JPH069770A - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents
ポリカーボネートの製造法Info
- Publication number
- JPH069770A JPH069770A JP21711191A JP21711191A JPH069770A JP H069770 A JPH069770 A JP H069770A JP 21711191 A JP21711191 A JP 21711191A JP 21711191 A JP21711191 A JP 21711191A JP H069770 A JPH069770 A JP H069770A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate
- melt
- transesterification
- inert gas
- polycarbonate resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】2価ヒドロキシ化合物とビスアリールカーボネ
ートをエステル交換法により、溶融重縮合させ、ポリカ
ーボネートを製造する方法において、着色の少ない高分
子量のポリカーボネートを製造する。 【構成】高分子量化した溶融ポリカーボネート樹脂を不
活性ガス気流下で冷却する。 【効果】着色の少ないポリカーボネートの製造法を提供
する。
ートをエステル交換法により、溶融重縮合させ、ポリカ
ーボネートを製造する方法において、着色の少ない高分
子量のポリカーボネートを製造する。 【構成】高分子量化した溶融ポリカーボネート樹脂を不
活性ガス気流下で冷却する。 【効果】着色の少ないポリカーボネートの製造法を提供
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネートの製
造法に関し、特に着色の少ない高分子量のポリカーボネ
ートが得られるポリカーボネートの製造法に関する。
造法に関し、特に着色の少ない高分子量のポリカーボネ
ートが得られるポリカーボネートの製造法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカー
ボネートは、幅広い用途、特に射出成形用または窓ガラ
スの代わりのガラスシートとしての用途を有する汎用エ
ンジニアリングサーモプラスチックスである。
ボネートは、幅広い用途、特に射出成形用または窓ガラ
スの代わりのガラスシートとしての用途を有する汎用エ
ンジニアリングサーモプラスチックスである。
【0003】従来よりこれらポリカーボネートの製造に
は界面重縮合法やエステル交換法等が適用されている。
界面重縮合法は、一般的にポリカーボネートの製造に効
果的であるが、有毒なホスゲンを使用することや塩素イ
オンが生成するポリカーボネートに残存することなどの
欠点を有する。
は界面重縮合法やエステル交換法等が適用されている。
界面重縮合法は、一般的にポリカーボネートの製造に効
果的であるが、有毒なホスゲンを使用することや塩素イ
オンが生成するポリカーボネートに残存することなどの
欠点を有する。
【0004】これらの欠点を解消するために、有毒なホ
スゲンの代わりにホスゲンのダイマーである液体のトリ
クロロメチルクロロホルメートを用いて特殊な2価フェ
ノールと界面重縮合反応させてポリカーボネートを製造
する方法が特開昭63−182336号公報に開示され
ている。
スゲンの代わりにホスゲンのダイマーである液体のトリ
クロロメチルクロロホルメートを用いて特殊な2価フェ
ノールと界面重縮合反応させてポリカーボネートを製造
する方法が特開昭63−182336号公報に開示され
ている。
【0005】しかしながら、特殊な2価フェノールとし
て9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
類についての記載があるのみである。また、有毒なホス
ゲンの代わりにトリホスゲンを用いて2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンからポリカーボネート
を得る方法がAngew.Chem.(アンゲバンテ.
ヘミー)99.922(1987),ドイツ特許DE3
440141号明細書に記載されているが、ホスゲンが
発生する反応機構も提唱されている。
て9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
類についての記載があるのみである。また、有毒なホス
ゲンの代わりにトリホスゲンを用いて2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンからポリカーボネート
を得る方法がAngew.Chem.(アンゲバンテ.
