JP2013052362A - 膜の目詰まり軽減方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便で動力削減にも寄与可能な、汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まりを軽減する方法を提供する。
【解決手段】汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まり軽減方法であって、タンパク質分解酵素を分泌する微生物を前記汚泥中で維持する工程を含む、方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、膜の目詰まり軽減方法に関する。より詳細には、生物処理による排水処理において、汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まり軽減方法に関する。
近年、排水処理において、MBR(Membrane Bio Reactor)が非常に着目されている。MBRとは、従来の排水処理で一般的に使われている標準活性汚泥法と、膜処理技術を組み合わせたものである。この2つを組み合わせることによって、処理水が清澄になり、最終沈殿池が不要になるため装置全体がコンパクトになる等のメリットが得られる。
日本では、コンパクト化・処理水の安定・省人化などを理由に民間企業でMBRが採用されるケースが増えている。また、下水処理場等においても、下水道事業団がMBRの普及に向けて精力的に取り組んでいる。
しかしながら、MBRは従来技術と比べて膜の目詰まりを軽減するための洗浄に必要な動力が高く、ランニングコストが大きいため、導入が見送られる場合も多い。MBRが普及するためには動力削減が求められており、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)においても2013年までにMBR全体動力の30%削減を目標としたプロジェクトが進んでいる。
MBRの形式には数種類あるが、膜を汚泥の中に入れて使用する浸漬型が代表的である。浸漬型は膜に汚泥が付着しやすいため、通常、膜の下部から曝気することにより膜を洗浄する。しかし、曝気洗浄にも限界があり、膜への汚泥の付着を抑制する効果はあるものの防止することはできない。そこで、膜のろ過方向と逆向きに水を通し、膜に付着した汚泥を洗浄する逆洗が行われるが、それでも、汚泥は徐々に膜に付着・堆積して膜が目詰まりし、ろ過性能が低下する。
膜の目詰まりを軽減する方法として、例えば、熱水を透過液流出側から分離膜に注入した後、加水分解酵素溶液を透過液流出側から分離膜に注入することを特徴とする分離膜の洗浄方法が検討されている(特許文献1を参照)。
特開2006−314883号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、加水分解酵素が高価であることや、熱水を分離膜に注入した後、熱水の温度が加水分解酵素の至適温度付近まで低下するまで待ってから加水分解酵素を注入する必要があり、煩雑であること等が問題となる場合がある。そこで本発明は、簡便で動力削減にも寄与可能な、汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まりを軽減する方法を提供することを目的とする。
発明者らは、膜の目詰まりに影響する因子を検討した結果、タンパク質が主要因物質の1つであることを明らかにした。本発明は、膜の目詰まりの主要因物質であるタンパク質を分解(低分子化)することにより、膜の目詰まりを軽減させるものである。
本発明は、汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まり軽減方法であって、タンパク質分解酵素を分泌する微生物を汚泥中で維持する工程を含む方法を提供する。
上記本発明の方法によれば、MBRにおける膜の目詰まりを簡便に軽減することができる。また、膜の目詰まりを防止するための洗浄に必要な動力を削減することができる。
タンパク質分解酵素を分泌する微生物は、担体又はグラニュールに固定されていることが好ましい。
微生物が担体又はグラニュールに固定されていることにより、汚泥内の微生物同士の自然淘汰により存在量が減少することを抑制し、安定した存在量を維持することができる。
