JPH0696921A - 酸化鉄磁性粒子の製造方法および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

酸化鉄磁性粒子の製造方法および磁気記録媒体の製造方法

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JPH0696921A
JPH0696921A JP4272376A JP27237692A JPH0696921A JP H0696921 A JPH0696921 A JP H0696921A JP 4272376 A JP4272376 A JP 4272376A JP 27237692 A JP27237692 A JP 27237692A JP H0696921 A JPH0696921 A JP H0696921A
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iron oxide
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magnetic
magnetic particles
metal
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Hitoshi Hirayama
均 平山
Yoichi Yoshimura
洋一 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化鉄磁性粒子を含有する塗布型磁性層のB
r を著しく向上させる。 【構成】 針状酸化鉄粒子の表面に、Cr、Mn、C
o、Ni、CuおよびZnから選択される少なくとも1
種の金属の化合物層を形成するか、針状酸化鉄粒子に前
記金属を含有させた後、100〜2000気圧の圧力下
で300〜700℃の温度に保持する加圧加熱処理を施
して、酸化鉄磁性粒子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に利用さ
れる酸化鉄磁性粒子の製造方法および磁気記録媒体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用VTRに用いられるビデオテープ
の磁性層には、安定性が高くしかも低コストのコバルト
被着型酸化鉄磁性粒子が多く用いられている。例えば、
VHS方式、S−VHS方式、β方式のビデオテープの
磁性層は、コバルト被着型酸化鉄磁性粒子をバインダ中
に分散した塗布型磁性層である。これらのビデオテープ
には極めて短波長の信号まで記録されるので、高域信号
の出力を確保するためやS/N向上のために、磁性粒子
の高保磁力化および微粒子化が要求される。
【0003】しかし、磁性粒子が微粒子になるほど飽和
磁化(σs )が低下して磁性層の残留磁束密度(Br )
が低下し、また、バインダ中への均一な分散が困難とな
るため、さらにBr が低下する。このため、粒径の小さ
い磁性粒子を用いた場合、低域での高い出力を得ること
が困難である。磁性粒子の微粒子化に伴うこのような問
題は、オーディオテープにおいても同様であり、コバル
ト被着型ではない酸化鉄磁性粒子においても同様であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情からなされたものであり、酸化鉄磁性粒子を含有す
る塗布型磁性層のBr を著しく向上させることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1)Cr、Mn、Co、Ni、CuおよびZnから選
択される少なくとも1種の金属が添加された針状酸化鉄
磁性粒子を製造する方法であって、針状酸化鉄粒子の表
面に前記金属の化合物層を形成するか、針状酸化鉄粒子
に前記金属を含有させた後、100〜2000気圧の圧
力下で300〜700℃の温度に保持する加圧加熱処理
工程を有することを特徴とする酸化鉄磁性粒子の製造方
法。 (2)前記加圧加熱処理工程が不活性ガス雰囲気中で行
なわれる上記(1)に記載の酸化鉄磁性粒子の製造方
法。 (3)前記針状酸化鉄粒子が、オキシ水酸化鉄、ヘマタ
イト、マグネタイト、ベルトライドまたはマグヘマイト
である上記(1)または(2)に記載の酸化鉄磁性粒子
の製造方法。 (4)前記加圧加熱処理工程後に、前記磁性粒子にコバ
ルトを被着ないし固溶させる工程を有する上記(1)な
いし(3)のいずれかに記載の酸化鉄磁性粒子の製造方
法。 (5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法
により製造された酸化鉄磁性粒子とバインダとを含む塗
