JPH0696539A - ディスク記録再生装置 - Google Patents

ディスク記録再生装置

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JPH0696539A
JPH0696539A JP24468892A JP24468892A JPH0696539A JP H0696539 A JPH0696539 A JP H0696539A JP 24468892 A JP24468892 A JP 24468892A JP 24468892 A JP24468892 A JP 24468892A JP H0696539 A JPH0696539 A JP H0696539A
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JP
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disturbance
linear motor
vibration
gain
servo
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JP24468892A
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Masaru Nomura
野村  勝
Toshiyuki Tanaka
利之 田中
Masayasu Futagawa
正康 二川
Takeshi Yamaguchi
毅 山口
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Original Assignee
Sharp Corp
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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスク装置あるいは磁気ディスク再生装
置に於いて、外乱振動に対する耐振性能を改善する。 【構成】 光ヘッド1(またはこれを移動するリニアモ
ータ2)の移動速度を速度センサー11で検出し、この
出力を増幅器13で増幅した後ドライバ6を経てリニア
モータ2に負帰還(速度帰還)することで、外乱振動に
対するリニアモータ2の挙動を低減する。更に速度帰還
によってリニアモータ2を含めたトラッキングサーボル
ープのゲインが低下するので、位相遅れ補償12によっ
てこのゲイン低下を補償し、耐振性能の改善を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスクあるいは磁気
ディスク媒体上に情報を記録または再生するディスク記
録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスク記録再生装置に於いては、情報
を記録・再生するためのヘッドを、リニアモータあるい
はスイングアームを用いてディスクの半径方向任意の位
置に移動し、位置決めする構成が広く用いられている。
【0003】図12は従来の光ディスク記録再生装置の
構成の一例を示す構成図である。ディスク7はスピンド
ルモータ9によって回転駆動される。ディスク7にはト
ラック8が設けられており、光ヘッド1は光ビーム3を
任意のトラックに照射して、情報の記録や再生を行う。
この光ヘッド1は、転がりあるいはすべり構造のベアリ
ング10を有するリニアモータ2によって、ディスク7
の半径方向に駆動される。
【0004】また光ヘッド1は、トラック8上に於ける
光ビーム3の相対的な位置ずれ量を表すトラッキング誤
差信号TESを、その光学系(トラッキング誤差信号生
成手段)4により生成する。
【0005】トラッキング誤差信号TESは位相補償手
段5、ドライバ6を経てリニアモータ2に加えられる。
これにより、光ヘッドはディスク半径方向に駆動され、
トラック上に光ビームが正しく位置決めされることにな
る。
【0006】このような光ヘッドの光学系(トラッキン
グ誤差信号生成手段)4、位相補償手段5、ドライバ6
及びリニアモータ2からなる位置決めの制御ループの構
成を図13にブロック図として示す。このような制御ル
ープはトラッキングサーボループと呼ばれ、トラックの
変位Xiを目標値として光ヘッドの位置Xoを追従させ
る制御系であり、制御ループ中の全要素のゲインの積を
(S)とすると、追従誤差Xeは Xe={1/(1+G(S))}・Xi …(1) となる。
【0007】次に、以上で説明したような光ディスク記
