JPH0697475A - 光起電力装置及びその製造方法 - Google Patents
光起電力装置及びその製造方法Info
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Abstract
一で且つ微細のものとする光起電力装置を提供すること
にある。 【構成】 基板(1)上の絶縁性セラミックス粒(2b)を含
有した絶縁膜(2)を使用し、斯る絶縁膜(2)上に光電変換
部を形成したことにあり、また、水素を含有した非晶質
シリコン材料にエネルギービームを照射したことにより
凹凸形状とし、その上に光電変換部を形成したことにあ
る。
Description
ルギーを電気エネルギーに変換する光起電力装置及びそ
の製造方法に関する。
光の殆どを吸収するかが問題となる。図6は、従来の光
起電力装置の素子構造図である。図中の(61)は、光起電
力装置の支持体となるガラスやセラミックス等からなる
基板、(62)は基板(61)上に形成された金属膜から成る背
面電極、(63)は背面電極(62)上に形成された非晶質シリ
コン膜を母材とする光電変換層、この光電変換層には膜
面に平行なpin接合が形成されている。(64)は光電変
換層(63)上に形成された光入射用の電極として機能する
透光性電極である。この光起電力装置では膜形成面側か
ら入射した光(65)を光電変換し電子と正孔とからなる光
キャリアとして取り出すこととなる。
の如き凹凸形状を基板(61)の表面に施すことで、入射し
た光の有効利用が図られている。即ち、透光性電極(64)
を経て入射した光(65)は、光電変換層(63)内を進行中、
順次吸収されていくものの、通常この光(65)は一度だけ
の進行ではこの光電変換層(63)に十分吸収されず、その
一部は光電変換層(64)を通過し背面電極(62)にまで至っ
てしまう。
状を施しておくと、この凹凸形状はその基板表面に被着
された背面電極(62)の表面にまでその凹凸状態を反映さ
せる結果、その背面電極(62)の表面に生じた凹凸形状が
効果的に光(65)を散乱反射させることとなり、再度この
光を光電変換層(63)内に走行させることとなる。特に、
この散乱反射された光の多くは、この光電変換層(63)の
膜内を斜めに走行することから、この光電変換層(63)内
を走行する距離がその光電変換層(63)の膜厚よりも実質
的に長くなり、より多くの光吸収が可能となる。
よって光起電力装置としての光電変換効率の向上、とり
わけ長波長光の吸収量が増加することによる、短絡電流
の増加が成し得る。斯る光起電力装置に関しては、例え
ば特開昭62−76569号等に詳細に記載されてい
る。
形状を備えた基板(61)を製造することは一般に幾つかの
困難を伴う。
るには、その凹凸形状の程度を微細なものとする必要が
ある一方、形成されたその凹凸形状の凸部はあまり鋭利
なものであってはならない。即ち、その凸部があまりに
も鋭利なものとなると、その後に形成される背面電極(6
2)や光電変換層(63)が極めて薄い膜であることからそれ
ら膜を均一な膜厚を保った状態で形成することが困難と
なり、更には、形成された膜の膜内応力が大きく残留し
てしまい、そもそも光起電力装置としての特性が十分に
得られないものとなってしまうからである。
基板表面への機械加工や、薬剤等による化学エッチング
によってなされることが多いが未だ幾つかの問題を有し
ていた。
を吸収するため、即ちより大きな出力を得るためにそも
そも大面積の装置として作製する必要があることから、
従来の上記方法によってしては、大面積に亘った均一で
且つ微細な凹凸形状を施すことはできなかった。
徴とするところは、その基板上に形成した絶縁性セラミ
ックス粒を含む絶縁膜に、背面電極、光電変換層及び透
光性電極を備えていることにあり、又、本発明光起電力
装置の製造方法の特徴とするところは、基板上に水素を
含有した非晶質シリコン膜を形成し、これにエネルギー
ビームを照射するとともに、該非晶質シリコン膜の表面
に、順次背面電極、光電変換層そして透光性電極を形成
することにある。
特徴とするところは、光電変換層を構成する一導電型半
導体が、水素を含有した非晶質シリコン膜にエネルギー
ビームを照射して成ることにある。
面を凹凸形状とするために、絶縁性セラミックス粒を含
む絶縁膜をその基板表面に設けることから、そのセラミ
ックス粒の大きさを予め特定しておくことによって、上
記凹凸形状の凹凸の程度を容易に制御することが可能と
なり、またその絶縁性セラミックスとして粒形のものを
