JP2000160057A - 建築土木用材料 - Google Patents
建築土木用材料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】垂直面に対しても所望厚みの塗膜を形成できる
レオロジ−特性及び塗膜形成能を有して、硬化後の塗膜
に対して軽量及び耐火性等の物性を付与することができ
る水系スラリ−からなる建築土木用材料を提供する。 【解決手段】建築土木用材料は、水硬性又は/及び気硬
性の無機質結合材の分散相にコロイド次元の無機質粒子
等の無機質微細粒子又は等価物が水に混入されている水
系スラリ−からなる。 【効果】水系スラリ−は垂直面及び天井等に対して1m
m(特に10mm)を越える厚みの塗膜の形成が可能で
あって、水系スラリ−による塗膜は、軽量性、防火性及
び経時的に強度が増大する等の特徴を備えている。
レオロジ−特性及び塗膜形成能を有して、硬化後の塗膜
に対して軽量及び耐火性等の物性を付与することができ
る水系スラリ−からなる建築土木用材料を提供する。 【解決手段】建築土木用材料は、水硬性又は/及び気硬
性の無機質結合材の分散相にコロイド次元の無機質粒子
等の無機質微細粒子又は等価物が水に混入されている水
系スラリ−からなる。 【効果】水系スラリ−は垂直面及び天井等に対して1m
m(特に10mm)を越える厚みの塗膜の形成が可能で
あって、水系スラリ−による塗膜は、軽量性、防火性及
び経時的に強度が増大する等の特徴を備えている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性又は/及び
気硬性の無機質結合材粒子が主体の分散相が無機質コロ
イド粒子を含んで水に分散されている水系スラリ−から
なる建築土木用材料に関する。
気硬性の無機質結合材粒子が主体の分散相が無機質コロ
イド粒子を含んで水に分散されている水系スラリ−から
なる建築土木用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】壁材、鉄骨用防火材及びモルタル等は、
セメント及び硫酸カルシウム等の硬化性材料を基本材料
にして、骨材、補強剤、増量材、減水剤、AE減水剤、
高性能AE減水剤、亀裂防止材、保水剤、流動性調整
剤、増粘剤、硬化反応調整剤及び防水剤等を水に分散さ
せた水系スラリ−として使用に供されている。
セメント及び硫酸カルシウム等の硬化性材料を基本材料
にして、骨材、補強剤、増量材、減水剤、AE減水剤、
高性能AE減水剤、亀裂防止材、保水剤、流動性調整
剤、増粘剤、硬化反応調整剤及び防水剤等を水に分散さ
せた水系スラリ−として使用に供されている。
【0003】なお、「水系スラリ−」は、固体粒子(分
散相)と水(分散媒)とを混合して液状化したもので、
以下においては、特に言及しない限り「水系スラリ−」
を建築土木用に供される水系スラリ−の意味で使用す
る。
散相)と水(分散媒)とを混合して液状化したもので、
以下においては、特に言及しない限り「水系スラリ−」
を建築土木用に供される水系スラリ−の意味で使用す
る。
【0004】水系スラリ−に用いられる混和材及び混和
剤は、多種多様の材料が使用されるが、材料自体は公知
であって、水系スラリ−の目的との関係で選択して使用
されている。ただし、所望の水系スラリ−に対して限定
的な目的で添加される材料がある。例えば、水ガラス
は、スラリ−の凝結時間調整及び硬化物への防水付与等
の目的でコンクリ−トスラリ−に添加されている。
剤は、多種多様の材料が使用されるが、材料自体は公知
であって、水系スラリ−の目的との関係で選択して使用
されている。ただし、所望の水系スラリ−に対して限定
的な目的で添加される材料がある。例えば、水ガラス
は、スラリ−の凝結時間調整及び硬化物への防水付与等
の目的でコンクリ−トスラリ−に添加されている。
【0005】また、減水剤、AE減水剤及び高性能AE
減水剤は、コンクリ−トスラリ−のセメント粒子の分散
性を大きくして水の量的比率を下げる目的で他の水系ス
ラリ−にも添加されていて、コンクリ−トスラリ−以外
の水系スラリ−についても同様の目的で添加されてい
る。
減水剤は、コンクリ−トスラリ−のセメント粒子の分散
性を大きくして水の量的比率を下げる目的で他の水系ス
ラリ−にも添加されていて、コンクリ−トスラリ−以外
の水系スラリ−についても同様の目的で添加されてい
る。
【0006】水系スラリ−は、工業的実施において有用
であるためには、流動性(例えば、チクソトロピ−
性)、塗膜形成性(例えば、垂直面及び天井等への塗膜
形成)及び硬化後の塗膜物性(例えば、強度、耐火性)
の全てにおいてバランス良く優れていることが必要であ
る。しかし、材料の組み合わせについての従来の考え方
等では、実質的に多くの困難が存在した。
であるためには、流動性(例えば、チクソトロピ−
性)、塗膜形成性(例えば、垂直面及び天井等への塗膜
形成)及び硬化後の塗膜物性(例えば、強度、耐火性)
の全てにおいてバランス良く優れていることが必要であ
る。しかし、材料の組み合わせについての従来の考え方
等では、実質的に多くの困難が存在した。
【0007】しかも、従来の水系スラリ−は、水とセメ
ント等の水硬性材料との比率(以下において、W/C比
と略称することがある)が30%(水とセメント等の水
硬性材料との合計重量を基準とする重量百分率)以上で
あると、レオロジ−等の点から塗膜形成性が低下して垂
直面及び天井に水系スラリ−を塗布しても1mmの厚み
の塗膜の形成が実質的に不可能となって、しかも、厚み
1mm以下の薄い塗膜では、対象物に耐火性を付与する
のが困難であった。
ント等の水硬性材料との比率(以下において、W/C比
と略称することがある)が30%(水とセメント等の水
硬性材料との合計重量を基準とする重量百分率)以上で
あると、レオロジ−等の点から塗膜形成性が低下して垂
直面及び天井に水系スラリ−を塗布しても1mmの厚み
の塗膜の形成が実質的に不可能となって、しかも、厚み
1mm以下の薄い塗膜では、対象物に耐火性を付与する
のが困難であった。
【0008】そして、厚み1mm以下の薄い塗膜の耐火
性の向上は、工業的には、ロックウ−ル等の耐火材料を
水系スラリ−に混入する方法により行われていた。しか
し、ロックウ−ル自体の耐熱性が700℃程度であっ
て、建築土木の分野での使用に供される塗膜としては、
耐火性が不十分であった。
性の向上は、工業的には、ロックウ−ル等の耐火材料を
