JP6470139B2 - 微粒子除去装置 - Google Patents

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佳秀 宮崎
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Description

本発明は、細粒物とこれよりも小さい微粒子との混合物から、水洗により微粒子を除去するための微粒子除去装置に関する。例えば、砂利採取場や砕石場において、原液である濁水から砂を水洗選別して、回収する装置などに適用される装置である。
従来、砂利採取場や砕石場において、原液である濁水から砂を水洗選別して回収する装置として、例えば特許文献1に示される分級機がある。この分級機は、複数のバケットの近傍において濁水を受け入れて、これを十分に広い沈降槽全体に拡散させ、その過程で砂分を沈降させる。沈降槽の底に沈降した砂をスパイラル羽根で複数のバケット側へ移送するとともに、このスパイラル羽根と同軸で回転可能に設けられた複数のバケットによって掻上げて、振動篩へ排出するようになっており、振動篩で脱水された砂を回収する。濁水中のシルトや粘土などの泥分は、沈降する間もなく、複数のバケットとは反対側に設けられた堰の方へ流されて、堰を越流して排出される。
また、特許文献2に示される分級機もある。この分級機は、スパイラル羽根と複数のバケットの回転体との組合せという点で特許文献1に共通するが、特許文献1とは異なり、スパイラル羽根の回転軸と、複数のバケットの回転体の軸とが90度ずれている。
特開平8−196936号公報 特表2003−517370号公報
特許文献1に記載の従来型の分級機は、多くのユーザーに長期間使用され続けており、性能面で一定の評価が得られている。しかしながら、細粒物(砂など)と微粒子(泥分など)の沈降分離を安定させるためには、沈降槽にはスパイラル羽根のみを設け、バケット車を沈降槽には設けないことが必要であると考えられてきた。そのため、スパイラル羽根とバケット車は、1つの槽の中に設けられているが、上昇流の流速計算では、バケット車を収納する部分の水面の表面積を除いて、実際の槽よりも狭い表面積に基づいて流速を計算していた。バケット車が占める表面積の分だけ過剰な大きさの沈降槽を用いていたのである。このようなことは、機器のコンパクト化を図る上で、大きなネックになっていた。本発明は、構成要素を最小限に抑えた微粒子除去装置を提供することを目的とする。
発明者らは、機器を大幅にコンパクト化するためには、従来のスパイラル羽根をなくし、バケット車だけで微粒子を除去できるようにすることが重要であると考えた。しかし、単にスパイラル羽根をなくしただけでは、沈降した細粒物をバケット車が掻き混ぜてしまい、必要な微粒子の除去性能が得られなかった。そこで、発明者らは、バケット車だけの構成であっても、沈降槽内の水流が安定し、微粒子の除去性能を満足するような条件を鋭意研究し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の微粒子除去装置は、沈降速度の違いにより、細粒物と当該細粒物よりも小さい微粒子との混合物から前記微粒子を除去するための微粒子除去装置であって、
前記混合物および液体を受け入れて、前記細粒物を沈降せしめる沈降槽と、
前記沈降槽へ前記混合物および液体を流入するための流入部と、
前記沈降槽に形成され、前記微粒子を含んだ上澄み液を排出する上澄み排出部と、
水平軸周りに回転し、下側部分が前記沈降槽に貯えられる液体に没するように設けられ、外周に沿って環状に配置された複数のバケット部を有するバケット車と、
前記複数のバケット部のそれぞれに形成された水切り孔と、を備え、
前記流入部は、前記バケット部が液面から外に出る位置の付近に設けられ、前記上澄み排出部は、少なくとも前記バケット部が液面に入る位置の付近に設けられることを特徴とする。
ここで、前記バケット車の回転速度は、毎分0.1回転以上、1.0回転未満であることが好ましい。なお、厳密に1.0回転未満である必要はなく、概ね1.2回転未満であることが好ましい。
さらに、本発明の微粒子除去装置は、液面から外に出た前記バケット部の内部に向けて液体を散布する散布手段を備えることが好ましい。
また、前記バケット車は、該バケット車の直径Dに比例した数n(個/列)のバケット部を列ごとに有し、
前記バケット部の列ごとの数nは、必要な前記細粒物の回収量をA(kg/分)として、以下の式(1)を満たす値に設定されていることが好ましい。
w×n×T×N ≧ A ・・・(1)
ここで、wは、バケット部1個あたりの細粒物の排出量(kg/個)、
Tは、環状に並んだ複数のバケット部の列数(列)、
nは、1列あたりのバケット部の数(個/列)、
Nは、回転速度(回転/分)。
また、本発明の微粒子除去装置は、前記バケット車を一定速度で回転駆動させるとともに、当該バケット車の速度設定値を変更可能な制御手段を備えることが好ましい。
<装置のコンパクト化>
本発明の構成によれば、従来装置に存在したスパイラル羽根、スクリューコンベアなどの送り機構をなくし、バケット車だけを主な構成要素とする非常にコンパクトな構成を実現することができる。
