JPH0699412B2 - 液晶性化合物及び用途 - Google Patents

液晶性化合物及び用途

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JPH0699412B2
JPH0699412B2 JP2038001A JP3800190A JPH0699412B2 JP H0699412 B2 JPH0699412 B2 JP H0699412B2 JP 2038001 A JP2038001 A JP 2038001A JP 3800190 A JP3800190 A JP 3800190A JP H0699412 B2 JPH0699412 B2 JP H0699412B2
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carbon atoms
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豊 塩見
喜和 竹平
徹 北村
和彦 坂口
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は表示素子、あるいは電気光学素子に用いられる
新規な液晶性化合物に関する。
(従来の技術) 液晶は表示材料として広く用いられるようになってきた
が、現在のところ表示方式としてTN(Twisted Nemati
c)型を一般的に採用している。このTN型表示方式は消
費電力が少なくてすみ、また受光型で目が疲れないなど
の長所がある一方、駆動が基本的に比誘電率の異方性に
基づいているためその力が弱く応答速度が遅いという欠
点があって高速応答が必要とされる分野には応用上の制
限を受けていた。
強誘電性液晶は、1975年にR.B.Meyerらによって初めて
見出されたものであるが(J.Physique,36,L-69(197
5))、このものは自発分極に由来する比較的大きな力
が駆動力となるため応答速度が極めて速く、かつメモリ
ー性を持つという優れた性能があり、新しい表示素子と
して注目されている。
液晶が強誘電性を示す条件としてはカイラルスメクティ
ックC相(SmC*相)を示すことが必要であり、このため
分子中に不斉炭素を含まなければならない。また分子の
長軸に対して垂直方向に双極子モーメントを持つことが
必要である。
Meyer 等の合成した強誘電性液晶 DOBAMBCは次のような
構造をしており 上記の条件を満足しているが、シッフ塩基を含むため化
学的に不安定であり、自発分極も3×10-9C/cm2と小さ
かった。その後多くの強誘電性液晶化合物が合成された
が十分に高速応答するものはまた見付かっておらず、し
たがって実用可には至っていない。
これら従来の強誘電性液晶化合物を比較してみると、例
えば DOBAMBCの不斉炭素原子の位置がひとつカルボニル
基に近づいたDOBA−1−MBC では自発分極が5×10-8C/cm2であり、 DOBAMBCよりも
大きくなっている。これは、強誘電性の出現に重要な要
素である不斉炭素と双極子の位置が近づいたために、分
子の双極子部分の自由回転が抑えられ、双極子の配向性
が向上したものと考えられる。すなわち、不斉部分は分
子の自由回転を束縛する働きをしており、従来の強誘電
性液晶化合物のほとんどは不斉部分が直鎖上にあるた
め、分子の自由回転を完全には抑えることができず、双
極子部分を固定できないために満足な自発分極および高
速応答が得られなかったと考えられる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、化合物自体が化学的に安定であると共に
より強誘電性の液晶化合物を得るべく鋭意研究の結果、
従来の強誘電性液晶化合物の双極子部分の自由回転を抑
えるための手段として、不斉部分を、5員環ラクトンに
直結させた構造とすることにより、自由回転を束縛し、
しかも化学的に安定な光学活性γ−ラクトン環を有する
新規な強誘電性液晶化合物を見出したものであり、本発
明は、この化合物及びこの化合物を一成分として含む液
晶組成物、さらには該組成物を用いてなる電気光学素子
を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、下記一般式(A)、 (式(A)中R1炭素数1〜15のアルキル基及び炭素数2〜15のアルケニ
ル基より選ばれた基であり、R3は炭素数1〜15のアルキ
ル基又は炭素数2〜15のアルケニル基、n又はeはそれ
ぞれ独立して0又は1である。R2は炭素数1〜15のアル
