JP3429337B2 - トラッキング制御装置 - Google Patents

トラッキング制御装置

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JP3429337B2
JP3429337B2 JP17808093A JP17808093A JP3429337B2 JP 3429337 B2 JP3429337 B2 JP 3429337B2 JP 17808093 A JP17808093 A JP 17808093A JP 17808093 A JP17808093 A JP 17808093A JP 3429337 B2 JP3429337 B2 JP 3429337B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスク装置サーボ系
におけるトラッキングアクチュエータ、リニアモータ等
のトラッキング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスク装置においては、光
ビームスポットを目標トラックに合わせるためにディス
ク半径方向にレンズを駆動するトラッキングサーボ系を
有しており、特にコンピュータ等のデータ記録用に用い
られる光ディスク装置のトラッキングサーボ系には、よ
り高いサーボ性能を得るため等の理由から、例えば図1
7に示すように密アクチュエータであるトラッキングア
クチュエータ1と粗アクチュエータであるリニアモータ
2の2つを用いて光ビームスポットの位置決めを行う並
列サーボ系が用いられることがある。
【0003】図17の光ディスク装置の並列サーボ系で
は、ディスク3の目標とするトラック4の変位と光ビー
ムスポット5の変位との誤差を、光ピックアップ6内の
図示しない光学系および電気回路でトラッキング誤差信
号TEとして検出する。このトラッキング誤差信号TE
には系の安定化等を図るため位相補償回路7、8で位相
補償を施した後それぞれ駆動回路9、10に加えられ、
トラッキングアクチュエータ1、及びリニアモータ2を
駆動する。トラッキングアクチュエータ1はレンズ11
を駆動して、光ビームスポット5をトラック4の高周波
・小振幅の変位に追従させる一方、リニアモータ2はト
ラッキングアクチュエータ1を光ピックアップ6等とと
もに駆動してトラック4の低周波・大振幅の変位に追従
させる。
【0004】図17をブロック線図として表現すると図
18のようになり、トラッキング誤差信号TEに基づい
てトラッキングアクチュエータ1、およびリニアモータ
2が並列に作動することがわかる。
【0005】トラッキングアクチュエータ1はレンズ1
1を含む可動部をバネで支え、これを電磁力で駆動する
構造のものが多く、これは図19に示すようなバネ・マ
ス系の物理モデルで表される。この物理モデルにおい
て、駆動力FAから可動部(レンズ)の変位XAまでの伝
達特性は良く知られている様に2次のローパスフィルタ
(LPF)形式となり、そのゲインカーブは図20で示
される。
【0006】但しfAはトラッキングアクチュエータの
共振周波数、ζAはfA近傍でのゲインカーブの盛り上が
り(共振ピーク)を決定するダンピング数であり、トラ
ッキングアクチュエータの可動部(レンズ等)の質量を
m、バネのバネ定数をk、バネ部材に意図的に貼付する
ゴムやバネ部材自体に存在する粘性あるいは空気抵抗な
どによる粘性抵抗をdとする時、 fA=(1/2π)・(k/m)1/2 ・・・(1) ζA=d/{2・(m・k)1/2} ・・・(2) で表される。
【0007】次に、慣性質量系であるリニアモータの物
理モデルを図21に、その駆動力FLから変位XLまでの
伝達特性を図22に示す さて前述の様に並列サーボ系では、低周波帯域をリニア
モータが、高周波帯域をトラッキングアクチュエータが
主に追従する。このため、サーボ系全体のカットオフ周
波数近くでの安定性確保のためにトラッキングアクチュ
エータ系には図23の様にfPからfQまでの周波数で微
分特性を有する位相進み遅れ補償を施す。一方、偏心な
どに起因するディスクの変位が大きい低周波でのゲイン
を高めてサーボ追従性能をより高めるために、リニアモ
ータ系には図24の様にfLPFに折点周波数を有する1
次のローパスフィルタを施して低周波でのサーボゲイン
を上昇させる。これらの位相補償をそれぞれ図20の伝
達特性を有するバネ・マス系のトラッキングアクチュエ
ータ、および図22の伝達特性を有する慣性質量系のリ
ニアモータに付加して合成したものが、図18のブロッ
ク図で示された並列サーボ系のサーボゲインカーブ、図
25となる。
【0008】図25中、fXはリニアモータ系とトラッ
キングアクチュエータ系のゲインが等しくなる周波数を
示す。これを境としてリニアモータ系とトラッキングア
クチュエータ系のゲイン、言い換えればサーボ追従時の
リニアモータとトラッキングアクチュエータの変位量の
大小関係が入れ替わり、fXより低い周波数ではリニア
モータの動きがトラッキングアクチュエータを上回り、
逆にfXより高い周波数ではトラッキングアクチュエー
タの動きが支配的となってリニアモータはほとんど動か
ない。なお図25中、fAはトラッキングアクチュエー
タの共振周波数、fPは位相進み補償の開始周波数、fC
はカットオフ周波数を示す。
【0009】ところで上記の様な並列サーボ系では、系
の安定化のためには更にトラッキングアクチュエータの
ダンピング数を大きく保ち、その共振周波数近傍におけ
るゲインピーク(共振ピーク)を小さくしなければなら
ない。これを続いて説明する。
【0010】図26は並列サーボ系において、トラッキ
ングアクチュエータのダンピング数ζAが小さく、共振
周波数fA近傍に大きな共振ピークが生じた場合のサー
ボ系のゲイン及び位相のカーブを示す。この図に示すよ
うに、トラッキングアクチュエータの共振周波数fA
傍の共振ピークによってリニアモータ系とトラッキング
アクチュエータ系のゲインカーブが交差あるいは接近し
ている時、図26中斜線で示したfA近傍の周波数で
は、リニアモータ系とトラッキングアクチュエータ系の
ゲインの大きさがほぼ等しく、かつ位相差がほぼ180
°と言う条件を満たしやすい。このような周波数におい
てはリニアモータとトラッキングアクチュエータはほぼ
同じ振幅で、かつ逆方向に変位するという反転運動を生
じ、結果的に並列サーボ系は不安定になる。
【0011】トラッキングアクチュエータの共振ピーク
を小さく抑えてこの不安定現象を回避するために、トラ
ッキングアクチュエータのバネに粘性の大きいゴム等を
貼付することもあるが、温度変化やゴムの経年変化によ
るダンピング数の変化を避けるため、これに代えて図2
7に示すようにトラッキングアクチュエータの可動部
(レンズ)の速度を速度センサ12で検出してアンプ1
3で増幅したのち負帰還し、ダンピング数を向上させて
共振ピークを抑圧する手法が知られている。
【0012】この手法によれば、トラッキングアクチュ
エータの推力定数(感度)をKFA、速度センサ12の感
度をSV、アンプ13のゲインをAとするとき、ダンピ
ング数ζA’は(2)式のζAとは異なって、 ζA’=(d+KFA・SV・A)/{2(mk)1/2} ・・・(3) となり、アンプ13のゲインを調整することでダンピン
グ数を変化させ、共振ピークを所要値まで抑圧すること
は可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、これ
らの従来技術には以下のような問題点がある。
【0014】並列サーボ系の安定化のためにトラッキン
グアクチュエータのダンピング数を増大させ、共振ピー
クを抑圧する必要があるが、このために例えば先に述べ
たようなトラッキングアクチュエータの速度を帰還する
方式を採用したとしても、その速度を帰還するアンプの
ゲインの調整手順が増えるという問題点がある。
【0015】この調整は例えばFFTアナライザ等の周
波数特性測定器を用いてトラッキングアクチュエータの
共振ピーク特性が所望の形状になるまで、作業者が測定
器の表示管面を注視しながら可変抵抗器を増減させると
いうような非常に時間と労力を要するものであり、装置
の生産コスト上昇につながる。
【0016】また、バネ・マス系アクチュエータである
トラッキングアクチュエータ系の低域サーボゲインGA
は、カットオフ周波数をfC、位相進み補償の開始周波
数をfP、トラッキングアクチュエータ共振周波数をfA
とすると、 GA=(fP・fC)/(fA2 ・・・(4) という関係式で示される。
【0017】これら、fP、fC、fAはサーボ系の設計
段階でその値は決定される。ここで、fPは電気回路定
数で定まるので部品誤差程度の変動しか無く、事実上変
化しないものと見ても良い。fCはサーボ系全体のゲイ
ンを例えば、位相補償回路の出力を可変抵抗器で増減す
る等して所定値に調整できる。一方fAについては既に
(1)式で示したようにトラッキングアクチュエータの
可動部質量や使用するバネのバネ定数で定まるものであ
り、生産段階の部品誤差・組み立て誤差等により変動す
るものである。しかし、その調整は可動部質量やバネ定
数等の機械的な調整、即ちトラッキングアクチュエータ
可動部にわずかずつ重りを追加したりバネを削ったり等
の作業によらなければ行うことが出来ず、困難あるいは
事実上不可能に近い。
【0018】このバネ・マス系トラッキングアクチュエ
ータの共振周波数fAの変動は、上記の関係式よりその
2乗に従って低域サーボゲインGAを変動させることに
なる。この低域サーボゲインGAの変動により、低域に
おいてリニアモータ系とトラッキングアクチュエータ系
のゲイン分担が変動する。特に図28のように、トラッ
キングアクチュエータの実際の共振周波数fA''が設計
値fAより低い値に変動した時、低域サーボゲインGA
上昇してリニアモータ系の低域サーボゲインに接近す
る。この時、サーボ追従時におけるトラッキングアクチ
ュエータの変位量はリニアモータの変位量に近づき大き
