JPH0699170B2 - 耐火被覆材 - Google Patents

耐火被覆材

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JPH0699170B2
JPH0699170B2 JP2105597A JP10559790A JPH0699170B2 JP H0699170 B2 JPH0699170 B2 JP H0699170B2 JP 2105597 A JP2105597 A JP 2105597A JP 10559790 A JP10559790 A JP 10559790A JP H0699170 B2 JPH0699170 B2 JP H0699170B2
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、建築物における金属構造部材や間仕切り壁等
が火災時に極度に昇温するのを防止するために、これら
の表面に施工される水性ペーストからなる耐火被覆材に
関するものである。
【従来の技術】
建築物における柱、鉄骨製の梁,防火壁等が火災時に極
度に昇温して強度を失うことにより、建築物自体が変
形,破壊することの経済的損失、および、それに起因す
る二次災害の発生を防止するために、建築物の金属構造
部材や間仕切り壁等の表面に、耐火被覆層を設けて置く
ことが、建築基準法によって規定されている。 前述の耐火被覆層の形成には、コンクリートやモルタル
の施工,耐火石膏ボードや珪酸カルシウムボードによる
被覆等が一般的であったが、コンクリートやモルタルの
施工は、高重量で、しかも、施工の能率が悪い等の欠点
があり、又、耐火石膏ボードや珪酸カルシウムボードに
よる被覆は、梁同士の交錯部位を初め、柱と壁、梁と
壁、さらには、梁と床等の交錯部位等の複雑な構造をな
す部分への施工が困難である。 このため、耐火,耐熱性に優れた作用を奏するロックウ
ール等を主成分とする耐火被覆材を、吹き付けあるいは
鏝塗り等によって、鉄骨等の表面に適用し、規定の厚さ
の耐火被覆層を形成する工法が利用されている。 吹き付けあるいは鏝塗り等により、耐火被覆材を鉄骨等
の表面に適用して耐火被覆層を形成する工法には、空気
輸送したロックウールやセメント等の原料を、ホースの
出口で、噴霧される水等と混合し、これを鉄骨等に吹き
付ける乾式工法と、空気輸送したロックウール等を、ホ
ースの出口で、噴霧されるセメントミルクと混合し、こ
れを鉄骨等に吹き付ける半乾式工法と、ロックウール,
セラミックウール等の無機質繊維,セメント,結合剤,
無機質充填材等の混合物を水中で混練して水性ペースト
を調製した後、得られた水性ペーストを、ポンプを利用
してホース中を圧送し、先端のノズル部で噴出する空気
により、鉄骨等の表面に吹き付けるか、あるいは、直
接、鉄骨等の表面に前記水性ペーストを鏝塗りする等し
て耐火被覆層を形成する湿式工法とがある。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在利用されている前記湿式工法によって、
例えば、建築基準法に規定されている2時間耐火の条件
を満足させるためには、乾燥後の耐火被覆層が、密度0.
4g/cm3以上、厚さ40mm以上に形成されていることが必要
であり、単位面積当たりに使用する水性ペーストの量が
多く、しかも、作業に要する時間も長く、工事費用が嵩
むという欠点を有している。 また、現在利用されている水性ペーストは、該ペースト
中に利用されている無機質結合剤の粘着力によって、す
なわち、乾燥あるいは化学反応によって硬化するまでの
間は軟らかいペースト状をなす無機質結合剤の粘着力に
よって、鉄骨等に付着するものであるため、施工性を高