布型の磁性層を、非磁性基体上に形成する工程を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【0006】
【作用および効果】従来、酸化鉄磁性粒子の飽和磁化を
向上させるために、酸化鉄粒子を亜鉛イオンによって変
性することが知られている。
【0007】例えば、特開平2−149428号公報で
は、(a)亜鉛成分を含有するマグネタイト粒子または
ベルトライド粒子を酸化性雰囲気下400〜700℃で
加熱処理するか、もしくは(b)亜鉛成分を含有するマ
グヘマイト粒子を非還元性雰囲気下400〜700℃で
加熱処理するか、あるいはこれらの加熱処理後に、酸性
溶液中またはアルカリ性溶液中で浸漬処理して、粒子結
晶がZn/Feとして2〜9原子重量%の亜鉛イオンに
よって変性されて飽和磁化が改善されたマグヘマイト粒
子を得ることが提案されている。
【0008】また、例えば、特開平2−255538号
公報では、(a)亜鉛成分を含有するベルトライド粒子
を不活性雰囲気下で450〜600℃で加熱処理する
か、もしくは(b)亜鉛成分とケイ素成分とを有するベ
ルトライド粒子を不活性雰囲気下で450〜700℃で
加熱処理するか、または(c)亜鉛成分を含有するマグ
ネタイト粒子を不活性雰囲気下で450〜600℃で加
熱処理した後、湿式酸化処理または(および)乾式酸化
処理するか、もしくは(d)亜鉛成分とケイ素成分とを
含有するマグネタイト粒子を不活性雰囲気下で450〜
700℃で加熱処理した後、湿式酸化処理または(およ
び)乾式酸化処理するか、あるいはこれらの加熱処理後
に、酸性溶液中またはアルカリ性溶液中で浸漬処理し
て、粒子結晶がZn/Feとして2〜9原子重量%の亜
鉛イオンによって変性されて飽和磁化が改善されたベル
トライド粒子を得ることが提案されている。
【0009】しかし、これらの公報には、亜鉛成分を含
有するマグネタイト粒子、ベルトライド粒子、マグヘマ
イト粒子を加圧しながら加熱することは開示されておら
ず、示唆もされていない。
【0010】本発明では、亜鉛化合物層を形成後、加圧
しながら加熱処理を行なうので、加熱だけを行なう上記
各提案に比べ、より高い飽和磁化が得られる。これは、
加圧により磁性粒子中への亜鉛の拡散が促進されるため
と考えられる。なお、加熱だけを行なう場合に、熱処理
温度を高くすれば飽和磁化の若干の向上が認められる
が、さらに温度を高くしていくとα-Fe2O3への転移が始
まって飽和磁化はかえって低下してしまい、本発明と同
等の効果は得られない。
【0011】また、本発明では、亜鉛と同様に上記した
各種金属を磁性粒子中に十分に拡散させることができる
ので、各金属の添加効果を十分に発揮させることができ
る。
【0012】本発明によれば、磁性粒子の飽和磁化向上
による磁気記録媒体の残留磁束密度の向上の他、下記の
ような効果が実現する。
【0013】例えば、亜鉛を固溶させることにより磁性
粒子の黒色度が増加し、磁性層の光透過率が減少する。
VHS規格ではテープの光透過率の変化によりテープ端
を検出するので、従来、磁性層の光透過率を下げるため
にカーボンブラック等の添加が必要であり、これにより
磁性粉の充填率向上は制約をうけていた。しかし、亜鉛
を固溶させた酸化鉄粒子を用いれば、カーボンブラック
添加が不要あるいは添加量を著しく減らすことができる
ので、さらに高い残留磁束密度が得られる。
【0014】本発明は単層磁性層を有する磁気記録媒体
の製造に好適であるが、2層磁性層を有する磁気記録媒
体の製造にも好適である。2層磁性層を有する磁気記録
媒体としては、下層の磁性粉の比表面積が上層の磁性粉
のそれよりも大きいものが好ましい。このような磁気記
録媒体では、一般に、低域信号は主として下層に記録さ
れ、高域信号は主として上層に記録される。そして、各
層の磁性粉の比表面積に応じて、高域および低域のいず
れにおいても十分な出力が得られる。しかし、上層に記
録される信号のうち比較的低域のもの、すなわち、信号
全体を考えたときに中域に相当する信号にとっては、上
層の残留磁束密度は低過ぎるため、中域の出力が不十分
となる。このような2層磁性層の上層に本発明を適用す
れば、上層の残留磁束密度が著しく向上するため中域出
力が向上し、いわゆる中抜けのない周波数特性の平坦な
磁気記録媒体が実現する。
【0015】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明により製造される酸化鉄磁性粒子
は、マグヘマイト(γ-Fe2O3)、マグネタイト(Fe3O
4 )またはベルトライド(γ-Fe2O3とFe3O4 の中間の酸
化度を有する酸化鉄)であり、針状磁性粒子である。
