JPH069743B2 - 開先検出方法および装置 - Google Patents

開先検出方法および装置

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JPH069743B2
JPH069743B2 JP18629289A JP18629289A JPH069743B2 JP H069743 B2 JPH069743 B2 JP H069743B2 JP 18629289 A JP18629289 A JP 18629289A JP 18629289 A JP18629289 A JP 18629289A JP H069743 B2 JPH069743 B2 JP H069743B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガスシールドアーク溶接またはプラズマアーク
溶接における開先検出方法および装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
現在、溶接工程の全自動化,ロボット化が強くのぞまれ
ているが、これを推進していく上で最も重要な課題は開
先の位置,幅,高さ等の検出技術の確立である。
アーク溶接はアークによる高熱を利用し、母材およびワ
イヤを溶融,凝固し、接合するため、溶接開始前と溶接
中では熱による歪のために開先が変化し、開先位置,
幅,高さが変化する。したがって、溶接を適正に制御す
るためには、溶接中の変形を含めた開先の位置,幅及び
高さの検出は、アークにできるだけ近い位置で行う必要
がある。
従来の開先検出技術として特開昭62−230476号公報に代
表されているアークセンシング方法が実用化されている
がこの方法は第2図に示す溶接トーチ11を開先幅方向
(17)にトーチ揺動させ、このときのワイヤ12やアーク
13の長さがトーチの揺動右端15および左端16の近
傍でそれぞれ変化し、トーチの揺動の左端から右端およ
び右端から左端へ至る過程の溶接電流が変化することを
利用し、右端より1mm内側の溶接電流差 SR=IR1−IR2と左端より1mm内側の溶接電流差
SL=IL1−IL2を求め、SR−SLの値から開先
位置検出を、SR+SLの値からルート幅を検出する方
法であり、アーク点で開先検出するため溶接中の開先変
形に対して最も有利な方法である。
また、光学的方法として特開昭55−30339 号公報に代表
される検出方法はスリット光を開先に照射し、テレビカ
メラで撮影した画像を処理し、開先位置を検出する方法
である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記のアークセンシング方法は、開先の検出の
ために必要な大きな溶接電流の変化を得るためにトーチ
の揺動を大きくしなければならない。このため、板厚が
薄い場合には第7図に示すように開先肩部23を溶融
し、必要な溶接電流の変化が発生しないため、良好なア
ークセンシングが困難であった。
また、従来の光学的方法も、テレビカメラやスリット光
の光源の装置が大きく、取扱が容易でない。また画像処
理に時間がかかり制御応答時間の問題があるなど実用化
が困難であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ガスシールドアーク溶接またはプラズマアー
ク溶接の開先検出方法において、開先幅方向に揺動する
レーザ発振器から0.7μm以上の波長のスポット光を
溶接アークの前方50〜300mmの溶接板表面または開
先の底面に垂直に照射し、レーザ発振器と一体に揺動
し、該レーザ発振器の後方でかつ溶接進行方向斜め下向
きに配置された受光器により0.7μm以上の波長の反
射光を受光し、かつ反射面でのレーザ光のスポット像を
レンズにより受光器に結像させレーザ発振器から反射面
を経て受光器に至る光路距離に応じて変化する電気信号
として検出することを特徴とする開先検出方法と、ガス
シールドアーク溶接またはプラズマアーク溶接の開先検
出装置において、0.7μm以上の波長のレーザ光を溶
接板表面または開先の底面に垂直に発生するレーザ発振
器と0.7μm以上の波長の光を透過するフィルタを前
面に備え、該レーザ発振器の後方でかつ溶接進行方向斜
め下向きに配置された受光器とを溶接線上方に互いに離
れて配置したレーザ変位計が開先幅方向に一体に揺動す
る揺動機構に取り付けられ、かつ溶接アークの前方の5
0〜300mmの位置に配置されていることを特徴とす
る開先検出装置である。
〔作用〕
第1図に本発明のレーザ変位計を用いた開先検出の原理
図を示す。レーザ変位計1はレーザ光を溶接板表面また
は開先の底面に垂直に発生するレーザ発振器2と該レー
ザ発振器の後方でかつ溶接進行方向斜め下向きに配置さ
れた受光器3とフィルタ9とレンズから成りレーザ照射
光4は溶接板21の表面または開先22の底面で反射す
