JPH0697495A - スーパールミネッセントダイオードおよびその製法 - Google Patents
スーパールミネッセントダイオードおよびその製法Info
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- JPH0697495A JPH0697495A JP24466292A JP24466292A JPH0697495A JP H0697495 A JPH0697495 A JP H0697495A JP 24466292 A JP24466292 A JP 24466292A JP 24466292 A JP24466292 A JP 24466292A JP H0697495 A JPH0697495 A JP H0697495A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 両端面から光出力が取り出せ、オートマチッ
ク・パワー・コントロールが容易であり、かつ製作の再
現性に優れたスーパールミネッセントデバイスを提供す
る。 【構成】 活性層3の上下を、該活性層よりもバンドギ
ャップエネルギが大きくかつ屈折率の小さい上部クラッ
ド層4、7および下部クラッド層2で挾んだ、化合物半
導体からなる電流狭さく型スーパールミネッセントダイ
オードで、後端面に非励起領域をもつ第1電流注入スト
ライプ13aおよび前端面に非励起領域をもつ第2電流ス
トライプ13bを有しており、前記第1および第2電流注
入ストライプは、一方のストライプが他方のストライプ
で発光された光を導波しにくいように同一直線上に配置
されていない。
ク・パワー・コントロールが容易であり、かつ製作の再
現性に優れたスーパールミネッセントデバイスを提供す
る。 【構成】 活性層3の上下を、該活性層よりもバンドギ
ャップエネルギが大きくかつ屈折率の小さい上部クラッ
ド層4、7および下部クラッド層2で挾んだ、化合物半
導体からなる電流狭さく型スーパールミネッセントダイ
オードで、後端面に非励起領域をもつ第1電流注入スト
ライプ13aおよび前端面に非励起領域をもつ第2電流ス
トライプ13bを有しており、前記第1および第2電流注
入ストライプは、一方のストライプが他方のストライプ
で発光された光を導波しにくいように同一直線上に配置
されていない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスーパールミネッセント
ダイオード(以下、SLDという)およびその製法に関
する。さらに詳しくは、光ファイバジャイロ、光セン
サ、光ディスクなどの光源として有用なインコヒーレン
ト光を、大きな強度と小さな放射角で放射できるSLD
およびその製法に関する。
ダイオード(以下、SLDという)およびその製法に関
する。さらに詳しくは、光ファイバジャイロ、光セン
サ、光ディスクなどの光源として有用なインコヒーレン
ト光を、大きな強度と小さな放射角で放射できるSLD
およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性層端面から大出力のインコヒーレン
ト光を取り出すSLDでは、ファブリペロ(FP)モー
ドによるレーザ発振を抑圧することが重要であり、従来
より、以下のようなSLD素子構造が提案されている。
ト光を取り出すSLDでは、ファブリペロ(FP)モー
ドによるレーザ発振を抑圧することが重要であり、従来
より、以下のようなSLD素子構造が提案されている。
【0003】すなわち、(1) 両端面に無反射コート(A
R (Anti Refrective)コート)30を形成し、反射率を低
減することによりFPモードを抑圧する方法(図5参
照)、(2) 素子の活性層の片側を非励起領域31とし、電
流注入領域で発光した光をこの領域で吸収し、等価的に
端面の反射率を低下させ、FPモードを抑圧する方法
(図6参照)、および(3) 曲り導波路32を用い、電流注
入領域で発光した光を端面で全反射させ、FPモードを
抑圧する方法(図7参照)などが提案されている。な
お、図5〜7で、33は電流注入ストライプ、30は無反射
コート、31は非励起領域である。
R (Anti Refrective)コート)30を形成し、反射率を低
減することによりFPモードを抑圧する方法(図5参
照)、(2) 素子の活性層の片側を非励起領域31とし、電
流注入領域で発光した光をこの領域で吸収し、等価的に
端面の反射率を低下させ、FPモードを抑圧する方法
(図6参照)、および(3) 曲り導波路32を用い、電流注
