JP2015000371A - 疎水性ptfe膜、サポート材付き疎水性ptfe膜、処理液の製造方法、膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定方法、膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法、ならびに、被処理液の処理方法 - Google Patents

疎水性ptfe膜、サポート材付き疎水性ptfe膜、処理液の製造方法、膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定方法、膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法、ならびに、被処理液の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ファウリングが抑制され、かつ、薬剤による洗浄に耐えうる化学的耐久性や、エアレーション(曝気や通気)などに対する高い物理的耐久性などを有する膜分離活性汚泥法用の平膜を提供する。【解決手段】膜分離活性汚泥法において、被処理液をBATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理して得られる処理液のろ過に、平均孔径が0.01〜5μmであり、平均厚みが5〜200μmであることを特徴とする疎水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)平膜を用いる。【選択図】図7

Description

本発明は、疎水性PTFE膜、サポート材付き疎水性PTFE膜、処理液の製造方法、膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定方法、膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法、ならびに、被処理液の処理方法の抑制方法に関する。
従来、浄水処理、下水・廃水処理、或いは産業廃水の処理等、濁度の高い被処理水の固液分離を行う方法として、活性汚泥法が採用されている。
活性汚泥法とは、廃水(被処理水、被処理液ともいう。)中に空気を吹込みながら様々な微生物(活性汚泥)を増殖させ、その微生物により、廃水中の生物化学的酸素要求量(BOD)の増加につながる成分等の汚れを浄化する方法である。
標準活性汚泥法では、重力を利用した沈殿等により、廃水処理後の活性汚泥と処理水の固液分離が行われている。しかしながら、このような方法による固液分離では、得られる処理水の水質が不充分となったり、固液分離のために広大な用地(沈降分離のための沈澱槽用の用地など)が必要になったりするといった不都合を生じている。
このような不都合を解決する方法として、膜分離活性汚泥法(以下 MBRともいう)が検討されている。
重力沈降などを利用して活性汚泥と処理水の固液分離を行う標準活性汚泥法に対して、膜分離活性汚泥法(MBR)では、精密ろ過膜(Microfiltration膜:MF膜)あるいは限外ろ過膜(Ultrafiltration膜:UF膜)を用いた膜分離を利用して活性汚泥と処理水の固液分離を行う。
すなわち、MBRでは、例えば、曝気槽に微細な穴を持つ膜を浸漬し、微生物と処理水の直接ろ過を行って固液分離する。
MBRでは、安定して清澄な処理水が得られる上、沈澱槽が不要であることから装置をコンパクトにできる。したがって、標準活性汚泥法に比べ、浮遊固形物(SS)や微生物群の除去能に優れ、また必ずしも大きな敷地面積を必要としない(標準活性汚泥法に比して敷地面積を小さくできる)等の利点がある。
MBRの利用は、これまで、産業排水処理、ビル内水道処理、し尿処理、浄化槽による生活廃水処理などに代表される小規模処理を目的とした設備を中心に普及しており、今後、大規模都市下水処理への利用へ展開されることも期待されている。
MBRの利用例としては、特開2008−229628号公報(特許文献1)に記載された水処理装置が挙げられる。該水処理装置は、処理槽内に配設された散気装置の上方に膜分離装置が配設されてなる。
また、特許文献1には、該水処理装置に含まれる膜モジュールとして平膜タイプなどが挙げられ、分離膜の材質としてPTFE(ポリ四フッ化エチレン)などが挙げられている。
そして、分離膜の細孔の孔径は、特に限定されるものではなく、一般に限外濾過膜と呼ばれる孔径0.001〜0.1μmのもの、または一般に精密濾過膜と呼ばれる孔径0.1〜1μmのもの、あるいはそれ以上の孔径のものを用いることが可能であると記載されている。
しかし、MBRにも課題があり、その 1つに膜の汚染(ファウリング、fouling)がある。ファウリングは、処理水に含まれる難溶性成分や高分子の溶質、コロイド、微小固形物などが膜に沈着して、透過流束を低下させる現象を言い、膜ろ過時間の経過とともに進行する傾向がある。
ファウリングが進行すると、膜が目詰まりを起こすなどして膜分離装置の固液分離処理能力が低下するため、膜分離装置に用いられる膜(分離膜)には低ファウリング性が要求される。
また、ファウリングが進行してしまった時には、薬剤による膜の洗浄、例えば、有機物の汚れには、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、塩酸などの酸、水酸化ナトリウムなどのアルカリなどによる膜洗浄が行われ、また、無機物の汚れにはシュウ酸、クエン酸、過酸化水素水などによる膜の洗浄が行われるため、膜には化学的耐久性も要求される。
膜には、その他にも、活性汚泥槽内でのエアレーション(曝気や通気)などに対する高い物理的耐久性、活性汚泥に対する耐ファウリング性、高透水性などの性能も要求される。
上記膜には、様々なタイプがあり、平膜型や中空糸、チューブラーが挙げられる。
そして、ファウリングに関しては未だ不明な部分が多く、活性汚泥や被処理液に対し最適な膜が選定されているかわからないまま、任意の膜が膜分離活性汚泥法に使用されているのが現状である。
特開2008−229628号公報
本発明の第一の目的は、従来よりもファウリングが抑制され、かつ、薬剤による洗浄に耐えうる化学的耐久性や、エアレーション(曝気や通気)などに対する高い物理的耐久性などを有する膜分離活性汚泥法用の膜を提供することにある。
本発明の第二の目的は、従来よりもファウリング(膜の汚染)が抑制され、処理水を効率よく製造できる、処理液の製造方法を提供することにある。
本発明の第三の目的は、従来よりもファウリングが抑制されるような、膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜を選定する方法を提供することにある。
本発明の第四の目的は、膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法を提供することにある。
本発明の第五の目的は、従来よりもファウリングが抑制されるような、被処理液の処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意、研究、検討した結果、膜分離活性汚泥法において、ファウリングを抑制する上では、活性汚泥の相対疎水性度(定義など詳細は後述する)と、ろ過膜としての膜の疎水性(度)との関係が重要であることを見出した。
より具体的には、次の通りである。
従来、膜分離活性汚泥法において、疎水性膜は、一般に、ファウリング(目詰まり)しやすいことが知られており、親水性膜が用いられてきた。そして、膜や被処理水中の物質(有機物など。)の水和状態がファウリングに大きく関与していると考えられ、膜表面と被処理水との相互作用とその親水性、疎水性の関係は、膜表面の近傍の水分子の挙動により理解される。膜が疎水性である場合、疎水性水和により、水分子は疎水性である膜の表面から遠ざかり、膜と水分子との間にファウリングの原因となる汚れが入り込み、膜を汚染すると考えられている。これに対して、膜が親水性である場合、水分子が膜表面で水和しているため、水分子がそのような汚れが膜の表面に付着することを抑えていると考えられている(水処理膜の製膜技術と材料評価、サイエンス&テクノロジー株式会社、2012年を参照)。
しかしながら、実際には、親水性膜でもファウリングは起こり、親水性膜は疎水性膜よりもファウリングが起こりにくいとされているものの、親水性膜でもファウリングが問題となる点については変わりがない。
これに対して、本発明のように、特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と、疎水性のろ過膜を組合わせて用いた場合に、ファウリングが著しく抑制される原理は定かではないが、次の通りであると推察される。
活性汚泥が特定の相対疎水性度を有し疎水性である場合、ろ過膜が疎水性PTFE膜であると、上述の通り、膜の表面から水分子は遠ざかるが、膜の表面と水分子との間には疎水性である活性汚泥が他のファウリングの原因と考えられている疎水性物質(例:フミン酸)や親水性物質(例:糖やタンパク質)よりも優先的に入り込み、この活性汚泥が膜の表面に付着しケーク層を形成することで、ファウリングの原因となる汚れが膜の表面や内部に付着することを防いでいるものと推察される。そして、この疎水性の活性汚泥のケーク層は、物理洗浄で容易に剥がれるため、曝気による膜面洗浄が効果的に働き、結果としてファウリングを抑制している。
また、そのような汚れの中には、多糖類やタンパク質などの親水性物質が含まれていると推察されているが(水処理膜の製膜技術と材料評価、サイエンス&テクノロジー株式会社、2012年を参照)、相対疎水性度が高い活性汚泥に対し親水性膜を用いた場合、疎水性のケーク層ができにくく、水分子の水和した層が膜表面に形成されていたとしても、多糖類やタンパク質などの親水性の成分は、水分子の水和した層に浸透した後、親水性の膜の表面に接近、付着でき、しかも多糖類やタンパク質などの親水性の成分が親水性膜内部まで浸透してしまうため、疎水性膜よりファウリングが起こりにくいと言われている親水性膜を用いてもファウリングが起こる要因の一つになっているのであろうと本発明者らは推察する。
本発明では、疎水性の膜を用いるため、膜の表面に、多糖類やタンパク質などの親水性の成分は接近し難い。
そのため、後述の実施例、比較例で実証されているように、疎水性の活性汚泥を用いる場合は、従来の知見に反し、親水性膜を用いた場合よりも疎水性膜を用いた場合の方が、ファウリングが著しく抑制されるものと推察される。
そして、本発明者らは、上記知見に加え、膜の材質が疎水性PTFEであるので、耐ファウリング性を損なうことなく、薬剤による洗浄に耐えうる化学的耐久性や、エアレーション(曝気や通気)などに対する高い物理的耐久性などもろ過膜に付与でき、膜分離活性汚泥法用のろ過膜を付与できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
本発明に係る疎水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜は、膜分離活性汚泥法において、被処理液を、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理して得られる処理液と、該活性汚泥とを分離するためのろ過膜に用いられ、平均孔径が0.01〜5μmであることを特徴とする。このろ過膜は、平膜である場合、単層でも複数層積層して用いてもよく、通常、1層あたりの平均厚みが5〜200μm程度であることが強度等の点から望ましい。
