JPH0698317B2 - 石炭−水スラリ製造用竪型ミルの運転方法 - Google Patents

石炭−水スラリ製造用竪型ミルの運転方法

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JPH0698317B2 JP8894186A JP8894186A JPH0698317B2 JP H0698317 B2 JPH0698317 B2 JP H0698317B2 JP 8894186 A JP8894186 A JP 8894186A JP 8894186 A JP8894186 A JP 8894186A JP H0698317 B2 JPH0698317 B2 JP H0698317B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は石炭−水スラリ製造用竪型ミルの運転方法に係
り、特に良質の石炭−水スラリを連続的に低コストで製
造する粉砕装置の起動・停止方法に関するものである。
(従来の技術) 近年のエネルギー事情を背景に石炭への再転換が活発に
行なわれている。しかしながら石炭は固体であるがため
に、輸送・貯蔵・環境対策等の取扱いが非常に厄介であ
るのが欠点である。このため、石炭粒子を水中に分散さ
せてスラリ化することにより取扱いの容易な流体燃料と
する方法の技術開発が盛んに行なわれている。ボイラ燃
料として直接噴霧燃焼できる高石炭濃度で粘度の低い石
炭−水スラリを調製するためには、スラリを構成する石
炭粒子を幅広い粒度分布に調整することにより充填密度
を増加して高濃度化をはかり、適切な添加剤を使用して
石炭粒子を水中に安定分散化することにより低粘性化を
はかることである。
このような石炭−水スラリを製造する方法としては、通
常石炭を湿式粉砕し、界面活性剤を添加することより石
炭粒子を水中に安定に分散させる方法が一般的である。
第5図は、微粉砕機として代表的なボールミルを連続湿
式ボールミルとして使用する従来の石炭−水スラリ製造
装置の系統図である。第5図において、バンカ1から送
り出された石炭Aはフィーダ2を経たのち湿式ボールミ
ル39内に供給され、タンク5、6、7からそれぞれの注
入ポンプ8、9、10により供給される水B、界面活性剤
CおよびpH調整剤Dの存在下で、通常、石炭濃度60重量
%以上に粉砕され、石炭−水スラリとしてスラリタンク
40に排出される。排出されたスラリはポンプ41による粗
粒分離器14で粗粒が分離され、ミルへ循環される。粗粒
分離器14を通過したスラリは製品スラリEとしてタンク
15に貯蔵される。
上記のミルは通常、水平回転円筒内にスチールボールを
充填したものから構成されている。この方法における粉
砕機構は下記のとおりである。すなわち、第6図に示す
ように、ミル39の回転に応じてボール42はミル内壁に沿
ってある高さまで押上げられ、その後落下するか(第6
図(A))、またはボール層表面を転動流下する(第6
図(B))、のいずれかの運動を繰返し、ボール相互間
に衝突あるいは摩擦を生じその際、石炭粒子がボール相
互間に挟まれ、それぞれ衝撃または摩砕によって粉砕さ
れる。上記粉砕のうち、衝撃粉砕の場合には生成する石
炭粒子の粒度分布幅は狭くなるのに対し、摩砕粉砕の場
合には微粉が生成する上粒度分布の幅も広くなる。本発
明者らの実験によれば、上記の粉砕機構が衝撃粉砕支配
か摩砕支配のいずれかに属するかは、ミル内のボールの
挙動によって決定されることが、明らかとなった。すな
わち、ミル内の粘度が低い場合、すなわち、石炭濃度が
低い場合には、ミルの壁に沿って持上げられたボール
が、自由落下するので衝撃粉砕支配となる。一方、粘度
の高い(石炭濃度が高い)場合には、ミル内のボールの
運動は抑制を受け自由落下することができないので、他
のボールの表面層を転がりながら落下することとなり、
摩砕支配となる。