録再生装置のトラッキングサーボループに外乱振動が加
わった際の、光ヘッドの挙動及び光ビームとトラックと
の位置関係について説明する。
【0008】図14は図12の光ヘッド1近傍をモデル
化した図である。外乱振動の変位をY、光ヘッド(また
はこれを駆動するリニアモータ)の変位をX、光ヘッド
を含めたリニアモータ可動部の質量をM、リニアモータ
のベアリングに生じる等価的なバネ定数及び粘性定数を
それぞれK、Dとすると、ラプラス変換した運動方程式
より Ms2X+Ds(X−Y)+K(X−Y)=0 …(2) 但し、sはラプラス演算子を表す。(2)式を変形すれ
ば (X/Y)=(Ds+K)/(Ms2+Ds+K) =1−{(Ms2)/(Ms2+Ds+K)} =1−{K/(Ms2+Ds+K)}・{(Ms2)/K} =1−{ω0 2/(s2+2ζ0ω0s+ω0 2)・(s2/ω0 2) =1−G0(s)・(s2/ω0 2) …(3) (3)式中のG0(s)は、バネ・質量系、即ちこの場合は
リニアモータの伝達関数の正規化形式であり、次の
(3)式で表される周知のものである。
【0009】 G0(s)=K/(Ms2+Ds+K) =ω0 2/(s2+2ζ0ω0s+ω0 2) …(4) またω0、ζ0はそれぞれリニアモータの共振角周波数お
よびダンピング数であり、 ω0=(K/M)0.5 …(5) ζ0=D/{2(MK)0.5} …(6) で与えられる。
【0010】ところで図14に戻って考えると、外乱振
動が加わったとき、光ヘッド(またはこれを駆動するリ
ニアモータ)の変位Xと外乱振動の変位Yが全く同じで
あれば、光ディスク記録再生装置のトラッキングサーボ
ループに対する外乱振動の影響は全く無いことになる。
言い換えれば、リニアモータ可動部の変位Xの、外乱振
動の変位Yに対する差、(Y−X)が、トラッキングサ
ーボループに混入した外乱振動の成分となる。
【0011】ここで、この混入した外乱振動の成分(Y
−X)の、元の外乱振動に対する比率を、外乱伝達率B
(s)として定義し、以後の説明でも使用することにす
る。
【0012】 B(s)=(Y−X)/Y=1−(X/Y) …(7) (3)式を参照すれば、 ∴B(s)=G0(s)・(s2/ω0 2) …(8) B(s)は外乱振動によって生じた、トラックに対する光
ヘッド(リニアモータ)のずれ量を表すものと考えても
良い。
【0013】G0(s)とB(s)をグラフ化すると図15の
ようになる。G0(s)は2次のローパスフィルタ形式であ
り、一方B(s)はこれをω0を境に反時計回りに回転させ
た、2次のハイパスフィルタ形式となる。
【0014】さて、外乱振動がトラッキングサーボルー
プに混入して光ヘッドの位置がずれて、トラックとの位
置関係がずれたとき、これを相対的に考えれば、外乱振
動によってトラックの位置がずれたと見ることができ
る。言い換えれば、トラッキングサーボループの追従目
標値である、トラックの位置が外乱振動によって乱され
ると言うことになる。
【0015】この観点から先に図13で示したトラッキ
ングサーボループのブロック図を書き直したものが図1
6である。外乱振動の変位Yに外乱伝達率B(s)を掛け
たものが、既に述べたように外乱振動のサーボループへ
の混入量であり、追従目標値であるトラックの位置Xi
を乱す形で加えられている。
【0016】この図16より、追従誤差Xeを求める
と、 Xe={1/(1+G(s))}・Xi+{B(s)/(1+G(s))}・Y …(9) (9)式の第2項が外乱振動による、追従誤差の増分を
表している。ここで外乱振動Yを、変位次元から一般に
用いられる加速度次元の表現に改めるために、2回微分
を表すラプラス演算子s2を第2項の分子分母に付け加
えると、 Xe={1/(1+G(s))}・Xi+{B(s)/(1+G(s))s2}・Ys2 …(10) この(10)式の第2項より次の部分を抽出する。
【0017】 D(s)={B(s)/(1+G(s))s2} …(11) この(11)式は外乱振動加速度(Ys2)から追従誤
差Xeへの伝達関数となるので、D(s)を外乱抑圧特性
と定義して、以降の説明で使用する。
【0018】外乱抑圧特性D(s)が小さいほど外乱振動
加速度に対する追従誤差が小さく、外乱振動に強い、言
い換えれば耐振性能の優れたサーボループであると言う
ことが出来る。
【0019】また(11)式より明らかに、D(s)を小
さくするためには、サーボゲインG0(s)を大きくする
か、外乱伝達率B(s)を小さくすればよい。
【0020】サーボゲインG(s)を大きくして、外乱抑
圧特性D(s)を小さくするためには、まずサーボ帯域を