める目的で、一度に厚く塗ったり、または、ペースト中
の水量を多くしたりすると、水が下の方に移動し、該部
分での水分含有率がさらに高くなって粘着力が減少し、
施工された耐火被覆層が、柱や壁からずり落ちたり、梁
から剥がれ落ちたり等の不手際が発生する。 この問題を解決するために、水性ペーストからなる耐火
被覆材の組成成分中に膨張ひる石を多量に混合し、得ら
れる耐火被覆層の熱伝導率を下げることによって、断熱
性に優れた作用を奏する耐火被覆層を形成するように
し、耐火被覆層の厚さを薄く、また、密度を小さくする
ような工夫がなされているが、未だ十分ではない。 これに対して、本各発明は、火災時の加熱を受けたとき
に、断熱性能の高い耐火被覆層となるような施工を行な
える耐火被覆材で、鉄骨や梁等に対して施工される耐火
被覆層の厚さが小さくて済むため、使用材料の量を大幅
に減少でき、しかも、施工工程での施工性に良好な性質
を有する水性ペーストを提供する。
【課題を解決するための手段】
本第1の発明の耐火被覆材は、水性ペースト中の固形成
分を100重量部としたときに、無機質結合剤20〜65重量
部と、平均粒径が0.1〜6mmの熱膨張性を有する未膨張鉱
物質粉末10〜40重量部とを含有し、かつ、軽量骨材を含
有していない水性ペーストからなる。 また、本第2の発明の耐火被覆材は、水性ペースト中の
固形成分を100重量部としたときに、無機質結合剤20〜6
5重量部と、平均粒径が0.1〜6mmの熱膨張性を有する未
膨張鉱物質粉末10〜35重量部と、結晶水または層間水を
具備する鉱物質粉末10〜35重量部とを含有し、かつ、軽
量骨材を含有していない水性ペーストからなる。 前記構成からなる本各発明の水性ペーストからなる耐火
被覆材に利用される無機質結合剤は、例えば、ポルトラ
ンドセメント、スラグセメント,半水石膏等による水硬
性無機質結合剤や、水ガラス,コロイダルシリカ,コロ
イダルアルミナ等の液状無機質結合剤である。 前記無機質結合剤の含有量が少ないと、形成される耐火
被覆層の強度が得られなく、また、多量になりすぎる
と、耐火被覆層の密度が高くなりすぎて熱伝導率が良く
なり、耐火性能が悪化することとなるので、得られる耐
火被覆層の耐火性能と強度との関係から、無機質結合剤
は、水性ペースト中の固形成分で、20〜65重量%の割合
で利用される。 本発明の水性ペーストからなる耐火被覆材においては、
該水性ペースト中における未膨張鉱物質粉末の存在によ
り、火災時の加熱によって耐火被覆層に有効な膨張(ま
たは発泡)が生じ、かつ、この膨張量が大きすぎる等に
よって耐火被覆層が加熱を受けている間に剥がれ落ちる
というようなことのないように、該未膨張鉱物質粉末
は、水性ペースト中の固形成分で10〜40重量%の割合で
利用される。 また、前記未膨張鉱物質粉末は、その粒度が大きすぎる
と、耐火被覆層が火災による加熱を受けている間に剥が
れ落ちることがあるため、平均粒径が0.1〜6mm、好まし
くは0.3〜1.5mmのものが利用される。 本第2の発明の耐火被覆材は、前述の無機質結合剤と熱
膨張性を有する未膨張鉱物質粉末とに加えて、さらに、
結晶水または層間水を具備する鉱物質粉末を含有するも
ので、この結晶水または層間水を具備する鉱物質粉末と
しては、一応の目安として7重量%以上の結晶水及び/
又は層間水を含有する鉱物質粉末、例えば、ギプサイ
ト,加水ハロイサイトNa−モンモリロナイト,ブルーサ
イト,カオリン鉱物,二水石膏等が使用される。 前記結晶水また層間水を具備する鉱物質粉末は、得られ
る耐火被覆層の強度と、火災の際の加熱によって水を放
出する吸熱作用との兼ね合いから、水性ペースト中の固
形成分で10〜35重量%の割合で利用される。 なお、前記無機質結合剤として説明したセメントおよび