第4図は、ハードグローブ粉砕性指数(HGI、JIS−M880
1)50の石炭を650mm径、1250mm長の連続湿式ボールミル
へ供給し、スラリ濃度が70%(c参照)の場合と50%
(b参照)の場合につきそれぞれ200メッシュパス量が7
0%となるように調整して粉砕した結果を示すものであ
るが、この結果から、上記したボールの運動と生成粒子
の粒度分布との関係が一層明らかである。以上に説明し
たように、高濃度で粉砕すればするほど石炭−水スラリ
の粒度分布幅が広くなり、最終的なスラリの濃度は高く
なるが、濃度が高くなり過ぎると(通常約55%以上)、
粘度が高くなって粉砕が進行しなくなるので、粉砕時に
界面活性剤を添加する必要がある。以上の二つの場合の
スラリ性状および粉砕動力原単位を比較した結果を第1
表の従来法の欄に示す。
本表において、低濃度(50%)湿式粉砕と乾式粉砕で
は、粉砕動力原単位が20〜25KWh/tであるのに対し、高
濃度(70%)湿式粉砕では50KWh/tで前記の2倍以上で
ある。これは、高濃度湿式粉砕では、第4図に示したよ
うに200メッシュパス量が70%でも高石炭濃度のスラリ
を得るために幅の広い粒径分布(c参照)を得るため
の、すなわち微粒子を多量に製造するための動力を消費
することによる。しかしながら、石炭−水スラリの製造
に必要な粉砕動力が50KWh/t必要であることは、例えば
原炭の単価15,000円/t、電力単価23円/KWhとすれば、電
力コストが1150円/tであり、原炭コストの7.7%に相当
し、粉砕動力が莫大であることがわかる。したがって、
石炭−水スラリをボイラ燃料として実用化するために
は、原炭コストの約10%(1500円/t)を占める添加剤コ
ストの低減とともに粉砕動力の大幅低減が重要な開発課
題となる。
また、このような石炭−水スラリをボイラ燃料として使
用する場合には、その製造設備は大規模となる。例え
ば、700MW級発電所用としては400〜500t/hの石炭−水ス
ラリの製造設備が必要となる。したがってこのような製
造設備においては、品質の均一な石炭−水スラリを連続
して調製できなければならない。特に起動、停止時には
数100トン以上の所定の性状を満足しない廃スラリが製
造される可能性があり、燃料の無駄であるとともにその
処置が厄介なものとなる。したがって、廃スラリの生産
を極力抑える製造装置の運転方法の確立も実用化のため
の大きな開発課題である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、低
動力で、効率よく、低粘度で高石炭濃度の品質の均一な
石炭−水スラリを連続して製造する石炭−水スラリ製造
用竪型ミルの運転方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 要するに本発明は、粉砕リングとローラを有する湿式竪
型リングローラミルを用いて石炭を界面活性剤の存在ま
たは不存在下で湿式粉砕し、かつ該ミルで粉砕された石
炭の一部を分配器を通して再循環して石炭、水および界
面活性剤の重量の合計に対する石炭の重量が50〜80%の
石炭−水スラリを製造する方法において、起動後のミル
内石炭粒子の平均滞留時間が経過するまでは粉砕石炭粒
子を全量ミルに再循環することを特徴とする。
本発明において、粉砕時の石炭濃度が所定の濃度よりも
低い濃度で起動した後、徐々に石炭濃度を増大し、ミル
内の平均滞留時間経過後に所定の石炭濃度になるように
調整することが好ましい。
また、ミルへの石炭、水および界面活性剤の供給停止
後、ミル内石炭粒子の平均滞留時間の1/4〜1/2の間ミル
システムを運転した後、ミルの運転を停止することが好
ましい。
ここで上記ミル内の石炭の平均滞留時間は、下式で計算
される。
ここでKは定数(3〜5)、ρsはスラリ密度(ton/
m3)、ψは石炭濃度(重量分率)、Vは粉砕部容量
