JPH07100143B2 - 分級機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、砂利採取場、砕石場、その他砂などの固形物
が排出される処理場において、濁水から固形物を水洗選
別して回収する分級機に関するものである。

〔従来技術〕

従来、濁水から砂を水洗選別して回収する装置として
は、例えばロータリ分級機として特開昭49−124671号の
ように、回転ドラムの一端に原水供給部と分離水排出部
を、また他端には固形物排出部を配設するとともに、回
転ドラムの内周面に原水中の砂を排出部に向けて移送す
る送り羽根、即ちスクリューコンベヤを設け、さらに、
該送り羽根の終端部に移送された砂を掻上羽根ですくい
上げた後、排出部へ排出するものが知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、回転ドラム内で水とともに排出口側に移送さ
れる沈殿砂は、掻上羽根ですくい上げるだけなので、砂
の採取効率が悪いばかりでなく、採取砂の脱水状態も多
孔性掻上羽根で行っても良好でなく、しかも、分級機で
は微細粒子が沈降タンクの排水部にストークスの理論に
近く、順次粒子が粗、細、微のものが沈降堆積するのを
スパイラルコンベヤによってバケットまで移送したかき
上げから排出するので、滞留水が乱れやすく、その静粛
を期待するために、運転回転数を小さくしても、スパイ
ラルの面積および条数が相当大きいために、分級粒子の
沈降が妨げられてオーバーフローする率も高く、分級効
率が良くならないし、排水池の土砂堆積が早く、これの
排砂掃除等に費用がかかり過ぎ、又製品の分級点も所定
数値に収めると、必要以上に大型の機器を設置する必要
にかられ、かつドラム内では泥質分も砂排出側にも留ま
る傾向があり、水面上に層状になり、掻上羽根により順
次すくい上げられた沈殿砂の表面に付着し、せっかく洗
浄済みとなった沈殿砂に塗着混合されることになって、
分級砂の洗浄度を低下し、特に浮遊物は有機分が多いこ
と、さらに浮遊しやすい雲母細片、その他軽質の有害物
質などの不純物の混入割合が多くなって品質低下で商品
価値を著しく悪くするとともに、要求される洗浄度を出
すためには、再度洗浄機にかけなければならなくなる不
便不経済があるし、さらに作業現場が汚水で汚れて環境
上問題があった。

本発明は、これら従来の問題点を排除しようとするもの
で、濁水から固形物を著しく効率よく洗浄して採取でき
るとともに、滞留水に乱れ流動が少なく、採取固形物の
洗浄度を著しく向上した状態で、かつ脱水状態も良好な
ものとして歩留りよく回収できる分級機を提供すること
を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明においては、上述の目的を達成するため、懸濁液
中の固形物を沈降させる沈降タンクの内部に、粗粒子固
形物かき上げバケットを一端側に寄せて、又微細粒子固
形物かき上げバケットを略中程に位置するように回転軸
を介して軸支し、さらに、前記沈降タンクの底部には、
前記微細粒子固形物かき上げバケットを挟んで微細粒子
分級部を傾斜配備し、前記粗粒子固形物かき上げバケッ
トには、粗粒子分級部を前記微細粒子分級部に続いて傾
斜配備し、前記微細粒子固形物かき上げバケットには、
落下する固形物を前記粗粒子分級部に案内するシュート
を、また前記粗粒子固形物かき上げバケットには、落下
する固形物を前記沈降タンク外に排出するシュートをそ
れぞれ備えるようにしている。

なお、前記微細粒子固形物かき上げバケットが、固形物
受け容器部材であって、前記回転軸に放射状に複数配列
され、前記固形物を洗浄流過させる洗浄水の給水機構か
ら噴射される噴水帯域を通過するものであることが望ま
しい。

また、前記微細粒子固形物かき上げバケット、および粗
粒子固形物かき上げバケットが、通水性の中仕切板でバ
ケットの内壁面との間に隙間をあけて上下に区画されて
いるものであることが好ましい。

また、前記微細粒子分級部、および粗粒子分級部の滑落
斜面が、高分子合成樹脂板、又はステンレス板のライナ
ーで形成されているものであることが望ましい。

また、前記微細粒子分級部、および粗粒子分級部の滑落
斜面が、前記ライナーで形成されているものであって、
前記ライナー、又は沈降タンクの底面に起振用の振動機
を備えているものであることが好ましい。

さらに、前記沈降タンクが、上面開放の槽であって、槽
底が斜面で山部および谷部を形成し、前記谷部に前記微
細粒子固形物かき上げバケット、および粗粒子固形物か
き上げバケットを配備したものであることが望ましい。

