JP2000160057A - 建築土木用材料 - Google Patents

建築土木用材料

Info

Publication number
JP2000160057A
JP2000160057A JP10353979A JP35397998A JP2000160057A JP 2000160057 A JP2000160057 A JP 2000160057A JP 10353979 A JP10353979 A JP 10353979A JP 35397998 A JP35397998 A JP 35397998A JP 2000160057 A JP2000160057 A JP 2000160057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic
aqueous solution
colloidal
water
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10353979A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Fukuoka
岡 信 福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ando Corp
Original Assignee
Ando Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ando Corp filed Critical Ando Corp
Priority to JP10353979A priority Critical patent/JP2000160057A/ja
Publication of JP2000160057A publication Critical patent/JP2000160057A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】垂直面に対しても所望厚みの塗膜を形成できる
レオロジ−特性及び塗膜形成能を有して、硬化後の塗膜
に対して軽量及び耐火性等の物性を付与することができ
る水系スラリ−からなる建築土木用材料を提供する。 【解決手段】建築土木用材料は、水硬性又は/及び気硬
性の無機質結合材の分散相にコロイド次元の無機質粒子
等の無機質微細粒子又は等価物が水に混入されている水
系スラリ−からなる。 【効果】水系スラリ−は垂直面及び天井等に対して1m
m(特に10mm)を越える厚みの塗膜の形成が可能で
あって、水系スラリ−による塗膜は、軽量性、防火性及
び経時的に強度が増大する等の特徴を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性又は/及び
気硬性の無機質結合材粒子が主体の分散相が無機質コロ
イド粒子を含んで水に分散されている水系スラリ−から
なる建築土木用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】壁材、鉄骨用防火材及びモルタル等は、
セメント及び硫酸カルシウム等の硬化性材料を基本材料
にして、骨材、補強剤、増量材、減水剤、AE減水剤、
高性能AE減水剤、亀裂防止材、保水剤、流動性調整
剤、増粘剤、硬化反応調整剤及び防水剤等を水に分散さ
せた水系スラリ−として使用に供されている。
【0003】なお、「水系スラリ−」は、固体粒子(分
散相)と水(分散媒)とを混合して液状化したもので、
以下においては、特に言及しない限り「水系スラリ−」
を建築土木用に供される水系スラリ−の意味で使用す
る。
【0004】水系スラリ−に用いられる混和材及び混和
剤は、多種多様の材料が使用されるが、材料自体は公知
であって、水系スラリ−の目的との関係で選択して使用
されている。ただし、所望の水系スラリ−に対して限定
的な目的で添加される材料がある。例えば、水ガラス
は、スラリ−の凝結時間調整及び硬化物への防水付与等
の目的でコンクリ−トスラリ−に添加されている。
【0005】また、減水剤、AE減水剤及び高性能AE
減水剤は、コンクリ−トスラリ−のセメント粒子の分散
性を大きくして水の量的比率を下げる目的で他の水系ス
ラリ−にも添加されていて、コンクリ−トスラリ−以外
の水系スラリ−についても同様の目的で添加されてい
る。
【0006】水系スラリ−は、工業的実施において有用
であるためには、流動性(例えば、チクソトロピ−