(m3)、Fは石炭粉砕量(ton/hr)を示す。
以下、本発明を図面によりさらに詳しく説明する。第1
図は、本発明方法の実施に好適な装置例を示すものであ
る。第1図において、バンカ1内の石炭Aはフィーダ2
を経て湿式竪型リングローラミル3の頂部の給炭管4か
ら、また水B、界面活性剤液CおよびpH調整剤液Dはそ
れぞれのタンク5、6、および7からそれぞれのポンプ
8、9および10により給炭管4を介してミル内に注入さ
れる。リングローラミル3内で粉砕された石炭、水およ
び添加剤の混合物はミル底部の排出口11からスラリポン
プ12によりスラリ分配器13に送られ、その一部はミルの
給炭管4からミル内に循環される。分配器13で分配され
た残りのスラリはミルの上方に設置された粗粒分離器14
に送られ、分離された粗粒は重力によりミルの給炭管4
からミル3内に再循環される。粗粒分離器14を通過した
石炭−水スラリは製品としてスラリタンク15に貯蔵され
る。
上記分配器13としては、流量調整用バルブを設置した分
岐管などが挙げられるが、石炭粒子を分級せずに、その
ままの状態で分配できるものであれば、どのような形式
のものでもよい。また上記粗粒分離器14としては、スト
レーナ、湿式スクリーン、シーブベンド等、スラリ中の
約300〜1000μm以上の粒子を分離できるものであれ
ば、どのような形式のものでもよい。
第2図は上記湿式竪型ボールレースミルの構造に関する
ものである。粉砕部は、粉砕テーブル17、加圧装置18に
より押圧力を加えられた上部固定輪(上部リング)19
と、駆動装置20によって回転する粉砕テーブル17の端部
に設置された下部転輪(下部リング)21とこれら上部リ
ング19と下部リング21の間に配置され、下部リング21の
回転とともに転動する複数個の粉砕用ボール22と、粉砕
テーブル17の中心から偏心して設置された給炭管内部清
掃用かき棒23とから構成されている。下部リング21の円
周端上には粉砕テーブル17上の石炭−水スラリの保有量
を確保するためのリング堰26が設置されている。湿式粉
砕される石炭Aは、分配器13(第1図参照)からの循環
スラリ、粗粒分離器14(第1図参照)からの粗粒スラ
リ、水、界面活性剤液およびpH調整剤液とともに粉砕機
本体16の給炭管4に供給される。給炭管4に供給された
石炭、水および添加剤の混合物は給炭管4内を落下する
が、給炭管4内面に付着する混合物は粉砕テーブル17と
ともに回転する清掃用かき棒23によりかきとられ、粉砕
テーブル17上に分散する。粉砕テーブル17に分散した石
炭、水および添加剤の混合物は粉砕テーブル17の回転に
よって生じる遠心力により粉砕ボール配置部に移動し、
ボールと下部リング間で圧縮摩砕される。粉砕された石
炭はリング堰26によって一部がボールの内側の粉砕部に
戻される。堰26をオーバーフローしたスラリは下部リン
グ21端の堰26と粉砕機本体16間の空間部から粉砕テーブ
ル17下のスラリ堰24内に流下し、回転する粉砕テーブル
17の底部に設置された混合櫂25により混合されながら排
出口11から排出される。
第2A図は、第2図に示す装置の改良例を示したもので、
第1図の堰26の代わりにかきとり板27を設けたものであ
る。このかきとき板27はボール22の周囲に好ましくはミ
ル中心からの法線となす傾斜角度が30〜80度となるよう
に間隔をおいて多数枚設けられる。このようなかきとり
板27を設けることにより、ミル内の石炭の粉砕をより均
一に行なうことができる。
上記第1図、第2図および第2A図に示した装置におい
て、製造すべき石炭−水スラリの石炭濃度は原炭の性状
と粉砕粒度から決定される。したがってスラリの粒度
(例えば200メッシュパス70%)の調製は、リングロー
ラミル3への原炭給炭量、それに伴って添加水量および
添加剤量を変えてミル内循環量をコントロールすること