<液面の乱れを抑えることによる微粒子の除去性能の維持>
バケット部が液面から外に出る位置の付近に流入部を設けて、バケット部が液面に入る位置の付近に上澄み排出部を設けたので、沈降槽内の液体の流れが安定し、微粒子の除去性能を維持することができる。また、流入部と上澄み排出部をこのように配置することで、沈降槽の液面における流入部から上澄み排出部までの長い距離が確保され、沈降槽の容積を沈降作用のために効率よく用いることができる。
<脱水性能>
複数のバケット部を「外側排出型」にすることで、バケットによる滞留角度を構造的に確保することができ、バケットでの滞留時間を大幅に長くすることができる。バケット車の回転に伴って、複数のバケット部により掻上げられた細粒物(回収物)は、バケット車の内側ではなくて、バケット車の外側へ排出されるからである。例えば、液面から外に出てから、120度以上、190度以下のいずれかの回転角度(滞留角度とも呼ぶ。)の位置で細粒物を排出するように形成するとよい。このように構成することで、液面から上がったバケット部での水切り時間が長くなり、細粒物が排出部から排出される際には、液体の含有率の低い状態の細粒物になっており、専用の脱水装置が必須にならない。
なお、従来のバケット車は、内側排出型のバケット部であり、滞留角度が45度から90度と小さいため、脱水性が良くなかった。そのため、バケットにより排出された回収物を別途、専用の脱水装置(振動篩など)でさらに脱水する必要があった。
<微粒子の除去性能>
沈降槽に設けたバケット車の回転が低速であるため、槽全体を沈降槽として使用できる。バケット車の周速が小さくなり、液中内での撹拌作用や液面を出入りする際の液面の乱れなどが抑えられ、沈降槽内の液体の流れが安定する。そのため、細粒物の沈降作用に与えるバケット車による影響が小さく、細粒物から微粒子を効率よく分級させることができる。 沈降槽内で微粒子は、以下のようにして細粒物から分離する。まず、沈降槽に投入または圧送された細粒物と微粒子との混合物は、沈降槽への流入直後、液中にやや潜り込んで、槽全体に拡散する。そして、その過程で液中での沈降速度の差により、細粒物は、槽内の上昇流に抗してそのまま沈降して底に堆積し、バケット部で掬い上げられて排出される。また、微粒子は、沈降する間もなく槽内の上昇流に乗り、浮遊した状態になって上澄み液とともに排出部から排出される。ここでの上昇流は、槽に液体が絶え間なく流入されることで、流入された液体が次々に下方に潜り込むことによって、投入部から離れたところで先に投入された液体が押し上げられることによって、生じる流れである。
なお、上昇流によって、細粒物の一部が液面に押し上げられるかもしれないが、沈降槽の液面の広さが十分に確保されているから、再び沈降する可能性が高くなる。
また、細粒物に付着して一緒に沈降してしまう微粒子もあるだろうが、堆積した細粒物がバケット部で掻き混ぜられることで、微粒子が細粒物から離れて、上昇流に乗る割合が高くなる。
以上のように、バケット車の回転速度を毎分0.1回転以上、1.0回転未満という低速にすることで、バケット車の入った沈降槽であってもバケット車が細粒物の沈降作用に与える影響が小さく、上記のような上昇流と沈降作用とのバランスによる微粒子の高い除去性能、つまり細粒物の高い分級性能を確保することができる。これにより、バケット車を収納する部分の液面の表面積を含む、沈降槽内の液面の全表面積に基づいて、上昇流の流速を計算することができ、コンパクトな沈降槽を用いることができるのである。
また、バケット車の回転速度が低速であることで、液面から上がったバケット部での水切り時間も長くなり、バケット車の脱水性能が向上する。
<液体の散布手段による微粒子の除去性能の向上>
さらに、液面から外に出たバケット部の内部に向けて液体を直接散布する散布手段を設けたことで、バケット部の回収物に対して少量の液体で効率的に洗浄することができる。つまり、液体散布によって、回収物に付着した微粒子を洗い落すことで、微粒子の除去性能が向上し、微粒分量試験値の低減効果がある。ここでの微粒分量試験値とは、回収物に含まれる呼び寸法75μmの網ふるいを通過する微粒子の量であり、回収物の全質量に対する比率で表される。また、散布手段によって洗浄された細粒物は液体で濡れた状態になるが、洗浄後のバケットでの滞留時間が長いため、その間に十分脱水される。なお、ここでは、上記の呼び寸法75μmを用いて説明したが、この数値は一例であり、これに限るものではない。
<必要な回収量を確保する対策>
バケット1個当たりの回収量が多いと、バケット内の回収物の層が厚くなり、バケット内での回収物の姿勢が変化しにくくなり、バケットによる脱水性(水切り性)が悪くなる。また、バケットへの液体散布による洗浄性も悪くなる。そのため、本発明では、バケット1個当たりの回収量を少なく設定することが望まれる。しかし、バケット車の回転速度を低速にしつつ、バケット1個当たりの回収量も少なくすると、装置全体で必要な回収量が確保できなくなってしまう。
従来のバケット車は、「内側排出型」のバケット部を有するものが多く、バケット数を増やすと構造的に製造することが困難になりやすかった。