キル基又は炭素数2〜15のアルケニル基である。上記R2
又はR3はそれぞれ不斉炭素原子を含んでいてもよい。X
は水素原子,ハロゲン原子及びシアノ基より選ばれた原
子又は基であり、*の符号は不斉炭素原子を表わす) で表わされる光学活性γ−ラクトン環を有する化合物及
びこの化合物の少なくとも1種を含む液晶組成物、さら
には該組成物を用いてなる電気光学素子である。
上記一般式AのR1,R2及びR3において、アルキル基の例
としては、例えばメチル,エチル,n−プロピル,n−ブチ
ル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプチル,n−オクチ
ル,n−ノニル,n−デシル,n−ウンデシル,n−ドデシル,n
−トリデシル,n−テトラデシル,n−ペンタデシル,イソ
プロピル,t−ブチル,2−メチルプロピル,1−メチルプロ
ピル,3−メチルブチル,2−メチルブチル,1−メチルブチ
ル,4−メチルペンチル,3−メチルペンチル,2−メチルペ
ンチル,1−メチルペンチル,5−メチルヘキシル,4−メチ
ルヘキシル,3−メチルヘキシル,2−メチルヘキシル,1−
メチルヘキシル,6−メチルヘプチル,5−メチルヘプチ
ル,4−メチルヘプチル,3−メチルヘプチル,2−メチルヘ
プチル,1−メチルヘプチル,7−メチルオクチル,6−メチ
ルオクチル,5−メチルオクチル,4−メチルオクチル,3−
メチルオクチル,2−メチルオクチル,1−メチルオキチ
ル,8−メチルノニル,7−メチルノニル,6−メチルノニ
ル,5−メチルノニル,4−メチルノニル,3−メチルノニ
ル,2−メチルノニル,1−メチルノニル,3,7−ジメチルオ
クチル,3,7,11−トリメチルドデシルなどの基が挙げら
れ、またアルケニル基の例としては、例えばビニル,プ
ロペニル,ブテニル,ペンテニル,ヘキセニル,ヘプテ
ニル,オクテニル,ノネニル,デセニル,ウンデセニ
ル,ドデセニル,トリデセニル,テトラデセニル,ペン
タデセニルなど直鎖状のもの、1−メチルプロペニル,2
−メチルプロペニル,3−メチルブテニル,4−メチルペン
テニルなどの分岐を有するアルケニル基が挙げられる。
本発明に係る上記の新規化合物は強誘電性を発生させる
ための双極子モーメントを持つ部分としてのカルボニル
基を、5員環の内部に位置させ、さらに環上に2つの不
斉炭素を持たせることにより、この部分の自由回転を不
可能にし、全体として双極子部分を一方向に向わせるこ
とができ、自発分極を大きくし、延いては高速応答を実
現できるものである。また、式(A)のベンゼン環にハ
ロゲン原子又はシアノ基を置換することにより化合物の
融点を下げ、カイラルスメクティックC(SmC*)相の温
度範囲を低温側に拡げ、またチルト角を大きくし、自発
分極を増加することができる。さらに強誘電性液晶を駆
動させるためには負の誘電異方性が必要であり、シアノ
基の導入は大きな負の誘電異方性をもつ化合物を与える
という点において有用である。また上記一般式(A)の
化合物においては、γ−ラクトン環に不斉炭素を2個含
んでいるため、2種類のジアステレオマーが存在する。
これらは全て双極子部分の自由回転を抑えるという目的
に合致した構造をしているので、それぞれを単独で用い
てもあるいはそれぞれの混合物として用いても液晶性化
合物として有用である。
また本発明において、上記液晶性化合物とは単独で液晶
状態が観察できる物質のみでなく、それ自身が液晶相を
示さなくても液晶組成物の構成成分として有用な化合物
をも含んでいる。
本発明に係る一般式(A)で表わされる化合物は次に示
すような方法によって製造することができる。
すなわち、下記一般式(B)、 (式(B)中R2,X及び*の符号は式(A)中のR2,X及び
*の符号と同様の意味を表わす)で表わされる光学活性
γ−ラクトン環を有するフェノール誘導体と、下記一般
式(C)、 (式(C)中R1は式(A)中のR1と同様の意味を表わ
す) で表わされるカルボン酸とをベンゼン,トルエン,ジク
ロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素,ジクロロエタ
ンなどの有機溶媒中、硫酸又は塩酸などの鉱酸、p−ト
ルエンスルホン酸などの有機酸、弗化ホウ素エーテラー
トなどのルイス酸、あるいは触媒量の4−ジメチルアミ
ノピリジンなどの塩基の存在下でN,N′−ジシクロヘキ
シルカルボジイミドなどの脱水剤を加えて反応させるこ
とにより製造することができる。
また、上記一般式(C)で表わされるカルボン酸の代わ