本発明に係る疎水性PTFE膜において、上記被処理液は油分を含む(含有量:通常、1〜1000mg/L程度。)ことが、親水膜の場合よりもファウリングがより効率よく抑制され、活性汚泥と処理液とを効率よく分離できるなどの観点から好ましい。
本発明に係るサポート材付き疎水性PTFE平膜は、上記疎水性PTFE膜の平膜の一方面または両面にサポート材(補強材)が少なくとも1種裏打ちされてなることを特徴とする。
このサポート材(補強材)としては、ポリオレフィン系樹脂で被覆された金属材、フッ素樹脂で被覆された金属材、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、フッ素樹脂などの素材からなり、メッシュ、繊維集合体(不織布など)、または、穴空きシートなどの構造のものが強度に優れ、製造容易であり、処理水の透過を促進できるなどの点で好ましい。
本発明に係る処理液の製造方法は、被処理液を、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理し、次いで、得られた処理液と上記活性汚泥とを、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を用いた膜分離活性汚泥法によるろ過に供して分離することを特徴とする。この疎水性PTFE膜は、通常、一枚あたりの平均厚みが5〜200μm程度であると強度等の点で好ましい。
本発明に係る処理液の製造方法において、上記被処理液が、油分を含む(含有量:通常、1〜1000mg/L程度。)と、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制されて該活性汚泥と被処理水とがより効率よく分離され、より効率よく処理液が製造できるという観点から好ましい。
本発明に係る処理液の製造方法において、疎水性PTFE膜が平膜であり、該平膜の一方面または両面に、サポート材(補強材)が少なくとも1種裏打ちされていると、疎水性PTFE膜よりも強度が向上した膜がろ過膜と使用されるため、エアレーション(曝気や通気)などに対するより高い物理的耐久性が発揮されるなどの観点から好ましい。
本発明に係る膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定・組合せ方法は、被処理液を活性汚泥により浄化処理し、次いで、得られた処理液と前記活性汚泥との混合液をろ過に供して膜分離活性汚泥法により分離するために用いられる、活性汚泥とろ過膜の選定・組合せ方法であり、上記活性汚泥として、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%のものを選定し、上記ろ過膜として、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を選定し組合せることを特徴とする。
本発明に係る膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定・組合せ方法において、上記被処理液が、油分を含むと、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制され、活性汚泥と処理液とをより効率よく分離できる活性汚泥およびろ過膜を選択し組合せることができるなどの観点から好ましい。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法は、被処理液を活性汚泥により浄化処理し、次いで、得られた処理液と前記活性汚泥との混合液をろ過に供して膜分離活性汚泥法により分離する際のファウリングの抑制方法であって、
上記活性汚泥として、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%の活性汚泥を用い、ろ過膜として、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を組合わせて用いることを特徴とする。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法において、上記被処理液が、油分を含む(含有量:通常、1〜1000mg/L程度。)ことが、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制されるなどの観点から好ましい。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法において、疎水性PTFE膜が平膜であり、該平膜の一方面または両面に、サポート材が少なくとも1種裏打ちされていると、疎水性PTFE膜よりも強度が向上した膜がろ過膜として使用されるため、エアレーション(曝気や通気)などに対するより高い物理的耐久性が発揮されるなどの観点から好ましい。
本発明に係る被処理液の処理方法は、被処理液を、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理し、次いで、得られた処理液と上記活性汚泥とを、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を用いて、膜分離活性汚泥法に供してろ過により分離することを特徴とする。この疎水性PTFE膜は、通常、一枚あたりの平均厚みが5〜200μm程度であると強度等の点で好ましい。
本発明に係る被処理液の処理方法において、上記被処理液が、油分を含む(含有量:通常、1〜1000mg/L程度。)と、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制されて該活性汚泥と被処理水とがより効率よく分離され、より効率よく被処理液を処理できるという観点から好ましい。
本発明に係る被処理液の処理方法において、疎水性PTFE膜が平膜であり、該平膜の一方面または両面に、サポート材が少なくとも1種裏打ちされていると、疎水性PTFE平膜よりも強度が向上した膜がろ過膜と使用されるため、エアレーション(曝気や通気)などに対するより高い物理的耐久性が発揮されるなどの観点から好ましい。
本発明に係る疎水性PTFE膜は、膜分離活性汚泥法において、特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と組合せて用いられるので、膜分離時のファウリングが抑制され、活性汚泥と処理水とを効率よく分離できるため、膜分離活性汚泥法に用いられるろ過膜として、好適に用いることができる。また、本発明に係る疎水性PTFE膜は、膜の材質がPTFEであり、化学的耐久性や物理的耐久性にも優れる。さらに、膜の形状に関しては平膜、中空糸、チューブラーなどが挙げられる。
本発明に係る疎水性PTFE膜において、上記被処理液が、油分を含む(含有量:通常、1〜1000mg/L程度。)態様では、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制され、活性汚泥と処理液とを効率よく分離できる。
本発明に係るサポート材付き疎水性PTFE膜によれば、エアレーション(曝気や通気)などに対する物理的耐久性のより高い平膜が提供される。
本発明に係る処理液の製造方法によれば、疎水性PTFE膜を用いて、特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と処理液とを分離するので、ファウリングを抑制しつつ、活性汚泥から分離された処理水を効率よく製造することができる。また、本発明に係る処理液の製造方法では、膜の材質が化学的耐久性や物理的耐久性に優れるPTFEであるので、薬剤により膜を洗浄する工程を含んでいても膜が劣化しにくく、活性汚泥槽内でのエアレーション(曝気や通気)などに対しても高い物理的耐久性が確保される。
本発明に係る処理液の製造方法において、上記被処理液が、油分を含む態様では、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制されて該活性汚泥と被処理水とがより効率よく分離され、より効率よく処理液が製造できる。
本発明に係る処理液の製造方法において、疎水性PTFE膜の一方面または両面に、サポート材(補強材)が少なくとも1種裏打ちされている態様では、疎水性PTFE膜よりも強度が向上した膜がろ過膜と使用されるため、エアレーション(曝気や通気)などに対するより高い物理的耐久性が発揮される。
本発明に係る膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定・組合せ方法によれば、活性汚泥およびろ過膜として、特定の疎水性度を有する活性汚泥と疎水性PTFE膜を選定し組合せるので、ファウリングが抑制され、活性汚泥と処理水とを効率よく分離できる組み合わせの活性汚泥およびろ過膜を選定・組合せることができる。また、本発明に係る膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定・組合せ方法では、ろ過膜としてPTFE製の膜を選定するため、膜分離活性汚泥法において、薬剤により膜を洗浄する工程を含んでいても膜が劣化しにくく、活性汚泥槽内でのエアレーション(曝気や通気)などに対しても高い物理的耐久性が確保される。
本発明に係る膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定・組合せ方法において、上記被処理液が、油分を含む態様では、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制され、活性汚泥と処理液とをより効率よく分離できる活性汚泥およびろ過膜を選択できる。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法によれば、特定の相対疎水性度を有する活性汚泥および疎水性PTFE膜を用いて膜分離活性汚泥法を実施するため、ファウリングが抑制され、活性汚泥と処理水とを効率よく分離できる。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法において、上記被処理液が、油分を含む態様では、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制される。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法において、疎水性PTFE膜の一方面または両面に、サポート材(補強材)が少なくとも1種裏打ちされている態様では、疎水性PTFE膜よりも強度が向上した膜がろ過膜と使用されるため、エアレーション(曝気や通気)などに対するより高い物理的耐久性が発揮される。
本発明に係る被処理液の処理方法によれば、疎水性PTFE膜を用いて、特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と処理液とを分離するので、ファウリングを抑制しつつ、被処理液を効率よく処理することができる。また、本発明に係る処理液の製造方法では、膜の材質が化学的耐久性や物理的耐久性に優れるPTFEであるので、薬剤により膜を洗浄する工程を含んでいても膜が劣化しにくく、活性汚泥槽内でのエアレーション(曝気や通気)などに対しても高い物理的耐久性が確保される。