くなるので、レンズの変位による光ビームスポットの変
位量も大きくなり、これに従って光ピックアップ内の光
学系で発生するトラッキング誤差信号TEの光学的なオ
フセットも増大し、サーボ追従性能が劣化する。
【0019】先述のトラッキングアクチュエータの速度
を帰還する手法ではトラッキングアクチュエータのダン
ピング数は調整できるとしても、共振周波数は調整でき
ないので並列サーボ系におけるこの問題点の解決にはつ
ながらない。
【0020】また、通常トラッキングアクチュエータお
よびリニアモータは電磁力で駆動されるが、その際トラ
ッキングアクチュエータ系およびリニアモータ系に用い
られる永久磁石の磁束密度が変動した場合、各々の感度
およびサーボゲインに変動を生じ、この時にも先のトラ
ッキングアクチュエータの共振周波数が変動した場合と
同様な問題が生じる。図29はリニアモータの感度が低
下した場合の並列サーボ系のゲインカーブを示すが、破
線で示すようにリニアモータ系のゲインの低下により、
例えば、リニアモータ系とトラッキングアクチュエータ
系のゲインが等しくなる周波数fXはfX’まで低下す
る。このfXの低下はリニアモータ系とトラッキングア
クチュエータ系のゲイン分担の変化につながり、前述の
トラッキングアクチュエータの共振周波数が低下した場
合と同様、レンズの変位による光ビームスポットの変位
量の増大につながり、これに起因するサーボ追従性能の
劣化が生じる。逆にリニアモータの感度の上昇によりそ
のサーボゲインが上昇した場合、先のfXは上昇してカ
ットオフ周波数fCに接近するが、これはリニアモータ
系に挿入したローパスフィルタの位相遅れや、あるいは
リニアモータ系に存在しやすい高次共振等がカットオフ
周波数近傍に影響を与えやすくなるということであり、
サーボ系の安定性上、好ましいことではない。
【0021】サーボ系の耐振性能については、サーボ系
に外乱が加わった場合、外乱振動によってレンズ更には
光ビームスポットをディスク上の目的とする位置に保持
しようとする能力、いわばサーボ剛性あるいは耐振性能
は従来の並列サーボ系の場合、リニアモータ系の耐振性
能によってほぼ決定されると言ってよい。リニアモータ
系の耐振性能はサーボゲインが高いほど優れている。し
かし、この耐振性能を高く得るために単純にサーボゲイ
ンを高くすると、先述の様にリニアモータ系とトラッキ
ングアクチュエータ系のゲインが等しくなる周波数fX
が高くなり、リニアモータ系のゲイン上昇のために挿入
した1次のローパスフィルタの影響でカットオフ周波数
C近傍での位相余有が減少してしまうという問題が生
じる。そのためリニアモータ系のゲイン、ひいては並列
サーボ系の耐振性能をむやみに高くとることはできな
い。
【0022】本発明は上記のような点に鑑みてなされた
ものである。その目的とするところは、トラッキングア
クチュエータ、リニアモータなど駆動手段の特性の変動
を吸収し、常に並列サーボ系におけるリニアモータ、ト
ラッキングアクチュエータ両者のゲイン分担の一定なサ
ーボ系であり、耐振性能に優れ、系の安定性を複雑な調
整等を行うことなく保つことが可能な駆動手段の制御装
置を供給することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、光発生手段
と、光発生手段からの光を光ディスクに導き光ビームス
ポットとして集光させる光学系と、前記光ビームスポッ
トの光ディスク所定トラックからのずれ量を検出し、ト
ラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号検
出系とを有する光ピックアップ装置に対し、前記トラッ
キング誤差信号に基づいて、粗アクチュエータと密アク
チュエータとによって前記光学系の全体あるいは一部を
駆動させて、前記光ディスク所定トラックに光ビームス
ポットを追従させるトラッキング制御を行う際に、密ア
クチュエータおよび粗アクチュエータの理想モデルの変
位と実際の密アクチュエータおよび粗アクチュエータの
変位との差をフィードバックすることにより、密アクチ
ュエータおよび粗アクチュエータの伝達特性を改善する
ように構成されたトラッキング制御装置であって、2次
の遅れ特性を有する密アクチュエータを制御する密アク
チュエータ制御部と、2次の遅れ特性を有する粗アクチ
ュエータを制御する粗アクチュエータ制御部とを有し、
前記密アクチュエータ制御部は、トラッキング誤差信号
に基づく第1の密アクチュエータ駆動信号に基づいて前
記密アクチュエータを駆動する第1の駆動回路と、トラ
ッキング誤差信号に基づく第2の密アクチュエータ駆動
信号に基づいて望ましい動作をする密アクチュエータを
電気的に模擬した第1のモデルと、密アクチュエータの
変位を検出する変位センサの出力信号と、第1のモデル
の出力信号との差をとる第1の比較手段と、第1の比較
手段の出力信号を、伝達特性が1次の進み遅れ特性であ
る第1の状態フィードバック要素に入力し、前記第1の
状態フィードバック要素の出力信号を第1の駆動回路の
入力側にフィードバックする第1のフィードバック回路
とを含み、前記粗アクチュエータ制御部は、トラッキン
グ誤差信号に基づく第1の粗アクチュエータ駆動信号が
入力され、前記粗アクチュエータを駆動するための第2
の駆動回路と、トラッキング誤差信号に基づく第2の粗
アクチュエータ駆動信号に基づいて望ましい動作をする
粗アクチュエータを電気的に模擬した第2のモデルと、
粗アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力信
号と、第2のモデルの出力信号との差をとる第2の比較
手段と、第2の比較手段の出力信号を、伝達特性が1次
の進み遅れ特性である第2の状態フィードバック要素に
入力し、前記第2の状態フィードバック要素の出力信号
を第2の駆動回路の入力側にフィードバックする第2の
フィードバック回路とを含み、前記第1の駆動回路は、
密アクチュエータ駆動信号と、第1の状態フィードバッ
ク要素の出力信号とに基づいて、密アクチュエータを駆
動し、前記第1のモデルは、密アクチュエータ駆動信号
と、第1の状態フィードバック要素の出力信号とに基づ
いて、密アクチュエータの動作を模擬し、前記第2の駆
動回路は、粗アクチュエータ駆動信号と、第2の状態フ
ィードバック要素の出力信号とに基づいて、粗アクチュ
エータを駆動し、前記第2のモデルは、粗アクチュエー
タ駆動信号と、第2の状態フィードバック要素の出力信
号とに基づいて、粗アクチュエータの動作を模擬するこ
とを特徴とするトラッキング制御装置である。
【0024】また本発明は、光発生手段と、光発生手段
からの光を光ディスクに導き光ビームスポットとして集
光させる光学系と、前記光ビームスポットの光ディスク
所定トラックからのずれ量を検出し、トラッキング誤差
信号を生成するトラッキング誤差信号検出系とを有する
光ピックアップ装置に対し、前記トラッキング誤差信号
に基づいて、粗アクチュエータと密アクチュエータとに
よって前記光学系の全体あるいは一部を駆動させて、前
記光ディスク所定トラックに光ビームスポットを追従さ
せるトラッキング制御を行う際に、密アクチュエータお
よび粗アクチュエータの理想モデルの変位と実際の密ア
クチュエータおよび粗アクチュエータの変位との差をフ
ィードバックすることにより、密アクチュエータおよび
粗アクチュエータの伝達特性を改善するように構成され
たトラッキング制御装置であって、2次の遅れ特性を有
する密アクチュエータを制御する密アクチュエータ制御
部と、2次の遅れ特性を有する粗アクチュエータを制御
する粗アクチュエータ制御部とを有し、前記密アクチュ
エータ制御部は、トラッキング誤差信号に基づく第1の
密アクチュエータ駆動信号に基づいて前記密アクチュエ
ータを駆動する第1の駆動回路と、トラッキング誤差信
号に基づく第2の密アクチュエータ駆動信号に基づいて
望ましい動作をする密アクチュエータを電気的に模擬し
た第1のモデルと、密アクチュエータの変位を検出する
変位センサの出力信号と、第1のモデルの出力信号との
差をとる第1の比較手段と、第1の比較手段の出力信号
を、伝達特性が1次の進み遅れ特性である第1の状態フ
ィードバック要素に入力し、第1の状態フィードバック
要素の出力信号を第1駆動回路の入力側にフィードバッ
クし、第1の状態フィードバック要素の出力信号を第1
のフィードバックゲイン倍してフィードバックする第1
のフィードバック回路とを含み、前記粗アクチュエータ
制御部は、トラッキング誤差信号に基づく第1の粗アク
チュエータ駆動信号が入力され、前記粗アクチュエータ
を駆動するための第2の駆動回路と、トラッキング誤差
信号に基づく第2の粗アクチュエータ駆動信号に基づい
て望ましい動作をする粗アクチュエータを電気的に模擬
した第2のモデルと、粗アクチュエータの変位を検出す
る変位センサの出力信号と、第2のモデルの出力信号と
の差をとる第2の比較手段と、第2の比較手段の出力信
号を、伝達特性が1次の進み遅れ特性である第2の状態
フィードバック要素に入力し、第2の状態フィードバッ
ク要素の出力信号を第2駆動回路の入力側にフィードバ
ックし、第2の状態フィードバック要素の出力信号を第
2のフィードバックゲイン倍してフィードバックする第
2のフィードバック回路とを含み、前記第1の駆動回路
は、密アクチュエータ駆動信号と、第1の状態フィード
バック要素の出力信号と、第1の状態フィードバック要
素の出力信号をフィードバックゲイン倍した信号とに基
づいて、密アクチュエータを駆動し、前記第1のモデル
は、密アクチュエータ駆動信号と、第1の状態フィード
バック要素の出力信号とに基づいて、密アクチュエータ
の動作を模擬し、前記第2の駆動回路は、粗アクチュエ
ータ駆動信号と、第2の状態フィードバック要素の出力
信号と、第1の状態フィードバック要素の出力信号をフ
ィードバックゲイン倍した信号とに基づいて、粗アクチ
ュエータを駆動し、前記第2のモデルは、粗アクチュエ
ータ駆動信号と、第2の状態フィードバック要素の出力
