JPH069898U - パンチ付プリンター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パンチ孔の位置ずれや記録紙の破れ等を発生
させることなく適切なパンチ孔の穿孔が可能で、しかも
パンチ孔が穿孔された記録紙を排出させるための機構も
簡素なものにする。 【構成】 記録紙Ｋに穿孔を行うためのパンチ４を備え
たパンチ付プリンター装置であって、前記パンチ４で記
録紙Ｋに穿孔がなされるときに記録紙Ｋを位置決めガイ
ドすべく記録紙Ｋの表裏両面側を挟む上下一対のガイド
板３ａ、３ｂを具備し、この一対のガイド板３ａ、３ｂ
のうち少なくとも下側のガイド板３ｂは、記録紙Ｋへの
穿孔がなされた後に記録紙Ｋの排出を行うべく下方へ傾
斜するように設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ファクシミリ装置に組み込まれたり、或いはコンピュータに接続さ れる等して、画像の印字出力に使用されるプリンター装置、更に詳しくは記録紙 へのパンチ孔の穿孔機能を備えたパンチ付プリンター装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えばファクシミリ装置に組み込まれて使用されるプリンター装置とし ては、画像が印字出力された記録紙にパンチでパンチ孔を穿孔させてから、ファ クシミリ装置外部に排出させるようにしたものが提案されている。 かかる手段によれば、印字出力された記録紙のファイリング整理等が容易とな り、便利である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のプリンター装置は、記録紙が排出される途中の位置 に、パンチを昇降自在に設けただけのものに過ぎず、その穿孔に際しては、パン チ孔の位置ずれや、記録紙の破れ等を生じる場合が多々あった。 また、従来では、記録紙をパンチ孔の穿孔位置から所定の排出口に移送させて 記録紙の排出を行わせる手段として、穿孔位置の後段側にも送りローラを設けて いたために、かかる排紙を行うための機構の複雑化、装置全体の大型化を来す等 の難点も生じていた。

【０００４】 本考案は上記の点に鑑みて提案されたもので、パンチ孔の位置ずれや記録紙の 破れ等を発生させることなく適切なパンチ孔の穿孔が可能で、しかもパンチ孔が 穿孔された記録紙を排出させるための機構も簡素なものにできるパンチ付プリン ター装置を提供することを、その目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために提案された本考案に係るパンチ付プリンター装置は 、記録紙に穿孔を行うためのパンチを備えたパンチ付プリンター装置であって、 前記パンチで記録紙に穿孔がなされるときに記録紙を位置決めガイドすべく記録 紙の表裏両面側を挟む上下一対のガイド板を具備し、この一対のガイド板のうち 少なくとも下側のガイド板は、記録紙への穿孔がなされた後に記録紙の排出を行 うべく下方へ傾斜するように設けられた構成である。

【０００６】

【作用】

上記構成を特徴とする本考案に係るパンチ付プリンター装置においては、記録 紙にパンチで穿孔を行うときには、記録紙の表裏両面側を上下一対のガイド板で 挟ませることにより、記録紙の位置決めガイドが行える。 従って、パンチで穿孔を施す際に記録紙が位置ずれするようなことが解消でき て、パンチ孔を所定の位置に正確に穿孔できるとともに、記録紙の破れの防止も 図れることとなる。 また、記録紙への穿孔が終了した後にあっては、表裏両面を挟んだ状態にある 上下一対のガイド板のうち少なくとも一方のガイド板を下方へ傾斜させることに より、この記録紙をその傾斜に沿わせて下方へ落下排出（自然滑落）させること ができることとなる。 従って、パンチ孔の穿孔が終了した記録紙を排出させるための送りローラ等を 別途設ける必要を無くすることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を参照して説明する。 図１は本考案に係るパンチ付プリンター装置の要部構成を示す正面断面図、図 ２はその要部側面断面図である。 このパンチ付プリンター装置は、記録紙Ｋへの印字出力を行うための印字ヘッ ド１やプラテンローラ２よりも後段側の位置に、記録紙Ｋにパンチ孔を穿孔する ためのパンチ４、４等を備えた穿孔機構Ａが設けられたものである。 尚、かかる穿孔機構Ａと印字ヘッド１との相互間には、所望画像の印字出力を 終えた記録紙Ｋの検出を行うマイクロスイッチ８、このマイクロスイッチ８で記 録紙Ｋの存在が検知されたときにその記録紙Ｋを穿孔機構Ａ側に移送させるため の送り用ローラ５、記録紙Ｋに帯電した静電気を除去するための除電用ブラシ６ 、及び記録紙Ｋの移送ガイドを行わせるための移送ガイド板７等が設けられてい る。

