JPH0698013B2 - 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの製造法 - Google Patents

還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの製造法

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JPH0698013B2
JPH0698013B2 JP5243687A JP5243687A JPH0698013B2 JP H0698013 B2 JPH0698013 B2 JP H0698013B2 JP 5243687 A JP5243687 A JP 5243687A JP 5243687 A JP5243687 A JP 5243687A JP H0698013 B2 JPH0698013 B2 JP H0698013B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,立体特異的に重水素あるいは三重水素で標識
された還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを
複合酵素的に製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下NA
DHと略記する)は,生体内における多種多様な酸化還元
酵素の補酵素として生体内のエネルギー代謝,各種物質
の補酵素として知られている。また,近年では,臨床用
試薬,生化学試薬として生化学,医学方面に広範な用途
が拡大し,その需要が大いに高まってきている。このNA
DHのジヒドロピリジン核の4位の炭素にはプロキラルな
2個の水素があり(以下H,Hと略記する),NADHを
補酵素とする酵素はいずれか一方を認識して特異的に基
質に転移する。生化学や医学方面においては,いずれか
一方の水素を重水素(以下2Hと略記する)あるいは三重
水素(以下3Hと略記する)で標識されたNADH(以下,NAD
2HあるいはNAD3Hと略記する)を用い,この水素転移の
立体化学を明らかにすることにより,酵素の反応機構や
分子進化などが解明できると考えられている。
このように,生化学的に重要な役割をもち,医療用,研
究用などに広くその用途が期待されているにもかかわら
ず,現在のところ,NAD2HあるいはNAD3Hは極めて高価で
あり,これらの製造法としては,まず,あらかじめ2Hあ
るいは3Hで標識した基質を調製し,この標識された基質
中の2Hあるいは3Hをグルタミン酸脱水素酵素などの立体
特異的に転移する酵素を用いて行うものである。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら,この方法においては,基質の2Hあるいは
3H標識が必ずしも容易ではないため,標識された基質が
高価とならざるを得ず,しかもグルタミン酸脱水素酵素
などによる反応も効率良く進行せず,NAD2HあるいはNAD3
Hの収率も悪いものであった。また,この方法は特に大
量調製が困難で工業的には採用しがたいものであった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,前記のごとき問題点を解決すべく鋭意研
究した結果,調製が困難な2Hあるいは3Hで標識された基
質を使用せず,入手の容易な重水あるいは三重水中で,
アミノ酸,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以
下NAD+と略記する),ヒポタウリン及び特定の3種の酵
素を混合すると,大量に,かつ効率良く立体特異的なNA
D2HあるいはNAD3Hを得ることができることを見い出し,
本発明を完成した。
すなわち,本発明は,重水あるいは三重水中で,アミノ
酸,NAD+,ヒポタウリン,アミノ酸ラセマーゼ,アミノ酸
脱水素酵素及びω−アミノ酸トランスアミナーゼを混合
してNAD+のジヒドロピリジン核の4位の炭素に立体特異
的に2Hあるいは3Hを導入することを特徴とする標識され
たNADHの製造法を要旨とするものである。
本発明に使用されるアミノ酸ラセマーゼは,D体とL体の
アミノ酸の相互交換を触媒する酵素であり,そのような
酵素であればいかなるものでも使用できる。好ましい酵
素としては,たとえば,アラニンラセマーゼやグルタミ
ン酸ラセマーゼがあげられる。
このようなアミノ酸ラセマーゼはアミノ酸ラセマーゼを
生産する微生物から得ることができ,このような微生物
としては,たとえば,バチルス属,ペデイオコツカス
属,シユードモナス属,およびストレプトコツカス属に