信号とに基づいて、粗アクチュエータの動作を模擬する
ことを特徴とするトラッキング制御装置である。
【0025】また本発明は、光発生手段と、光発生手段
からの光を光ディスクに導き光ビームスポットとして集
光させる光学系と、前記光ビームスポットの光ディスク
所定トラックからのずれ量を検出し、トラッキング誤差
信号を生成するトラッキング誤差信号検出系とを有する
光ピックアップ装置に対し、前記トラッキング誤差信号
に基づいて、粗アクチュエータと密アクチュエータとに
よって前記光学系の全体あるいは一部を駆動させて、前
記光ディスク所定トラックに光ビームスポットを追従さ
せるトラッキング制御装置であって、密アクチュエータ
を制御する密アクチュエータ制御部と、粗アクチュエー
タを制御する粗アクチュエータ制御部とを有し、前記密
アクチュエータ制御部は、前記トラッキング誤差信号に
基づく第1の密アクチュエータ駆動信号が入力され、前
記密アクチュエータを駆動する第1の駆動回路と、前記
トラッキング誤差信号に基づく第2の密アクチュエータ
駆動信号が入力される密アクチュエータの望ましい伝達
特性を電気的に模擬した第1のモデルと、密アクチュエ
ータの変位を検出する変位センサの出力と、第1のモデ
ルの出力との差をとる第1の比較手段と、第1の比較手
段の出力を、伝達特性が1次の進み遅れ特性である第1
の状態フィードバック要素に入力し、前記第1の状態フ
ィードバック要素の出力を第1の駆動回路の入力側にフ
ィードバックする第1のフィードバック回路とを含み、
前記粗アクチュエータ制御部は、前記トラッキング誤差
信号に基づく第1の粗アクチュエータ駆動信号が入力さ
れ、前記粗アクチュエータを駆動するための第2の駆動
回路と、前記トラッキング誤差信号に基づく第2の粗ア
クチュエータ駆動信号が入力される粗アクチュエータの
望ましい伝達特性を電気的に模擬した第2のモデルと、
粗アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力
と、第2のモデルの出力との差をとる第2の比較手段
と、第2の比較手段の出力を、伝達特性が1次の進み遅
れ特性である第2の状態フィードバック要素に入力し、
前記第2の状態フィードバック要素の出力を第2の駆動
回路の入力側にフィードバックする第2のフィードバッ
ク回路とを含み、前記密アクチュエータ制御部への入力
Xから出力Yまでの伝達関数は、第1のモデルの伝達
関数PmA(s)と、第1の状態フィードバック要素の
伝達関数H(s)と、密アクチュエータの変位を検出
する変位センサの出力と第1のモデルの出力との差δ
とを用いて、 (Y/X)=PmA(s)/{1+δ・(1−PmA(s)・H(s))} のように表され、前記第1のモデルの伝達関数P
mA(s)は、第1のモデルのゲインKと、第1のモ
デルの第1の固有振動数ωと、第1のモデルのダンピ
ング数ζと、ラプラス演算子sとを用いて、 PmA(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、前記第1の状態フィードバック要素の
伝達関数H(s)は、前記第1のモデルのゲインK
と、第1のモデルの第1の固有振動数ωと、第1の固
有振動数ωよりも大きい第2の固有振動数ωと、ラ
プラス演算子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表され、前記粗アクチュエータ制御部への入力
Xから出力Yまでの伝達関数は、第2のモデルの伝達
関数PmL(s)と、前記第2の状態フィードバック要
素の伝達関数H(s)と、粗アクチュエータの変位を
検出する変位センサの出力と第2のモデルの出力との差
δとを用いて、 (Y/X)=PmL(s)/{1+δ・(1−PmL(s)・H(s))} のように表され、前記第2のモデルの伝達関数P
mL(s)は、第2のモデルのゲインKと、第2のモ
デルの第1の固有振動数ωと、第2のモデルのダンピ
ング数ζと、ラプラス演算子sとを用いて、 PmL(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、前記第2の状態フィードバック要素の
伝達関数H(s)は、前記第2のモデルのゲインK
と、第2のモデルの第1の固有振動数ωと、第2のモ
デルの第1の固有振動数ωよりも大きい第2の固有振
動数ωと、ラプラス演算子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表されることを特徴とするトラッキング制御装
置である。また本発明は、光発生手段と、光発生手段か
らの光を光ディスクに導き光ビームスポットとして集光
させる光学系と、前記光ビームスポットの光ディスク所
定トラックからのずれ量を検出し、トラッキング誤差信
号を生成するトラッキング誤差信号検出系とを有する光
ピックアップ装置に対し、前記トラッキング誤差信号に
基づいて、粗アクチュエータと密アクチュエータとによ
って前記光学系の全体あるいは一部を駆動させて、前記
光ディスク所定トラックに光ビームスポットを追従させ
るトラッキング制御装置であって、密アクチュエータを
制御する密アクチュエータ制御部と、粗アクチュエータ
を制御する粗アクチュエータ制御部とを有し、前記密ア
クチュエータ制御部は、前記トラッキング誤差信号に基
づく第1の密アクチュエータ駆動信号が入力され、前記
密アクチュエータを駆動する第1の駆動回路と、前記ト
ラッキング誤差信号に基づく第2の密アクチュエータ駆
動信号が入力される密アクチュエータの望ましい伝達特
性を電気的に模擬した第1のモデルと、密アクチュエー
タの変位を検出する変位センサの出力と、第1のモデル
の出力との差をとる第1の比較手段と、第1の比較手段
の出力を、伝達特性が1次の進み遅れ特性である第1の
状態フィードバック要素に入力し、第1の状態フィード
バック要素の出力を第1駆動回路の入力側にフィードバ
ックし、第1の状態フィードバック要素の出力を第1の
フィードバックゲイン倍してフィードバックする第1の
フィードバック回路とを含み、前記粗アクチュエータ制
御部は、前記トラッキング誤差信号に基づく第1の粗ア
クチュエータ駆動信号が入力され、前記粗アクチュエー
タを駆動するための第2の駆動回路と、前記トラッキン
グ誤差信号に基づく第2の粗アクチュエータ駆動信号が
入力される粗アクチュエータの望ましい伝達特性を電気
的に模擬した第2のモデルと、粗アクチュエータの変位
を検出する変位センサの出力と、第2のモデルの出力と
の差をとる第2の比較手段と、第2の比較手段の出力
を、伝達特性が1次の進み遅れ特性である第2の状態フ
ィードバック要素に入力し、第2の状態フィードバック
要素の出力を第2駆動回路の入力側にフィードバック
し、第2の状態フィードバック要素の出力を第2のフィ
ードバックゲイン倍してフィードバックする第2のフィ
ードバック回路とを含み、前記密アクチュエータ制御部
への入力Xから出力Yまでの伝達関数は、第1のモデ
ルの伝達関数PmA(s)と、第1の状態フィードバッ
ク要素の伝達関数H(s)と、密アクチュエータの変
位を検出する変位センサの出力と第1のモデルの出力と
の差δと、第1のフィードバックゲインβとを用い
て、 (Y/X)=PmA(s)/[1+δ・{(1−PmA(s)・H(s)) /(1+β・PmA(s)・H(s))}] のように表され、前記第1のモデルの伝達関数P
mA(s)は、第1のモデルのゲインKと、第1のモ
デルの固有振動数ωと、第1のモデルのダンピング数
ζと、ラプラス演算子sとを用いて、 PmA(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、前記第1の状態フィードバック要素の
伝達関数H(s)は、前記第1のモデルのゲインK
と、第1のモデルの第1の固有振動数ωと、第1の固
有振動数ωよりも大きい第2の固有振動数ωと、ラ
プラス演算子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表され、前記粗アクチュエータ制御部への入力
Xから出力Yまでの伝達関数は、第2のモデルの伝達
関数PmL(s)と、前記第2の状態フィードバック要
素の伝達関数H(s)と、粗アクチュエータの変位を
検出する変位センサの出力と第2のモデルの出力との差
δと、第2のフィードバックゲインβとを用いて、 (Y/X)=PmL(s)/[1+δ・{(1−PmL(s)・H(s)) /(1+β・PmL(s)・H(s))}] のように表され、前記第2のモデルの伝達関数P
mL(s)は、第2のモデルのゲインKと、第2のモ
デルの第1の固有振動数ωと、第2のモデルのダンピ
ング数ζと、ラプラス演算子sとを用いて、 PmL(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、前記第2の状態フィードバック要素の
伝達関数H(s)は、前記第2のモデルのゲインK
と、第2のモデルの第1の固有振動数ωと、第2のモ
デルの第1の固有振動数ωよりも大きい第2の固有振
動数ωと、ラプラス演算子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表されることを特徴とする。
【0026】
【作用】本発明によれば、個々の密アクチュエータ即ち
トラッキングアクチュエータ、および粗アクチュエータ
即ちリニアモータに共振周波数やダンピング数、感度等
の変動等が存在しても、その出力がモデルと一致するよ
うに制御されるので結果的にこれらの特性はそれぞれの
モデルの特性と同等のものとなる。従ってこれらに望ま
れる共振周波数やダンピング数などの特性をあらかじめ
モデルに設定しておけば、実物のトラッキングアクチュ
エータ、リニアモータの特性変動を吸収し、常に一定し
た特性を有するものとすることが出来、複雑な調整を施
すことなしに系を安定にすることが可能であり、また装
置の特性を一定に保つことができる。
【0027】またトラッキングアクチュエータやリニア
モータに振動などの外乱が加わってその出力が変化しよ