入領域で発光した光を端面で全反射させ、FPモードを
抑圧する方法(図7参照)などが提案されている。な
お、図5〜7で、33は電流注入ストライプ、30は無反射
コート、31は非励起領域である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、端面に
ARコートを形成する(1) の方法では、レーザ発振を抑
えるに充分な超低反射率のARコートを再現性よく形成
する必要があるが、製作が困難であるという問題があ
る。
ARコートを形成する(1) の方法では、レーザ発振を抑
えるに充分な超低反射率のARコートを再現性よく形成
する必要があるが、製作が困難であるという問題があ
る。
【0005】また、素子の活性層の片側を非励起領域と
する(2) の方法および曲り導波路を用いる(3) の方法で
は、光出力取出し端面でない方の端面からは、光出力を
ほとんどうることができず、オートマティック・パワー
・コントロール(APC)が難しいという欠点がある。
また、FPモードを充分に抑圧するためには素子のサイ
ズ(長さ)が大きくなってしまうという問題がある。
する(2) の方法および曲り導波路を用いる(3) の方法で
は、光出力取出し端面でない方の端面からは、光出力を
ほとんどうることができず、オートマティック・パワー
・コントロール(APC)が難しいという欠点がある。
また、FPモードを充分に抑圧するためには素子のサイ
ズ(長さ)が大きくなってしまうという問題がある。
【0006】本発明は、叙上の事情に鑑み、前記従来技
術の有する欠点が解消されたSLDを提供することを目
的とする。すなわち、本発明の目的は、両端面から光出
力が取り出せ、APCが容易であり、かつ製作の再現性
に優れたSLDを提供することおよび量産性に優れたS
LDの製法を提供することを目的とする。
術の有する欠点が解消されたSLDを提供することを目
的とする。すなわち、本発明の目的は、両端面から光出
力が取り出せ、APCが容易であり、かつ製作の再現性
に優れたSLDを提供することおよび量産性に優れたS
LDの製法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のSLDは、活性
層の上下を該活性層よりもバンドギャップエネルギが大
きく、かつ、屈折率の小さい上部クラッド層および下部
クラッド層で挾んだ、化合物半導体からなる電流狭さく
型スーパールミネッセントダイオードであって、後端面
に非励起領域をもつ第1電流注入ストライプおよび前端
面に非励起領域をもつ第2電流ストライプを有してお
り、前記第1および第2電流注入ストライプが、一方の
ストライプが他方のストライプで発光された光を導波し
にくいように同一直線上に配置されていないことを特徴
としている。
層の上下を該活性層よりもバンドギャップエネルギが大
きく、かつ、屈折率の小さい上部クラッド層および下部
クラッド層で挾んだ、化合物半導体からなる電流狭さく
型スーパールミネッセントダイオードであって、後端面
に非励起領域をもつ第1電流注入ストライプおよび前端
面に非励起領域をもつ第2電流ストライプを有してお
り、前記第1および第2電流注入ストライプが、一方の
ストライプが他方のストライプで発光された光を導波し
にくいように同一直線上に配置されていないことを特徴
としている。
【0008】本発明のSLDの製法は、(a) 半導体基板
上に、該半導体基板と同じ導電型の下部クラッド層、n
型、p型またはアンドープの活性層、前記半導体基板と
反対の導電型の上部第1クラッド層および前記半導体基
板と同じ導電型の電流ブロッキング層を順次積層する工
程、(b) 帯状開口部が千鳥状に配列されたマスクを用い
て、えられたウエハに電流ブロッキング層に達する電流
注入ストライプを形成する工程、(c) 電流注入ストライ
プが形成されたウエハ上に前記半導体基板と反対の導電
型の上部第2クラッド層およびキャップ層を順次積層す
る工程、(d) 半導体基板を所定厚さまで削る工程、(e)
ウエハの上面および下面にオーミック電極を形成する工
程、(f) 隣接する2つの電流注入ストライプの両方を含
むように前記ウエハを劈開してチップ化する工程、およ
び(g) えられたチップの両端面に保護膜または低反射率
コーティング膜を形成する工程からなることを特徴とし
ている。
上に、該半導体基板と同じ導電型の下部クラッド層、n
型、p型またはアンドープの活性層、前記半導体基板と
反対の導電型の上部第1クラッド層および前記半導体基
板と同じ導電型の電流ブロッキング層を順次積層する工
程、(b) 帯状開口部が千鳥状に配列されたマスクを用い
