JPH07100688A - 高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤ - Google Patents
高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤInfo
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- JPH07100688A JPH07100688A JP26795793A JP26795793A JPH07100688A JP H07100688 A JPH07100688 A JP H07100688A JP 26795793 A JP26795793 A JP 26795793A JP 26795793 A JP26795793 A JP 26795793A JP H07100688 A JPH07100688 A JP H07100688A
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Abstract
強度、耐焼戻し脆化特性、耐高温割れ性及び耐低温割れ
性等が良好な溶接金属が得られる高強度Cr−Mo鋼用T
IG溶接ワイヤを提供する。 【構成】 必須成分としてCr:2.00〜3.25%、
Mo:0.90〜1.20%及びV:0.18〜0.35%
を含み、必要に応じてNb、Ti、B及びCaのうちの1
種以上を含有する高強度2.25〜3%Cr−1%Mo鋼
の溶接にArやAr+He等の不活性ガスからなるシール
ドガスと共に用いるTIG溶接用ワイヤであって、C:
0.07〜0.15%、Si:0.05〜0.40%、Mn:
0.20〜0.80%、P:0.010%以下、S:0.0
10%以下、Cr:2.00〜3.25%、Mo:0.90
〜1.20%、V:0.10〜0.50%、Nb:0.01
0〜0.050%を含有し、残部がFe及び不可避的不純
物であることを特徴とする高強度Cr−Mo鋼用TIG溶
接ワイヤである。更に、下記(1)式で与えられる 【化1】 が11.0以下であることを特徴としている。 【化2】
Description
接に係り、より詳細には、Cr、Mo及びVを必須成分と
して含み、必要に応じてNb、Ti、B及びCaのうちの
1種以上を含有する高強度2.25〜3%Cr−1%Mo
鋼の溶接において、SR後の室温及び高温強度、靭性、
クリープ強度、耐焼戻し脆化特性(高温環境での使用中
脆化の少ないこと)、耐高温割れ性(凝固時の割れが生じ
難いこと)及び耐低温割れ性(水素による遅れ破壊が生じ
難いこと)等が良好な溶接金属が得られる高強度Cr−M
o鋼用TIG溶接ワイヤに関するものである。
り、いわゆる2.25〜3%Cr−1%Mo鋼は高温特性
に優れているため、ボイラーや化学反応容器等の高温高
圧環境下で使用される材料として広く適用されている。
近年、これらの設備の高効率操業を図るため、構造物が
より大型厚肉化され、使用環境もより高温高圧化される
傾向にあり、VやNb等を添加した高強度Cr−Mo鋼が
開発されている。
は、主に溶接効率の良いサブマージアーク溶接材料が用
いられているが、TIG溶接ワイヤについても構造物の
初層溶接や配管等の溶接に使用されている。従来の2.
25〜3%Cr−1%Mo鋼に対するTIG溶接ワイヤに
ついては、特開昭62−187596号に提案されてい
るが、そのワイヤに含まれるV量は0.040%以下で
あり、その溶接金属の強度は高強度2.25〜3%Cr−
1%Mo鋼に適用するには十分ではない。
いては、特公平3−61558号、特開平2−1823
77号、特開昭63−112094号、特開昭62−1
14795号及び特開昭62−101394号に提案さ
れている。しかし、シールドガスがArやAr+He等の
不活性ガスであるTIG溶接ワイヤとして用いるには不
適切である。
r−Mo鋼の溶接に適したTIG溶接ワイヤが見られなか
ったのが現実である。
r、Mo及びVを必須成分として含み、必要に応じてN
b、Ti、B及びCaのうちの1種以上を含有する、いわ
ゆる高強度2.25〜3%Cr−1%Mo鋼のTIG溶接
において、SR後の室温及び高温強度、靭性、クリープ
強度、耐焼戻し脆化特性、耐高温割れ性及び耐低温割れ
性等が良好な溶接金属が得られる高強度Cr−Mo鋼用T
IG溶接ワイヤを提供することを目的とするものであ
る。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、ワイヤの成分量
並びに特定の成分の量比を調整することにより、前記課
題を解決することが可能であることを見い出した。
r:2.00〜3.25%、Mo:0.90〜1.20%及び
V:0.18〜0.35%を含み、必要に応じてNb、T
i、B及びCaのうちの1種以上を含有する高強度2.2
5〜3%Cr−1%Mo鋼の溶接にArやAr+He等の不
活性ガスからなるシールドガスと共に用いるTIG溶接
用ワイヤであって、C:0.07〜0.15%、Si:0.