によって達成される。分配器13においては、ミルへの原
炭供給量に相当するスラリ量が粗粒分離器14に送られ、
粗粒が除去され、残りのスラリはミル内へ循環される。
ミルの粉砕部の容積は一定であるため、原炭供給量を変
えることにより、粉砕部を通過する量(すなわち原炭供
給量と循環量との和)が変化するためミル内滞留時間が
変わり、粉砕粒度を制御することができる。したがって
ハードグローブ粉砕性指数の異なる石炭を用いる場合
は、ミルへの原炭供給量を変えることにより同一粒度の
スラリを製造することができる。粗粒分離器14の役割は
バーナチップ等の目詰まり防止のために粗粒を除去する
ものである。除去される粗粒は、カット径(300〜1000
μm程度)に依存するが通常、全体の1〜2%以下であ
る。
上記第1図および第2図に示したミルは湿式ボールミル
のようないわゆる滞留時間型ミルでなく、1回通過型ミ
ルであるため、ミル粉砕部のホールドアップ(保有スラ
リ量)が少ない。したがって、ミルシステムが定常状態
に達するまではミル排出口11から排出されるスラリ中の
石炭粒子の粒度は粗く、石炭濃度が高い場合には、ポン
プ輸送できるほどの低粘度のスラリとはならない。この
ためミルシステムをトラブルなく起動し、起動時から所
定の性状のスラリを調製するために、さらにミル停止時
においてもミルシステムから排出スラリの性状を最後ま
で所定に維持するためには特別の配慮が必要となる。
本発明者らはこの点に関し鋭意検討を加え、下記の起動
・停止法を提供するものである。
すなわち、第1図において、ミル3の起動時には石炭
A、界面活性剤液CおよびpH調整剤液Dは所定量供給さ
れるが、ミル3内の石炭、添加剤および水の重量の合計
に対して石炭の割合が所定の値よりも低くなるように
(通常、石炭濃度が60%以下になるように)、水Bが所
定量よりも多量に供給してスタートされる。下部リング
21と粉砕ボール22間で粉砕された石炭はリング堰26によ
って一部ボール内側に再循環されて粉砕されるが、堰26
をオーバーフローして、排出口11から排出されるスラリ
の粒度は粗いのが特徴である。しかしながら石炭濃度が
低いため、ポンプ12で容易に分配器13に輸送される。石
炭濃度が所定値よりも高いままでスタートすると、ミル
再循環によって粒子が細かくなるまではスラリ粘度が高
く、ポンプ輸送が困難となる。分配器13ではスラリはミ
ル起動後の石炭粒子の平均滞留時間経過するまで実質的
に全量ミルに戻される。平均滞留時間経過前に一部の石
炭粒子をミルに循環しない場合は、起動時から粗い石炭
粒子が排出されることになり、本発明の目的を達成する
ことができない。ここで、粒子の平均滞留時間は下記の
計算式によって求められる。
すなわち、ミル内石炭粒子の平均滞留時間はミル内石炭
粒子量を石炭粉砕量で割った値であり、ミル内石炭粒子
量は、粉砕部石炭粒子量とミル内その他の石炭粒子量の
和で表される。ここで、粉砕部石炭粒子量は(粉砕部容
積)×(スラリ密度)×(石炭濃度)で表されるから、
ミル内の粉砕部以外に石炭粒子が存在しないものと仮定
すると、石炭粒子の粉砕部平均滞留時間は次式で求めら
れる。
粉砕部平均滞留時間をθ、粉砕部容積をV(m3)、ス
ラリ密度をρs(ton/m3)、石炭濃度をψ(重量分
率)、石炭粉砕量をF(ton/hr)でそれぞれ表すと、上
式は、 となる。
ここで、Vは、V=(π/4)・D2・hであり、第2図に
示す粉砕テーブル(直径D)とその周辺部のリング堰26
の高さhで定義される容積である。
次に、粉砕部以外(粉砕テーブル下のスラリ堰24、配管
部等)の石炭粒子も含むミル内石炭粒子の平均滞留時間
をθとすると、θは、前記ミル内の粉砕部以外に石炭粒
子が存在しないものと仮定した場合の粉砕部平均滞留時
間θと補正係数Kとの積として求めることができる。
ここで補正係数Kは粉砕部のホールドアップの他に粉砕