拡大する方法が考えられる。しかしながらこの方法で
は、ディスクの傷によるサーボ外れを生じ易くなる、あ
るいはリニアモータなどの機械系の特性歪みに対する要
求が厳しくなるなどの欠点があり、必ずしも採用し得る
ものではない。
【0021】また別の方法としては、外乱振動の周波数
成分が通常数十ヘルツ以下に多く発生し易いことから、
このような低周波数領域のサーボゲインを積分補償器の
一種である、位相遅れ補償(別称ラグリードフィルタ)
で持ち上げる方法が知られている。
【0022】図17はリニアモータを用いたトラッキン
グサーボループのゲインカーブG(s)の一例を示したも
のであるが、これと図15の外乱伝達率B(s)のグラフ
を考慮しながら(11)式に従って外乱抑圧特性D(s)
を求めたものが図18である。一方、図17のゲインカ
ーブを有するサーボループに図19の周波数特性を有す
る位相遅れ補償L1(s)を付加すると、図20に示すよう
にωV以下の角周波数でのサーボゲインが上昇し、外乱
抑圧特性D(s)は図21のように低減され、つまり耐振
性能の改善が可能となる。
【0023】しかし、低周波数での耐振性能を更に改善
しようとして、位相遅れ補償L1(s)の上限角周波数ωV
を高く設定すると、サーボゲインのカットオフ角周波数
ωCにおける位相余有が減少し、サーボループが不安定
になる。
【0024】あるいは単純に位相遅れ補償を2段以上重
ねて施し、低周波数でのサーボゲインを大きくしようと
すると、元のリニアモータが共振角周波数ω0以上で2
次の積分系となるので、合計4次以上の積分系となる。
このときのサーボゲインのベクトル軌跡は図22のよう
に点(−1,j0)の回りを時計回りに一回転するの
で、ナイキストの安定判別条件よりサーボループはやは
り不安定になる。
【0025】従って、単純に位相遅れ補償(ラグリード
フィルタ)を施して低周波数でのサーボゲインを高め、
外乱抑圧特性の低減を図る手法には、おのずと限界が生
じる。
【0026】一方、今度は外乱振動に対するリニアモー
タの機械的な挙動、つまり外乱伝達率B(s)を低減する
手法について考える。
【0027】例えば、リニアモータのベアリング部への
与圧を上げて、等価的なバネ性を高めると、共振角周波
数ω0が上昇する。先に図15で示したように、外乱伝
達率B(s)は共振角周波数ω0以下の角周波数で減少する
ハイパスフィルタ形式なので、ω0をω0′へと上昇させ
ると、図23に示すように低周波数に於ける外乱伝達率
が低減出来ることになる。
【0028】しかしながら共振角周波数をω0→ω0′へ
と上昇させると、図24に示すように共振角周波数以下
のサーボゲインは低下する。従って、外乱伝達率とサー
ボゲインとで定まる外乱抑圧特性は、この手法では結果
的に改善されない。またベアリング部への与圧を高める
と、ベアリング部の摩耗を早め、機械的な寿命が短くな
る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、サーボ
ゲインG(s)を大きくして、外乱抑圧特性D(s)を小さく
するためにサーボ帯域を拡大すると、ディスクの傷によ
るサーボ外れを生じ易くなる、あるいは、機械系の特性
歪みに対する要求が厳しくなるといった問題がある。
【0030】また、低周波数領域のサーボゲインを位相
遅れ補償で持ち上げる方法では、サーボループが不安定
になるという問題がある。
【0031】一方、外乱伝達率を低減しようとして、例
えば、等価的なバネ性を高めて共振角周波数を上昇させ
ると外乱伝達率は低減できるが、共振角周波数以下のサ
ーボゲインは低下してしまい、結果的には改善できない
ことになってしまうという問題がある。
【0032】即ち、従来の構成では結果的に外乱抑圧特
性の低減を図ることが難しく、光ディスクあるいは磁気
ディスクに情報を記録・再生する、ディスク記録再生装
置の耐振性能の向上には多くの問題を有するものであっ
た。
【0033】かかる問題点に基づき、本発明はサーボル
ープの安定性や機械系の寿命などを損なうことなく、耐
振性能を高めたディスク記録再生装置を提供することを
目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、ディスク媒体上に情報を記録再生するデ
ィスク記録再生装置において、情報を記録再生するため
のヘッドを駆動する駆動手段と、該駆動手段によって駆
動されるヘッドの移動速度を検出する移動速度検出手段
と、前記ヘッドのディスク媒体上のトラックに対する位
置ズレを検出するトラッキング誤差検出手段と、該トラ