ヘミー)99.922(1987),ドイツ特許DE3
440141号明細書に記載されているが、ホスゲンが
発生する反応機構も提唱されている。
【0006】エステル交換反応においては、ジフェニル
カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物にエステル交
換触媒を加えて、加熱減圧下、フェノールを留出させな
がらプレポリマーを合成し、最終的に高真空下、290
℃以上に加熱してフェノールを留出させて高分子量のポ
リカーボネートを得ている(米国特許 4345062
号明細書)が、高分子量のポリカーボネートは他のエン
ジニアリングプラスチックスと異なって、溶融粘度が極
めて大きいので、反応条件として290℃以上の高温を
必要とし、また、沸点の高いフェノールを留去させるた
めに高真空(10-2Torr)を必要とするため、設備
の面からも工業化は難しく、さらに生成するポリカーボ
ネートの色相や物性に好ましくない影響を及ぼすことが
知られている。
カーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物にエステル交
換触媒を加えて、加熱減圧下、フェノールを留出させな
がらプレポリマーを合成し、最終的に高真空下、290
℃以上に加熱してフェノールを留出させて高分子量のポ
リカーボネートを得ている(米国特許 4345062
号明細書)が、高分子量のポリカーボネートは他のエン
ジニアリングプラスチックスと異なって、溶融粘度が極
めて大きいので、反応条件として290℃以上の高温を
必要とし、また、沸点の高いフェノールを留去させるた
めに高真空(10-2Torr)を必要とするため、設備
の面からも工業化は難しく、さらに生成するポリカーボ
ネートの色相や物性に好ましくない影響を及ぼすことが
知られている。
【0007】着色の原因として、2価のヒドロキシ化合
物の熱分解により生成する化合物に帰因し、さらに熱分
解時の重量損失は、真空下よりも酸素存在下の方が速い
ということが、ジャーナル オブ ポリマー サイエン
ス : パートエイ ボリューム2 2859(196
4)[Journal of Polmer Science:PARTA VOL2 2859(19
64) ]に記載されている。また、エンサイクロペディア
オブ ポリマー サイエンス アンド エンジニアリ
ング,11,684(1988)[Encyclopediaof Pol
ymer Science and Engineering,11,648(1988)]にはポ
リカーボネート骨格内に存在するメチル基が、酸素存在
下酸化され、ハイドロパーオキサイドとなりさらにこれ
が分解して生成するアリルアルコキシラジカルにより骨
格切断、分子量低下がおこることが記載されている。
物の熱分解により生成する化合物に帰因し、さらに熱分
解時の重量損失は、真空下よりも酸素存在下の方が速い
ということが、ジャーナル オブ ポリマー サイエン
ス : パートエイ ボリューム2 2859(196
4)[Journal of Polmer Science:PARTA VOL2 2859(19
64) ]に記載されている。また、エンサイクロペディア
オブ ポリマー サイエンス アンド エンジニアリ
ング,11,684(1988)[Encyclopediaof Pol
ymer Science and Engineering,11,648(1988)]にはポ
リカーボネート骨格内に存在するメチル基が、酸素存在
下酸化され、ハイドロパーオキサイドとなりさらにこれ
が分解して生成するアリルアルコキシラジカルにより骨
格切断、分子量低下がおこることが記載されている。
【0008】溶融エステル交換法においては、不活性ガ
スで系内を置換後、高真空下、重合反応を進行させるこ
とは、すでに公知であるが、反応終了後の樹脂の取扱い
については、触れられたものはなかった。溶融エステル
交換法では、反応装置から空気中に排出される樹脂は、
高温、溶融状態であるため、空気と接触している表面が
ただちに酸化分離及び着色し、ひいては樹脂の物性低下
を招くという問題点があった。
スで系内を置換後、高真空下、重合反応を進行させるこ
とは、すでに公知であるが、反応終了後の樹脂の取扱い
については、触れられたものはなかった。溶融エステル
交換法では、反応装置から空気中に排出される樹脂は、
高温、溶融状態であるため、空気と接触している表面が
ただちに酸化分離及び着色し、ひいては樹脂の物性低下
を招くという問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来より
エステル交換反応によるポリカーボネートの製造法の課
題の一つである樹脂の着色について研究した結果、反応
終了後の樹脂の着色及び分解を防止するため、溶融樹脂
を不活性ガスに接触させるという方法を見出だした。特
に、溶融樹脂の温度より低い温度の不活性ガスを溶融樹
脂に吹き付けることにより、樹脂表面を酸化反応を進行
させない温度にまで冷却し、着色防止できるということ
を見出だし本発明を完成するに至った。
エステル交換反応によるポリカーボネートの製造法の課
題の一つである樹脂の着色について研究した結果、反応
終了後の樹脂の着色及び分解を防止するため、溶融樹脂
を不活性ガスに接触させるという方法を見出だした。特
に、溶融樹脂の温度より低い温度の不活性ガスを溶融樹
脂に吹き付けることにより、樹脂表面を酸化反応を進行
させない温度にまで冷却し、着色防止できるということ