本発明に係る被処理液の処理方法において、上記被処理液が、油分を含む態様では、親水膜でろ過する場合よりもファウリングがより効率よく抑制しつつ、被処理液を効率よく処理できる。
本発明に係る被処理液の処理方法において、疎水性PTFE膜の一方面または両面に、サポート材(補強材)が少なくとも1種裏打ちされている態様では、疎水性PTFE膜よりも強度が向上した膜がろ過膜と使用されるため、エアレーション(曝気や通気)などに対するより高い物理的耐久性が発揮される。
図1は、θ/2法の概略を示す図である。 図2は、膜ろ過抵抗算出方法の概略を示す図である。 図3は、膜分離活性汚泥法(MBR)を用いた装置の一例の概略図である。 図4は、浸漬型平膜モジュールフレームの一例の概略図である。 図5は、図4に示す浸漬型平膜モジュールフレーム(枠の表裏面にスペーサーが収容される凹所を設けた枠体)を具備した浸漬型平膜モジュールの一例の概略図である。 図6は、図5に示す浸漬型平膜モジュールの洗浄方法の一例の概略図である。 図7は、実験室で培養した活性汚泥(相対疎水性度23.4%)に比べて相対疎水性度が高い(55.8%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(比較例1)および同じく疎水性平膜(実施例1)を用いた態様における、吸引ろ過時のTMP(膜間差圧)の経時変化を示す図である。 図8は、相対疎水性度が上記と同様に高い(55.8%)活性汚泥を用いろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(比較例1)および同じく疎水性平膜(実施例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中のタンパク質濃度を示す図である。 図9は、相対疎水性度が上記と同様に高い(55.8%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(比較例1)および同じく疎水性平膜(実施例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中の糖濃度を示す図である。 図10は、処理場より入手した活性汚泥(相対疎水性度55.8%)に比べて相対疎水性度が低い(23.4%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(参考例2)および同じく疎水性平膜(参考例1)を用いた態様における、TMPの経時変化を示す図である。 図11は、相対疎水性度が上記と同様に低い(23.4%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(参考例2)および同じく疎水性平膜(参考例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中のタンパク質濃度の経時変化を示す図である。 図12は、相対疎水性度が上記と同様に低い(23.4%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(参考例2)および同じく疎水性平膜(参考例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中の糖濃度の経時変化を示す図である。 図13は、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)を用いた態様及び相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)を用いた態様における生物活性槽の上澄み液中のタンパク質濃度の経時変化を表す図である。 図14は、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)を用いた態様及び相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)を用いた態様における生物反応槽の上澄み液中の糖濃度の経時変化を表す図である。 図15は、活性汚泥およびろ過膜を次の組み合わせで使用した各態様におけるろ過抵抗を上昇させる要因となる成分種とその割合を示す図である。左から順に、相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)と親水性PTFE平膜(参考例2)、相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)と疎水性PTFE平膜(参考例1)、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)と親水性PTFE平膜(比較例1)、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)と疎水性PTFE平膜(実施例1)の各組合せを示す。
以下、本発明の最良の形態について具体的に説明する。
1.疎水性PTFE膜
本発明の疎水性PTFE膜は、膜分離活性汚泥法において、被処理液を特定の相対疎水性度である活性汚泥を用いて浄化処理して得られる処理液と、該処理液中の該活性汚泥とを分離するためのろ過膜として用いられる。膜分離活性汚泥法に関する項目(活性汚泥など)の詳細は、後述の膜分離活性汚泥法の項目と共通するのでそちらに譲り、ここでは疎水性PTFE膜自体について説明する。
ろ過膜に疎水性PTFE膜以外の膜が含まれている場合は、疎水性PTFE膜が被処理水に直接接し、疎水性PTFE膜以外の他の平膜は疎水性PTFE膜を介して被処理水に接するように構成する(被処理液/疎水性PTFE膜/他の膜)。このように構成することで、まず、疎水性PTFE膜によって被処理水から活性汚泥やファウリングの原因となる成分などの大半が除去され、疎水性PTFE膜以外のろ過膜には上記成分が除去された液が通過することになる。それゆえ、疎水性PTFE膜以外の膜が被処理液に直接接している態様に比して、ファウリングを抑制しながら効率よくろ過できる。
これら態様の中でも、耐ファウリング性の観点からは、ろ過膜は疎水性PTFE膜のみから構成されることが好ましく、さらには、ろ過膜が疎水性PTFE膜のみから構成される態様の中でも、コストの観点から、疎水性PTFE膜を複数重ねずに、1枚で用いることが好ましい。
なお、もし疎水性PTFE膜や他の膜にファウリング(目詰まり)が生じたり、浄化処理速度が低下したような場合には、適宜、膜の分解洗浄を行い、その機能を再生・復活させることが望ましい。
1−1.材質
本発明に係る疎水性PTFE膜の材質は、疎水性PTFEであり、その他材質(例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、セルロース、ポリスルホン、ポリビニリデンフルライド(PVDF)、セラミックスなど)製の膜に比して、汚泥などの付着が少なく、化学的耐久性にも優れる。
また、後述の相対疎水性度を有する活性汚泥と共に、膜分離活性汚泥法に供すると、親水性PTFE膜を用いる態様に比して、ファウリングが著しく抑制される。
ここで、「疎水性PTFE」とは、後述の接触角が後述の範囲にあるPTFEをいい、親水化されたPTFE(通常接触角が0〜90°)と区別される。
1−2.形状
本発明に係る疎水性PTFE膜の形状は限定されるものではなく、平膜、中空糸、チューブラーなどが挙げられる。中でも平膜と中空糸が一般的であるが、中空糸は中空の糸を束ねているため、表面積が大きくなり処理量の増大が期待できるが、汚泥の堆積(ケーク)が立体的に生じやすい、結束部が疲労破断しやすい、一部破断でも全体が機能しなくなるなどの問題が生じる場合がある。一方の平膜は、膜全面に曝気によるせん断がかかりやすく、また平らな構造であることから、異物の多い被処理物や高濃度の処理液のろ過に適している。
1−3.平均孔径
本発明に係る疎水性PTFE膜の平均孔径は、耐ファウリング性と高透水性の観点より、通常0.01〜5μm、ファウリングを効率的に抑制するという観点からは、好ましくは0.05〜0.45μmである。
上記平均孔径は、ASTM E 1294−89に準拠した細孔径分布測定器(たとえば、PMI社製パームポロメータ)を用いて測定することができる。
より詳しくは次の通りである。
濡れた状態のサンプルの空気透過量を示す濡れ曲線(Wet Flow Curve)と、乾いた状態での透過量を示す乾き曲線(Dry Flow Curve)の1/2の傾きの曲線(Half Dry Curve)が交わる点の圧力Pを求める。これをd=Cγ/P(d=細孔径、C=圧力定数、γ=液体の表面張力)に代入して平均細孔径を求める。なお、サンプルを濡らす試薬としてはGalwickを使用する。)
疎水性PTFE膜の平均孔径は、疎水性PTFE膜の延伸倍率を変えることなどによって上記範囲内となるように調整することができる。
疎水性PTFE膜の平均孔径が上記範囲にあると、平膜内部の目詰まりなどが起こりにくく、ファウリングを効率的に抑制することができる。
1−4.平均厚み
本発明に係る疎水性PTFE膜の一枚当りの平均厚みは、主に、高透水性の観点より、通常5〜200μm、好ましくは5〜30μmであることが望ましい。
上記平均厚みは、例えば、シックネスゲージ(例えば、ミツトヨ社製、モデル:VL―50B)により測定できる。
平均厚みが上記範囲にあると、厚さ方向の圧力損失が少ないため、被処理液を高流量で処理することができる。
1−6.接触角
本発明に係る疎水性PTFE平膜の疎水性度は接触角により評価され、該接触角は、耐ファウリング性の観点より、90°以上が好ましく、110°以上がより好ましい。
上記接触角は、例えば、次のようにして測定することができる。
膜表面に膜面2cm上から超純水を10μL滴下し、液滴形状をデジカメで撮影し、以下に示すθ/2法によって接触角θを算出する。また一つの膜当り5つの液滴の接触角を測定し、その平均をその膜の接触角とする。
<θ/2法>
液滴が球の一部であるとすると、幾何の定理よりθ=2θ1が成立する(図1も参照)。
これより接触角θは以下の式より求められる。
θ=2×tan-1(h/r)
疎水性PTFE平膜の接触角は、親水化処理などされていないPTFEであれば、通常は上記の範囲にあるが、例えばプラズマ処理や化学的エッチング処理、親水性ポリマーのコーティング、アルコール処理により、疎水性度を調整してもよい。
接触角が上記範囲にあると、疎水性PTFE平膜を、後述の特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と共に膜分離活性汚泥法に供した時に、親水膜を使用する場合よりも膜の目詰まりが効率よく抑制される。
2.サポート材付き疎水性PTFE平膜
本発明に係るサポート材付き疎水性PTFE平膜は、上記疎水性PTFE膜の平膜の一方面または両面にサポート材(補強材)が少なくとも1種裏打ちされてなることを特徴とする。
このようなサポート材付き疎水性PTFE平膜は、サポート材が設けられていない疎水性PTFE平膜に比して、より優れた強度を発揮し、エアレーション(曝気や通気)などに対する物理的耐久性がより高い点で好ましい。
このサポート材(補強材)としては、ポリオレフィン系樹脂で被覆された金属材、フッ素樹脂で被覆された金属材、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、フッ素樹脂などの素材からなり、メッシュ、繊維集合体(不織布など)、または、穴空きシートなどの構造のものが強度に優れ、製造容易であり、処理水の透過を促進できるなどの点で好ましい。