りに下記一般式(D)、 (式(D)中R1は式(A)中のR1と同様の意味を表わ
し、Yはハロゲン原子を表わす) で表わされる酸ハロゲン化物を用いて、上記有機溶媒
中、トリエチルアミン,N,N−ジメチルアニリン,ピリジ
ン,4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基を加えて反応
させることによっても製造することができる。
なお、上記原料化合物である式(B)の光学活性γ−ラ
クトン環を有するフェノール誘導体は、下記合成経路に
よって製造することができる。但し、下記において、X,
R2及び*の符号は前記式(A)中のX,R2及び*の符号と
同様の意味を表わし、R4は低級アルキル基、phはフェニ
ル基を表わす。
上記合成法を説明すると、メタノール、エタノールなど
の極性溶媒中、炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなどの塩
基の存在下でヒドロキノン誘導体(E)の一方の水酸基
を塩化ベンジル又は臭化ベンジルなどのベンジル化剤で
ベンジル化して保護した化合物(F)を合成する。この
化合物(F)に水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,カ
リウム−t−ブトキシドなどの塩基の存在下で光学活性
エピクロロヒドリンを反応させることによって光学活性
グリシジルエーテル(G)を得る。この反応においては
光学活性エピクロロヒドリンを溶媒として用いることが
できるが、必要な場合はジメチルホルムアミド,ジメチ
ルスルホキシド,ジメチルアセトアミド,アセトニトリ
ル,t−ブチルアルコール及び水などの極性溶媒を用いる
こともできる。次いで化合物(G)とマロン酸エステル
誘導体(H)とをメタノール,エタノール,t−ブチルア
ルコールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン,エ
チルエーテル,ジメトキシエタン,ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル,ジオキサンなどのエーテル類、ジ
メチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミドなどの非プロトン性極性溶
媒、あるいはこれらの混合溶媒中、ナトリウムメトキシ
ド,ナトリウムエトキシド,カリウム−t−ブトキシド
あるいは水素化ナトリウム,水素化リチウム,n−ブチル
リチウムなどの塩基と反応させることにより光学活性γ
−ラクトン誘導体(I)が得られ、続いてこの化合物
(I)をメタノール,エタノール,酢酸エチルなどの溶
媒中、pd-C触媒の存在下水素ガスで還元すると光学活性
γ−ラクトン環を有するフェノール誘導体(B)を得る
ことができる。上記化合物(F)から化合物(G)を製
造する際に光学活性エピクロロヒドリンの代りにラセミ
体エピクロロヒドリンを用いればラセミ体のγ−ラクト
ン環を有するフェノール誘導体(B)が得られ、これよ
り本発明の目的物の一つであるラセミ体の式(A)化合
物が得られる。このラセミ体の化合物は他の光学活性液
晶化合物に添加してその螺旋ピッチの調製に使用でき
る。
上記光学活性エピクロロヒドリンは、高純度のものとし
ては、R体は本出願人に係る特開昭61-132196号公報及
び特開昭62-6697号公報記載の方法、S体は同じく特開
昭63-284881号明細書記載の方法によって得られたもの
を用いることができる。
本発明の上記式(A)化合物は、この化合物の少なくと
も1種と他の強誘電性液晶又は非カイラルな液晶、ある
いはこれらの混合物とを混ぜ合わせることにより液晶組
成物とすることができる。
上記他の強誘電性液晶としては、従来知られているもの
を含む総ての強誘電性液晶が適用でき、また非カイラル
な液晶としては、不斉炭素原子を持たない液晶であって
混合後スメクティックC相を示すものであれば何でもよ
い。
上記非カイラルな液晶の具体例としては下記式(J)で
表わされる化合物が挙げられる。
(式(J)中T、U及びVはそれぞれ独立に から選ばれた六員環を表わしており、これら六員環中の
水素原子はハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基で置換
されていてもよい。a、bは0、1又は2、cは1又は
2であり、且つa+b+c=2〜4である。W、Mは単
結合であるか、又は −CH2O−及び−OCH2−から選ばれた基を表わす。a=
