JPH069809B2 - セメント成形体の製造方法 - Google Patents

セメント成形体の製造方法

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JPH069809B2
JPH069809B2 JP19855086A JP19855086A JPH069809B2 JP H069809 B2 JPH069809 B2 JP H069809B2 JP 19855086 A JP19855086 A JP 19855086A JP 19855086 A JP19855086 A JP 19855086A JP H069809 B2 JPH069809 B2 JP H069809B2
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和夫 下村
清康 藤井
博美 迫田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,セメント成形体の製造方法,特に,配線ケー
ブルやコード等の配線密度が高い電算機室,あるいは各
種事務機器が配置される事務室に利用され,複数枚を同
一平面上に密接して連結・固定することにより,床上に
適当なスペースをもって形成された浮き床式床材に用い
られるセメント成形体の製造方法に関する。
(従来の技術) オフィスオートメーションの進歩に伴い,オフィス内に
多数の事務機器や通信機器が配置される機会が増加して
いる。そのために,床上に配線や配管が敷設されねばな
らない。この敷設作業をより簡便にするために,床上に
適度のスペースをもって浮き床が架設されることが行わ
れる。
浮き床を構成する床材としては,従来,アルミニウム合
金,鋼板,石綿セメント等が用いられている。アルミニ
ウム合金や鋼板製の床材は,高強度を有しており,耐久
性に優れているものの,構成された浮き床上を歩行する
と,大きな足音が発生する。これに対し,石綿セメント
製の床材では,歩行時の足音は低減されるものの,重い
ため,施行時や施行後の配線替えに際し,多大な労力を
要する。しかも石綿セメントは脆く,耐衝撃性に欠け
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,その
目的とするところは,軽量にして耐衝撃性に優れ,しか
も歩行時の足音が低減され得るセメント成形体の製造方
法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明のセメント成形体の製造方法は,浮き床式床材に
用いる2層構造のセメント成形体の製造方法であって,
上層が無機軽量骨材を含有し,かつ下層が強化繊維を含
有するセメント成形体の製造方法であり,少なくとも上
型と下型の2つの部分からなりかつどちらか一方の型面
に排水用細孔を有する金型の下型に,強化繊維を含有す
るセメント配合物を供給する工程,該金型を圧縮して該
強化繊維含有セメント配合物を脱水成形する工程,該金
型を開き,該下型内に,該無機軽量骨材を含有するセメ
ント配合物を供給する工程,該金型を圧縮して該無機軽
量骨材含有セメント配合物を脱水成形する工程,および
該金型を開き,前記強化繊維含有セメントと無機軽量骨
材含有セメントが一体に成形された成形物を脱型する工
程,を包含し,そのことにより上記目的が達成される。
上記金型は,基本的には下型と上型の2つの部分からな
る金型,また,下型と上型および側面部を形成する枠状
の側面型の3点式の金型等が用いられる。下型および上
型のいずれか一方の型面には無数の排水用細孔が設けら
れている。この細孔により,成形時において,余剰の水
が系外に排出される。この場合,細孔を真空ポンプに接
続し,金型内を減圧状態とすれば,水の排出が促進され
る。
本発明のセメント成形体の製造方法では,まず,強化繊
維含有セメント配合物(下層用材料)が金型の下型に供
給され,真空ポンプ等で水を排出しつつ加圧される。加
圧時のプレス圧力は,10〜60kg/cm2,好ましくは20〜50
kg/cm2に設定される。10kg/cm2を下まわると,得られた
セメント成形体の圧密化が不充分になり,強度が低下す
る。60kg/cm2を上まわると,下層と上層との接着性が悪
くなり,セメント成形体の強度が低下する。次いで,金
型を開くと,このセメント配合物の成形体は上型に付着
する。下型に無機軽量骨材含有セメント配合物(上層用
材料)を供給して,真空ポンプ等で水を排出しつつ加圧
する。こうすることにより,上層と下層の界面で,この
界面を横切る水の流れを生ぜしめ,水と同時にセメント
成分等が流動し,この界面での上層と下層との接着性が
向上する。例えば,下層側の金型面に脱水用の細孔があ
る場合は,上層側の材料中に含まれる余剰の水や空気
は,加圧圧縮と同時に,上層と下層の界面を横切って,
この細孔より排出される。こうして,上層・下層の材料
中に含まれる余剰の水や空気は,圧縮と同時に排出さ