3.処理液の製造方法
本発明に係る処理液の製造方法は、本発明に係る処理液の製造方法は、被処理液を、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理し、次いで、被処理物を膜分離活性汚泥処理して得られた混合物から、得られた処理液と上記活性汚泥とを、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE平膜を用いた膜分離活性汚泥法によるろ過に供して分離することを特徴とする。なお、平膜の1枚あたりの平均厚みは通常、5〜200μm程度であることが上記物理的耐久性、透水性などの点から望ましい。
3−1.膜分離活性汚泥法(MBR)
膜分離活性汚泥法は、活性汚泥を用いて被処理液を浄化処理し、得られた処理液と前記活性汚泥とを、ろ過により分離して、前記活性汚泥などから分離された処理液を得る方法である。
3−1−1.活性汚泥
MBRでは、活性汚泥(activated sludge、略して汚泥ともいう)を用いる。活性汚泥は、汚水を浄化する機能を有し、沈降性の優れた微生物の塊(フロック)であり細菌や原生動物など多種類の好気性微生物が数多く含まれている。
3−1−1−1.相対疎水性度
活性汚泥としては、相対疎水性度が30〜100%のものを用いる。耐ファウリング性の観点からは、該相対疎水性度は、50〜60%が好ましい。
活性汚泥の相対疎水性度は、例えば、n-ヘキサンを用いたBATH法により、以下のように測定できる。
活性汚泥および生理食塩水(約0.9w/v%)を、活性汚泥の濃度が100mg/Lとなるように混合して活性汚泥の懸濁液を得る。次いで、得られた活性汚泥の懸濁液を、超音波処理装置(型UT−105S、SHARP社製)を用い、100w、35kHzの条件で10分間超音波処理する。
次いで、吸光度計を用い、活性汚泥の懸濁液の660nmの吸光度(OD660)を測定する。
次いで、活性汚泥の懸濁液4mLとn-ヘキサン0.4mLをテストチューブ内に入れ、ボルテックミキサーで1分間攪拌させたのち、得られた混合物を1時間静置する。
次いで、油層、水層が分離したことを確認した後、水層の吸光度(OD660’)を測定する。
次いで、得られた吸光度(OD660)、(OD660’)の値を用い、下記一般式(1)から相対疎水性度(%)を算出する。
相対疎水性度(%)=100×(1−OD660’/OD660)…(1)
活性汚泥の相対疎水性度は、活性汚泥を培養する際の培養液に含まれる疎水性物質の濃度により調整することができる。
例えば、活性汚泥の培養液に、工場排水のような油などの疎水性物質を含むものを混合して活性汚泥を培養すると、活性汚泥の疎水性が、上記疎水性物質を含まない培養液で培養した場合よりも高まる。
また、工場排水のような油などの疎水性物質を含むものを混合した活性汚泥は、上記疎水性PTFE平膜をろ過膜として用いる態様において、親水膜を用いてろ過した場合よりもファウリングを起こしにくい観点よりより好ましい。
活性汚泥の相対疎水性度が上記範囲にあったとき、親水膜を使用するより疎水膜を使用した方がファウリングを抑制することができ、ひいては、活性汚泥などから分離された処理水を効率よく製造することができる。
なお、ここでは、「活性汚泥の懸濁液」とは、活性汚泥が生理食塩水に懸濁した懸濁液を指すが、本明細書において、活性汚泥を懸濁させる液は、本発明の目的を損なわない限り限定されず、ケースによって異なることに注意を要する。例えば、被処理液に活性汚泥を懸濁させたものも「活性汚泥の懸濁液」と称する。
3−1−2.被処理液
被処理液は、例えば、産業排水処理、ビル内水道処理、し尿処理、浄化槽による生活廃水処理である。
主な工業排水として、油を含み、生活排水などに比して疎水性度が高い排水や、2−アミノエタノール、2−プロパノール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸、シュウ酸などの有機酸、界面活性剤などを含んだ有機物含有排水が挙げられるが、これらの物質に限定されるものではない。
これら被処理液の中でも、油を含み(含有量:通常、1〜1000mg/L程度。)、生活排水などに比して疎水性度が高い排水(工業廃水や水処理場から排出される排水)が、上記疎水性PTFE平膜をろ過膜とした膜分離活性汚泥法において、ファウリングがより抑制される観点より好ましい。
また、通常、活性汚泥槽(廃液と活性汚泥を混合させる槽)は、タンパク質や多糖類が含まれており、このような成分は、例えば親水性PTFE平膜がろ過膜である膜分離活性汚泥法において、ファウリングを起こす原因となるが、本発明においては、既に説明したように、ろ過膜が疎水性PTFE平膜であり、タンパク質や多糖類によりファウリングが起こることが抑制される(該平膜表面に疎水性の活性汚泥が付着して活性汚泥のケーク層を形成し、該活性汚泥のケーク層がタンパク質や多糖類が該平膜表面に付着することを防いでいると推察される)。そのため、疎水性PTFE平膜を用いる本発明では、親水性PTFE平膜などではファウリングを起こしやすい被処理液も、ファウリングを抑制しながら効率よく処理できる。
被処理液中のタンパク質や糖(主に多糖類)の量は、後述の実施例に記載した方法により測定することができ、被処理液中におけるタンパク質や糖(主に多糖類)の存在や量を知ることができる。
3−1−3.MBRの実施条件
上記活性汚泥は、通常、液中に懸濁されて用いられる。
上記活性汚泥は、被処理液に直接混合してもよいし、被処理液とは別の液(例えば、水道水などの水、培養液など)に混合して活性汚泥の懸濁液を調整した後、該懸濁液を被処理液に混合してもよい。
MBRにおける生物反応槽の処理条件は、好ましくは活性汚泥の濃度が2000〜25000mg/L以下、より好ましくは5000〜18000mg/Lの範囲であり、活性汚泥の懸濁液の粘度が、好ましくは0〜150mPa・s、より好ましくは、0〜40mPa・sの範囲となるようにすることが好ましい。
活性汚泥の濃度が上記範囲にあると、汚泥の粘度の急激な上昇や、浸漬膜の目詰まりを抑制することができ、さらに、汚泥当たりのBOD負荷が高くなって処理水質が悪化することを抑制することができる。
活性汚泥の懸濁液の粘度は、例えば、回転式粘度計(TVC−7形粘度計:東機産業株式会社製)を用いて行う(ガードの上側のふち部分が懸濁液液面と同じ高さとなる位置で測定を行う)。
なお、粘度は温度に対して非常に影響を受け、一定温度に保たれた試料で測定を行う必要があるが、懸濁液の測定の場合、懸濁物質(活性汚泥)が沈殿するため、測定中にも測定位置の粘度が変化していくので、本発明では、恒温槽内(低温恒温水循環装置 CTP-1000型: EYELA製)で実験条件の温度に保たれた活性汚泥を液によく懸濁した後に測定を行い、測定開始から30秒後の測定を3回行い、その平均値を見かけの粘度とする。
活性汚泥の懸濁液の粘度は、活性汚泥に対する液体の量を増減させれば、上記範囲になるように調整できる。
生物反応槽における汚泥の滞留時間(sludge retention time、以下SRTともいう)は、好ましくは2〜10時間の範囲であり、より好ましくは6〜8時間の範囲である。
平膜モジュールの透過流束は、例えば、排出ユニットの排出口から排出された処理水の容量を、メスシリンダーを用いて測定するなどすればよい。
滞留時間あるいは透過流束が上記範囲にあると、効率よく処理対象水を十分に処理でき、また、処理コストの増大やフロック(微生物の塊)の分散化を抑制できる。
生物反応槽における汚泥負荷(BOD−SS負荷)は、一日当たり0.01〜0.1kgBOD/SSの範囲が好ましい。
ここで、SSとは、浮遊物質濃度(suspended solids)である。SSは、水に含まれる粒子を孔径1μmのガラス繊維ろ紙でろ過し、その粒子の乾物重量(mg/Lまたはppm)で表す。なお、透視度から推定値を得ることも出来る。
汚泥負荷が上記範囲にあると、低負荷により汚泥が分散状態となって浸漬膜が目詰まったり、高負荷により処理水質が悪化し、また菌の代謝産物の増加により浸漬膜が目詰まったりすることを抑制できる。
活性汚泥沈殿率(sludge volume、SV)は、生物反応槽内の活性汚泥の状態を知る為の指標である。非常に簡便に測定でき、汚泥の沈降性や量を知ることが出来る。一般にSVと呼ぶときは、SV30のことを指す。
汚泥容量子数・汚泥容量指標(sludge volume index、SVI)とは、活性汚泥の沈降性を示す指標である。1gの活性汚泥が占める容積をmlで表し、SVI=(SV×10.000)/MLSSの式で算出される。
SVIは、活性汚泥の懸濁液を30分間静置した場合に、1gのMLSSの占める容積をml数で示したもので、SVI=100とは、活性汚泥1gが100mlの容積を占めることを意味している。
通常の曝気槽(曝気された生物反応槽)では、50〜150が適切な値であり、200以上だとバルキング(活性汚泥が沈降せず、上澄みが取れない状態)している状態であることを示す。
活性汚泥浮遊物質(mixed liquor suspended solids、MLSS)とは、生物反応槽内の活性汚泥の量を表す値である。SSをmg/Lで表したものであり、MLSSは活性汚泥の懸濁液をSSと同じ手順で測定することで求めることが出来る(より詳しい測定方法は、後述の実施例を参照のこと)。
MLSSは、一般にSV30の値を70〜100倍した値になる。また、一般に2.000mg/L以上の値である。
生物反応槽における液のpHは、3〜12の範囲、特に6〜8の範囲となるように調整することが好ましい。pHが上記範囲であると生物処理性能が悪化を防止することができる。
生物反応槽における液の温度は、10〜35℃の範囲、特に15〜30℃の範囲となるように調整することが好ましい。pHが上記範囲であると、活性汚泥が活性しやすいことができる。
生物反応槽におけるDO(溶存酸素)濃度は、0.1〜2.5mg/Lが好ましく、特に0.5〜2.0mg/Lの範囲であることが好ましい。DO濃度が上記範囲であると、生物処理性能の悪化やフロックの分散化を抑制することができ、処理コストの増大も抑制できる。
生物反応槽における栄養源は、微生物が有機物を分解し、増殖していくために寄与し、例えば、窒素、リンのほか、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属類や鉄、マンガン、亜鉛などの金属類といった微量金属類が必要となる。
窒素源としては、外部から尿素、アンモニア塩などを添加することができる。リン源としては、外部からリン酸塩、リン酸を添加することができる。
また、窒素源・リン源としては、原水中に十分量含まれていれば外部から添加する必要はなく、また、窒素・リンを含む他の排水を有機物含有原水に添加することでも対応することができる。
微量金属類は、半導体工場や液晶工場での有機物含有原水では、不足することが多い。このため、水道水、工業用水などの微量金属類を含む水を導入する、微量元素を含む製剤を添加するなどの方法で補給することもできる。
なお、次のように、平膜洗浄後に、平膜の純水に対する透過流束を測定することで、洗浄前の運転において、どのような成分が膜の抵抗を支配的に増加させているかを評価できる。
運転開始前の膜の純水透過流束をJ0、活性汚泥の懸濁液をろ過に供した後の膜の純水透過流束をJ1、スポンジで拭いケーク層を除去した物理洗浄後の膜の透過流束をJ2、その後薬品洗浄を行った膜の流束をJ3とする。以下の一般式(2)、(3)を用い以下の様に各抵抗値Rとして算出する(図2も参照)。