ッキング誤差信号検出手段が検出したトラッキング誤差
信号に位相補償を施すための位相遅れ補償手段を有する
位相補償手段と、を備え、前記移動速度検出手段の出力
信号に前記位相補償手段の出力信号を加算して前記駆動
手段へ負帰還することを特徴とするディスク記録再生装
置である。
【0035】
【作用】ヘッドを駆動する駆動手段の外乱に対する応
答、すなわち、外乱伝達率をヘッドの速度を検出して負
帰還することによって低減するとともに、速度帰還によ
って低下したサーボゲインを位相遅れ補償手段で補償す
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。
【0037】図1は本発明にかかる、光ディスク記録再
生装置の構成の一例を示した図であり、先に図12で示
した部分については同一の番号を付けて詳細は略する。
しかしながら図1においては先の図12の構成とは異な
り、光ヘッド1(あるいはこれを移動するリリニアモー
タ2)の速度を検出する速度センサー11が設けられて
おり、更にこの速度センサー11の出力が増幅器13、
減算器22を経てドライバ6からリニアモータ2に負帰
還される、速度帰還ループが構成されている。また、位
相補償手段5には位相遅れ補償回路12が含まれてい
る。
【0038】速度センサー11としては、例えば図2に
示すように磁石14とコイル15のいずれか一方を光ヘ
ッド1(またはリニアモータ2)に取り付け、他方を光
ディスク記録再生装置の本体側に固定し、光ヘッド1
(またはリニアモータ2)の移動速度を直接検出するも
のを使用しても良い。あるいは図3のように、光ヘッド
1(又はリニアモータ2)の位置(変位)を検出する位
置センサー16とその出力を微分する微分器17とを組
み合わせて速度センサー11を構成しても良い。後者の
場合の位置センサー16としては、例えば図4に示すよ
うに、光ヘッド1(またはリニアモータ2)に発光ダイ
オード18、装置本体側に位置検出用のフォトダイオー
ドであるPSD(Position Sensitive Device)19を設
けたものが考えられる。PSDは入射光20の入射位置
に応じてその出力端子A,Bに光電流出力が得られるの
で、このPSDの端子A,Bからの出力を差動増幅器2
1で差動増幅すれば、発光ダイオード18からの入射光
20の入射位置即ち光ヘッド1(またはリニアモータ
2)の位置を検出することが出来る。
【0039】次に速度帰還ループを構成した場合の外乱
伝達率B(s)の変化について説明する。図5は速度帰還
ループ周辺のブロック図であり、 M :リニアモータ可動部質量(光ヘッドの質量を含
む) D :リニアモータベアリング部に生じる等価的な粘性
定数 K :リニアモータベアリング部に生じる等価的なバネ
定数 KD:ドライバのゲイン KF:リニアモータの推力定数 KV:速度センサーの感度 A :増幅器13のゲイン とする。このとき、駆動入力Uからリニアモータ(光ヘ
ッド)の変位X0への伝達関数を求めると (X0/U) =(KF・KD)/{Ms2+(D+A・KV・KF・KD)s+K} =(KF・KD/K)・[K/{Ms2+(D+A・KV・KF・KD) s+K}] =(KF・KD/K)・G0(s) …(12) (12)式中のG0(s)は速度帰還ループ構成後のリニ
アモータ伝達関数の正規化形式であり、次の(13)式
で表される。
【0040】 G0(s)=K/{Ms2+(D+A・KV・KF)s+K} =ω0 2/(s2+2ζ0′ω0s+ω0 2) …(13) またω0、ζ0′はそれぞれリニアモータの共振角周波数
及び速度帰還ループ構成後のダンピング数であり、(1
4)式と(15)式で表われる。
【0041】 ω0 =(K/M)0.5 …(14) ζ0′=(D+A・KV・KF・KD)/{2(MK)0.5} …(15) 速度帰還ループを構成しない場合のダンピング数、つま
り先の(6)式のζ0はベアリング部の等価的な粘性定
数D、バネ定数K、及びリニアモータ可動部の質量Mで
定まる、通常は0.1〜0.3位の値であり、最大でも
0.5程度である。
【0042】しかし速度帰還ループを構成したときのダ
ンピング数ζ0′は(15)式よりドライバのゲイン
D,リニアモータの推力定数KF,速度センサーの感度
V,及びその出力を増幅する増幅器のゲインAの積が
新たに関与しているので、KF,KD及びKVが定まれ
ば、Aを変えることでダンピング数ζ0′を変化出来る
ことになる。更に(15)式分子に於いて、ベアリング
部の等価的な粘性定数Dは転がり抵抗などで生じる小さ
い値のものであるので、Aの値により(A・KV・KF
