JPH0696776B2 - 耐傷付き性、密着性および潤滑性に優れた着色表面処理鋼板 - Google Patents

耐傷付き性、密着性および潤滑性に優れた着色表面処理鋼板

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JPH0696776B2
JPH0696776B2 JP17353985A JP17353985A JPH0696776B2 JP H0696776 B2 JPH0696776 B2 JP H0696776B2 JP 17353985 A JP17353985 A JP 17353985A JP 17353985 A JP17353985 A JP 17353985A JP H0696776 B2 JPH0696776 B2 JP H0696776B2
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lubricating oil
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圭二 和泉
武典 出口
孝夫 伊木田
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鋼板表面にクロム酸塩と、シリカゾルと、固体
潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤滑剤と、シランカ
ップリング剤およびチタンカップリング剤のいずれ一方
または両方と、微粒子有色顔料とを含有する特定組成の
樹脂皮膜を形成して、樹脂皮膜の耐食性とともに耐傷付
き性および潤滑性を向上させた着色表面処理鋼板に関す
る。
(従来技術) 冷延鋼板やめっき鋼板を有色顔料を含有する水分散性も
しくは水溶性の樹脂で処理して、その表面に塗装性、耐
食性を付与する着色樹脂皮膜を形成した表面処理鋼板の
うち、従来より比較的塗装性、耐食性に優れたものとし
て、鋼板表面にクロメート皮膜を形成し、さらにそのク
ロメート皮膜の上に樹脂単独皮膜もしくは顔料以外の無
機物を含む着色樹脂皮膜を形成したものがある。この表
面処理鋼板は第1層のクロメート皮膜により耐食性を付
与し、第2層の着色樹脂皮膜で塗装性を付与したもので
あるが、着色樹脂皮膜の樹脂としては着色樹脂皮膜を水
溶性で形成する都合上分子内に水酸基を有する親水性の
ものが用いられていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら上記のような表面処理鋼板の場合、その耐
食性は第1層のクロメート皮膜に依存しているため、耐
食性を向上させようとしてもその向上には限界があっ
た。このため耐食性をさらに向上させるには第2層の着
色樹脂皮膜の耐食性を向上させる必要があった。
着色樹脂皮膜の耐食性を向上させる方法としては着色樹
脂皮膜中に6価クロムに含有させる方法が考えられる
が、この方法により6価クロムを含有させるには6価ク
ロムを含有する樹脂皮膜処理液で処理する必要がある。
しかし樹脂皮膜処理液に6価クロムを含有させるのに無
水クロム酸やクロム酸塩を添加すると樹脂分子の水酸基
が酸化されて、処理液はゲル化し、鋼板に塗布できなく
なり、6価クロムも3価クロムに還元されて耐食性を発
揮しなくなる。このため従来着色樹脂皮膜中に6価クロ
ムを含有させることは困難であった。
また従来の処理鋼板はロールフォーミング加工やプレス
加工を施すと、着色樹脂被膜にしごきにより傷や剥離が
発生したり、取扱い時に傷が付いたりして、耐食性や意
匠性が損なわれてしまい、耐成形加工性や耐傷付き性が
十分ではなかった。
耐成形加工性を改善する方法としては、従来より表面処
理鋼板に潤滑油を塗布する方法が行なわれているが、塗
布は成形加工前に行わなければならないので、成形作業
が繁雑になり、樹脂皮膜の場合均一に塗布するのが難し
いものであった。また塗布した潤滑油は通常成形加工後
に脱脂しなければならないので、成形加工後に後処理を
必要とし、しかも脱脂してしまうと、成形品取扱い時に
傷が付きやすくなるものであった。
(問題点を解決するための手段) 本発明は従来このように困難であった樹脂皮膜中への6
価クロムの含有を可能にするとともに、耐傷付き性、潤
滑性をも向上させた表面処理鋼板を提供するものであ
る。
本発明の表面処理鋼板は以下のようにして、処理液段階
で、クロム酸を添加しても樹脂が酸化されず、かつ鋼板
への塗布後は着色樹脂皮膜が耐傷付き性、潤滑性を有す
るようにしたものである。
(1)樹脂の処理液段階における耐クロム酸酸化性 樹脂を水酸基を有しない水分散性共重合体にするととも
に、その共重合体の酸価を調整することにより樹脂皮膜
の耐水性、密着性および物性並びに塗装した場合の塗膜