て、えられたウエハに電流ブロッキング層に達する電流
注入ストライプを形成する工程、(c) 電流注入ストライ
プが形成されたウエハ上に前記半導体基板と反対の導電
型の上部第2クラッド層およびキャップ層を順次積層す
る工程、(d) 半導体基板を所定厚さまで削る工程、(e)
ウエハの上面および下面にオーミック電極を形成する工
程、(f) 隣接する2つの電流注入ストライプの両方を含
むように前記ウエハを劈開してチップ化する工程、およ
び(g) えられたチップの両端面に保護膜または低反射率
コーティング膜を形成する工程からなることを特徴とし
ている。
【0009】
【作用】本発明のSLDにおいては、第1および第2の
電流注入ストライプが導波路として互いに独立してお
り、光出力取出しでない方の端面は非励起領域となって
いる。このためFPモードを充分に抑圧することがで
き、なおかつ前端面および後端面のそれぞれからインコ
ヒーレント光を発光させることができる。
電流注入ストライプが導波路として互いに独立してお
り、光出力取出しでない方の端面は非励起領域となって
いる。このためFPモードを充分に抑圧することがで
き、なおかつ前端面および後端面のそれぞれからインコ
ヒーレント光を発光させることができる。
【0010】また、本発明のSLDの製法では、帯状開
口部が千鳥状に配列されたマスクを用いて電流注入部を
形成し、チップ化に際し、隣接する2つの電流注入部の
一方の後部と他方の前部を含むように劈開しているの
で、劈開の位置精度がそれほど要求されない。
口部が千鳥状に配列されたマスクを用いて電流注入部を
形成し、チップ化に際し、隣接する2つの電流注入部の
一方の後部と他方の前部を含むように劈開しているの
で、劈開の位置精度がそれほど要求されない。
【0011】
【実施例】つぎに添付図面を参照しつつ本発明のSLD
を詳細に説明する。図1は本発明のSLDの一実施例の
説明図である。
を詳細に説明する。図1は本発明のSLDの一実施例の
説明図である。
【0012】図1において、1はn−GaAsからなる
半導体基板であり、該半導体基板1上にはn−Al0.6
Ga0.4 Asからなる厚さ1.0 〜3.0 μm程度の下部ク
ラッド層2、アンドープAl0.05Ga0.95Asからなる
厚さ0.04〜0.2 μm程度の活性層3、およびp−Al
0.6 Ga0.4 Asからなる厚さ0.2 〜0.5 μm程度の上
部第1クラッド層4が形成されている。そして、該上部
第1クラッド層4上には、さらに、n−GaAsからな
る厚さ0.2 〜1.0 μm程度の電流ブロッキング層5、n
−Al0.15Ga0.85Asからなる厚さ0.04〜0.2 μm程
度の蒸発防止層6、p−Al0.6 Ga0.4 Asからなる
厚さ1.0 〜3.0 μm程度の上部第2クラッド層7、およ
びp+ −GaAsからなる厚さ0.3 〜5.0 μm程度のキ
ャップ層8が形成されている。そして、活性層3は該活
性層よりバンドギャップエネルギが大きく、かつ、屈折
率の小さい上部第1クラッド層4および下部クラッド層
2で挟まれ、電流狭さく型SLDを構成している。この
電流ブロッキング層と活性層との距離は電流注入部の真
下に有効に電流を供給し、無効電流を少なくするため、
0.2 〜0.5 μm程度に形成され、電流ブロッキング層5
と活性層3とのあいだの上部クラッド層である上部第1
クラッド層4の比抵抗が0.01〜0.5 Ω・cmとされるのが
好ましい。
半導体基板であり、該半導体基板1上にはn−Al0.6
Ga0.4 Asからなる厚さ1.0 〜3.0 μm程度の下部ク
ラッド層2、アンドープAl0.05Ga0.95Asからなる
厚さ0.04〜0.2 μm程度の活性層3、およびp−Al
0.6 Ga0.4 Asからなる厚さ0.2 〜0.5 μm程度の上
部第1クラッド層4が形成されている。そして、該上部
第1クラッド層4上には、さらに、n−GaAsからな
る厚さ0.2 〜1.0 μm程度の電流ブロッキング層5、n
−Al0.15Ga0.85Asからなる厚さ0.04〜0.2 μm程
度の蒸発防止層6、p−Al0.6 Ga0.4 Asからなる
厚さ1.0 〜3.0 μm程度の上部第2クラッド層7、およ
びp+ −GaAsからなる厚さ0.3 〜5.0 μm程度のキ
ャップ層8が形成されている。そして、活性層3は該活
性層よりバンドギャップエネルギが大きく、かつ、屈折
率の小さい上部第1クラッド層4および下部クラッド層
2で挟まれ、電流狭さく型SLDを構成している。この
電流ブロッキング層と活性層との距離は電流注入部の真