【0016】本発明では、これらの酸化鉄磁性粒子を製
造するに際し、針状酸化鉄粒子の表面に、添加する金属
を含む化合物層を形成した後、加圧加熱処理を施す。金
属化合物が被着される針状酸化鉄粒子は、オキシ水酸化
鉄、ヘマタイト(α-Fe2O3)、マグネタイト、ベルトラ
イド、マグヘマイトのいずれであってもよい。なお、オ
キシ水酸化鉄としては、α−FeOOH(Goethite)、
β−FeOOH(Akaganite )、γ−FeOOH(Lepi
docrocite )等のいずれを用いてもよい。
【0017】金属化合物層に含まれる金属は、Cr、M
n、Co、Ni、CuおよびZnから選択される少なく
とも1種である。これらのうち、Zn、Mnは飽和磁化
の向上効果が高く、他の金属は、磁性粒子の表面に化合
物を形成して、磁性粒子の安定性および分散性を向上さ
せる。
【0018】これらの金属を含む化合物の種類は特に限
定されないが、通常、Zn(OH)2 等の水酸化物が好
ましい。
【0019】金属化合物層は、下記のようにして形成さ
れることが好ましい。
【0020】まず、酸化鉄粒子を水中に分散してスラリ
ーとし、このスラリー中に原料金属化合物の水溶液を投
入し、さらに、スラリー中にアルカリ性液を徐々に添加
して、酸化鉄粒子表面に金属水酸化物等の金属化合物を
析出させると共に、スラリーのpHを所定範囲に保って反
応を進行させる。このとき用いる原料金属化合物として
は、アルカリ性液の添加により上記金属化合物層を形成
できる水溶性化合物であれば特に制限はなく、例えば、
Zn化合物としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等
が挙げられ、これらのうち特に、硫酸亜鉛が好ましい。
【0021】なお、この他、酸化鉄粒子を分散したスラ
リー中にまずアルカリ性液を投入し、次いで、徐々に原
料金属化合物の水溶液を添加してもよい。
【0022】添加する原料金属化合物の量は、固溶させ
る金属量に応じて決定すればよい。なお、通常、スラリ
ー中に投入された原料金属化合物の金属の殆どが、金属
化合物層中に取り込まれる。
【0023】金属化合物層中に2種以上の金属を含有さ
せる場合、通常、2種以上の原料金属化合物を用いる
が、1種の金属を含有させる場合でも、2種以上の原料
金属化合物を用いてもよい。
【0024】上記方法において用いるアルカリ性液は特
に限定されず、NaOH、KOH、NH4 OH等の水溶
液から適宜選択すればよいが、特にNaOH水溶液を用
いることが好ましい。
【0025】反応時のスラリー温度は20〜40℃であ
ることが好ましく、また、反応時間は0.5〜3時間と
することが好ましい。また、反応時のスラリーのpHは、
7〜9程度とすることが好ましい。
【0026】次いで、スラリーを濾過、水洗し、乾燥す
る。
【0027】なお、オキシ水酸化鉄製造時に前記金属を
添加してもよい。この場合、オキシ水酸化鉄の原料であ
る硫酸鉄などに硫酸亜鉛等の添加金属の化合物を加えて
共沈させ、添加金属を含有するオキシ水酸化鉄を製造す
ればよい。
【0028】金属化合物層の形成後、あるいは金属を添
加後、酸化鉄粒子に加圧加熱処理を施す。この加圧加熱
処理は、マグネタイト、ベルトライドまたはマグヘマイ
トの状態で施すことが好ましい。
【0029】マグヘマイトは、通常、「オキシ水酸化鉄
の脱水→α-Fe2O3→還元→Fe3O4 →酸化→γ-Fe2O3」の
工程により製造される。また、ベルトライドは、上記し
た工程によりマグヘマイトを製造した後、還元すること
により製造するか、あるいは、マグネタイトを直接所定
の酸化度まで酸化することにより製造される。本発明で
は、マグネタイトやベルトライド、マグヘマイトを得る
ための酸化処理や還元処理の条件に特に制限はなく、従
来の通常の条件範囲から適宜選択すればよい。
【0030】本発明では、マグネタイト粒子、ベルトラ
イド粒子またはマグヘマイト粒子に金属化合物層を形成
した後に加圧加熱処理を施してもよく、マグネタイト粒
子に金属化合物層を形成し、次いで酸化やさらに還元を
行なってベルトライドやマグヘマイトとした後に加圧加
熱処理を施してもよく、マグヘマイトに金属化合物層を
形成し、次いで還元を行なってベルトライドとした後に
加圧加熱処理を施してもよい。また、オキシ水酸化鉄や
ヘマタイトに金属化合物層を形成した場合には、還元や
酸化等によりマグネタイトやベルトライド、マグヘマイ
トとした後に加圧加熱処理を施すことが好ましい。な
お、金属化合物層形成後に脱水、酸化、還元等の処理を
施した場合、金属化合物の少なくとも一部は分解され、
金属が酸化鉄粒子中に固溶することがある。