水系スラリ−に混入する方法により行われていた。しか
し、ロックウ−ル自体の耐熱性が700℃程度であっ
て、建築土木の分野での使用に供される塗膜としては、
耐火性が不十分であった。
【0009】ロックウ−ルは、その取扱に際して浮遊粉
塵が発生するのでロックウ−ル混入の水系スラリ−を製
造する際の作業環境が著しく悪くなる等の問題点があっ
た。従って、従来の建築土木用材料は、セメントその他
の硬化性材料を含む材料により垂直面及び天井等に対し
て耐火性を付与するには、それらの材料から1mm以上
の厚みの板状成形材にして、それを垂直面及び天井等に
取り付け等の方法が行われていた。しかし、板状成形材
は、建物及び鉄骨材への取り付けるに際して機械的設備
及び多くの人的労力が必要となる等の問題点があった。
塵が発生するのでロックウ−ル混入の水系スラリ−を製
造する際の作業環境が著しく悪くなる等の問題点があっ
た。従って、従来の建築土木用材料は、セメントその他
の硬化性材料を含む材料により垂直面及び天井等に対し
て耐火性を付与するには、それらの材料から1mm以上
の厚みの板状成形材にして、それを垂直面及び天井等に
取り付け等の方法が行われていた。しかし、板状成形材
は、建物及び鉄骨材への取り付けるに際して機械的設備
及び多くの人的労力が必要となる等の問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の水系スラリ−
は、レオロジ−特性、塗膜形成性及び硬化後の塗膜物性
等について下記(i)〜(iii)に代表される問題点
があった。 (i)混和材及び混和剤の組み合わせについての従来の
考え方では、1mm以上の厚みの塗膜形成に有効なレオ
ロジ−の水系スラリ−にするのが困難であるとの問題点
があって、それに対して有効な提案がなされていないと
の問題点があった。 (ii)従来の水系スラリ−は、W/C比を30%以上
にすると塗膜厚みの確保の困難であるところから、実質
的には、W/C比が30%以上である工業的実施が可能
な水系スラリ−についての有効な提案がなされていない
との問題点があった。 (iii)従来にあっては、硬化後の塗膜への耐火性の
付与は、工業的には、耐火性を有する混和材若しくは混
和剤を混入するという発想に基づいて検討が行われてい
るにすぎないとの問題点があった。
は、レオロジ−特性、塗膜形成性及び硬化後の塗膜物性
等について下記(i)〜(iii)に代表される問題点
があった。 (i)混和材及び混和剤の組み合わせについての従来の
考え方では、1mm以上の厚みの塗膜形成に有効なレオ
ロジ−の水系スラリ−にするのが困難であるとの問題点
があって、それに対して有効な提案がなされていないと
の問題点があった。 (ii)従来の水系スラリ−は、W/C比を30%以上
にすると塗膜厚みの確保の困難であるところから、実質
的には、W/C比が30%以上である工業的実施が可能
な水系スラリ−についての有効な提案がなされていない
との問題点があった。 (iii)従来にあっては、硬化後の塗膜への耐火性の
付与は、工業的には、耐火性を有する混和材若しくは混
和剤を混入するという発想に基づいて検討が行われてい
るにすぎないとの問題点があった。
【0011】そこで、セメント、硫酸カルシウム体及び
その他の硬化性材料を主体とする水系スラリ−が、大き
な厚みの塗膜形成性を有して、耐火性その他について有
効な物性を硬化後の塗膜に付与し得るものにする検討
が、本発明者によって実験を主体として行われて本発明
が見いだされた。
その他の硬化性材料を主体とする水系スラリ−が、大き
な厚みの塗膜形成性を有して、耐火性その他について有
効な物性を硬化後の塗膜に付与し得るものにする検討
が、本発明者によって実験を主体として行われて本発明
が見いだされた。
【0012】ここにおいて、本発明は、所望厚みの塗膜
を垂直面に対しても形成し得るレオロジ−特性及び塗膜
形成を有して、硬化後の塗膜が軽量であって耐火性等に
優れた物性を備えている水系スラリ−からなる建築土木
用材料を提供すること、を目的とする。
を垂直面に対しても形成し得るレオロジ−特性及び塗膜
形成を有して、硬化後の塗膜が軽量であって耐火性等に
優れた物性を備えている水系スラリ−からなる建築土木
用材料を提供すること、を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の建築土木用材料
は、水硬性又は/及び気硬性の無機質結合材とそれより
も少ない量の下記に定義の無機質微細粒子又は/及び無
機質水溶液とが水に混入されて、前記無機質結合材の硬
化による硬質塗膜形成性を備える水系スラリ−になって
いる建築土木用材料であって、かつ、前記無機質微細粒
子又は/及び無機質水溶液が、前記水系スラリ−をして
垂直面に対して1mmを越える厚みの塗膜の形成を可能
にする物性にするのに有効な量で含まれていること、を
特徴とする。
は、水硬性又は/及び気硬性の無機質結合材とそれより
も少ない量の下記に定義の無機質微細粒子又は/及び無
機質水溶液とが水に混入されて、前記無機質結合材の硬
化による硬質塗膜形成性を備える水系スラリ−になって
いる建築土木用材料であって、かつ、前記無機質微細粒
子又は/及び無機質水溶液が、前記水系スラリ−をして
垂直面に対して1mmを越える厚みの塗膜の形成を可能
にする物性にするのに有効な量で含まれていること、を
特徴とする。
【0014】無機質微細粒子 無機質微細粒子は、コロイド次元の無機質粒子若しくは
コロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子からな
る。
コロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子からな
る。
【0015】無機質水溶液 無機質水溶液は、無機化合物が水に溶解している水溶液
であって、本来的に水溶液の状態のものである。
であって、本来的に水溶液の状態のものである。
【0016】
【発明の具体的説明】本発明の建築土木用材料は、前述
の発明の特定要素(発明の構成要素)からなる水系スラ
リ−であって、それに含まれる水硬性又は/及び気硬性
の無機質結合材の硬化作用によって塗膜を形成させ、硬
化後にあっては軽量であって耐火性に優れる等の物性を
有する塗膜が得られるものである。
の発明の特定要素(発明の構成要素)からなる水系スラ