下に有効に電流を供給し、無効電流を少なくするため、
0.2 〜0.5 μm程度に形成され、電流ブロッキング層5
と活性層3とのあいだの上部クラッド層である上部第1
クラッド層4の比抵抗が0.01〜0.5 Ω・cmとされるのが
好ましい。
【0013】電流ブロッキング層5には、電流注入領域
を形成する電流注入ストライプ13a、13bが形成され、
この電流注入ストライプ13a、13bは基板表面の段差に
現われているように、または図4に平面図が示されるよ
うに、同一直線上にはなく、ずれた位置に配置され、か
つ、一端側がSLDチップの両端にそれぞれ露出するよ
うに形成されている。その結果、おのおののストライプ
の下で発光した光が導波しにくいようになっている。こ
の2つの電流注入ストライプ13a、13bはそれぞれ同じ
長さになるように形成され、どちらの端面からの発光で
も利用できるようにすることもでき、一方だけを長くし
て他方は短かく形成することもできる。前者のばあいは
両方向に発光するので、SLDの向きを気にすることな
く使用勝手がよいという利点があり、後者のばあいは大
きい光出力を必要とするときに使用できる。いずれのば
あいにおいても電流注入ストライプがSLDの両端面に
露出しているため、後端面からの光をモニタ光として使
用するときに小型で便利である。また、半導体ウエハか
ら各チップに劈開するとき、図3に破線で示すように、
ストライプの途中で劈開することができ、ストライプの
端面と劈開面とを位置合わせする必要がなく、製造が容
易でかつ安定した性能のものがえられる。さらに、一直
線上に電流注入領域が形成されていないため、長い電流
注入領域を形成してもSLD素子を小型化できる。具体
例としては、たとえば250 μm×250μmの大きさのチ
ップで電流注入ストライプ13a、13bの長さはそれぞれ
125 μmで幅は6μm、両ストライプの間隔は1μmで
形成した。
を形成する電流注入ストライプ13a、13bが形成され、
この電流注入ストライプ13a、13bは基板表面の段差に
現われているように、または図4に平面図が示されるよ
うに、同一直線上にはなく、ずれた位置に配置され、か
つ、一端側がSLDチップの両端にそれぞれ露出するよ
うに形成されている。その結果、おのおののストライプ
の下で発光した光が導波しにくいようになっている。こ
の2つの電流注入ストライプ13a、13bはそれぞれ同じ
長さになるように形成され、どちらの端面からの発光で
も利用できるようにすることもでき、一方だけを長くし
て他方は短かく形成することもできる。前者のばあいは
両方向に発光するので、SLDの向きを気にすることな
く使用勝手がよいという利点があり、後者のばあいは大
きい光出力を必要とするときに使用できる。いずれのば
あいにおいても電流注入ストライプがSLDの両端面に
露出しているため、後端面からの光をモニタ光として使
用するときに小型で便利である。また、半導体ウエハか
ら各チップに劈開するとき、図3に破線で示すように、
ストライプの途中で劈開することができ、ストライプの
端面と劈開面とを位置合わせする必要がなく、製造が容
易でかつ安定した性能のものがえられる。さらに、一直
線上に電流注入領域が形成されていないため、長い電流
注入領域を形成してもSLD素子を小型化できる。具体
例としては、たとえば250 μm×250μmの大きさのチ
ップで電流注入ストライプ13a、13bの長さはそれぞれ
125 μmで幅は6μm、両ストライプの間隔は1μmで
形成した。
【0014】半導体基板1の裏面およびキャップ層8の
表面それぞれにAuGeNi/AuおよびTi/Auな
どからなるオーミック電極9および10がそれぞれ設けら
れている。また、図1における前端面および後端面には
Al2 O3 膜をλ/4の厚さに形成したり、さらにa−
Si膜などを多層化して低反射率コーティング膜11、12
がそれぞれ設けられている。この低反射率コーティング
膜を形成することにより、反射率を30%から4%位に低
下でき、さらに多層化することにより1%以下に低下で
きる。
表面それぞれにAuGeNi/AuおよびTi/Auな
どからなるオーミック電極9および10がそれぞれ設けら
れている。また、図1における前端面および後端面には
Al2 O3 膜をλ/4の厚さに形成したり、さらにa−
Si膜などを多層化して低反射率コーティング膜11、12
がそれぞれ設けられている。この低反射率コーティング
膜を形成することにより、反射率を30%から4%位に低
下でき、さらに多層化することにより1%以下に低下で
きる。
【0015】前記電流ブロッキング層5は、前記電流注