【０００８】 穿孔機構Ａは、既述したパンチ４、４の他に、上下一対のガイド板３ａ、３ｂ 、パンチ４、４を昇降させるためのカム９、９、及びその他後述する各部から構 成されている。 このうち、ガイド板３ａ、３ｂは、何れもその本体部分の概略形状が平板状に 形成されて、その所定位置にパンチ４、４を嵌入ガイドさせるためのガイド孔１ ０、１０ａが所定ピッチで開設されたものである。 これらガイド板３ａ、３ｂは、その相互間に記録紙Ｋの所望の一側縁部側を挿 入させるための細幅Ｓの間隙部１１を形成するように上下に対向配置され、図２ に示すように、その一端部１８側は相互に連結されている。

【０００９】 また、前記ガイド板３ａ、３ｂは、それらの一端部１８側を支点に回転できる ように取付けられており、通常時にあっては、図２に示す通り、上側のガイド板 ３ａに取付けられたバネ１２の弾発力（引張力Ｆ）によって、固定板１３の下面 側に当接した状態で水平状態を維持するように設けられている。 これに対し、パンチ孔の穿孔が終了した時点では、一端部１８に止着されたギ ア１４に扇形ギア１５が噛合してこの扇形ギア１５から回転力が付与されること により、図４に示すように、両ガイド板３ａ、３ｂがバネ１２の弾発力Ｆに抗し て下方へ傾斜するように構成されている。 扇形ギア１５は、後述するモータＭにより、或いはそれ専用に設けられたモー タ等によって駆動回転制御されるものである。

【００１０】 パンチ４、４の各々は、固定板１３上に配置されたバネ１６によって常時上方 へ弾発力を受けるように支持されて、カム９の回転動作によりバネ１６の弾発力 Ｆｂに抗して昇降動作を行うように設けられている。 カム９、９はモータＭで駆動される回転軸１７に取付けられて回転自在に設け られており、記録紙Ｋが両ガイド板３ａ、３ｂの相互間の間隙部１１内に挿入ガ イドされて所定の位置に配置されたときにカム９、９の回転動作が行われるよう に設定されている。

【００１１】 次に、上記構成のパンチ付プリンター装置の作用について説明する。 先ず、印字ヘッド１を用いてカットシートタイプの普通紙からなる記録紙Ｋに 所望の画像を印字出力させた後にあっては、その記録紙Ｋを送りローラ５等によ って穿孔機構Ａ側に移送させ、記録紙Ｋの一側縁部を上下のガイド板３ａ、３ｂ 間の間隙部１１内に挿入させる。 これにより、記録紙Ｋの一側縁部の表裏両面側は上下のガイド板３ａ、３ｂに よって挟まれた状態となる。 従って、その後モータＭの駆動によりカム９、９を回転させて図３に示すよう に、パンチ４を下降させて記録紙Ｋに穿孔を施すときには、記録紙Ｋが容易に捲 れを生じる等して位置ずれするようなことが防止される。また、かかる記録紙Ｋ の位置ずれ防止効果により、記録紙Ｋに破れが生じることも防止される。 このような位置ずれ防止効果は、上下のガイド板３ａ、３ｂによって記録紙Ｋ を強固に挟圧することなく、本実施例のように、微小な幅Ｓの間隙部１１内に記 録紙Ｋを挿入させるだけであっても得られるものである。 従って、記録紙Ｋには、図５に示すように、所望の正確な位置に適正なパンチ 孔３０、３０を穿孔することができる。