【0031】加圧加熱処理工程では、酸化鉄粒子を10
0〜2000気圧、好ましくは300〜1000気圧の
圧力下で300〜700℃、好ましくは450〜550
℃の温度に保持する。気圧または温度が前記範囲未満と
なると金属の拡散が不十分となって飽和磁化向上などの
効果が十分に実現しない。また、得られる効果に比べて
コストが高くなりすぎるため、前記範囲を超える圧力を
加える必要はない。温度が前記範囲を超えると、酸化鉄
粒子の形状が崩れたり焼結が発生したりし、また、α-F
e2O3への転移が生じ、飽和磁化が低下してしまう。
【0032】加圧加熱処理の時間は、1〜5時間、特に
2〜3時間とすることが好ましい。処理時間が前記範囲
未満であると金属の拡散が不十分となり易く、前記範囲
を超えると酸化鉄粒子の形状が崩れる傾向にある。
【0033】加圧加熱処理方法は特に限定されず、上記
範囲の圧力および温度が得られる方法であればよいが、
例えば、酸化鉄粒子を密閉空間内に封入して500〜6
00気圧程度まで昇圧した後に加熱し、所定の圧力およ
び温度として等方的に加圧する方法が好ましい。
【0034】加圧加熱処理の際の雰囲気は限定されない
が、不活性ガス雰囲気であることが好ましく、ベルトラ
イド粒子に加圧加熱処理を施す場合には、酸化を防止す
るために不活性ガス雰囲気とすることが特に好ましい。
不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、二酸化炭素等を用いることができる。
【0035】金属を固溶させたマグネタイト粒子、ベル
トライド粒子、マグヘマイト粒子は、そのまま磁気記録
媒体製造に適用してもよく、さらに酸化処理や還元処理
を施して、マグネタイト→ベルトライド、マグネタイト
→マグヘマイト、マグヘマイト→ベルトライド等の変換
を行なってもよい。
【0036】本発明において、酸化鉄粒子に含まれる添
加金属の量は、酸化鉄粒子中のFeとの重量比(添加金
属/Fe)で3〜20重量%、特に5〜10重量%であ
ることが好ましい。添加金属の量が前記範囲未満である
と添加による効果が不十分となる傾向にあり、前記範囲
を超えると、Znでは飽和磁化が低下する傾向にあり、
他の元素では飽和磁化の低下が著しい。
【0037】なお、酸化鉄磁性粒子中には、上記方法に
より添加された金属の他、原料化合物に由来する不可避
的不純物や、製造工程において形状調節剤や熱安定性向
上剤として添加される各種元素やイオンが含有されてい
てもよい。このような元素やイオンとしては、例えば、
Ni、Si、P、Al等が挙げられる。
【0038】このようにして得られた酸化鉄磁性粒子に
は、必要に応じてコバルトが被着ないし固溶される。コ
バルトの被着ないし固溶により保磁力が向上する。コバ
ルト量に特に制限はなく、目的とする保磁力に応じて適
宜決定すればよいが、通常、粒子の1.0〜6.0重量
%程度である。
【0039】コバルトの被着方法や固溶方法に特に制限
はなく、公知の方法に従えばよい。例えば、酸化鉄磁性
粒子をアルカリ性液中に分散してスラリーとし、このス
ラリー中に硫酸コバルト等の原料コバルト化合物の水溶
液を添加し攪拌してCo(OH)2 等のコバルト化合物
層を形成した後、熟成してコバルトを粒子表面付近に拡
散させ、さらにスラリーを濾過、水洗して乾燥すること
により、コバルト被着酸化鉄磁性粒子が得られる。な
お、コバルト被着の際に、必要に応じて第一鉄化合物等
を添加してもよい。また、例えば、前記コバルト化合物
層を形成後、熱処理を施すことにより、コバルトを固溶
させることができる。
【0040】本発明により製造される針状酸化鉄磁性粒
子の寸法は、ビデオテープ、オーディオテープ、コンピ
ュータ用のフレキシブルディスクやハードディスクなど
の塗布型磁気記録媒体に適用される。酸化鉄磁性粒子の
寸法は適用される磁気記録媒体に応じて適宜決定すれば
よいが、通常、長軸長さを短軸長さで除した値(針状
比)は4〜15程度、長軸長さは0.1〜1.0μm 程
度である。
【0041】塗布型の磁性層は、磁性粒子がバインダ中
に分散された構成を有する。バインダは、熱可塑性バイ
ンダ、熱硬化性バインダ、電子線硬化性バインダ等から
適宜選択すればよく、特に制限はない。いずれのバイン
ダを用いる場合においても、必要に応じて各種帯電防止
剤、潤滑剤、研磨剤、塗膜強度補強添加剤等を用途に合
わせて使用することが有効である。磁性層の形成は、塗
布型磁性層の通常の形成方法に従えばよく、その際に用
いる溶剤等にも特に制限はない。磁性層の厚さは、目的
とする磁気記録媒体に応じて適宜決定すればよい。
【0042】本発明により製造される磁性粒子は、単層
の磁性層に限らず、2層以上の多層構成の磁性層に適用