リ−であって、それに含まれる水硬性又は/及び気硬性
の無機質結合材の硬化作用によって塗膜を形成させ、硬
化後にあっては軽量であって耐火性に優れる等の物性を
有する塗膜が得られるものである。
【0017】本発明は、水系スラリ−の主体をなす無機
質結合材の粒子群中にコロイド粒子等を介在させて、水
系スラリ−をして垂直面に対しても1mmを越える所望
厚みの塗膜が形成可能になるレオロジ−特性及びその他
の特徴を有するものにしている。
質結合材の粒子群中にコロイド粒子等を介在させて、水
系スラリ−をして垂直面に対しても1mmを越える所望
厚みの塗膜が形成可能になるレオロジ−特性及びその他
の特徴を有するものにしている。
【0018】しかも、水/無機質結合材の比率が30〜
100%(好ましくは、50〜80重量%)の水系スラ
リ−である場合には、無機質粒子又は/及び無機質水溶
液を加えることによって本発明の効果の享受が容易にな
る(例えば、図2参照)。
100%(好ましくは、50〜80重量%)の水系スラ
リ−である場合には、無機質粒子又は/及び無機質水溶
液を加えることによって本発明の効果の享受が容易にな
る(例えば、図2参照)。
【0019】なお、その30%は、水系スラリ−の水と
無機質結合材との合計重量に含まれる水の重量百分率で
ある。
無機質結合材との合計重量に含まれる水の重量百分率で
ある。
【0020】水/無機質結合材の比率が30%未満で1
00%を越える場合は、塗膜形成のためのレオロジ−特
性及び硬化後の塗膜物性が低下する傾向にある。 〈無機質結合材〉水硬性又は/及び気硬性の無機質結合
材は 無機質結合材が水硬性又は気硬性のいずれかの性
質を備えているものであること若しくは水硬性及び気硬
性の両方の性質を備えているものであることが可能であ
る。
00%を越える場合は、塗膜形成のためのレオロジ−特
性及び硬化後の塗膜物性が低下する傾向にある。 〈無機質結合材〉水硬性又は/及び気硬性の無機質結合
材は 無機質結合材が水硬性又は気硬性のいずれかの性
質を備えているものであること若しくは水硬性及び気硬
性の両方の性質を備えているものであることが可能であ
る。
【0021】水硬性の無機質結合材は、代表例として、
セメント、硫酸カルシウム若しくは明ばん等が挙げられ
る。セメントは、ポルトランドセメントの使用が代表的
ではあるが、それ以外のセメントの使用も可能である。
セメント、硫酸カルシウム若しくは明ばん等が挙げられ
る。セメントは、ポルトランドセメントの使用が代表的
ではあるが、それ以外のセメントの使用も可能である。
【0022】例えば、早強ポルトランドセメント、超早
強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメン
ト、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセ
メント、混合ポルトランドセメント、高炉セメント、フ
ライアッシュセメント、シリカセメント若しくはアルミ
ナセメント等である。
強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメン
ト、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセ
メント、混合ポルトランドセメント、高炉セメント、フ
ライアッシュセメント、シリカセメント若しくはアルミ
ナセメント等である。
【0023】硫酸カルシウム(石こう)は、化学(合
成、副生)及び天然のいずれの製法に由来するものでも
使用可能である。硫酸カルシウムは、無水塩及び含水塩
(CaSO4・1/2H2O、CaSO4・2H2O)にい
ずれもが使用されるが、半水塩の硫酸カルシウムの使用
が代表的である。明ばんは、建築土木材料として可能な
種類であれば、本発明においても使用可能である。
成、副生)及び天然のいずれの製法に由来するものでも
使用可能である。硫酸カルシウムは、無水塩及び含水塩
(CaSO4・1/2H2O、CaSO4・2H2O)にい
ずれもが使用されるが、半水塩の硫酸カルシウムの使用
が代表的である。明ばんは、建築土木材料として可能な
種類であれば、本発明においても使用可能である。
【0024】気硬性の無機質結合材は、代表例として、
水酸化カルシウム若しくは水酸化マグネシウム等が挙げ
られる。水酸化カルシウム(消石灰、Ca(OH)2)
は、建築のモルタルの原料として使用される場合と同様
に、空気中の炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムになる
反応が塗膜形成に利用される。水酸化マグネシウム(M
g(OH)2)も空気中の炭酸ガスを吸収してヒドロキ
シ炭酸塩を生ずる反応が塗膜形成に利用される。
水酸化カルシウム若しくは水酸化マグネシウム等が挙げ
られる。水酸化カルシウム(消石灰、Ca(OH)2)
は、建築のモルタルの原料として使用される場合と同様
に、空気中の炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムになる
反応が塗膜形成に利用される。水酸化マグネシウム(M
g(OH)2)も空気中の炭酸ガスを吸収してヒドロキ
シ炭酸塩を生ずる反応が塗膜形成に利用される。
【0025】無機質結合材は、水硬性若しくは気硬性の
無機質結合材いずれか一種を用いるのが代表的ではある
が、二種以上を用いることが可能である。 〈無機質微細粒子及び無機質水溶液〉本発明の水系スラ
リ−は、無機質結合材の粒子群からなる分散相がコロイ
ド次元の粒子の介在によって凝集その他の化学的及び物
理的な状況が変化して、本発明の効果を生じさせるレオ
ロジ−特性及び塗膜形成性を備えるものにされている
(後記実施例参照)。
無機質結合材いずれか一種を用いるのが代表的ではある
が、二種以上を用いることが可能である。 〈無機質微細粒子及び無機質水溶液〉本発明の水系スラ
リ−は、無機質結合材の粒子群からなる分散相がコロイ
ド次元の粒子の介在によって凝集その他の化学的及び物
理的な状況が変化して、本発明の効果を生じさせるレオ
ロジ−特性及び塗膜形成性を備えるものにされている
(後記実施例参照)。
【0026】本発明の水系スラリ−は、無機質微細粒子
又は/及び無機質水溶液の介在によって垂直面に形成さ
れる塗膜が1mmを越えて、例えば、5mm〜10mm
程度の厚みに形成することが可能である。
又は/及び無機質水溶液の介在によって垂直面に形成さ