性)、塗膜形成性(例えば、垂直面及び天井等への塗膜
形成)及び硬化後の塗膜物性(例えば、強度、耐火性)
の全てにおいてバランス良く優れていることが必要であ
る。しかし、材料の組み合わせについての従来の考え方
等では、実質的に多くの困難が存在した。
【0007】しかも、従来の水系スラリ−は、水とセメ
ント等の水硬性材料との比率(以下において、W/C比
と略称することがある)が30%(水とセメント等の水
硬性材料との合計重量を基準とする重量百分率)以上で
あると、レオロジ−等の点から塗膜形成性が低下して垂
直面及び天井に水系スラリ−を塗布しても1mmの厚み
の塗膜の形成が実質的に不可能となって、しかも、厚み
1mm以下の薄い塗膜では、対象物に耐火性を付与する
のが困難であった。
【0008】そして、厚み1mm以下の薄い塗膜の耐火
性の向上は、工業的には、ロックウ−ル等の耐火材料を
水系スラリ−に混入する方法により行われていた。しか
し、ロックウ−ル自体の耐熱性が700℃程度であっ
て、建築土木の分野での使用に供される塗膜としては、
耐火性が不十分であった。
【0009】ロックウ−ルは、その取扱に際して浮遊粉
塵が発生するのでロックウ−ル混入の水系スラリ−を製
造する際の作業環境が著しく悪くなる等の問題点があっ
た。従って、従来の建築土木用材料は、セメントその他
の硬化性材料を含む材料により垂直面及び天井等に対し
て耐火性を付与するには、それらの材料から1mm以上
の厚みの板状成形材にして、それを垂直面及び天井等に
取り付け等の方法が行われていた。しかし、板状成形材
は、建物及び鉄骨材への取り付けるに際して機械的設備
及び多くの人的労力が必要となる等の問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の水系スラリ−
は、レオロジ−特性、塗膜形成性及び硬化後の塗膜物性
等について下記(i)〜(iii)に代表される問題点
があった。 (i)混和材及び混和剤の組み合わせについての従来の
考え方では、1mm以上の厚みの塗膜形成に有効なレオ
ロジ−の水系スラリ−にするのが困難であるとの問題点
があって、それに対して有効な提案がなされていないと
の問題点があった。 (ii)従来の水系スラリ−は、W/C比を30%以上
にすると塗膜厚みの確保の困難であるところから、実質
的には、W/C比が30%以上である工業的実施が可能
な水系スラリ−についての有効な提案がなされていない
との問題点があった。 (iii)従来にあっては、硬化後の塗膜への耐火性の
付与は、工業的には、耐火性を有する混和材若しくは混
和剤を混入するという発想に基づいて検討が行われてい
るにすぎないとの問題点があった。
【0011】そこで、セメント、硫酸カルシウム体及び
その他の硬化性材料を主体とする水系スラリ−が、大き
な厚みの塗膜形成性を有して、耐火性その他について有
効な物性を硬化後の塗膜に付与し得るものにする検討
が、本発明者によって実験を主体として行われて本発明
が見いだされた。
【0012】ここにおいて、本発明は、所望厚みの塗膜
を垂直面に対しても形成し得るレオロジ−特性及び塗膜
形成を有して、硬化後の塗膜が軽量であって耐火性等に
優れた物性を備えている水系スラリ−からなる建築土木
用材料を提供すること、を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の建築土木用材料
は、水硬性又は/及び気硬性の無機質結合材とそれより
も少ない量の下記に定義の無機質微細粒子又は/及び無
機質水溶液とが水に混入されて、前記無機質結合材の硬
化による硬質塗膜形成性を備える水系スラリ−になって
いる建築土木用材料であって、かつ、前記無機質微細粒
子又は/及び無機質水溶液が、前記水系スラリ−をして
垂直面に対して1mmを越える厚みの塗膜の形成を可能
にする物性にするのに有効な量で含まれていること、を
特徴とする。
【0014】無機質微細粒子 無機質微細粒子は、コロイド次元の無機質粒子若しくは
コロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子からな
る。
【0015】無機質水溶液 無機質水溶液は、無機化合物が水に溶解している水溶液
であって、本来的に水溶液の状態のものである。
【0016】
【発明の具体的説明】本発明の建築土木用材料は、前述
の発明の特定要素(発明の構成要素)からなる水系スラ
リ−であって、それに含まれる水硬性又は/及び気硬性