るまでの距離が変化することによりレーザ反射光5の位
置が変化し、これに応じて受光器3の出力が変化する。
このレーザ変位計1を開先22の幅方向に揺動させるこ
とによりレーザ変位計の位置に対応したレーザ変位計と
反射面までの距離8を検出することにより開先位置a−
bやルート幅cを検出することができる。
しかし、前述したように、開先の検出は溶接中にできる
だけアークに近い位置で行なわなければならないが、ア
ーク光は強烈であるためレーザ変位計による反射光が乱
され距離の検出が困難となる。
本発明はアーク光のスペクトル分布に着目し、上記の問
題を解決した。第8図はアーク光のスペクトル強度分布
で、アーク光は0.3μm以上0.7μm未満の波長の光強度
が大きい。したがって、レーザ光の波長や受光波長がこ
の範囲に入っている場合には、アーク光により、検出が
不安定になる。レーザ光の波長や受光波長を0.7μm以
上の長波長とすることにより、トーチとレーザ変位計間
が50mmでも安定した検出が可能となる。
また、トーチとレーザ変位計の距離が大きい場合には検
出点を溶接するまでの時間差が大きいためその間に前述
したように熱による歪により開先が変形し、開先位置や
ルート幅が変化する。このためトーチとレーザ変位計の
距離が300mmを越える範囲では検出結果の誤差が大きく
なり安定した溶接制御が困難になる。
〔実施例〕
以下に実施例にもとずいて本発明を詳細に説明する。
第3図と第4図は、本発明方法に用いた溶接装置の正面
図と側面図で、第4図にはモニタ装置も描かれている。
走行台車25は左右移動機構26と上下移動機構27を
登載し、上下移動機構27の先端には揺動機構28がト
ーチ位置調整器30を介してトーチ11が取り付けら
れ、レーザ変位計1は開先幅方向に揺動できるように、
揺動機構28に取り付けられている。また、揺動機構2
8にはポテンシオ31を取り付けられ揺動位置をポテン
シオアダプタ33を介して、オシロスコープ35のX軸
に入力し、レーザ変位計1の出力はレーザ変位計アダプ
タ34を介してY軸に入力し、溶接中の開先検出信号を
モニタした。
レーザ変位計の発振波長は0.78μmで、受光器には0.7
μm以下の短波長光を減光するフィルタを用いた。
比較のため本発明以外にレーザ発振器の波長が0.63μm
で受光器に0.6μm以下の短波長光を減光するフィルタ
から成るレーザ変位計を用いた方法も本発明方法と同じ
装置で実施した。
第5図と第6図は従来方法に用いた溶接装置の正面図と
モニタ装置も描かれた側面図である。溶接装置は、本発
明方法で用いたもので、揺動機構28にトーチ11が取
り付けられた。第6図のモニタ装置はトーチの揺動をポ
テンシオ31で検出し、ポテンシオアダプタ33を介し
てオシロスコープ35のX軸に入力し、溶接電流をシャ
ント32にて検出し、オシロスコープ35のY軸に入力
し、溶接中のアークセンシング信号をモニタした。
ガスシールドアーク溶接およびプラズマアーク溶接は第
1表および第2表に示す条件にて裏波溶接を行った。
プラズマアーク溶接を行う時は第3図に示すようにフィ
ラワイヤコンジットケーブルを通してフィラワイヤを添
加した。
溶接実験は本発明方法および本発明外の比較方法では、
第4図のオシロスコープ35を観察しなが第1図のaと
bが等しくなるように第4図の左右移動機構26を調整
し、トーチ11やレーザ変位計1の左右位置を修正する
とともにルート幅に対応する第1図のcの大きさからガ
スシールドアーク溶接では溶接速度をプラズマアーク溶
接ではフィラワイヤの送給速度をあらかじめもとめたル
ート幅に応じた適正条件に従って調整しながら第9図の
開先を溶接した。また、溶接トーチ11とレーザ変位計
1の距離はトーチ位置調整機構30を調整し、30,5
0,300および500mmに設定し行った。従来方法では、第
6図のオシロスコープ35を観察しながら前述のSRと
SLが等しくなるように第6図の左右移動機構26を調
整し、溶接トーチ11の左右位置を修正しながら溶接し
た。開先は第9図に示すように板長L=2000mm,板幅W
=500mm,板厚H=6mm,開先角度θ=10゜,スタート
側のルート幅G1=0,エンド側ルート幅G2=2mmで
スタートからエンドにいたる過程で倣変動S=4mm変化
させた。
評価方法は溶接後のビート幅の中央がルート幅の中央か
らの倣いずれか1mm以下で、裏波溶接ができたものを良
好,倣いずれか1mmを越え、あるいは裏波溶接ができな
かったものを不良と評価した。
実施結果を第3表に示す。レーザ光と受光波長が0.78μ
mでセンサートーチ間距離が50〜300mmである本発明方
法は、開先位置を良好に観察でき良好に倣制御と裏波溶
接ができた。しかし、本発明方法の範囲外であるセンサ
ートーチ間距離30mmではアーク光に近いため、オシロス
コープで開先の観察が困難なため倣制御操作や裏波溶接
ができなかった。センサートーチ間距離500mmではオシ