石膏は、本発明の水性ペーストによって施工された耐火
被覆層の乾燥・硬化後には、水和反応によって、結晶水
また層間水を具備する鉱物質粉末と同様の作用を奏する
が、本第2の発明の水性ペースト中の「結晶水または層
間水を具備する鉱物質粉末」は、該水性ペースト中に配
合される時点での結晶水または層間水を具備する鉱物質
粉末の意味であり、施工された耐火被覆層の乾燥・硬化
後の性質に基づくものではない。 また、熱膨張性を有する未膨張鉱物質粉末の1例として
説明した未膨張ひる石は、結晶水または層間水を具備す
る鉱物質粉末の範疇に入るものではあるが、本各発明の
水性ペーストからなる耐火被覆材においては、前記未膨
張ひる石は、本各発明における必須の固形成分をなす熱
膨張性を有する未膨張鉱物質粉末として取り扱うことと
する。 本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆材は、前記し
た各成分を必須の固形成分とするもので、さらに、従来
の湿式工法による耐火被覆材に利用されていた通常の固
形成分、すなわち、ロックウール,切断したガラス繊
維,セラミックウール等の無機質繊維、界面活性剤、増
粘剤等が、必要に応じて添加され得ることは勿論であ
る。 以下、必要に応じて添加される固形成分について説明す
る。 無機質繊維は、本各発明の耐火被覆材中において「繋
ぎ」の作用が必要とされる場合に、あるいは、断熱性を
高めるために配合されるもので、例えば、ロックウー
ル,スラグウール,切断したガラス長繊維,セラミック
ウール,繊維状セピオライト等の耐熱性繊維が利用され
る。 断熱性の向上を目的として無機質繊維を添加する場合に
は、水性ペースト中の固形成分で15重量%以上で利用す
るのが好ましい。 なお、無機質繊維の多量の添加は、水性ペーストの流動
性を悪化させるため、通常は、50重量%以下に抑えられ
る。 界面活性剤は、ペーストの流動性を良好ならしめるもの
で、ペースト中の水量を抑えてペーストの付着力を高め
ても、その流動性が低下することなく、良好な施工性が
維持できるようにする目的で添加される。 このため、水性ペースト中で撹拌されることによって、
大量の安定した気泡が発生し、しかも、無機質結合剤の
硬化を阻害することのないような性質のものが利用さ
れ、例えば、α・オレフィンスルホン酸Na塩や直鎖アル
キルベンゼンスルホン酸Na塩が好適に利用される。 なお、界面活性剤の大量の添加は、その効果の上昇に繋
らないだけでなく、水性ペースト中での可燃性有機物の
含有量の増大の要因となるので、水性ペースト中の固形
成分で、0.5重量%以下に抑えるのが好ましい。 増粘剤は、水性ペーストをホース内にて圧送する工程で
の流動性を向上させ、水と固形成分との分離を防止し、
さらには、界面活性剤の気泡を安定させる作用を果たす
もので、流動性の良好な水性ペーストの場合には、当然
不必要なものである。 増粘剤は、特に、無機質繊維の配合量の高いスラリーの
場合に有効であり、例えば、メチルセルロース,ヒドロ
キシエチルセルロース,ボリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキサイド等の有機質増粘剤や、Na−モンモリロ
ナイト等の粘土鉱物による無機質増粘剤が利用される。 なお、前記増粘剤の添加は、0.1重量%未満の少量で
は、増粘剤の添加の効果がなく、また、有機質増粘剤
を、1.5重量%を超える配合量で混合すると、水性スラ
リーの粘度が高くなりすぎて、ポンプによる圧送に多大
の動力が必要となり、また、形成される耐火被覆層の乾
燥収縮率が高くなって、乾燥後の耐火被覆層のヒビ割れ
の要因ともなるので、水性ペースト中の固形成分で、1.