の無機質結合材の硬化作用によって塗膜を形成させ、硬
化後にあっては軽量であって耐火性に優れる等の物性を
有する塗膜が得られるものである。
【0017】本発明は、水系スラリ−の主体をなす無機
質結合材の粒子群中にコロイド粒子等を介在させて、水
系スラリ−をして垂直面に対しても1mmを越える所望
厚みの塗膜が形成可能になるレオロジ−特性及びその他
の特徴を有するものにしている。
【0018】しかも、水/無機質結合材の比率が30〜
100%(好ましくは、50〜80重量%)の水系スラ
リ−である場合には、無機質粒子又は/及び無機質水溶
液を加えることによって本発明の効果の享受が容易にな
る(例えば、図2参照)。
【0019】なお、その30%は、水系スラリ−の水と
無機質結合材との合計重量に含まれる水の重量百分率で
ある。
【0020】水/無機質結合材の比率が30%未満で1
00%を越える場合は、塗膜形成のためのレオロジ−特
性及び硬化後の塗膜物性が低下する傾向にある。 〈無機質結合材〉水硬性又は/及び気硬性の無機質結合
材は 無機質結合材が水硬性又は気硬性のいずれかの性
質を備えているものであること若しくは水硬性及び気硬
性の両方の性質を備えているものであることが可能であ
る。
【0021】水硬性の無機質結合材は、代表例として、
セメント、硫酸カルシウム若しくは明ばん等が挙げられ
る。セメントは、ポルトランドセメントの使用が代表的
ではあるが、それ以外のセメントの使用も可能である。
【0022】例えば、早強ポルトランドセメント、超早
強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメン
ト、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセ
メント、混合ポルトランドセメント、高炉セメント、フ
ライアッシュセメント、シリカセメント若しくはアルミ
ナセメント等である。
【0023】硫酸カルシウム(石こう)は、化学(合
成、副生)及び天然のいずれの製法に由来するものでも
使用可能である。硫酸カルシウムは、無水塩及び含水塩
(CaSO4・1/2H2O、CaSO4・2H2O)にい
ずれもが使用されるが、半水塩の硫酸カルシウムの使用
が代表的である。明ばんは、建築土木材料として可能な
種類であれば、本発明においても使用可能である。
【0024】気硬性の無機質結合材は、代表例として、
水酸化カルシウム若しくは水酸化マグネシウム等が挙げ
られる。水酸化カルシウム(消石灰、Ca(OH)2
は、建築のモルタルの原料として使用される場合と同様
に、空気中の炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムになる
反応が塗膜形成に利用される。水酸化マグネシウム(M
g(OH)2)も空気中の炭酸ガスを吸収してヒドロキ
シ炭酸塩を生ずる反応が塗膜形成に利用される。
【0025】無機質結合材は、水硬性若しくは気硬性の
無機質結合材いずれか一種を用いるのが代表的ではある
が、二種以上を用いることが可能である。 〈無機質微細粒子及び無機質水溶液〉本発明の水系スラ
リ−は、無機質結合材の粒子群からなる分散相がコロイ
ド次元の粒子の介在によって凝集その他の化学的及び物
理的な状況が変化して、本発明の効果を生じさせるレオ
ロジ−特性及び塗膜形成性を備えるものにされている
(後記実施例参照)。
【0026】本発明の水系スラリ−は、無機質微細粒子
又は/及び無機質水溶液の介在によって垂直面に形成さ
れる塗膜が1mmを越えて、例えば、5mm〜10mm
程度の厚みに形成することが可能である。
【0027】無機質微細粒子としては、コロイド次元の
無機質粒子が用いられる。なお、「コロイド次元」の大
きさについては、いくつかの説があるが、いずれの説に
よるコロイド次元の大きさであっても、本発明による効
果の享受が可能である。
【0028】本発明の水系スラリ−は、コロイド次元の
無機質粒子を含む無機質微細粒子(すなわち、コロイド
次元の無機質粒子とコロイド次元を越える大きな粒子)
を使用しても、本発明の効果の享受が可能である。
【0029】コロイド次元の無機質粒子の製造において
は、コロイド次元よりも大きい粒径(稀には、小さい粒
径)の粒子を含む粒径分布で製造されることがある。本
発明の水系スラリ−は、そのようなコロイド次元を外れ
た無機質微細粒子を含むものでも使用も可能である。
【0030】なお、無機質のコロイド粒子は、工業的に