との密着性を向上させる。
(2)処理液の長期貯蔵安定性 シランカップリング剤およびチタンカップリング剤の一
方または両方を処理後に添加し、次のシリカゾルや固体
潤滑剤添加による貯蔵中の増粘を防止する。
(3)着色樹脂皮膜への耐傷付き性付与 シリカゾルを着色樹脂皮膜中に含有させる。
(4)着色樹脂皮膜への潤滑性の付与 固体潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤滑剤を含有さ
せる。
すなわち本発明は樹脂皮膜として(A)一般式CH2=CR1
−COOR2(式中R1はH、CH3,R2はCが1〜8のアルキル
基)で示される単量体の1種または2種以上1〜95重量
%と、(B)α、β不飽和カルボン酸単量体3〜20重量
%と、(C)これらの単量体と共重合可能な単量体0〜
50重量%とを[但し(A)、(B)および(C)の合計
は100重量%]乳化重合して得られる固形分当りの酸価1
0〜200の共重合体樹脂皮膜で、その樹脂皮膜中にクロム
酸塩と、シリカゾルと、固体潤滑剤および潤滑油からな
る混合系潤滑剤と、シランカップリング剤およびチタン
カップリング剤のいずれか一方または両方と、微粒子有
色顔料とを含有するものが形成されていて、シリカゾル
の含有量が共重合体樹脂100重量部当り30〜40重量部と
なっていることを特徴とする耐傷付き性、密着性および
潤滑性に優れた着色表面処理鋼板を提供するものであ
る。
以下本発明を詳細に説明する。
まず皮膜基質となる樹脂であるが、この樹脂としては上
記のような各単量体を共重合させた水酸基を有しない共
重合体を使用する。ここで一般式CH2=CR1−COOR2単量
体の例としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシルなどを、またα、β不飽和カルボン酸単量体の
例としてはアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸などを、さらにこれらの単量体と共重合可能
な単量体の例としてはスチレン、α−メチルスチレン、
酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどを挙げる
ことができる。
本発明で上記のような共重合体樹脂を用いるのは目的と
する物性の皮膜が得られ、共重合体樹脂の工業的製造も
容易であるからである。また共重合体樹脂の酸価を固形
分当り10〜200にするのは、10未満であると耐水性はよ
いが鋼板に対する密着性が劣るからであり、逆に200を
越えると耐水性が劣って耐食性が低下してくるからであ
る。この酸価についてはとくに15〜100にすると皮膜は
耐水性、密着性が良好になるので、その範囲にするのが
好ましい。
次に処理液貯蔵中の増粘を防止するシランカップリング
剤、チタネートカップリング剤であるが、本発明の場合
は水分散性または水溶性のものを用いる。これらは種々
のタイプのものがあるが、例えばシランカップリング剤
としては、モノマータイプ[例えばビニル−トリ(β−
メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン]、オリゴマータイプ(例えばグリ
シド系のもの)、樹脂変形タイプ(例えばアクリル変性
のもの、エポキシ変性のもの)、カチオン系タイプのも
のなどを挙けることができる。またチタネートカップリ
ング剤としては、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル
−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチ
タネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキ
シアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)エチレンチタネートなどを挙げることができ
る。
シランカップリング剤、チタネートカップリング剤は一
方または両方を含有させるにしても共重合体樹脂100重
量部に対して0.05〜1.0重量部含有させるのが好まし
い。これは0.05重量部未満であると、添加効果がほとん
ど認められず、1.0重量部を超えると、シランカップリ
ング剤の場合、含有量の増加に伴って貯蔵安定性はます
ます良好になるものの、シリコン特有の撥水作用により
処理液塗布時にハジキが生じ、皮膜厚や組成が不均一に
なる。一方チタンカップリング剤の場合は逆に処理液の
ゲル化が著しく促進され、貯蔵安定性に問題が生じるか
らである。
第1図はシランカップリング剤による処理液の増粘防止
効果を示したもので、処理液が共重合体樹脂とクロム酸
塩の2成分系の溶液である場合は6箇月間経過しても増