れる塗膜が1mmを越えて、例えば、5mm〜10mm
程度の厚みに形成することが可能である。
【0027】無機質微細粒子としては、コロイド次元の
無機質粒子が用いられる。なお、「コロイド次元」の大
きさについては、いくつかの説があるが、いずれの説に
よるコロイド次元の大きさであっても、本発明による効
果の享受が可能である。
無機質粒子が用いられる。なお、「コロイド次元」の大
きさについては、いくつかの説があるが、いずれの説に
よるコロイド次元の大きさであっても、本発明による効
果の享受が可能である。
【0028】本発明の水系スラリ−は、コロイド次元の
無機質粒子を含む無機質微細粒子(すなわち、コロイド
次元の無機質粒子とコロイド次元を越える大きな粒子)
を使用しても、本発明の効果の享受が可能である。
無機質粒子を含む無機質微細粒子(すなわち、コロイド
次元の無機質粒子とコロイド次元を越える大きな粒子)
を使用しても、本発明の効果の享受が可能である。
【0029】コロイド次元の無機質粒子の製造において
は、コロイド次元よりも大きい粒径(稀には、小さい粒
径)の粒子を含む粒径分布で製造されることがある。本
発明の水系スラリ−は、そのようなコロイド次元を外れ
た無機質微細粒子を含むものでも使用も可能である。
は、コロイド次元よりも大きい粒径(稀には、小さい粒
径)の粒子を含む粒径分布で製造されることがある。本
発明の水系スラリ−は、そのようなコロイド次元を外れ
た無機質微細粒子を含むものでも使用も可能である。
【0030】なお、無機質のコロイド粒子は、工業的に
は、粒子状若しくは水溶液状のいずれの形態によること
が選択的に可能なものがある。その場合には、いずれの
形態のものも使用可能である。
は、粒子状若しくは水溶液状のいずれの形態によること
が選択的に可能なものがある。その場合には、いずれの
形態のものも使用可能である。
【0031】無機質のコロイド粒子は、例えば、コロイ
ドシリカ、コロイドケイ酸若しくはコロイドアルミナ等
である。なお、コロイドシリカの同義語としてコロイダ
ルシリカが使用されているが、本明細書においては「コ
ロイドシリカ」の用語を使用する。他のコロイド粒子に
ついても同様である。
ドシリカ、コロイドケイ酸若しくはコロイドアルミナ等
である。なお、コロイドシリカの同義語としてコロイダ
ルシリカが使用されているが、本明細書においては「コ
ロイドシリカ」の用語を使用する。他のコロイド粒子に
ついても同様である。
【0032】無機質のコロイド粒子は、一種を用いるの
が代表的ではあるが、二種以上を用いることが可能であ
る。無機質のコロイド粒子は、無機質結合材の種類との
関係から最適な種類が選択される。
が代表的ではあるが、二種以上を用いることが可能であ
る。無機質のコロイド粒子は、無機質結合材の種類との
関係から最適な種類が選択される。
【0033】本発明の水系スラリ−は、無機質水溶液が
混入されても、無機質微細粒子の混入と同様の効果が得
られる。無機質水溶液は、無機化合物が水に溶解してい
て水溶液であって水溶液が本来の状態のもので、代表例
としては、水ガラス等が挙げられる。
混入されても、無機質微細粒子の混入と同様の効果が得
られる。無機質水溶液は、無機化合物が水に溶解してい
て水溶液であって水溶液が本来の状態のもので、代表例
としては、水ガラス等が挙げられる。
【0034】無機質微細粒子及び無機質水溶液は、本発
明の水系スラリ−のレオロジ−特性及び塗膜形成性等が
本発明の効果を生じさせる量で加えられる。
明の水系スラリ−のレオロジ−特性及び塗膜形成性等が
本発明の効果を生じさせる量で加えられる。
【0035】無機質微細粒子又は/及び無機質水溶液
は、例えば、0.03〜13.00重量%、好ましくは
0.05〜10.00重量%、が混入される。なお、重
量%は、無機質結合材の重量を基準とする%であって、
例えば、13.00重量%は、無機質結合材の重量×1
3/100としたものである。 〈他の混和剤及び混和材〉本発明の水系スラリ−は、選
択的成分として他の混和材及び混和剤を加えるこも可能
である。その選択的成分のいくつかを例示すると以下の
ものがある。起泡剤 起泡剤は、混入するのが好ましい選択的成分であって、
起泡剤由来の気泡の混入によって本発明による塗膜をし
て気泡による塗膜の単位容積当たりの質量をより軽減さ
せる等して塗膜性能を容易により向上させることが可能
である。そして、コロイド次元の無機質粒子が介在する
無機質結合材の粒子群が主体の本発明による塗膜にあっ
ては、気泡の塗膜への分散によって、強度、耐火性、断
熱性及びその他の塗膜物性の向上が容易になる。
は、例えば、0.03〜13.00重量%、好ましくは
0.05〜10.00重量%、が混入される。なお、重
量%は、無機質結合材の重量を基準とする%であって、
例えば、13.00重量%は、無機質結合材の重量×1
3/100としたものである。 〈他の混和剤及び混和材〉本発明の水系スラリ−は、選
択的成分として他の混和材及び混和剤を加えるこも可能
である。その選択的成分のいくつかを例示すると以下の
ものがある。起泡剤 起泡剤は、混入するのが好ましい選択的成分であって、
起泡剤由来の気泡の混入によって本発明による塗膜をし
て気泡による塗膜の単位容積当たりの質量をより軽減さ
せる等して塗膜性能を容易により向上させることが可能
である。そして、コロイド次元の無機質粒子が介在する
無機質結合材の粒子群が主体の本発明による塗膜にあっ
ては、気泡の塗膜への分散によって、強度、耐火性、断
熱性及びその他の塗膜物性の向上が容易になる。
【0036】起泡剤は、0.07〜4.00重量%、好
ましくは0.10〜3.00重量%、が混入される。重
量%は、無機質微細粒子及び無機質水溶液の場合と同様
にして算出される。
ましくは0.10〜3.00重量%、が混入される。重
量%は、無機質微細粒子及び無機質水溶液の場合と同様
にして算出される。
【0037】起泡剤は、本発明の水系スラリ−に対して
は界面活性剤系のものの使用が適していて、例えば、減
水剤、AE減水剤若しくは高性能AE減水剤に用いられ
る界面活性剤も使用可能である。
は界面活性剤系のものの使用が適していて、例えば、減
水剤、AE減水剤若しくは高性能AE減水剤に用いられ
る界面活性剤も使用可能である。
【0038】起泡剤としては、例えば、β−ナフタレン
スルホン酸高縮合物ナトリウム塩、β−ナフタレンスル
ホン酸低縮合物ナトリウム塩、クレオソ−ト油スルホン