入ストライプ13a、13bを除いて、上部クラッド層中に
設けられ、電流注入ストライプの下の活性層のみで発光
させている。この電流ブロッキング層5は、前記半導体
基板1と同じ導電型であり、バンドギャップエネルギが
前記活性層3と等しいかまたは活性層3よりも小さく、
かつ、屈折率が同じく活性層3と等しいかまたは活性層
3よりも大きい。このため、電流注入ストライプ13a、
13bの下の活性層3で発光して端面と反対方向に進んだ
光は反射することなく、容易に電流ブロッキング層5に
入り込む。その結果、前記活性層3から端面と反対方向
に進んだ光は有効に吸収される。
入ストライプ13a、13bを除いて、上部クラッド層中に
設けられ、電流注入ストライプの下の活性層のみで発光
させている。この電流ブロッキング層5は、前記半導体
基板1と同じ導電型であり、バンドギャップエネルギが
前記活性層3と等しいかまたは活性層3よりも小さく、
かつ、屈折率が同じく活性層3と等しいかまたは活性層
3よりも大きい。このため、電流注入ストライプ13a、
13bの下の活性層3で発光して端面と反対方向に進んだ
光は反射することなく、容易に電流ブロッキング層5に
入り込む。その結果、前記活性層3から端面と反対方向
に進んだ光は有効に吸収される。
【0016】つぎに、本発明のSLDの製法について、
MBE法で作製するばあいを例にとって図2に基づき説
明する。
MBE法で作製するばあいを例にとって図2に基づき説
明する。
【0017】まず、n−GaAsからなる半導体基板1
の表面に厚さ1.5 μmのn−Al0.6 Ga0.4 Asから
なる下部クラッド層2、厚さ0.08μmのアンドープAl
0.05Ga0.95Asからなる活性層3、厚さ0.4 μmのp
−Al0.6 Ga0.4 Asからなる上部第1クラッド層
4、厚さ0.3 μmのn−GaAsからなる電流ブロッキ
ング層5、厚さ0.07μmのn−Al0.15Ga0.85Asか
らなる蒸発防止層6、および厚さ0.04μmのアンドープ
GaAsからなる表面保護層21を順次積層する(図2の
(a) 参照)。
の表面に厚さ1.5 μmのn−Al0.6 Ga0.4 Asから
なる下部クラッド層2、厚さ0.08μmのアンドープAl
0.05Ga0.95Asからなる活性層3、厚さ0.4 μmのp
−Al0.6 Ga0.4 Asからなる上部第1クラッド層
4、厚さ0.3 μmのn−GaAsからなる電流ブロッキ
ング層5、厚さ0.07μmのn−Al0.15Ga0.85Asか
らなる蒸発防止層6、および厚さ0.04μmのアンドープ
GaAsからなる表面保護層21を順次積層する(図2の
(a) 参照)。
【0018】本発明では電流ブロッキング層5のバンド
ギャップエネルギが活性層3のバンドギャップエネルギ
と等しいかまたはそれより小さく、かつ、電流ブロッキ
ング層5の屈折率が活性層3の屈折率と等しいかそれよ
りも大きくなるように形成されている。電流ブロッキン
グ層5や活性層3にAlx Ga1-x Asを使用すると、
xが小さいときバンドギャップエネルギは小さく、屈折
率は大きく、xが大きくなるとバンドギャップエネルギ
は大きくなり、屈折率は小さくなる。したがって電流ブ
ロッキング層に活性層よりxの小さい組成を使用するこ
とにより、前述の関係がえられる。
ギャップエネルギが活性層3のバンドギャップエネルギ
と等しいかまたはそれより小さく、かつ、電流ブロッキ
ング層5の屈折率が活性層3の屈折率と等しいかそれよ
りも大きくなるように形成されている。電流ブロッキン
グ層5や活性層3にAlx Ga1-x Asを使用すると、
xが小さいときバンドギャップエネルギは小さく、屈折
率は大きく、xが大きくなるとバンドギャップエネルギ
は大きくなり、屈折率は小さくなる。したがって電流ブ
ロッキング層に活性層よりxの小さい組成を使用するこ
とにより、前述の関係がえられる。
【0019】つぎに、図3に示されるような、帯状開口
部が千鳥状に配列されたマスクを用い、前述した第1回
結晶成長工程で積層したウエハに電流ブロッキング層5
に達する電流注入ストライプ溝(幅約6μm)をケミカ
ルエッチングにより形成する(図2の(b) 参照)。その
際、Alを含むクラッド層が空気中で酸化されるのを防
止し、後述の蒸発速度の差を利用して蒸発により除去す
るため電流ブロッキング層5のうち下部の 0.1μm程度
を残すようにする。
部が千鳥状に配列されたマスクを用い、前述した第1回
結晶成長工程で積層したウエハに電流ブロッキング層5
に達する電流注入ストライプ溝(幅約6μm)をケミカ