粘、ゲル化せず、長期貯蔵安定性は良好である。しかし
この2成分系の処理液にシリカゾルや固体潤滑剤を添加
すると、増粘、ゲル化が急激に促進される。ところがさ
らにシランカップリング剤を添加すると、再び長期貯蔵
安定性は良好になる。この理由は明確ではないが、おそ
らくシランカップリング剤が分散剤として作用して、ク
ロム酸塩、シリカゾル、固体潤滑剤を個々に水を媒体と
して安定分散させるためであると推察される。
なおシランカップリング剤やチタンカップリング剤を添
加すると、樹脂皮膜が下地(鋼板表面やクロメート皮
膜)に強固に付着して、密着性が向上する。これは樹脂
皮膜を下地とが−Si−O−、−Ti−O−を媒体として、
化学結合するためと考えられる。また共重合体樹脂の官
能基と脱水縮合するため、上塗り塗装を施した場合塗膜
密着性、耐食性が極めて向上する。
シリカゾルに関してはこれを着色樹脂皮膜中に含有させ
ると、皮膜が硬くなり、鋼板取扱いの際傷が付きにくく
なることが知見されたのである。第2図は皮膜中シリカ
ゾル含有量と皮膜鉛筆硬度および皮膜密着性との関係
を、また第3図は皮膜の耐傷付き性を示したものである
が、皮膜鉛筆硬度と耐傷付き性はシリカゾル含有量が樹
脂100重量部に対して30〜40重量部のとき最高になる。
また皮膜密着性は40重量部まで低下が小さい。従ってこ
のシリカゾルの含有量は樹脂100重量部に対して30〜40
重量部にするのが好ましい。なお第3図の耐傷付き性の
調査は試験片をプレス成形した後、重酒石酸カリウムと
無水炭酸ナトリウムとを含む硫酸銅溶液に浸漬して、鋼
板の露出した部分に銅を析出させ、その析出した銅を蛍
光X線法により定量して、評価したものである。
着色樹脂皮膜の潤滑性を向上させる潤滑剤としては、固
体潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤滑剤を使用す
る。ここでこのような混合系潤滑剤を使用するのは、第
4図に示すように、固体潤滑剤、潤滑油単独でも潤滑効
果があるが、これらを混合したものの方が潤滑効果が大
きいからである。これは固体潤滑剤の粒子の存在しない
摩擦の大きい部分に潤滑油の油膜が形成されるためと考
えられる。また潤滑油を含有させると、着色樹脂皮膜表
面の潤滑油が除去されても、加熱により再び表面にブリ
ードさせることができるという利点があるからである。
固体潤滑剤は水分散性が良好で、しかも安価で、皮膜中
に含有させても皮膜の耐食性、密着性、耐候性などを低
下させないものが好ましい。このようなものとしては有
機系固体潤滑剤より無機系固体潤滑剤が好ましく、例え
ば二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ
素、黒鉛、フッ化黒鉛などが好ましく、特に二硫化モリ
ブデンと黒鉛が皮膜中の添加剤との反応性がなく、安価
で好ましい。これらの固体潤滑剤は混合使用してもよ
い。
固体潤滑剤の粒径は平均粒径で0.3〜1.0μのものが好ま
しい。これは平均粒径が0.3μ未満であると、固体潤滑
剤が樹脂皮膜の表面よりあまり突出しないため、潤滑効
果が少なく、逆に1.0μを超えると、皮膜の平滑性が損
なわれ、処理液中への分散も困難になるからである。
潤滑油も、固体潤滑剤と同様に、水分散性が良好で、し
かも安価で、皮膜中に含有させても皮膜の耐食性、密着
性、耐候性などを低下させないものが好ましい。このよ
うなものとしては、パラフィンオイル、シリコーンオイ
ルおよびネオペンチルポリオール脂肪酸エステルなどが
あり、いずれも混合使用可能である。
混合系潤滑剤の含有量は含有量増加に伴い加工時の潤滑
性は良好になるが、含有量が樹脂100重量部に対して3
重量部未満であると添加効果はあまり認められず、また
15重量部を超えると、鋼板に対する皮膜の密着性が低下
し、かつ処理液中での分散性が悪くなって、固体潤滑剤
が沈降したり、処理液がゲル化したりする。このため混
合系潤滑剤の含有量は樹脂100重量部当り3〜15重量部
にするのが好ましい。
本発明は皮膜基質の樹脂を前記のような水酸基を有しな
い共重合体にしてあるので、クロム酸塩を含有させて
も、処理液段階で樹脂が酸化されることがない。そこで
着色樹脂皮膜中にクロム酸塩を含有させるのであるが、
このクロム酸塩としては水溶性で、安価なものが好まし
く、例えばクロム酸アンモニウム、クロム酸マグネシウ
ム、重クロム酸カリウム、クロム酸カルシウム、クロム
酸亜鉛、クロム酸マンガン、クロム酸ニッケル、クロム
酸コバルト、クロム酸ストロンチウムなどが適し、含有
量としては、共重合体樹脂100重量部当り0.1〜50重量部
にするのが好ましい。
なお着色樹脂皮膜は皮膜厚を0.2〜10μにするのが好ま
しいので、顔料としては粒径が1μ以下、好ましくは0.