れ,圧密化され成形される。この結果,上層と下層の界
面では,その一方もしくは,両方に多量の強化繊維を含
み,かつ上層には軽量骨材を含む配合の異なる材料系が
別々に供給された構成にも拘わらず,上述の如く,界面
を横切って移動する余剰水と同時にセメント成分等のた
めに,界面での接着一体化が達成される。プレス圧力は
20〜90kg/cm2,好ましくは25〜70kg/cm2とされる。20kg
/cm2を下まわると,得られたセメント成形体の圧密化が
不充分になり,強度が低下する。90kg/cm2を上まわる
と,無機軽量骨材が破壊され,そのために,所望の軽量
化が達成しにくい。しかも,無機軽量骨材による歩行時
の足音の低減がしにくい。
上層の層厚は,下層の層厚に対し,2〜10倍,好ましく
は3〜9倍に設定される。2倍を下まわると,セメント
成形体の軽量化が充分達成しにくい。10倍を上まわる
と,所望の耐衝撃性が充分得られにくい。
上層に含有される無機軽量骨材には,例えば,シラスバ
ルーン,ガラスバルーン,抗火石発泡体,黒曜石発泡
体,クレイ発泡体などの中空軽量骨材,パーライト,バ
ーミキュライト発泡体がある。特に,シラスバルーン,
ガラスバルーンなどの中空軽量骨材が,圧縮成形後のス
プリングバックが少ないうえに軽量化効果が著しいため
好ましい。この骨材の直径は約0.01〜5mm,そして比重
は約0.05〜1.0である。無機軽量骨材は,セメント100重
量部に対し,3〜30重量部,好ましくは5〜25重量部の
範囲で含有される。3重量部を下まわると,セメント成
形体の所望の軽量性や耐衝撃性が得にくい。30重量部
と上まわると,セメント中への骨材の分散が困難となる
ために,得られたセメント成形体の耐衝撃性がかえって
低下しやすい。
上層にはセメント(ポルトランドセメント),無機軽量
骨材のほかに,水および,必要に応じて,添加剤が含有
される。さらに,有機繊維を配合すれば,耐衝撃性が向
上する。水の量は無機軽量骨材の配合量に応じて調整さ
れ,通常,セメント100重量部に対し,40〜100重量部,
好ましくは42〜80重量部である。例えば,無機軽量骨材
として,シラスバルーンを5重量部含有させれば,水の
量は40〜60重量部,シラスバルーンが10重量部では50〜
80重量部となる。圧縮成形後には,水の量は23〜30重量
部に減少する。添加剤としては,骨材の分散補助剤や成
形時の流動性改善剤としてメチルセルロースなどが用い
られ,セメント100重量部に対し,0.02〜2重量部が配
合される。有機繊維には,例えば,ビニロン繊維,ポリ
プロピレン繊維,ポリエチレン繊維,ナイロン繊維など
の合成繊維や天然有機繊維が用いられる。有機繊維の引
張り弾性率は50GPa以下が好ましい。50GPaを上まわる
と,セメント成形体の耐衝撃性が低下しやすい。有機繊
維のセメント成形体中での配合量は,0.1〜2重量%,
好ましくは0.2〜1.8重量%とされる。
下層に含有される強化繊維には,例えば,カーボン繊
維,石綿繊維,アラミド繊維がある。強化繊維は下層の
セメント成形体中において,0.5〜6重量%,好ましく
は1〜5重量%の割合で含有される。0.5重量%を下ま
わると,セメント成形体の所望の耐衝撃性が得られな
い。6重量%を上まわると,セメント中への強化繊維の
分散が困難となるために,得られたセメント成形体の耐
衝撃性がかえって低下しやすい。
下層にも,セメント(ポルトランドセメント),強化繊
維のほかに,砂,フライアッシュなどの骨材,水および
添加剤が含有される。
砂,フライアッシュなどの骨材は,必要に応じて用いら
れ,セメント100重量部に対し,100重量部以下,好まし
くは80重量部以下の範囲で含有される。100重量部を上
まわると,得られたセメント成形体の強度が低下しやす
い。水の量は強化繊維の配合量に応じて調整され,通
常,セメント100重量部に対し,30〜80重量部,好まし
くは32〜70重量部である。水は,セメントの硬化に通常
用いられる量(セメント100重量部に対し約23重量部)
以上の量で配合される。それにより,配合が均一になさ
れるだけでなく,均一な圧縮成形も達成され得る。圧縮
成形後には,水の量は23〜26重量部に減少する。添加剤
としては,上層と同様に,骨材の分散補助剤や成形時の
流動性改善剤としてメチルセルロースなどが用いられ,
セメント100重量部に対し,0.02〜2重量部が配合され
る。
上記有機繊維および強化繊維の形状は,通常,チョップ
繊維状とされる。この繊維は,長さが3〜20mm,好まし
くは3〜15mmで,径が2〜20μmのフィラメントであ
る。長さが20mmを上まわると,上層と下層の界面におけ
る強度が低下し,そのために,得られたセメント成形体
の強度が低くなりやすい。長さが3mmを下まわると,こ
れら繊維を含有させても,所望の耐衝撃性の向上が得に
くい。また、引張り弾性率が50GPa以上の強化繊維を用
いるのが好ましい。50GPaを下まわると,セメント硬化
