JPH07100095A - 処置具挿通チャンネル洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄部材を処置具挿通チャンネル内に回転さ
せながら進行させることにより、処置具挿通チャンネル
の内面を容易に、迅速かつ効率的に洗浄できるようにす
る。 【構成】 処置具導入部５から処置具挿通チャンネル７
内に挿入される洗浄部材１０は、略円柱状の洗浄部本体
１１の外周面に回転推力発生機構としての螺旋溝１２を
形成することにより構成され、この洗浄部材１０を処置
具挿通チャンネル７内に走行させるために、洗浄流体供
給手段２０を備えている。この洗浄流体供給手段２０
は、洗浄部材１０を回転させながら走行するための推力
を与えると共に、処置具挿通チャンネル７内に洗浄液を
供給する洗浄液タンク２１を有し、この洗浄液タンク２
１には洗浄液供給パイプ２２が接続されており、この洗
浄液供給パイプ２２の他端はポンプ２３に接続され、こ
のポンプ２３からの洗浄液送給パイプ２４は、中間にコ
ック２５に設けられ、先端部は処置具導入部５に着脱可
能に接続される接続部２６となっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、医療用等として用いら
れる内視鏡の処置具挿通チャンネル内を洗浄するための
処置具挿通チャンネル洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】内視鏡は体内等に挿入される関係から、
その使用の都度洗浄しなければならない。この洗浄は内
視鏡の外面部分だけでなく、鉗子その他の処置具を挿通
するための処置具挿通チャンネルの内部も洗浄する必要
がある。特に、この処置具挿通チャンネルは体内の汚物
を吸引する吸引通路と兼用されることもあるから、より
念入りに洗浄しなければならない。処置具挿通チャンネ
ルを洗浄するには、従来は、ブラシを用い、このブラシ
を細いワイヤの先端に連結して、ワイヤでブラシを処置
具挿通チャンネル内に押し込むようにして洗浄するよう
にしたものは、従来から用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、内視鏡の挿
入部は１〜２ｍというように、かなり長尺のものであ
り、しかもその全体が細径であることから、処置具挿通
チャンネルの内径は、直径が数ｍｍ〜数ｃｍ程度という
ように、極めて細い通路である。従って、ブラシに連結
されるワイヤは極細のものとなり、あまり剛性を持たせ
ることができない。このようなワイヤによって、長尺の
処置具挿通チャンネルの全長にわたってブラシに確実に
押し込み推力を作用させるのは困難であり、特に洗浄用
のブラシであることから、ブラシの押し込み時にある程
度の抵抗がなければ、処置具挿通チャンネルの内面を強
力にブラッシングすることができないが、ワイヤに剛性
を持たせられないと、ブラシにあまり大きな押し込み抵
抗を持たせることができない。さらに、単にブラシでこ
するだけでなく、洗浄液や消毒液等を供給しながらブラ
シを作動させる方がより効率的に洗浄できるが、ワイヤ
が挿入されている関係から、このような洗浄液や消毒液
等の供給が困難である。以上のことから、ワイヤの先端
にブラシを設けた洗浄具では、必ずしも処置具挿通チャ
ンネルの洗浄を効率的に行えないという問題点がある。

【０００４】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であって、処置具挿通チャンネルを、極めて容易に、し
かも迅速かつ効率的に洗浄できるようにすることをその
目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に
摺動可能に挿通される洗浄部材に、この洗浄部材に回転
推力発生機構を形成し、また処置具挿通チャンネルに洗
浄流体供給手段を着脱可能に接続させて、この処置具挿
通チャンネル内に所定の圧力の洗浄流体を、前記回転推
力発生機構に供給することによって、洗浄部材を回転さ
せながら前進させる構成としたことをその特徴とするも
のである。

【０００６】

【作用】洗浄部材を、処置具挿通チャンネルにおいて、
例えば処置具導入部側から内部に挿入する。そして、こ
の処置具導入部に洗浄流体供給手段を接続させて洗浄流
体を所定の圧力をもって供給する。この圧力を持った洗
浄流体が回転推力発生機構に作用して、洗浄部材は回転
しながら処置具挿通チャンネル内を走行し、かつ洗浄部
材は螺旋状に進行するから、それを直進させるよりも処
置具挿通チャンネル内面に対する摺接長さを長くするこ
とができ、この結果、処置具挿通チャンネルの内部が極
めて容易に、しかも迅速かつ効率的に洗浄することがで
きる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１に洗浄装置を接続した内視鏡の構成を
示し、また図２に洗浄部材の一例を示す。まず、内視鏡
１は、本体操作部２と、この本体操作部２には、体腔内
に挿入される挿入部３及び光源装置等に接続されるライ
トガイド軟性部４が連設されている。