これに対して、本発明では、「外側排出型」のバケット部を採用することで、バケット数を比較的容易に増やすことが可能になった。すなわち、本発明におけるバケット車は、その直径Dに比例した数n(個/列)のバケット部を列ごとに有するものとし、バケット部の列ごとの数nは、必要な前記細粒物の回収量をA(kg/分)として、前述の式(1)を満たす値に設定されるようにした。
式(1)により、バケット車の回転速度が同じであっても、1列あたりのバケット部の数を多く設定すれば、必要な装置全体の回収量が確保される。よって、バケット部1個当たりの容積を大きくしなくても、装置全体の回収量を確保できる。また、バケット内の回収物の層厚も薄いままにすることができ、回収物の姿勢変化が起こりやすい状態を維持できる。従って、バケットによる脱水性や液体散布による洗浄性が確保される。
このように、1列あたりのバケット部の数n(個/列)が、列数Tと回転速度N(回転/分)と規定の回収量A(kg/分)に応じて定まり、その定まったn(個/列)によりバケット車の直径Dが決定されるようにした。例えば、回転速度Nを多少早めても、1個のバケット部が1回転で回収できる量を確保できるのであれば、式(1)によって、必要なバケット部の数nが減り、より小さい直径Dのバケット車に設定できるようになる。従って、装置の処理能力や分級精度を維持しつつ、バケット車のサイズのミニマム化が可能になる。なお、回転軸方向へのバケット車の幅寸法を大きくすることによって、装置全体の回収量を確保してもよい。
<回収物の品質・性状の確保と効率化>
また、一定速度で回転するバケット車の速度設定値を定格回転数の範囲内で変更できるようにしたので、回収物を要求する品質・性状で効率的に回収することができる。この場合、インバータを用いて速度設定値の変更を行うようにしても、インバータ以外の構成によって速度設定値の変更を行うようにしても構わない。
本発明の一実施形態の分級機の概略構造を示す正面断面図である。 前記分級機の正面図である。 前記分級機の平面図である。 前記分級機の側面図である。 前記分級機を構成するバケット車の正面図およびB矢視図である。 前記バケット車の各バケットに形成される水抜き孔を説明するための図。 前記分級機を構成する沈降槽の正面図、平面図およびC矢視図である。 前記分級機を構成するフィードボックスの正面図およびA矢視図である。 前記分級機を構成する排出シュートの正面図およびD矢視図である。 前記分級機を構成する散水シャワーとバケット車の位置関係を示す図。 打抜網の整流作用を説明するための断面図。 前記バケット車の整流作用を説明するための正面断面図。 前記沈降槽に設けられた整流板の整流作用を説明するための側面断面図。 前記沈降槽に設けられた整流板の変形例を説明するための平面図。 前記変形例についての側面図である。
本発明の一実施形態にかかる微粒子除去装置としての分級機について図面に基づいて説明する。微粒子除去装置は、液体中の沈降速度の違いにより、細粒物とこれよりも小さい微粒子との混合物から微粒子を除去するための装置であるが、本実施形態の分級機は、細粒物である砂と、砂よりも小さい微粒分(シルトおよび粘土)との混合物である濁水から、微粒分を除去する装置である。
図1に示す概略構造のように、本実施形態の分級機は、濁水を受け入れる沈降槽2と、この沈降槽2内の濁水にほぼ下半分が没するように配置されたバケット車4とを主な構成として有し、非常にシンプルでかつコンパクトな構成である。
バケット車4の外周の複数のバケットは、外側掻上げ・外側排出型である。これらのバケットが濁水の水面から出るところに最も近い沈降槽2の縁には、フィードボックス8が取り付けられている。図1では、沈降槽2の左側の壁面の上縁の中央位置にフィードボックス8がある。また、バケットが水面に入るところに最も近い沈降槽2の縁に、排出シュート22が取り付けられている。図1では、バケット車4に対してフィードボックス8とは反対側の壁面の上端に排出シュート22がある。沈降槽2の右側壁面の上縁には、上記の排出シュート22を挟んだ両側に一対の越流堰10が設けられている。この越流堰10の上端が、濁水の水面レベルになる。
図1のバケット車4は外形図で示されている。バケット車4は、回転軸14に対して同心状に設けられた円盤型バッフルプレート26(孔無し)、環状のバッフルプレート38(多数の孔有り)、および、環状のバケット形成部18を有し、時計回りに回転自在に設けられている。
以下、図2〜図4の三面図(正面図、平面図および側面図)を用いて、本実施形態の分級機について詳しく説明する。これらの図では、図1の環状のバッフルプレート38を外した状態を示す。図2に示すように、沈降槽2は、濁水を受け入れて、砂を沈降せしめる槽である。沈降槽2には、流入樋6から供給される濁水が貯留される。沈降槽2には、流入樋6の吐出口の周囲を覆うように形成されたフィードボックス8が取り付けられている。このフィードボックス8は、下方に開口しており、流入樋6から投入された濁水を下方の開口から沈降槽2内へ案内する。なお、沈降槽2が濁水を上限レベルまで蓄えた状態では、フィードボックス8の下部が濁水に没するように、フィードボックス8の下端は越流堰10の上端よりも下方に位置する。
