”の軸方向成分(図7で示したf)により芯金の把持
部にかかる張力が低減されるようになるため、総加工度
を一層大きく取ることが可能になる。即ち、芯金にテ−
パを付与しておくと図7に示す如くそのテ−パ面に垂直
応力Fが働くが、同時にその軸方向成分fが芯金の入側
方向(ライン上流側方向)、つまり芯金を圧縮する向き
に働く。この力は摩擦による張力と相反するので、芯金
の把持部に働く張力を抑え、その結果として1パスでの
総加工度を更に大きく取ることが可能になる訳である。
【0035】ところで、管材圧延時の“ロ−ル圧下に伴
う材料流れ”に注目すると、先にも述べたが、本発明法
(4ロ−ル圧下)では2ロ−ル或いは3ロ−ルでの圧下
の場合に比べて軸方向に向かう流れが大きく、このため
ロ−ル隙間部での逃がし量を小さくして円形に近い孔型
で連続圧延を実施できる。つまり、ロ−ル圧下量が0か
極く微小なサイジングスタンドのような場合では、逃が
し量を0とした真円孔型{孔型溝底部の孔型半径に対す
る孔型両縁部の孔型半径の比率(図8におけるR/r)
が1.00の孔型}でも圧延が可能である。
う材料流れ”に注目すると、先にも述べたが、本発明法
(4ロ−ル圧下)では2ロ−ル或いは3ロ−ルでの圧下
の場合に比べて軸方向に向かう流れが大きく、このため
ロ−ル隙間部での逃がし量を小さくして円形に近い孔型
で連続圧延を実施できる。つまり、ロ−ル圧下量が0か
極く微小なサイジングスタンドのような場合では、逃が
し量を0とした真円孔型{孔型溝底部の孔型半径に対す
る孔型両縁部の孔型半径の比率(図8におけるR/r)
が1.00の孔型}でも圧延が可能である。
【0036】ただ、1スタンドでの圧下量を大きくして
いくとそれに応じて周方向のメタルフロ−が増加するの
で、やはりロ−ル隙間部(孔型両縁部)である程度の逃
し量を確保する必要が出てくるが、本発明の方法ではこ
の逃し量が孔型の長径/短径比(前記R/r)で1.06程
度であっても噛み出しを十分に抑えられる。そして、該
比率が1.06以下であれば管材が断面内で連続曲げ変形を
受けて内面より割れが発生することを防止することもで
き、また圧延材の真円度,偏肉等の寸法精度も高い値を
確保できる。従って、外内面の表面性状に優れ、寸法精
度の高い製品の冷間圧延を実施するには、ロ−ル孔型の
逃がし量を前記「R/r」の値で1.00〜1.06に設定する
のが好ましい。
いくとそれに応じて周方向のメタルフロ−が増加するの
で、やはりロ−ル隙間部(孔型両縁部)である程度の逃
し量を確保する必要が出てくるが、本発明の方法ではこ
の逃し量が孔型の長径/短径比(前記R/r)で1.06程
度であっても噛み出しを十分に抑えられる。そして、該
比率が1.06以下であれば管材が断面内で連続曲げ変形を
受けて内面より割れが発生することを防止することもで
き、また圧延材の真円度,偏肉等の寸法精度も高い値を
確保できる。従って、外内面の表面性状に優れ、寸法精
度の高い製品の冷間圧延を実施するには、ロ−ル孔型の
逃がし量を前記「R/r」の値で1.00〜1.06に設定する
のが好ましい。
【0037】なお、本発明の方法の実施に適用される圧
延設備としては、図9に示したように、スタンド12,1
2,…の上流側で芯金13を把持・固定する芯金支持台14
をライン方向(芯金4の軸方向)に可動とした構成とし
たものが好適である。このような設備であれば、圧延に
当ってまずこの芯金支持台14を図の左方へ移動させ、そ
れから素管(管材4)を芯金13に挿通し、次いで芯金支
持台14を右方へ移動させて芯金13ごと管材4を圧延スタ
ンド12,12,…のロ−ルの孔型に入れると、そのまま円
滑に圧延を開始することができる。
延設備としては、図9に示したように、スタンド12,1
2,…の上流側で芯金13を把持・固定する芯金支持台14
をライン方向(芯金4の軸方向)に可動とした構成とし
たものが好適である。このような設備であれば、圧延に
当ってまずこの芯金支持台14を図の左方へ移動させ、そ
れから素管(管材4)を芯金13に挿通し、次いで芯金支
持台14を右方へ移動させて芯金13ごと管材4を圧延スタ
ンド12,12,…のロ−ルの孔型に入れると、そのまま円
滑に圧延を開始することができる。
【0038】続いて、実施例により本発明を説明する。
【実施例】図2で示したような、4つの孔型ロ−ルをパ
スライン周りに相対向させた状態でハウジング内に収め
た圧延スタンド12をパスライン方向に9基タンデムに配
設し、そのパスライン上に芯金支持台14で一端が把持さ
れた芯金13を配置して管材の圧延を行う設備を準備し
た。
スライン周りに相対向させた状態でハウジング内に収め
た圧延スタンド12をパスライン方向に9基タンデムに配
設し、そのパスライン上に芯金支持台14で一端が把持さ
れた芯金13を配置して管材の圧延を行う設備を準備し
た。
【0039】なお、各スタンドの4個の孔型ロ−ルはギ
ヤを介して等しい回転速度で回転する構造になってお
り、各スタンドは回転速度を任意に設定できるよう独立
駆動方式とされたものである。また、4個の孔型ロ−ル
で形成される孔型は、ロ−ル隙間部での材料の噛み出し
を防ぐため図8で示したようにロ−ル隙間部(ロ−ル両
縁部)で半径方向に微小の逃がし(サイドリリ−フ)を
与えた形状とされており、その逃がしの量は半径の6%