を見出だし本発明を完成するに至った。
【0010】本発明に使用する不活性ガスとして、窒
素、ヘリウム、アルゴンが挙げられる。使用する不活性
ガスの温度は、好ましくは、−20℃〜280℃であ
り、より好ましくは、0℃〜200℃である。
素、ヘリウム、アルゴンが挙げられる。使用する不活性
ガスの温度は、好ましくは、−20℃〜280℃であ
り、より好ましくは、0℃〜200℃である。
【0011】さらに、溶融樹脂の排出口に、窒素気流に
よる冷却筒を設け、その中を溶融樹脂が流れる間に樹脂
を冷却するという工程を新たに設けた。これにより、樹
脂の酸化による着色を防止することが可能となった。
よる冷却筒を設け、その中を溶融樹脂が流れる間に樹脂
を冷却するという工程を新たに設けた。これにより、樹
脂の酸化による着色を防止することが可能となった。
【0012】本発明に使用し得るエステル交換触媒の代
表例としては、(a)金属を含んだ触媒に類する触媒と
して、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウ
ム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ルビジウム、
水素化ホウ素セシウム、水素化ホウ素ベリリウム、水素
化ホウ素マグネシウム、水素化ホウ素カルシウム、水素
化ホウ素ストロンチウム、水素化ホウ素バリウム、水素
化ホウ素アルミニウム、水素化ホウ素チタニウム、水素
化ホウ素スズ、水素化ホウ素ゲルマニウム、テトラフェ
ノキシリチウム、テトラフェノキシナトリウム、テトラ
フェノキシカリウム、テトラフェノキシルビジウム、テ
トラフェノキシセシウム、チオ硫酸ナトリウム、酸化ベ
リリウム、酸化マグネシウム、酸化スズ(4価)、ジブ
チルスズオキシド、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化ゲルマニウム、酢酸ベリリウム、酢酸マグ
ネシウム、酢酸スズ(4価)、酢酸ゲルマニウム、炭酸
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ベリリ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸スズ、(4価)、炭酸ゲ
ルマニウム、硝酸スズ(4価)、硝酸ゲルマニウム、三
酸化アンチモン、ビスマストリメチルカルボキシレート
等が挙げられる。
表例としては、(a)金属を含んだ触媒に類する触媒と
して、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウ
ム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ルビジウム、
水素化ホウ素セシウム、水素化ホウ素ベリリウム、水素
化ホウ素マグネシウム、水素化ホウ素カルシウム、水素
化ホウ素ストロンチウム、水素化ホウ素バリウム、水素
化ホウ素アルミニウム、水素化ホウ素チタニウム、水素
化ホウ素スズ、水素化ホウ素ゲルマニウム、テトラフェ
ノキシリチウム、テトラフェノキシナトリウム、テトラ
フェノキシカリウム、テトラフェノキシルビジウム、テ
トラフェノキシセシウム、チオ硫酸ナトリウム、酸化ベ
リリウム、酸化マグネシウム、酸化スズ(4価)、ジブ
チルスズオキシド、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化ゲルマニウム、酢酸ベリリウム、酢酸マグ
ネシウム、酢酸スズ(4価)、酢酸ゲルマニウム、炭酸
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ベリリ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸スズ、(4価)、炭酸ゲ
ルマニウム、硝酸スズ(4価)、硝酸ゲルマニウム、三
酸化アンチモン、ビスマストリメチルカルボキシレート
等が挙げられる。
【0013】(b)電子供与性アミン化合物に類する触
媒としては、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、
4−ジエチルアミノピリジン、4−アミノピリジン、2
−アミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メト
キシピリジン、4−メトキシピリジン、4−ヒドロキシ
ピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メト
キシイミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、アミ
ノキノリン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、
4−メチルイミダゾール、ジアザビシクロオクタン(D
ABCO)等が挙げられる。
媒としては、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、
4−ジエチルアミノピリジン、4−アミノピリジン、2
−アミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メト
キシピリジン、4−メトキシピリジン、4−ヒドロキシ
ピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メト
キシイミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、アミ
ノキノリン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、
4−メチルイミダゾール、ジアザビシクロオクタン(D
ABCO)等が挙げられる。
【0014】また、(c)上記電子供与性アミン化合物
の炭酸、酢酸、ギ酸、硝酸、亜硝酸、しゅう酸、フッ化
ホウ素酸、フッ化水素酸塩等が挙げられる。(d)電子
供与性リン化合物に類する触媒としては、トリエチルホ
スフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプ
ロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン、トリ−o−ジメトキシフェニルホ
スフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−ト
リルホスフィン、トリブチルホスファイト、トリフェニ
ルホスファイト、トリ−p−トリルホスファイト、トリ
−o−トリルホスファイト等が挙げられる。
の炭酸、酢酸、ギ酸、硝酸、亜硝酸、しゅう酸、フッ化
ホウ素酸、フッ化水素酸塩等が挙げられる。(d)電子
供与性リン化合物に類する触媒としては、トリエチルホ
スフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプ
ロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン、トリ−o−ジメトキシフェニルホ
スフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−ト
リルホスフィン、トリブチルホスファイト、トリフェニ
ルホスファイト、トリ−p−トリルホスファイト、トリ
−o−トリルホスファイト等が挙げられる。
【0015】さらに、(e)ボラン錯体に類する触媒と
しては、ボランと以下の化合物との錯体、すなわちアン
モニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、t−ブチルアミン、ジメチルアニリン、ピリ
ジン、ジメチルアミノピリジン、モルホリン、ピペラジ
ン、ピロール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフィ
ド、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、トリフェニルホスファイト等の錯体が挙げられ
る。
しては、ボランと以下の化合物との錯体、すなわちアン
モニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、t−ブチルアミン、ジメチルアニリン、ピリ
ジン、ジメチルアミノピリジン、モルホリン、ピペラジ
ン、ピロール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフィ
ド、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、トリフェニルホスファイト等の錯体が挙げられ
る。
【0016】また、本発明に用いられる2価ヒドロキシ
化合物としては、例えば、化学式1〜4で表される化合
物が挙げられる。具体的には、2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4´−ジ
ヒドロキシ−2,2,2−トリフェニルエタン、2,2
−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒド
ロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2
−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec.ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4
−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロ
パン、1,1´−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
p−ジイソプロピルベンゼン、1,1´−ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン等が挙げられる。さらに、これらの2種または3種
以上の2価のヒドロキシ化合物を組み合わせて共重合ポ
リカーボネートを製造することも可能である。
化合物としては、例えば、化学式1〜4で表される化合
物が挙げられる。具体的には、2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4´−ジ
ヒドロキシ−2,2,2−トリフェニルエタン、2,2
−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒド
ロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2
−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec.ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4