なお、式(2)中のR(T,0,c,p,l)は、RT、R0、Rc、Rp、Rlのいずれかであることを示す。
A=0.12571873×10-1,B= -0.58064326×10-2,C=0.11309108×10-2,D= -0.57239520×10-5
J:膜透過流束 [m/s]
ΔP:膜間差圧 [Pa]
Rt:全ろ過抵抗 [1/m]
R0:初期透過性能 [1/m]
Rc:ケークろ過抵抗[1/m](物理洗浄によって回復する抵抗)
Rp:膜の細孔表面または内面の物質による抵抗 [1/m](化学洗浄によって回復する抵抗)
Ri:不可逆抵抗[1/m](洗浄によって回復できない抵抗)
μ:ろ過水の粘度[Pa・s]
Rc…J1より求めた抵抗値をR1とし、J2より求めた抵抗値をR2とし、その差 (ケーク層除去前後の透過流束J1、J2より求める)
Rp …上記で求めたR2とJ3より求めた抵抗値をR3とし,その差(薬品により細孔内の洗浄を行った前後J2、J3より求める)
Ri…上記で求めたR3とJ0より求めた抵抗値をR0とし,その差(新品膜の流束と膜洗浄後の流束より求める)
膜ろ過抵抗算出方法の概略図を図2に示す。
以下、上記MBRの実施に用いられるMBR用装置について、一例を示す。
3−1−4.MBR用装置
MBR用装置は、少なくとも、疎水性PTFE膜(以下、単に、「膜」ともいう)、疎水性PTFE膜を具備する膜モジュール、生物反応槽を含む。
必要に応じて、圧力計、流量計、データロガー、タイマーなどを含んでいてもよい。
図3は、MBR用装置の一例を示す図である。
疎水性PTFE平膜1は、浸漬型平膜モジュール2に組み込まれ、生物反応槽3に浸漬されている。
生物反応槽3では、生物反応槽3の底から曝気装置(ディフューザー)4を用いて上記浸漬型平膜モジュール2の下方より一定流量で曝気を行っており、常に好気状態である。
生物反応槽3では、活性汚泥(以下、単に「汚泥」ともいう)により被処理液の浄化処理が行われ、生じた活性汚泥および処理液を含む混合液は、生物反応槽3内に浸漬された浸漬型平膜モジュール2に組み込まれた疎水性PTFE平膜1でろ過され(吸引ろ過)、活性汚泥などと分離された処理液が回収される。
膜のファウリングの指標として、吸引ろ過時の膜間差圧(TMP :transmembrane pressure)を経時的に測定するため、一定流束を維持しながら間欠的にローラポンプを動かせるようにタイマーをセットしてもよい。
TMPの測定には、例えば、耐環境小型圧力センサAP−51(キーエンス製)を用いることができる(図3では圧力計5に相当する)。また、連続的に圧力の変化を記録するために電流データロガーEL-USB4(エムケー・サイエンティフィック)をセットしてもよい(図3ではデータロガー6に相当する)。
また、生物反応槽3には、被処理液7と水道水8が供給される。
また、疎水性PTFE平膜1の組み込まれた浸漬型平膜モジュール2を介してろ過処理された処理液10を生物反応槽3に循環するようにしてもよい。このようにすることで、汚泥の栄養源である基質(被処理液の一部とみなす)もポンプとタイマーにより一定量を間欠的に与えることで汚泥の活性を一定に保つことができる。
また、浸漬型平膜モジュール2は、平膜のカセットにすることが、膜全体にエアレーションが当たるようになって洗浄効率が上がる観点より好ましい。
なお、必要に応じて、前記容器内の液面が、ある設定範囲を越えたとき、前記膜ろ過ユニットからの処理水の吸引量をその増液速度に対応して自動的に増加させる制御部(図2ではレベルセンサー9)を有してなっていてもよい。
例えば、図3に示す装置を用いた場合には、疎水性PTFE平膜1の膜面積は1枚あたり0.2〜2m2 であり、前記浸漬型平膜モジュール2の膜面積は0.4〜4m2 であって、1枚の疎水性PTFE平膜によって、1日あたり0.15〜1.5tの排水(被処理液)を処理できる。
上記処理量を増やすには、疎水性PTFE平膜の枚数を適宜増やせばよい。
同一の生物反応槽に浸漬された複数基の浸漬型平膜モジュール2は各分岐管路と流量調整バルブとを介して同一の処理水吸引管路に接続されている。
浸漬型平膜モジュール2は、例えば次のように製造すればよい。
図4、5に示されるような、150mm×150mm、厚さ7.5mmの浸漬型平膜モジュール枠11の片面に、図5、6に示すように、120mm×120mmの網状のスペーサー12、140mm×140mmの疎水性PTFE平膜1をこの順で接着剤を用いて張り付け、2日間乾燥処理する。次いで、裏面にも同様に、同形状のスペーサー12、疎水性PTFE平膜1をこの順で接着剤13を用いて張り付け、2日間乾燥処理する。
汚泥処理が長期間にわたって継続して行われると、浸漬型平膜モジュール2内のろ過膜(疎水性PTFE平膜1)の表面に目詰まりが進行するため、ろ過流量の低下、或いは膜間差圧の上昇が生じる。
このような膜間差圧の上昇を抑えるため、疎水性PTFE平膜1の下方に配された上記曝気装置(ディフューザー)4から噴出するエアと活性汚泥の懸濁液との気液混合流体を利用して、いわゆるエアスクラビングを行うとともに、各膜を揺動させて膜面に付着した懸濁物質を剥がして離脱させ、物理的な洗浄を行う。
このとき同時に微生物による硝化反応を活発化させて生物学的処理を行う。
ここで、生物反応槽の活性汚泥は浸漬型平膜モジュール2に組み込まれた疎水性PTFE平膜1を通して固液分離を行った後、活性汚泥などから分離された処理水を外部の吸引ポンプから吸引して処理水槽(図示せず)へと送り回収してもよい。
膜分離方式はデッドエンド濾過方式、クロスフロー濾過方式、浸漬膜方式、ダイナミック濾過方式などのいずれでもよいが、特にクロスフロー濾過方式と、浸漬膜方式は、上述の如く脱窒槽内の撹拌やスカム破砕手段と兼用することができるために好適である。
膜分離のための圧力はポンプや水圧を利用した正圧と負圧の両方を利用することができるが、膜面において透過液が負圧になると透過液から脱窒ガスが発生し、流路に気泡が溜ることで透過液流路の圧力が不均一になったり、また透過液をポンプで排出する場合にはポンプがエアを巻き込むことによる膜分離効率の低下が起こり、また透過液をサイフォンで排出する場合にはサイフォンがブレークするなどの障害を生じやすい。このため、透過液側は正圧として運転することが好ましい。
膜の薬品洗浄には、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ液、次亜塩素酸ソーダや過酸化水素などの酸化剤、塩酸、硫酸、クエン酸、蓚酸などの酸、各種の界面活性剤など、通常、膜の洗浄に用いられる各種の薬剤が使用可能である。
なお、有機物の汚れには、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、塩酸などの酸、水酸化ナトリウムなどのアルカリなどが好ましく、無機物の汚れには、例えば、シュウ酸、クエン酸、過酸化水素水などが好ましい。
曝気装置の気体吐出口の大きさとしては、気体吐出量の均一性や散気間内部への汚泥の侵入抑制の観点より、3〜10mmが好ましい。
浸漬膜が目詰まりを起こした場合、通常、活性汚泥内に浸漬したまま次亜塩素酸などを注入するインライン洗浄、または浸漬膜を生物反応槽内から取り出して次亜塩素酸、クエン酸などに漬けおき洗浄する。
洗浄水としては、通常、次亜塩素酸塩、過炭酸塩、過酸化水素等の酸化力を有する酸化剤の水溶液、水酸化ナトリウム等のアルカリ類の水溶液、塩酸、硫酸、シュウ酸、クエン酸等の酸類の水溶液、界面活性剤の水溶液、アルコールなどの薬液が用いられる。
これら薬液の中でも、洗浄能力に優れることから、酸化剤溶液、酸水溶液、アルカリ水溶液が好適に用いられる。また、洗浄水として、薬液以外に、膜透過水、水道水、井戸水、工業用水などの水を用いることもできる。
また、これら洗浄水の通液後、浸漬型平膜モジュールの膜面に各種処理が必要な場合には、適正な処理剤を、上記洗浄水に続いて上記と同様の方法にて通液してもよい。
また、薬液の使用量を抑えることを目的として、薬液と水の両方を洗浄液として用い、これらを交互に通液してもよい。
この場合、例えば、三方切替弁によって流路が分岐された2本の洗浄水用配管にそれぞれ接続する薬液用の洗浄水貯留部と水用の洗浄水貯留部とを有する濾過装置を用いることができる。
薬液と水の通液は、三方切替弁を切り替えることによって交互に行うことができる。薬液と水の通液は、濾過処理時間と濾過停止時間からなる1サイクル内の濾過停止時間内に三方切替弁を1回以上切り替えて交互に行ってもよく、数サイクルの内に三方切替弁を1回のみ切り替えて交互に行ってもよい。
さらに、洗浄水を通液するに当たり、分離膜洗浄用のエアーバブリングを継続しながら、通液を行ってもよく、分離膜洗浄用エアーバブリングを停止して洗浄水を通液し、通液後、エアーバブリングを再開して分離膜を洗浄してもよい。これにより、分離膜への閉塞物質の堆積を防止することが可能となり、閉塞物質の剥離効率も上昇する。
薬品洗浄実施のタイミングは、通常、浸漬膜の吸引圧力の差圧が20〜40kPa程度に達した際に行い、その頻度は少なくとも12ヶ月以上、好ましくは3ヶ月〜6ヶ月年に1回が運用上好ましい。
洗浄に用いられる洗浄水中の薬品の種類や濃度は、閉塞状況に応じて、適宜選択されることが望ましい。
上記洗浄の一例の概略を図7に示す。
以上の通り、被処理液を処理することで、処理物のBOD濃度を通常10〜20mg/L、好ましくは1〜10mg/Lとすることができる。
処理水は、工場などの冷却水、または製造用水、純水、超純水などとして再利用することができる。
4.膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定方法
被処理液を活性汚泥により浄化処理し、次いで、得られた処理液と前記活性汚泥との混合液をろ過に供して膜分離活性汚泥法により分離するために用いられる、活性汚泥とろ過膜の選定・組合せ方法であって、上記活性汚泥として、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%のものを選定し、上記ろ過膜として、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE平膜となるように、活性汚泥およびろ過膜を選定し組合せることを特徴とする。
疎水性PTFE平膜、活性汚泥、膜分離活性法などの詳細については、先に述べたとおりであるので、ここでは省略する。
本発明に係る膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定方法では、上記のような特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と疎水性PTFE平膜とをろ過膜として選定するため、膜分離活性汚泥法におけるファウリングを効率よく抑制できる。
5.膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法
本発明に係る被処理液を活性汚泥により浄化処理し、次いで、得られた処理液と前記活性汚泥との混合液をろ過に供して膜分離活性汚泥法により分離する際のファウリングの抑制方法であって、上記活性汚泥として、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%の活性汚泥を用い、ろ過膜として、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を用いることを特徴とする。