体の引張り弾性率と近くなり,耐衝撃性の向上が不充分
となる。
本発明のセメント成形体の製造方法は,例えば,第1図
(A)〜(G)に示すように,行われる。
成形用金型100として,上型1と下型2の2つの部分か
らなり,かつ上型1の型面10に排水用細孔11を有する金
型が用いられる。この金型100の下型2に強化繊維含有
セメント配合物3が供給される(第1図(A))。このセ
メント配合物3は,各配合材料をオムニミキサーで混合
して得られる。次いで,上型1と下型2が合わせられ,
セメント配合物3が圧縮成形される。同時に,排水用細
孔11に接続された吸引管12を介して図外の真空ポンプに
より,セメント配合物3の脱水が行われる(第1図
(B))。上型1を下型2から離すと,圧縮成形により得
られた下層成形体4は,上型1に付着する(第1図
(C))。下型2には,さらに無機軽量骨材含有セメント
配合物5が供給される(第1図(D))。このセメント配
合物5も,各配合材料をオムニミキサーで混合して得ら
れる。上型1と下型2が再び合わせられ,上記と同様に
吸引管12により脱水しつつセメント配合物5が下層成形
体4とともに圧縮成形される(第1図(E))。上型1を
下型2から離すと,2層構造のセメント成形体6が上型
1に付着する(第1図(F))。このセメント成形体6は
金型100から取り出され(第1図(G)),図外の養生装置
により一定期間養生される。このようにして,所望のセ
メント成形体の製品が得られる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (A)成形体の調製 上層および下層の材料として以下の物質を用いた。金型
としては,以下の形状の型を用いた。
(1)上層 ポルトランドセメント 100重量部 シラスバルーン(比重0,5,径0.04〜0.08mm) 10重量部 メチルセルロース 0.2重量部 水 60重量部 (2)下層 ポルトランドセメント 100重量部 アラミド繊維(HM-50,長さ6mm,引張り弾性率71GPa,
テイジン社製,下層セメント成形体重量の1.2重量%)
2重量部 メチルセルロース 0.2重量部 フライアッシュ 30重量部 水 45重量部 (3)金型 300mm×300mmの成形体が得られるように加工されてい
る。上型と下型の2つの部分からなり,上型には,5mm
×5mmに1個の割合で直径1.2mmの排水用細孔が設けら
れている。上型の表面には濾過布が貼着されている。
下層用の材料をオムニミキサーで混合した。この混合物
約1.0kgを金型の下型に供給した。20kg/cm2の圧力でプ
レス成形した後,金型を開いたところ,成形体は上型に
付着していた。次いで,上層用の材料をオムニミキサー
で混合した。この混合物約4kgを金型の下型に供給し,
上記成形体とともに,40kg/cm2の圧力で60秒間脱水プレ
ス成形した。得られたセメント成形体を,水蒸気雰囲気
下,60゜Cで24時間一次養生した後,さらに常温で30日間
養生した。成形体の重量は約3.8kgであった。また,成
形体の下層の層厚は約5mm,そして上層の層厚は約25mm
であった。またOA用浮床式床材にあって,軽量化が求
められている市場では,重量として約40〜45kg/m2以下
のものが求められており,本実施例,また,次の比較例
では,この重量を目安に30cm×30cmで,約3.7〜4.0kgの
ものを評価した。
(B)成形体の評価 (A)項で得られたセメント成形体の4隅を,1辺2cmの
立方体状の鋼片で支持した。この成形体の中央部に対
し,φ50mmの円柱状鋼製押圧子により荷重をかけて破壊
荷重を求めた(中央集中荷重試験)。
他方,同様のセメント成形体を,10cm厚の砂上に水平に
置き,1mの高さから1kgの鋼球を自然落下させ,成形
体の破壊状況を観察した(落球試験)。
その結果,中央集中荷重試験による破壊荷重は800kg,
そして落球試験では破壊しなかった。
実施例2 下層用材料を35kg/cm2の圧力でプレス成形したこと以外
は,実施例1と同様にして成形体を調製した。得られた
成形体の重量は約3.8kgであった。また,成形体の下層
の層厚は約5mm,そして上層の層厚は約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は800kg,そして落球試験では破壊
しなかった。
実施例3 下層成形体と上層用材料とを90kg/cm2の圧力でプレス成
形したこと以外は,実施例1と同様にして成形体を調製
した。得られた成形体の重量は約3.8kgであった。ま
た,成形体の下層の層厚は約5mm,そして上層の層厚は
約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は810kg,そして落球試験では破壊
しなかった。
実施例4 上層用材料にビニロン繊維(直径13μm,長さ10mm,ユ
ニチカ社製)を1重量%含有させたこと以外は,実施例
1と同様にして成形体を調製した。得られた成形体の重