テーブル17の下のスラリ堰24、配管内等のホールドアッ
プを考慮する補正係数であり、本発明者らの検討によれ
ば、K=3〜5が好ましい値である。
以上、ミル内石炭粒子の平均滞留時間の算出方法におい
て、物理量の単位を絶対単位系で示したが、これらの単
位は重量単位系または国際単位(SI)系であっても、同
一単位系を正しく用いる限り問題はなく、上式は成立す
る。例えば、各物理量の単位としてV(m3)、ρs(to
n/m3)、ψ(重量分率)、F(ton/min)を用いれば、
平均滞留時間はθ(min)として求まる。
一方、V()、ρs(kg/)、ψ(重量分率)、F
(kg/min)を用いれば、平均滞留時間はθ(min)とし
て求まる。
また、ψとして(重量%)を用いた場合は、当然ながら
θを100で割った値が求める平均滞留時間となる。ミル
3への水Bの供給量は起動後徐々に低減され、上式で計
算される滞留時間経過後にミル内の石炭濃度が所定の値
になるように設定される。このとき分配器13から粗粒分
離器14への流量がスラリ製造量にほぼ一致するように分
配器13の設定値が調整される。このようにミル起動時に
は低石炭濃度の状態から徐々に濃度を上げつつ平均滞留
時間が経過するまで実質的に全量の石炭−水スラリがミ
ルへ循環され、粒度調製されてスラリが製造される。ミ
ルでの粉砕物が全量ミルに循環される時間は、実際には
粗粒分離器14を通過して取出されるスラリの流量と粒度
によって微調整することができる。
一方、ミルの停止時には、石炭A、水B、界面活性剤C
およびpH調整剤Dのミルへの供給量を停止後、ミルを石
炭粒子の平均滞留時間の1/4〜1/2の間運転することによ
り、フィーダ停止直前に供給された石炭粒子も粉砕、再
循環され、製品スラリの粒度が所定の値に維持すること
ができる。
以下、上記の装置を適用した実施例により本発明をさら
に詳しく説明する。
(実施例) 165mm径の回転テーブルを有する湿式竪型ボールレース
ミルを備えた第1図と同様な構成の装置を用いて、HGI
=50の石炭を下記の条件で粉砕した。
(条件) ミルへの原炭供給量(乾炭基準):20kg/h 界面活性剤供給量(原炭に対し):0.5% pH調整剤供給量(原炭に対し):0.05% ミル内の石炭濃度:70.5% 分配器からの循環量(乾炭基準):400kg/h 粗粒分離器からの循環量:0.1kg/h この場合の起動、停止特性を第3図に、また定常状態で
のスラリ(粘度1500cp)の粒径分布を第4図のaに示
す。なお、第3図には比較として従来法による石炭−水
スラリの粒径分布をb、cとして示した。また本発明の
実施例により製造したスラリの性状と動力原単位を従来
法と比較して第1表に示した。
第4図に示すように、ミル起動時に石炭濃度50%でスタ
ートし徐々に水量を低減して20分後に石炭濃度を所定の
70.5%に設定し、バッチ循環運転から連続運転に切換え
ることによって、製品スラリの濃度、粒度、粘度をほぼ
一定に維持することが可能である。また石炭、水の供給
を停止後ミルを10分間(ミルの滞留時間の1/2〜1/4)運
転することにより製造されるスラリの仕様は最後までほ
ぼ一定に維持することができた。
第4図の結果から明らかなように、本実施例によれば石
炭粒子は粉砕部において、ボールと下部リング間で粉砕
される粉砕機構が圧縮粉砕と摩擦粉砕であるために単一
粉砕機会当たりに生成する粒度分布は微粒子を多く含む
幅の広い粒径分布となり、また起動時においてミルにお
いて生成した微粒子が分配器13により実質的に全量ミル
3に循環されて再粉砕されるため、濃度の高い石炭−水
スラリの製造に必要な微粒子を起動時から調製すること
ができる。さらに第1表から明らかなように、湿式チュ
ーブミル粉砕による石炭−水スラリ同等以上の性状のス
ラリを約2/3の動力で製造できることがわかる。
以上の説明は本発明の典型的な実施例について行なった