D≫D)と設定することが出来、ζ0′は次の(16)
式で表せる。
【0043】 ζ0′≒(A・KV・KF・KD)/{2(MK)0.5} …(16) このときζ0′>1となるようにAの値を設定した場合
には、(13)式で表される正規化したリニアモータの
伝達関数G0(s)上には図6に示すように共振角周波数
ω0を中心として特性上の折点が角周波数ωA,ωBに現
れ、それらの間でのゲインが削り取られた形となる。
【0044】また外乱伝達率のグラフは伝達関数のグラ
フを左に回転させたハイパスフィルタの形式であるの
で、伝達関数G0(s)のゲインがω0を中心としてωA
らωBの区間で削り取られた結果、図7に示すように外
乱伝達率B′(s)も同じ角周波数の区間で削り取られ、
外乱振動のωAからωBまでの角周波数の成分がサーボル
ープ中に混入しにくくなっていることになる。
【0045】ところで、外乱抑圧特性は先に(11)式
で示したように、サーボゲインと外乱伝達率とで定まる
ものである。サーボゲインの元となるリニアモータの伝
達関数G0(s)が図6のようにωAからωBまでの角周波
数区間で削られている状態では、サーボゲインも速度帰
還により同じ角周波数区間に於いて削られて小さくなっ
ている。従って幾ら外乱伝達率B′(s)が同じ区間で低
減され、外乱振動の混入量が小さくなっていたとして
も、速度帰還を施したときのサーボゲインG′(s)と外
乱伝達率B′(s)で定まる外乱抑圧特性D′(s)は、この
ままでは速度帰還を施していない先の図18から変化は
無く、悪化もしないが何ら改善もされない。
【0046】そこで、ωB以下例えばω0までの角周波数
のゲインを持ち上げる位相遅れ補償回路L2(s)をサーボ
ループ中に組み入れると、速度帰還によってリニアモー
タの伝達関数G0(s)の、角周波数ωB以下のゲイン低
下が図8に示すように補償され、これによりサーボゲイ
ンG(s)の低下も補われる。またサーボループ中に位相
遅れ補償L2(s)を組み入れても外乱伝達率B′(s)に変
化は無いので、外乱抑圧特性D′(s)は結果的に図9に
示すようにこの位相遅れ補償L2(s)により持ち上げたゲ
イン分だけ、先の図18の状態よりも改善されることに
なる。
【0047】つまり、発明を適用した結果、速度帰還に
より外乱伝達率を低減し、速度帰還により低下したサー
ボゲインだけを位相遅れ補償L2(s)により補うことで、
外乱抑圧特性が低減され、耐振性能の改善が見られるこ
とが判る。
【0048】なおこのとき、位相遅れ補償L2(s)を施し
た場合に於いてもゲインの勾配は−40(dB/de
c)を越えることはなく、言い換えれば最大2次の遅れ
特性を示すに過ぎないので、先に図19で説明したよう
な位相遅れ補償L1(s)を余分に付加して耐振性能を更に
改善することが出来る。このときのサーボループ特性は
高々3次の遅れ特性に留まり、サーボゲインのベクトル
軌跡は図10に示したように、点(−1,j0)の回り
を時計方向に一回転することは無いので、ナイキストの
安定判別条件よりサーボループは安定である。
【0049】位相遅れ補償L1(s)を付加しても外乱伝達
率B′(s)の変化は無く、サーボゲインG′(s)だけがω
UからωVの間の角周波数で更に上昇するので、図11に
示すように外乱抑圧性能D″(s)はこの角周波数区間で
更に低減され、耐振性能は更に改善される。なお上記実
施例では、光ヘッドをリニアモータにより光ディスクの
半径方向に直線的に移動・位置決めする構造の光ディス
ク記録再生装置を例に挙げて説明したが、本発明は情報
の記録・再生を行うヘッドを、回転アームによってディ
スクの半径方向に円周軌道に沿って移動・位置決めする
構造の磁気ディスク装置などに対しても応用することが
出来る。
【0050】この場合には、光ヘッド(またはリニアモ
ータ)の直線的な速度を検出する速度センサーを、回転
アームの回転速度(角速度)を検出するように配置すれ
ば基本的には同様に考えることができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ヘ
ッドを移動する移動手段の外乱に対する応答即ち外乱伝
達率を、ヘッドまたは移動手段の速度を検出して負帰還
する速度帰還により低減し、更に速度帰還により低下し
たサーボゲインを位相遅れ補償回路で補償する構成を採
っているため、光ディスク装置あるいは磁気ディスク装
置の耐振性能を改善することが可能であり、これらの装
置の携帯あるいは車載など大きな外乱振動が加わり得る