沈降槽2に供給された濁水は、沈降槽2に貯留されている間に砂が底に沈降する。絶え間なく沈降槽2に投入されるため、濁水はフィードボックス8から越流堰10に向けて移動する。その間に、砂はそれぞれの沈降速度に応じて落下する。沈降速度の大きい砂はフィードボックス8の近くで底に溜まり、沈降速度の小さい砂はフィードボックス8から離れたところで底に溜まる。一方、沈降速度の非常に小さい泥分は、落下することなく、槽内の濁水の上昇流にのって浮遊し、そのまま上澄み水に含められて、越流堰10から溢れてオーバーフロー樋(越流樋)12を通じて排水される。越流堰10およびオーバーフロー樋12は、本発明の上澄み排出部に相当し、これによって微粒分を含んだ上澄み水が排出される。なお、上澄み排出部としては、堰に限らず、槽壁の所定レベルに形成された孔でもよい。この場合、上澄み液は孔から排水される。
バケット車4は、水平な回転軸14と、回転軸14に固定された円盤型バッフルプレート26と、このプレート26から放射状に張られた複数本の支持材16と、これらの支持材16に支持された環状のバケット形成部18とから成る。なお、円盤型バッフルプレート26と環状のバケット形成部18との間のスペースに、環状のバッフルプレート38を取り付けてもよい。
バケット形成部18は、回転軸14の軸方向に並んだ互いに平行な3枚の環状の板18a(回転刃のような外周形状を有する。)と、その隣り合う環状の板18a同士を連結する外板(掻上げ板)18b、内板18cおよび底板18dとを有する。外板18b、内板18cおよび底板18dの組数は、形成される外掻上げ式バケット20の個数と同じである。つまり、1組の外板18b、内板18cおよび底板18dによって1つのバケット20が形成される。なお、内板18cの表面は、その回転方向にある隣りのバケット20の外板18bの表面と連続するように配置されている。このようにして外側掻上げ、外側排出型のバケット20が形成される。図2の例では、12箇所のバケット20が環状に形成され、一列分のバケット列を構成する。なお、1列あたりのバケット20の数(n個/列とする。)は、後述する式(1)により設定されるものであり、列数Tと回転速度N(回転/分)と規定の回収量A(kg/分)に応じて定められるので、図2に示す12箇所に限定されるものではない。
バケット車4は、その回転軸14よりも下側部分が沈降槽2に貯えられる濁水に没するように、沈降槽2に対して配置されている。バケット車4の外周に沿って環状に配置された複数のバケット20の掻上げ板(外板)18bが、沈降槽2の底に沈降した砂を掻上げて、排出シュート22に排出するようになっている。このため、バケット20を形成する内板18cおよび外板18bは、これらが排出シュート22に接近した際に、砂を排出シュート22に落下させるように、傾斜している。
本実施形態では、バケット車4a,4bが回転軸14の軸方向に2列に並んでいる。そして、2列のバケット車4a,4bからの砂の排出タイミングに位相差を設けたので、砂が機外に定量的に排出される。なお、後述の式(1)の説明でも述べるように、バケット車の列数Tを変えることによって、分級機の回収量Aを増減させることができる。従って、本実施形態ではバケット車を2列設けているが、これに限らず、1列であっても、3列以上バケット車を並べても構わない。2列以上並べる場合の位相差についても適宜設定することができる。位相差なしで全てのバケット車が同じタイミングで回収砂を排出するようにしても構わない。
図3の平面図に示すように、バケット車4は、その水平な回転軸14が沈降槽2に配置された一対の軸受40によって支持されている。2つの軸受40は、平面視でほぼ長方形の沈降槽2において、長辺側の一対の壁部の上端中央に設けられている。ここでは、モータM側を駆動側の軸受と呼び、反対側を非駆動側の軸受と呼ぶ。
フィードボックス8から越流堰10への方向、つまり、長方形の沈降槽2における一方の短辺側の壁部から他方の短辺側の壁部への方向を、濁水の流れ方向とする。そうすると、回転軸14の軸方向は、この流れ方向に直交する方向である。
バケット車4は、円盤型バッフルプレート26を2枚有し、これらは回転軸14の駆動側と非駆動側の2箇所に固定されている。それぞれのプレート26には複数本の支持材16(図2参照)が放射状に固定され、それらの先端部によって環状のバケット形成部18が支持されている。軸方向の中間に位置する環状の板18aは、バケット20を形成する部材(18b,18c,18d)によって駆動側および非駆動側の環状の板18aとそれぞれ連結されている。なお、環状のバケット形成部18は、回転軸14を中心に回転可能に支持されていればよく、図2に示す環状のバケット形成部18の支持構造は一例に過ぎない。
本実施形態では、一例として回転軸14を中心に2列の環状のバケット車4a,4bを設けた。この例では、各バケット車4a,4bは、12個のバケット20を有するが、駆動側の列のバケット20に対し、非駆動側の列のバケット20は、回転方向に15度ずれた位置に形成されている。なお、ずれの角度は、バケット車の列数Tおよび1列あたりのバケット数nに応じて定められるもので、15度に限定されるものではない。
