JPH10218682A - セメント含浸フォーム材及びその製造方法 - Google Patents

セメント含浸フォーム材及びその製造方法

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JPH10218682A
JPH10218682A JP2262997A JP2262997A JPH10218682A JP H10218682 A JPH10218682 A JP H10218682A JP 2262997 A JP2262997 A JP 2262997A JP 2262997 A JP2262997 A JP 2262997A JP H10218682 A JPH10218682 A JP H10218682A
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cement
foam material
cement paste
impregnated
layer
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Takeshi Tanaka
毅 田中
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/08Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding porous substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い強度と高い吸音性能とを備えるセメント
含浸フォーム材及びその製造方法を提案する。 【解決手段】 連続する微細空隙を有する樹脂製のフォ
ーム材に、微細空隙が維持されるようにセメントペース
トを含浸させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い強度と高い吸
音性能とを備えるセメント含浸フォーム材及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、骨材を少量のセメントで結合
してなり、骨材間に連続空隙を有する多孔質コンクリー
トは、透水舗装や透水パネル等として広く用いられてい
るが、その吸音性、強度、耐久性の高さを生かして主に
屋外に設置する吸音材料としても使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記多
孔質コンクリートは、現在の代表的な吸音材であるグラ
スウール、ロックウール等の繊維系吸音材と比較した場
合に、厚さ、重量が大きい、比較的高価格である、耐衝
撃性に乏しく破損した際に破片が飛散し易い、などの問
題があった。また、これらの問題は、用いる骨材の材質
や粒度等によって幾分改良できるが、十分なものではな
かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、連続する微細空隙を有する樹脂製のフォ
ーム材に、微細空隙が維持されるようにセメントを含浸
させてなるセメント含浸フォーム材に関するものであ
る。
【0005】また、本発明は、上記セメント含浸フォー
ム材の製造方法をも提案するものであり、連続する微細
空隙を有する樹脂製のフォーム材に、セメントペースト
を接触させた状態で前記フォーム材を圧縮・復元させ、
この圧縮・復元を繰り返して微細空隙が維持されるよう
にセメントペーストをフォーム材に吸収させて含浸させ
るようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】前記本発明に用いる樹脂製のフォ
ーム材は、特にその材質や密度、気孔径、形状等を限定
するものではないが、通常はかさ比重が0.01〜0.
03、空隙率が90%以上であり、親水性を有するウレ
タンフォームが好ましく、特に耐水性及び耐アルカリ性
に優れたエーテル系のウレタンフォームを用いることが
望ましい。
【0007】また、前記本発明に用いるセメントペース
トは、材料分離が少なく、高い流動性を有するものであ
って、以下の配合条件を満足することが望ましい。 ・結合材 結合材には、普通ポルトランドセメントを使用する。ま
た、材料分離の低減及び緻密なセメントペーストを得る
ことを目的としてシリカヒューム又は高炉スラグ微粉末
等の超微粒子添加材を配合する。例えばシリカヒューム
の混入量は、前記フォーム材の密度及び気孔径、後述す
る水結合材比、高性能減水剤の混入量によって異なる
が、最大でセメント重量の10%程度である。 ・混和材 フォーム材の内部に均一に含浸させるための流動性を確
保する目的で高性能減水剤を使用する。この高性能減水