−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロ
パン、1,1´−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
p−ジイソプロピルベンゼン、1,1´−ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン等が挙げられる。さらに、これらの2種または3種
以上の2価のヒドロキシ化合物を組み合わせて共重合ポ
リカーボネートを製造することも可能である。
【0017】本発明の製造法は、上記に示すエステル交
換触媒の少なくとも1種を用いて、ビスフェノールAの
ような2価のヒドロキシ化合物をビスフェニルカーボネ
ートのようなビスアリールカーボネートと溶融重縮合反
応させることによって実施される。
換触媒の少なくとも1種を用いて、ビスフェノールAの
ような2価のヒドロキシ化合物をビスフェニルカーボネ
ートのようなビスアリールカーボネートと溶融重縮合反
応させることによって実施される。
【0018】この反応が進む温度は、100℃〜約30
0℃までの範囲である。反応温度としては、好ましくは
130℃〜280℃の範囲である。反応温度が130℃
未満であると反応速度が遅くなり、280℃を越えると
副反応が起こりやすくなる。触媒として選択された少な
くとも1種の化合物は、反応系中に存在する2価のヒド
ロキシ化合物に対して10-1モルから10-5モルを必要
とするが、好ましくは、10-2モルから10-4モルであ
る。触媒量が10-5モル未満であると触媒作用が少なく
ポリカーボネートの重合速度が遅くなり、また、触媒量
が10-1モル以上であると触媒として生成するポリカー
ボネートの残存する率が高くなるので、ポリカーボネー
トの物性低下を招く。
0℃までの範囲である。反応温度としては、好ましくは
130℃〜280℃の範囲である。反応温度が130℃
未満であると反応速度が遅くなり、280℃を越えると
副反応が起こりやすくなる。触媒として選択された少な
くとも1種の化合物は、反応系中に存在する2価のヒド
ロキシ化合物に対して10-1モルから10-5モルを必要
とするが、好ましくは、10-2モルから10-4モルであ
る。触媒量が10-5モル未満であると触媒作用が少なく
ポリカーボネートの重合速度が遅くなり、また、触媒量
が10-1モル以上であると触媒として生成するポリカー
ボネートの残存する率が高くなるので、ポリカーボネー
トの物性低下を招く。
【0019】ビスアリールカーボネートの必要量は、反
応系中に存在する2価ヒドロキシ化合物と当モルであ
る。一般に高分子量のポリカーボネートが生成するため
にはカーボネート化合物1モルと2価ヒドロキシ化合物
の1モルが反応しなければならない。ビスアリールカー
ボネートを用いた場合、ヒドロキシ化合物2モルが前記
反応によって生じる。これらの2モルのヒドロキシ化合
物は反応系外に留去される。工業的には、従来よりビス
アリールカーボネートをヒドロキシ化合物に対して1.
00〜1.10モルのビスアリールカーボネート過剰で
処理されている。以下に本発明を実施例について説明す
るが、本発明は、これらの実施例によって限定されるも
のではない。
応系中に存在する2価ヒドロキシ化合物と当モルであ
る。一般に高分子量のポリカーボネートが生成するため
にはカーボネート化合物1モルと2価ヒドロキシ化合物
の1モルが反応しなければならない。ビスアリールカー
ボネートを用いた場合、ヒドロキシ化合物2モルが前記
反応によって生じる。これらの2モルのヒドロキシ化合
物は反応系外に留去される。工業的には、従来よりビス
アリールカーボネートをヒドロキシ化合物に対して1.
00〜1.10モルのビスアリールカーボネート過剰で
処理されている。以下に本発明を実施例について説明す
るが、本発明は、これらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0020】
【実施例1】ビスフェノールA4566g(20.0モ
ル),ジフェニルカーボネート4392g(20.5モ
ル)と4−ジメチルアミノピリジン0.489g(0.
004モル)及び酢酸カリウム0.039g(0.00
04モル)を20リットル槽型攪拌槽に仕込み、窒素置
換後、180℃まで昇温し溶解した。次に、260℃ま
で徐々に昇温しながら2Torrまで減圧にし、副生す
るフェノールを留去し、粘度平均分子量15,000の
ポリカーボネートプレポリマーを得た。これを次に、2
80℃,0.2Torrにコントロールされたセルフク
リーニング二軸押出機に送り込み、さらに重合反応を行
った。反応終了後の溶融樹脂は、ギヤポンプを経由しダ
イスを通り、さらにダイスに直結した窒素気流冷却筒を
通ることにより室温の窒素で冷却され、最後に、ストラ
ンドはペレタイジングされた。得られたポリカーボネー
トの粘度平均分子量は25,000であった。粘度平均
分子量の測定方法は、20℃における塩化メチレン溶液
の固有粘度[η]をウベローデ粘度計を用いて測定し、
次式を用いて粘度平均分子量Mvを計算した。 [η]=1.11×10-4(Mv)0.82 また、色相は、目視で無色透明であり、UVでは380
nmにおける吸光度と580nmにおける吸光度の差は
A380 −A580 =0.07であった。
ル),ジフェニルカーボネート4392g(20.5モ
ル)と4−ジメチルアミノピリジン0.489g(0.