疎水性PTFE平膜、活性汚泥、膜分離活性法などの詳細については、先に述べたとおりであるので、ここでは省略する。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法では、上記のような特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と疎水性PTFE膜とを用いるため、膜分離活性汚泥法におけるファウリングを効率よく抑制できる。
6.膜分離活性汚泥法における被処理液の処理方法
本発明に係る膜分離活性汚泥法における被処理液の処理方法は、被処理液を、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理し、次いで、得られた処理液と上記活性汚泥とを、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を用いた膜分離活性汚泥法によるろ過に供して分離することを特徴とする。
疎水性PTFE膜、活性汚泥、膜分離活性法などの詳細については、先に述べたとおりであるので、ここでは省略する。
本発明に係る膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法では、疎水性PTFE膜を用いて、特定の相対疎水性度を有する活性汚泥と処理液とを分離するので、ファウリングを抑制しつつ、被処理液を効率よく処理することができる。
[実施例1、比較例1]
PET製不織布で裏打ちされた疎水性PTFE平膜(日本バルカー工業社製、公称孔径0.3μm、後述の方法で測定した平均厚み:25μm、有効膜面積:0.0288m2、後述の方法で測定した接触角:128.9度)およびPET製メッシュで裏打ちされた親水性PTFE平膜(日本バルカー工業社製、公称孔径:0.3μm、後述の方法で測定した平均厚み:25μm、有効膜面積:0.0288m2、後述の方法で測定した接触角:66.1度)を用意した(ここで、公称孔径とは、疎水性PTFE平膜の製造元である日本バルカー工業社によって開示された平均孔径をいう)。
次いで、図4〜6に示されるように、150mm×150mm、厚さ7.5mmの平膜モジュール枠の片面に、120mm×120mmの網状のスペーサー、140mm×140mmの疎水性PTFE平膜をこの順で接着剤を用いて張り付け、2日間乾燥処理した。次いで、裏面にも同様に、同形状のスペーサー、疎水性PTFE平膜をこの順で接着剤を用いて張り付け、2日間乾燥処理して、浸漬型平膜モジュールA(実施例用)を作製した。
また、上記疎水性PTFE平膜を親水性PTFE平膜に替えた以外は同様にして、浸漬型平膜モジュールB(比較例用)を作製した。
次いで、神奈川水再生センター4系より入手した、活性汚泥の懸濁液(後述の方法により測定した活性汚泥の相対活性度:55.8%)を用意した。
次いで、図3に示されるように、MBR装置内の水槽(容積21L)に、上記活性汚泥の懸濁液を充填し、前述の浸漬型平膜モジュールAおよび浸漬型平膜モジュールBを浸漬させた。
次いで、浸漬型平膜モジュールにディフューザーを1つずつ割り当てて設置し、一定流量で爆気を行い、常に好気状態となるようにした。また、MBR装置内の水槽には、水道水と基質(グルコース、ペプトン、KH2PO4)を含む液とをポンプとチューブを用いて供給し(水道水+基質を含む液=被処理液)、活性汚泥による被処理液の浄化処理を行った。ここで、基質供給用ポンプはレベルセンサーに接続し、MBR装置内の水槽に基質が一定の量で供給されるよう調整した(グルコース:0.14g/L・day、ペプトン:0.068g/L・day、KH2PO4:0.0063g/L・day)。また、水道水供給用ポンプも同様にレベルセンサーに接続し、MBR装置内の水槽から処理水が排出された時などに、水道水が供給され、MBR装置内の水槽の水位が一定に保たれるよう調整した。
次いで、各浸漬型平膜モジュールのモジュール枠の上部に突き出した外径4.5mm、内径2.0mm、長さ15mmの管に、チューブ(MasterFlex社製L/S16)を取り付け、吸引8分、休止2分の条件で、間欠吸引を行って、浸漬型平膜モジュールを介してMBR装置内の水槽から処理液を引き抜き、活性汚泥などから分離された処理水を得た。
MBR装置は、12日間連続運転を行い、透過流束を0.833m3/m2・dayとした。
そして、MBR実施前、実施中に、下記各種測定を行った。
(1)MBR実施前
(1−1)接触角測定
MBR実施前に、以下の方法で、膜の接触角を測定した。
膜表面に膜面2cm上から超純水を10マイクロL滴下し、液滴形状をデジカメで撮影し、以下に示すθ/2法によって接触角θを算出した。また一つの膜に対して液滴2つの平均をその膜の接触角とした。
<θ/2法>
液滴が球の一部であるとすると、幾何の定理よりθ=2θ1が成立する(図1参照)。
これより接触角θは以下の式より求められる。
θ=2×tan-1(h/r)
結果を表2に示す。
(1−2)活性汚泥の相対疎水性度
活性汚泥の相対的疎水性度を、n-ヘキサンを用いたBATH法により、以下のように測定した。
活性汚泥および生理食塩水(0.9w/v%)を、活性汚泥の濃度が100mg/Lとなるように混合して活性汚泥の懸濁液を得た。次いで、得られた活性汚泥の懸濁液を、超音波処理装置(型UT−105S、SHARP社製)を用い、100w、35kHzの条件で10分間超音波処理した。
次いで、吸光度計を用い、活性汚泥の懸濁液の660nmの吸光度(OD660)を測定した。
次いで、活性汚泥の懸濁液4mLとn-ヘキサン0.4mLをテストチューブ内に入れ、ボルテックミキサーで1分間攪拌させたのち、得られた混合物を1時間静置した。
次いで、油層、水層が分離したことを確認した後、水層の吸光度(OD660’)を測定した。
次いで、得られた吸光度(OD660)、(OD660’)の値を用い、以下の式から相対疎水性度(%)を算出した。
相対疎水性度(%)=100×(1−OD660’/OD660
結果を表2に示す。
(1−3)活性汚泥の懸濁液の粘度(見かけの粘度)
活性汚泥の懸濁の粘度は、回転式粘度計(TVC−7形粘度計:東機産業株式会社製)を用いて行った。
なお、粘度は温度に対して非常に影響を受け、一定温度に保たれた試料で測定を行う必要があるが、懸濁液の測定の場合、懸濁物質(活性汚泥)が沈殿するため、測定中にも測定位置の粘度が変化していくので、本測定では恒温槽内(低温恒温水循環装置 CTP-1000型: EYELA製)で実験条件の温度に保たれた活性汚泥を液によく懸濁した後に測定を行い、測定開始から30秒後の測定を3回行い、その平均値を見かけの粘度とした。
結果を表2に示す。
(2)MBR実施中
(2−1)透過流束
平膜モジュールの透過流束は、リアクターに接続されたポンプの出口から排出された処理水の容量を、MBR実施中に、複数の時点で、メスシリンダーを用いて測定した。MBR実施中の透過流束は、ここで得られた値を参照して、所定の値となるように吸引ろ過用のポンプを制御して調整した。
(2−2)MLSS
MLSSは、MBR実施中に、複数の時点で測定を行い、MBR実施中のMLSSの範囲を測定した。
MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids;汚泥混合浮遊物質)の定義および測定方法は下水試験法(2004)に倣った。以下に測定手順の詳細を示す。
まず、蒸発皿を110℃で30分乾燥させ、秤量した(秤量値(1))。
次いで、MBR装置のリアクターから活性汚泥を含む懸濁液30ml×2を採取し、遠沈管に入れ、3500rpm、10分間の条件で遠心処理した。
次いで、上澄みを捨て、遠沈管に超純水を加えて活性汚泥の懸濁液を調整し、得られた活性汚泥の懸濁液を遠心処理した。
遠沈管から液を廃棄して分離した活性汚泥を、先に秤量を済ませた蒸発皿に採取し、110℃に設定されたオーブン内で24時間乾燥させ、デシケーター内で放冷後、秤量した(秤量値(2))。
次いで、以下の計算式により、MLSSを算出した。
MLSS(mg/L)={秤量値(2)−秤量値(1)}/活性汚泥の懸濁液の採取料(L)
結果を表2に示す(表2に示した結果は、上記測定で得られた値の範囲を表す)。
(2−3)水温
リアクター内の水温は、アルコール式の温度計を用いて、MBR実施中に、複数の時点で測定した。
結果を表2に示す(表2に示した結果は、上記測定で得られた値の範囲を表す)。
(2−4)pH
pHは、ガラス電極式水素イオン濃度指示計WM-22EP(東亜ティディケー製)を用いて、毎日測定した。
結果を表2に示す(表2に示した結果は、上記測定で得られた値の範囲を表す)。
(2−5)TMP
浸漬型平膜モジュールと吸水用ポンプをつなぐ接続菅に設置された圧力計より、TMPを、MBR実施中に複数の時点で測定した。結果を図7に示す。
(2−6)タンパク質の濃度
MBR実施中に、複数の時点で、生物反応槽内の活性汚泥を含む液を25mL採取し、遠心分離(3000rpm、5分間)して得られる上澄み液、および、平膜モジュールを介したろ過処理後に得られた処理水について、次の通りタンパク質の濃度を測定した。
まず、BSA溶液をマイクロテストチューブに12μL取り出し、PBS溶液を228μL加えて、BSAの濃度が100μg/mLであり、希釈用である溶液No.1を240μL調製した。
次いで、溶液No.1から80mL、60mL、40mL、20mLを別途採取し、それぞれの溶液に、PBS溶液を120mL、140mL,160mL、180mL加え、BSAの濃度が40μg/mLであり、検量線用である溶液No.2を200mL、BSAの濃度が30μg/mLであり、検量線用である溶液No.3を200mL、BSAの濃度が20μg/mLであり、検量線用である溶液No.3を200mL、BSAの濃度が10μg/mLであり、検量線用である溶液No.4を200mL調製した。
次いで、溶液No.2から25mL採取し、PBS溶液を175mL加え、BSAの濃度が5μg/mLであり、検量線用である溶液No.6を200mL調製した。
以上、表にまとめると下記表1の通りである。
次いで、溶液No.2〜6のぞれぞれについて、市販のBCA溶液を1:1の割合となるように加え、恒温槽に設置し、60℃で1時間反応させ、反応後冷水を用いて速やかに室温に戻し、素早く吸光度を測定した。得られた各溶液の吸光度から、検量線を作成した。
次いで、MBR運転期間中のリアクター内の活性汚泥を含む液を25mL採取し、遠心分離(3000rpm、5分間)して得られた上澄み液、及び、平膜モジュールを介したろ過処理後に得られた処理水を用意した。この操作は、MBRの処理時間を変えて複数回行った。
次いで、上記上澄み液及び上記処理水のぞれぞれについて、BCA溶液を1:1の割合となるように加え、恒温槽に設置し、60℃で1時間反応させ、反応後冷水を用いて速やかに室温に戻し、素早く吸光度を測定した。
次いで、検量線から、上記上澄み液及び上記処理水中のタンパク質の濃度を求めた。
結果を図8(上澄み液、処理水中)、図13(上澄み液中)に示す。
(2−7)糖の濃度
MBR実施中に、複数の時点で、生物反応槽内の活性汚泥を含む液を25mL採取し、遠心分離(3000rpm、5分間)して得られる上澄み液、および、平膜モジュールを介したろ過処理後に得られた処理水について、次の通り糖の濃度を測定した。