剤は、コンクリート混和剤として市販しているものであ
れば特に限定するものではなく、例えばリグニンスルホ
ン酸塩、オキシカルボン酸塩、或いはナフタリンスルホ
ン酸塩縮合物(ナフタリン系)、メラミン樹脂スルホン
酸塩縮合物(メラミン系)など、種々のものを使用する
ことができる。特にこの場合、ポリカルボン酸系高性能
減水剤が好ましい。 ・水結合材比 水結合材比は、0.4〜0.6の範囲とする。この水結
合材比が0.4より少ないと流動化剤を併用しても流動
性が不十分であり、0.6以上では材料分離が著しくな
る。
【0008】上記各材料を用いてセメント含浸フォーム
材を製造する一例を以下に示す。まず連続する微細空隙
を有する樹脂製のフォーム材に、水、セメント、高性能
減水剤を配合したセメントペーストを接触させる。尚、
混練にはグラウトミキサーのように高速撹拌のできるミ
キサーを使用することが好ましい。また、材料の投入
は、水、高性能減水剤、セメントの順で行なうことが好
ましい。さらに、セメントペーストを接触させる面は下
面でも上面でも良い。次に、前記フォーム材を圧縮・復
元させてセメントペーストをフォーム材に吸収させる。
尚、圧縮・復元はどのように行なっても良いが、ローラ
ーの転圧を用いることが好ましい。この状態では、フォ
ーム材の表面付近にはセメントペーストが集まっている
が、内部にはセメントペーストが到達していない。この
圧縮・復元を繰り返すと、セメントペーストがフォーム
材の全体に行きわたり、気孔を形成する隔壁に均一にセ
メントペーストが付着する。尚、微細空隙はセメントペ
ーストを保持(保水)するので、圧縮・復元に際しては
適宜に振動等を与えるようにして過剰なセメントペース
トが残存しないようにすることが望ましい。例えば本発
明のセメント含浸フォーム材は、樹脂製のフォーム材の
微細空隙にセメントペーストを充満状に含浸させてお
き、これに空気圧等を作用させて微細空隙を確保する方
法で作製しても良い。
【0009】本発明のセメント含浸フォーム材は、連続
する微細空隙を有する樹脂製のフォーム材中の気孔を形
成する隔壁にセメントペーストを付着させてなり、少な
くとも空隙率が50%以上維持されるようにした多孔質
のコンクリート材である。このセメント含浸フォーム材
は、コンクリート系の吸音材としては、高い気孔率を有
するため、軽量で、ハンドリングが容易である。即ち、
樹脂フォーム材よりも強度が高く、多孔質コンクリート
よりも軽量で、高い吸音性を有するという特性を有し、
吸音材として或いはその他の用途への利用が期待され
る。また、材料として用いる樹脂フォーム材は、その形
状を限定するものではなく、しかも柔軟性を有している
ので、適宜に変形して用いることも可能であるため、例
えば曲面を持った形状に製品を作成することもでき、種
々の用途に適用することができる。
【0010】実使用を考慮した場合、前記セメント含浸
フォーム材を剛体(遮音体)に取り付けて使用したり、
前記セメント含浸フォーム材に別体のフォーム材(吸音
材)を取り付けて使用しても良いが、原材料として用い
た樹脂製フォーム材を基礎マトリックスとして以下のよ
うな複合材料としても良い。
【0011】前記の樹脂製フォーム材の一面側から所定
幅にのみ前記のセメントペーストを微細空隙が維持され
るように含浸した場合、一面側に多孔質コンクリート層
が、他面側に未含浸フォーム層が形成される複合材料と
なる。このように未含浸フォーム層を設けた複合材料の
場合、その吸音性能が付与される。また、緩衝材として
機能するため、耐衝撃性が高くなる。
【0012】前記の樹脂製フォーム材の一面側から所定
幅にのみ前記のセメントペーストを微細空隙が維持され
るように含浸し、この樹脂製フォーム材の他面側から所
定幅にのみ微細空隙が充満されるようにセメントペース
トを含浸した場合、一面側に多孔質コンクリート層が、
他面側にセメント層が形成される複合材料となる。この
ように背面セメント層を設けた複合材料の場合、その遮
音性能が付与される。また、補強材として機能するた
め、強度が高くなる。さらに、多孔質コンクリート層と
セメント層との間に、何れのセメントペーストも含浸し
ない部分を設けた場合、一面側に多孔質コンクリート層
が、他面側にセメント層が、その中間に未含浸フォーム
層が形成される複合材料となる。このようにひとつの樹
脂製フォーム材を基礎マトリックスとする複合材料は、
それぞれ別体の材料を接着剤や取付具で一体化する場合
に比べて製造コストを軽減できる。また、ひとつの樹脂
製フォーム材を基礎マトリックスとするため、2層或い
は3層構造であっても高い一体性を有する。さらに、た
とえ破壊しても材料が飛散しにくい。
【0013】前記の2層或いは3層構造の複合材料とす
る場合、各層は、基本的に以下の物性を有するように作