〔作 用〕

上記構成を有する本発明によれば、沈降タンクに投入口
から供給された濁水は、貯留されている間に砂を含む固
形物が底に沈降し、上澄水がオーバーフロー樋を経由し
て排出口から排水される。また、沈降した固形物は、沈
降タンク内の底部斜面となるライナー上に滑落して所定
部位に流動し、粗粒子分級部の排出側にあるかき上げ用
の粗粒子固形物かき上げバケットに移送されて固形物が
かき上げられ、かき上げ中に固形物の脱水を行って、さ
らに上方に達して粗粒子固形物をかき上げバケットが反
転された位置で脱水された固形物が効率良く落下してシ
ュート上に導出することができる。

この場合、微細粒子分級部に流動する濁水中の細粒子お
よび微粒子の沈積固形分は、微細粒子固形物かき上げバ
ケットの両側にある斜面のライナー上に滑落して寄せ集
められ、微細粒子固形物かき上げバケットでかき上げら
れ、微細粒子固形物かき上げバケットの反転位置で給水
機構の噴水で洗浄され、シュートを介して粗粒子分級部
に移送されて粗粒子固形物かき上げバケットでかき上げ
られ、シュートを経て沈降タンクの外部に能率良く導出
されることとなる。

〔実施例〕

本発明の実施例を第１〜４図の例で説明する。本実施例
における分級機は、図面に示すごとく、上方に向けて開
放され、かつ砂などを含む固形物（以下、砂と総称す
る）の混入した濁水を供給する投入口20と、分離水を排
出するオーバーフロ樋13を経て排出口14とを有し、濁水
を受け入れ、貯留され砂を沈降させる沈降タンク１と、
この沈降タンク１内に回転自在に設けられ、沈降砂を掻
き上げるための微細粒子固形物かき上げバケット２、粗
粒子固形物かき上げバケット３のある微細粒子分級部４
と粗粒子分級部５とに沈降タンク１を区画形成し、微細
粒子固形物かき上げバケット２から落下する微細粒子を
粗粒子分級部５へ案内するシュート６と、粗粒子固形物
かき上げバケット３から落下する砂を沈降タンク１の外
部に導出する排出シュート７とを備え、微細粒子分級部
４、および粗粒子分級部５の底面を沈降粒子が滑落移動
する斜面に構成してある。

この場合、微細粒子固形物かき上げバケット２、粗粒子
固形物かき上げバケット３は、水切孔のある多孔板、又
はスクリーンで容器状に構成され、回転軸８に放射状に
複数配列され、沈降タンク１の底面に沿って移動し、沈
降砂をすくい上げられるように回転移動するドラムタイ
プに構成してあり、この粗粒子固形物かき上げバケット
３の外周面に必要に応じ振動起動部（図示せず）を備え
ている。

微細粒子分級部４の微細粒子固形物かき上げバケット２
の方は、砂を洗浄流過させる洗浄水の給水機構９から噴
射される噴水帯域に通過するようにして微細粒子の微細
粒子固形物かき上げバケット２からの剥離を容易にする
とともに、シュート６によって粗粒子側の粗粒子固形物
かき上げバケット３への移送を円滑にできるようにして
あるが、微細粒子固形物かき上げバケット２、粗粒子固
形物かき上げバケット３の各々は、通水性の中仕切板10
でバケット内壁面との間に隙間をあけて上下に区画され
ていて、脱水効果と脱落防止効果をあげられるように考
慮してある。

また沈降タンク１の各分級部４、５の底面は、粗、細、
微の各粒子の堆積固形分が順に滑落移動するように斜面
に形成して錐状底部としてあるが、滑落斜面とするた
め、高分子合成樹脂板、又はステンレス板のライナー11
の底面に張付けるか、揺動可能に配備するのが良く、い
ずれにしても槽底が斜面で山部および谷部を形成し、こ
の谷部に砂かき上げ用微細粒子固形物かき上げバケット
２、粗粒子固形物かき上げバケット３を配備してある。
なお、滑落斜面が、ライナー11で形成されている場合に
は、底面、又はライナー11に沈積固形分の流動促進用の
振動機12を備え、沈降物の堆積を防止することを確実に
することもできる。

また、シュート６、排出シュート７としては、樋状部材
であって、砂が脱落しないように微細粒子固形物かき上
げバケット２、粗粒子固形物かき上げバケット３の移動
路面に沿った曲板からなるガードプレート15、16を備え
ていて、微細粒子固形物かき上げバケット２、粗粒子固
形物かき上げバケット３が上に達したときに反転位置と
なって落下する砂を受けられる位置に配備され、他の部
分、或いは機外に誘導するものが用いられる。さらに、
前記ガードプレート14としては、一部に水切孔を設けて
も良いし、排出シュート７に邪魔板17を設けて良い。