0のときKは単結合を表わし、b=0のときLは単結合
を表わす。a又はbが0でないときK、Lはそれぞれ独
立に単結合であるか、又は −CH2O−,−OCH2−,−CH2−CH2−,−CH=N−,−
N=CH−,−CH=CH−,−C≡C−, 及び から選ばれた基を表わし、R5、R6は炭素数1〜15のアル
キル基又は炭素数2〜15のアルケニル基を表わす) 本発明の液晶組成物に透明電極を付し、ポリエチレン,
ポリエステル,ナイロン,ポリビニルアルコール,ポリ
イミド等で表面配向処理した2枚のガラス板に封入し、
偏光子を設けた複屈折モード及びホスト−ゲストモード
の液晶セルは表示素子又は電気光学素子として使用する
ことができる。
また、一般式(A)の化合物は熱や光に対する安定性が
良く、この化合物を含む液晶組成物は強誘電性液晶とし
て優れた性能を持つている。さらに、該化合物をネマチ
ック液晶に添加した液晶組成物は次のような用途に利用
できる。
(1)リバース・ドメインの発生を抑制するためにTN型
及びSTN型液晶に添加した液晶組成物。
(2)コレステリック−ネマティック相転移効果を用い
る表示素子(J.J.Wysoki,A.Adams and W.Haas;Phys.Re
v.Lett.,20,1024(1968))。
(3)ホワイト・ティラー型ゲスト・ホスト効果を用い
る表示素子(D.L.White and G.N.Taylor;J.Appl.Phys.,
45,4718(1974))。
(4)コレステリック相をマトリックス中に固定化し、
その選択散乱特性を用いるノッチフィルターやバンドパ
スフィルター(F.J.Kahn;Appl.Phys.Lett.,18,231(197
1))。
(5)コレステリック相の円偏光特性を利用した円偏光
ビームスプリッター(S.D.Jacob,SPIE.37,98(198
1))。
(実施例) 以下の各例において、本発明の一般式(A)の光学活性
化合物のR、S表示は、下記の化学式の位置番号に基い
て行った。
また実施例中に記載した相転移温度はDSCおよび偏光顕
微鏡観察により決定した。また相転移温度の項に示した
記号は以下の相を表わす。
C ;結晶相 SmA;スメクティックA相 SmC;スメクティックC相 SmC*; カイラルスメクティックC相 I ;等方性液体相 〈式(G)化合物の合成〉 合成例1 (S)−(4−ベンジルオキシフェニル)グリシジルエ
ーテルの合成 4−ベンジルオキシフェノール25.44g及びカリウムt−
ブトキシド15.69gをt−ブチルアルコール100ml中で加
熱撹拌すると褐色の懸濁液となった。これを50℃で1時
間撹拌した後、撹拌下氷水で冷却しながらR−(−)−
エピクロロヒドリン(化学純度98.5%以上、光学純度99
%以上 (▲〔α〕25 D▼=−34.0°、C=1.2,メタノール))3
5.24gを滴下し、撹拌しながら室温まで戻した。さらに
室温で4時間撹拌し、反応液を減圧濃縮した。1規定塩
酸で中和して酢酸エチルで抽出した後、抽出液を減圧濃
縮して得た粗生成物をアルミナカラムクロマトグラフィ
ーにより精製し、下記化学式で示されるS体のグリシジ
ルエーテル28.21gを得た。
(但し、phはフェニル基を表わす。後記各例おいて同
じ) mp 75℃ ▲[α]31 D▼+5.63°(C=1.194,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:2.74 (1H,dd,J=2.7,4.9Hz) 2.89 (1H,dd,J=4.2,5.0Hz) 3.33 (1H,m) 3.91 (1H,dd,J=5.5,11.0Hz) 4.16 (1H,dd,J=3.1,11.2Hz) 6.8〜6.9 (4H,m) 7.3〜7.4 (5H,m) 〈式(I)化合物の合成〉 合成例2 合成例1で得られたS体のグリシジルエーテル4.5g、n
−ブチルマロン酸ジメチル4.3g及びt−ブチルアルコー
ル140mlの混合物に撹拌下でカリウムt−ブトキシド2.4
gを加えて3時間還流撹拌した。放冷後、溶媒を減圧下
留去し、残渣に水を加えて4規定塩酸でpH3に調製し、
析出した白色固体を取、水洗した。このものをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して下記化学
式で示される光学活性γ−ラクトン誘導体の(2S,4S)
体及び(2R,4S)体の混合物と純粋な(2S,4S)体及び
(2R,4S)体の合計2.16gをそれぞれ分離した。