汚泥中のタンパク質分解酵素の存在量は、1×10−5[IU/ml]以上であることが好ましい。
タンパク質分解酵素の存在量が1×10−5[IU/ml]以上であることにより、より効果的にMBRにおける膜の目詰まりを軽減することができる。
また、上記のタンパク質分解酵素を分泌する微生物が分泌するタンパク質分解酵素の量は、0.1[IU/ml]以上であることが好ましい。
微生物が分泌するタンパク質分解酵素の量が、0.1[IU/ml]以上であることにより、より効果的にMBRにおける膜の目詰まりを軽減することができる。
本発明により、簡便で動力削減にも寄与可能な、汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まりを軽減する方法が提供される。
MBRの構造を説明する概略図である。 平膜試験装置の概略図である。 汚泥中のタンパク質濃度と限界フラックスとの関係を示すグラフである。
本実施形態の方法は、汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まり軽減方法であって、タンパク質分解酵素を分泌する微生物を汚泥中で維持する工程を含むものである。汚泥は好気性のものであっても嫌気性のものであってもよい。タンパク質分解酵素を分泌する微生物を汚泥中で維持することにより、微生物から分泌されたタンパク質分解酵素が、汚泥中のタンパク質を常時分解し、膜の目詰まりが軽減される。さらに、膜に付着したタンパク質が分解されることにより、付着物が除去されやすくなる。また、膜の洗浄時に膜を汚泥から取り出す必要もなく簡便である。
従来、膜の目詰まり低減のために過剰に曝気することが必要であったが、本実施形態の方法により、膜面洗浄用の曝気量を低減することができ、MBR普及のネックだったランニングコストの削減が期待できる。
(MBR)
MBRには、槽外型及び浸漬型が存在する。図1aは槽外型MBRの概略図である。槽外型MBR100では、汚泥を含む生物反応槽110の外に膜120が設置される。ラインL110を通して汚泥が膜120に供給される。膜120において、汚泥と処理水が分離される。処理水はラインL120を通して取り出され、汚泥はラインL130を通して生物反応槽110に返送される。
浸漬型MBRとは、汚泥を含む生物反応槽に膜を浸漬して、汚泥と処理水を分離する方式である。浸漬型には、さらに一体型と槽別置型が存在する。図1bは浸漬型MBR(一体型)200の概略図である。浸漬型MBR(一体型)200では、汚泥を含む生物反応槽210内に膜220が設置される。膜220において、汚泥と処理水が分離され、処理水はラインL220を通して取り出される。
浸漬型MBR(槽別置型)とは、汚泥を含む生物反応槽と膜を設置する膜分離槽とが分離した方式である。図1cは浸漬型MBR(槽別置型)300の概略図である。浸漬型MBR(槽別置型)300では、汚泥を含む生物反応槽310と、膜320が設置された膜分離槽330とが分離している。生物反応槽310からラインL310を通して汚泥が膜分離槽330に供給される。膜320において、汚泥と処理水が分離される。処理水はラインL320を通して取り出され、汚泥はラインL330を通して生物反応槽310に返送される。
本実施形態の方法は、上記のMBRのうち、浸漬型MBRに適用することが好ましい。
(膜)
本実施形態の方法が対象とする膜は、通常MBRに使用されるものでよく、塩素化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セラミック等から形成された多孔質膜等が挙げられる。
膜の形態には、平膜、中空糸膜、チューブラー等が存在するが、いずれの形態であってもよい。平膜とは、平面状又はシート状に成形した膜である。中空糸膜とは、内部が内径3mm程度以下の空洞である糸状の膜である。チューブラーとは、内部が内径3〜5mm以上の空洞である管状の膜である。平膜や中空糸膜は浸漬型MBRで使用される場合が多く、チューブラーは槽外型MBRで使用されることが多い。槽外型MBRにおいても、本実施形態の方法により汚泥中にタンパク質分解酵素が分泌される結果、汚泥中のタンパク質及び膜表面のタンパク質が分解されることにより、膜の目詰まりを軽減する効果が得られる。