成することが望ましい。 (1)かさ比重 多孔質コンクリート層:0.4〜0.9 未含浸フォーム層:0.01〜0.03 背面セメント層:1.7〜2.0 (2)空隙率 多孔質コンクリート層:50〜70% 未含浸フォーム層:90%以上 (3)強度 多孔質コンクリート層:曲げ強度2〜5kgf/cm2 未含浸フォーム層:引張強さ0.4kgf/cm2 背面セメント層:曲げ強度50〜100kgf/cm2 圧縮強度300〜600kgf/cm2
【0014】
【実施例】
〔原材料〕樹脂フォーム材として、表1に示す物性のウ
レタンフォームを用いた。
【表1】 セメントペーストとして、表2に示す組成のものを用い
た。
【表2】 尚、高性能減水剤として、デンカグレース社製『ダーレ
ックス・スーパー200』(ポリカルボン酸系化合物)
を用いた。
【0015】〔製造方法〕 (1)セメントペーストの混練り セメントペーストを所定の配合で混練した。混練にはグ
ラウトミキサーを用いた。材料の投入は、水、高性能減
水剤、シリカヒューム、セメントの順で行なった。 (2)ウレタンフォームの投入 テーブル振動機上に設置した鋼製容器の中にウレタンフ
ォームを投入し、振動機を作動させた。 (3)セメントペーストの投入及び含浸 鋼製容器内のウレタンフォームの表面にセメントペース
トを流し込み、振動機を取り付けた加圧板又はローラー
で転圧しながら、セメントペーストをウレタンフォーム
内部に均一に含浸させた。 (4)パレットへの移動 所定量のセメントペーストが含浸したのを確認してウレ
タンフォームを養生用のパレットへ移動した。振動機は
この段階まで作動させておいた。 (5)養生 パレット上で蒸気養生を行なった。
【0016】〔試験体1(3S−0.4)〕 ・ウレタンフォーム:『3S』(表1) ・セメントペースト:『B』(表2) ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:0.4(成形時)
【0017】〔試験体2(3S−0.5)〕 ・ウレタンフォーム:『3S』(表1) ・セメントペースト:『B』(表2) ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:0.5(成形時)
【0018】〔試験体3(230−0.5)〕 ・ウレタンフォーム:『230』(表1) ・セメントペースト:『B』(表2) ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:0.5(成形時)
【0019】〔試験体4(比較例1)〕以下の原材料、
条件により、多孔質コンクリートを作製した。 ・骨材の種類:道路用7号砕石(JIS A 500
1) ・骨材の代表的な粒径:2.5〜5.0mm ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:1.76(成形時)
【表3】
【0020】〔試験体5(比較例2)〕以下の原材料、
条件により、多孔質コンクリートを作製した。 ・骨材の種類:『超軽量骨材パーライト(東邦レオ
社)』 ・骨材の代表的な粒径:0.6〜1.2mm ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:0.54(成形時)
【表4】
【0021】〔性能評価試験;垂直入射吸音率測定〕管
内法による建築材料の垂直入射吸音率の測定方法(JI
S A 1415)にて前記試験体1〜5の吸音率を測
定した結果を図1に示す。図1より明らかなように、海
綿状スポンジ『3S』を使用した試験体1,2と水耕栽
培用スポンジ『230』を使用した試験体3とでは、試
験体1,2の方が優れているのがわかる。これは、海綿
状スポンジが大きさの異なる気泡で構成されており、大
きな気泡を通じて音が内部に侵入し易いことによるもの
と考えられる。また、本発明のセメント含浸フォーム材
の実施例である試験体1〜3を、コンクリート製吸音材
として一般的な多孔質コンクリート(透水性コンクリー
ト)である試験体4,5(比較例1,2)と比較する
と、道路用砕石を骨材として使用した試験体4に対して
は測定した全周波数で、またパーライトを骨材として使
用した試験体5に対しては800Hzより高い周波数で
の吸音性能で優っていることがわかる。そして、道路騒
音対策では、特に1000Hz付近の騒音を減少させる
ことが重要であることを考えると、本発明のセメント含
浸フォーム材の従来の多孔質コンクリート製吸音材に対
する吸音性能のメリットは極めて大きいといえる。
【0022】〔曲面を有するセメント含浸フォーム材の
製造〕 ・ウレタンフォーム:『3S』(表1) ・セメントペースト:『B』(表2) テーブル振動機上に設置した鋼製容器の中に50×50