(2S,4S)体 mp 105℃ ▲[α]28 D▼+41.46°(C=1.031,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.92 (3H,t,J=7.0Hz) 1.3〜1.6 (5H,m) 1.86 (1H,ddd,J=9.9, 11.0,12.5Hz) 1.9〜2.0 (1H,m) 2.50 (1H,ddd,J=6.2, 8.8,12.1Hz) 2.6〜2.7 (1H,m) 4.0〜4.17 (2H,m) 4.62〜4.75(1H,m) 5.01 (2H,s) 6.82〜6.92(4H,m) 7.30〜7.44(5H,m) IR(KBr) 1764cm-1(νc=0) (2R,4S)体 mp 69℃ ▲[α]29 D▼+25.89°(C=1.012,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.92 (3H,t,J=6.6Hz) 1.3〜1.6 (5H,m) 1.8〜2.0 (1H,m) 2.05〜2.16(1H,m) 2.39〜2.48(1H,m) 2.74〜2.86(1H,m) 3.99〜4.11(2H,m) 4.74〜4.82(1H,m) 5.01 (2H,s) 6.79〜6.93(4H,m) 7.29〜7.44(5H,m) IR(KBr) 1760cm-1(νc=0) 〈式(B)化合物の合成〉 合成例3 合成例2で得られた光学活性γ−ラクトン誘導体((2
S,4S)体と(2R,4R)体の混合物)1.9g、5%Pd−C(5
2%含水)1.7g及び酢酸エチル70mlの混合物を水素雰囲
気下で理論量の水素を吸収するまで室温で撹拌した。終
了後、反応混合物を吸収濾過し、濾液より溶媒を減圧留
去して得た粗生成物をベンゼン−ヘキサンより再結晶
し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
下記化学式で示される光学活性γ−ラクトン環を有する
フェノール誘導体の(2S,4S)体及び(2R,4S)体の混合
物と純粋な(2S,4S)体の合計1.2gをそれぞれ分離し
た。
(2S,4S)体 mp 107℃ ▲[α]24 D▼+53.03°(C=1.007,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.92 (3H,t,J=7.0Hz) 1.3〜1.6 (5H,m) 1.86 (1H,ddd,J=9.9,11.0, 12.5Hz) 1.9〜2.0 (1H,m) 2.50 (1H,ddd,J=6.2,8.8, 12.1Hz) 2.6〜2.7 (1H,m) 4.0〜4.17 (2H,m) 4.60 (1H,s) 4.62〜4.75(1H,m) 6.73〜6.82(4H,m) IR(KBr) 3352cm-1(νOH), 1760cm-1(νc=0) 実施例1 合成例3によって得られた光学活性γ−ラクトン環を有
するフェノール誘導体((2S,4S)体と(2R,4S)体の混
合物)300mg、4−n−オクチルオキシ安息香酸284mg、
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド256mg、4−ジ
メチルアミノピリジン46mg及び無水ジクロロメタン20ml
の混合物を窒素雰囲気下室温で一晩撹拌した。終了後、
生成した無色結晶性固体を濾別除去し、濾液より得た粗
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分
離精製して下記化学式で示される光学活性γ−ラクトン
誘導体の(2S,4S)体161mgと(2R,4S)体31mgを得た。
(2S,4S)体 相転移温度 ▲[α]28 D▼+30.07°(C=1.038,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.89 (3H,t,J=6.6Hz) 0.93 (3H,t,J=7.0Hz) 1.25〜1.53(15H,m) 1.76〜2.01(4H,m) 2.53 (1H,ddd,J=5.9,8.8, 12.1Hz) 2.62〜2.74(1H,m) 4.04 (2H,t,J=6.6Hz) 4.10〜4.19(2H,m) 4.68〜4.78(1H,m) 6.93 (2H,d,J=9.2Hz) 6.96 (2H,d,J=9.2Hz) 7.12 (2H,d,J=9.2Hz) 8.12 (2H,d,J=9.2Hz) IR(KBr) 1766,1732cm-1(νc=0) (2R,4S)体 相転移温度 ▲[α]28 