JPH07100615B2 - ガラス加工物切断装置 - Google Patents

ガラス加工物切断装置

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JPH07100615B2
JPH07100615B2 JP63075077A JP7507788A JPH07100615B2 JP H07100615 B2 JPH07100615 B2 JP H07100615B2 JP 63075077 A JP63075077 A JP 63075077A JP 7507788 A JP7507788 A JP 7507788A JP H07100615 B2 JPH07100615 B2 JP H07100615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、例えばガラス板あるいはセラミック板のよう
な硬質の加工物の切断装置に関する。
(従来の技術) 一般に、ガラス板あるいはセラミック板等の硬質の加工
物の切断に際しては、予めダイヤモンドカッターのよう
な工具で加工物の一面に切断すべき形状に相応した条痕
を設け、その条痕の左右端部を両手で把持し、上記条痕
のある個所に曲げモーメントを加えることによって、そ
の切断が行われている。
(発明が解決しようとする課題) 従来の曲げ加工によるガラス等の切断技術では、比較的
その厚さが薄い場合には容易にその切断を行うことがで
きる。しかし、大きな加工物、特に厚板、例えば厚さが
15mm以上のガラス板では、その切断が殆んど不可能であ
る等の問題があった。
本発明は、このような点に鑑み、比較的簡単な装置によ
って肉厚の加工物でもきわめて容易にかつ迅速、多量に
切断し得るようにしたガラス等の加工物の切断装置を得
ることを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明では、ガラス等から
なる加工物の一面に予めダイヤモンドカッターのような
工具で切断すべき形状の条痕を設けて、この条痕を設け
た加工物の反対側の面に押圧荷重を加えて加工物を局部
的に圧縮して上記条痕に沿った縦断面で切断する装置を
構成する。とくに装置の枠体に加工物のヤング率より小
さいヤング率を有する材料からなる受け部材を枢着し
て、加工物を予め形成した条痕が上記受け部材に接する
ように載置し、上記加工物の上面あるいは下面に上記枠
体に立設した支柱に沿って上下に摺動可能に押圧板を設
け、上記押圧板に枢着した加圧部材により上記条痕をそ
の形成面の反対側より押圧してガラス等の加工物を条痕
の縦断面に沿って切断する。
(作 用) 上記のように構成されたガラス等の加工物の切断装置で
は、受け部材に加工物に予め条痕を形成した面が接する
ように載置し、加工物の上面あるいは下面を加圧部材に
よりその条痕に沿って押圧する。すると、加工物を支持
する受け部材は、加工物のヤング率より小さいようなヤ
ング率を有する材料により形成されているので、この押
圧荷重により条痕に沿って局部的な圧縮応力を受ける。
そして、この局部的圧縮応力を受けた受け部材の部分が
他の部分と比較して厚さ方向に大きく収縮し、この結
果、加工物内に押圧荷重に比較した曲げモーメントが発
生する。この曲げモーメントによる引張応力は条痕部で
最大値となり、これによって条痕に沿って加工物の破断
が生じ、切断が行われる。
(実施例) 以下、添付図面を参照して本発明の一実施例について説
明する。
第1図は、本発明の切断原理を説明する図である。
まず、第1図について本発明の切断装置に元になるガラ
ス等の切断の原理を説明する(本発明と同一発明者によ
る出願、特願昭62−227185号を参照のこと)。
図示するように、定盤1上には切断加工を行うガラス板
2のヤング率E1より小さなヤング率E2を有する合成樹脂
製の平板3が載置されている。そして、この平板3の上
に切断加工を行なう加工物であるガラス板2を載置す
る。
まず、切断に際しては、上記ガラス板2の下面には切断
すべき形状の条痕Nを予めダイヤモンドカッターのよう
な工具で設けておき、その条痕Nが前記平板3の上面に
接するようにしてガラス板2を載置する。
このようにして平板3上に載置されているガラス板2の
上面には、その下面に設けた条痕に沿うように合成樹脂
からなるリボン状の加圧片4を載置し、その加圧片4に
図示しない荷重装置によって押圧荷重Wを加えれば、上
記ガラス板2は条痕Nに沿って切断される。
すなわち、上記ガラス板2を支持する平板3は、その平
板3のヤング率E2がガラス板2のヤング率E1より小さい
ような材料によって形成されているため、ガラス板2の
上面に載置されている加圧片4に押圧荷重を加えれば、
ガラス板2は条痕Nに沿って局部的圧縮を受けることと