検量線は、グルコースを使用して作成した。
次いで、上記「(2−6)タンパク質の濃度」に記載した上澄み液及び処理水と同じ物を測定用試料として用意した。
次いで、測定用試料(上澄み液、処理水)0.4mLを試験管にとり、フェノール溶液(濃度5wt%)4mLを加えてよく混合し、濃硫酸2mLを速やかに直接液面に加えてよく混和し、室温で30分間放置した後、波長490nmで吸光度を測定した。
次いで、検量線から、上記上澄み液及び上記処理水中の糖の濃度を求めた。
結果を図9(上澄み液、処理水中)、図14(上澄み液中)に示す。
(2−8)洗浄後の平膜の純水の透過流束測定
平膜を洗浄した後に、平膜の純水に対する透過流束を測定し、以下の式を用いて、洗浄前の運転において、どのような成分が膜の抵抗を支配的に増加させているかを評価した。
運転開始前の膜の純水透過流束をJ0、活性汚泥ろ過後の膜の純水透過流束をJ1、スポンジで拭いケーク層を除去した物理洗浄後の膜の透過流束をJ2、その後薬品洗浄を行った膜の流束をJ3とした。以下の式(2)、(3)を用い以下の様に各抵抗値Rとして算出した。
なお、式(2)中のR(T,0,c,p,l)は、RT、R0、Rc、Rp、Rlのいずれかであることを示す。
A=0.12571873×10-1,B= -0.58064326×10-2,C=0.11309108×10-2,D= -0.57239520×10-5
J:膜透過流束 [m/s]
ΔP:膜間差圧 [Pa]
Rt:全ろ過抵抗 [1/m]
R0:初期透過性能 [1/m]
Rc:ケークろ過抵抗[1/m](物理洗浄によって回復する抵抗)
Rp:膜の細孔表面または内面の物質による抵抗 [1/m](化学洗浄によって回復する抵抗)
Ri:不可逆抵抗[1/m](洗浄によって回復できない抵抗)
μ:ろ過水の粘度[Pa・s]
Rc…J1より求めた抵抗値をR1とし、J2より求めた抵抗値をR2とし、その差 (ケーク層除去前後の透過流束J1、J2より求める)
Rp …上記で求めたR2とJ3より求めた抵抗値をR3とし,その差(薬品により細孔内の洗浄を行った前後J2、J3より求める)
Ri…上記で求めたR3とJ0より求めた抵抗値をR0とし,その差(新品膜の流束と膜洗浄後の流束より求める)
結果を図15に示す。
[参考例1、2]
実施例1、比較例1において、実験室で培養した活性汚泥を用い、運転日数を70日間(Run1:37日間、Run2:21日間、Run3:12日間の計70日間とし、透過流束をRun1:0.625m3/m2・day、Run2、3:0.833m3/m2・dayと変えた以外は、実施例1、比較例1と同様に、MBR装置を運転し、各種試験、評価を行った。結果を表2(親水性PTFE平膜の各種物性、活性汚泥の各種物性、生物反応槽内の活性汚泥の懸濁液の各種物性)、図10(TMPの経時変化)、図11(生物反応槽の上澄み液、処理液中のタンパク質濃度)、図12(生物反応槽上澄み液、処理液中の糖濃度)、図13(生物反応槽上澄み液中のタンパク質濃度)、図14(生物反応槽上澄み液中の糖濃度)、図15(洗浄後の平膜における純水の透過流束)に示す。
<考察>
以下に、上記実施例1、2、比較例1、2、参考例1、2の結果に対する考察を述べるが、考察は下記に限定されるものではない。
1−1.TMPの経時変化
親水性PTFE平膜は、比較例1の結果(図7の親水性PTFE平膜)が示すように、相対疎水性度の低い活性汚泥を用いたMBRにおいてはファウリングを低減できる一方(参考例2、図10)で、参考例2の結果(図10の親水性PTFE平膜)が示すように、相対疎水性度が高い活性汚泥を用いたMBRにおいては、ファウリングが促進された。相対疎水性度の高い活性汚泥と親水性PTFE平膜を用いる態様では、親水性PTFE平膜の表面に形成される疎水性の活性汚泥によるケーク層が少なくなり、糖などのファウリングの原因となる物質が上記ケーク層で除去されず、親水性PTFE平膜内部に蓄積しやすくなって、膜間差圧の上昇が速くなると推察される。
これに対して、疎水性PTFE平膜は、参考例1の結果(図10の疎水性PTFE平膜)が示すように、相対疎水性度の低い活性汚泥を用いたMBRにおいては、親水性PTFE平膜を用いたMBRに比して、ファウリングが起こりやすい一方で、実施例1の結果(図7の疎水性PTFE平膜)が示すように、相対疎水性度が高い活性汚泥を用いたMBRにおいては、親水性PTFE平膜を用いたMBRに比して、ファウリングが著しく抑制された。相対疎水性度の高い活性汚泥と疎水性PTFE平膜を用いる態様では、相対疎水性度の高い活性汚泥と親水性PTFE平膜を用いる態様とは逆に、疎水性PTFE平膜の表面に疎水性の活性汚泥によるケーク層が十分形成され、糖などのファウリングの原因となる物質がケーク層で除去され、疎水性PTFE平膜内部に蓄積されにくく、膜間差圧の上昇が抑制されると推察される。
以上より、相対疎水性度の低い活性汚泥を用いたMBRでは、従来知られていた「MBRにおいて、親水性PTFEは疎水性PTFEよりも優位である」という知見に沿った結果が得られるが、相対疎水性度の高い活性汚泥を用いたMBRではそれと相反する結果が得られることが分かる。そして、疎水性PTFE平膜は、従来用いられてきた親水性PTFE平膜に比して、相対疎水性度の高い活性汚泥を用いたMBRにおいて、ファウリングを著しく抑制でき、非常に効率よく活性汚泥などと処理液とを分離することができることが分かる。
1−2.タンパク質濃度および糖濃度
図8、9が示すように、処理場から入手した活性汚泥を用いた態様である実施例1(疎水性PTFE平膜)、比較例1(親水性PTFE平膜)において、処理液中のタンパク質濃度および糖類濃度が、生物反応槽の上澄み液中のそれに比して低くなっているため、ろ過膜により、タンパク質や糖類が処理液中に混入することが抑制されていることが分かる。
図11、12が示すように、実験室で培養した活性汚泥を用いた態様である参考例1(疎水性PTFE平膜)、参考例2(親水性PTFE平膜)においても同様である。
また、図13、14に示されるように、MBR実施初期においては、処理場より入手した活性汚泥の懸濁液は、実験室で培養した活性汚泥の懸濁液よりも、タンパク質濃度も糖濃度も高かった。従って、実施例1と比較例1、あるいは、参考例1と参考例2のように、同じ活性汚泥を用いている態様同士を比較する場合は上記事項を考慮する必要がないが、実施例1と参考例1のように、異なる活性汚泥を用いた態様を比較する場合は、上記事項を考慮する必要がある。
1−3.ろ過抵抗の要因となる成分とその割合
図13は、実施例1、比較例1、参考例1、2におけるろ過抵抗の要因となる成分とその割合を示す。但し、処理場から入手した活性汚泥を用いた態様では、親水性PTFE平膜を生物反応槽から引き上げるときにケーク層が取れてしまい、親水性膜を用いた態様と疎水性膜を用いた態様とで膜全体の抵抗値に差が生じてしまったので、疎水性膜の抵抗値と親水性膜の抵抗値が同一であると仮定し、Rcとして求めた。
実験室で培養した活性汚泥を用いた態様では、親水性PTFE平膜、疎水性PTFE平膜で明らかな違いは見られなかった。
これに対して、処理場から入手した活性汚泥を用いた態様では、物理洗浄で取れる抵抗の割合は親水性膜に比べて疎水性膜の方が大きく、化学洗浄で取れる抵抗の割合は親水性膜の方が疎水性膜より大きかった。このことから、疎水性PTFE平膜では親水性PTFE平膜に比べて、膜表面に疎水性の活性汚泥によるケーク層が形成されやすく、細孔内にファウリングの原因となる物質がケーク層で吸着されるために膜間差圧の上昇が遅くなったものと推察される。
本発明に係る疎水PTFE平膜およびサポート材付き疎水性PTFE平膜は、耐薬品性およびろ過性能に優れ、機械的強度も高く、膜分離活性汚泥法に用いてもファウリングを起こしにくいため、膜分離活性汚泥処理による水処理用途(飲料水、浄水、下水処理、し尿処理、排水処理、廃液処理)に用いるろ過膜として有用である。
本発明に係る処理水の製造方法は、膜分離活性汚泥法においてファウリングを起こしにくく、飲料水、浄水、下水処理、し尿処理、膜分離活性汚泥処理、排水処理、廃液処理などの被処理液を、活性汚泥により浄化処理され、活性汚泥などと効率よく分離された処理液を製造することができる。
本発明に係る膜分離活性汚泥法における活性汚泥とろ過膜の選定方法は、膜分離活性汚泥法において、ファウリングを起こしにくい活性汚泥とろ過膜とを選定できるため、水処理用途(飲料水、浄水、下水処理、し尿処理、膜分離活性汚泥処理、排水処理、廃液処理)に用いる活性汚泥とろ過膜の選定方法として有用である。
本発明に係る本発明の膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法は、膜分離活性汚泥法においてファウリングを抑制できるので、膜分離活性汚泥法を利用した水処理途(飲料水、浄水、下水処理、し尿処理、膜分離活性汚泥処理、排水処理、廃液処理)に好適に利用することができる。
本発明に係る被処理水の処理方法は、膜分離活性汚泥法において、ファウリングを起こしにくい活性汚泥とろ過膜とを選定できるため、水処理用途(飲料水、浄水、下水処理、し尿処理、膜分離活性汚泥処理、排水処理、廃液処理)に有用である。
1.疎水性PTFE平膜
2.浸漬型平膜モジュール
3.生物反応槽
4.曝気装置(ディフューザー)
5.圧力計
6.データロガー
7.被処理液
8.水道水
9.レベルセンサー
10.処理水
11.浸漬型平膜モジュールフレーム(枠の表裏面にスペーサーが収容される凹所を設けた枠体)
12.スペーサー
13.接着剤
20.流量計
図1は、θ/2法の概略を示す図である。 図2は、膜ろ過抵抗算出方法の概略を示す図である。 図3は、膜分離活性汚泥法(MBR)を用いた装置の一例の概略図である。 図4は、浸漬型平膜モジュールフレームの一例の概略図である。 図5は、図4に示す浸漬型平膜モジュールフレーム(枠の表裏面にスペーサーが収容される凹所を設けた枠体)を具備した浸漬型平膜モジュールの一例の概略図である。 図6は、図5に示す浸漬型平膜モジュールの洗浄方法の一例の概略図である。 図7は、実験室で培養した活性汚泥(相対疎水性度23.4%)に比べて相対疎水性度が高い(55.8%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(比較例1)および同じく疎水性平膜(実施例1)を用いた態様における、吸引ろ過時のTMP(膜間差圧)の経時変化を示す図である。 図8は、相対疎水性度が上記と同様に高い(55.8%)活性汚泥を用いろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(比較例1)および同じく疎水性平膜(実施例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中のタンパク質濃度を示す図である。 図9は、相対疎水性度が上記と同様に高い(55.8%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(比較例1)および同じく疎水性平膜(実施例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中の糖濃度を示す図である。 図10は、処理場より入手した活性汚泥(相対疎水性度55.8%)に比べて相対疎水性度が低い(23.4%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(参考例2)および同じく疎水性平膜(参考例1)を用いた態様における、TMPの経時変化を示す図である。 