以下に設定されている。
ヤを介して等しい回転速度で回転する構造になってお
り、各スタンドは回転速度を任意に設定できるよう独立
駆動方式とされたものである。また、4個の孔型ロ−ル
で形成される孔型は、ロ−ル隙間部での材料の噛み出し
を防ぐため図8で示したようにロ−ル隙間部(ロ−ル両
縁部)で半径方向に微小の逃がし(サイドリリ−フ)を
与えた形状とされており、その逃がしの量は半径の6%
以下に設定されている。
【0040】上記“管材の冷間圧延設備”を使用し、第
1〜第3スタンドまでを肉厚加工無しの絞り圧延スタン
ド、第4〜第8スタンドまでを肉厚加工スタンド、そし
て最終第9スタンドをサイジングスタンドとして、外径
20mm,肉厚2mmの低炭素鋼管(素管)を表1のような
パススケジュ−ルで連続圧延した。なお、表1のパスス
ケジュ−ルにおいて、管内面に芯金を接触しない絞り圧
延スタンドで肉厚圧下率がマイナスとなっているのは、
外径圧下に伴い肉厚がわずかながら増加するためであ
る。
1〜第3スタンドまでを肉厚加工無しの絞り圧延スタン
ド、第4〜第8スタンドまでを肉厚加工スタンド、そし
て最終第9スタンドをサイジングスタンドとして、外径
20mm,肉厚2mmの低炭素鋼管(素管)を表1のような
パススケジュ−ルで連続圧延した。なお、表1のパスス
ケジュ−ルにおいて、管内面に芯金を接触しない絞り圧
延スタンドで肉厚圧下率がマイナスとなっているのは、
外径圧下に伴い肉厚がわずかながら増加するためであ
る。
【0041】
【表1】
【0042】この結果、圧延材(製品)の寸法精度は、
偏肉率:5.0%,真円度:0.5%程度の非常に良好な値とな
った。また、圧延材内外面の表面品質もダイスによる抽
伸法と比較して遜色の無いものであった。
偏肉率:5.0%,真円度:0.5%程度の非常に良好な値とな
った。また、圧延材内外面の表面品質もダイスによる抽
伸法と比較して遜色の無いものであった。
【0043】また、芯金の把持部にかかる張力は、素管
に化成処理(りん酸亜鉛処理)を施して潤滑し外径圧下
率7%,肉厚圧下率5%の加工を実施した場合には、テ
−パを持たない芯金(図5で示したもの)を用いた時は
1.3ton,テ−パ面が付与された芯金(図6で示したも
の)を用いた時は0.8tonとなり、芯金にテ−パ面を付与
すると約40%も張力を低減できることも確認された。
に化成処理(りん酸亜鉛処理)を施して潤滑し外径圧下
率7%,肉厚圧下率5%の加工を実施した場合には、テ
−パを持たない芯金(図5で示したもの)を用いた時は
1.3ton,テ−パ面が付与された芯金(図6で示したも
の)を用いた時は0.8tonとなり、芯金にテ−パ面を付与
すると約40%も張力を低減できることも確認された。
【0044】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、抽伸法によるものと同等の寸法精度や表面性状を有
した管を高能率,高歩留りで冷間圧延にて製造すること
ができ、寸法精度の要求から圧延法では製造が不可能で
あった小径管をも容易に製造することが可能となるな
ど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
ば、抽伸法によるものと同等の寸法精度や表面性状を有
した管を高能率,高歩留りで冷間圧延にて製造すること
ができ、寸法精度の要求から圧延法では製造が不可能で
あった小径管をも容易に製造することが可能となるな
ど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図1】本発明法で用いる圧延スタンドでのロ−ル組み
合わせ状態の説明図である。
合わせ状態の説明図である。
【図2】本発明法で用いる圧延設備例の要部説明図であ
る。
る。
【図3】本発明法で用いる圧延設備での、隣接するスタ
ンド間のロ−ル配置説明図である。
ンド間のロ−ル配置説明図である。
【図4】芯金の断面形状例の説明図である。
【図5】芯金断面形状の別例に関する説明図である。
【図6】テ−パ面を有した芯金の断面形状例に関する説
明図である。
明図である。
【図7】テ−パ面に働く圧延荷重の説明図である。
【図8】ロ−ル孔型形状の説明図である。
【図9】本発明法を実施するための圧延設備例の概要説
明図である。
明図である。
【図10】マンドレルミルの概要説明図である。
【図11】マンドレルミルにおけるロ−ル配置の説明図
である。
である。
【図12】従来提案になる2ロ−ル管圧延機の概要説明
図である。
図である。
【図13】管の抽伸法に関する概要説明図である。
1 孔型ロ−ル 2 圧延スタンド 3 マンドレル 4 被圧延管材(管材) 5 管材の把持・引抜き装置 6 プラグ 7 プラグ把持装置 8 穴ダイス 9 プラグ 11 孔型ロ−ル 12 圧延スタンド 13 芯金 14 芯金支持台
Claims (1)
- 【請求項1】 “4個の孔型ロ−ルをパスライン回りに
相対向させて配設した圧延機”を相隣接するスタンド間
で45°ずつ孔型ロ−ルの位相を変え、タンデムに配置
して成る連続圧延機群のパスラインに、ライン上流側の
一端が把持された芯金を配し、該芯金とロ−ル間で素材
を圧延して順次管の外径を絞ると共に肉厚を減じること