図3の平面図に基づいて、沈降槽2におけるフィードボックス8、排出シュート22、越流堰10、およびバケット車4の位置関係を説明する。フィードボックス8は、バケット20が水面から外に出る位置の付近に設けられる。図3では、フィードボックス8は、沈降槽2の短辺側の壁部に沿ってほぼ中央位置に取り付けられている。排出シュート22は、反対側の壁部のほぼ中央位置に取り付けられている。従って、フィードボックス8、バケット車4および排出シュート22は、この順に流れ方向に沿ってほぼ一直線に並ぶ。
越流堰10A,10Bは、バケット20が水面に入る位置の付近の2箇所に設けられている。図3では、越流堰10A,10Bは、排出シュート22のある短辺側の壁部の両端に形成されている。駆動側の越流堰10Aも非駆動側の越流堰10Bも、短辺側の壁部からそれぞれ長辺側の壁部に沿って細長い形状になっている。
このため、沈降槽2に濁水が投入されると、フィードボックス8からバケット車4aの駆動側を通って越流堰10Aまでの安定した水流と、フィードボックス8からバケット車4bの非駆動側を通って越流堰10Bまでの安定した水流とが形成される。
なお、図3には、排出シュート22の直下に設けられた排出管46が示されている。この排出管46は、沈降槽2の短辺側の壁部に沿って駆動側から非駆動側まで貫通して設けられており、越流樋12からの上澄み水がこの排出管46を通っていずれの方向からでも排出可能になっている。
バケット車4の駆動手段として、例えば回転軸14と直結型の減速機付きモータMを用いてもよい。大小スプロケットを用いたチェーン伝達駆動付きモータとしてもよい。これらによって、バケット車4を所定の回転速度で定速運転させることができる。定速運転のための速度設定値は、バケット車のサイズに応じて異なる。また、モータMをインバータ仕様にすることによって、バケット車4の定速運転のための速度設定値を、毎分0.1回転以上、1.2回転未満の範囲(好ましくは、毎分0.1回転以上、1.0回転未満の範囲)で調整できるようにしてもよい。すなわち、本実施形態の分級機に、バケット車4を一定速度で回転駆動させるとともに、バケット車4の速度設定値を規定範囲内で高速にも低速にも変更可能な制御手段を備えてもよい。バケット車4を低速運転させることにより、微粒分の分級性能が向上する。すなわち、バケット車4の周速が低く抑えられ、バケット20による水中内の撹拌作用や水面へバケット20が出るときの水面の乱れも抑えられるので、沈降槽2内の水流が安定し、微粒分の分級性能が向上する。また、バケット内での滞留時間が長くなるので、バケット20による回収物の脱水効果が向上する。
本実施形態の分級機では、沈降槽2の中にバケット車4を設けているが、上昇流の流速計算は、このバケット車4を収納する部分の水面の表面積を含む、沈降槽2の全体の水面の面積に基づいて行われる。これは、バケット20が水面から外に出る位置の付近にフィードボックス8を設けて、バケット20が水面に入る位置の付近に排出シュート22を設けたことで、沈降槽2内の濁水の流れが安定し、微粒分の除去性能を維持できるからである。また、沈降槽2の水面におけるフィードボックス8から排出シュート22までの長い距離が確保され、沈降槽2の容積を沈降作用のために効率よく用いることができるからである。これによって装置のコンパクト化を達成することができた。
従来の分級機において、バケット車の周速が大きく、槽内を撹拌する作用が強過ぎるという課題もあった。これに対して本実施形態の分級機では、バケット車4を低速で回転させるようにした。
また、沈降槽2に適宜バッフルプレートや傾斜板を取り付けたり、バケット車4自体に濁水の整流機能を持たせたりすることにより、従来と同等のバケット車4の回転速度を維持することも可能になる。
なお、沈降槽2の水面と実質的に交差しているバケット20の断面積について説明する。沈降槽2の全水面の面積を100%とした場合に、実質的にこの水面と交差しているバケット20の断面積の割合は、5%〜40%になる。
また、本実施形態では、バケット1個当たりの容量が小さく、バケット内での回収物の層厚が薄い。このため、バケット車4での滞留時間内に回収物の姿勢変化が生じやすくなり、バケット20での脱水性が向上する。また、小さなバケット20を用いることで、バケット20が水面から出る際の水面の乱れや、水面から出た後にバケット内に貯まった水の抜け出る勢いによる水面の乱れも抑制できるようになる。
一方で、バケット車4を低速運転させて、かつ、バケット1個当たりの容量を小さい状態のままにしても、分級機に本来求められる回収能力を維持できるようにする必要がある。本実施形態におけるバケット車4は、その直径Dに比例した数n(個/列)のバケットを列ごとに有する。そして、各列のバケットの数nを、必要な細粒物の回収量をA(kg/分)とした場合に、次式(1)を満たす値に設定している。
w×n×T×N ≧ A ・・・(1)
ここで、wは、バケット1個あたりの製品砂の排出量(kg/個)、
Tは、環状に並んだ複数のバケット車の列数(列)、
nは、1列あたりのバケットの数(個/列)、
Nは、回転速度(回転/分)とする。