は、粒子状若しくは水溶液状のいずれの形態によること
が選択的に可能なものがある。その場合には、いずれの
形態のものも使用可能である。
【0031】無機質のコロイド粒子は、例えば、コロイ
ドシリカ、コロイドケイ酸若しくはコロイドアルミナ等
である。なお、コロイドシリカの同義語としてコロイダ
ルシリカが使用されているが、本明細書においては「コ
ロイドシリカ」の用語を使用する。他のコロイド粒子に
ついても同様である。
【0032】無機質のコロイド粒子は、一種を用いるの
が代表的ではあるが、二種以上を用いることが可能であ
る。無機質のコロイド粒子は、無機質結合材の種類との
関係から最適な種類が選択される。
【0033】本発明の水系スラリ−は、無機質水溶液が
混入されても、無機質微細粒子の混入と同様の効果が得
られる。無機質水溶液は、無機化合物が水に溶解してい
て水溶液であって水溶液が本来の状態のもので、代表例
としては、水ガラス等が挙げられる。
【0034】無機質微細粒子及び無機質水溶液は、本発
明の水系スラリ−のレオロジ−特性及び塗膜形成性等が
本発明の効果を生じさせる量で加えられる。
【0035】無機質微細粒子又は/及び無機質水溶液
は、例えば、0.03〜13.00重量%、好ましくは
0.05〜10.00重量%、が混入される。なお、重
量%は、無機質結合材の重量を基準とする%であって、
例えば、13.00重量%は、無機質結合材の重量×1
3/100としたものである。 〈他の混和剤及び混和材〉本発明の水系スラリ−は、選
択的成分として他の混和材及び混和剤を加えるこも可能
である。その選択的成分のいくつかを例示すると以下の
ものがある。起泡剤 起泡剤は、混入するのが好ましい選択的成分であって、
起泡剤由来の気泡の混入によって本発明による塗膜をし
て気泡による塗膜の単位容積当たりの質量をより軽減さ
せる等して塗膜性能を容易により向上させることが可能
である。そして、コロイド次元の無機質粒子が介在する
無機質結合材の粒子群が主体の本発明による塗膜にあっ
ては、気泡の塗膜への分散によって、強度、耐火性、断
熱性及びその他の塗膜物性の向上が容易になる。
【0036】起泡剤は、0.07〜4.00重量%、好
ましくは0.10〜3.00重量%、が混入される。重
量%は、無機質微細粒子及び無機質水溶液の場合と同様
にして算出される。
【0037】起泡剤は、本発明の水系スラリ−に対して
は界面活性剤系のものの使用が適していて、例えば、減
水剤、AE減水剤若しくは高性能AE減水剤に用いられ
る界面活性剤も使用可能である。
【0038】起泡剤としては、例えば、β−ナフタレン
スルホン酸高縮合物ナトリウム塩、β−ナフタレンスル
ホン酸低縮合物ナトリウム塩、クレオソ−ト油スルホン
酸縮合物ナトリウム塩、メラミン樹脂スルホン酸ナトリ
ウム、グルコン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナト
リウム若しくはポリオキシエチレンノニルフェニルエ−
テル等が挙げられる。発泡剤 本発明の水系スラリ−にあっては、発泡剤による気泡若
しくは起泡剤と発泡剤との併用による気泡の膜への分
散によっても、強度、耐火性、断熱性及びその他の塗膜
物性を向上させることが可能である。発泡剤としては、
例えば、アルミニウム粉末等が使用される。起泡剤及び
発泡剤は、本発明の水系スラリ−が有するレオロジ−特
性及び塗膜形成能が向上する範囲の量が加えられる。
【0039】なお、本発明の「気泡生成剤」は、気泡を
生成するのに有効な剤であって、代表的には、起泡剤若
しくは起泡剤及び発泡剤からなるものである。着色剤 顔料等の着色剤により水系スラリ−を着色して高価の塗
膜に色彩を付与することが可能である。着色剤は、例え
ば、コンクリ−ト及びモルタル等で使用されていものが
使用される。骨材及び増量剤 骨材及び増量剤が混入されることがある。骨材、人工骨
材、天然骨材及び副産物骨材のいずれの種類も使用可能
である。骨材及び増量剤は、一種若しくは二種以上の使
用が可能である。
【0040】骨材としては、例えば、粉砕鉱物(例え
ば、石粉)、スラグ、高炉スラグ、バ−ミキュライト、
パ−ライト、カオリン、タルク、ドロマイト、ケイ藻
土、膨張ケツ岩、膨張粘土、膨膨ストレ−ト、火山れ
き、火山れき加工品、粉砂、シリカフュ−ム、ケイ酸白
土、フライアッシユ、焼成フライアッシユ、炭酸カルシ
ウム、マイカ、ケイ石粉、マグネシア等が挙げられる。無機質繊維 本発明の水系スラリ−は、無機質繊維の混入によってレ