うとした場合でも、上に述べた様にモデルの出力と異な
った挙動は抑圧されることから、振動などの外乱にも強
い、言い換えればサーボ剛性あるいは耐振性能にも優れ
た駆動手段制御装置を得ることができる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)図1は、本発明にかかる駆動手段制御装置
を、密アクチュエータであるトラッキングアクチュエー
タ1と粗アクチュエータであるリニアモータ2より構成
される光ディスク装置のトラッキングサーボ系に適用し
た、第1の実施例のブロック図を示したものである。以
下の各図において先に示した図面との対応部分には同一
符号を付して重複説明を省略する。
【0029】図1においては、先に示した従来例の図1
8における駆動回路9、10及びトラッキングアクチュ
エータ1、リニアモータ2に代えてトラッキングアクチ
ュエータ制御部50、リニアモータ制御部60が設けら
れている。
【0030】また、図2(a)は図1中のトラッキングア
クチュエータ制御部50、図2(b)は図1中のリニアモ
ータ制御部60の内部を表したものである。
【0031】図2(a)および図2(b)中、トラッキングア
クチュエータ1およびリニアモータ2の伝達特性をそれ
ぞれPA(S)およびPL(S)で表す。なお、駆動回路9、1
0は通常十分成立する仮定、即ち特に周波数特性をもた
ず、そのゲインは1であるものとする。変位センサ5
5、65はトラッキングアクチュエータ1およびリニア
モータ2の変位を検出するものであって、例えば発光ダ
イオードなどの光あるいはディスクに向かう光源からの
光の一部をアクチュエータ1およびリニアモータ2の可
動部に照射し、その反射光あるいは可動部で部分的に遮
られた光をフォトダイオードなどの光検出器により受光
することで変位を検出するようにした光学式変位検出セ
ンサなどが考えられる。
【0032】理想モデル51、61はトラッキングアク
チュエータ、およびリニアモータの特性を模擬したもの
であり、その伝達特性をそれぞれPmA(S)およびPmL(S)
で表す。なお、あとでアクチュエータ1及びリニアモー
タ2の変位センサ55、65で検出した出力と、理想モ
デル51、61の出力とを比較するために、PmA(s)
mL(s)は変位センサのゲインを含むものとする。状態
フィードバック要素53、63は系の誤差の抑圧特性や
安定性を決定する要素であり、その伝達特性をHA(S)
よびHL(S)で表す。外乱D1、D2はトラッキングアクチ
ュエータおよびリニアモータに加わる外乱を表す。
【0033】本実施例1の動作を図1および図2(a)に
基づいて要約すると以下の通りである。
【0034】「実物のアクチュエータ」、即ちトラッキ
ングアクチュエータ1と「アクチュエータの理想モデ
ル」51の両者に、図1の位相補償回路7から同一の入
力Xが加わる。これに対して「実物のアクチュエータ」
即ちトラッキングアクチュエータ1の出力を変位センサ
55で検出した出力と「理想モデル」51の出力をその
両者の出力を比較手段52で比較し、比較手段52の出
力を状態フィードバック要素53及び駆動回路9を通し
て「実物のアクチュエータ」即ちトラッキングアクチュ
エータ1に加えることで、その出力が「理想モデル」5
1の出力に一致するように駆動する。
【0035】従って、実物の駆動手段(トラッキングア
クチュエータ)の共振周波数やダンピング数などに生産
時のばらつきの様な特性変動が有ったとしても、これは
「実物」と「理想モデル」との誤差と見なしてフィード
バックされるので、実物のトラッキングアクチュエータ
の特性は「理想モデル」の特性と一致するように制御さ
れる。また仮にトラッキングアクチュエータに外部から
の振動等の外乱D1が加わった場合にも、この外乱によ
るトラッキングアクチュエータの動きはやはり「理想モ
デル」には存在しない誤差と見なされて抑圧される。こ
のため見かけ上、外乱の影響や特性の変動が少なく、理
想モデルとほぼ同一の特性を有するトラッキングアクチ
ュエータが得られることになる。また、同様にして図2
(b)のブロック図に基づいて、理想モデルとほぼ同一の
特性を持つリニアモータを得ることができる。
【0036】この理想モデルとほぼ同一の特性を有する
トラッキングアクチュエータおよびリニアモータを用い
て、並列サーボ系を構成したものが図1に示したトラッ
キング制御装置である。
【0037】続いて上記の様な特性を持つトラッキング
アクチュエータおよびリニアモータが図2(a)、図2(b)
のトラッキングアクチュエータ制御部およびリニアモー
タ制御部において得られることを、数式などに基づき更
に説明する。なお、変位センサ55、65のゲインは既
に述べたようにPmA(s)、PmL(s)に含めて考えるので以
下の数式には現れてこない。
【0038】図2(a)において、その入力Xから出力Y1
まで、及び外乱D1から出力Y1までの伝達関数は次式で
示される。
【0039】 (Y1/X)=PmA(S)/{1+δ・(1−PmA(S)・HA(S))} ・・・(5) (Y1/D1)=PmA(S)・(1−PmA(S)・HA(S)) /{1+δ・(1−PmA(S)・HA(S))} ・・・(6) なおδAは理想モデルと実物(トラッキングアクチュエ
ータ)との誤差を表すもので、次の式で示される。
【0040】 δA={PmA(S)−PA(S)}/PA(S) ・・・(7) (5)(6)式において誤差δAの係数項、言い換えれ
ば誤差δAを抑圧する項は(1−PmA(S)・HA(S))であ
り、これが小さいほど誤差や外乱の影響は小さくなる。
この項が十分小さく、|δA・{1−PmA(S)・HA(S)}|
<<1と見なせる場合には、(5)式は (Y1/X)≒PmA(S) ・・・(5’) となり、理想モデルとほぼ同一の伝達特性が得られるこ
とが判る。
【0041】またこのとき(6)式は (Y1/D1)≒PmA(S)・{1−PmA(S)・HA(S)} ・・・(6’) となるので、|(1−PmA(S)・HA(S))|に従って外
乱によるトラッキングアクチュエータの挙動は抑圧され
る。
【0042】特にHA(S)がPmA(S)の逆特性とほぼ等し
いと見なせる周波数に於いては、|{1−PmA(S)・H
A(S)}|はほぼ0となり、外乱や誤差の影響はほぼ完全
に抑圧出来る。
【0043】全く同様に以上の説明でY1をY2、D1
2、PmA(S)をPmL(S)、PA(S)をPL(S)、そしてH
A(S)をHL(S)に、δA(S)をδL(S)に置き換えることで、
図2(b)に示されるリニアモータ系の挙動も説明できる
ので、リニアモータ系についての説明は省略する。
【0044】続いてPmA(S)、HA(S)およびPmL(S)、H
L(S)に具体的な伝達関数を設定した場合の、これら各式
の伝達関数のグラフを導出する。
【0045】まず、PmA(S)、H(S)を図3
(a)(b)に示す様な特性とした場合、その伝達関数
はそれぞれ次の(8)式及び(9)式の様になる。ただ
しsはラプラス演算子であり、s=2πfとして表され
る。ωは、第1のモデルの第1の固有振動数を表わ
し、ωはωよりも大きな第2の固有振動数を表わ
す。
【0046】 PmA(S)=K0・ω0 2/(s2+2ζ0・ω0・s+ω0 2) ・・・(8) (但しω0=2πf0) HA(S)=(1/K0)・{1+(s/ω0)}/{1+(s/ω1)} ・・・(9) (ただしω1=2πf1、ω1>>ω0) 但し、一般にサーボ系ではトラッキングアクチュエータ
(駆動手段)に共振ピークがあることは好まれないの
で、ここではダンピング数ζ0=1として考え、図2(b)
もこれに従って記している。
【0047】また、PmA(S)はバネ・マス系のアクチュ
エータの特性の理想モデルであるので、図3(a)あるい
は(8)式より明らかにf0以下の周波数でフラットな
ゲイン特性を有する。この図3(b)あるいは(9)式に
示したフィードバック手段HA(S)の伝達特性は1次の進
み遅れ特性であって、PmA(S)の逆特性に一致しない
が、f0以下の周波数ではPmA(S)と同じくフラットなゲ
イン特性を有し、かつこの周波数の範囲ではPmA(S)
A(S)≒1であるので、外乱や誤差の影響はほぼ完全に
抑圧出来る。
【0048】上記のようなモデルを用いた際、誤差δA
の抑圧項である{1−PmA(S)・HA(S)}をRA(S)で表す
と、s<<ω1の周波数ではRA(S)は次の(10)式で
近似出来る。
【0049】 RA(S)={1−PmA(S)・HA(S)} ・・・(10) ≒s/(s+ω0) ・・・(10') これはω0即ちf0を折点とする1次のハイパスフィルタ
形式であり、そのゲインカーブは図4となる。(10)
式あるいは図4によれば、ω<ω0,即ちf<f0の周波
数領域においては、 |RA(S)|=|{1−PmA(S)・HA(S)}|<1 となり、実物と理想モデルとの誤差δはこれに従い抑圧
されることになる。
【0050】次に振動等の外乱に対する耐性の向上につ
いて説明する。
【0051】外乱D1からトラッキングアクチュエータ
(駆動手段)の出力変位Y1までの伝達関数は既に
(6)式で示したが、トラッキングアクチュエータとそ
のモデルの伝達特性との誤差をδAとすると、外乱力D1
からトラッキングアクチュエータ可動部の変位Y1への
伝達特性(6)式は次の(11)式となる。
【0052】 (Y1/D1)=PmA(S)・{RA(S)/(1+δA(S)・RA(S))} ・・・(11) このときδA(S)が極端に大きく|RA(S)・δA(S)|≧1
となる場合を除き(11)式は (Y1/D1)≒PmA(S)・RA(S) ・・・(11’) となって外乱D1は先のRA(S)に従って抑圧されること
になる。
【0053】一方本発明によらない場合では、先の図2
(a)において状態フィードバック要素53を除去して考
えれば明らかに次の(12)式となる。
【0054】 (Y1/D1)=PA(S) ・・・(12) (12)式は実物のトラッキングアクチュエータの伝達