【０００８】本体操作部２の挿入部３への連設部には、
処置具導入部５が設けられており、この処置具導入部５
から挿入部３の先端部における処置具導出部６との間に
は、処置具挿通チャンネル７が設けられている。そし
て、この処置具挿通チャンネル７は、その処置具導入部
５の近傍に吸引通路８が接続されており、この吸引通路
８の途中には、吸引バルブ９が設けられて、この吸引バ
ルブ９によって吸引通路８を開閉できるようになってい
る。

【０００９】内視鏡１を使用して、挿入部２は体腔内に
挿入すると、挿入部２は体液等により汚損される。この
汚損は単に挿入部２の外面だけでなく、処置具挿通チャ
ンネル７内も汚れることになり、特にこの処置具挿通チ
ャンネル７を吸引通路として利用した場合には、その内
部の汚損は極めて激しくなる。このように汚損された処
置具挿通チャンネル７を洗浄する必要があり、この処置
具挿通チャンネル７は極めて細く、しかも長い経路であ
り、その全長にわたって完全に洗浄しなければならな
い。

【００１０】このために、図２に示したような洗浄部材
１０が用いられる。この洗浄部材１０は、略円柱状の洗
浄部本体１１の外周面に回転推力発生機構としての螺旋
溝１２を形成することにより構成される。ここで、洗浄
部本体１１はスポンジ等のように柔軟性があり、表面が
粗面となったもので、その外径寸法は処置具挿通チャン
ネル７の内径寸法より僅かに大きな断面を有するもので
ある。また、螺旋溝１２は洗浄部本体１１の外周に複数
箇所形成されており、この洗浄部本体１１がある程度圧
縮された状態で処置具挿通チャンネル７内に挿入される
が、このように圧縮されても、螺旋溝１２はなお所定の
形状が保たれるようになっている。

【００１１】洗浄部材１０は、処置具導入部５から処置
具挿通チャンネル７内に挿入されるが、この洗浄部材１
０を処置具挿通チャンネル７内に走行させるために、洗
浄流体供給手段２０を備えている。この洗浄流体供給手
段２０は、洗浄部材１０を回転させながら走行するため
の推力を与えると共に、処置具挿通チャンネル７内に洗
浄液を供給する洗浄液タンク２１を有し、この洗浄液タ
ンク２１には洗浄液供給パイプ２２が接続されており、
この洗浄液供給パイプ２２の他端はポンプ２３に接続さ
れている。さらにこのポンプ２３からの洗浄液送給パイ
プ２４は、中間にコック２５に設けられ、先端部はルア
ーロック等によって処置具導入部５に着脱可能に接続さ
れる接続部２６となっている。

【００１２】以上のように構成することによって、洗浄
部材１０を処置具導入部５の内部に完全に埋没させるよ
うに充填する。ここで、洗浄部材１０の洗浄部本体１１
は若干撓められた状態にして処置具導入部５の内面とほ
ぼ密着する。なお、この時においては、吸引バルブ９は
閉鎖状態に保持しておく。

【００１３】そこで、洗浄流体供給手段２０における接
続部２６を処置具導入部５に接続し、ポンプ２３を作動
させて、洗浄液タンク２１から供給される洗浄液をこの
ポンプ２３により圧送する。この状態で、コック２５を
開放すると、洗浄液が洗浄液送給パイプ２４から処置具
導入部５に向けて圧送され、この流体圧が処置具導入部
５に充填した洗浄部材１０の洗浄部本体１１に作用し
て、処置具挿通チャンネル７内を処置具導出部６側に向
けて走行する。ここで、この洗浄部材１０の洗浄部本体
１１の外周面には螺旋溝１２が形成されているから、洗
浄液はこの螺旋溝１２内に入り込む。この結果、洗浄部
材１０は処置具導入部５から処置具挿通チャンネル７を
走行して、処置具導出部６から排出されることになる。

【００１４】而して、図３に示したように、洗浄液が螺
旋溝１２を通過する際に、洗浄部本体１１に対して回転
力が加わることになって、同図に矢印Ｖで示したように
洗浄部材１０は回転しながら前進することになる。しか
も、洗浄部材１０は処置具挿通チャンネル７の内面と螺
旋状に摺接することになって、直進させるより摺接長さ
が長くなり、またこの時に螺旋溝１２内に供給された洗
浄液が洗浄部材１０の回転により処置具挿通チャンネル
７の内面全体に供給されることになり、このために処置
具挿通チャンネル７全体を極めて効率的に洗浄すること
ができる。