してもよい。
【0043】磁性層が塗設される非磁性基体には、ポリ
エチレンテレフタレート等、従来公知の材質のいずれを
用いてもよい。
【0044】なお、磁気記録媒体には、必要に応じて下
地層やバックコート層等を形成してもよい。
【0045】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0046】Fe2+とFe3+との比Fe2+/Fe3+を約
0.3に調整したベルトライド粒子100g を水2リッ
トル中に分散させた後、1mol/l の硫酸亜鉛水溶液34
mlを加え、次いで、1.0N の水酸化ナトリウム水溶液
を添加して、pH9.0の分散液を得た。この分散液の温
度を50℃に保ちながら1時間攪拌し、続いて、濾過、
水洗、乾燥を行なった。乾燥後の粉体に、Ar雰囲気中
で加圧加熱処理を施し、亜鉛固溶ベルトライド粒子を得
た。加圧加熱処理において、圧力は700気圧、保持温
度は500℃、温度保持時間は3時間とした。
【0047】この亜鉛固溶ベルトライド粒子100g を
水1リットルに分散させた後、10N の水酸化ナトリウ
ム水溶液300mlを、窒素ガスを吹き込みながら添加し
た。次いで、1mol/l の硫酸コバルト水溶液83mlと1
mol/l の硫酸第一鉄水溶液115mlを添加した後、90
℃で5時間熟成し、濾過、水洗、乾燥を行なって、コバ
ルト被着針状ベルトライド粒子サンプルNo. 1を得た。
この粒子の寸法は長軸0.15μm 、幅0.02μm で
あった。
【0048】また、硫酸亜鉛水溶液の添加量や加圧加熱
処理の条件を変更して、下記表1に示される粒子サンプ
ルを得た。表1に、サンプル中のFeに対するZnの重
量百分率(Zn/Fe)および加圧加熱処理の条件を示
す。なお、Zn/Feはイオンプラズマ分光法により測
定した。
【0049】各サンプルからなる粉体について、保磁力
(Hc )、飽和磁化(σs )およびα-Fe2O3への転移率
(α転移率)を測定した。なお、α-Fe2O3への転移率は
分光光度計により測定した。
【0050】結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示されるように、本発明に従い加圧
加熱処理を施して製造されたサンプルは、Zn/Feは
同じだが加圧加熱処理条件が本発明範囲を外れる比較サ
ンプルに比べ、飽和磁化(σs )が高い。
【0053】なお、表1に示される各サンプルを用いて
塗布型の磁性層を有する磁気記録媒体を作製したとこ
ろ、用いたサンプルの飽和磁化にほぼ対応した残留磁束
密度が得られた。
【0054】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/842 Z 7303−5D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr、Mn、Co、Ni、CuおよびZ
    nから選択される少なくとも1種の金属が添加された針
    状酸化鉄磁性粒子を製造する方法であって、針状酸化鉄
    粒子の表面に前記金属の化合物層を形成するか、針状酸
    化鉄粒子に前記金属を含有させた後、100〜2000
    気圧の圧力下で300〜700℃の温度に保持する加圧
    加熱処理工程を有することを特徴とする酸化鉄磁性粒子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加圧加熱処理工程が不活性ガス雰囲
    気中で行なわれる請求項1に記載の酸化鉄磁性粒子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記針状酸化鉄粒子が、オキシ水酸化
    鉄、ヘマタイト、マグネタイト、ベルトライドまたはマ
    グヘマイトである請求項1または2に記載の酸化鉄磁性
    粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加圧加熱処理工程後に、前記磁性粒
    子にコバルトを被着ないし固溶させる工程を有する請求
    項1ないし3のいずれかに記載の酸化鉄磁性粒子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の方
    法により製造された酸化鉄磁性粒子とバインダとを含む
    塗布型の磁性層を、非磁性基体上に形成する工程を有す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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