×5cmの平板状のウレタンフォームをおき、振動機を
作動させた。鋼製容器内のウレタンフォームの表面にセ
メントペーストを比重0.5の多孔質コンクリート層5
cmが得られる量6.25kgを流し込み、金網を取り
付けた振動機で圧縮、復元を繰り返し、セメントペース
トをウレタンフォーム内部に含浸させた。 ウレタンフ
ォームの表面を観察し、セメントペーストによる目詰ま
りがないこと、及び鋼製容器内にセメントペーストが殆
ど残っていないことを確認して、多孔質コンクリート層
が全厚5cmに形成されたと判断し、ウレタンフォーム
を養生用のパレットへ移動した。図2に示すように養生
用のパレットの上には、軽量溝型鋼を取り付け、セメン
トペーストを含浸させたウレタンフォームが自重で曲面
に変形するようにした。パレット上で蒸気養生を行な
い、図3に示す形状のセメント含浸フォーム材を得た。
得られたセメント含浸フォーム材を破断して断面を観察
したところ、全体に亙って多孔質コンクリート層が形成
されていた。また、その厚さも、軽量溝型鋼が接してい
た部分に0.2cm程度の窪みがあるものの、その他の
部分では所定厚さ5cmが得られていた。
【0023】〔3層構造の複合材料の製造〕 ・ウレタンフォーム:『230』(表1) ・セメントペースト:『A』(表2) セメントペーストを所定の配合で混練した。混練にはグ
ラウトミキサーを使用した。テーブル振動機上に設置し
た鋼製容器の中にセメントペーストを深さ約0.5cm
が得られる量を流し込み、振動機を作動させた。セメン
トペーストの上に50×50×5cmの平板上のウレタ
ンフォームをおき、振動によって内部空隙にセメントペ
ーストを充填させることでウレタンフォーム底面に厚さ
0.5cmのセメント層を形成した。鋼製容器内のウレ
タンフォームの表面にセメントペーストを比重0.8の
多孔質コンクリート層2.5cmが得られる量2.5k
gを流し込み、ローラーで転圧しながらセメントペース
トをウレタンフォーム内部に含浸させた。ウレタンフォ
ームの表面を観察し、セメントペーストによる目詰まり
がないことを確認して多孔質コンクリート層2.5cm
が形成されたと判断し、ウレタンフォームを養生用のパ
レットへ移動した。振動機はこの段階まで継続して作動
させておいた。パレット上で蒸気養生を行ない、図4に
示す3層構造の複合材料を得た。得られた複合材料を破
断して断面を観察した。以下に試作品3枚の断面の各4
箇所で測定した各層の厚さの平均値を示す。 ・多孔質コンクリート層:2.4cm ・未含浸フォーム層:2.0cm ・背面セメント層:0.6cm 得られた複合材料の断面は、多孔質コンクリート層と未
含浸フォーム層の境界が不規則で、それぞれの層の厚さ
にはばらつきがあるものの、平均的にはほぼ所定の厚さ
が得られており、ここで行った製造方法にて3層構造の
複合材料が製造できると判断した。
【0024】〔原材料〕セメントペーストとして、表5
に示す組成のものを用いた。
【表5】 尚、高性能減水剤として、竹本油脂社製『高性能減水剤
SSP−104』(ポリカルボン酸系グラフトコポリマ
ーを主成分とするアニオン型高分子界面活性剤)を用い
た。また、樹脂エマルジョンとして、ライオン社製『リ
ポテックスM−400』(アクリル系)を用いた。
【0025】〔試験体6(標準)〕 ・ウレタンフォーム:『3S』(表1) ・セメントペースト:『C』(表5) ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:0.5(成形時)
【0026】〔試験体7(樹脂)〕 ・ウレタンフォーム:『3S』(表1) ・セメントペースト:『D』(表5) ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:0.5(成形時)
【0027】〔試験体8(2層)〕 ・ウレタンフォーム:『3S』(表1) ・セメントペースト:『C』(表5) ・試験体の厚さ:多孔質コンクリート層4.5cm,セ
メント層0.5cm ・試験体のかさ比重:1.3(成形時) 尚、多孔質コンクリート層の嵩比重は0.5、セメント
層の嵩比重は2.0であった。
【0028】〔試験体9(嵩比重)〕 ・ウレタンフォーム:『230』(表1) ・セメントペースト:『E』(表5) ・試験体の厚さ:5cm ・試験体のかさ比重:0.8(成形時)
【0029】〔製造方法〕セメントペーストを所定の割
合で混練した。混練にはグラウトミキサーを使用した。
テーブル振動機上に設置した鋼製容器の中に10×5×
40cmの平板状のウレタンフォームを置き、振動機を
作動させた。鋼製容器内にウレタンフォームの表面にセ
メントペーストを比重0.5の多孔質コンクリート層5
cmが得られる量1.0kg(試験体9はかさ比重0.