ものであるが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、第2図では湿式竪型リングローラミルとし
て湿式竪型ボールレースミルを示したが、ローラとして
上記のボールの他にビヤだる形状のものや輪状のもの
等、各種の変形物を用いたものでもよい。
(発明の効果) 本発明方法によれば、直接燃焼用として好適で品質の均
一な高濃度石炭−水スラリを、起動時からロスを最小限
にして効率よく、したがって動力原単位を大幅に低減さ
せて、連続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に用いる石炭−水スラリ製造
装置の系統図、第2図および第2A図は、それぞれ第1図
に示す湿式竪型リングローラミルとして好適な湿式竪型
ボールレースミルの構造例を示す説明図、第3図は、本
発明の実施例の効果を説明するための起動・停止時の運
転特性とスラリ性状を示す説明図、第4図は、本発明の
実施例の効果を説明するための粉砕石炭の粒径と累積重
量分率との関係図、第5図は、従来の湿式ボールミルを
用いる石炭−水スラリ製造装置の系統図、第6図(A)
および(B)は、上記湿式ボールミル内のボールの挙動
と粉砕機構の関係を説明する図である。 A……石炭、B……水、C……界面活性剤液、D……pH
調整剤液、E……スラリ、1……バンカ、2……フィー
ダ、3……湿式竪型リングローラミル、4……給炭管、
13……分配器、14……粗粒分離器、15……スラリタン
ク、16……湿式竪型ボールレースミル、17……粉砕テー
ブル、18……加圧装置、19……上部リング、20……駆動
装置、21……下部リング、22……粉砕用ボール、23……
かき棒、24、26……堰、25……混合櫂、27……かきとり
板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉砕リングとローラを有する湿式竪型リン
    グローラミルを用いて石炭を界面活性剤の存在または不
    存在下で湿式粉砕し、かつ該ミルで粉砕された石炭の一
    部を分配器を通して再循環して石炭、水および界面活性
    剤の重量の合計に対する石炭の重量が50〜80%の石炭−
    水スラリを製造する方法において、起動後のミル内石炭
    粒子の平均滞留時間が経過するまでは粉砕石炭粒子を全
    量ミルに再循環することを特徴とする石炭−水スラリ製
    造用竪型ミルの運転方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、粉砕時の
    石炭濃度が所定の濃度よりも低い濃度で起動した後、徐
    々に石炭濃度を増大し、ミル内の平均滞留時間経過後に
    所定の石炭濃度になるように調整することを特徴とする
    石炭−水スラリ製造用竪型ミルの運転方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項におい
    て、ミルへの石炭、水および界面活性剤の供給停止後、
    ミル内石炭粒子の平均滞留時間の1/4〜1/2の間ミルシス
    テムを運転した後、ミルの運転を停止することを特徴と
    する石炭−水スラリ製造用竪型ミルの運転方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項ないし第3項のいず
    れかにおいて、ミル内石炭粒子の平均滞留時間を次式で
    算出することを特徴とする石炭−水スラリ製造用竪型ミ
    ルの運転方法。 ここでKは定数(3〜5)、ρsはスラリ密度(ton/
    m3)、ψは石炭濃度(重量分率)、Vは粉砕部容量
    (m3)、Fは石炭粉砕量(ton/hr)を示す。
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