分野への用途拡大が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における光ディスク記録再生
装置の構成図。
【図2】速度センサーの例を示す構成図。
【図3】速度センサーの別の例を示す構成図。
【図4】PSDを用いた位置センサーの例を示す構成
図。
【図5】速度帰還ループ周辺のブロック図。
【図6】速度帰還を施した場合のリニアモータの伝達関
数を表わす図。
【図7】速度帰還を施した場合のリニアモータの外乱伝
達率を表わす図。
【図8】速度帰還を施し、位相遅れ補償と組み合わせた
場合のリニアモータの伝達関数を表わす図。
【図9】速度帰還を施し、位相遅れ補償と組み合わせた
場合の外乱抑圧特性を表わす図。
【図10】速度帰還を施し、位相遅れ補償を2段組み合
わせた場合のサーボゲインのベクトル軌跡を表わす図。
【図11】速度帰還を施し、位相遅れ補償を2段組み合
わせた場合の外乱抑圧特性を表わす図。
【図12】従来の光ディスク記録再生装置の構成図。
【図13】トラッキングサーボループのブロック図。
【図14】光ヘッド近傍の運動モデル図。
【図15】バネ・質量系の伝達関数と外乱伝達率を表わ
す図。
【図16】外乱振動を考慮したトラッキングサーボルー
プのブロック図。
【図17】トラッキングサーボループのゲインを表わす
図。
【図18】外乱抑圧特性を表わす図。
【図19】位相遅れ補償の周波数特性を表わす図。
【図20】位相遅れ補償による低周波数でのサーボゲイ
ンの上昇を示す図。
【図21】位相遅れ補償を付加した場合の外乱抑圧特性
を表わす図。
【図22】位相遅れ補償を2段付加した場合のサーボゲ
インのベクトル軌跡を表わす図。
【図23】共振角周波数の変化に伴う外乱伝達率の変化
を示す図。
【図24】共振角周波数の変化に伴うサーボゲインの変
化を示す図。
【符号の説明】
1 光ヘッド 2 リニアモータ 3 光ビーム 4 光学系(トラッキング誤差信号生成手段) 5 位相補償手段 6 ドライバ 7 ディスク 8 トラック 9 スピンドルモータ 10 ベアリング 11 速度センサー 12 位相遅れ補償 13 増幅器 14 磁石 15 コイル 16 位置センサー 17 微分器 18 発光ダイオード 19 PSD 20 入射光 21 差動増幅器 22 減算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 毅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク媒体上に情報を記録再生するデ
    ィスク記録再生装置において、 情報を記録再生するためのヘッドを駆動する駆動手段
    と、 該駆動手段によって駆動されるヘッドの移動速度を検出
    する移動速度検出手段と、 前記ヘッドのディスク媒体上のトラックに対する位置ズ
    レを検出するトラッキング誤差検出手段と、 該トラッキング誤差信号検出手段が検出したトラッキン
    グ誤差信号に位相補償を施すための位相遅れ補償手段を
    有する位相補償手段と、 を備え、前記移動速度検出手段の出力信号に前記位相補
    償手段の出力信号を加算して前記駆動手段へ負帰還する
    ことを特徴とするディスク記録再生装置。
JP24468892A 1992-09-14 1992-09-14 ディスク記録再生装置 Pending JPH0696539A (ja)

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JP24468892A JPH0696539A (ja) 1992-09-14 1992-09-14 ディスク記録再生装置
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009159018A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Sanyo Electric Co Ltd 振動補償制御回路

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JP2009159018A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Sanyo Electric Co Ltd 振動補償制御回路

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CA2091592A1 (en) 1994-03-15

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