量は約3.8kgであった。また,成形体の下層の層厚は約
5mm,そして上層の層厚は約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は850kg,そして落球試験では破壊
しなかった。
実施例5 下層用材料のアラミド繊維を4.8重量部(下層セメント
成形体重量の3重量%)としたこと以外は,実施例1と
同様にして成形体を調製した。得られた成形体の重量は
約3.8kgであった。また,成形体の下層の層厚は約5m
m,そして上層の層厚は約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は900kg,そして落球試験では破壊
しなかった。
実施例6 下層用材料のアラミド繊維を1重量部(下層セメント成
形体重量の0.6重量%)としたこと以外は,実施例1と
同様にして成形体を調製した。得られた成形体の重量は
約3.8kgであった。また,成形体の下層の層厚は約5m
m,そして上層の層厚は約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は700kg,そして落球試験では破壊
しなかった。
比較例1 下層用材料を80kg/cm2の圧力でプレス成形したこと以外
は,実施例1と同様にして成形体を調製した。得られた
成形体の重量は約3.8kgであった。また,成形体の下層
の層厚は約5mm,そして上層の層厚は約26mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は400kg,そして破壊状況では,下
層にまで達するひび割れが認められ,上層と下層の界面
でクラックが発生した。
比較例2 下層成形体と上層用材料とを15kg/cm2の圧力でプレス成
形したこと以外は,実施例1と同様にして成形体を調製
した。得られた成形体の重量は約3.9kgであった。ま
た,成形体の下層の層厚は約5mm,そして上層の層厚は
約27mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は350kg,そして破壊状況では,成
形体に割れが認められ,上層と下層の界面でクラックが
発生した。
比較例3 上型に設けられた排水用細孔を閉塞して成形したこと以
外は,実施例1と同様にして成形体を調製した。この
時,余剰の水は,金型側面のすき間を通って脱水され
た。得られた成形体の重量は約3.8kgであった。また,
成形体の下層の層厚は約5.5mm,そして上層の層厚は約2
6mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は280kg,そして破壊状況では,成
形体に割れが認められ,上層と下層の界面でクラックが
発生した。
比較例4 アラミド繊維を用いなかったこと以外は,実施例1と同
様にして成形体を調製した。得られた成形体の重量は約
3.8kgであった。また,成形体の下層の層厚は約5mm,
そして上層の層厚は約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は200kg,そして破壊状況では,成
形体がバラバラに割れた。
比較例5 アラミド繊維の長さを30mmとしたこと以外は,実施例1
と同様にして成形体を調製した。得られた成形体の重量
は約3.8kgであった。また,成形体の下層の層厚は約6m
m,そして上層の層厚は約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は280kg,そして破壊状況では,下
層にまで達するひび割れが認められ,上層と下層の界面
でクラックが発生した。
比較例6 上層用材料を用いず,下層用材料を約4.5kg下型に供給
し,50kg/cm2の圧力で60秒間脱水プレス成形して,こ
れを脱型した成形体を得たこと以外は,実施例1と同様
にして成形体を調製した。得られた成形体の重量は約3.
9kgであった。また,成形体の厚みは約21mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は450kg,そして破壊状況では,下
層にまで達するひび割れが認められた。
比較例7 下層用材料のアラミド繊維を12重量部(セメント成形体
重量の7重量%)としたこと以外は,実施例1と同様に
して成形体を調製した。得られた成形体の重量は約3.8k
gであった。また,成形体の下層の層厚は約6.2mm,そし
て上層の層厚は約25mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は300kg,そして破壊状況では,下
層にまで達するひび割れが認められ,上層と下層の界面
でクラックが発生した。
比較例8 上層用材料の水量を35重量部とし,上層用材料の混合物
の供給量を約3.2kgとしたこと以外は,実施例1と同様
にして成形体を調製した。得られた成形体の重量は約3.