(微生物)
タンパク質分解酵素としては、タンパク質を低分子化するものであれば特に制限されず、プロテアーゼやペプチダーゼが例示できる。タンパク質分解酵素を分泌する微生物としては、プロテアーゼやペプチダーゼを分泌するものが使用できる。より具体的には、アルカリゲネス属、アルテロモナス属、バチルス属、コリネバクテリウム属、フラボバクテリウム属、マイクロコッカス属、ビブリオ属、アスペルギルス属、ストレプトマイセス属、リゾプス属、ブレビバチルス属、シュードモナス属、シェワネラ属、シュードアルテロモナス属、アエロモナス属、セラチア属、エグジゴバクテリウム属、コプロサーモバクター属等に属する微生物が使用可能である。汚泥中でこれらの微生物を維持することにより、汚泥中にタンパク質分解酵素が分泌される。その結果、膜の目詰まりの主要因物質であるタンパク質が分解(低分子化)され、膜の目詰まりが軽減される。槽別置型の浸漬MBRの場合は膜分離糟に菌を投入して維持することが好ましい。
タンパク質分解酵素を分泌する微生物を汚泥に添加しても、汚泥内の微生物同士の自然淘汰により存在量が減少してしまう場合がある。そこで、汚泥を含む生物反応槽とは別の槽でタンパク質分解酵素を分泌する微生物を培養し、その培養液を経時的に汚泥に投入してもよい。この場合、滅菌系を使用して、特定のタンパク質分解酵素を分泌する微生物のみを培養することが更に好ましい。培養したタンパク質分解酵素を分泌する微生物の培養液を、経時的に汚泥に添加することにより、汚泥中のタンパク質分解酵素を分泌する微生物を維持することが可能となる。特定のタンパク質分解酵素を分泌する微生物は、凍結乾燥して製剤の形態にしたうえで添加してもよい。
(担体・グラニュール)
別の方法として、タンパク質分解酵素を分泌する微生物を、担体又はグラニュールに固定して汚泥中で維持してもよい。これにより、タンパク質分解酵素を分泌する微生物を長期間維持することが可能となる。
担体としては、立方体状、直方体状、円筒状、球状、波板状、チューブ状等の形状に成形された、ゲル、スポンジ、セラミック、合成樹脂等の多孔質材料を好適に用いることかできる。担体にタンパク質分解酵素を分泌する微生物を付着させたものを汚泥に添加することにより、タンパク質分解酵素を分泌する微生物を高濃度に維持することが可能となる。担体中に存在する微生物のうち、50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上の微生物が、タンパク質分解酵素を分泌する微生物であることが好ましい。
グラニュールとは、微生物が自己造粒して形成された直径数mmの塊である。グラニュールに固定した微生物(グラニュールを形成した微生物)は、汚泥内の微生物同士の自然淘汰により減少してしまうことなく長期間維持することが可能である。グラニュール中に存在する微生物のうち、30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上の微生物が、タンパク質分解酵素を分泌する微生物であることが好ましい。
担体又はグラニュール中に存在する微生物の種類及び存在割合を調べる方法の非限定的な例としては、例えば、次のような方法がある。
(1)担体又はグラニュール中に存在する微生物を、平板培地上でコロニーとして単離する。得られたコロニーから、ランダムに、例えば100個選択し、定法により微生物の種類を特定する。この結果に基づいて、担体又はグラニュール中に存在する微生物のうち、タンパク質分解酵素を分泌する微生物の存在割合を算出する。
(2)担体又はグラニュール中に存在する微生物の混合物からDNAを抽出し、適切なプライマーでPCR増幅する。増幅断片を適切なベクターにクローニングする。得られたクローンから、ランダムに、例えば100個選択してシークエンスする。シークエンス結果に基づいて、100個の各PCR断片がどの微生物に由来するものであったかを、遺伝子配列データベースと照合することにより推定する。この結果に基づいて、担体又はグラニュール中に存在する微生物のうち、タンパク質分解酵素を分泌する微生物の存在割合を算出する。
(タンパク質分解酵素の存在量)