このようにして、1列あたりのバケット数nが、列数Tと回転速度Nと規定の回収量Aに応じて定まり、その定まった数nによりバケット車4の直径Dが決定される。例えば、回転速度Nを多少速めても、1個のバケットが1回転で回収できる量を確保できるのであれば、式(1)によって、必要なバケット数nが減り、より小さい直径Dのバケット車4に設定できるようになる。従って、分級機の処理能力や分級精度を維持しつつ、バケット車4のサイズのミニマム化が可能になる。なお、本実施形態では、1本の回転軸にバケット車4a,4bを複数列配置したものを用いている。
図4の側面図には、沈降槽2内での砂の沈降・堆積状態と、泥分の浮遊状態とを模式的に示す。槽内の上向き矢印は、濁水の上昇流である。呼び寸法がおおよそ75μm以上の粒子(砂)はこの上昇流に抗して沈降するが、呼び寸法がおおよそ75μm未満の粒子(泥分)は上昇流にのって浮遊し、越流堰10をオーバーフローして排出される。
なお、図4には、沈降槽2の長辺側の側壁に軸受40を支えるための補強板44が示されている。
従来の分級機において、回収物の搬送中にバケットの打抜部や打抜網から水分や砂が落下して、これが槽の水面を乱すという課題もあった。これに対して本実施形態の分級機では、以下に説明するような多孔板もしくは打抜網からなる円筒型バッフルプレート24を用いて、沈降槽2内の水面の乱れを抑制するとともに、安定した水流を維持している。
図5に、環状のバッフルプレート38(図1参照)を取り外した状態のバケット車4を示す。なお、図5のバケット車4は、支持材16に取り付けられた円筒型バッフルプレート24を有するが、円筒型バッフルプレート24の取付けは任意である。この円筒型バッフルプレート24は、回転軸14に対して同心円状に設けられ、円筒の直径は、回転軸14に固定された円盤型バッフルプレート26の直径よりも大きく、複数のバケットが環状に形成されたバケット形成部18の内径に一致する。
バケット形成部18のバケット20は、図6に示すように、多数の水切り孔42を有する。バケット20を形成する各部材(18a,18b,18c,18d)における孔42の有無、孔42の大きさや範囲については自由度がある。図6には、外板18b、内板18c、底板18dの全範囲に多孔板もしくは打抜網を用いてバケット20を示すが、これらの部材の一部の範囲にだけ孔42が形成されたバケットでもよい。すなわち、掻上げによって砂とともにバケット20に入った水が、バケット形成部18の内側に抜けて、回収物の脱水が可能であればよい。なお、バケット20の孔42の直径は、水切り性能だけでなく、後述するバケット20の整流作用も考慮して決定される。具体的には、分級点(75μm)の50〜250倍の大きさがよい。本実施形態では、バケット20の孔径を8mmにしているが、これに限らない。
各バケット20は、バケット車4の約半周分の滞留時間内で、掻上げた砂の脱水を行う。例えば、滞留角度が120〜190度の間のいずれかの角度であるとよい。本実施形態の滞留角度を図5に二点鎖線の矢印で示す。滞留角度が大きいため、バケット内の砂の姿勢変化が生じて、脱水効率が向上する。図2の正面図には、バケット内の砂の姿勢変化の様子を模式的に示した。
バケット20の水切り孔42は、脱水を目的とするが、同時に砂もバケット形成部18の内側に入ってしまう。そこで、バッフルプレート24は、落鉱対策用のプレートとして、バケット20から落下する水や砂などが直接、勢いよく水面に落下するのを回避するために設けられている。すなわち、バケット車4による砂の搬送中、バケット内部の砂と水の一部はバケット20の水切り孔42を抜ける。落下した水や砂は、バッフルプレート24の円筒面で受け止められ、表面をつたって静かに水面に入る。バッフルプレート24の円筒面には、多数の水切り孔が形成されている。円筒型バッフルプレート24の水切り孔の直径は、後述するような整流作用よりも砂の落下防止が優先されるため、バケット20の孔径よりも小さい方がよい。具体的には、分級点(75μm)の30〜300倍の大きさがよい。本実施形態では、プレート24の孔径を3mmにするが、これに限らない。
なお、本実施形態のバケット車4では、環状に配置された複数のバケット20と円筒型バッフルプレート24間のスペースに砂が溜まる可能性がある。図1には砂がバケット車4の内部に入って溜まる様子を模式的に表している。このような砂をバケット車4の外部に排出するため、バケットの内板18cのいくつかには、その裏側に砂捕集部材48が取り付けられ、また、バケットの環状の板18aには砂捕集部材48に対応する位置に開口50が形成されている。バケット車4の内部の砂が、砂捕集部材48に溜まれば、すぐ脇に形成された開口50から外部に排出されるのである。
図7に示すように、沈降槽2には、複数の傾斜板28が設置されている。これらの傾斜板28は、沈降槽2の前方壁の内側と、後方壁の内側とにそれぞれ形成されている。前方壁の傾斜板28について説明すると、複数の傾斜板28が上下方向に距離をおいて互いに平行に設けられ、個々の傾斜板28については沈降槽2の中心側の端部が深くなるように傾斜して設けられている。これらの傾斜板28は、砂の沈降時間(距離)を短縮するので、実質的に沈降槽2の沈降面積を大きくしたことと同じ効果が得られる。