属する微生物をあげることができる。その具体例として
は,バチルス・ステアロサーモフイルス(Bacillus ste
arothermophilus)IFO 12550株,ペデイオコツカス・ペ
ントサセウス(Pediococcus pentosaceus)IFO 3182
株,シユードモナス・プチダ(Pseudomonas putida),
ストレプトコツカス・フエカリス(Streptococcus faec
alis)があげられる。さらに,これから得たアラニンラ
セマーゼの遺伝子を組換えた微生物からも容易に得るこ
とができる。
また,本発明に使用されるアミノ酸脱水素酵素は,以下
の反応を触媒する酵素であり,そのような酵素であれば
いかなるものでも使用できる。
好ましい酵素としては,たとえば,アラニン脱水素酵素
やグルタミン酸脱水素酵素があげられる。このようなア
ミノ酸脱水素酵素の給源は特に限定されるものではな
く,バチルス・スフエリカス(Bacillus sphaericu
s),たとえばIFO 3525,バチルス・ズブチリス(Bacill
us subtilis),プロテウス・インコンスタンス(Prote
us inconstans)などの微生物由来のものなど種々の起
源のものを使用することができる。中でも安定性,保存
性に富む好熱性細菌,たとえば,バチルス・ステアロサ
ーモフイルス(Bacillus stearothermophilus),たと
えばIFO 12550やクロストリジウム・サーモアセテイカ
ム(Clostridium thermoaceticum)由来のアミノ酸脱水
素酵素が望ましい。さらに,これらから得たアミノ酸脱
水素酵素の遺伝子を組換えた微生物からも容易に得るこ
とができる。
さらに,本発明に使用されるω−アミノ酸トランスアミ
ナーゼは以下の不可逆的な反応を触媒する酵素であり,
そのような酵素であればいかなるものでも使用できる。
好ましい酵素としては,たとえば,ω−アミノ酸:ピル
ビン酸トランスアミナーゼやタウリン:α−ケトグルタ
ル酸トランスアミナーゼがあげられる。このようなω−
アミノ酸トランスアミナーゼの給源は特に限定されるも
のではなく,シュードモナス属に属する細菌,たとえば
シュードモナス・フラジ(Pseudomonas fragi),たと
えばIFO3458,シユードモナス・エルギノザ(Pseudomona
s aeruginosa),たとえばIFO 3080,シユードモナス・
プチダ(Pseudomonas putida),たとえばIFO 3788,129
66,またアクロモバクター属に属する細菌,たとえばア
クロモバクター・スーパーフイシアリス(Achromobacte
r superficialis),アクロモバクター・ポリモルフ(A
chromobacter polymorph)などの微生物由来のものなど
種々の起源のものを使用することができる。さらに,こ
れらから得たω−アミノ酸トランスアミナーゼの遺伝子
を組換えた微生物からも容易に得ることができる。
これらの酵素の精製は,通常のクロマトグラフ技法を適
宜組み合わせて行うことができる。
本発明で,立体特異的なNAD2HあるいはNAD3Hを製造する
には,たとえば,重水あるいは三重水中で,アミノ酸
(D体,L体,およびその混合物でもよい),NAD+および
ヒポタウリンを適量含有する適当な緩衝液中で上記3種
の酵素を混合して実施すればよく,これらはいかなる順
序でもよい。この反応液中のアミノ酸の濃度としては,
例えば,5〜1000mMであり,好ましくは10〜500mMであ
る。また,NAD+の濃度としては,例えば,0.5〜1000mMで
あり,好ましくは1〜500mMである。さらに,ヒポタウ
リンの濃度としては,例えば0.5〜2000mMであり,好ま
しくは1.0〜1000mMである。さらに,ω−アミノ酸トラ
ンスアミナーゼの補酵素であるピリドキサール−5′−
リン酸濃度としては,例えば,0.1μM〜100mMであり,
好ましくは0.05〜50mMである。緩衝液としては,たとえ
ば,グリシン緩衝液,ホウ酸緩衝液,N,N−ビス(2−ハ
イドロキシエチル)グリシン緩衝液,2−(シクロヘキシ
ルアミノ)エタンスルホン酸緩衝液,リン酸緩衝液,コ
リジン緩衝液などが適宜使用され,その濃度としては,
例えば,例えば,1〜500mMであり,好ましくは10〜250mM
である。この反応のpHとしては,例えば6〜12.5であ
り,好ましくはpH7〜11.5である。また,反応温度とし
ては,例えば15〜80℃であり,好ましくは20〜70℃であ
る。
本発明に用いる3種の酵素の量は反応時間との兼ね合い
で決定されるが,例えば反応を10時間以内で完結させる
ためには反応液1当り,アミノ酸ラセマーゼを10〜10