なる。それに伴って平板3も局部的圧縮を受け、上記平
板3においては、上記局部的圧縮を受けた部分が他の部
分に比して厚さ方向に大きく縮む。このためガラス板2
内には押圧荷重Wに比例した曲げモーメントが発生し、
この曲げモーメントによる引張応力が条痕部で最大値と
なり、これによって上記条痕に沿ってガラス板2に破断
が起り、ガラス板2の切断が行なわれる。
第2図及び第3図は、本発明の一実施例であるガラス板
切断装置の正面図及び側面図である。
本発明では、このガラス切断の原理を応用して機械的に
切断を行なうためにガラス切断装置を構成する。添付し
た図面の第2図及び第3図に示すように、本発明の装置
は、第1図の加圧片4に代えて加圧ローラ5また平板3
に代えて受けローラ6を用い、両者の間には切断すべき
加工物である、例えばガラス板7が挟まれる。加圧ロー
ラ5は、その外周に加圧リム8を備えガラス板等の一面
に形成した条痕Nにその反対側の面から押圧荷重を集中
して加えることができるようになっている。また、受け
ローラ6は切断加工を行なうガラス板7のヤング率E1
り小さなヤング率E2を有する硬質の合成樹脂より構成さ
れている。なお、ガラス板の送り方向両端部に位置する
受けローラ6には、図示のように案内リムを設けてもよ
い。
また、加圧ローラ5にはアルミニウム合金が用いられ
る。
ガラス板7は、条痕Nをもつ面を下にしてそれに接する
ように設けられた支持ローラ10とその前後に設けられた
案内ローラ11により条痕の方向に移動可能に支持されて
いる。支持ローラ10と同軸にガラス板の送りハンドル12
が取付けられ、チェン13を介してスプロケットホイール
14に駆動可能に接続されている。スプロケットホイール
14は、これと同軸に設けた歯車に噛合うスプロケットホ
イール15の歯車と回転可能に接続し、さらにチェン16を
介してガラス板7をその上面より回転しながら押圧する
揺動押圧ローラ17に連結している。この構成により、送
りハンドル12を手で回転させると、これと同軸に固定す
る支持ローラ10が回転するとともに、この回転力がチェ
ン13、スプロケットホイール14,15、チェン16の順に押
圧ローラ17に伝達される。なお、送りハンドル12に代え
てモータ等の駆動機構を用いてもよい。また、支持ロー
ラ10と押圧ローラ17は、互いに逆方向に回転するので、
両者の間に弾性的に挟まれながらガラス板はそれに形成
した条痕Nの方向に徐々に送られるようになっている。
なお、受けローラ6、支持ローラ10及び案内ローラ11
は、ブラケット等により枠体18に枢着されている。
また、ガラス板7に押圧荷重を加え、ガラス板7の一面
に形成した条痕Nに沿って局部的応力を生起させるため
に、受けローラ6の上部にガラス7を挟んで外周に加圧
リム8を有する加圧ローラ5が設けられている。この加
圧ローラ5は、枠体18に立設した4本の支柱19に摺動可
能に支持された押圧板20に取付けられたブラケット21,2
2に枢着された軸に固着されている。押圧板20を下降さ
せて加圧ローラ5をガラス板7に押し付けるため、支柱
19の上端部に固着された緊締板23にネジ軸24が螺合され
ている。また、ネジ軸24の先端には押圧板20が固着され
ている。さらに、ネジ軸24の上端部に押圧ハンドル25を
固設して、この押圧ハンドル25の回転により押圧板20を
下方に移動させる。この押圧ハンドル20の代りにモータ
を設置して回転力をネジ軸24に伝えてもよいし、直接、
液圧シリンダ等により押圧板20を加圧してもよい。ま
た、押圧板20に対する押圧力を測定・検知するために押
圧板20とネジ軸24との間に、図示のように、リングゲー
ジ26を介在させてもよい。
さらに、ローラ6と加圧ローラ5との取付位置を天地逆
にして設置し、条痕(N)の形成面を上に向けて加工物
の下方より押圧してもよい。
第2図及び第3図に示す本発明の実施例のガラス等の切
断装置を用いてガラス板等の加工物の切断加工を行なう
際には、予め切断すべき寸法、形状、輪郭に条痕Nを形
成したガラス板7の一面を下に向けて、受けローラ6、
案内ローラ11上に載置する。このようにして、受けロー
ラ6、案内ローラ11上に載置されたガラス板7の上面に
は、その下面に形成した条痕Nに沿うように合成樹脂あ
るいはアルミニウム合金からなる加圧ローラ5の加圧リ
ム8を載置する。そして、本発明の装置の上部に設けた
押圧ハンドル25あるいは駆動装置を作動させて、押圧板
20を支柱19に沿って下降させ、ガラス板7の条痕に沿っ
て局部的応力を加えてガラス板を所望の形状に切断す
る。とくに、本発明の実施例に示すように、ガラス板7
を直線状に切断する場合には、加圧ローラ5の加圧リム
8を条痕の反対側の面に押し当てた後、ガラス板の送り
ハンドル12を手で回転させ、この送りハンドルと同軸に
