JPH0698086B2 - 調理器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般家庭などにおいて使用され、かつ誘導加
熱源を備え、鍋内に被調理物を入れて加熱調理を行なう
調理器に関するものである。

従来の技術 一般に誘導加熱源を備えて、鍋内の被調理物を調理する
調理器としては、たとえば実開昭53−164964号公報に示
されているように、第３図に示すような構造のものが知
られている。すなわち、この第３図において、101は上
下面が開口する筒状の外ケースで、この外ケース101の
下面には支持脚102を有する底部103がねじ止めによって
固着されている。104はたとえば耐熱性のプラスチック
によって形成された鍋収納部で、この鍋収納部104はそ
の上端部に設けた鍔部104aを外ケース101の上面にねじ
止めによって固着している。105は鍋収納部104の側面部
104bに一体モールドによって埋設された第１の誘導コイ
ルであり、106は鍋収納部104の底面部104cに一体モール
ドによって埋設された第２の誘導コイルである。107は
磁性材料、たとえば鉄により構成された鍋で、この鍋10
7は鍋収納部104の底面部104c上に着脱可能に載置され
る。108は鍋収納部104の底面部104cの中心部に設けられ
た貫通孔104d内に支持板109を介して固着された、たと
えば磁気式のサーモスタットで、このサーモスタット10
8の感熱部108aは図示しないばねによって上方に付勢さ
れて鍋107の底面部107bに密着するようになっている。1
10は鍋107の側面部107aの温度を検知する、たとえばサ
ーミスタなどからなる感熱部110aを有する温度検知スイ
ッチで、温度検知スイッチ110の感熱部110aは基端部を
鍋収納部104の側面部104bに設けられた挿通孔111内に挿
通されているとともに、ばね112によって常に鍋107の方
向に付勢されており、その感熱部110aの先端部が鍋107
の側面部107aに圧着するようになっている。113はつま
み114を有する蓋で、この蓋113は鍋収納部104の鍔部104
a上に着脱自在に載置される。115は底板103の上面に固
着された制御基板で、電気回路の一部が配設されてい
る。

発明が解決しようとする課題 上記の従来の調理器では、鍋107の底面部107bが鍋収納
部104の底面部104cに載置されているため、鍋107の側面
部107aと鍋収納部104bとの間の空隙は、鍋107の上面の
空間と連続的につながっている。

従って、主に第１の誘導コイル10によって誘導加熱され
た鍋107の側面部107aの熱は、鍋107と鍋収納部104の鍔
部104aとの隙間から逃げてしまうことになり、その結
果、鍋107内の被加熱物への加熱効率が悪くなって経済
性が劣るという問題点があった。

本発明は上記従来の問題点を解決するもので、熱効率の
よい誘導加熱源を備えた調理器を提供することを目的と
するものである。

問題点を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の調理器は、鍋のフラ
ンジを、鍋収納部を構成する保護枠側面部の上面開口部
に設けた上枠、あるいはこの上枠の上端部に備えた上枠
リングに載置するようにしたものである。

作用 上記した構成とすることにより、鍋の側面部および底面
部と鍋収納部との隙間は閉鎖されるため、鍋と鍋収納部
との間の空気は鍋上面等の外界に流れるということはな
くなり、その結果、加熱効率は非常にすぐれたものとな
って経済性を高めることができる。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

第１図は本発明の一実施例の調理器本体を示す断面図で
あり、この第１図において、ほぼ円筒状の調理器本体１
の内部には、鍋２の収納部を構成する保護枠３と保護枠
側面部４とを配設している。前記保護枠底部３は非金属
材料、たとえば熱可塑性プラスチックで形成され、かつ
その上部に保護枠側面部４の底部側のフランジA5と結合
するアンダーカットの受け部A6を設け、耐衝撃性の低い
非金属材料で形成した場合でも、結合強度が高まるよう
に面同志で結合している。一方、前記保護枠側面部４は
金属材料、たとえばアルミニウムメッキ鋼板で形成さ
れ、かつ底部と上部には外向きのフランジで強度を受け
ているフランジA5とフランジB7をそれぞれ設けており、
フランジA5は前記保護枠底部３の受け部A6と結合し、か
つフランジB7はリング状の上枠８のアンダーカットの受
け部B9と結合している。前記鍋２は、たとえば外面を磁
性体としたクラッド鋼板で形成されており、そしてこの
鍋２はフランジ10を上枠８に載置することにより支持さ
れている。

11は冷却効果を上げるため保護枠底部３の外面に鍋２の
底部と対向して配置した誘導コイルで、この誘導コイル
11は保護枠底部３にねじ止めした保護カバー12との間で
保持している。また保護枠側面部４の外面には、たとえ
ば被覆絶縁した抵抗ヒータであるヒータA13を貼付けて
おり、さらに異常温度で回路を遮断する感熱動作体であ
る温度ヒューズ14を取付けている。また調理器本体１と
保護枠側面部４との間には、誘導コイル11の上方に位置
して断熱材15を充填し、保温性能を高めるとともに、調
理器本体１の温度上昇を防止している。