ルエッチングにより形成する(図2の(b) 参照)。その
際、Alを含むクラッド層が空気中で酸化されるのを防
止し、後述の蒸発速度の差を利用して蒸発により除去す
るため電流ブロッキング層5のうち下部の 0.1μm程度
を残すようにする。
【0020】つぎに、前記ウエハを再びMBE装置内に
入れ、GaAsとAlGaAsとの蒸発速度の差を利用
し、GaAsだけを選択的に蒸発させる(図2の(c) 参
照)。この熱エッチング工程の温度は約 760℃で処理時
間は約10分である。そしてGaAsの蒸発速度は 760℃
で 1.2μm/hであるのに対し、Al0.15Ga0.85As
の蒸発速度は 760℃で0.01μm/h以下であるので、G
aAsのみ選択的に蒸発する。この工程により、表面が
酸化されていないきれいなクラッド層が現われる。
入れ、GaAsとAlGaAsとの蒸発速度の差を利用
し、GaAsだけを選択的に蒸発させる(図2の(c) 参
照)。この熱エッチング工程の温度は約 760℃で処理時
間は約10分である。そしてGaAsの蒸発速度は 760℃
で 1.2μm/hであるのに対し、Al0.15Ga0.85As
の蒸発速度は 760℃で0.01μm/h以下であるので、G
aAsのみ選択的に蒸発する。この工程により、表面が
酸化されていないきれいなクラッド層が現われる。
【0021】ついでウエハ温度を 580℃まで下げ、第2
回の結晶成長工程により、厚さ 1.2μmのp−Al0.6
Ga0.4 Asからなる上部第2クラッド層7および厚さ
1.2μmのp+ −GaAsからなるキャップ層8を前記
ウエハ上に積層する(図2の(d) 参照)。
回の結晶成長工程により、厚さ 1.2μmのp−Al0.6
Ga0.4 Asからなる上部第2クラッド層7および厚さ
1.2μmのp+ −GaAsからなるキャップ層8を前記
ウエハ上に積層する(図2の(d) 参照)。
【0022】以上のように、1回のマスク工程と2回の
エピ工程だけでウエハ製造工程が終了する。このように
して製造されたウエハについてラッピングでn−GaA
s基板1を削り、厚さ60μm程度にする。そののち、ウ
エハの下面および上面にそれぞれAuGeNi/Auお
よびTi/Auなどを蒸着させて、オーミック電極9、
10を形成する。さらに、劈開でチップ化を行い、えられ
たチップの両端面にスパッタ法でAl2 O3 、a−Si
からなる低反射率コーティング膜11、12を形成する。な
お、チップ化に際しては、前述した帯状開口部が千鳥状
に配列されたマスクを用いて形成した電流注入ストライ
プのうち、隣接する2つの電流注入ストライプの一方の
後ろ半分と他方の前半分を含むように劈開している。こ
のため、劈開の位置精度がそれほど要求されず、量産性
に優れている。
エピ工程だけでウエハ製造工程が終了する。このように
して製造されたウエハについてラッピングでn−GaA
s基板1を削り、厚さ60μm程度にする。そののち、ウ
エハの下面および上面にそれぞれAuGeNi/Auお
よびTi/Auなどを蒸着させて、オーミック電極9、
10を形成する。さらに、劈開でチップ化を行い、えられ
たチップの両端面にスパッタ法でAl2 O3 、a−Si
からなる低反射率コーティング膜11、12を形成する。な
お、チップ化に際しては、前述した帯状開口部が千鳥状
に配列されたマスクを用いて形成した電流注入ストライ
プのうち、隣接する2つの電流注入ストライプの一方の
後ろ半分と他方の前半分を含むように劈開している。こ
のため、劈開の位置精度がそれほど要求されず、量産性
に優れている。
【0023】なお、前述した実施例では、結晶を成長さ
せる方法としてMBE法を用いているが、MBE法以外
にMOVPE法(有機金属気相成長法)、MOMBE法
(有機金属分子線成長法)などを用いることもできる。
せる方法としてMBE法を用いているが、MBE法以外
にMOVPE法(有機金属気相成長法)、MOMBE法
(有機金属分子線成長法)などを用いることもできる。
【0024】また、基板としてn型GaAsを用いた
が、p型でもよく、基板材料も他にInPやZnSeな
どを用いてもよい。さらに、成長させる膜は、AlGa
As系以外にAlGaInP系、InGaAsP系、Z
nCdSSe系などでもよい。さらに、Alx Ga1-x
AsでAlとGaの割合を特定値の例で説明したが、そ
の値に限らず、クラッド層では0.3 ≦x≦0.8 の範囲
で、活性層では0.0 ≦x≦0.3 の範囲で、電流ブロッキ
ング層では0.0 ≦x≦0.3 の範囲で特性に応じて自由に
選定できる。
が、p型でもよく、基板材料も他にInPやZnSeな