05〜0.40%、Mn:0.20〜0.80%、P:0.
010%以下、S:0.010%以下、Cr:2.00〜
3.25%、Mo:0.90〜1.20%、V:0.10〜
0.50%、Nb:0.010〜0.050%、を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物であることを特徴とする
高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤを要旨としてい
る。
Mo鋼用TIG溶接ワイヤにおいて、更に、下記(1)式
で与えられる
及びNbを適切量添加することにより、母材と同等な溶
接金属の強度が得られるようにしたものである。また、
従来の高強度Cr−Mo鋼用MIG溶接ワイヤと比較し
て、溶接金属の過度な強度上昇を防ぐためにTiを含ま
ず、耐高温割れ性の点からBを添加しないことを特徴と
している。更に、シールドガスとしてArやAr+He等
の不活性ガスを用いるTIG溶接のため脱酸剤としての
SiやMnの上限を制限することができ、これにより耐焼
戻し脆化特性の良好な溶接金属が得られるようにしたも
のである。
由について述べる。
性を確保するために添加するものであるが、0.07%
未満の場合、焼入れ性が不十分で室温強度が不足し、ま
た、VやNb等の炭化物の析出が不十分になり高温強度
やクリープ強度も不足する。また0.15%を超えると
強度が著しく増加し、靭性や耐低温割れ性が低下する。
したがって、ワイヤ中のC量は0.07〜0.15%とす
る。
び0.20%以上が必要である。しかしながら、Si及び
Mnは焼戻し脆化を促進するので、各々0.40%以下及
び0.80%以下に制限する必要がある。したがって、
ワイヤ中のSi量は0.05〜0.40%、またMn量は
0.20〜0.80%とする。なお、Si及びMnの上限に
ついては、耐焼戻し脆化特性の点から各々0.25%以
下及び0.55%以下とするのが望ましい。
素であり、少ないほど良い。このため、ワイヤ中のP量
は0.010%以下とする。
少ないほど良い。このため、ワイヤ中のS量は0.01
0%以下とする。
ために添加するものであり、本発明の対象鋼種の必須成
分でもある。したがって、溶接金属におけるCr及びMo
量を母材と同等にするために、ワイヤ中のCr量は2.0
0〜3.25%、またMo量は0.90〜1.20%とす
る。
確保するために添加する。しかしながら、Vが0.10
%未満及びNbが0.010%未満ではその効果がなく、
また、各々0.50%及び0.050%を超えると強度が
高くなりすぎて靭性が低下する。したがって、ワイヤ中
のV量は0.10〜0.50%、またNb量は0.010〜
0.050%とする。
に、溶接金属において下記(2)式の
明ワイヤに対してはそれだけでは不十分であることが分
かった。すなわち、本発明者の研究により、上記成分組
成のワイヤにおいて、更に下記(1)式の
性が改善されることが判明した。
i、Bのほか、メッキ以外のCu、Ni及びAl等を実質的
に含まないことを特徴としている。ここで、実質的に含
まない量とはTi:0.02%以下、B:0.005%以
下、Cu:0.10%以下(メッキ量を除く)、Ni:0.2
0%以下及びAl:0.010%以下を言う。
2.25〜3%Cr−1%Mo鋼は、必須成分としてCr:
2.00〜3.25%、Mo:0.90〜1.20%及び
V:0.18〜0.35%を含み、必要に応じてNb、T
i、B及びCaのうちの1種以上を含有する組成のもので
ある。この組成は前述の如くその用途に応じて所定の特
性が得られるように調整されるものであり、Cr、Mo、
Vを必須成分として含有する限り、種々の組成が可能で
ある。
スはArやAr+He等の不活性ガスである。
て、表2に示す化学成分の母材を図1の開先形状に加工
し、表3の溶接条件にてTIG溶接を行い、試験材を作
成した。得られた試験材に各種試験を行った。図2はS
R条件、図3は焼戻し脆化試験のためのステップクーリ
ング条件、表4は各種試験要領を示す。
758N/mm2(SR:700℃×7h)の場合、及び高温
(454℃)引張強さが507N/mm2以上(SR:700
℃×26h)の場合を良好とした。靭性及び焼戻し脆化特
性については、それぞれvTr55(55Jを示すシャルピ
ー遷移温度)が−70℃以下の場合、及びΔvTr55(ステ
ップクーリング後のvTr55の遷移量)が20℃以下(S
R:700℃×7h)の場合を良好とした。クリープ強度
については、550℃×1000hクリープ破断強度が
210N/mm2以上(SR:700℃×26h)の場合を良
好とした。なお、高温割れ及び低温割れについては、ミ
クロ観察及びSEM観察にて確認した。
属の各種性能を示す。なお、No.1〜No.4はMod.2.