5重量%以下に抑えるのが好ましい。 本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆材の好適な組
成割合は、本第1の発明の無機質結合剤と熱膨張性を有
する未膨張鉱物質粉末とを含有する水性ペーストの場合
で、水性ペースト中の固形成分で、20〜40重量%の無機
質繊維と、20〜65重量%の無機質結合剤と、0.5重量%
以下の界面活性剤と、0.1〜1.5重量%の有機質増粘剤
と、10〜40重量%の平均粒径が0.1〜6mmの熱膨張性を有
する未膨張鉱物質粉末とによるものである。 また、本第2の発明の無機質結合剤と熱膨張性を有する
未膨張鉱物質粉末と結晶水または層間水を具備する鉱物
質粉末とを含有する水性ペーストの場合で、水性ペース
ト中の固形成分で、15〜50重量%の無機質繊維と、20〜
65重量%の無機質結合剤と、0.5重量%以下の界面活性
剤と、0.1〜1.5重量%の有機質増粘剤と、10〜40重量%
の平均粒径が0.1〜6mmの熱膨張性を有する未膨張鉱物質
粉末と、7重量%以上の結晶水または層間水を具備する
鉱物質粉末10〜35重量%とによるものである。 前記固形成分を含有する本各発明の水性ペーストは、固
形成分組成物をミキサーやブレンダーを利用して混合し
て袋詰めした後に、建築現場に搬入し、モルタルミキサ
ー等によって、適量の水と共に混合,混練し、粘稠なペ
ースト状に調製することによって得られる。
【作用】
本第1の発明の耐火被覆材は、水性ペースト中の固形成
分を100重量部としたときに、無機質結合剤20〜65重量
部と、平均粒径が0.1〜6mmの熱膨張性を有する未膨張鉱
物質粉末10〜40重量部とを含有し、かつ、軽量骨材を含
有していない水性ペーストからなる。 また、本第2の発明の耐火被覆材は、水性ペースト中の
固形成分を100重量部としたときに、無機質結合剤20〜6
5重量部と、平均粒径が0.1〜6mmの熱膨張性を有する未
膨張鉱物質粉末10〜40重量部と、結晶水または層間水を
具備する鉱物質粉末10〜35重量部とを含有し、かつ、軽
量骨材を含有していない水性ペーストからなる。 本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆材による耐火
被覆層は、固形成分中の20〜65重量%が無機質結合剤で
あるため、耐火被覆層に必要な十分な強度を有し、しか
も、耐火性能を悪化させる原因となるような高密度にな
ることが無く、強度と耐火性能とをバランスして具備す
る。 本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆材による耐火
被覆層は、固形成分中の10〜40重量%を占める未膨張鉱
物質粉末の存在により、火災時の加熱によって耐火被覆
層の耐火性能に有効な膨張(または発泡)が生じて耐火
被覆層の厚さが増大し、断熱性および耐火性において優
れた作用を奏する。 したがって、本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆
材においては、施工される耐火被覆層の厚さが、従来の
水性ペーストによる耐火被覆層の場合よりも薄くて済む
ため、材料の使用量が少なくなり、しかも、施工性の点
でも良好な作用が奏される。 また、本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆材によ
って得られる耐火被覆層は、前記ペースト中における未
膨張鉱物質粉末によって、火災時における優れた断熱性
能が奏されるので、得られる耐火被覆層に特別な機械的
強度が要求されるような箇所への施工に際しては、無機
質結合剤の配合量の高い水性ペーストを適用することに
よって、耐火性能と機械的強度とを兼備する耐火被覆層
になる。 また、本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆材によ
って得られる耐火被覆層は、この耐火被覆層中における
熱膨張性を有する未膨張鉱物質粉末が、平均粒径が0.1
〜6mmからなり、しかも、固形成分中の10〜40重量%の
含有量に調整されているため、火災の際の加熱によって
耐火被覆層として有効な膨張を生じ、しかも、膨張量が
大きすぎるために耐火被覆層が加熱を受けている間に剥
がれ落ちるというような危険性が無い。 さらに、従来の膨張ひる石を利用した水性ペーストから
なる耐火被覆材の場合には、水性ペーストをポンプによ
る圧送する工程で、ポンプ圧によって、水が膨張ひる石
に形成されている間隙内に押し込まれることにより、水