また、図7に示すように、沈降槽2には、越流堰10の付近に、ちょうど越流堰10とバケット車4との間を区切るようにして、一対の整流板30が垂直に設けられている。整流板30の上端は水面から出るように設けられ、その下端は槽の底面まで達している。整流板30は、多孔板もしくは打抜網からなり、これにより、バケット車4のバケット20が水面に入る際の水面の乱れが拡散されず、整流板30表面の複数の孔によって整流されて水面が安定するので、砂が越流堰10を超えてしまうのを回避することができる。
図8に示すように、フィードボックス8は下方に開口しており、その開口部32が沈降槽2の水面以下になるように設置されている。フィードボックス8には、投入される濁水の勢いを弱めるために、ボックス8の内面に緩衝プレート34が取り付けられている。これにより、濁水を定量的に沈降槽2に流入させることができる。また、濁水がボックス8の下方へ流れ落ちるため、沈降槽2の底に堆積する砂も、濁水の流れによって誘導され、沈降槽2全体に拡散される。同時に、沈降槽2の水流が整えられる。
図9に示すように、排出シュート22は、バケット20により搬送された砂を受け取り、図示しない搬送機器あるいは貯留箇所へ排出する。なお、本実施形態では排出部として排出シュート22の場合を説明したが、これに限らず、バケット20からの砂を受け取る振動篩やその他の機器を排出部としても構わない。本実施形態では、外側排出型のバケット20を用いているので、製品砂を分級機外に排出した後、生産量にあったサイズの脱水機を使用することができる。このようにすれば、脱水効率は飛躍的に向上する。
図10に示すように、外掻き上げ式のバケット20により掻上げられた砂を、その真上から直接散水するように、散水シャワー36が設けられている。掻上げられた砂に付着する微粒分やバケット20に付着する微粒分を噴射する洗浄水によって洗い流すことができるので、装置の洗浄性能が向上する。また、従来、水受樋に使用していた水を散水として利用することができる。バケット車4の外側から散水することができるので、水量の変更や散水方法を変更する際の自由度が高くなる。例えば、散水ノズルを多段階に設置することも容易である。
上記のような散水シャワー36を用いて装置の使用条件が急変した場合にも対応できる方法について説明する。従来の分級機においては、原料が微粒分の多い粗悪な状態であったり、洗浄に必要な水量の確保が困難であったりする場合に、機械側での調整代が小さく、このような使用条件の変化に十分対応することが困難だった。そのため、洗浄不足などが生じて品質が維持できないといった課題があった。
これに対して本実施形態の分級機では、バケット車4だけで、掻上げ・洗浄・脱水・排出の性能を確保できるので、散水シャワー36の使用は、洗浄性能をさらに向上させる場合にだけ用いるようにしてもよい。このことは、突然原料が粗悪な状態に急変した場合であっても、散水シャワー36の水量調整を行うことで、バケットで回収される砂の微粒分量試験値を低減できることを意味する。つまり、装置の使用条件が急変した場合にも対応できる機械側の調整代が得られるようになった。
また、定速回転するバケット車4の速度設定値をインバータによって変更可能にした。規定範囲内の回転数でバケット車4の速度設定値を変更することによって、分級、掻上げ量、洗浄、脱水などの調整をすることが可能になった。
図11〜13を用いて、本実施形態におけるバケット車4の整流作用、および、沈降槽2に取り付けられた一対の整流板30の整流作用について説明する。
一般的に打抜網などからなる整流板は、図11に示すように、多数の孔によって、乱流を整流する作用を示す。この整流作用において、濁水中の泥分は乱流の影響を受けてもスムーズに孔を通過するが、砂は乱流の影響で孔を通過できず孔の前で沈降する可能性が高まる。
例えば、バケット20が水面下に位置する場合は、多数の水切り孔42が、各方向からの水流を整流する効果を発揮する。また、水面下にあるバッフルプレート24の部分も、整流板として機能する。すなわち、プレート24の複数の孔が、プレート24に直交する水流を整流する。
図12に本実施形態における沈降槽2内の濁水の流れを模式的に示す。図12には、投入された濁水が低速回転するバケット車4の内側に入って、越流堰10の方に進行する様子を描いた。濁水は、投入直後は強い乱流状態にあるが、バケット20の多数の孔42を通過し、さらに、円筒型バッフルプレート24表面の多数の孔を通過することで、徐々に、弱い乱流、整流と変化していき、安定した流れになる。また、この過程で、砂の沈降作用も促進される。このような整流効果がバケット車4自体にある。
図13には、図12とは直交する方向での濁水の流れを模式的に示す。図13には、越流堰10付近における濁水が低速回転するバケット車4の内側から越流堰10に向けて移動するようすを描いた。濁水が、バケット車4の内側において弱い乱流状態になったとしても、整流板30に設けられた多数の孔を通過することで、整流され、安定した流れになって越流堰10側に移動することが分かる。また、この過程で、砂の沈降作用も促進される。このような整流効果が一対の整流板30自体にある。