D▼+20.00°(C=0.803,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.89 (3H,t,J=7.0Hz) 0.93 (3H,t,J=7.0Hz) 1.25〜1.57(16H,m) 1.76〜1.93(3H,m) 2.07〜2.19(1H,m) 2.40〜2.50(1H,m) 2.76〜2.88(1H,m) 3.98〜4.18(3H,m) 4.78〜4.86(1H,m) 6.92 (2H,d,J=9.0Hz) 6.96 (2H,d,J=9.0Hz) 7.12 (2H,d,J=9.0Hz) 8.12 (2H,d,J=9.0Hz) IR(KBr) 1760,1732cm-1(νc=0) 実施例2 合成例3によって得られた光学活性γ−ラクトン環を有
するフェノール誘導体((2S,4S)体)200mg、トランス
−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸150mg、
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド172mg、4−ジ
メチルアミノピリジン28mg及び無水ジクロロメタン15ml
を用いて実施例1と同様に反応及び精製処理を行い、下
記化学式で示される光学活性γ−ラクトン誘導体((2
S,4S)体)250mgを得た。
相転移温度 ▲[α]23 D▼+31.89°(C=1.043,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.89 (3H,t,J=7.0Hz) 0.93 (3H,t,J=7.0Hz) 0.98〜1.61(18H,m) 1.80〜2.00(4H,m) 2.09〜2.13(2H,m) 2.39〜2.56(2H,m) 2.62〜2.75(1H,m) 4.05〜4.16(2H,m) 4.66〜4.75(1H,m) 6.89 (2H,d,J=9.0Hz) 6.98 (2H,d,J=9.0Hz) IR(KBr) 1760,1742cm-1(νc=0) 実施例3 合成例3によって得られた光学活性γ−ラクトン環を有
するフェノール誘導体((2S,4S)体)250mg、n−カプ
ロン酸クロリド128mg及び乾燥ベンゼン10mlの混合物に
ピリジン0.2mlを加え、そのまま室温で一晩撹拌すし
た。終了後、析出した無色結晶性固体を濾別除去し、濾
液を炭酸ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去して得
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製して下記化学式で示される光学活性γ−ラクトン
誘導体((2S,4S)体)332mgを得た。
相移転温度 ▲[α]22 D▼+39.67°(C=1.060,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.92 (6H,t,J=7.0Hz) 1.33〜1.45(9H,m) 1.72〜1.96(4H,m) 2.48〜2.56(3H,m) 2.60〜2.68(1H,m) 4.05〜4.16(2H,m) 4.66〜4.74(1H,m) 6.89 (2H,d,J=9.2Hz) 7.00 (2H,d,J=9.2Hz) IR(KBr) 1762cm-1(νc=0) 実施例4 合成例3によって得られた光学活性γ−ラクトン環を有
するフェノール誘導体((2S,4S)体と(2R,4S)体の混
合物)105mg、4−n−ヘプチルオキシフェニル−4′
−安息香酸クロリド184mg、ピリジン160mgおよびエチル
エーテル10mlの混合物を25℃で12時間撹拌した。10%炭
酸ナトリウムを加えた後、クロロホルムで抽出し、10%
塩酸で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下
留去し、残渣を薄層クロマトグラフィーにより分離精製
して下記化学式で示される光学活性γ−ラクトン誘導体
の(2S,4S)体178mgを得た。
相転移温度(℃) ▲[α]22 D▼+28.77°(C=1.017,CH2Cl2) NMR(CDCl3) δ:0.88〜0.96(6H,m) 1.25〜1.59(13H,m) 1.76〜2.02(4H,m) 2.03〜2.58(1H,m) 2.62〜2.74(1H,m) 4.01 (2H,t,J=6.6Hz) 4.09〜4.20(2H,m) 4.68〜4.78(1H,m) 6.95 (2H,d,J=9.16Hz) 7.00 (2H,d,J=8.80Hz) 7.15 (2H,d,J=9.16Hz) 7.59 (2H,d,J=9.16Hz) 7.68 (2H,d,J=8.43Hz) 8.22 (2H,d,J=8.80Hz) 実施例5 実施例1によって得られた光学活性γ−ラクトン誘導体