酸縮合物ナトリウム塩、メラミン樹脂スルホン酸ナトリ
ウム、グルコン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナト
リウム若しくはポリオキシエチレンノニルフェニルエ−
テル等が挙げられる。発泡剤 本発明の水系スラリ−にあっては、発泡剤による気泡若
しくは起泡剤と発泡剤との併用による気泡の塗膜への分
散によっても、強度、耐火性、断熱性及びその他の塗膜
物性を向上させることが可能である。発泡剤としては、
例えば、アルミニウム粉末等が使用される。起泡剤及び
発泡剤は、本発明の水系スラリ−が有するレオロジ−特
性及び塗膜形成能が向上する範囲の量が加えられる。
スルホン酸高縮合物ナトリウム塩、β−ナフタレンスル
ホン酸低縮合物ナトリウム塩、クレオソ−ト油スルホン
酸縮合物ナトリウム塩、メラミン樹脂スルホン酸ナトリ
ウム、グルコン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナト
リウム若しくはポリオキシエチレンノニルフェニルエ−
テル等が挙げられる。発泡剤 本発明の水系スラリ−にあっては、発泡剤による気泡若
しくは起泡剤と発泡剤との併用による気泡の塗膜への分
散によっても、強度、耐火性、断熱性及びその他の塗膜
物性を向上させることが可能である。発泡剤としては、
例えば、アルミニウム粉末等が使用される。起泡剤及び
発泡剤は、本発明の水系スラリ−が有するレオロジ−特
性及び塗膜形成能が向上する範囲の量が加えられる。
【0039】なお、本発明の「気泡生成剤」は、気泡を
生成するのに有効な剤であって、代表的には、起泡剤若
しくは起泡剤及び発泡剤からなるものである。着色剤 顔料等の着色剤により水系スラリ−を着色して高価の塗
膜に色彩を付与することが可能である。着色剤は、例え
ば、コンクリ−ト及びモルタル等で使用されていものが
使用される。骨材及び増量剤 骨材及び増量剤が混入されることがある。骨材、人工骨
材、天然骨材及び副産物骨材のいずれの種類も使用可能
である。骨材及び増量剤は、一種若しくは二種以上の使
用が可能である。
生成するのに有効な剤であって、代表的には、起泡剤若
しくは起泡剤及び発泡剤からなるものである。着色剤 顔料等の着色剤により水系スラリ−を着色して高価の塗
膜に色彩を付与することが可能である。着色剤は、例え
ば、コンクリ−ト及びモルタル等で使用されていものが
使用される。骨材及び増量剤 骨材及び増量剤が混入されることがある。骨材、人工骨
材、天然骨材及び副産物骨材のいずれの種類も使用可能
である。骨材及び増量剤は、一種若しくは二種以上の使
用が可能である。
【0040】骨材としては、例えば、粉砕鉱物(例え
ば、石粉)、スラグ、高炉スラグ、バ−ミキュライト、
パ−ライト、カオリン、タルク、ドロマイト、ケイ藻
土、膨張ケツ岩、膨張粘土、膨膨ストレ−ト、火山れ
き、火山れき加工品、粉砂、シリカフュ−ム、ケイ酸白
土、フライアッシユ、焼成フライアッシユ、炭酸カルシ
ウム、マイカ、ケイ石粉、マグネシア等が挙げられる。無機質繊維 本発明の水系スラリ−は、無機質繊維の混入によってレ
オロジ−特性及び塗膜物性が調整されることがある。無
機質繊維としては、例えば、炭素繊維等が挙げられる。
ば、石粉)、スラグ、高炉スラグ、バ−ミキュライト、
パ−ライト、カオリン、タルク、ドロマイト、ケイ藻
土、膨張ケツ岩、膨張粘土、膨膨ストレ−ト、火山れ
き、火山れき加工品、粉砂、シリカフュ−ム、ケイ酸白
土、フライアッシユ、焼成フライアッシユ、炭酸カルシ
ウム、マイカ、ケイ石粉、マグネシア等が挙げられる。無機質繊維 本発明の水系スラリ−は、無機質繊維の混入によってレ
オロジ−特性及び塗膜物性が調整されることがある。無
機質繊維としては、例えば、炭素繊維等が挙げられる。
【0041】本発明の水系スラリ−は、建築土木用の各
種用途に用いられる。例えば、各種の左官用材料(例え
ば、プラスタ−、モルタル等)、鉄骨材用の防火材、保
温材、及び仕上げ材、建物用仕上げ材等として用いられ
る。
種用途に用いられる。例えば、各種の左官用材料(例え
ば、プラスタ−、モルタル等)、鉄骨材用の防火材、保
温材、及び仕上げ材、建物用仕上げ材等として用いられ
る。
【0042】また、本発明の水系スラリ−は、建築土木
に用いられる各種材料に対する塗膜の形成が可能であっ
て、例えば、鉄骨材料から木質材料に対しても塗膜を形
成させることができる。
に用いられる各種材料に対する塗膜の形成が可能であっ
て、例えば、鉄骨材料から木質材料に対しても塗膜を形
成させることができる。
【0043】そして、本発明の水系スラリ−は、従来の
建築土木用の水系スラリ−に代えて従来にない性能の塗
膜を形成することが可能になる。さらに、本発明の水系
スラリ−は、他の混和剤及び混和材を加えて新たな性能
の付加が容易である。
建築土木用の水系スラリ−に代えて従来にない性能の塗
膜を形成することが可能になる。さらに、本発明の水系
スラリ−は、他の混和剤及び混和材を加えて新たな性能
の付加が容易である。
【0044】なお、本発明においては、本発明の合目的
であって、本発明の効果を特に害さない限りにおいて
は、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であっ
て、いずれも本発明の範囲である。
であって、本発明の効果を特に害さない限りにおいて
は、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であっ
て、いずれも本発明の範囲である。
【0045】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、実施例は例示であって本発明を拘束するも
のではない。
説明するが、実施例は例示であって本発明を拘束するも
のではない。
【0046】
【実施例】〈実施例1〉無機質結合材粒子と水とをミキ
サ−(周速1.0m/秒)により15秒以上混合後、コ
ロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子を加えて
ミキサ−(周速5〜10m/秒)により60〜90秒混
合して試験用水系スラリ−を調製した。気泡生成剤は、
当初若しくは無機質微細粒子の添加の際に加えた。必要
がある場合は、他の混和剤及び混和材(骨材等)を加え
て15秒程度低速で混合した。表1は調製した試験用水