使用することから、この絶縁性セラミックス粒によって
得られる、その凹凸形状の凸部が球状となり、その絶縁
膜の表面から鋭利に突出する虞がない。
ぜず、安定した光起電力特性を得ることができる。
ば、水素を含有する非晶質シリコン膜にエネルギービー
ムを照射することにより、この非晶質シリコン膜中に含
まれる水素が膜から噴出し、斯る噴出の際の圧力に因っ
てこの非晶質シリコン膜の厚みに局所的な大小ができる
こととなる。これにより、この非晶質シリコン膜が形成
された基板の表面には、光反射に適した微細な凹凸形状
を施すことができる。
を備えさせることにより、この非晶質シリコン膜を光電
変換層を構成する一導電型半導体とし得、更にはそのエ
ネルギービームを照射により、膜内のドーパントがより
活性化されることとなりキャリア取り出し用の電極と同
程度の導電特性を有することと成り、所謂電極材料とし
ても使用することができる。
の光入射側電極或いは背面電極を省略することができ、
特に、上記一導電型半導体を光入射側電極としても併せ
て機能させることで、従来の透明電極を使用する必要が
なくなることから、そもそもこの透明電極を用いたこと
による光損失を解消することができることとなり、光起
電力装置としての光電変換効率の向上を図ることが可能
となる。
の素子構造図である。図中の(1)はセラミックス等から
なる基板、(2)は絶縁材(2a)中に絶縁性セラミックス粒
(2b)を含む絶縁膜、(3)は絶縁膜(2)上に形成された銀等
からなる背面電極、(4)は当該光起電力装置の光電変換
層で、本例では非晶質シリコン膜を使用し、その構成と
してはn型非晶質シリコン(4n)、真性非晶質シリコン(4
i)そしてp型非晶質シリコン(4p)の三層構造から成る。
(5)は光入射側の酸化インジュウム錫や酸化錫等からな
る透光性電極である。
外は従来周知の材料であり、表1に上記光電変換層(4)
の代表的な形成条件を示す。
うに形成される。セラミックス粒(2b)として粒径約5μ
mのアルミナ粒を含むシリカ(SiO2)溶液を基板(1)の表
面に塗布した後、約500℃の温度で硬化させる。硬化
後の絶縁膜(2)の膜厚としては、0.5μm〜500μ
mが実用的な範囲である。また、セラミックス粒(2b)の
粒径としては、0.1μm〜10μmが代表的な範囲で
ある。
(2b)を包み込むようにその粒間を埋めると共に、上記硬
化後の絶縁膜(2)表面をセラミックス粒(2b)によって凹
凸化することができることとなる。
約20μmとなるように設計したが、本発明者等の実験
によればこの膜厚は0.5μm〜500μmの範囲にお
いて使用可能であることを確認している。又、本実施例
の場合にあってはこの絶縁膜の表面に生じる凹凸の程度
は約2μmとなった。
を示した表であり、同表には従来例光起電力装置のそれ
についても比較のために示してある。この従来例光起電
力装置としては、本願発明の特徴であるセラミックス粒
を含む絶縁膜に替え、シリカ単体からなる絶縁膜を使用
したこと以外は、全く同様の構造としている。
置は従来例光起電力装置と比較して短絡電流が20%以
上増加している。これは、本発明光起電力装置にあって
はセラミックス粒による光反射が効果的に生じている結
果、光吸収が有効に行われ短絡電流の増加が成し得たと
考えられる。
で使用した塗布法による形成のみならず、所謂プラズマ
溶射法によって形成された絶縁膜であってもよい。この
プラズマ溶射法とは、空中に噴出されたパウダ状原料を
プラズマによるエネルギーによって分解し、これを膜形
成のための材料とするものである。このプラズマ溶射法
については例えば特開平4−45521号に詳細に記載
されている。
ては、表3に示すような原材料及びガスを利用すること
によって前記第1の実施例と同様に絶縁膜を形成するこ
とができる。
アルミナ(Al2O3)の他にTiN,TiC等を使用す
ることができる。
明する。この実施例に於ける基板表面に凹凸形状を施す
方法は、水素を含有した非晶質シリコン膜にレーザビー
ム等のエネルギービームを照射することに因り、斯る水
素の膜中からの爆発的な噴出現象を生じさせ、これによ
り、その非晶質シリコン膜の表面に凹凸形状を施すもの
である。
中含有量と、その膜にエネルギービームを照射したこと
によるその凹凸の程度との関係を示したのが図2であ
る。横軸はエネルギービームとして利用したArFエキ
シマレーザのエネルギー密度であり、縦軸はその凹凸の
程度を示したもので、同図には膜中の水素含有量とし