0,000ユニツト,アミノ酸脱水素酵素を0.1〜10,000ユニ
ツト,およびω−アミノ酸トランスアミナーゼを0.1〜5
0,000ユニツトを使用すればよい。
本発明において,前記のごとく,複合酵素溶液をバツチ
式で反応を行えばよいが,前記3種の酵素をそれぞれ単
独,もしくは混合して高分子担体に固定化した固定化物
の存在下にNAD2HあるいはNAD3Hを生成させることもでき
る。そのためには,これらの酵素を適当な担体,例え
ば,セルロース,デキストラン,アガロースなどのよう
な多糖類の誘導体,ポリスチレン,エチレン−マレイン
酸共重合体,架橋ポリアクリルアミドなどのようなビニ
ルポリマーの誘導体,L−アラニン−L−グルタミン酸共
重合体,ポリアスパラギン酸などのようなポリアミノ
酸,又はポリアミドの誘導体,ガラス,アルミナ,ヒド
ロキシアパタイトなどのような無機物の誘導体などに結
合,包括,あるいは吸着せしめればよい。
前記のごとき,酵素の固定化物は,酵素反応に際し,繰
り返し使用しうるだけでなく,固定化物を用いる上記複
合酵素反応は,バツチ法に加え,カラム法によつて実施
することができる。
また,NAD2HあるいはNAD3Hの目的生成物を分離精製する
場合には,常法に従って,イオン交換樹脂,あるいはキ
レート樹脂などのクロマトグラフイーを適宜組み合わせ
て使用することにより容易に行うことができる。
(作用) 次に本発明の製造法を重水中で実施した場合の原理を以
下に示す。
すなわち,重水中でL体とD体のアミノ酸がアミノ酸ラ
セマーゼの作用により相互変変換している間に,アミノ
酸脱水素酵素により脱水素される水素が重水中の2Hと交
換し,2Hの導入されたL体のアミノ酸がアミノ酸脱水素
酵素によりNADに転移され,目的のNAD2Hを得ることがで
きる。そのとき,生成したα−ケト酸をヒポタウリン存
在下にω−アミノ酸トランスアミナーゼで処理すると,
不可逆的に反応が進行し,NAD2H生成の方向に反応が著し
くかたよる。
このため,NAD+を極めて効率良くNAD2Hに変換することが
できる。
また,NAD2Hの2H2HあるいはNAD3Hの3H3H
使用するアミノ酸脱水素酵素によって選択することがで
きる。
(実施例) 以下,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 アラニンラセマーゼをバチルス・ステアロサーモフイル
スIFO 12550から,超音波破砕,除核酸,硫酸アンモニ
ウム分画の後,公知文献(バイオケミストリー(Bioche
mistry)25巻,3268−3274頁(1986年)に従って精製し
た。アラニン脱水素酵素は市販品(バチルス・ズブチリ
ス由来,シグマ社製)を使用した。
また,ω−アミノ酸・ピルビン酸トランスアミナーゼを
シユードモナス・フラジIFO 3458から,公知文献ビオキ
ミカ・エト・ビオフイジカ・アクタ(Biochimica et Bi
ophysica Acta)523巻,75〜81頁(1978年)に従って,
超音波破砕,ポリエチレンイミンによる除核酸,DEAE−
セルロースクロマトグラフイー(2回),ハイドロキシ
アパタイトクロマトグラフイー,セフアクリルS−200
クロマトグラフイー(フアルマシア社製)を経て精製し
た。
前記の如く,精製したアラニンラセマーゼ500ユニツ
ト,アラニン脱水素酵素1.5ユニツトおよびω−アミノ
酸:ピルビン酸トランスアミナーゼ5.0ユニツトを,す
べて重水で調製した100mMDL−アラニン,12.5mM NAD+,ヒ
ポタウリン20mM,1mMピリドキサール−5′−リン酸を含
有する100mM,グリシン−KCl−KOH緩衝液(pH9.0)の反
応液100mlに加え,37℃で12時間反応させた。反応液を除
蛋白後,MonoQ(フアルマシア社製)カラムを装備した高
速液体クロマトグラフイーに供し,水と0.5M NH4HCO3
間の直線グラジエントで溶出した。目的のNAD2HはNH4HC
O3濃度150mM付近に溶出した。このものの添加NADに対す
る収率は340mMの吸光度の検量線から93%であった。ま
た,このものの核磁気共鳴スペクトル(360MHz)はNAD2
H(2H)であることが公知文献バイオケミストリー(B
iochemistry)15巻,4844〜4849頁(1976年)およびメカ
ニズム・オブ・エンザイマテイツク・リアクシヨンズ:
ステレオケミストリー(Mechanisms of Enzymatic Reac
tions:Stereochemistry),ピー・エー・フレイ(P.A.F
rey)編,エルセビア・サイエンス・パブリツシング・
コ・インク(Elsevier Science Publishing Co.,Inc.)
