JPH06967A - インクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクカートリッジ内のインク残量をユーザ
に適時報知する手段がないことに起因してプリンタが一
時的に使用不可能となる事態の発生を防止するために、
ユーザにインク残量を認識させ、且つ新たなカートリッ
ジの用意を促すことができるインクジェットプリンタの
インクカートリッジを提供すること。 【構成】 着脱自在なインクカートリッジ２０を備えた
インクジェットプリンタにおいて、該インクカートリッ
ジ本体内にはインク袋を２袋収納し、一方のインク袋２
１内のインクをプリンタ側へ供給して費消し終わった時
に、該プリンタに対する該インクカートリッジの装着方
向を変更することにより他方のインク袋２２内のインク
を該プリンタ側に供給可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリンタ
におけるインク液補給用のカートリッジの改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ノズルから微細なインク滴を記録紙上に
飛翔させて印字を行うインクジェットプリンタは、プリ
ンタヘッド内に微細流路を有し、この微細流路内に向け
て圧電振動子を振動させることによってノズルからイン
ク滴を飛翔させている。このインクジェットプリンタに
対するインク液の補給はインクカートリッジをプリンタ
の所定個所に装着することによって行われる。図２(a)
は従来のインクカートリッジの外観図であり、(b) はイ
ンクジェットプリンタとカートリッジとの間のインクの
流れを示す概略図であり、(c) は従来のカートリッジの
内部の概略構成図である。中空箱形のカートリッジ本体
１の前端面には大小２つの開口１ａ，１ｂが形成され、
開口１ａはインク供給針差込みゴム部２により閉止さ
れ、開口１ｂは廃インク路接続部として利用される。カ
ートリッジ本体の外側面にはインクカートリッジ着脱ガ
イド４を設け、プリンタ側の図示しないカートリッジ装
着部内にこれをガイドとして的確に装着することを可能
としている。カートリッジ本体１内部には(b) に示すよ
うに針刺込みゴム部２により閉止された開口１ａと連通
したインク袋５と、廃インク路接続部１ｂと連通する廃
インク吸収体６とが配置される。プリンタ本体側のカー
トリッジ装着部内にはインク供給針７と、廃インク排出
管８が夫々突出しており、装着部にカートリッジ本体１
を押し込んだ時に供給針７はゴム部２を貫通してインク
袋５内に突出するとともに、排出管８は接続部１ｂから
カートリッジ内部に突入して吸収体６と連通する。排出
管８の途中には排出用のポンプ１１を配置する。

【０００３】しかしながら、上記従来のインクカートリ
ッジを使用したプリンタにあっては、カートリッジ内の
インク残量を適時報知する手段がないために、ユーザが
インク残量の減少に気付かずに使用を継続し、インク残
量が皆無になった時に初めて気付く事態が生じやすかっ
た。このような場合に未使用のカートリッジが手元にあ
る場合には問題はないが、カートリッジの在庫がない場
合にはカートリジを入手するまでプリンタの使用が不可
能となることがあり、この点の改善が求められていた。

【０００４】

【発明の目的】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、インクカートリッジ内のインク残量をユーザに適時
報知する手段がないことに起因してプリンタが一時的に
使用不可能となる事態の発生を防止するために、ユーザ
にインク残量を認識させ、且つ新たなカートリッジの用
意を促すことができるインクジェットプリンタのインク
カートリッジを提供することを目的としている。

【０００５】

【発明の構成】上記目的を達成するため、本願第１の発
明は、着脱自在なインクカートリッジを備えたインクジ
ェットプリンタにおいて、該インクカートリッジ本体内
にはインク袋を２袋収納し、一方のインク袋内のインク
をプリンタ側へ供給して費消し終わった時に、該プリン
タに対する該インクカートリッジの装着方向を変更する
ことにより他方のインク袋内のインクを該プリンタ側に
供給可能としたことを特徴とする。

【０００６】本願第２の発明は、前記インクカートリッ
ジ内に収納した２袋のインク袋のうち先に使用するイン
ク袋と後に使用するインク袋を夫々示す表示を該カート
リッジ外面に設け、現在使用中のインク袋を表す表示だ
けを視認可能となるように他の表示を遮蔽するよう構成
したことを特徴とする。

【０００７】本願第３の発明は、前記２袋のインク袋の
うち後に使用するインク袋の収容インク量を先に使用す
るインク袋の収容インク量よりも少なくしたことを特徴
とする。

【０００８】以下、本発明を添付図面に示した実施例に
より詳細に説明する。本発明はインクカートリッジ内に
上下位置関係でインク袋を２個設け、一方のインク袋内
のインク費消後に、カートリッジの上下を逆にして装着
しなおして他方のインク袋からのインク供給を開始する
ようにした点が特徴的である。

【０００９】図１は本発明の一実施例のカートリッジの
内部構成を示す説明図であり、中空箱形のカートリッジ
本体２０内には、上下位置関係で第１及び第２のインク
袋２１、２２が収納されている。第２のインク袋２２の
下部には第１の廃インク吸収体２３を配置すると共に第
１のインク袋２１の上部には第２の廃インク吸収体２４
を配置する。カートリッジ本体２０の前面の開口２０ａ
を閉止するインク供給針刺込みゴム部２５は第１及び第
２のインク２１、２２の各開口部２１ａ，２２ａにより
閉止されており、プリンタ側のインク供給針７がゴム部
２５に刺込まれて貫通することにより、インク供給管９
と連通状態となる。図示のように第１のインク袋２１を
上側に位置させた状態では、インク供給針７の下方に位
置する排出管８は下方に位置する廃インク路接続部２０
ｂ内にそのまま挿入可能な位置関係にあり、第１の廃イ
ンク吸収体２３と連通して廃インクをカートリッジ内に
排出する。カートリッジの側面には図２(a) に示した如
き挿入のためのガイドを設ける。