オロジ−特性及び塗膜物性が調整されることがある。無
機質繊維としては、例えば、炭素繊維等が挙げられる。
【0041】本発明の水系スラリ−は、建築土木用の各
種用途に用いられる。例えば、各種の左官用材料(例え
ば、プラスタ−、モルタル等)、鉄骨材用の防火、保
、及び仕上げ、建物用仕上げ等として用いられ
る。
【0042】また、本発明の水系スラリ−は、建築土木
に用いられる各種材料に対する塗膜の形成が可能であっ
て、例えば、鉄骨材料から木質材料に対しても塗膜を形
成させることができる。
【0043】そして、本発明の水系スラリ−は、従来の
建築土木用の水系スラリ−に代えて従来にない性能の塗
膜を形成することが可能になる。さらに、本発明の水系
スラリ−は、他の混和剤及び混和材を加えて新たな性能
の付加が容易である。
【0044】なお、本発明においては、本発明の合目的
であって、本発明の効果を特に害さない限りにおいて
は、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であっ
て、いずれも本発明の範囲である。
【0045】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、実施例は例示であって本発明を拘束するも
のではない。
【0046】
【実施例】〈実施例1〉無機質結合材粒子と水とをミキ
サ−(周速1.0m/秒)により15秒以上混合後、コ
ロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子を加えて
ミキサ−(周速5〜10m/秒)により60〜90秒混
合して試験用水系スラリ−を調製した。気泡生成剤は、
当初若しくは無機質微細粒子の添加の際に加えた。必要
がある場合は、他の混和剤及び混和材(骨材等)を加え
て15秒程度低速で混合した。表1は調製した試験用水
系スラリ−の成分量を示している。表1及び表2の「結
合剤」は無機質結合材を便宜上略したものである。表1
及び表2の「コロイド」はコロイド次元の無機質粒子を
含む無機質微細粒子のことである。また、表1及び表2
の(PPH)は重量部である。
【0047】
【表1】 表2は、比較のために、コロイド次元の無機質粒子を含
む無機質微細粒子を加えないで調製した比較用水系スラ
リ−の成分量を示している。
【0048】
【表2】 〈実施例2〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−及
び比較用水系スラリ−を用いて、沈降容積の経時変化を
測定した。図1はその測定結果を示している。図1の右
端の括弧内の数字は、コロイド次元の無機質粒子を含む
無機質微細粒子の重量%を示している。重量%は、無機
質結合材と無機質微細粒子との合計量を基準とする無機
質微細粒子の重量百分率である。
【0049】なお、図1の右端最下端の(0%)と繋が
る曲線は、無機質微細粒子が加えられていない比較用水
系スラリ−を示している。
【0050】図1が示す結果によれば、無機質微細粒子
の添加量の増大に応じて沈降時間T1/2 が長くなってい
た。沈降時間T1/2 は、調製直後の水系スラリ−の沈降
面(図1の横軸の0の時点の沈降容積の面)が1/2に
まで沈降するに要する時間である。図1の場合には、沈
降容積が100ミリリットルから50ミリリットルにな
る時間と同様である。
【0051】また、図1によれば、水系スラリ−中の無
機質結合材粒子の沈降が停止した状態での沈降容積は、
無機質微細粒子の添加量の増大に応じて大きくなった。 〈実施例3〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−及
び比較用水系スラリ−を用いて、フロ−値、単位容積質
量及び圧縮強さを測定した。表3は試験用水系スラリ−
を用いて測定した結果である。
【0052】
【表3】 試験用水系スラリ−は、垂直面に対して1mmを大きく
越える大きな厚みの塗膜を形成可能な流動性を備えて、
単位容積当たり質量が小さくなって、塗膜の軽量化が実
現されていた。表4は比較用水系スラリ−を用いて測定
した結果である。
【0053】
【表4】 比較用水系スラリ−は、無機質微細粒子が添加されてい
ないことがあって、いずれの場合も流れ出しが生じた。
また、表4の1、5の場合は材料分離が生じて実用に供
し得ないものであった。 〈実施例4〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−を