設けたスプロケットホイールにチェンを介して連結する
スプロケットホイール14,15を回転させ、スプロケット
ホイール15の支軸に揺動レバーを介して揺動可能に支持
した押圧ローラ17を受けローラ10と逆方向に回転させ
る。押圧ローラ17は、その自重と別途付与された押圧力
により常に下向きに付勢されているので、受けローラ10
と押圧ローラ17の間に挟まれたガラス板7は、その間の
摩擦力により条痕Nの形成方向に沿って徐々に送られ、
その結果、ガラス板7は、条痕に沿って連続して切断さ
れる。
すなわち、上記ガラス板7を支持する受けローラ6のヤ
ング率E2(例えば、E2≒340kgf/mm2)がガラス板7のヤ
ング率E1(例えば、E1≒7,000kgf/mm2)より小さい材
料、例えばアクリル樹脂によって形成されているので、
ガラス板7の上面に載置されている加圧ローラ5に押圧
荷重を加えると、ガラス板7は、条痕Nに沿って局部的
圧縮力を受けるようになる。これに伴って合成樹脂より
形成された受けローラ6も局部的圧縮力を受け、この局
部的圧縮力を受けた受けローラ6の部分が他の部分に比
して大きく収縮する。このため、ガラス板7内には、押
圧荷重に比例した曲げモーメントが発生し、この曲げモ
ーメントによる引張応力が条痕部Nでは最大値となる。
これによって上記予め形成した条痕Nに沿ってガラス板
7の破断が生じ、ガラス板の連続した切断が可能とな
る。とくに、従来のような単なる曲げ加工では、切断が
不可能であったガラス板等の肉厚の加工物(例えば、20
〜40mm)でも押圧荷重を増すこと(例えば、肉厚40mmの
場合には、押圧荷重W≒1040kgf)によって容易に切断
することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明では、受けローラ上に載置
された加工物に押圧ハンドルあるいは駆動装置により局
部的に条痕に沿って押圧力を加え、加工物内に加工物を
受けローラとの材料のヤング率の差異により押圧荷重に
比例した曲げモーメントを機械的かつ連続して誘起させ
る。とくに、本発明では、その曲げモーメントによる引
張応力が予め形成した条痕部で最大となるとすると新規
な原理を利用したものであるため、従来の単なる曲げ加
工では切断できなかった厚板の切断も極めて容易に行な
うことができる。
また、その切断も機械的に連続して行えるので、騒音や
切屑の発生することもなく、かつ、切断面を鏡面とする
ことができる。さらに、機械的に行なうので、作業者に
対する危険性もなく、量産が可能となる。
さらに、直線状の切断だけではなく、ガラス板の送り方
向を変えることにより、厚板からなる正方形板を対角線
方向に切断してプリズムを採用することも可能である。
また、平面のみならず曲面あるいは比較的複雑な輪郭を
有する加工物の切断も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の切断原理を説明するための図、第2図
は本発明の一実施例であるガラス板等の切断装置の正面
図、第3図は本発明の一実施例であるガラス板等の切断
装置の側面図である。 5……加圧ローラ、6……受けローラ、7……ガラス
板、N……条痕、10……支持ローラ、11……案内ロー
ラ、12……ガラス板送りハンドル、17……押圧ローラ、
18……枠体、19……支柱、20……押圧板、23……緊締
板、24……ネジ軸、25……押圧ハンドル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−107800(JP,A) 特開 昭58−132728(JP,A) 実開 昭54−147885(JP,U) 実公 昭57−24486(JP,Y2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスからなる加工物の一面に予めダイヤ
    モンドカッターのような工具で切断すべき形状の条痕を
    設け、上記条痕に沿って上下に加工物を挟んで押圧荷重
    を加えて加工物を局部的に圧縮して上記条痕に沿って加
    工物を切断する装置において、上記押圧荷重を加える部
    材が2個のローラであって、上記条痕側に配置した受け
    ローラの材質が上記加工物のヤング率よりも小さいヤン
    グ率をもち、上記条痕に沿って上記ローラが押圧を加え
    ながら回転するようにしたを特徴とするガラス加工物切
    断装置。
JP63075077A 1988-03-29 1988-03-29 ガラス加工物切断装置 Expired - Lifetime JPH07100615B2 (ja)

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