特性そのものであり何等誤差の抑圧項はかかっていな
い。したがってこれら(11’)(12)式を比較すれ
ば、PmA(S)がPA(S)より極端に大きく設定されていな
い限り外乱の影響も本発明の適用により(10')式あ
るいは図4に示したRA(S)に従って低減されることが判
る。
【0055】次に、リニアモータについてP
mL(s)、H(s)を図5(a)(b)に示すよう
な特性とした場合、その伝達関数はそれぞれ次の(1
3)式および(14)式のようになる。ωは、第2の
モデルの第1の固有振動数を表わし、ωはωよりも
大きな第2の固有振動数を表わす。
【0056】 PmL(S)=KL・ωL 2/(s2+2ζL・ωL・s+ωL 2) ・・・(13) (但しωL=2πfL) HL(S)=(1/KL)・{1+(s/ωL)}/{1+(s/ω1)} ・・・(14) (但しω1=2πf1、ω1>>ωL) ここで先に述べたトラッキングアクチュエータの場合と
同様の理由によりf以下の周波数において、P
mL(S)・HL(S)=1となるようPmL(S)、HL(S)
設定している。
【0057】また先述のトラッキングアクチュエータの
場合と同様にζL=1として考え、図5(a)もこれに従っ
て記している。また、上記のようなリニアモータ系のモ
デルを用いた際の、理想モデルと実物(リニアモータ)
の誤差は次式で示される δL={PmL(S)−PL(S)}/PL(S) ・・・(15) リニアモータ系のモデルを上記のように設定すると、ト
ラッキングアクチュエータのモデルと同様の特性をも
つ。δLを抑圧する項である(1−Pm(S)・H(S))をR
L(S)で表すと、s<<ω1の周波数ではRL(S)は次の
(16)式で近似できる。
【0058】 RL(S)≒s/(s+ωL) ・・・(16) そのゲインカーブは図6に示すようになることより、ω
<ωL即ちf<fLの周波数領域において、実物と理想モ
デルとの誤差δLは抑圧されることになる。従ってリニ
アモータ本来の特性が先に図22で示したような全周波
数帯域で−40dB/decのゲイン勾配を有する慣性
質量系のものであったとしてもこれと図5(a)のPmL(S)
との特性の差は誤差δLと見なされて抑圧されるので結
果的にリニアモータの特性はPmL(S)と一致するように
駆動される。
【0059】振動等の外乱に対する耐性の向上について
も、トラッキングアクチュエータの場合と同様、RL(S)
に従って外乱の影響は低減される。
【0060】トラッキングアクチュエータおよびリニア
モータはそれぞれ理想モデルの出力に一致するのでこれ
らの感度の変動によるゲインの変動はない。特にトラッ
キングアクチュエータに共振ピークが生じたり、共振周
波数が変動したりすることもない。そのため、トラッキ
ングアクチュエータ系に速度帰還等の複雑な調整を施す
ことなく並列サーボ系を安定に保つことができるほか、
トラッキングアクチュエータ系の低域ゲインの変動も生
じず、従来例に見られるようなトラッキングアクチュエ
ータ系のゲイン分担の増大を原因とするオフセットの発
生を防ぐことが可能である。また振動等の外乱の影響も
A(S)あるいはRL(S)に従って抑圧されるので、外乱に
対する剛性の高いサーボ系を構成することが可能であ
る。
【0061】続いて、状態フィードバック要素53、6
3の特性HA(S)およびHL(S)を別のもの例えば、トラッ
キングアクチュエータに対して図7(b)、リニアモータ
に対して図9(b)に示すような特性に設定した場合の誤
差項δA、δLあるいは外乱D1、D2の抑圧について続け
て説明する。なお比較のため、図7(a)及び図9(a)に示
したトラッキングアクチュエータ及びリニアモータのモ
デルの伝達特性PmA(S)、PmL(S)は先の(8)式または
図3(a)及び(13)式または図5(a)とそれぞれ同一と
している。HA(S)、HL(S)は先述の理由により、低周波
領域においてそれぞれPmA(S)・HA(S)=1およびP
mL(S)・HL(S)=1となるように設定する。
【0062】図7(b)に示したHA(S)の伝達関数は次の
(17)式で表される。
【0063】 HA(S)=(1/K0)・{1+(s/ω0)}2/{1+(s/ω1)}2 (但しω1=2πf1、 ω0<<ω1) ・・・(17) この図7(b)あるいは(17)式で示されるHA(S)はf1
までの周波数範囲でPmA(S)の逆特性とほぼ一致してお
り、この周波数範囲では|{1−PmA(S)・HA(S)}|
≒0となる。このためHA(S)を先の1次の進み遅れ特性
のものとした場合よりも外乱や誤差の影響はより広い周
波数範囲で抑圧される。
【0064】この時、誤差項δA等の係数項であるR
A(S)={1−PmA(S)・HA(S)}は(18)式となる。
【0065】 RA(S)=(s2+2・ω1・s)/(s2+2・ω1・s+ω1 2) ・・・(18) またそのゲインカーブは図8に示されるような、(f1
/2)を折点とするハイパスフィルタ型式に近似され、
(f1/2)以下の周波数領域においては、 |RA(S)|=|{1−PmA(S)・HA(S)}|<1 となり、実物と理想モデルとの誤差δA及び外乱D1の影
響は抑圧されることになる。
【0066】フィードバック要素53の伝達関数HA(S)
を先の(9)式及び図3(b)で示した1次の進み遅れ特
性のものとした場合、|RA(S)|<1となるのはf0
下の周波数に限られていた。しかしHA(S)を(17)式
及び図7(b)で示す2次の進み遅れ特性のものとして、
1>2f0と設定しておけば、この|RA(S)|<1とな
る周波数は(f1/2)まで拡大され、誤差や外乱に対
する抑圧効果がより高くなる。
【0067】次に、同様にしてリニアモータ系の状態フ
ィードバック要素63に図9(b)で示される2次の進み
遅れ特性の伝達特性HL(S)を有するものを用いた場合に
ついて説明する。なお先述したように比較のため、リニ
アモータのモデルの伝達特性PmL(S)は先の(13)式
と同一としている。
【0068】図9(b)に示したHL(S)の伝達関数は次の
(19)式で示される。
【0069】 HL(S)=(1/K0)・{1+(s/ωL)}2/{1+(s/ω1)}2 (但しω1=2πf1、 ωL<<ω1) ・・・(19) この時も、トラッキングアクチュエータと同様にして、
誤差項δL等の係数項であるRL(S)={1−PmL(S)・H
L(S)}は(20)式のようになる。
【0070】 RL(S)=(s2+2・ω1・s)/(s2+2・ω1・s+ω1 2) ・・(20) またそのゲインカーブは図10に示されるような、(f
1/2)を折点とするハイパスフィルタ型式に近似さ
れ、(f1/2)以下の周波数領域においては、 |RL(S)|=|{1−PmL(S)・HL(S)}|<1 となり、実物と理想モデルとの誤差δLおよび外乱D2
影響は抑圧されることになる。
【0071】これらにより、実物と理想モデルの誤差δ
A、δLおよび外乱D1、D2の影響は、(f1/2)以下
の周波数で抑圧され、トラッキングアクチュエータの共
振周波数やダンピング数(共振ピーク)の変動が吸収さ
れる他、更にfX<(f1/2)と設定しておくと、リニ
アモータ系とトラッキングアクチュエータ系のゲインが
等しくなる周波数fXは常に一定にすることができ、両
者のゲイン分担の固定化が図られるほか、fXの変動に
よる並列サーボ系の不安定化の回避が可能である。
【0072】(実施例2)続いて本発明にかかるトラッ
キング制御装置の第2の実施例を説明する。
【0073】この第2の実施例は図11、図12に示す
ようにトラッキングアクチュエータ制御部50およびリ
ニアモータ制御部60において、状態フィードバック要
素53、63の出力を駆動回路9、10を通じて駆動手
段1、2(トラッキングアクチュエータ、リニアモー
タ)にフィードバックする第2の経路を新たに設け、こ
の第2の経路中にゲインβA、βLを有するフィードバッ
クゲイン要素54,64を設けたものであり、先の第1
の実施例に於けるトラッキングアクチュエータ制御部5
0、リニアモータ制御部60よりも更に誤差や外乱に対
する抑圧性能が向上する。
【0074】図11のトラッキングアクチュエータ制御
部50において、外部からの入力X、及び外乱D1から
トラッキングアクチュエータ1の出力Y1までの伝達関
数はそれぞれ(21)及び(22)式で表される。
【0075】 (Y1/X)=PmA(S)/[1+δA・{(1−PmA(S)・HA(S))/ (1+βA・PmA(S)・HA(S))}] ・・・(21) (Y1/D1)=PmA(S)/[1+δA・{(1−PmA(S)・HA(S))/ (1+βA・PmA(S)・HA(S))}] ×[(1−PmA(S)・HA(S))/(1+βA・PmA(S)・HA(S))] ・・・(22) ただし、δAは既に(7)式で示した、実物のトラッキ
ングアクチュエータと理想モデルとの誤差を表す項であ
る。
【0076】この(21)(22)式に於ける誤差δA
の係数項を第1の実施例と同様RA(S)として表せば次の
(23)式となる、 RA(S)={(1−PmA(S)・HA(S))/(1+βA・PmA(S)・HA(S))} ・・・(23) |RA(S)|<1であれば誤差δAや外乱D1が抑圧される
のも第1の実施例と同様である。また、第1の実施例の
場合と同様、リニアモータ制御部60についての挙動の
説明は上記のトラッキングアクチュエータ制御部50の
場合と全く同様であるので説明を省略する。
【0077】次にPmA(S)、HA(S)およびPmL(S)、H
L(S)に具体的な伝達関数を、先の第1の実施例に於ける
ものと同一に設定し、そのときの特性を求めて比較す
る。
【0078】まずトラッキングアクチュエータ系につい
て、PmA(S)は(8)式のものとして、HA(s)には
(9)式及び図3(b)で示した1次の進み遅れ特性の伝
達関数を与えた場合、RA(S)は(24)式で、またその
ゲインカーブは図13で表されるものとなる。