【００１５】以上のように、洗浄部材１０を流体で押し
出すようにして洗浄を行うようにしているので、容易
に、しかも迅速かつ確実に処置具挿通チャンネル７の全
長を隈なく洗浄することができる。しかも、この洗浄部
材１０に推力を与えるための流体は洗浄液であり、この
洗浄液は処置具挿通チャンネル７の全体に円滑に回り込
むので、さらに洗浄効率が向上する。ここで、洗浄部材
１０に供給する流体としては、洗浄水等の洗浄液だけで
なく、消毒液を用いることもでき、また液体だけでなく
消毒ガス等の気体を用いることも可能である。さらに、
最初に消毒液を用いて洗浄部材１０を処置具挿通チャン
ネル７内に挿通させ、次いで新たな洗浄部材１０を装着
して、洗浄水を供給すれば、さらに効率的な洗浄が可能
となる。また、内視鏡１全体を洗浄液に浸漬させて、洗
浄部材１０の挿通側とは反対側、即ち処置具導出部６側
に吸引部材を接続して、洗浄液を吸引するようにして
も、同様に、洗浄部材１０を回転させながら進行させる
ことができる。

【００１６】次に、図４は洗浄部材の他の例を示すもの
であって、同図に示したように、洗浄部材３０は、可撓
性を備えた中心軸３１に多数のブラシ３２を植設してな
るものであって、このブラシ３２は中心軸３１に螺旋状
に植設されている。しかも、中心軸３１の先端には回転
翼３３が連結して設けられており、この回転翼３３によ
り回転推力発生機構が形成される。なお、ブラシ３２を
螺旋状に植設すれば、さらに回転を助長することができ
る。

【００１７】このように構成した洗浄部材３０は、その
ブラシ３２側または回転翼３３側から処置具導入部５内
に挿入し、洗浄液供給手段２０の接続部２６をこの処置
具導入部５に接続して、洗浄液を圧送することによっ
て、洗浄部材３０は、回転翼３３に洗浄液が作用するこ
とによって、確実に回転しながら処置具挿通チャンネル
７内を走行して、処置具導出部６から排出される。そし
て、この間にブラシ３２が洗浄液の介在下で処置具挿通
チャンネル７の内面をブラッシングすることによって、
その内部の効率的な洗浄が行われる。而して、洗浄部材
３０をより確実に回転しながら前進させるためには、ブ
ラシ３２をある程度剛性の高いものを用い、しかも正確
に均等で、処置具挿通チャンネル７の外径より僅かに長
いものを多数植設するのが好ましい。

【００１８】また、図５に示したように、図２の洗浄部
材１０と同様に、外周面に螺旋溝４２を形成した洗浄部
本体４１の先端に、軸４３を連結し、この軸４３に多数
のブラシ４４を植設した洗浄部材４０を用いることもで
きる。この場合は、洗浄部本体４１の螺旋溝４２によっ
て、処置具挿通チャンネル７内に洗浄液を供給した時
に、洗浄部材４０全体が回転することになり、この結果
洗浄部本体４１が処置具挿通チャンネル７の内面と摺接
するだけでなく、ブラシ４４も回転しながらブラッシン
グすることになるから、さらに洗浄効率が向上する。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、内視鏡
の処置具挿通チャンネル内に洗浄部材を挿入して、洗浄
流体供給手段から所定の圧力の洗浄流体を供給すること
により、この洗浄流体を回転推力発生機構に作用させる
ことによって、洗浄部材を回転させながら前進させるよ
うに構成したので、処置具挿通チャンネル全体を極めて
容易かつ迅速に、しかも全体を隈なく効率的に洗浄する
ことができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】洗浄装置を接続した状態の内視鏡の構成説明図
である。

【図２】洗浄部材の第１の例を示す外観図である。

【図３】洗浄部材の作動説明図である。

【図４】洗浄部材の第２の例を示す外観図である。

【図５】洗浄部材の第３の例を示す外観図である。

【符号の説明】

１ 内視鏡 ３ 挿入部 ５ 処置具導入部 ６ 処置具導出部 ７ 処置具挿通チャンネル １０，３０，４０ 洗浄部材 １１，４１ 洗浄部本体 １２，４２ 螺旋溝 ２０ 洗浄液供給手段 ２１ 洗浄液タンク ２３ ポンプ ２５ コック ２６ 接続部 ３１ 中心軸 ３２，４４ ブラシ ３３ 回転翼 ４３ 軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内視鏡の処置具挿通チャンネル内に摺動
   可能に挿通される洗浄部材に、この洗浄部材に回転推力
   発生機構を形成し、また処置具挿通チャンネルに洗浄流
   体供給手段を着脱可能に接続させて、この処置具挿通チ
   ャンネル内に所定の圧力の洗浄流体を、前記回転推力発
   生機構に供給することによって、洗浄部材を回転させな
   がら前進させる構成としたことを特徴とする処置具挿通
   チャンネル洗浄装置。