【００１０】これと逆に、第２のインク袋２２を上側に
位置させるようにカートリッジを上下逆に装着し直した
場合には、インク供給針７がゴム部２５を刺し貫いて上
側の第２のインク袋２２内に突出し、排出管８は接続部
２０ｃからカートリッジ内に突出する。

【００１１】なお、カートリッジ本体背面２０ｄの適所
にはインク袋確認ラベル２７、２８を配置し、各インク
袋の位置を表示せしめると共に、インク供給中のインク
袋（図１においては上側の第１インク袋２１）の位置を
示すラベル２７と対応するインクカートリッジカバー２
９には覗き穴３０を形成して、ユーザがいずれのインク
袋を使用中であるのか容易に知る得るようにしている。

【００１２】インク供給針７と接続したインク供給管９
にはインク残量検知センサ３１を配置してインク袋５内
のインク残量を検知し、排出管８の途中には排出用のポ
ンプ１１を配置する。

【００１３】以上の構成において、プリンタを所定期間
以上使用した結果第１インク袋２１内のインク残量が少
なくなったことを残量検知センサ３１が検知してインク
袋２１内のインクが使用できなくなったことを表示部に
表示した場合、ユーザは焦ることなく前記覗き穴３０か
ら現在使用中のインク袋が第１のインク袋であることを
確認した上で、カートリッジを一旦引き抜いてから上下
を逆にし、カートリッジ側面の図示しないガイドに沿っ
て装着し直す。すると、インク供給針７と排出管８が夫
々カートリッジ内に突出して第２のインク袋２２と第２
の廃インク吸収体２４と連通状態になる。この時覗き穴
３０からは第２のインク袋を示すラベル２８の表示（本
実施例では１、２の数字による表示）を視認できる。

【００１４】このように本発明においては、第１のイン
ク袋内のインクを費消した場合には、ほかの第２のイン
ク袋の使用が可能となるので、再度の装着操作を行うだ
けで継続したプリンタの使用が可能であり、プリンタの
中断がなくなる。カートリッジの在庫がない場合には、
第１のインク袋が費消された時点で新たなカートリッジ
を購入するようにすれば、インクがないことに起因して
プリンタの使用が不可能となる事態の発生をなくするこ
とができる。

【００１５】なお、上記実施例では第１のインク袋と、
第２のインク袋のインク収容量に差を設けなかったが、
第２のインク袋の収容量を僅かな量に極限することによ
り、利点が生じることもある。即ち、カートリッジの在
庫がある時に第１のインク袋内のインクが費消された場
合には、同一のカートリッジの上下を逆にして装着し直
すことが煩わしく、新たなカートリッジと交換した方が
便利であると考えるユーザも存するが、第２のインク袋
内のインク量を少なくして第２のインク袋内のインクを
使用しないでカートリッジを廃棄しても惜しくない程度
の量とすれば、第１のインク袋内のインク費消時にカー
トリッジを廃棄すれば良い。また、これを惜しいと考え
る場合には、廃棄せずに保管しておき、カートリッジの
在庫がなくなった場合のつなぎのために利用してもよ
い。

【００１６】なお、上記実施例では、各インク袋の上部
又は下部に廃インク吸収体を配置したが、これは一例に
過ぎず、両インク袋の間、或は各インク袋の側方に配置
してもよい。いずれにしても既存のプリンタのインク供
給針、廃インク排出管の位置をそのまま利用することが
本発明の利点である。

【００１７】

【発明の効果】このように本発明によれば、インクジェ
ットプリンタ使用中のインク切れと、インクカートリッ
ジの在庫切れに起因したプリンタの稼働停止状態の発生
を一定期間（第２インク袋内のインク使用期間）だけ防
ぐことができる。また、プリンタ使用時にユーザが外部
からインクカートリッジ内の使用可能なインク袋の個数
を目視により確認できるように構成したので、インク切
れを予測し、新品のカートリッジの購入を促し、インク
カートリッジの在庫切れの発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のインクカートリッジの構成
説明図である。

【図２】(a) (b) 及び(c) は従来のインクカートリッジ
の構成説明図である。

【符号の説明】

７ インク供給針、８ 廃インク排出管、２０ カート
リッジ本体、２１ 第１のインク袋、２２ 第２のイン
ク袋、２３ 第１の廃インク吸収体、２４ 第２の廃イ
ンク吸収体、２５ インク供給針、２９ インクカート
リッジカバー、３０ 覗き穴、

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着脱自在なインクカートリッジを備えた
   インクジェットプリンタにおいて、該インクカートリッ
   ジ本体内にはインク袋を２袋収納し、一方のインク袋内
   のインクをプリンタ側へ供給して費消し終わった時に、
   該プリンタに対する該インクカートリッジの装着方向を
   変更することにより他方のインク袋内のインクを該プリ
   ンタ側に供給可能としたことを特徴とするインクカート
   リッジ。
2. 【請求項２】 前記インクカートリッジ内に収納した２
   袋のインク袋のうち先に使用するインク袋と後に使用す
   るインク袋を夫々示す表示を該カートリッジ外面に設
   け、現在使用中のインク袋を表す表示だけを視認可能と
   なるように他の表示を遮蔽するよう構成したことを特徴
   とする請求項１記載のインクカートリッジ。
3. 【請求項３】 前記２袋のインク袋のうち後に使用する
   インク袋の収容インク量を先に使用するインク袋の収容
   インク量よりも少なくしたことを特徴とする請求項１記
   載のインクカートリッジ。