【0079】 RA(S)=βA・ω0/(s+βA・ω0) ・・・(24) この時のRA(S)は(βA・f0)を折点とする1次のハイ
パスフィルタ型式をしており、(βA・f0)以下の周波
数においては|RA(S)|<1であるからこの周波数領域
では誤差や外乱が抑圧される。
【0080】リニアモータ系についても同様に、P
mL(S)は(13)式のものとして、HL(S)には(14)
式および図5(b)で示した1次の進み遅れ特性の伝達関
数を与えた場合、実物(リニアモータ)と理想モデルと
の誤差項δLの抑圧項RL(S)は(25)式で、またその
ゲインカーブは図14で表されるものとなる。
【0081】 RL(S)=βL・ωL/(S+βL・ωL) ・・・(25) この時のRL(S)は(βL・fL)を折点とする1次のハイ
パスフィルタ型式であり、(βL・fL)以下の周波数に
おいては |RL(S)|<1であるからこの周波数領域で
は誤差や外乱が抑圧される。
【0082】上記のようなモデルを用いたトラッキング
アクチュエータとリニアモータを、並列サーボ系に適用
した場合について説明する。
【0083】実施例1の場合と同様、トラッキングアク
チュエータ系およびリニアモータ系は理想モデルと同一
の特性を示すため、複雑な調整を施すことなしに並列サ
ーボ系を安定化することが可能であり、トラッキングア
クチュエータの共振点の変動、およびトラッキングアク
チュエータ系、リニアモータ系の両者のゲインの変動も
抑圧できるため、常に、一定のゲイン分担でトラッキン
グアクチュエータ系とリニアモータ系を駆動することが
できる。また、fX<(βA・f0)、(βL・fL)と設
定しておけば、リニアモータ系とトラッキングアクチュ
エータ系のゲインが等しくなる周波数fX、トラッキン
グアクチュエータ系のカットオフ周波数fCを一定にで
き、装置個々のサーボ追従性能の変動を吸収できる。
【0084】フィードバック要素53、63の伝達関数
A(s)、HL(S)に同じ1次の進み遅れ特性のものを用い
た場合、先の第1の実施例では誤差や外乱の抑圧はトラ
ッキングアクチュエータ系はf0、リニアモータ系はfL
以下の周波数に限られていたのに比べ、この第2の実施
例では,それぞれそのβA倍およびβL倍の周波数まで抑
圧効果が得られるため、より好適である。
【0085】次にHA(S)に(17)式あるいは図7(b)
に示す2次の進み遅れ特性の伝達関数を持たせた場合に
ついて、RA(S)を求め、誤差や外乱の抑圧特性を比較す
る。
【0086】この時のRA(S)は(26)式で表され一種
のハイパスフィルタ形式となる。またそのゲインカーブ
はβによって形状が多少異なるが、例えばβA>3とし
た場合(即ち{(1+βA1/2・ω1}>2ω1である場
合)には、およそ図15で表されるようなものとなる。
【0087】 RA(S)=(s2+2・ω1・s)/{s2+2・ω1・s+(1+βA)・ω1 2} ・・・(26) (26)式のRA(S)は{f1・(1+βA1/2}以下の
周波数において|RA(S)|<1となり、誤差や外乱の抑
圧効果が有る。
【0088】次に、リニアモータ系についても(19)
式あるいは図9(b)に示す2次の進み遅れ特性の伝達関
数を持たせた場合についてもトラッキングアクチュエー
タ系と同様の結果が得られる。つまり、RL(S)は(2
7)式で表され、そのゲインカーブは図16のような一
種のハイパスフィルタ形式となる。
【0089】 RL(S)=(s2+2・ω1・s)/{s2+2・ω1・s+(1+βL)・ω1 2} ・・・(27) RL(S)は{f1・(1+βL1/2}以下の周波数におい
て|RL(S)|<1となるため、図12に示される系にお
いては、{f1・(1+βL1/2}以下の周波数まで誤
差や外乱の抑圧効果がある。
【0090】第1の実施例において同じ2次の進み遅れ
特性のHA(S)、HL(S)を設定した場合、トラッキングア
クチュエータ系、リニアモータ系の両者とも|RA(S)
<1、|RL(S)|<1となるのはともに(f1/2)以
下の周波数であったことから、やはりこの第2の実施例
によれば誤差や外乱に対する抑圧効果がより高くなるこ
とが判る。
【0091】上記のようなトラッキングアクチュエータ
とリニアモータを用いた並列サーボ系においては、トラ
ッキングアクチュエータ系は{f1・(1+βA1/2
まで、リニアモータ系は{f1・(1+βL1/2}まで
誤差項δA、δL、外乱D1、D2の抑圧効果があり、特に
X<{f1・(1+βA1/2}、{f1・(1+βL
1/2}となるように設定するとリニアモータ系とトラッ
キングアクチュエータ系のゲインが等しくなる周波数f
Xは常に一定とすることができる。
【0092】
【発明の効果】本発明にかかる駆動手段制御装置によれ
ば、密アクチュエータ、粗アクチュエータなどの駆動手
段に望まれる理想的な伝達特性を有するモデルを設けて
これと実物の駆動手段との出力差を求め、この出力差に
基づいて実物の駆動手段をその出力がモデルの出力と一
致するように駆動するので、理想的な伝達特性を有する
モデルとほぼ同等な特性を有する駆動手段を得ることが
出来る。このため、密アクチュエータであるトラッキン
グアクチュエータや粗アクチュエータであるリニアモー
タの共振周波数やダンピング数などの変動が吸収され、
サーボ系の低域ゲインを一定させることが出来る。また
振動などの外乱の影響も抑圧され、サーボ剛性あるいは
耐振性能の向上も可能となる。
【0093】特にこれらのトラッキングアクチュエータ
とリニアモータを組み合わせて並列サーボ系を構成する
光ディスク装置のトラッキングサーボ系においては、ト
ラッキングアクチュエータの共振周波数の変動によって
その低域ゲインが増大し、トラッキング誤差信号のオフ
セット発生量が増加する等の不都合が防止出来、またト
ラッキングアクチュエータ系とリニアモータ系のゲイン
が等しくなる周波数を一定に保つことが可能であるので
並列サーボ系のサーボ追従性能の装置間での固体差を抑
圧できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるトラッキング制御装置の第1の
実施例を示すブロック図である。
【図2】(a)は図1のトラッキングアクチュエータ制御
部50を示す構成図である。(b)は図1のリニアモータ
制御部60を示す構成図である。
【図3】図2(a)のトラッキングアクチュエータ制御部
50に用いられるトラッキングアクチュエータ1の理想
モデル51及び状態フィードバック要素53のゲインカ
ーブを示す図である。
【図4】理想モデル51及び状態フィードバック要素5
3の特性を図3のものとした場合の誤差や外乱の抑圧特
性を示す係数項のゲインカーブを示す図である。
【図5】図2(b)のリニアモータ制御部60に用いられ
るリニアモータ2の理想モデル61及び状態フィードバ
ック要素63のゲインカーブを示す図である。
【図6】理想モデル61及び状態フィードバック要素6
3の特性を図5のものとした場合の誤差や外乱の抑圧特
性を示す係数項のゲインカーブを示す図である。
【図7】図2(a)のトラッキングアクチュエータ制御部
50に用いられるトラッキングアクチュエータ1の理想
モデル51及び状態フィードバック要素53の別のゲイ
ンカーブを示す図である。
【図8】理想モデル51及び状態フィードバック要素5
3の特性を図7のものとした場合の誤差や外乱の抑圧特
性を示す係数項のゲインカーブを示す図である。
【図9】図2(b)のリニアモータ制御部60に用いられ
るリニアモータ2の理想モデル61及び状態フィードバ
ック要素63の別のゲインカーブを示す図である。
【図10】理想モデル61及び状態フィードバック要素
63の特性を図9のものとした場合の誤差や外乱の抑圧
特性を示す係数項のゲインカーブを示す図である。
【図11】トラッキングアクチュエータ制御部50の他
の実施例の構成を示すブロック図である。
【図12】リニアモータ制御部60の他の実施例の構成
を示すブロック図である。
【図13】図11のトラッキングアクチュエータ制御部
50において理想モデル51及び状態フィードバック要
素53の特性を図3のものとした場合の誤差や外乱の抑
圧特性を示す係数項のゲインカーブを示す図である。
【図14】図12のリニアモータ制御部60において理
想モデル61及び状態フィードバック要素63の特性を
図5のものとした場合の誤差や外乱の抑圧特性を示す係
数項のゲインカーブを示す図である。
【図15】図11のトラッキングアクチュエータ制御部
50において、理想モデル51及び状態フィードバック
要素53の特性を図7のものとした場合の誤差や外乱の
抑圧特性を示す係数項のゲインカーブを示す図である。
【図16】図12のリニアモータ制御部60において、
理想モデル61及び状態フィードバック要素63の特性
を図9のものとした場合の誤差や外乱の抑圧特性を示す
係数項のゲインカーブを示す図である。
【図17】光ディスク装置の並列サーボ系の構成図であ
る。
【図18】光ディスク装置の並列サーボ系のブロック図
である。
【図19】トラッキングアクチュエータ1のバネ・マス
系の物理モデルの説明図である。
【図20】図19の物理モデルで表されるトラッキング
アクチュエータ1の伝達関数のゲインカーブを示す図で
ある。
【図21】慣性質量系であるリニアモータ2の物理モデ
ルの説明図である。
【図22】リニアモータ2の伝達特性を表すゲインカー
ブを示す図である。
【図23】位相進み補償回路のゲインカーブを示す図で
ある。
【図24】1次のローパスフィルタのゲインカーブを示
す図である。
【図25】並列サーボ系のゲイン及び位相のカーブを示
す図である。
【図26】トラッキングアクチュエータのダンピング数
が小さい場合の並列サーボ系のゲイン及び位相のカーブ
を示す図である。
【図27】トラッキングアクチュエータ可動部の速度を
帰還してダンピング数を増大させる手法の構成図であ
る。
【図28】トラッキングアクチュエータの共振周波数が
低下した場合の並列サーボ系のゲイン及び位相のカーブ
を示す図である。
【図29】リニアモータ系のゲインが低下した場合の並