汚泥中のタンパク質分解酵素の存在量は、1×10−5[IU/ml]以上であることが好ましく、1×10−5〜1×10−2[IU/ml]であることがより好ましく、1×10−4〜1×10−3[IU/ml]であることが更に好ましい。ここで、IU(international unit)とは、標準状態(30℃)で1分間に1μmolの基質を生成物に転換する酵素活性の量(酵素力価)を意味する。1×10−5[IU/ml]未満では、膜の目詰まり軽減効果が不十分となる場合がある。
汚泥中のタンパク質分解酵素の存在量[IU/ml]は、例えば次のようにして測定することができる。カゼイン溶液(1.2%カゼイン−ホウ酸バッファー(pH8.2))5mlに、酵素液サンプル(汚泥をホモジナイズした後、5500g、30分遠心分離した上清)1mlを加えて10分間反応させる。これにより、酵素液サンプル中のタンパク質分解酵素がカゼインを分解する。続いて、トリクロロ酢酸を5ml添加し30分間放置する。これにより、酵素反応が停止するとともに未分解のカゼインが不溶化する。その後、0.45μmのフィルターを用いて吸引ろ過し、未分解のカゼインを除去する。続いて、275nmの吸光度を測定することにより、ろ液中のアミノ酸及びペプチドの量を定量する。ろ液中のアミノ酸及びペプチドは、酵素液サンプル中のタンパク質分解酵素によるカゼインの分解により生じたものである。酵素液サンプルの代わりに、段階希釈した既知濃度のタンパク分解酵素を用いて、上記と同様の操作を行って作成した検量線に基づいて、汚泥中のタンパク質分解酵素の存在量[IU/ml]を求めることができる。
本実施形態のタンパク質分解酵素を分泌する微生物が分泌するタンパク質分解酵素の量は0.1[IU/ml]以上であることが好ましく、0.5[IU/ml]以上であることがより好ましい。微生物が分泌するタンパク質分解酵素の量とは、滅菌系で培養した当該微生物が、最適環境下で培地中に分泌するタンパク分解酵素の量を意味する。微生物が分泌するタンパク質分解酵素の量は、酵素液サンプルとして、当該微生物を培養した培地を5500g、30分遠心分離した上清を使用して、上記と同様の方法により測定することができる。
以下、本発明の実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
平膜試験装置を用いて、汚泥中のタンパク質濃度と限界フラックス(限界透過水量)との関係を検討した。測定には、タンパク質濃度がそれぞれ異なる、好気性及び嫌気性の数種類の汚泥を使用した。
(平膜試験装置)
図2は平膜試験装置400の概略図である。平膜420の下部に散気管430を設置し、連続曝気による膜面洗浄を行った。曝気量は10L/分とし、ラインL440を通して圧縮空気をマスフローコントローラ440に供給することで一定の風量を確保した。マスフローコントローラ440からラインL450を通して散気管430に空気を供給した。平膜420とバッフル板との隙間は、8mmとした。散気管430は、孔径1mmの穴を10mmピッチで連続して空け、穴と穴の開きが60度になるように2列に配置した形状のものを用いた。散気管430は、水槽410中に、穴が下向きになるように設置した。ろ過水は、ラインL410を通して取り出した。吸引ポンプ450には容量ポンプを用いた。また、平膜と容量ポンプの間に連成圧用の圧力計460を設置して静圧を測定した。水槽410中の汚泥濃度及び水量を一定にするために、ろ過水は、ラインL420を通して全て水槽410に返送した。また、流量測定の際には、ラインをL430に切り替えてメスシリンダーを用いて流量を測定した。
(限界フラックス測定)
上記の平膜試験装置を使用して、汚泥中のタンパク質濃度と限界フラックスとの関係を検討した。汚泥中のタンパク質濃度は後述する方法により測定した。
限界フラックスの測定は次のようにして行った。上記の平膜試験装置において、15分間隔で容量ポンプの回転数を上げることにより、段階的にフラックスを上げていく運転を行った。これと同時に、膜間差圧を測定し、膜間差圧が上昇し始めた時のフラックスの値を限界フラックスとした。ここで、限界フラックスが低いことは、膜が目詰まりしやすいことを意味する。
(汚泥からのタンパク質の抽出)
Frolund(1996)らの方法にしたがって、次のようにして、汚泥からタンパク質を抽出した。
