JPH0698765A - 酵素の精製法 - Google Patents

酵素の精製法

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JPH0698765A
JPH0698765A JP4274934A JP27493492A JPH0698765A JP H0698765 A JPH0698765 A JP H0698765A JP 4274934 A JP4274934 A JP 4274934A JP 27493492 A JP27493492 A JP 27493492A JP H0698765 A JPH0698765 A JP H0698765A
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JP
Japan
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enzyme
membrane
pressure
filtration
culture solution
Prior art date
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Pending
Application number
JP4274934A
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English (en)
Inventor
Koji Sato
宏次 佐藤
Hiroshi Wakita
宏志 脇田
Kenichi Ason
健一 阿孫
Akimoto Ishida
昭元 石田
Keisuke Hisayoshi
啓資 久芳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
Original Assignee
Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】酵素を含有する微生物培養液から、濾過膜を用
い、固形物を除去し酵素を分離・精製する際の有利な処
理条件を提供する。 【構成】細胞外に澱粉分解酵素を分泌する微生物を培養
し、得られた培養液をリン酸水素二カリウムにて菌体の
凝集処理を行った後、精密濾過膜を用い、一次側圧力
0.25kg/cm2 、一次側と二次側との圧力差0.
25kg/cm2 の条件で濾過を行い、95%の酵素を
回収した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素を含有する微生物
培養液から、濾過膜を用い高効率に酵素を分離・精製す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酵素を含有する微生物培養液から
酵素を分離・精製するには、硅藻土を使用した濾過法を
用いていた。また、近年は膜製造技術の発達により、目
的に合わせた仕様(形状・濾過口径等)の膜が開発さ
れ、利用されており、これらの膜をより高効率に使用す
るために以下のような操作方法が報告されている(膜処
理技術大系 下巻 フジテクノシステム)。 (1)クロスフロー濾過 従来濾過とは、濾過膜面に対し垂直に液を通し、固形物
を蓄積させ、濾液を得ていたが、この方法では固形物の
蓄積が増大すると、通液路が塞がれてしまい、濾過が不
可能となる。これを改善するために濾過膜面に対し平行
に処理液を流すことで、固形物の蓄積を防ぎながら濾過
を行う方法である。 (2)濾過流速を高める方法 しかし、クロスフロー方式を用いるだけでは、単位時間
当りの濾過液量が多くなく、また固形物の蓄積も生じ
る。そこで、固形物の蓄積を防止する方向から、一般的
に次に上げる3つの方法が報告されている。 A.逆圧洗浄法 B.加圧ポンプ停止法 C.周期的濾口開閉法
【0003】更に最近、膜の運転方法、構造等の検討が
され、各種の報告がなされている(例えば特開昭64−
43305号、特開平1−148305号、特開平2−
68121号、特開平2−95418号等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら硅藻土を
使用する分離精製法は、酵素の回収率は高いものの微生
物菌体を含む培養液の濾過性は極めて悪く、そのため硅
藻土の使用量が増加し、作業も煩雑で作業環境も悪く、
更に使用済み硅藻土の廃棄物処理も必要である等多くの
欠点を有している。
【0005】一方、膜を固形物分離に利用する場合は、
一般に知られている透水量(濾過速度)を増大させる膜
分離の操作条件である、膜の1次側と2次側の圧力差を
より大きく(1.0kg/cm2 〜2.0kg/cm
2 )設定したり、膜の1次側表面に形成される濾過阻害
層を除去する目的で、線速または膜循環流量を大きく取
ることにより1次側の圧力が大きく(1.5kg/cm
2 〜3.0kg/cm2)設定されると、膜に対する酵
素の透過性が低下し、高効率に固形物含有酵素溶液から
酵素を分離・回収することが困難となり、ともすれば固
形物の膜表面への付着を促進することがある。これは、
公知の防止法では改善できず、酵素の回収率の低下と処
理時間の増加を引き起こす。この膜に対する酵素の透過
性低下は、処理する個々の液毎に膜に対する酵素の透過
性に差があるためではないかと考えられる。
【0006】ところで、特開平1−148305号記載
の方法は、ウイルス除去を目的として膜構造を改善した
報告であり、膜操作条件もウイルスの除去のみに着目
し、設定されたものであって、蛋白質を効率的に回収す
ることを目的としたものではなく、酵素工業においては
実用的な膜操作条件とは言えない。他の報告(特開昭6
4−43305号、特開平2−68121号、特開平2
−95418号)において見られる操作条件も、それぞ
れの処理液に対して膜を選定したり、特殊な運転条件を
設定するための装置の設置等、やはり実用的とはいい難
い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するために鋭意研究した結果、濾過膜
の運転操作中の各圧力条件をより低圧に保つことで酵素
を含有する微生物培養液から、酵素を高効率で分離・回
収することが可能であることを見いだし、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明は、以下に述べる条件で濾
過膜を使用することにより、酵素を含有する微生物培養
液から回収率よく酵素を分離・回収する酵素の精製法を
提供するものである。
【0008】本発明の濾過膜運転操作条件とは、膜処理