て、(a)18%、(b)13%、(c)8%の3種類について
示している。尚、これら水素含有量の制御は、後述する
膜の形成温度を調整することによって行った。
量とエネルギー密度とが共に増加するにつれて、その凹
凸の程度は急速に大きくなる。特に18%の水素含有量
の場合にあってはエネルギー密度が200mJ/cm2
以上で急激に増加している。
との関係を示す特性図である。同図によれば、形成温度
200℃から500℃へと高温化するにつれて漸次減少
することが分かる。従って、この形成温度による膜中の
水素含有量の制御は極めて容易であり且つ再現性のよい
ものであることが分かる。
を施した光起電力装置の特性について説明する。図4
は、上記第2の実施例光起電力装置の特性を従来の光起
電力装置の特性と比較したもので、同図には夫々の光感
度特性を示している。本実施例光起電力装置(a)の具
体的な素子構造は、前述した第1の実施例光起電力装置
の絶縁膜(2)に替えて、エネルギービームの照射に因る
水素噴出で凹凸形状を施した非晶質シリコン膜を使用し
たこと以外、全く同様である。
は、その形成温度が約250℃とし、膜厚が約3000
Åの膜である。又、従来例光起電力装置(b)としては
表2における従来例光起電力装置と同様のもので評価し
た。
では、600nm〜800nmの長波長領域での光感度
が大きく向上しており、入射した光、とりわけ長波長光
を十分利用できていることから、水素噴出による凹凸形
状が良好に形成できていることが分かる。
図5に示す素子構造図に従って説明する。本実施例光起
電力装置の特徴とするところは、光電変換層を構成する
一導電型半導体として、エネルギービームの照射に起因
する水素噴出により凹凸形状が施された半導体を使用し
た点にある。従って、この導電性半導体は、その凹凸形
状によって、光の利用効率を高める役割を担うと共に、
光電変換機能を呈する光電変換層を構成する半導体膜と
しての役割も担うこととなる。
基板、(52)はアルミニウム等の金属からなる背面電極、
(53)は背面電極(52)上に形成された光電変換層で、この
層は主にn型の非晶質半導体(53n)、i型の非晶質半導
体(53i)、そしてp型の非晶質半導体(53p)の3層により
構成されている。(54)は光電変換層(53)上に積層形成さ
れた酸化インジュウムや酸化錫等からなる透明導電膜で
ある。光電変換層として使用した非晶質半導体として
は、プラズマCVD法によって成膜した非晶質シリコン
を使用している。
n型非晶質半導体(53n)として水素を含有する非晶質半
導体にレーザビーム等によるエネルギービームを照射す
ることによって、その表面に凹凸形状を施したことにあ
る。このn型非晶質半導体(52n)は、前述したノンドー
ピングの非晶質半導体と比べドーピングの有無という差
異はあるものの、そのレーザエネルギー密度と凹凸の程
度との関係(図3)については殆どノンドーピングのも
のと同様である。従って、エネルギービームの照射条件
は第2の実施例と同様としている。
ルギービーム照射を受けることによって、膜中の一部が
多結晶半導体化するが、この様な状態の膜についても本
願発明で言う一導電型半導体に含まれるものである。
件について表4に示す
装置とを比較した場合、光電変換効率において、後者が
約8%であるのに対して、前者は約10%と高い効率を
示すことを確認している。なお、この従来の光起電力装
置としては、n型非晶質半導体に凹凸形状のためのエネ
ルギービームを照射しなかったことのみを異にするもの
である。
構成として背面電極(52)を設けたが、本発明の特徴であ
るエネルギービームの照射によって形成された導電性半
導体を光電変換層を構成する半導体としての機能に加え
て、この背面電極としての機能を併せもつものとして利
用することもできる。即ち、これはそのエネルギービー
ムの照射により、その導電性半導体中のドーパントが非
常に活性化されることから、光電変換層としての導電性
半導体として機能すると共に、キャリアの取り出し用電
極としても機能することができることとなる。この場合
にあっては、上記第3の実施例におけるような背面電極
は不要となる。
晶質半導体を使用したが、本発明の効果は斯る半導体材
料に限られるものではなく、例えば多結晶半導体や単結
晶半導体の組合わせによって成る光電変換層であって
も、水素を含有した非晶質シリコン材料を使用する限り
全く同様に形成できる。更にはこの光電変換層として
は、実施例で利用したプラズマCVD法等によって形成
されたものだけに限られるものではなく、例えば固相成