前記調理器本体１の上枠８の上部には樹脂製の蓋体16を
前記上枠８に一体成形したヒンジ部17によりピン18を介
して開閉自在に支持している。

また蓋体16の上面には把手部19を設け、かつ内面には内
カバー20を断熱材21を介して固着している。また上枠８
の前記ヒンジ部17と反対側に位置する部分には係合部22
を一体成形し、かつこれと対向して蓋体16に係合レバー
23をピン24を介して回動自在に設けており、そして蓋体
16を閉じたとき、前記係合部24に前記係合レバー23がば
ね25により付勢されて係合する。また蓋体16を開けると
きは、係合レバー23に取付けたボタン26を操作すること
により行う。

さらに蓋体16の下面に位置する内カバー20の下面側には
支持ピン27を突設し、そしてこの支持ピン27に内蓋28を
上下動自在に取付け、かつパッキン29により常に下方へ
付勢して、蓋体16を閉じたとき、鍋２に圧接して鍋２を
閉塞するようにしている。また内カバー20の上面には、
たとえば被覆絶縁したヒータB30を貼り付けており、そ
のリード線はヒンジ部17を経て調理器本体１に設けた電
気回路（図示せず）に接続している。

前記鍋２の温度は、サーミスタ（図示せず）と熱接触し
ているコンタクト31がセンサーばね32により付勢されて
鍋２の底部に接触することにより感知している。サーミ
スタが感知した温度情報は電気回路（図示せず）に伝達
して、前記誘導コイル11,ヒータA13およびヒータB30の
電力制御を行なう。

また前記リング状の上枠８の円周方向の一部ゴムを備え
れば、鍋２の回りを防止することができるものである。

第２図は本発明の他の実施例を示した調理器の断面図で
あり、この第２図において、第１図で示した一実施例と
異なる点は、上枠８の上端部にゴムにより構成された上
枠リング33を備え、この上枠リング33の全周に鍋２のフ
ランジ10を載置するようにした点である。

発明の効果 上記実施例の説明から明らかなように本発明の調理器
は、鍋のフランジを、鍋収納部を構成する保護枠側面部
の上面開口部に設けた上枠に載置するようにしているた
め、調理器本体内の被加熱物を収容する鍋と、鍋の収納
部を構成する保護枠底部や保護枠側面部との空間は閉塞
されることになり、その結果、鍋と鍋収納部との間の加
熱された空気が外へ逃げることはなくなるため、加熱効
率は非常にすぐれたものとなって経済性を高めることが
できるものである。

また本発明においては、前記上枠の鍋フランジが載置さ
れる部分のみに上枠リングを備え、この上枠リングに鍋
のフランジを載置する構成としているため、耐熱性のす
ぐれた材料は、加熱されて高温になった鍋と接触する上
枠リングのみに使用すればよく、したがって上枠は耐熱
性の劣る安価な材料で形成することが可能となる。この
場合は、上枠に鍋のフランジを載置するようにしたもの
のように、上枠全体を耐熱性のすぐれた高価な材料で形
成するものに比べ、コストを下げることができる。

さらに上枠リングをゴムにより構成すれば、ゴムの摩擦
係数は非常に高いため、鍋のフランジをゴム製の上枠リ
ングに載置した場合、鍋は水平方向にはすべりにくくな
る。これは鍋内の被加熱物を鍋から取りだす時、特に被
加熱物が米飯で、それをしゃもじ等でよそう時に、鍋の
円周方向への移動を防止できるため、使い勝手が非常に
良好となる。

また鍋のフランジが載置される上枠の円周方向の一部に
ゴムを備えても、鍋の回りを防止できるもので、この場
合は、高価なゴム、たとえばシリコーンゴム等の耐熱性
の優れた高価なゴムの使用量を削減することができるた
め、コストを下げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す調理器の断面図、第２
図は本発明の他の実施例を示す調理器の断面図、第３図
は従来例を示す調理器の断面図である。 １……調理器本体、２……鍋、３……保護枠底部、４…
…保護枠側面部、８……上枠、10……鍋のフランジ、11
……誘導コイル、33……上枠リング。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】調理器本体と、この調理器本体内に着脱自
   在に収納される鍋とを備え、前記調理器本体内に前記鍋
   の収納部を、非金属材料で形成した保護枠底部と金属材
   料で形成した保護枠側面部とで構成し、前記保護枠底部
   に誘導コイルを配設し、前記保護枠側面部の上面開口部
   に設けた上枠に前記鍋のフランジを載置した調理器。
2. 【請求項２】調理器本体と、この調理器本体内に着脱自
   在に収納される鍋とを備え、前記調理器本体内の前記鍋
   の収納部を、非金属材料で形成した保護枠底部と金属材
   料で形成した保護枠側面部とで構成し、前記保護枠底部
   に誘導コイルを配設し、前記保護枠側面部の上面開口部
   に上枠を設け、この上枠の上端部に備えた上枠リングに
   前記鍋のフランジを載置した調理器。
3. 【請求項３】上枠リングをゴムにより構成した請求項２
   記載の調理器。
4. 【請求項４】鍋のフランジが載置される上枠の円周方向
   の一部にゴムを備えた請求項１記載の調理器。