にあたり、おのおのの膜の使用限度圧力範囲内で、膜の
1次側と2次側の圧力差が1.0kg/cm2 以下とす
ることであり、好ましくは0.01kg/cm2 以上
0.5kg/cm2 以下で、特に膜入口圧力が1.0k
g/cm2 以下、出口圧力が0.5kg/cm2 及び透
過液出口圧力が0.3kg/cm2 〜0.7kg/cm
2 であることが望ましい。また、精製処理中に逆圧洗浄
法を導入することによって、より長時間、高い酵素透過
率(処理液に対する透過液の酵素活性の比率)を維持す
ることが出来、更に、逆圧洗浄時に循環側加圧ポンプ停
止法を併用することも出来る。
【0009】尚、本発明でいう各圧力は以下の通りであ
る。 膜入口圧力=P1 、膜出口圧力=P2、透過液出口圧力
=P3 膜1次側圧力=Pi=(P1+P2)/2 膜2次側圧力=Po=P3 1次側と2次側の圧力差=Pr=Pi−Po
【0010】本発明で用いられる酵素を含有する微生物
培養液としては、酵素を菌体外に生産する微生物の培養
液だけでなく、菌体内に生産した酵素を既存あるいはな
んらかの方法によって、液中に放出させた、酵素、菌体
固形成分共存状態の培養液を挙げることができる。
【0011】使用される膜は特に限定されるものではな
いが、その運転の容易さからクロスフロー型濾過膜が好
ましい。膜の材質については、有機高分子膜、多孔質セ
ラミック膜等いずれでもよく、形状においても、平膜、
中空糸型のいずれでも使用できるが、望ましくは中空糸
型が好ましい。分離・精製される酵素は、微生物によっ
て生産されるものであれば、いかなるものであってもか
まわない。例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパー
ゼ等を挙げることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。 実施例1 細胞外に澱粉分解酵素を分泌するBacillus s
ubtilis細菌を常法に従い培養し、得られた培養
液をそのまま、あるいはK2 HPO4 (対培養液当り
0.2〜0.8%)にて菌体の凝集処理を行った後、こ
の液10Lを公称濾過口径0.1μmの旭化成製精密濾
過膜PSP−103(有効膜面積0.2m2 )を用いて
液温15〜30℃で透過液量5Lになるまで処理を行っ
た。膜分離装置は、一般的に知られている逆圧洗浄の行
えるタイプを用いた。膜分離を行うに当たり、膜の運転
操作条件を、逆圧洗浄(5分間の処理につき、3秒間
2.0kg/cm2 の圧力で洗浄)の有無、各圧力及び
線速の面で変化させた。分離後透過液の澱粉分解酵素の
活性を測定し、酵素の透過率(透過液中の液当りの酵素
活性/分離処理前の液当りの酵素活性)を計算した。結
果を表1に示した。
【0013】
【表1】 上記の結果より、Prの小さいものが、更には逆圧洗浄
を行ったものが酵素の透過率が高いことが分かる。ま
た、凝集処理による透過率の向上も見られた。
【0014】実施例2 細胞外に蛋白分解酵素(セラチオペプチダーゼ)を分泌
するSerratiamarcecense細菌を大豆
粉、カゼイン及び無機塩等を含む培地で培養し、得られ
た培養液10Lを公称濾過口径0.1μmの旭化成製精
密濾過膜PSP−103(有効膜面積0.2m2 )を用
いて液温15〜30℃で透過液量5Lになるまで処理を
行った。実施例1と同様の装置を用い、膜分離を行うに
当たり、凝集処理は行わず膜の運転操作条件を、各圧力
及び線速の面で変化させた。なお、逆圧洗浄は行った。
分離後透過液の蛋白分解酵素の活性をプロテイン・アッ
セイ法で測定し、酵素の透過率を計算した。結果を表2
に示した。
【0015】
【表2】 上記の結果より、酵素の種類に関係なくPrの小さい膜
運転操作条件により高効率に酵素を分離・回収すること
ができた。
【0016】実施例3 実施例1で有効であった方法(凝集処理有り、P1
0.9kg/cm2 、P2 =0.5kg/cm2 、P3
=Po=0.5kg/cm2 、Pi=0.7kg/cm
2 、Pr=0.2kg/cm2 、処理5分につき3秒間
2.0kg/cm 2 の圧力で逆圧洗浄)を使用し、濃縮
された培養液を水で膜処理前の固形分濃度に戻し、分離
を繰り返し行うバッチ式洗浄法を行った。その結果を表
3に示した。
【0017】
【表3】 上記の結果より、酵素の透過率を高く保持できること
で、培養液中の酵素の90%以上を回収することが可能
であった。また、この結果より培養液の濃縮度を高くす
ることが出来ればより少ない洗浄水量、洗浄回数で同等
の回収率が得られることは、容易に推察される。
【0018】
【発明の効果】以上記述した通り、本発明の酵素の精製
法は従来の一般的に知られている膜の運転操作法では得
られない高い収率で、酵素を含む微生物培養液から酵素
を回収することが出来、硅藻土等廃棄物の発生も少ない
ので、各種酵素製造業への応用が容易に可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素を含有する微生物培養液から、膜を
    用いて酵素を分離・精製するに当たり、膜の1次側と2
    次側の圧力差を1.0kg/cm2 以下で処理すること
    を特徴とする酵素の精製法。
  2. 【請求項2】 膜の1次側と2次側の圧力差が0.01
    kg/cm2 〜0.5kg/cm2 である請求項1記載
    の精製法。
  3. 【請求項3】 1次側の圧力が1.5kg/cm2 以下
    である請求項1及び2記載の精製法。
  4. 【請求項4】 使用する膜が中空糸型クロスフロー方式
    の精密濾過である請求項1及び2記載の精製法。
  5. 【請求項5】 固形物が分離の困難なバクテリアである
    場合、凝集剤を用いて凝集反応後、処理を行う請求項1
    及び2記載の精製法。
JP4274934A 1992-09-21 1992-09-21 酵素の精製法 Pending JPH0698765A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010538823A (ja) * 2007-09-12 2010-12-16 ダニスコ・ユーエス・インク 内部汚れ付着が制御された濾過

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010538823A (ja) * 2007-09-12 2010-12-16 ダニスコ・ユーエス・インク 内部汚れ付着が制御された濾過

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