22−24頁(1986年)と一致した。更に,このようにして
得たNAD2H(2H)をHに特異的な前記アラニン脱水
素酵素を塩化アンモニウムとピルビン酸の存在下に反応
させると2Hがアラニンに取り込まれることも確認でき
た。
このように,本発明により極めて効率的に立体特異的に
NAD2Hが製造できることが判明した。
実施例2 実施例1の重水の代わりに三重水を用いて実施例1と同
様の実験を行ったところ,12時間反応後にNAD3H(3H
が添加NAD+に対し94%の収率で得られることが判明し
た。
なお,得られたNAD3Hの純度検定は実施例1と同様にし
て行った。
実施例3 グルタミン酸ラセマーゼをペデイオコツカス・ペントサ
セウスIFO 3182から,超音波破砕,ポリエチレンイミン
による除核酸,硫酸アンモニウム分画の後,公知文献ア
グリカルチユラル・バイオロジカル・ケミストリー(Ag
ricultural Biological Chemistry)50巻,2823−2830頁
1986年)に従って,ブチルトヨパールクロマトグラフイ
ー(東洋曹達工業製),セルロフアインGCL−2000クロ
マトグラフイー(チツソ製),TSK−DEAE 5PW高速液体ク
ロマトグラフイー(東洋曹達工業製),MonoQ(フアルマ
シア社製)カラムを装備した高速液体クロマトグラフイ
ー,TSK−フエニル5PWクロマトグラフイー(東洋曹達工
業製),を経て精製した。グルタミン酸脱水素酵素は市
販品(プロテウス属由来,東洋紡績社製)を使用した。
また,タウリン:α−ケトグルタル酸トランスアミナー
ゼをシユードモナス・プチダIFO 3738から,公知文献バ
イオケミカル・アンド・バイオフイジカル・レサーチ・
コミニユケーシヨンズ(Biochemical and Biophysical
Research Communications)46巻,1374〜1379頁(1972
年)に従って,酸化アルミニウム粉末による菌体破砕と
超音波破砕後,DEAE−セルロースクロマトグラフイー,
セフアデツクスG−150クロマトグラフイー(フアルマ
シア社製),硫酸アンモニウム分画,セフアデツクスG
−150クロマトグラフイー(フアルマシア社製)を経て
精製した。
前記の如く精製したグルタミン酸ラセマーゼ600ユニツ
ト,グルタミン酸脱水素酵素2ユニツト,タウリン:α
−ケトグルタル酸トランスアミナーゼ10ユニツトを,す
べて重水で調製した80mMDL−グルタミン酸,12.5mM NA
D+,ヒポタウリン25mM,2mMピリドキサール−5′−リン
酸を含有する100mMグリシン−KCl−KOH緩衝液(pH9.0)
の反応液100mlに加え,37℃で10時間反応させた。反応液
を除蛋白後,Mono Q(フアルマシア社製)カラムを装備
した高速液体クロマトグラフイーに供し,水と0.5M NH4
HCO3の間の直線グラジエントで溶出した。目的のNAD2H
はNH4HCO3濃度150mM付近に溶出した。このものの添加NA
Dに対する収率は340nmの吸光度の検量線から94%であっ
た。また,実施例1と同様の公知文献との比較から,こ
のNAD2HはNAD2H(2H)であることが判明した。更にこ
のようにして得たNAD2H(2H)をHに特異的な前記
グルタミン酸脱水素酵素を塩化アンモニウムとα−ケト
グルタル酸の存在下に反応させると2Hがグルタミン酸に
取り込まれることも確認できた。
このように,本発明により極めて効率的に立体特異的に
NAD2Hが製造できることが判明した。
実施例4 実施例3の重水の代りに三重水を用いて実施例3と同様
の実験を行ったところ,10時間反応後にNAD3H(3H)が