さらに本実施形態のバケット車4には、図1のように、円盤型バッフルプレート26と環状のバケット形成部18間のスペースに、環状のバッフルプレート38を取り付けてもよい。この環状のバッフルプレート38は、バケット20と同様に多数の孔を有するため、濁水の整流作用と砂の沈降作用の促進効果が得られる。
なお、円盤型バッフルプレート26についても表面に多数の孔を有するものを用いてもよい。また、環状のバッフルプレート38については図2に示すようにバケット車4から取り外した状態で使用してもよい。
以上のように構成される分級機の動作について大まかに説明する。
図2の正面図に示すように、(1)フィードボックス8に濁水が投入され、濁水は沈降槽2に拡散する。(2)沈降槽2内の傾斜板28や整流板30などの作用によって、砂の沈降が促進され、微粒分から分離される。また、バケット車4のバケット20に形成された水抜き孔42も加わって、各方向からの水流が整えられ、安定した水流が形成される。(3)呼び寸法75μmよりも小さいシルト、粘土などの微粒分は、沈降槽2内に順次流入される濁水により生じる上昇流によって、最終的に越流堰10を超えて槽外に排出される。(4)同時に、呼び寸法75μm以上の砂は、沈降槽2の底に堆積し、バケット車4のバケット20で掻上げられる。そして、砂は、水面に浮上した直後に散水シャワー36で洗浄され、バケットによる滞留時間内で脱水し、製品砂として搬送される。(5)排出シュート22は、搬送された製品砂を受け取り、搬送機器あるいは貯留箇所などへ排出される。
本実施形態の分級機の変形例について図14,15を使って説明する。図14の平面図に示すように、この変形例では、バケット車4の駆動側および非駆動側に、沈降槽2に固定された広い面積の整流板130A,130Bが設けられている。整流板130A,130Bの長さは、フィードボックス8から排出シュート22に至る。しかし、整流板130A,130Bの高さは、上端は水面より高い位置まであるが、下端は沈降槽の底までは無く、図15に示すように、沈降槽の上側3分の2程度の範囲に設けられている。更に別の変形例として、上記の整流板130A,130Bを孔無しの鉄板に置き換えて、バッフルプレートとしてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の微粒子除去装置は、他の用途の装置にも十分に適用され得る。例えば、微小な製品を大量に機械加工した後、製品に付着する微粒子を除去するための装置にも適用することができる。また、混合物とともに沈降槽に流入させる液体は、本実施形態のような水の場合に限らず、必要に応じて油などの液体を用いることができる。
2 沈降槽
4(4a,4b)バケット車
8 フィードボックス(流入部)
10 越流堰(上澄み排出部)
20 外掻上げ式バケット(外側排出型のバケット部)
36 散水シャワー(散布手段)
42 水切り孔

Claims (5)

  1. 沈降速度の違いにより、細粒物と当該細粒物よりも小さい微粒子との混合物から前記微粒子を除去するための微粒子除去装置であって、
    前記混合物および液体を受け入れて、前記細粒物を沈降せしめる沈降槽と、
    前記沈降槽へ前記混合物および液体を流入するための流入部と、
    前記沈降槽に形成され、前記微粒子を含んだ上澄み液を排出する上澄み排出部と、
    水平軸周りに回転し、下側部分が前記沈降槽に貯えられる液体に没するように設けられ、外周に沿って環状に配置された複数の外側排出型のバケット部を有するバケット車と、
    前記複数のバケット部のそれぞれに形成された水切り孔と、を備え、
    前記流入部は、前記バケット部が液面から外に出る位置の付近に設けられ、前記上澄み排出部は、少なくとも前記バケット部が液面に入る位置の付近に設けられることを特徴とする微粒子除去装置。
  2. 請求項1記載の装置において、前記バケット車の回転速度は、毎分0.1回転以上、1.0回転未満であることを特徴とする微粒子除去装置。
  3. 請求項1または2記載の装置において、液面から外に出た前記バケット部の内部に向けて液体を散布する散布手段を備える、ことを特徴とする微粒子除去装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の装置において、
    前記バケット車は、該バケット車の直径Dに比例した数n(個/列)のバケット部を列ごとに有し、
    前記バケット部の列ごとの数nは、必要な前記細粒物の回収量をA(kg/分)として、以下の式を満たす値に設定されていることを特徴とする微粒子除去装置。
    w×n×T×N ≧ A
    ここで、wは、バケット部1個あたりの細粒物の排出量(kg/個)、
    Tは、環状に並んだ複数のバケット部の列数(列)、
    nは、1列あたりのバケット部の数(個/列)、
    Nは、回転速度(回転/分)。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の装置において、
    前記バケット車を一定速度で回転駆動させるとともに、当該バケット車の速度設定値を変更可能な制御手段を備えることを特徴とする微粒子除去装置。
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