004モル)及び酢酸カリウム0.039g(0.00
04モル)を20リットル槽型攪拌槽に仕込み、窒素置
換後、180℃まで昇温し溶解した。次に、260℃ま
で徐々に昇温しながら2Torrまで減圧にし、副生す
るフェノールを留去し、粘度平均分子量15,000の
ポリカーボネートプレポリマーを得た。これを次に、2
80℃,0.2Torrにコントロールされたセルフク
リーニング二軸押出機に送り込み、さらに重合反応を行
った。反応終了後の溶融樹脂は、ギヤポンプを経由しダ
イスを通り、さらにダイスに直結した窒素気流冷却筒を
通ることにより室温の窒素で冷却され、最後に、ストラ
ンドはペレタイジングされた。得られたポリカーボネー
トの粘度平均分子量は25,000であった。粘度平均
分子量の測定方法は、20℃における塩化メチレン溶液
の固有粘度[η]をウベローデ粘度計を用いて測定し、
次式を用いて粘度平均分子量Mvを計算した。 [η]=1.11×10-4(Mv)0.82 また、色相は、目視で無色透明であり、UVでは380
nmにおける吸光度と580nmにおける吸光度の差は
A380 −A580 =0.07であった。
【0021】
【実施例2】実施例1と同様の方法で反応を行い、反応
終了後、窒素の代わりに室温のアルゴンで冷却を行っ
た。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は2
5,000であった。また、色相は、目視で無色透明で
あり、UVではA380 −A580 =0.08であった。
終了後、窒素の代わりに室温のアルゴンで冷却を行っ
た。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は2
5,000であった。また、色相は、目視で無色透明で
あり、UVではA380 −A580 =0.08であった。
【0022】
【実施例3】実施例1と同様の方法で反応を行い、反応
終了後、窒素の代わりに室温の窒素とヘリウムの混合気
体で冷却を行った。得られたポリカーボネートの粘度平
均分子量は25,000であった。また、色相は、目視
で無色透明であり、UVではA380 −A580 =0.07
であった。
終了後、窒素の代わりに室温の窒素とヘリウムの混合気
体で冷却を行った。得られたポリカーボネートの粘度平
均分子量は25,000であった。また、色相は、目視
で無色透明であり、UVではA380 −A580 =0.07
であった。
【0023】
【実施例4】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン2283g(50モル%),2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロ
パン3400g(50モル%),ジフェニルカーボネー
ト4392g(20.5モル)及び4−ジメチルアミノ
ピリジン0.489g(0.004モル)と窒素下18
0℃で2時間撹拌後、実施例1と同様の方法で重合し、
反応終了後、窒素にて冷却し、樹脂を取り出した。得ら
れたポリカーボネートの粘度平均分子量は22,000
であった。また、色相は、目視で無色透明であり、UV
ではA380 −A580 =0.07であった。
プロパン2283g(50モル%),2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロ
パン3400g(50モル%),ジフェニルカーボネー
ト4392g(20.5モル)及び4−ジメチルアミノ
ピリジン0.489g(0.004モル)と窒素下18
0℃で2時間撹拌後、実施例1と同様の方法で重合し、
反応終了後、窒素にて冷却し、樹脂を取り出した。得ら
れたポリカーボネートの粘度平均分子量は22,000
であった。また、色相は、目視で無色透明であり、UV
ではA380 −A580 =0.07であった。
【0024】
【比較例1】実施例1と同様な方法で反応を行い、反応
終了後、ダイスより直接、空気中へ溶融樹脂を排出し
た。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は2
4,000であった。また、色相は、目視で淡黄色透明
であり、UVではA380 −A580=1.18であった。
終了後、ダイスより直接、空気中へ溶融樹脂を排出し
た。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は2
4,000であった。また、色相は、目視で淡黄色透明
であり、UVではA380 −A580=1.18であった。
【0025】
【発明の効果】本発明により、着色のない無色透明な高
分子量ポリカーボネートを効率よく製造することができ
る。
分子量ポリカーボネートを効率よく製造することができ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】エステル交換触媒の存在下で2価ヒドロキ
シ化合物とビスアリールカーボネートをエステル交換法
により溶融重縮合させ、得られた溶融ポリカーボネート
樹脂を不活性ガスと接触させることを特徴とするポリカ
ーボネートの製造法。 - 【請求項2】エステル交換触媒の存在下で2価ヒドロキ
シ化合物とビスアリールカーボネートをエステル交換法
により溶融重縮合させ、得られた溶融ポリカーボネート
樹脂を不活性ガスと接触させる際、不活性ガスの温度が
該溶融ポリカーボネート樹脂よりも低温であることを特
徴とする請求項1記載のポリカーボネートの製造法。 - 【請求項3】エステル交換触媒の存在下で2価ヒドロキ
シ化合物とビスアリールカーボネートをエステル交換法
により溶融重縮合させ、得られた溶融ポリカーボネート
樹脂を不活性ガスと接触させる際、不活性ガスとして、
窒素、ヘリウム、アルゴンを使用することを特徴とする
請求項1または請求項2記載のポリカーボネートの製造
法。 - 【請求項4】エステル交換触媒の存在下で2価ヒドロキ
シ化合物とビスアリールカーボネートをエステル交換法
により溶融重縮合させ、得られた溶融ポリカーボネート
樹脂を実質的に酸素を含まない気体と接触させることを
特徴とするポリカーボネートの製造法。 - 【請求項5】エステル交換触媒の存在下で2価ヒドロキ
シ化合物とビスアリールカーボネートをエステル交換法
により溶融重縮合させ、得られた溶融ポリカーボネート
樹脂を実質的に酸素を含まない気体と接触させる際、実
質的に酸素を含まない気体の温度が該溶融ポリカーボネ
ート樹脂よりも低温であることを特徴とする請求項4記
載のポリカーボネートの製造法。 - 【請求項6】エステル交換触媒の存在下で2価ヒドロキ
シ化合物とビスアリールカーボネートをエステル交換法
により溶融重縮合させ、得られた溶融ポリカーボネート