どを用いてもよい。さらに、成長させる膜は、AlGa
As系以外にAlGaInP系、InGaAsP系、Z
nCdSSe系などでもよい。さらに、Alx Ga1-x
AsでAlとGaの割合を特定値の例で説明したが、そ
の値に限らず、クラッド層では0.3 ≦x≦0.8 の範囲
で、活性層では0.0 ≦x≦0.3 の範囲で、電流ブロッキ
ング層では0.0 ≦x≦0.3 の範囲で特性に応じて自由に
選定できる。
【0025】さらに、活性層をアンドープの例で説明し
たが、p型やn型でもよい。また、ストライプもストラ
イプ溝以外の構成でもよい。
たが、p型やn型でもよい。また、ストライプもストラ
イプ溝以外の構成でもよい。
【0026】また、前記実施例では、熱エッチングで電
流ブロッキング層のエッチングを完全に行ったが、熱エ
ッチング工程を行わないばあいは、蒸発防止層6や表面
保護層21は不要である。
流ブロッキング層のエッチングを完全に行ったが、熱エ
ッチング工程を行わないばあいは、蒸発防止層6や表面
保護層21は不要である。
【0027】なお、光出力の強さについて、前後の比率
を変えたいばあいは、劈開の位置を変更すればよい。
を変えたいばあいは、劈開の位置を変更すればよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のSLDに
おいては、第1電流ストライプと第2電流注入ストライ
プは導波路として互いに独立しており、光出力取り出し
でない端面は非励起領域となっている。このため、FP
モードを充分に抑圧することができ、なおかつ、素子の
後端面からAPC動作に必要な光を発光させることがで
きる。
おいては、第1電流ストライプと第2電流注入ストライ
プは導波路として互いに独立しており、光出力取り出し
でない端面は非励起領域となっている。このため、FP
モードを充分に抑圧することができ、なおかつ、素子の
後端面からAPC動作に必要な光を発光させることがで
きる。
【0029】また、本発明の製法では、帯状開口部が千
鳥状に配列されたマスクを用いて電流注入ストライプを
形成し、隣接する電流注入ストライプの前部と後部を含
むように劈開してチップをえているため、劈開の位置精
度がそれほど要求されず、量産性がよい。また、チップ
を自動機で組み立てるときにチップの向きを気にしなく
てよいので組立作業が容易になる。さらに電流注入領域
と光吸収機能をもつ非励起領域をマスク1回の工程だけ
で作製することができ、その他の工程は変わらないので
製造が容易である。
鳥状に配列されたマスクを用いて電流注入ストライプを
形成し、隣接する電流注入ストライプの前部と後部を含
むように劈開してチップをえているため、劈開の位置精
度がそれほど要求されず、量産性がよい。また、チップ
を自動機で組み立てるときにチップの向きを気にしなく
てよいので組立作業が容易になる。さらに電流注入領域
と光吸収機能をもつ非励起領域をマスク1回の工程だけ
で作製することができ、その他の工程は変わらないので
製造が容易である。
【図1】本発明のSLDの一実施例の説明図である。
【図2】本発明のSLDの一実施例の製造工程説明図で
ある。
ある。
【図3】本発明のSLDの製造に用いられるマスクの部
分平面図である。
分平面図である。
【図4】本発明のSLDの電流注入ストライプをを示す
平面説明図である。
平面説明図である。
【図5】従来のSLDの断面説明図である。
【図6】従来のSLDの断面説明図である。
【図7】従来のSLDの断面説明図である。
1 半導体基板 2 下部クラッド層 3 活性層 4 上部第1クラッド層 5 電流ブロッキング層 7 上部第2クラッド層 11、12 低反射率コーティング膜 13a、13b 電流注入ストライプ
Claims (3)
- 【請求項1】 活性層の上下を該活性層よりもバンドギ
ャップエネルギが大きく、かつ、屈折率の小さい上部ク
ラッド層および下部クラッド層で挾んだ、化合物半導体
からなる電流狭さく型スーパールミネッセントダイオー
ドであって、後端面に非励起領域をもつ第1電流注入ス
トライプおよび前端面に非励起領域をもつ第2電流スト
ライプを有しており、 前記第1および第2電流注入ストライプが、一方のスト
ライプが他方のストライプで発光された光を導波しにく
いように同一直線上に配置されていないことを特徴とす
るスーパールミネッセントダイオード。 - 【請求項2】 バンドギャップエネルギが前記活性層と
等しいかまたは前記活性層よりも小さく、かつ、屈折率
が前記活性層と等しいかまたは前記活性層よりも大きい
吸収層が、前記非励起領域において、前記活性層に近接