列サーボ系のゲインカーブを示す図である。
【符号の説明】
1:トラッキングアクチュエータ 2:リニアモータ 3:ディスク 4:トラック 5:光ビームスポット 6:光ピックアップ 7、8:位相補償回路 9、10:駆動回路 11:レンズ 12:速度センサ 13:アンプ 50:トラッキングアクチュエータ制御部 60:リニアモータ制御部 51、61:理想モデル 52、62:比較手段 53、63:状態フィードバック要素 54、64:フィードバックゲイン 55、65:変位センサ TE:トラッキング誤差信号
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−95732(JP,A) 特開 平5−128556(JP,A) 特開 平4−7611(JP,A) 特開 平3−63704(JP,A) 特開 平2−299003(JP,A) 特開 昭64−48104(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/08 - 7/10 G11B 21/10 G05D 3/00 - 3/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光発生手段と、光発生手段からの光を光
    ディスクに導き光ビームスポットとして集光させる光学
    系と、前記光ビームスポットの光ディスク所定トラック
    からのずれ量を検出し、トラッキング誤差信号を生成す
    るトラッキング誤差信号検出系とを有する光ピックアッ
    プ装置に対し、前記トラッキング誤差信号に基づいて、
    粗アクチュエータと密アクチュエータとによって前記光
    学系の全体あるいは一部を駆動させて、前記光ディスク
    所定トラックに光ビームスポットを追従させるトラッキ
    ング制御を行う際に、密アクチュエータおよび粗アクチ
    ュエータの理想モデルの変位と実際の密アクチュエータ
    および粗アクチュエータの変位との差をフィードバック
    することにより、密アクチュエータおよび粗アクチュエ
    ータの伝達特性を改善するように構成されたトラッキン
    グ制御装置であって、 2次の遅れ特性を有する密アクチュエータを制御する密
    アクチュエータ制御部と、 2次の遅れ特性を有する粗アクチュエータを制御する粗
    アクチュエータ制御部とを有し、 前記密アクチュエータ制御部は、 トラッキング誤差信号に基づく第1の密アクチュエータ
    駆動信号に基づいて前記密アクチュエータを駆動する第
    1の駆動回路と、 トラッキング誤差信号に基づく第2の密アクチュエータ
    駆動信号に基づいて望ましい動作をする密アクチュエー
    タを電気的に模擬した第1のモデルと、 密アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力信
    号と、第1のモデルの出力信号との差をとる第1の比較
    手段と、 第1の比較手段の出力信号を、伝達特性が1次の進み遅
    れ特性である第1の状態フィードバック要素に入力し、
    前記第1の状態フィードバック要素の出力信号を第1の
    駆動回路の入力側にフィードバックする第1のフィード
    バック回路とを含み、 前記粗アクチュエータ制御部は、 トラッキング誤差信号に基づく第1の粗アクチュエータ
    駆動信号が入力され、前記粗アクチュエータを駆動する
    ための第2の駆動回路と、 トラッキング誤差信号に基づく第2の粗アクチュエータ
    駆動信号に基づいて望ましい動作をする粗アクチュエー
    タを電気的に模擬した第2のモデルと、 粗アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力信
    号と、第2のモデルの出力信号との差をとる第2の比較
    手段と、 第2の比較手段の出力信号を、伝達特性が1次の進み遅
    れ特性である第2の状態フィードバック要素に入力し、
    前記第2の状態フィードバック要素の出力信号を第2の
    駆動回路の入力側にフィードバックする第2のフィード
    バック回路とを含み、 前記第1の駆動回路は、密アクチュエータ駆動信号と、
    第1の状態フィードバック要素の出力信号とに基づい
    て、密アクチュエータを駆動し、 前記第1のモデルは、密アクチュエータ駆動信号と、第
    1の状態フィードバック要素の出力信号とに基づいて、
    密アクチュエータの動作を模擬し、 前記第2の駆動回路は、粗アクチュエータ駆動信号と、
    第2の状態フィードバック要素の出力信号とに基づい
    て、粗アクチュエータを駆動し、 前記第2のモデルは、粗アクチュエータ駆動信号と、第
    2の状態フィードバック要素の出力信号とに基づいて、
    粗アクチュエータの動作を模擬することを特徴とするト
    ラッキング制御装置。
  2. 【請求項2】 光発生手段と、光発生手段からの光を光
    ディスクに導き光ビームスポットとして集光させる光学
    系と、前記光ビームスポットの光ディスク所定トラック
    からのずれ量を検出し、トラッキング誤差信号を生成す
    るトラッキング誤差信号検出系とを有する光ピックアッ
    プ装置に対し、前記トラッキング誤差信号に基づいて、
    粗アクチュエータと密アクチュエータとによって前記光
    学系の全体あるいは一部を駆動させて、前記光ディスク
    所定トラックに光ビームスポットを追従させるトラッキ
    ング制御を行う際に、密アクチュエータおよび粗アクチ
    ュエータの理想モデルの変位と実際の密アクチュエータ
    および粗アクチュエータの変位との差をフィードバック
    することにより、密アクチュエータおよび粗アクチュエ
    ータの伝達特性を改善するように構成されたトラッキン
    グ制御装置であって、 2次の遅れ特性を有する密アクチュエータを制御する密
    アクチュエータ制御部と、 2次の遅れ特性を有する粗アクチュエータを制御する粗
    アクチュエータ制御部とを有し、 前記密アクチュエータ制御部は、 トラッキング誤差信号に基づく第1の密アクチュエータ
    駆動信号に基づいて前記密アクチュエータを駆動する第
    1の駆動回路と、 トラッキング誤差信号に基づく第2の密アクチュエータ
    駆動信号に基づいて望ましい動作をする密アクチュエー
    タを電気的に模擬した第1のモデルと、 密アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力信
    号と、第1のモデルの出力信号との差をとる第1の比較
    手段と、 第1の比較手段の出力信号を、伝達特性が1次の進み遅
    れ特性である第1の状態フィードバック要素に入力し、
    第1の状態フィードバック要素の出力信号を第1駆動回
    路の入力側にフィードバックし、第1の状態フィードバ
    ック要素の出力信号を第1のフィードバックゲイン倍し
    てフィードバックする第1のフィードバック回路とを含
    み、 前記粗アクチュエータ制御部は、 トラッキング誤差信号に基づく第1の粗アクチュエータ
    駆動信号が入力され、前記粗アクチュエータを駆動する
    ための第2の駆動回路と、 トラッキング誤差信号に基づく第2の粗アクチュエータ
    駆動信号に基づいて望ましい動作をする粗アクチュエー
    タを電気的に模擬した第2のモデルと、 粗アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力信
    号と、第2のモデルの出力信号との差をとる第2の比較
    手段と、 第2の比較手段の出力信号を、伝達特性が1次の進み遅
    れ特性である第2の状態フィードバック要素に入力し、
    第2の状態フィードバック要素の出力信号を第2駆動回
    路の入力側にフィードバックし、第2の状態フィードバ
    ック要素の出力信号を第2のフィードバックゲイン倍し
    てフィードバックする第2のフィードバック回路とを含
    み、 前記第1の駆動回路は、密アクチュエータ駆動信号と、
    第1の状態フィードバック要素の出力信号と、第1の状
    態フィードバック要素の出力信号をフィードバックゲイ
    ン倍した信号とに基づいて、密アクチュエータを駆動
    し、 前記第1のモデルは、密アクチュエータ駆動信号と、第
    1の状態フィードバック要素の出力信号とに基づいて、
    密アクチュエータの動作を模擬し、 前記第2の駆動回路は、粗アクチュエータ駆動信号と、
    第2の状態フィードバック要素の出力信号と、第1の状
    態フィードバック要素の出力信号をフィードバックゲイ
    ン倍した信号とに基づいて、粗アクチュエータを駆動
    し、 前記第2のモデルは、粗アクチュエータ駆動信号と、第
    2の状態フィードバック要素の出力信号とに基づいて、
    粗アクチュエータの動作を模擬することを特徴とするト
    ラッキング制御装置。
  3. 【請求項3】 光発生手段と、光発生手段からの光を光
    ディスクに導き光ビームスポットとして集光させる光学
    系と、前記光ビームスポットの光ディスク所定トラック
    からのずれ量を検出し、トラッキング誤差信号を生成す
    るトラッキング誤差信号検出系とを有する光ピックアッ
    プ装置に対し、前記トラッキング誤差信号に基づいて、
    粗アクチュエータと密アクチュエータとによって前記光
    学系の全体あるいは一部を駆動させて、前記光ディスク
    所定トラックに光ビームスポットを追従させるトラッキ
    ング制御装置であって、 密アクチュエータを制御する密アクチュエータ制御部
    と、 粗アクチュエータを制御する粗アクチュエータ制御部と