用いて、単位容積質量及びフロ−値に対するコロイド粒
子の添加量に対する影響を測定した。図2は、その結果
を示している。図2において、符号Aで示す曲線はコロ
イド粒子の添加量に対するフロ−値を示していて、符号
Bで示す曲線はコロイド粒子の添加量に対する単位容積
質量を示している。フロ−値はモルタルフロ−コ−ンの
拡がりで測定した。
【0054】図2の符号A及びBで示す曲線は、水/無
機質結合材の比率が50%で、起泡剤を無機質結合材に
対して0.1重量%加えた試験用水系スラリ−を用いて
測定した。
【0055】水/無機質結合材の比率が50%で、気泡
生成剤を無機質結合材に対して1.0重量%加えた水系
スラリ−は、コロイド粒子の添加量がおおよそ1.5%
(図2の横軸は重量%)以上であると自立して流れなか
った。 〈実施例5〉図3は、塗膜の圧縮強さに及ぼす水系スラ
リ−中の水/無機質結合材の比率を測定した結果を示し
ている。図3の横軸は水/無機質結合材の比率の%を示
している。図3の符号Aで示す曲線は無機質微細粒子
(又は無機質水溶液)が加えられていない比較用水系ス
ラリ−を示していて、図3の符号Bで示す曲線は無機質
結合材に対して無機質微細粒子を1.5重量%加えて、
気泡生成剤を1.0重量%加えた試験用水系スラリ−示
している。圧縮強さは、塗膜形成後7日間経過した塗膜
について測定した。
【0056】無機質微細粒子(又は無機質水溶液)が加
えられていないと、水系スラリ−中の水量比率が増大す
るに従って塗膜の圧縮強さが急激に低下することが判明
した(図3の符号Aで示す曲線を参照)。
【0057】それに対して無機質微細粒子を加えた試験
用水系スラリ−は、水系スラリ−中の水量比率が増大す
るに従って圧縮強さが一定割合で増大することが判明し
た(図3の符号Bで示す曲線を参照)。
【0058】
【発明の効果】本発明の水系スラリ−からなる建築土木
用材料によれば、下記(a)〜(e)に代表される種々
の効果が得られる。 (a)1mm(特に10mm)を越える厚みの塗膜を垂
直面及び天井等に対して形成することが可能になる。 (b)水系スラリ−は、建築土木用の広範囲の材質に対
して塗布その他の手段により塗膜を形成することが可能
である。 (c)硬化後の塗膜が、単位容積質量が小さくて(すな
わち、軽量で)、大き強度を有して、建造物及び建築土
木用部材の表面に形成する塗膜として優れている。 (d)硬化後の塗膜は、経時的に強度が増大する等の優
れた構造物性及び化学的物性を有している。 (e)硬化後の塗膜の耐火性及び耐熱性は、無機質結合
材等の物性に由来するので、ロックウ−ルを混入した場
合よりも大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】沈降容積の経時変化を示す線図である。
【図2】単位容積質量及びフロ−値と無機質結合材量と
の関係を示す線図である。
【図3】圧縮強さと無機質結合材の量との関係を示す線
図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水硬性又は/及び気硬性の無機質結合材と
    それよりも少ない量の下記に定義の無機質微細粒子又は
    /及び無機質水溶液とが水に混入されて、前記無機質結
    合材の硬化による硬質塗膜形成性を備える水系スラリ−
    になっている建築土木用材料であって、かつ、前記無機
    質微細粒子又は/及び無機質水溶液が、前記水系スラリ
    −をして垂直面に対して1mmを越える厚みの塗膜の形
    成を可能にする物性にするのに有効な量で含まれている
    こと、を特徴とする建築土木用材料。無機質微細粒子 無機質微細粒子は、コロイド次元の無機質粒子若しくは
    コロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子からな
    る。無機質水溶液 無機質水溶液は、無機化合物が水に溶解している水溶液
    であって、本来的に水溶液の状態のものである。
  2. 【請求項2】前記水系スラリ−は、水と前記無機質結合
    材との比率が30〜100%(水と無機質結合材との合
    計重量を基準とする水の重量百分率)であって、無機質
    微細粒子又は/及び無機質水溶液が、0.03〜13.
    00%(無機質結合材の重量を基準とする重量百分率)
    含まれて、必要に応じて、気泡生成剤が0.04〜4.