系スラリ−の成分量を示している。表1及び表2の「結
合剤」は無機質結合材を便宜上略したものである。表1
及び表2の「コロイド」はコロイド次元の無機質粒子を
含む無機質微細粒子のことである。また、表1及び表2
の(PPH)は重量部である。
サ−(周速1.0m/秒)により15秒以上混合後、コ
ロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子を加えて
ミキサ−(周速5〜10m/秒)により60〜90秒混
合して試験用水系スラリ−を調製した。気泡生成剤は、
当初若しくは無機質微細粒子の添加の際に加えた。必要
がある場合は、他の混和剤及び混和材(骨材等)を加え
て15秒程度低速で混合した。表1は調製した試験用水
系スラリ−の成分量を示している。表1及び表2の「結
合剤」は無機質結合材を便宜上略したものである。表1
及び表2の「コロイド」はコロイド次元の無機質粒子を
含む無機質微細粒子のことである。また、表1及び表2
の(PPH)は重量部である。
【0047】
【表1】 表2は、比較のために、コロイド次元の無機質粒子を含
む無機質微細粒子を加えないで調製した比較用水系スラ
リ−の成分量を示している。
む無機質微細粒子を加えないで調製した比較用水系スラ
リ−の成分量を示している。
【0048】
【表2】 〈実施例2〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−及
び比較用水系スラリ−を用いて、沈降容積の経時変化を
測定した。図1はその測定結果を示している。図1の右
端の括弧内の数字は、コロイド次元の無機質粒子を含む
無機質微細粒子の重量%を示している。重量%は、無機
質結合材と無機質微細粒子との合計量を基準とする無機
質微細粒子の重量百分率である。
び比較用水系スラリ−を用いて、沈降容積の経時変化を
測定した。図1はその測定結果を示している。図1の右
端の括弧内の数字は、コロイド次元の無機質粒子を含む
無機質微細粒子の重量%を示している。重量%は、無機
質結合材と無機質微細粒子との合計量を基準とする無機
質微細粒子の重量百分率である。
【0049】なお、図1の右端最下端の(0%)と繋が
る曲線は、無機質微細粒子が加えられていない比較用水
系スラリ−を示している。
る曲線は、無機質微細粒子が加えられていない比較用水
系スラリ−を示している。
【0050】図1が示す結果によれば、無機質微細粒子
の添加量の増大に応じて沈降時間T1/2 が長くなってい
た。沈降時間T1/2 は、調製直後の水系スラリ−の沈降
面(図1の横軸の0の時点の沈降容積の面)が1/2に
まで沈降するに要する時間である。図1の場合には、沈
降容積が100ミリリットルから50ミリリットルにな
る時間と同様である。
の添加量の増大に応じて沈降時間T1/2 が長くなってい
た。沈降時間T1/2 は、調製直後の水系スラリ−の沈降
面(図1の横軸の0の時点の沈降容積の面)が1/2に
まで沈降するに要する時間である。図1の場合には、沈
降容積が100ミリリットルから50ミリリットルにな
る時間と同様である。
【0051】また、図1によれば、水系スラリ−中の無
機質結合材粒子の沈降が停止した状態での沈降容積は、
無機質微細粒子の添加量の増大に応じて大きくなった。 〈実施例3〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−及
び比較用水系スラリ−を用いて、フロ−値、単位容積質
量及び圧縮強さを測定した。表3は試験用水系スラリ−
を用いて測定した結果である。
機質結合材粒子の沈降が停止した状態での沈降容積は、
無機質微細粒子の添加量の増大に応じて大きくなった。 〈実施例3〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−及
び比較用水系スラリ−を用いて、フロ−値、単位容積質
量及び圧縮強さを測定した。表3は試験用水系スラリ−
を用いて測定した結果である。
【0052】
【表3】 試験用水系スラリ−は、垂直面に対して1mmを大きく
越える大きな厚みの塗膜を形成可能な流動性を備えて、
単位容積当たり質量が小さくなって、塗膜の軽量化が実
現されていた。表4は比較用水系スラリ−を用いて測定
した結果である。
越える大きな厚みの塗膜を形成可能な流動性を備えて、
単位容積当たり質量が小さくなって、塗膜の軽量化が実
現されていた。表4は比較用水系スラリ−を用いて測定
した結果である。
【0053】
【表4】 比較用水系スラリ−は、無機質微細粒子が添加されてい
ないことがあって、いずれの場合も流れ出しが生じた。
また、表4の1、5の場合は材料分離が生じて実用に供
し得ないものであった。 〈実施例4〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−を
用いて、単位容積質量及びフロ−値に対するコロイド粒
子の添加量に対する影響を測定した。図2は、その結果
を示している。図2において、符号Aで示す曲線はコロ
イド粒子の添加量に対するフロ−値を示していて、符号
Bで示す曲線はコロイド粒子の添加量に対する単位容積
質量を示している。フロ−値はモルタルフロ−コ−ンの
拡がりで測定した。
ないことがあって、いずれの場合も流れ出しが生じた。
また、表4の1、5の場合は材料分離が生じて実用に供
し得ないものであった。 〈実施例4〉実施例1で調製した試験用水系スラリ−を
用いて、単位容積質量及びフロ−値に対するコロイド粒
子の添加量に対する影響を測定した。図2は、その結果
を示している。図2において、符号Aで示す曲線はコロ
イド粒子の添加量に対するフロ−値を示していて、符号
Bで示す曲線はコロイド粒子の添加量に対する単位容積
質量を示している。フロ−値はモルタルフロ−コ−ンの
拡がりで測定した。
【0054】図2の符号A及びBで示す曲線は、水/無
機質結合材の比率が50%で、起泡剤を無機質結合材に
対して0.1重量%加えた試験用水系スラリ−を用いて
測定した。
機質結合材の比率が50%で、起泡剤を無機質結合材に
対して0.1重量%加えた試験用水系スラリ−を用いて
測定した。
【0055】水/無機質結合材の比率が50%で、気泡
生成剤を無機質結合材に対して1.0重量%加えた水系
スラリ−は、コロイド粒子の添加量がおおよそ1.5%
(図2の横軸は重量%)以上であると自立して流れなか
った。 〈実施例5〉図3は、塗膜の圧縮強さに及ぼす水系スラ