なお、図中、18は支持用のスポーク、19は複数の軸受、
21はモータ、22は伝動部材で、例えば鎖車やチェンなど
が使用される。23は複数の監視台、そして24はフレーム
である。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、懸濁液中の固形物を沈降
させる沈降タンクの内部に、粗粒子固形物かき上げバケ
ットを一端側に寄せて、又微細粒子固形物き上げバケッ
トを略中程に位置するよう回転軸を介して軸支し、さら
に、前記沈降タンクの底部には、前記微細粒子固形物か
き上げバケットを挟んで微細粒子分級部を傾斜配備し、
前記粗粒子固形物かき上げバケットには、粗粒子分級部
を前記微細粒子分級部に続いて傾斜配備し、前記微細粒
子固形物かき上げバケットには、落下する固形物を前記
粗粒子分級部に案内するシュートを、また前記粗粒子固
形物かき上げバケットには、落下する固形物を前記沈降
タンク外に排出するシュートをそれぞれ備えているの
で、移送用コンベヤがなくても、所定固形物の沈降が容
易になようにし、滞水の流動も著しく少なくし、沈降機
能を大幅に高められ、分級製品の品質を良好にし、歩留
りも大幅に高められるし、沈降物の堆積をも適確に防止
し、沈降タンク内で沈降しつつある固形物中に同伴され
る異物をも適確に分離除去することができるとともに、
沈殿した固形物を極めて効果的に処理することができ、
高品質で含水率の低い回収製品が得られ、しかも、バケ
ット内の固形物は移動でしまり、適確な保持も可能で、
回収製品の脱落も少なく、歩留り良く回収率を大幅に高
められるし、バケットからの流出する水は沈降タンク内
に戻され、機外に流出しないので、作業現場が汚水で汚
れないし、バケット中での表面に層状に付着傾向にある
泥質分の分散除去も可能で洗浄度も著しく向上し、商品
価値を大幅に高められるなどの格別の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は平面図、第２図
は側面図、第３図は正面図、第４図は一部の切欠拡大正
面図である。 １……沈降タンク、２……微細粒子固形物かき上げバケ
ット、３……粗粒子固形物かき上げバケット、４……微
細粒子分級部、５……粗粒子分級部、６……シュート、
７……排出シュート（シュート）、８……回転軸、９…
…給水機構、10……中仕切板、11……ライナー、12……
振動機。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】懸濁液中の固形物を沈降させる沈降タンク
   の内部に、粗粒子固形物かき上げバケットを一端側に寄
   せて、又微細粒子固形物かき上げバケットを略中程に位
   置するよう回転軸を介して軸支し、さらに、前記沈降タ
   ンクの底部には、前記微細粒子固形物かき上げバケット
   を挟んで微細粒子分級部を傾斜配備し、前記粗粒子固形
   物かき上げバケットには、粗粒子分級部を前記微細粒子
   分級部に続いて傾斜配備し、前記微細粒子固形物かき上
   げバケットには、落下する固形物を前記粗粒子分級部に
   案内するシュートを、また前記粗粒子固形物かき上げバ
   ケットには、落下する固形物を前記沈降タンク外に排出
   するシュートをそれぞれ備えたことを特徴とする分級
   機。
2. 【請求項２】前記微細粒子固形物かき上げバケットが、
   固形物受け容器部材であって、前記回転軸に放射状に複
   数配列され、前記固形物を洗浄流過させる洗浄水の給水
   機構から噴射される噴水帯域を通過するものであること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の分級機。
3. 【請求項３】前記微細粒子固形物かき上げバケット、お
   よび粗粒子固形物かき上げバケットが、通水性の中仕切
   板でバケットの内壁面との間に隙間をあけて上下に区画
   されているものであることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の分級機。
4. 【請求項４】前記微細粒子分級部、および粗粒子分級部
   の滑落斜面が、高分子合成樹脂板、又はステンレス板の
   ライナーで形成されているものであることを特徴とする
   特許請求の範囲第１〜３項のいずれか一に項記載の分級
   機。
5. 【請求項５】前記微細粒子分級部、および粗粒子分級部
   の滑落斜面が、前記ライナーで形成されているものであ
   って、前記ライナー、又は沈降タンクの底面に起振用の
   振動機を備えているものであることを特徴とする特許請
   求の範囲第４項記載の分級機。
6. 【請求項６】前記沈降タンクが、上面開放の槽であっ
   て、槽底が斜面で山部および谷部を形成し、前記谷部に
   前記微細粒子固形物かき上げバケット、および粗粒子固
   形物かき上げバケットを配備したものであることを特徴
   とする特許請求の範囲第４項又は第５項記載の分級機。