    を有し、 前記密アクチュエータ制御部は、 前記トラッキング誤差信号に基づく第1の密アクチュエ
    ータ駆動信号が入力され、前記密アクチュエータを駆動
    する第1の駆動回路と、 前記トラッキング誤差信号に基づく第2の密アクチュエ
    ータ駆動信号が入力される密アクチュエータの望ましい
    伝達特性を電気的に模擬した第1のモデルと、 密アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力
    と、第1のモデルの出力との差をとる第1の比較手段
    と、 第1の比較手段の出力を、伝達特性が1次の進み遅れ特
    性である第1の状態フィードバック要素に入力し、前記
    第1の状態フィードバック要素の出力を第1の駆動回路
    の入力側にフィードバックする第1のフィードバック回
    路とを含み、 前記粗アクチュエータ制御部は、 前記トラッキング誤差信号に基づく第1の粗アクチュエ
    ータ駆動信号が入力され、前記粗アクチュエータを駆動
    するための第2の駆動回路と、 前記トラッキング誤差信号に基づく第2の粗アクチュエ
    ータ駆動信号が入力される粗アクチュエータの望ましい
    伝達特性を電気的に模擬した第2のモデルと、 粗アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力
    と、第2のモデルの出力との差をとる第2の比較手段
    と、 第2の比較手段の出力を、伝達特性が1次の進み遅れ特
    性である第2の状態フィードバック要素に入力し、前記
    第2の状態フィードバック要素の出力を第2の駆動回路
    の入力側にフィードバックする第2のフィードバック回
    路とを含み、 前記密アクチュエータ制御部への入力Xから出力Y
    での伝達関数は、第1のモデルの伝達関数PmA(s)
    と、第1の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)と、密アクチュエータの変位を検出する変位セ
    ンサの出力と第1のモデルの出力との差δとを用い
    て、 (Y/X)=PmA(s)/{1+δ・(1−PmA(s)・H(s))} のように表され、 前記第1のモデルの伝達関数PmA(s)は、第1のモ
    デルのゲインKと、第1のモデルの第1の固有振動数
    ωと、第1のモデルのダンピング数ζと、ラプラス
    演算子sとを用いて、 PmA(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、 前記第1の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)は、前記第1のモデルのゲインKと、第1の
    モデルの第1の固有振動数ωと、第1の固有振動数ω
    よりも大きい第2の固有振動数ωと、ラプラス演算
    子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表され、 前記粗アクチュエータ制御部への入力Xから出力Y
    での伝達関数は、第2のモデルの伝達関数PmL(s)
    と、前記第2の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)と、粗アクチュエータの変位を検出する変位セン
    サの出力と第2のモデルの出力との差δとを用いて、 (Y/X)=PmL(s)/{1+δ・(1−PmL(s)・H(s))} のように表され、 前記第2のモデルの伝達関数PmL(s)は、第2のモ
    デルのゲインKと、第2のモデルの第1の固有振動数
    ωと、第2のモデルのダンピング数ζと、ラプラス
    演算子sとを用いて、 PmL(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、 前記第2の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)は、前記第2のモデルのゲインKと、第2の
    モデルの第1の固有振動数ωと、第2のモデルの第1
    の固有振動数ωよりも大きい第2の固有振動数ω
    と、ラプラス演算子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表されることを特徴とするトラッキング制御装
    置。
  4. 【請求項4】 光発生手段と、光発生手段からの光を光
    ディスクに導き光ビームスポットとして集光させる光学
    系と、前記光ビームスポットの光ディスク所定トラック
    からのずれ量を検出し、トラッキング誤差信号を生成す
    るトラッキング誤差信号検出系とを有する光ピックアッ
    プ装置に対し、前記トラッキング誤差信号に基づいて、
    粗アクチュエータと密アクチュエータとによって前記光
    学系の全体あるいは一部を駆動させて、前記光ディスク
    所定トラックに光ビームスポットを追従させるトラッキ
    ング制御装置であって、 密アクチュエータを制御する密アクチュエータ制御部
    と、 粗アクチュエータを制御する粗アクチュエータ制御部と
    を有し、 前記密アクチュエータ制御部は、 前記トラッキング誤差信号に基づく第1の密アクチュエ
    ータ駆動信号が入力され、前記密アクチュエータを駆動
    する第1の駆動回路と、 前記トラッキング誤差信号に基づく第2の密アクチュエ
    ータ駆動信号が入力される密アクチュエータの望ましい
    伝達特性を電気的に模擬した第1のモデルと、 密アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力
    と、第1のモデルの出力との差をとる第1の比較手段
    と、 第1の比較手段の出力を、伝達特性が1次の進み遅れ特
    性である第1の状態フィードバック要素に入力し、第1
    の状態フィードバック要素の出力を第1駆動回路の入力
    側にフィードバックし、第1の状態フィードバック要素
    の出力を第1のフィードバックゲイン倍してフィードバ
    ックする第1のフィードバック回路とを含み、 前記粗アクチュエータ制御部は、 前記トラッキング誤差信号に基づく第1の粗アクチュエ
    ータ駆動信号が入力され、前記粗アクチュエータを駆動
    するための第2の駆動回路と、 前記トラッキング誤差信号に基づく第2の粗アクチュエ
    ータ駆動信号が入力される粗アクチュエータの望ましい
    伝達特性を電気的に模擬した第2のモデルと、 粗アクチュエータの変位を検出する変位センサの出力
    と、第2のモデルの出力との差をとる第2の比較手段
    と、 第2の比較手段の出力を、伝達特性が1次の進み遅れ特
    性である第2の状態フィードバック要素に入力し、第2
    の状態フィードバック要素の出力を第2駆動回路の入力
    側にフィードバックし、第2の状態フィードバック要素
    の出力を第2のフィードバックゲイン倍してフィードバ
    ックする第2のフィードバック回路とを含み、 前記密アクチュエータ制御部への入力Xから出力Y
    での伝達関数は、第1のモデルの伝達関数PmA(s)
    と、第1の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)と、密アクチュエータの変位を検出する変位セ
    ンサの出力と第1のモデルの出力との差δと、第1の
    フィードバックゲインβとを用いて、 (Y/X)=PmA(s)/[1+δ・{(1−PmA(s)・H(s)) /(1+β・PmA(s)・H(s))}] のように表され、 前記第1のモデルの伝達関数PmA(s)は、第1のモ
    デルのゲインKと、第1のモデルの固有振動数ω
    と、第1のモデルのダンピング数ζと、ラプラス演
    算子sとを用いて、 PmA(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、 前記第1の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)は、前記第1のモデルのゲインKと、第1の
    モデルの第1の固有振動数ωと、第1の固有振動数ω
    よりも大きい第2の固有振動数ωと、ラプラス演算
    子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表され、 前記粗アクチュエータ制御部への入力Xから出力Y
    での伝達関数は、第2のモデルの伝達関数PmL(s)
    と、前記第2の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)と、粗アクチュエータの変位を検出する変位セン
    サの出力と第2のモデルの出力との差δと、第2のフ
    ィードバックゲインβとを用いて、 (Y/X)=PmL(s)/[1+δ・{(1−PmL(s)・H(s)) /(1+β・PmL(s)・H(s))}] のように表され、 前記第2のモデルの伝達関数PmL(s)は、第2のモ
    デルのゲインKと、第2のモデルの第1の固有振動数
    ωと、第2のモデルのダンピング数ζと、ラプラス
    演算子sとを用いて、 PmL(s)=K・ω /(s+2ζ・ω・s+ω ) のように表され、 前記第2の状態フィードバック要素の伝達関数H
    (s)は、前記第2のモデルのゲインKと、第2の
    モデルの第1の固有振動数ωと、第2のモデルの第1
    の固有振動数ωよりも大きい第2の固有振動数ω
    と、ラプラス演算子sとを用いて、 H(s)=(1/K)・{1+(s/ω)}/{1+(s/ω)} のように表されることを特徴とする請求項2記載のトラ
    ッキング制御装置。
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