【００１２】 次いで、上記穿孔作業が終了し、一組のパンチ４、４が元の初期状態の位置へ 上昇復帰した後にあっては、図４に示した通り、扇形ギア１５が回転してギア１ ４に噛合し、両ガイド板３ａ、３ｂの先端側（同図左端部側）が下方へ傾斜する 。 すると、このガイド板３ａ、３ｂ間に挟まれていた記録紙Ｋは、自重によりス ライド落下し、所定の排出口（不図示）から自然排出されることとなる。 従って、ガイド板３ａ、３ｂとは別に、記録紙Ｋを排出させるための特別な送 りローラ等は不要である。

【００１３】 図６（ａ）、（ｂ）は穿孔装置の他の実施例を示す断面図である。 同図に示す穿孔装置Ａａは、パンチ４及びこのパンチ４の昇降用のカム９以外 として、上側のガイド板３ａに貫通して設けられたピン２０の下部を、下側のガ イド板３ｂに係合又は連結させて、このピン２０に対してバネ２１の上向きの弾 発力Ｆａを与えることにより、下側のガイド板３ｂに上向きの力を与え、上下一 対のガイド板３ａ、３ｂ間で記録紙Ｋを積極的に挟圧し、固定できるようにした ものである。 従って、かかる構成によれば、穿孔時の記録紙Ｋの位置ずれ等を一層確実に防 止することができる利点が得られる。 また、前記ピン２０の上方には、このピン２０をバネ２１の弾発力Ｆａに抗し て押下げるためのカム２２が設けられており、同図（ｂ）に示すように、ピン２ ０が下降されると、下側のガイド板３ｂが傾斜されるように構成されている。 かかる構成であっても、パンチ孔の穿孔が終了した記録紙Ｋを適切に排出する ことが可能であり、本考案では必ずしも上下一対のガイド板３ａ、３ｂの双方を 傾斜させる必要はない。少なくとも下側のガイド板３ｂが下方へ傾斜するように 構成されていればよい。

【００１４】 更に、本考案では、カットシートタイプの記録紙Ｋが使用されるプリンターに 限らず、例えばロールペーパーの長尺状の記録紙を用いて印字出力するタイプの プリンターにも適用できるものである。 その他、本考案に係るパンチ付プリンター装置は、ファクシミリ装置への使用 に限定されず、その具体的な用途等は一切限定されない。また、穿孔するパンチ 孔の個数等も問わない。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、本考案に係るパンチ付プリンター装置によ れば、上下一対のガイド板で記録紙の上下両面を挟むことにより、パンチ孔の位 置ずれや記録紙の破れ等を発生させることなく適切なパンチ孔の穿孔が行えると ともに、ガイド板の傾斜作用によりパンチ孔の穿孔が終了した記録紙を適切に排 出させることができるために、記録紙排出用の送りローラ等が不要となって全体 構造も簡素にできるという格別な効果を有するに至った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパンチ付プリンター装置の一例を
示す要部断面正面図。

【図２】図１に示すパンチ付プリンター装置の要部断面
側面図。

【図３】パンチ孔を穿孔するときの状態を示す要部断面
側面図。

【図４】パンチ孔の穿孔後に記録紙を排出させる状態を
示す要部断面側面図。

【図５】穿孔が終了した記録紙の一例を示す正面図。

【図６】（ａ）、（ｂ）は本発明に係るパンチ付プリン
ター装置の他の例を示す要部断面側面図。

【符号の説明】

１ 印字ヘッド ２ プラテンローラ ３ａ ガイド板（上側） ３ｂ ガイド板（下側） ４ パンチ ９ カム １１ 間隙部 １２ バネ １３ 固定板 １４ ギア １５ 扇形ギア １６ バネ Ａ，Ａａ 穿孔機構 Ｋ 記録紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】記録紙に穿孔を行うためのパンチを備えた
   パンチ付プリンター装置であって、前記パンチで記録紙
   に穿孔がなされるときに記録紙を位置決めガイドすべく
   記録紙の表裏両面側を挟む上下一対のガイド板を具備
   し、この一対のガイド板のうち少なくとも下側のガイド
   板は、記録紙への穿孔がなされた後に記録紙の排出を行
   うべく下方へ傾斜するように設けられているパンチ付プ
   リンター装置。