(1)イオン交換樹脂(DOWEX MARATHON C Na−form)をビーカーに取り、緩衝液(2mM NaPO−4mM NaHPO−9mM NaCl−1mM KCl、pH7)を加えてスターラ上で300rpmで撹拌しながら1時間洗浄した。
(2)汚泥100mlを遠心分離し(2000g、15分、4℃)、沈降物と上清とに分けた。
(3)(2)の上清に、上記緩衝液の5倍濃度のものを、上清の1/4容量添加して混合した。
(4)(3)の溶液を200mlビーカーに移し、イオン交換樹脂(以下「CER」という場合がある。)を1g添加した。
(5)(4)の溶液をスターラ上で4℃、300rpmで1時間撹拌してタンパク質の抽出を行った。なお、上記のイオン交換樹脂はNa型であるため、陽イオン、特に価数の多いCa2+やFe2+等を吸着する。汚泥のフロック(バイオフィルム)中のタンパク質はFe2+等の金属によりキレートされているため、イオン交換樹脂によりFe2+等を吸着除去することでフロックがもろくなり、タンパク質が溶出されるものと考えられる。なお、イオン交換樹脂へのタンパク質の吸着は極めて低いと考えられる。それは、中性付近のサンプルを扱っているため多くのタンパク質の等電点よりpHが高くなっていること、及び、汚泥中の金属イオンに比べるとイオン交換されにくいこと等による。
(6)(5)の溶液を遠心分離(12000g、1分、4℃)し、上清及び汚泥・CERに分離した。上清にタンパク質が抽出されている。
(7)(6)の上清を更に2回遠心分離(12000g、15分、4℃)し、微細なフロックを除去した。この上清をタンパク質濃度測定用の試料とした。
(タンパク質濃度の測定)
続いてローリー法により、試料中のタンパク質濃度を測定し、汚泥のタンパク質濃度とした。まず、試薬A(4g/L水酸化ナトリウム−20g/L炭酸ナトリウム)及び試薬B(10g/L酒石酸ナトリウム−5g/L硫酸銅5水和物)を体積比で50:1となるように混合し、C試薬を調製した。
続いて、上記前処理で調製した試料0.6mlを試験管に取り、試薬Cを3ml加え、10分以上静置した。その後、フェノール試薬(フォーリン−チオカルト試薬)を超純水で2倍に希釈したものを0.3ml加え、すぐに強攪拌した。続いて、2時間以上静置し、吸光度(600nm又は500nm)を測定した。検量線として、0、10、25、100、250mg/Lとなるように調製したアルブミン水溶液を用いて、上記と同様の方法で吸光度を測定した値を用いた。
図3は、好気性及び嫌気性の数種類の汚泥について測定した、タンパク質濃度と限界フラックスとの関係を示すグラフである。好気性及び嫌気性のいずれの汚泥においても、汚泥中のタンパク質濃度と限界フラックスとの間には負の相関が見られた。この結果は、汚泥中のタンパク質濃度が高いほど膜の目詰まりが起こりやすいことを意味する。したがって、汚泥中のタンパク質濃度が膜の目詰まりに大きく影響することが明らかとなった。
100…槽外型MBR、110,210,310…生物反応槽、120,220,320…膜、L110,L120,L130,L220,L310,L320,L330,L410,L420,L430,L440,L450…ライン、200…浸漬型MBR(一体型)、300…浸漬型MBR(槽別置型)、330…膜分離槽、400…平膜試験装置、410…水槽、420…平膜、430…散気管、440…マスフローコントローラ、450…吸引ポンプ、460…圧力計。

Claims (4)

  1. 汚泥と処理水の固液分離を行う膜の目詰まり軽減方法であって、タンパク質分解酵素を分泌する微生物を前記汚泥中で維持する工程を含む、方法。
  2. 前記微生物は、担体又はグラニュールに固定されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記汚泥中の前記タンパク質分解酵素の存在量は、1×10−5[IU/ml]以上である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記微生物が分泌するタンパク質分解酵素の量は、0.1[IU/ml]以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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