して設けられてなる請求項1記載のスーパールミネッセ
ントダイオード。 - 【請求項3】 (a) 半導体基板上に、該半導体基板と同
じ導電型の下部クラッド層、n型、p型またはアンドー
プの活性層、前記半導体基板と反対の導電型の上部第1
クラッド層および前記基板と同じ導電型の電流ブロッキ
ング層を順次積層する工程、 (b) 帯状開口部が千鳥状に配列されたマスクを用いて、
えられたウエハに電流ブロッキング層に達する電流注入
ストライプを形成する工程、 (c) 電流注入ストライプが形成されたウエハ上に前記半
導体基板と反対の導電型の上部第2クラッド層およびキ
ャップ層を順次積層する工程、 (d) 半導体基板を所定厚さまで削る工程、 (e) ウエハの上面および下面にオーミック電極を形成す
る工程、 (f) 隣接する2つの電流注入ストライプの両方を含むよ
うに前記ウエハを劈開してチップ化する工程、および (g) えられたチップの両端面に保護膜または低反射率コ
ーティング膜を形成する工程からなることを特徴とする
スーパールミネッセントダイオードの製法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24466292A JP2726601B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | スーパールミネッセントダイオードおよびその製法 |
US08/394,034 US5574304A (en) | 1992-09-14 | 1995-02-24 | Superluminescent diode with offset current injection regions |
US08/671,366 US5981978A (en) | 1992-09-14 | 1996-06-27 | Superluminescent diode and method for manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24466292A JP2726601B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | スーパールミネッセントダイオードおよびその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0697495A true JPH0697495A (ja) | 1994-04-08 |
JP2726601B2 JP2726601B2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=17122090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24466292A Expired - Lifetime JP2726601B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | スーパールミネッセントダイオードおよびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2726601B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8934513B2 (en) | 1994-09-14 | 2015-01-13 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor light emitting device and manufacturing method therefor |
-
1992
- 1992-09-14 JP JP24466292A patent/JP2726601B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8934513B2 (en) | 1994-09-14 | 2015-01-13 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor light emitting device and manufacturing method therefor |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2726601B2 (ja) | 1998-03-11 |
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