添加NAD+に対し90%の収率で得られることが判明した。
なお得られたNAD3Hの純度検定は実施例3と同様にして
行った。
比較例1 前記の如く,アミノ酸の不斉炭素に2Hあるいは3Hを特異
的に導入することは困難なため,2位と3位の炭素に3Hを
標識したL−グルタミン酸を購入した(デユ・ポン製,
第一化学薬品販売)。この化合物100mM,12.5mM NAD+
含む100mMグリシンKCl−KOH緩衝液(pH9.0)の反応液1m
lに市販グルタミン酸脱水素酵素2ユニツトを加え,12時
間反応させた。生成NAD3Hの添加NAD+に対する収率は僅
か25%であった。
グルタミン酸脱水素酵素は高pHほど反応がNADH生成方向
にかたよっているため,反応液のpHを10.5に上昇させて
同様に反応させたが,生成NAD3Hの添加NAD+に対する収
率は30%とほとんど上昇しなかった。これはNAD3Hが高p
Hで不安定となって分解するためと推測される。
このように,従来法では立体特異的なNAD3Hの生成効率
は悪いことが判明した。
参考例1 実施例2と実施例4で得たNAD3H(3H)とNAD3H(3H
を用いて市販酵母由来アルコール脱水素酵素(ベーリン
ガー・マンハイム山之内社製)の立体特異性を調べた。
すなわち,アセトアルデヒド50mM,NAD3H2mMを含む100mM
グリシン−KCl−KOH緩衝液(pH10)中で反応させ,生成
するエタノールに3Hが取り込まれるか否かを放射活性で
調べた。
その結果,NAD3H(3H)を用いた時のみエタノール3Hが
取り込まれることが判り,アルコール脱水素酵素がNAD3
HのプロキラルなRに特異的であることが示された。
(発明の効果) 本発明によれば,従来大量調製が困難であった立体特異
的なNAD2HあるいはNAD3Hが極めて効率的に,大量に調製
することができる。
これにより,工業的規模での調製が可能となり,生化学
的方面では従来不明であった種々の脱水素酵素の立体化
学が明らかになり,脱水素酵素の分子進化を解明するこ
とが可能となる。また,医学方面では大量にNAD2Hある
いはNAD3Hの入手が可能となることで医療面での進展が
期待される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重水あるいは三重水中で,アミノ酸,ニコ
    チンアミドアデニンジヌクレオチド,ヒポタウリン,ア
    ミノ酸ラセマーゼ,アミノ酸脱水素酸素及びω−アミノ
    酸トランスアミナーゼを混合してニコチンアミドアデニ
    ンジヌクレオチドのジヒドロピリジン核の4位の炭素に
    立体特異的に重水素あるいは三重水素を導入することを
    特徴とする標識された還元型ニコチンアミドアデニンジ
    ヌクレオチドの製造法。
JP5243687A 1987-03-06 1987-03-06 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの製造法 Expired - Lifetime JPH0698013B2 (ja)

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EP3524684A1 (en) * 2018-02-12 2019-08-14 Oxford University Innovation Ltd. Method for producing a deuterated or tritiated nad(p)h

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