性ペーストの流動性が悪化するため、余分な水を添加し
なければならなく、この余分な水が水性ペーストによっ
て施工された耐火被覆材中を移動し、施工された耐火被
覆層に、剥がれやだれが発生する要因になり、さらに
は、乾燥収縮等が発生する原因になっていた。 これに対して、本各発明の水性ペーストからなる耐火被
覆材は、膨張ひる石等の軽量骨材を含有することが無い
ため、施工された耐火被覆層に剥がれやだれが発生する
ことがなく、また、乾燥収縮等が発生することがないた
め耐火性能に悪影響を及ぼすクラックの発生の無い品質
の良好な耐火被覆層を均一に形成し得る。 また、本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆材は、
未膨張鉱物質粉末を含有するものであるから、すなわ
ち、本各発明の水性ペースト中におけるひる石はその層
が未だ広がる前のものであり、また、パーライトは未発
泡状態のものであるから、水性ペーストをポンプにより
圧送する工程で、ポンプ圧によって未膨張鉱物質粉末内
に水が圧入するようなことがないため余分な水の添加が
不要となる。 このため、本各発明の耐火被覆材においては、水性ペー
スト中の配合量の低い、すなわち、粘着力の高い水性ペ
ーストになるので、界面活性剤や増粘剤の添加量を低減
させることができ、乾燥収縮量の小さい、しかも、耐火
性能においてはマイナス要因となる有機質成分の低い耐
火性にきわめて優れた作用を奏する耐火被覆層が形成さ
れる。 さらに、本第2の発明の水性ペーストからなる耐火被覆
材は、熱膨張性を有する未膨張鉱物質粉末に起因する前
記作用に加えて、火災時の加熱によって、結晶水を具備
する鉱物質粉末からは結晶水が放出され、また、層間水
を具備する鉱物質粉末からは層間水が流出してくるの
で、これらの水による蒸発潜熱によって温度の上昇が抑
制され、耐火性能においてさらに優れた性質を有する耐
火被覆層が得られる。 しかも、本第2の発明の水性ペーストからなる耐火被覆
材によって得られる耐火被覆層は、固形成分中の10〜35
重量%が結晶水または層間水を具備する鉱物質粉末であ
ることから、耐火被覆層の強度と火災の際の加熱によっ
て水を放出する吸熱作用とがバランスして奏される。
【実施例】
以下、本発明の耐火被覆材の具体的な構成を実施例に以
って説明し、該耐火被覆材によって施工された耐火被覆
層の物性を併せて説明する。 なお、実施例及び比較例で利用した固形成分は、以下の
通りである。 ロックウール(無機質繊維) JIS−A−9504に規定されたロックウールの30mm以下の
粒状物 未膨張ひる石 (熱膨張性を有する未膨張鉱物質粉末) 粒度分布 0.125mm以下 ‥‥‥1.0% 0.126mm〜0.5mm ‥‥40% 0.51mm〜0.7mm ‥‥58% 0.7mmを超えるもの ‥‥1.0% 膨張ひる石 JIS−A−5009に規定されている断熱用の膨張ひる石‥
‥粒度(2.5) 水酸化アルミニウム (結晶水を具備する鉱物質粉末) ハイジライトH−10:昭和電工(株) 結晶水含有率:34.6重量% 無機質結合剤 ポルトランドセメントと石膏プラスター[吉野石膏
(株)] 増粘剤 メチルセルロース ハイメトローズ90SH−30000:[信越化学(株)] 比較例1〜比較例2 第1表中の所定欄に表示されている配合物(重量部)の
100重量部と、同じく第1表中の所定欄に表示されて重
量部の水との配合組成物を、モルタルミキサーで混練す
ることによって、比較のための耐火被覆材たる水性ペー
ストを得た。 [実験1] 面積1m×1m,枠の高さ3.5cmの鉄製の型枠に対して、前記
比較例品からなる各耐火被覆材を、鏝塗りで塗布し、40
℃,15日間の自然乾燥に付し、厚さ35mmの耐火被覆層を
形成した後、得られた耐火被覆層を、JIS−A−1304の
昇温曲線に従って1010℃まで昇温する2時間の加熱試験
に付した。 前記加熱試験による加熱2時間の時点での鉄板の温度
(℃)と、2時間で加熱を止めて放置したときに、加熱
炉の余熱によって鉄板の温度がしばらく上昇した後に温
度低下が生ずる工程での前記温度低下直前の最高温度
(℃)と、加熱試験後の耐火被覆層の平均厚さ増加率
(%)とを、加熱試験前の耐火被覆層の密度(kg/m3
および平均厚さ(mm)と共に第2表に示す。 実施例1〜実施例4 第3表中の所定欄に表示されている配合物(重量部)の
100重量部と、同じく第3表中の所定欄に表示されて重
量部の水との配合組成物を、モルタルミキサーで混練す
ることによって、本発明の耐火被覆材の実施例品たる水
性ペーストを得た。 [実験2] 面積1m×1m,枠の高さ3.5cmの鉄製の型枠に対して、前記