25Cr−1Mo鋼用に本発明を適用した例であり、No.
5はMod.3Cr−1Mo鋼用に本発明を適用した例であ
る。また、No.6〜No.14は比較例である。
学成分が本発明範囲であって、機械的性能及び耐割れ性
とも良好である。
成分が本発明範囲であって、且つ
戻し脆化特性が更に改善されている。その他の性能も良
好である。
Cが本発明範囲より少なく、耐割れ性は問題ないが、強
度や靭性が悪い。
を超えるため、強度が高くなり靭性が悪い。また、焼戻
し脆化特性や耐低温割れ性も劣化した。
明範囲より少なく、脱酸の程度が悪くなり、靭性が極め
て劣化した。また比較例No.9は、ワイヤのSiとMnが
本発明範囲を超えるため、耐焼戻し脆化特性が悪い。
明範囲より多く、靭性や焼戻し脆化特性が悪く、一部で
はあるが高温割れも発生した。
発明範囲より少なく、強度や靭性が不足し、母材の規格
さえも下回っている。また比較例No.12は、ワイヤの
CrとMoが本発明範囲を超えるため、強度が大きくなり
靭性が低下し、母材の規格さえも上回っている。
発明範囲より少なく、高温強度が不足している。また比
較例No.14は、ワイヤのVやNbが本発明範囲を超え
るため、強度が高くなりすぎ、靭性が低下した。
SR後の室温及び高温強度、靭性、クリープ強度、耐焼
戻し脆化特性、耐高温割れ性及び耐低温割れ性が良好な
溶接金属を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、必須成分として
Cr:2.00〜3.25%、Mo:0.90〜1.20%及
びV:0.18〜0.35%を含み、必要に応じてNb、
Ti、B及びCaのうちの1種以上を含有する高強度2.
25〜3%Cr−1%Mo鋼の溶接にArやAr+He等の
不活性ガスからなるシールドガスと共に用いるTIG溶
接用ワイヤであって、 C:0.07〜0.15%、 Si:0.05〜0.40%、 Mn:0.20〜0.80%、 P:0.010%以下、 S:0.010%以下、 Cr:2.00〜3.25%、 Mo:0.90〜1.20%、 V:0.10〜0.50%、 Nb:0.010〜0.050%、 を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であることを
特徴とする高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤ。 - 【請求項2】 更に、下記(1)式で与えられる 【化1】 が11.0以下であることを特徴とする請求項1に記載
の高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤ。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26795793A JP2742201B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26795793A JP2742201B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07100688A true JPH07100688A (ja) | 1995-04-18 |
JP2742201B2 JP2742201B2 (ja) | 1998-04-22 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26795793A Expired - Lifetime JP2742201B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤ |
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CN105033415A (zh) * | 2015-07-09 | 2015-11-11 | 安徽金阳金属结构工程有限公司 | 一种15CrMo钢的焊接工艺 |
JP2016141846A (ja) * | 2015-02-02 | 2016-08-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 溶接金属及び溶接構造体 |
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1993
- 1993-09-30 JP JP26795793A patent/JP2742201B2/ja not_active Expired - Lifetime
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