    00%(無機質結合材の重量を基準とする重量百分率)
    含まれているものであること、を特徴とする請求項1に
    記載の建築土木用材料。
  3. 【請求項3】(a)前記水硬性の無機質結合材が、セメ
    ント、硫酸カルシウム若しくは明ばんの一種若しくは二
    種以上からなるものであり、(b)前記気硬性の無機質
    結合材が、水酸化カルシウム若しくは水酸化マグネシウ
    ム一種若しくは二種からなるものであり、(c)前記無
    機質のコロイド粒子が、コロイドシリカ、コロイドケイ
    酸若しくはコロイドアルミナの一種若しくは二種以上か
    らなるものであり、(d)前記無機質水溶液が、水ガラ
    スであること、を特徴とする請求項1若しくは2に記載
    の建築土木用材料。
JP10353979A 1998-11-27 1998-11-27 建築土木用材料 Withdrawn JP2000160057A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10353979A JP2000160057A (ja) 1998-11-27 1998-11-27 建築土木用材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10353979A JP2000160057A (ja) 1998-11-27 1998-11-27 建築土木用材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000160057A true JP2000160057A (ja) 2000-06-13

Family

ID=18434510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10353979A Withdrawn JP2000160057A (ja) 1998-11-27 1998-11-27 建築土木用材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000160057A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7658794B2 (en) 2000-03-14 2010-02-09 James Hardie Technology Limited Fiber cement building materials with low density additives
US7704316B2 (en) 2001-03-02 2010-04-27 James Hardie Technology Limited Coatings for building products and methods of making same
US7708826B2 (en) 2001-03-02 2010-05-04 James Hardie Technology Limited Additive for dewaterable slurry and slurry incorporating same
US7993570B2 (en) 2002-10-07 2011-08-09 James Hardie Technology Limited Durable medium-density fibre cement composite
US7998571B2 (en) 2004-07-09 2011-08-16 James Hardie Technology Limited Composite cement article incorporating a powder coating and methods of making same
US8993462B2 (en) 2006-04-12 2015-03-31 James Hardie Technology Limited Surface sealed reinforced building element
CN114835462A (zh) * 2022-05-24 2022-08-02 夏璐 一种绿色环保安全的常用装饰产品的制作方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7658794B2 (en) 2000-03-14 2010-02-09 James Hardie Technology Limited Fiber cement building materials with low density additives
US7727329B2 (en) 2000-03-14 2010-06-01 James Hardie Technology Limited Fiber cement building materials with low density additives
US8182606B2 (en) 2000-03-14 2012-05-22 James Hardie Technology Limited Fiber cement building materials with low density additives
US8603239B2 (en) 2000-03-14 2013-12-10 James Hardie Technology Limited Fiber cement building materials with low density additives
US7704316B2 (en) 2001-03-02 2010-04-27 James Hardie Technology Limited Coatings for building products and methods of making same
US7708826B2 (en) 2001-03-02 2010-05-04 James Hardie Technology Limited Additive for dewaterable slurry and slurry incorporating same
US7993570B2 (en) 2002-10-07 2011-08-09 James Hardie Technology Limited Durable medium-density fibre cement composite
US7998571B2 (en) 2004-07-09 2011-08-16 James Hardie Technology Limited Composite cement article incorporating a powder coating and methods of making same
US8993462B2 (en) 2006-04-12 2015-03-31 James Hardie Technology Limited Surface sealed reinforced building element
CN114835462A (zh) * 2022-05-24 2022-08-02 夏璐 一种绿色环保安全的常用装饰产品的制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2010323416B2 (en) Inorganic binder system for the production of chemically resistant construction chemistry products
US10355278B2 (en) Binder based on a solid mineral compound rich in alkaline-earth metal oxide with phosphate-containing activators
JPH06500525A (ja) 選択された骨材と混合された強化されたセメント
WO2015095778A1 (en) Improved fire core compositions and methods
WO2008008414A1 (en) Sprayable and pumpable phosphate cement
KR101363896B1 (ko) 급결 드라이 콘크리트 믹스 조성물
CA3170961A1 (en) Slag-based hydraulic binder, dry mortar composition comprising same and system for activating a slag-based binder
KR19980065526A (ko) 다기능성 고성능몰탈의 조성물
US20110178209A1 (en) Manufacturing hydraulic cement aggregates for use in insulating and heat reflecting products
WO2014108435A1 (de) Wasserbeständiges bindemittel auf basis von anhydrit
CN111875322A (zh) 一种多组分混凝土复合修补砂浆
JP3624294B2 (ja) ポリマーセメント系複合材
CN112469681A (zh) 包含粘土的粘合剂
JP2000160057A (ja) 建築土木用材料
JP2023511351A (ja) 水硬性結合材とセルロースエーテルとを含む調合物
AU2020321450A1 (en) Inorganic polymers and use thereof in composite materials
RU2659432C1 (ru) Регулятор реологических свойств дисперсных систем на основе неорганических вяжущих веществ
JP7122170B2 (ja) コンクリート表面仕上げ用硬化促進剤
JPH0474745A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP7233381B2 (ja) コテ仕上げ剤及びその使用方法
JPH059051A (ja) エポキシ樹脂系ポリマーセメント組成物、 エポキシ樹脂系ポリマーセメントモルタル組成物およびその硬化方法。
JP2002012832A (ja) 水系塗装材
JP2774897B2 (ja) セメント組成物
JP2024501295A (ja) 三成分系水硬性結合材組成物
WO2023152589A1 (en) A dry mortar composition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051116

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080214