8を得る量1.6kg)を流し込み、金網を取り付けた
振動機で圧縮、復元を繰り返し、セメントペーストをウ
レタンフォーム内部に含浸させた。ウレタンフォームの
表面を観察し、セメントペーストによる目詰まりがない
こと、及び鋼製容器内にセメントペーストが殆ど残って
いないことを確認して、多孔質コンクリート層が全厚5
cmに形成されたと判断し、ウレタンフォームを養生用
のパレットへ移動した。尚、試験体8(2層)は、多孔
質コンクリート層を形成した後、鋼製容器に新たにセメ
ントペーストを流し込み、底面にセメント層を形成し
た。60℃、4時間保持の条件で上記養生を行なった
後、材令14日まで気中で保管した。
【0030】〔性能評価試験;強度測定〕コンクリート
の曲げ強度試験方法(JIS A 1106)に準じて
試験体6〜9の曲げ強度を測定した結果を表6に示す。
但し、試験体は10×5×40cmの角柱試験体とし
た。
【表6】 表6より明らかなように、セメントペーストに樹脂エマ
ルジョンを混入すること(試験体7)で、多孔質コンク
リート層の曲げ強度を向上できることが確認された。多
孔質コンクリート層とセメント層との2層構造とした試
験体8は、曲げ強度を大幅に向上することができた。
【0031】以上本発明を実施例に基づいて説明した
が、本発明は前記した実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りど
のようにでも実施することができる。
【0032】
【発明の効果】以上要するに本発明のセメント含浸フォ
ーム材は、従来の吸音材である繊維系吸音材と多孔質コ
ンクリート製吸音材との両方の利点を有するものであ
り、即ち高い強度と高い吸音性能とを有するものであ
る。より詳しくは、コンクリート系の吸音材としては、
高い気孔率を有するため、軽量で、ハンドリングが容易
であり、高い吸音性を有する。
【0033】特に、原材料として用いる樹脂製フォーム
材を基礎マトリックスとして以下のような複合材料とす
ることができる。例えば、樹脂製フォーム材の一面側か
ら所定幅にのみ前記のセメントペーストを微細空隙が維
持されるように含浸した場合、一面側に多孔質コンクリ
ート層が、他面側に未含浸フォーム層が形成される複合
材料とすることができる。このように未含浸フォーム層
を設けた複合材料の場合、その吸音性能が付与される。
また、緩衝材として機能するため、耐衝撃性が高くな
る。また、樹脂製フォーム材の一面側から所定幅にのみ
前記のセメントペーストを微細空隙が維持されるように
含浸し、この樹脂製フォーム材の他面側から所定幅にの
み微細空隙が充満されるようにセメントペーストを含浸
した場合、一面側に多孔質コンクリート層が、他面側に
セメント層が形成される複合材料とすることができる。
このように背面セメント層を設けた複合材料の場合、そ
の遮音性能が付与される。また、補強材として機能する
ため、強度が高くなる。このように一つの樹脂製フォー
ム材を基礎マトリックスとする複合材料は、それぞれ別
体の材料を接着剤や取付具で一体化する場合に比べて製
造コストを軽減できる。また、ひとつの樹脂製フォーム
材を基礎マトリックスとするため、2層或いは3層構造
であっても高い一体性を有する。さらに、たとえ破壊し
ても材料が飛散しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】管内法垂直入射吸音率の測定結果を示すグラフ
である。
【図2】曲面を有するセメント含浸フォーム材の製造の
一過程を示す側面図である。
【図3】曲面を有するセメント含浸フォーム材を示す正
面図及び側面図である。
【図4】セメント含浸フォーム材の一実施態様である3
層構造の複合材料を示す正面図及び側面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続する微細空隙を有する樹脂製のフォ
    ーム材に、微細空隙が維持されるようにセメントを含浸
    させてなるセメント含浸フォーム材。
  2. 【請求項2】 連続する微細空隙を有する樹脂製のフォ
    ーム材に、セメントペーストを接触させた状態で前記フ
    ォーム材を圧縮・復元させ、この圧縮・復元を繰り返し
    て微細空隙が維持されるようにセメントペーストをフォ
    ーム材に吸収させて含浸させるようにしたセメント含浸
    フォーム材の製造方法。
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