の(2S,4S)体と下記化学式(1)、 で示される化合物とを1:19.1(重量)の比率で混合した
組成物は、DSC測定及び偏光顕微鏡による観察からその
相転移温度が下記のとおりであることが判った。
上記光学活性γ−ラクトン誘導体の(2S,4S)体は、単
独では強誘電性を示さないが、他の液晶性化合物を混合
すると強誘電性を発現することが判った。
また、上記組成物について応答時間を測定した結果、こ
のものは65μ sec(40℃)という高速応答を示すことが
判明した。上記応答時間の測定は、上記組成物を配向剤
処理した厚さ2μmのセルに封入し直交ニコル下Vp−p
=20Vの電圧を印加したときの透過光強度の変化により
求めた。スペーサーとしてはPFTフィルム、配向剤とし
てはポリイミド膜、また電極としてはITO電極を用い、
ラビング方向は平行とした。
実施例6 実施例1によって得られた光学活性γ−ラクトン誘導体
の(2R,4S)体と実施例5で用いた式(1)化合物とを
1:19.1(重量)の比率で混合した組成物の相転移温度は
実施例5と同様に測定した結果、下記のとおりであっ
た。
上記光学活性γ−ラクトン誘導体の(2R,4S)体は、単
独では強誘電性を示さないが、他の液晶性化合物と混合
することにより強誘電性が発現することが判った。
また、上記組成物について実施例5と同様にして測定し
て応答速度は170μ sec(40℃)という高速応答を示す
ことが判った。
実施例7 実施例2によって得られた光学活性γ−ラクトン誘導体
の(2R,4S)体と実施例5で用いた式(1)化合物とを
1:19.1(重量)の比率で混合した組成物の相転移温度は
実施例5と同様にして測定した結果、下記のとおりであ
った。
上記光学活性γ−ラクトン誘導体の(2S,4S)体は、単
独では強誘電性を示さないが、他の液晶性化合物と混合
することにより強誘電性が発現することが判った。
また、上記組成物について実施例5と同様にして応答時
間を測定した結果、100μ sec(40℃)という高速応答
を示すことが判明した。
実施例8 実施例3によって得られた光学活性γ−ラクトン誘導体
の(2S,4S)体と実施例5で用いた式(1)化合物とを
1:19.1(重量)の比率で混合した組成物の相転移温度は
実施例5と同様にして測定した結果、下記のとおりであ
った。
上記光学活性γ−ラクトン誘導体の(2S,4S)体は、単
独では強誘電性を示さないが、他の液晶性化合物と混合
することにより強誘電性が発現することが判った。
また、上記組成物について実施例5と同様にして測定し
た応答速度は88μ sec(40℃)という高速応答を示すこ
とが判った。
(発明の効果) 本発明に係る新規な液晶性化合物は、従来の液晶材料と
比較して熱,光に対する安定性がよく、化学的にも安定
であり、これより得られた液晶組成物は強誘電性液晶と
して優れた性質を有し、応答速度の著しく速い液晶材料
を与える。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(A) (式(A)中R1炭素数1〜15のアルキル基及び炭素数2〜15のアルケニ
    ル基より選ばれた基であり、R3は炭素数1〜15のアルキ
    ル基又は炭素数2〜15のアルケニル基、n又はeはそれ
    ぞれ独立して0又は1である。R2は炭素数1〜15のアル
    キル基又は炭素数2〜15のアルケニル基である。上記R2
    又はR3はそれぞれ不斉炭素原子を含んでいてもよい。X
    は水素原子,ハロゲン原子及びシアノ基より選ばれた原
    子又は基であり、*の符号は不斉炭素原子を表わす) で表わされる光学活性γ−ラクトン環を有する化合物。
  2. 【請求項2】一般式(A)の化合物がラセミ体である請
    求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の一般式(A)の化合
    物の少なくとも1種を含有することを特徴とする液晶組
    成物。
  4. 【請求項4】請求項3の液晶組成物を用いてなる電気光
    学素子。
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