実施例品からなる各耐火被覆材を、モルタル圧送ポンプ
を利用して流し込み、40℃,15日間の自然乾燥を付し、
厚さ35mmの耐火被覆層を形成した後、得られた耐火被覆
層を、JIS−A−1304の昇温曲線に従って1010℃まで昇
温する2時間の加熱試験に付した。 前記加熱試験による加熱2時間の時点での鉄板の温度
(℃)と、2時間で加熱を止めて放置したときに、加熱
炉の余熱によって鉄板の温度がしばらく上昇した後に温
度低下が生ずる工程での前記温度低下直前の最高温度
(℃)と、加熱試験後の耐火被覆層の平均厚さ増加率
(%)とを、加熱試験前の耐火被覆層の密度(kg/m3
および平均厚さ(mm)と共に第4表に示す。 比較例3 固形成分が、 ロックウール ‥‥‥50重量部 ポルトランドセメント ‥‥‥39.5重量部 膨張ひる石 ‥‥‥10.0重量部 メチルセルロース ‥‥‥0.5重量部 からなる組成物100重量部と、125重量部の水との混合物
を、モルタルミキサーで混練することによって、比較の
ための水性ペーストからなる耐火被覆材を得た。 [実験3] 得られた水性ペーストを利用し、以下、前述の実験3に
おける対応工程と同一の手順による厚さ40mmの耐火被覆
層の形成と、加熱試験とを行なった。 結果は下記の通りである。 加熱前の密度‥‥‥‥‥‥510kg/m3 加熱前の平均厚さ‥‥‥‥40mm 平均厚さの増加率(%)‥‥0.0 2時間加熱後の鉄板の温度‥‥‥310℃ 2時間加熱後の鉄板の最高温度‥‥‥340℃ [実験4] 前記実施例1〜4および比較例1〜3で得られた各耐火
被覆材による耐火被覆層の乾燥を、105℃,48時間の条件
の下で行ない、得られた耐火被覆層を800℃,2時間の加
熱に付したときの重量の減少率、すなわち、灼減脱水率
(重量%)を測定した。 結果を第5表に示す。
【効果】 本第1の発明及び第2の発明の耐火被覆材によって施工
された耐火被覆層は、前述の実施例に基づく説明で明ら
かな通り、火災の際の加熱によってその厚さが増大する
もので、かかる作用によって、耐火・断熱性において優
れた結果が奏される。 したがって、本各発明の水性ペーストからなる耐火被覆
材においては、施工される耐火被覆層の厚さが、従来の
水性ペーストによって施工されるものよりも小さくて済
むため、材料費の軽減、施工の手間及び施工時間の軽減
が図れる。 特に、建築物の構造部分に対して施工された耐火被覆層
の厚さを小さくし、その重量の軽減が図れるということ
は、建造物全体の重量の軽減に繋るものであるため、耐
震構造の建築物の設計に有利な条件となる。 また、本各発明の耐火被覆材は、水性ペーストの組成成
分中に、該水性ペーストの流動性を悪化させる要因とな
る膨張ひる石や発泡パーライト等の軽量骨材を含んでい
ないので、水性ペーストに余分な水の添加が必要でなく
なる。 このため、梁や柱に対して適用された水性ペーストがだ
れ落ちるようなことがなく、また、乾燥後の耐火被覆層
の収縮率が低くなり、クラックの発生が減少する。 さらに、本第2の発明の発明の耐火被覆材においては、
前記の効果に加えて、火災時の加熱の際には、結晶水を
具備する鉱物質粉末の結晶水や、層間水を具備する鉱物
質粉末の層間水による蒸発潜熱が利用できるので、その
耐火性能においてさらに優れた耐火被覆層が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C04B 28/00 14:18 2102−4G 14:20 Z 2102−4G 14:10 Z 2102−4G 22:14) B 2102−4G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性ペースト中の固形成分を100重量部と
    したときに、無機質結合剤20〜65重量部と、平均粒径が
    0.1〜6mmの熱膨張性を有する未膨張鉱物質粉末10〜40重
    量部とを含有し、かつ、軽量骨材を含有していない水性
    ペーストからなることを特徴とする耐火被覆材。
  2. 【請求項2】水性ペースト中の固形成分を100重量部と
    したときに、無機質結合剤20〜65重量部と、平均粒径が
    0.1〜6mmの熱膨張性を有する未膨張鉱物質粉末10〜40重
    量部と、結晶水または層間水を具備する鉱物質粉末10〜
    35重量部とを含有し、かつ、軽量骨材を含有していない
    水性ペーストからなることを特徴とする耐火被覆材。
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