1μ以下の微粒のものを使用し、一次粒子に近い状態で
安定分散させる。顔料の種類としては、カーボンブラッ
ク、チタン白、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、など有機系、無機系いずれのものでも使用で
きる。この顔料の含有量は共重合体樹脂100重量部当り
0.1〜50重量部にするのが好ましい。
本発明の着色樹脂皮膜は処理液の組成を共重合体樹脂20
0〜400g/、シランカップリング剤または/およびチタ
ネートカップリング剤0.1〜40g/、クロム酸塩0.2〜20
0g/、シリカゾル1〜400g/、混合系潤滑剤0.3〜200
g/、顔料0.2〜200g/にすれば、形成することができ
る。
着色樹脂皮膜はクロム酸塩を含有しているので鋼板の上
に直接形成しても耐食性を発揮するが、さらに耐食性を
発揮させるために鋼板表面にクロメート皮膜を形成し
て、その上に着色樹脂皮膜を形成する。この場合クロメ
ート皮膜は反応型、塗布型など一般に種類を問わない
が、皮膜量は全クロム量で5〜200mg/m2にするのが好ま
しい。
鋼板は冷延鋼板、めっき鋼板(例えば溶融めっき鋼板、
電気めっき鋼板、蒸着めっき鋼板、合金化溶融めっき鋼
板、溶融もしくは電気合金めっき鋼板など)いずれでも
よい。
次に実施例により本発明を説明する。
(実施例) メチルメタアクリレート50重量%と、ブチルアクリレー
ト40重量%と、アクリル酸9.8重量%と、スチレン0.2重
量%とを乳化重合して得られたアクリルエマルジョン
[樹脂分40重量%、PH2.3、粘度25cps(25℃、B型粘度
計)、固形分当りの酸価約78、以下このエマルション中
の共重合体樹脂をXとする]およびメチルアクリレート
55重量%と、ブチルアクリレート40重量%と、アクリル
酸5重量%と、酢酸ビニル0.3重量%とを乳化重合して
得られたアクリルエマルション[樹脂分40重量%、PH2.