8kgであった。また,成形体の下層の層厚は約5mm,そ
して上層の層厚は約26mmであった。
得られた成形体を,実施例1と同様の方法により評価し
たところ,破壊荷重は300kg,そして破壊状況では,下
層にまで達するひび割れが認められ,上層と下層の界面
でクラックが発生した。
実施例および比較例から明らかなように,本発明のセメ
ント成形体の製造方法によれば,軽量でかつ耐衝撃性に
優れたセメント成形体が得られる。下層用材料を80kg/c
m2の圧力でプレス成形したり,下層成形体と上層用材料
とを15kg/cm2の圧力でプレス成形すれば,セメント成形
体の所望の耐衝撃性が得られない。型面に細孔を有しな
い金型を用いてセメント成形体を成形すれば,成形時の
脱水が型側面から行われ,上層と下層の界面を移動する
水の流れが生ぜず界面強度のすぐれた成形体にならな
い。そのために,成形体の強度が低下する。アラミド繊
維を含有しないセメント成形体や長さが30mmのアラミド
繊維を含有するセメント成形体は,所望の耐衝撃性が得
られない。下層用材料のみにより得られた単層構造のセ
メント成形体は,軽量化が不充分であり,耐衝撃性にも
欠ける。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,無機軽量骨材を含有する
上層と強化繊維を含有する下層との2層構造でなる軽量
にして耐衝撃性に優れたセメント成形体が得られる。こ
のセメント成形体上を歩行しても,大きな足音は発生し
ない。その結果,本発明のセメント成形体の製造方法
は,浮き床を構成する床材の製造に有効に利用され得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(G)は,本発明のセメント成形体の製造方法
の一実施例を示す工程図である。 1…上型,2…下型,3…強化繊維含有セメント配合
物,4…下層成形体,5…無機軽量骨材含有セメント配
合物,6…2層構造のセメント成形体,10…型面,11…
排水用細孔,12…吸引管,100…成形用金型。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浮き床式床材に用いる2層構造のセメント
    成形体の製造方法であって, 上層が無機軽量骨材を含有し,かつ下層が強化繊維を含
    有するセメント成形体の製造方法であり, 少なくとも上型と下型の2つの部分からなりかつどちら
    か一方の型面に排水用細孔を有する金型の下型に,強化
    繊維を含有するセメント配合物を供給する工程, 該金型を圧縮して該強化繊維含有セメント配合物を脱水
    成形する工程, 該金型を開き,該下型内に,該無機軽量骨材を含有する
    セメント配合物を供給する工程, 該金型を圧縮して該無機軽量骨材含有セメント配合物を
    脱水成形する工程,および 該金型を開き,前記強化繊維含有セメントと無機軽量骨
    材含有セメントが一体に成形された成形物を脱型する工
    程, を包含するセメント成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記強化繊維含有セメント配合物の脱水成
    形が,10〜60kg/cm2の圧力でなされる特許請求の範囲第
    1項に記載のセメント成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記無機軽量骨材含有セメント配合物の脱
    水成形が,20〜90kg/cm2の圧力でなされる特許請求の範
    囲第1項に記載のセメント成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記下層の層厚に対する前記上層の層厚
    が,2〜10倍である特許請求の範囲第1項に記載のセメ
    ント成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記無機軽量骨材が,シラスバルーン,ガ
    ラスバルーン,抗火石発泡体,黒曜石発泡体,クレイ発
    泡体などの中空軽量骨材,パーライトおよびバーミキュ
    ライト発泡体のうちの少なくとも一種である特許請求の
    範囲第1項に記載のセメント成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記強化繊維が,カーボン繊維,石綿繊維
    およびアラミド繊維のうちの少なくとも一種である特許
    請求の範囲第1項に記載のセメント成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記無機軽量骨材が,セメント100重量部
    に対し,3〜30重量部の範囲である特許請求の範囲第1
    項に記載のセメント成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記強化繊維が0.5〜6重量%の範囲で含
    有された特許請求の範囲第1項に記載のセメント成形体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】前記強化繊維の長さが,3〜20mmの範囲で
    ある特許請求の範囲第1項に記載のセメント成形体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】前記上層に有機繊維を含有する特許請求
    の範囲第1項に記載のセメント成形体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記下層に,砂,フライアッシュなどの
    骨材を含有する特許請求の範囲第1項に記載のセメント
    成形体の製造方法。
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