長法等で形成されたものであってもよい。
ラミックス粒を含む絶縁膜を基板上に形成することで、
その基板表面にその絶縁性セラミックス粒の大きさを反
映した凹凸形状を備えさせることができることとなる。
特に、本発明においては、この絶縁性セラミックス粒の
粒間にその絶縁膜が埋まり、更にはこのセラミックス粒
の表面は薄いその絶縁膜が覆われることから、鋭利な突
出部がその基板表面に生じることを抑圧することができ
る。
基板表面の凹凸による歩留まりの低下が生じることがな
く、むしろ効率的な光反射に基づく光電変換効率の向上
が成し得る。
中の水素量が制御された非晶質シリコン材料にエネルギ
ービームの照射を行うことによって、所望の凹凸形状を
備えた基板あるいは一導電型半導体を製造することが可
能となる。このため、再現性のよい凹凸形状が出来ると
共に、その一導電型半導体を使用することで、従来の光
入射のための透明電極等を不要とすることかできる。
断面図である。
ビーム照射のエネルギー密度と、凹凸形状の程度を示す
特性図である。
の関係を示す特性図である。
感度特性図である。
面図である。
極 (4)…光電変換層 (5)…透光性
電極
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に形成された、絶縁性セラミック
ス粒を含む絶縁膜と、上記絶縁膜上に形成された背面電
極と、上記背面電極上に形成された半導体から成る光電
変換層と、上記光電変換層上に形成された透光性電極
と、を具備したことを特徴とする光起電力装置。 - 【請求項2】 基板上に水素を含有した非晶質シリコン
膜を形成する工程と、 上記非晶質シリコン膜に対して、エネルギービームを照
射する工程と、 上記非晶質シリコン膜上に背面電極を形成する工程と、 上記背面電極上に半導体から成る光電変換層を形成する
工程と、 上記光電変換層上に透光性電極を形成する工程と、 から成ることを特徴とする光起電力装置の製造方法。 - 【請求項3】 基板上に、一導電型半導体、光活性層及
び他導電型半導体から成る光電変換層を具備して成る光
起電力装置の製造方法に於て、 上記一導電型半導体が、水素を含有した非晶質シリコン
膜にエネルギービームの照射が施されて成ることを特徴
とする光起電力装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP24327192A JP3222945B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 光起電力装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24327192A JP3222945B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 光起電力装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0697475A true JPH0697475A (ja) | 1994-04-08 |
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Family
ID=17101390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24327192A Expired - Lifetime JP3222945B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 光起電力装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3222945B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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US7781668B2 (en) | 2004-03-25 | 2010-08-24 | Kaneka Corporation | Substrate for thin-film solar cell, method for producing the same, and thin-film solar cell employing it |
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