図11は、相対疎水性度が上記と同様に低い(23.4%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(参考例2)および同じく疎水性平膜(参考例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中のタンパク質濃度の経時変化を示す図である。 図12は、相対疎水性度が上記と同様に低い(23.4%)活性汚泥を用い、ろ過膜として親水性PTFE平膜を用いた態様(参考例2)および同じく疎水性平膜(参考例1)を用いた態様における、生物反応槽の上澄み液および処理液中の糖濃度の経時変化を示す図である。 図13は、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)を用いた態様及び相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)を用いた態様における生物活性槽の上澄み液中のタンパク質濃度の経時変化を表す図である。 図14は、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)を用いた態様及び相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)を用いた態様における生物反応槽の上澄み液中の糖濃度の経時変化を表す図である。 図15は、活性汚泥およびろ過膜を次の組み合わせで使用した各態様におけるろ過抵抗を上昇させる要因となる成分種とその割合を示す図である。左から順に、相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)と親水性PTFE平膜(参考例2)、相対疎水性度23.4%の活性汚泥(実験室で培養した活性汚泥)と疎水性PTFE平膜(参考例1)、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)と親水性PTFE平膜(比較例1)、相対疎水性度55.8%の活性汚泥(処理場から入手した活性汚泥)と疎水性PTFE平膜(実施例1)の各組合せを示す。
[実施例1、比較例1]
PET製不織布で裏打ちされた疎水性PTFE平膜(日本バルカー工業社製、公称孔径0.3μm、膜単体の平均厚み:25μm、有効膜面積:0.0288m2、後述の方法で測定した接触角:128.9度)およびPET製メッシュで裏打ちされた親水性PTFE平膜(日本バルカー工業社製、公称孔径:0.3μm、膜単体の平均厚み:25μm、有効膜面積:0.0288m2、後述の方法で測定した接触角:66.1度)を用意した(ここで、公称孔径とは、疎水性PTFE平膜の製造元である日本バルカー工業社によって開示された平均孔径をいう)。
また、上記疎水性PTFE平膜を親水性PTFE平膜に替えた以外は同様にして、浸漬型平膜モジュールB(比較例用)を作製した。
次いで、国内の水処理場より入手した、活性汚泥の懸濁液(後述の方法により測定した活性汚泥の相対活性度:55.8%)を用意した。
[参考例1、2]
参考例1、において、実験室で培養した活性汚泥を用い、運転日数を70日間(Run1:37日間、Run2:21日間、Run3:12日間の計70日間とし、透過流束をRun1:0.625m3/m2・day、Run2、3:0.833m3/m2・dayと変えた以外は、実施例1、比較例1と同様に、MBR装置を運転し、各種試験、評価を行った。結果を表2(親水性PTFE平膜の各種物性、活性汚泥の各種物性、生物反応槽内の活性汚泥の懸濁液の各種物性)、図10(TMPの経時変化)、図11(生物反応槽の上澄み液、処理液中のタンパク質濃度)、図12(生物反応槽上澄み液、処理液中の糖濃度)、図13(生物反応槽上澄み液中のタンパク質濃度)、図14(生物反応槽上澄み液中の糖濃度)、図15(洗浄後の平膜における純水の透過流束)に示す。
<考察>
以下に、上記実施例1、比較例1、参考例1、2の結果に対する考察を述べるが、考察は下記に限定されるものではない。
1−1.TMPの経時変化
親水性PTFE平膜は、参考例2の結果(図10の親水性PTFE平膜)が示すように、相対疎水性度の低い活性汚泥を用いたMBRにおいてはファウリングを低減できる一方(参考例2、図10)で、比較例1の結果(図の親水性PTFE平膜)が示すように、相対疎水性度が高い活性汚泥を用いたMBRにおいては、ファウリングが促進された。相対疎水性度の高い活性汚泥と親水性PTFE平膜を用いる態様では、親水性PTFE平膜の表面に形成される疎水性の活性汚泥によるケーク層が少なくなり、糖などのファウリングの原因となる物質が上記ケーク層で除去されず、親水性PTFE平膜内部に蓄積しやすくなって、膜間差圧の上昇が速くなると推察される。
1−2.タンパク質濃度および糖濃度
図8、9が示すように、処理場から入手した活性汚泥を用いた態様である実施例1(疎水性PTFE平膜)、比較例1(親水性PTFE平膜)において、処理液中のタンパク質濃度および糖類濃度が、生物反応槽の上澄み液中のそれに比して低くなっているため、ろ過膜により、タンパク質や糖類が処理液中に混入することが抑制されていることが分かる。
図11、12が示すように、実験室で培養した活性汚泥を用いた態様である参考例1(疎水性PTFE平膜)、参考例2(親水性PTFE平膜)においても同様である。
また、図13、14に示されるように、MBR実施初期においては、処理場より入手した活性汚泥の懸濁液は、実験室で培養した活性汚泥の懸濁液よりも、タンパク質濃度も糖濃度も高かった。従って、実施例1と比較例1、あるいは、参考例1と参考例2のように、同じ活性汚泥を用いている態様同士を比較する場合は上記事項を考慮する必要がないが、実施例1と参考例1のように、異なる活性汚泥を用いた態様を比較する場合は、上記事項を考慮する必要がある。
1−3.ろ過抵抗の要因となる成分とその割合
図13は、実施例1、比較例1、参考例1、2におけるろ過抵抗の要因となる成分とその割合を示す。但し、処理場から入手した活性汚泥を用いた態様では、親水性PTFE平膜を生物反応槽から引き上げるときにケーク層が取れてしまい、親水性膜を用いた態様と疎水性膜を用いた態様とで膜全体の抵抗値に差が生じてしまったので、疎水性膜の抵抗値と親水性膜の抵抗値が同一であると仮定し、Rcとして求めた。
実験室で培養した活性汚泥を用いた態様では、親水性PTFE平膜、疎水性PTFE平膜で明らかな違いは見られなかった。
これに対して、処理場から入手した活性汚泥を用いた態様では、物理洗浄で取れる抵抗の割合は親水性膜に比べて疎水性膜の方が大きく、化学洗浄で取れる抵抗の割合は親水性膜の方が疎水性膜より大きかった。このことから、疎水性PTFE平膜では親水性PTFE平膜に比べて、膜表面に疎水性の活性汚泥によるケーク層が形成されやすく、細孔内にファウリングの原因となる物質がケーク層で吸着されるために膜間差圧の上昇が遅くなったものと推察される。

Claims (14)

  1. 疎水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の膜であって、
    膜分離活性汚泥法において、被処理液をBATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理して得られる処理液と、該活性汚泥とを分離するためのろ過膜に用いられ、
    平均孔径が0.01〜5μmであることを特徴とする疎水性PTFE膜。
  2. 上記被処理液が、油分を含むことを特徴とする請求項1に記載の疎水性PTFE膜。
  3. 請求項1または2に記載の疎水性PTFE膜の平膜の一方面または両面に、サポート材が少なくとも1種裏打ちされていることを特徴とするサポート材付き疎水性PTFE平膜。
  4. 被処理液を、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理し、
    次いで、得られた処理液と上記活性汚泥とを、
    平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を用いた膜分離活性汚泥法によるろ過に供して分離することを特徴とする処理液の製造方法。
  5. 上記被処理液が、油分を含むことを特徴とする請求項4に記載の処理液の製造方法。
  6. 疎水性PTFE膜が平膜であり、該平膜の一方面または両面に、サポート材が少なくとも1種裏打ちされていることを特徴とする請求項4または5に記載の処理液の製造方法。
  7. 被処理液を活性汚泥により浄化処理し、次いで、得られた処理液と前記活性汚泥との混合液をろ過に供して膜分離活性汚泥法により分離するために用いられる、活性汚泥とろ過膜の選定・組合せ方法であって、
    上記活性汚泥として、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%のものを選定し、
    上記ろ過膜として、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜となるように、
    活性汚泥およびろ過膜を選定し組合せることを特徴とする膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定・組合せ方法。
  8. 上記被処理液が、油分を含むことを特徴とする請求項7に記載の膜分離活性汚泥法における活性汚泥およびろ過膜の選定・組合せ方法。
  9. 被処理液を活性汚泥により浄化処理し、次いで、得られた処理液と前記活性汚泥との混合液をろ過に供して膜分離活性汚泥法により分離する際のファウリングの抑制方法であって、
    上記活性汚泥として、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%の活性汚泥を用い、
    ろ過膜として、平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を用いることを特徴とする膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法。
  10. 上記被処理液が、油分を含むことを特徴とする請求項9に記載の膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法。
  11. 疎水性PTFE平膜が平膜であり、該平膜の一方面または両面に、サポート材が少なくとも1種裏打ちされていることを特徴とする請求項9または10に記載の膜分離活性汚泥法におけるファウリングの抑制方法。
  12. 被処理液を、BATH法で測定した相対疎水度が30〜100%である活性汚泥を用いて浄化処理し、
    次いで、得られた処理液と上記活性汚泥とを、
    平均孔径が0.01〜5μmである疎水性PTFE膜を用いて、膜分離活性汚泥法によるろ過に供して分離することを特徴とする被処理液の処理方法。
  13. 上記被処理液が、油分を含むことを特徴とする請求項12に記載の被処理液の処理方法。
  14. 上記疎水性PTFE膜が平膜であり、該平膜の一方面または両面に、サポート材が少なくとも1種裏打ちされていることを特徴とする請求項11または12に記載の被処理液の処理方法。
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