6、粘度150cps(同上)、固形分当りの酸価約40、以下
このエマルション中の共重合体樹脂をYとする]にシラ
ンカップリング剤または/およびチタネートカップリン
グ剤と、クロム酸塩と、シリカゾル(スノーテックス
O、日産化学製品)と、固体潤滑剤および潤滑油からな
る混合系潤滑剤と、微粒子顔料とをそれぞれ種々添加し
て着色樹脂皮膜処理液を調整した後、この処理液を表面
にクロメート皮膜を形成した板厚0.6mmの溶融亜鉛めっ
き鋼板の上に塗布して表面処理鋼板を製造した。この際
の製造工程、クロメート皮膜の形成条件は次のとうりで
ある。
(イ)製造工程 鋼板→脱脂→クロメート処理→着色樹脂皮膜処理液塗布
→乾燥(150℃、10秒)、 (ロ)クロメート皮膜の形成条件、 CrO320g/、Na2SiF61g/の処理液中に40℃で5秒間浸
漬した後ロールスクイズした。
一方比較材として、共重合体樹脂XまたはYにクロム酸
塩、シリカゾルあるいは潤滑剤を添加しない着色樹脂皮
膜処理液を調整して、上記同様にして表面処理鋼板を製
造した。
第1表にこのようにして製造した表面処理鋼板を示す。
次にこの表面処理鋼板より試験片を採取して、塩水噴霧
試験、湿潤試験、樹脂皮膜密着性試験および樹脂皮膜耐
傷付き性試験を行うとともに、残りの表面処理鋼板に高
速自動ダクトハゼ成形機で成形し、樹脂皮膜の破損状態
を観察した後塩水噴霧試験および潤滑試験に供した。第
2表にこれらの試験結果を示す。なお上記各試験は次の
要領で行った。
(イ)成形加工後の樹脂皮膜破損状態 ◎…樹脂皮膜が全く破損しないもの ○…わずかに樹脂皮膜が破損したもの △…かなり樹脂皮膜が破損したもの ×…著しく樹脂皮膜が破損したもの (ロ)塩水噴霧試験 加工前後のものともナイフにより鋼板表面に達する切込
みを入れて、JIS Z 2371に基づき1000時間試験を行った
後、切込み部にセロテープを張付けて、それを急速には
がし、そのはがした部分の樹脂皮膜剥離状態と白錆発生
状態を次の基準で評価した。
◎…剥離および白錆の発生なし ○…剥離幅または白錆の発生幅が切込み部より1mm以下 △…剥離幅または白錆の発生幅が切込み部より1mmを超
え3mm以下 ×…剥離幅または白錆の発生幅が切込み部より3mm超 (ハ)湿潤試験 加工前後のものとも上記同様に切込みを入れ、それらを
温度50℃、湿度98%の雰囲気中に1500時間入れて、切込
み部にセロテープを張付けて急速にはがし、そのはがし
た部分の樹脂皮膜剥離状態と白錆発生状態を前記塩水噴
霧試験の場合と同基準で評価した。
(ニ)樹脂皮膜密着性試験 デュポン衝撃試験により調査し、次の基準により評価し
た。
◎…樹脂皮膜が全く剥離しないもの ○…わずかに樹脂皮膜が剥離したもの △…かなり樹脂皮膜が剥離したもの ×…著しく樹脂皮膜が剥離したもの (ホ)樹脂皮膜の耐傷付き性試験 荷重100gの描画試験で調査し、次の基準で評価した。
◎…樹脂皮膜に全く傷が付かないもの ○…わずかに樹脂皮膜に傷が付いたもの △…かなり樹脂皮膜に傷が付いたもの ×…著しく樹脂皮膜に傷が付いたもの 第2表より明らかなごとく、本発明の高耐食性着色表面
処理鋼板は耐食性、着色樹脂皮膜の密着性が優れてい
る。また着色樹脂皮膜には混合系潤滑剤が含有されてい
るので、成形加工しても樹脂皮膜が破損されず、かつシ
リカゾルが含有されているので、傷付きにくい。
(効果) 以上説明したごとく、本発明の着色表面処理鋼板は着色
樹脂皮膜の樹脂が水酸基を有しないので、製造の際処理
液中にクロム酸塩を含有していても、樹脂は酸化され
ず、ゲル化はしない。またシランカップリング剤または
/およびチタネートカップリング剤を含有しているの
で、処理液の段階での長期貯蔵安定性もすぐれ、皮膜密
着性も優れている。
着色樹脂皮膜中にクロム酸塩を含有しているので、耐食
性は従来のクロメート皮膜の上にクロム酸塩を含有しな
い着色樹脂皮膜を形成したものより著しく優れている。
樹脂皮膜中に固体潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤
滑剤を含有しているので、成形加工しても樹脂皮膜は破
損されず、耐食性や意匠性が低下したりすることがな
い。また潤滑油を加熱により表面にブリードさせ、再び
油膜を形成されることができるので、一次成形加工によ
り潤滑油が除去されても、二次加工の際も一次加工の場
合と同等の潤滑性を発揮する。従って成形加工前に潤滑
油を塗布したり、成形加工後に潤滑油を脱脂する作業は
不要であり、成形加工後の取扱いにより傷付くことが少
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図はシランカップリング剤による処理液の増粘防止
効果を示すグラフである。第2図は着色樹脂皮膜のシリ
カゾル含有量と着色樹脂皮膜の鉛筆硬度および密着性と
の関係を示すグラフである。第3図は着色樹脂皮膜のシ
リカゾル含有量と耐傷付き性との関係を示すグラフであ
る。第4図は着色樹脂皮膜の潤滑剤含有量と動摩擦係数