を特徴とする管の冷間圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17114793A JPH071009A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 管の冷間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17114793A JPH071009A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 管の冷間圧延方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH071009A true JPH071009A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15917864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17114793A Pending JPH071009A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 管の冷間圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH071009A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103495617A (zh) * | 2013-09-25 | 2014-01-08 | 中北大学 | 一种变壁厚筒体零件辊挤成型装置 |
CN103785685A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-05-14 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | 四辊定减径机 |
CN104175157A (zh) * | 2014-08-13 | 2014-12-03 | 浙江中星钢管机械有限公司 | 冷轧管机的管件内支撑固定机构 |
CN110935731A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-03-31 | 杭州淳通新材料科技有限公司 | 多辊围绕式高精密度无缝锥管成型辊模 |
CN112570448A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-03-30 | 中北大学 | 一种大型带内筋带导轨的矩形型材制造设备 |
CN114603312A (zh) * | 2020-12-09 | 2022-06-10 | 常州市联谊特种不锈钢管有限公司 | 高精密隔磁套管的生产工艺 |
CN117718347A (zh) * | 2023-12-20 | 2024-03-19 | 四川万圣通精密机械制造有限公司 | 一种冷拔机 |
-
1993
- 1993-06-17 JP JP17114793A patent/JPH071009A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103495617A (zh) * | 2013-09-25 | 2014-01-08 | 中北大学 | 一种变壁厚筒体零件辊挤成型装置 |
CN103495617B (zh) * | 2013-09-25 | 2015-08-12 | 中北大学 | 一种变壁厚筒体零件辊挤成型装置 |
CN103785685A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-05-14 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | 四辊定减径机 |
CN104175157A (zh) * | 2014-08-13 | 2014-12-03 | 浙江中星钢管机械有限公司 | 冷轧管机的管件内支撑固定机构 |
CN110935731A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-03-31 | 杭州淳通新材料科技有限公司 | 多辊围绕式高精密度无缝锥管成型辊模 |
CN112570448A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-03-30 | 中北大学 | 一种大型带内筋带导轨的矩形型材制造设备 |
CN112570448B (zh) * | 2020-11-27 | 2023-04-14 | 中北大学 | 一种大型带内筋带导轨的矩形型材制造设备 |
CN114603312A (zh) * | 2020-12-09 | 2022-06-10 | 常州市联谊特种不锈钢管有限公司 | 高精密隔磁套管的生产工艺 |
CN114603312B (zh) * | 2020-12-09 | 2024-04-30 | 常州市联谊特种不锈钢管有限公司 | 高精密隔磁套管的生产工艺 |
CN117718347A (zh) * | 2023-12-20 | 2024-03-19 | 四川万圣通精密机械制造有限公司 | 一种冷拔机 |
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