リ−中の水/無機質結合材の比率を測定した結果を示し
ている。図3の横軸は水/無機質結合材の比率の%を示
している。図3の符号Aで示す曲線は無機質微細粒子
(又は無機質水溶液)が加えられていない比較用水系ス
ラリ−を示していて、図3の符号Bで示す曲線は無機質
結合材に対して無機質微細粒子を1.5重量%加えて、
気泡生成剤を1.0重量%加えた試験用水系スラリ−示
している。圧縮強さは、塗膜形成後7日間経過した塗膜
について測定した。
生成剤を無機質結合材に対して1.0重量%加えた水系
スラリ−は、コロイド粒子の添加量がおおよそ1.5%
(図2の横軸は重量%)以上であると自立して流れなか
った。 〈実施例5〉図3は、塗膜の圧縮強さに及ぼす水系スラ
リ−中の水/無機質結合材の比率を測定した結果を示し
ている。図3の横軸は水/無機質結合材の比率の%を示
している。図3の符号Aで示す曲線は無機質微細粒子
(又は無機質水溶液)が加えられていない比較用水系ス
ラリ−を示していて、図3の符号Bで示す曲線は無機質
結合材に対して無機質微細粒子を1.5重量%加えて、
気泡生成剤を1.0重量%加えた試験用水系スラリ−示
している。圧縮強さは、塗膜形成後7日間経過した塗膜
について測定した。
【0056】無機質微細粒子(又は無機質水溶液)が加
えられていないと、水系スラリ−中の水量比率が増大す
るに従って塗膜の圧縮強さが急激に低下することが判明
した(図3の符号Aで示す曲線を参照)。
えられていないと、水系スラリ−中の水量比率が増大す
るに従って塗膜の圧縮強さが急激に低下することが判明
した(図3の符号Aで示す曲線を参照)。
【0057】それに対して無機質微細粒子を加えた試験
用水系スラリ−は、水系スラリ−中の水量比率が増大す
るに従って圧縮強さが一定割合で増大することが判明し
た(図3の符号Bで示す曲線を参照)。
用水系スラリ−は、水系スラリ−中の水量比率が増大す
るに従って圧縮強さが一定割合で増大することが判明し
た(図3の符号Bで示す曲線を参照)。
【0058】
【発明の効果】本発明の水系スラリ−からなる建築土木
用材料によれば、下記(a)〜(e)に代表される種々
の効果が得られる。 (a)1mm(特に10mm)を越える厚みの塗膜を垂
直面及び天井等に対して形成することが可能になる。 (b)水系スラリ−は、建築土木用の広範囲の材質に対
して塗布その他の手段により塗膜を形成することが可能
である。 (c)硬化後の塗膜が、単位容積質量が小さくて(すな
わち、軽量で)、大き強度を有して、建造物及び建築土
木用部材の表面に形成する塗膜として優れている。 (d)硬化後の塗膜は、経時的に強度が増大する等の優
れた構造物性及び化学的物性を有している。 (e)硬化後の塗膜の耐火性及び耐熱性は、無機質結合
材等の物性に由来するので、ロックウ−ルを混入した場
合よりも大きく向上する。
用材料によれば、下記(a)〜(e)に代表される種々
の効果が得られる。 (a)1mm(特に10mm)を越える厚みの塗膜を垂
直面及び天井等に対して形成することが可能になる。 (b)水系スラリ−は、建築土木用の広範囲の材質に対
して塗布その他の手段により塗膜を形成することが可能
である。 (c)硬化後の塗膜が、単位容積質量が小さくて(すな
わち、軽量で)、大き強度を有して、建造物及び建築土
木用部材の表面に形成する塗膜として優れている。 (d)硬化後の塗膜は、経時的に強度が増大する等の優
れた構造物性及び化学的物性を有している。 (e)硬化後の塗膜の耐火性及び耐熱性は、無機質結合
材等の物性に由来するので、ロックウ−ルを混入した場
合よりも大きく向上する。
【図1】沈降容積の経時変化を示す線図である。
【図2】単位容積質量及びフロ−値と無機質結合材量と
の関係を示す線図である。
の関係を示す線図である。
【図3】圧縮強さと無機質結合材の量との関係を示す線
図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】水硬性又は/及び気硬性の無機質結合材と
それよりも少ない量の下記に定義の無機質微細粒子又は
/及び無機質水溶液とが水に混入されて、前記無機質結
合材の硬化による硬質塗膜形成性を備える水系スラリ−
になっている建築土木用材料であって、かつ、前記無機
質微細粒子又は/及び無機質水溶液が、前記水系スラリ
−をして垂直面に対して1mmを越える厚みの塗膜の形
成を可能にする物性にするのに有効な量で含まれている
こと、を特徴とする建築土木用材料。無機質微細粒子 無機質微細粒子は、コロイド次元の無機質粒子若しくは
コロイド次元の無機質粒子を含む無機質微細粒子からな
る。無機質水溶液 無機質水溶液は、無機化合物が水に溶解している水溶液
であって、本来的に水溶液の状態のものである。 - 【請求項2】前記水系スラリ−は、水と前記無機質結合
材との比率が30〜100%(水と無機質結合材との合
計重量を基準とする水の重量百分率)であって、無機質
微細粒子又は/及び無機質水溶液が、0.03〜13.
00%(無機質結合材の重量を基準とする重量百分率)
含まれて、必要に応じて、気泡生成剤が0.04〜4.
00%(無機質結合材の重量を基準とする重量百分率)
含まれているものであること、を特徴とする請求項1に
記載の建築土木用材料。 - 【請求項3】(a)前記水硬性の無機質結合材が、セメ
ント、硫酸カルシウム若しくは明ばんの一種若しくは二
種以上からなるものであり、(b)前記気硬性の無機質
結合材が、水酸化カルシウム若しくは水酸化マグネシウ
ム一種若しくは二種からなるものであり、(c)前記無
機質のコロイド粒子が、コロイドシリカ、コロイドケイ
酸若しくはコロイドアルミナの一種若しくは二種以上か
らなるものであり、(d)前記無機質水溶液が、水ガラ
スであること、を特徴とする請求項1若しくは2に記載