樹脂を不活性ガスもしくは実質的に酸素を含まない気体
と接触させる工程を有することを特徴とするポリカーボ
ネートの製造法。 - 【請求項7】エステル交換触媒の存在下で2価ヒドロキ
シ化合物とビスアリールカーボネートをエステル交換法
により溶融重縮合させ、得られた溶融ポリカーボネート
樹脂を不活性ガスもしくは実質的に酸素を含まない気体
と接触させて得られる樹脂5gを塩化メチレン溶解して
50mlとした溶液のUV(紫外線吸収スペクトル)に
おける380nmの吸光度と580nmの吸光度の差が
0.1以下のポリカーボネート。 - 【請求項8】2価ヒドロキシ化合物が化学式1,2,3
または4で表される化合物である請求項1〜7記載のポ
リカーボネートの製造法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ水素原子、炭素数
1〜8の直鎖または枝分かれを含むアルキル基またはフ
ェニル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、n=0〜
4、m=1〜4である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21711191A JPH069770A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ポリカーボネートの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21711191A JPH069770A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ポリカーボネートの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069770A true JPH069770A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=16699026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21711191A Pending JPH069770A (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ポリカーボネートの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH069770A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169401A (ja) * | 1999-12-21 | 2008-07-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP21711191A patent/JPH069770A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169401A (ja) * | 1999-12-21 | 2008-07-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3396942B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 | |
US5168112A (en) | Process for the preparation of a polycarbonate with piperidinyl pyridine catalyst | |
JPH069770A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH047328A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH0488017A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP3772993B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP3099913B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH0517565A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH047329A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP2883433B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP2904300B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP3169245B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法及び製造装置 | |
JPH05140291A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH05125174A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP3098295B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP3098296B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP3117477B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JP3099912B2 (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH03265625A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH05125170A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH05125173A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH04106126A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH05140290A (ja) | ポリカ−ボネ−トの製造法 | |
JPH04332725A (ja) | ポリカーボネートの製造法 | |
JPH0415221A (ja) | ポリカーボネートの製造法 |