ロスコープでの開先の観察は良好であったがセンサーと
トーチ間の距離が大きいため、ルート幅がセンサーとト
ーチ部で差が大きく、良好な裏波溶接ができなかった。
また、レーザ光と受光波長が0.63μmではアーク光の波
長に近いためアーク光に乱されオシロスコープでの開先
の観察が困難であった。さらに、従来方法では溶接中に
開先の肩が溶接し、アークセンシングに必要な溶接電流
の変化が出にくく、開先の観察が不可能で倣制御や裏波
溶接が困難だった。
〔発明の効果〕 このように本発明による開先検知方法および装置は実施
例に示すような特に狭開先を有する板継ぎ溶接の開先位
置だけでなくルート幅の変化を良好に検出できるため、
今後、溶接工程の全自動化,ロボット化のための倣制御
技術の改善に大きく貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法であるレーザ変位計を用いた開先検
出方法の原理を示す正面図及び側面図、第2図は従来方
法のアークセンシングによる開先検出方法の原理を示す
正面図及び側面図、第3図は実施例に用いたレーザ変位
計を登載した溶接装置の正面図、第4図は実施例に用い
たレーザ変位計を登載した溶接装置にモニタ装置を加え
た側面図、第5図は実施例に用いたアークセンシングを
行う溶接装置の正面図、第6図は実施例に用いたアーク
センシングを行う溶接装置にモニタ装置を加えた側面
図、第7図は薄板溶接をアークセンシングにより溶接し
た時の開先溶融状態を示す正面図、第8図はアーク光の
スペクトル強度分布のグラフ,第9図は実施例に用いた
開先の平面図である。 1:レーザ変位計 2:レーザ発振器 3:受光器 4:レーザ照射光 5:レーザ反射光 6:板表面までの距離 7:開先底面までの距離 8:レーザ変位計の距離に対応した検出値 9:0.6または0.7μm未満の短波長光を減光するフィル
タ 10:レンズ 11:溶接トーチ 12:ワイヤ 13:アーク 14:トーチ揺動中央 15:トーチ揺動右端 16:トーチ揺動左端 17:トーチ揺動 21:溶接板 22:開先 23:開先肩部 24:フィラワイヤコンジットケーブル 25:台車 26:左右移動機構 27:上下移動機構 28:揺動機構 29:レール 30:トーチ位置調整器 31:ポテンシオ 32:シャント 33:ポテンシオアダプタ 34:レーザ変位計アダプタ 35:オシロスコープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 俊雄 神奈川県相模原市淵野辺5―10―1 新日 本製鐵株式會社第2技術研究所内 (72)発明者 斉藤 忠雄 東京都江東区豊洲2―1―1 石川島播磨 重工業株式会社東京第一工場内 (72)発明者 柳内 英治 東京都江東区豊洲2―1―1 石川島播磨 重工業株式会社東京第一工場内 (72)発明者 斉藤 志美男 東京都江東区豊洲2―1―1 石川島播磨 重工業株式会社東京第一工場内 (56)参考文献 特開 昭61−14506(JP,A) 特開 昭63−139644(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスシールドアーク溶接またはプラズマア
    ーク溶接の開先検出方法において、開先幅方向に揺動す
    るレーザ発振器から0.7μm以上の波長のスポット光
    を溶接アークの前方50〜300mmの溶接板表面または
    開先の底面に垂直に照射し、レーザ発振器と一体に揺動
    し、該レーザ発振器の後方でかつ溶接進行方向斜め下向
    きに配置された受光器により0.7μm以上の波長の反
    射光を受光し、かつ反射面でのレーザ光のスポット像を
    レンズにより受光器に結像させレーザ発振器から反射面
    を経て受光器に至る光路距離に応じて変化する電気信号
    として検出することを特徴とする開先検出方法。
  2. 【請求項2】ガスシールドアーク溶接またはプラズマア
    ーク溶接の開先検出装置において、0.7μm以上の波
    長のレーザ光を溶接板表面または開先の底面に垂直に発
    生するレーザ発振器と0.7μm以上の波長の光を透過
    するフィルタを前面に備え、該レーザ発振器の後方でか
    つ溶接進行方向斜め下向きに配置された受光器とを溶接
    線上方に互いに離れて配置したレーザ変位計が開先幅方
    向に一体に揺動する揺動機構に取り付けられ、かつ溶接
    アークの前方の50〜300mmの位置に配置されてい
    ることを特徴とする開先検出装置。
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JP3356659B2 (ja) * 1996-10-16 2002-12-16 株式会社椿本チエイン ケーブルドラグチェーン
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