の建築土木用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10353979A JP2000160057A (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 建築土木用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10353979A JP2000160057A (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 建築土木用材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000160057A true JP2000160057A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=18434510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10353979A Withdrawn JP2000160057A (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 建築土木用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000160057A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7658794B2 (en) | 2000-03-14 | 2010-02-09 | James Hardie Technology Limited | Fiber cement building materials with low density additives |
US7704316B2 (en) | 2001-03-02 | 2010-04-27 | James Hardie Technology Limited | Coatings for building products and methods of making same |
US7708826B2 (en) | 2001-03-02 | 2010-05-04 | James Hardie Technology Limited | Additive for dewaterable slurry and slurry incorporating same |
US7993570B2 (en) | 2002-10-07 | 2011-08-09 | James Hardie Technology Limited | Durable medium-density fibre cement composite |
US7998571B2 (en) | 2004-07-09 | 2011-08-16 | James Hardie Technology Limited | Composite cement article incorporating a powder coating and methods of making same |
US8993462B2 (en) | 2006-04-12 | 2015-03-31 | James Hardie Technology Limited | Surface sealed reinforced building element |
CN114835462A (zh) * | 2022-05-24 | 2022-08-02 | 夏璐 | 一种绿色环保安全的常用装饰产品的制作方法 |
-
1998
- 1998-11-27 JP JP10353979A patent/JP2000160057A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7658794B2 (en) | 2000-03-14 | 2010-02-09 | James Hardie Technology Limited | Fiber cement building materials with low density additives |
US7727329B2 (en) | 2000-03-14 | 2010-06-01 | James Hardie Technology Limited | Fiber cement building materials with low density additives |
US8182606B2 (en) | 2000-03-14 | 2012-05-22 | James Hardie Technology Limited | Fiber cement building materials with low density additives |
US8603239B2 (en) | 2000-03-14 | 2013-12-10 | James Hardie Technology Limited | Fiber cement building materials with low density additives |
US7704316B2 (en) | 2001-03-02 | 2010-04-27 | James Hardie Technology Limited | Coatings for building products and methods of making same |
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US7993570B2 (en) | 2002-10-07 | 2011-08-09 | James Hardie Technology Limited | Durable medium-density fibre cement composite |
US7998571B2 (en) | 2004-07-09 | 2011-08-16 | James Hardie Technology Limited | Composite cement article incorporating a powder coating and methods of making same |
US8993462B2 (en) | 2006-04-12 | 2015-03-31 | James Hardie Technology Limited | Surface sealed reinforced building element |
CN114835462A (zh) * | 2022-05-24 | 2022-08-02 | 夏璐 | 一种绿色环保安全的常用装饰产品的制作方法 |
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Date | Code | Title | Description |
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