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 Q 101 7148−4F C09D 5/08 PNF 6904−4J

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の表面に(A)一般式CH2=CR1−COOR
    2(式中R1はH、CH3,R2はCが1〜8のアルキル基)で
    示される単量体の1種または2種以上1〜95重量%と、
    (B)α、β不飽和カルボン酸単量体3〜20重量%と、
    (C)これらの単量体と共重合可能な単量体0〜50重量
    %とを[但し(A)、(B)および(C)の合計は100
    重量%]乳化重合して得られる固形分当りの酸価10〜20
    0の共重合体樹脂皮膜で、その樹脂皮膜中にクロム酸塩
    と、シリカゾルと、固体潤滑剤および潤滑油からなる混
    合系潤滑剤と、シランカップリング剤およびチタンカッ
    プリング剤のいずれか一方または両方と、微粒子有色顔
    料とを含有するものが形成されてて、シリカゾル含有量
    が共重合体樹脂100重量部当り30〜40重量部となってい
    ることを特徴とする耐傷付き性、密着性および潤滑性に
    優れた着色表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】樹脂皮膜が固体潤滑剤および潤滑油からな
    る混合系潤滑剤を樹脂100重量部当り3〜15重量部含有
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の耐
    傷付き性、密着性および潤滑性に優れた着色表面処理鋼
    板。
  3. 【請求項3】固体潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤
    滑剤の固体潤滑剤が平均粒径0.3〜1.0μのグラファイト
    または二硫化モリブデンあるいはこれらを混合したもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    耐傷付き性、密着性および潤滑性に優れた着色表面処理
    鋼板。
  4. 【請求項4】固体潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤
    滑剤の潤滑油がパラフィンオイル、シリコーンオイルお
    よびネオペンチルポリオール脂肪酸エステルのいずれか
    1種または2種以上の混合物であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の耐傷付き性、密着性および
    潤滑性に優れた着色表面処理鋼板。
  5. 【請求項5】鋼板の表面にクロメート皮膜が形成され、
    そのクロメート皮膜の上に(A)一般式 CH2=CR1−COOR2(式中R1はH、CH3,R2はCが1〜8の
    アルキル基)で示される単量体の1種または2種以上1
    〜95重量%と、(B)α、β不飽和カルボン酸単量体3
    〜20重量%と、(C)これらの単量体と共重合可能な単
    量体0〜50重量%とを[但し(A)、(B)および
    (C)の合計は100重量%]乳化重合して得られる固形
    分当りの酸価10〜200の共重合体樹脂皮膜で、その樹脂
    皮膜中にクロム酸塩と、シリカゾルと、固体潤滑剤およ
    び潤滑油からなる混合系潤滑剤と、シランカップリング
    剤およびチタンカップリング剤のいずれか一方または両
    方と、微粒子有色顔料とを含有するものが形成されてい
    て、シリカゾル含有量が共重合体樹脂100重量部当り30
    〜40重量部となっていることを特徴とする耐傷付き性、
    密着性および潤滑性に優れた着色表面処理鋼板。
  6. 【請求項6】固体潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤
    滑剤の固体潤滑剤が平均粒径0.3〜1.0μのグラファイト
    または二硫化モリブデンあるいはこれらを混合したもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第5項に記載の
    耐傷付き性、密着性および潤滑性に優れた着色表面処理
    鋼板。
  7. 【請求項7】固体潤滑剤および潤滑油からなる混合系潤
    滑剤の潤滑油がパラフィンオイル、シリコーンオイルお
    よびネオペンチルポリオール脂肪酸エステルのいずれか
    1種または2種以上の混合物であることを特徴とする特
    許請求の範囲第5項に記載の耐傷付き性、密着性および
    潤滑性に優れた着色表面処理鋼板。
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