JPH0696483A - オーバーライト可能な光磁気記録方法およびそれに使用される記録装置 - Google Patents

オーバーライト可能な光磁気記録方法およびそれに使用される記録装置

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JPH0696483A
JPH0696483A JP4244597A JP24459792A JPH0696483A JP H0696483 A JPH0696483 A JP H0696483A JP 4244597 A JP4244597 A JP 4244597A JP 24459792 A JP24459792 A JP 24459792A JP H0696483 A JPH0696483 A JP H0696483A
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layer
magneto
magnetic field
recording
disk
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Shinichi Kurita
信一 栗田
Jun Saito
旬 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の光磁気記録方法および装置は、垂直
磁化膜からなるメモリー層とライティング層の少なくと
も2層を含むオーバーライト可能な光磁気記録媒体ディ
スクへの情報記録に関する。ディスクを回転させ、電磁
石にによりディスクの半径方向長さにわたって初期補助
磁界Hini.を印加してディスクの回転にともなってライ
ティング層の磁化の向きを揃える "初期化" を行なう過
程を含み、記録磁界Hb を印加しつつ記録すべき2値化
情報にしたがって高レベルPH と低レベルPL との間で
パルス変調されたレーザービームを照射することにより
情報を記録する光磁気記録方法および装置において、前
記初期補助磁界を印加する電磁石を所定のタイミングで
オンオフすべく制御することを特徴とする。 【効果】 これにより電磁石への給電時間を必要最小限
にできるので、省電および発熱抑制の効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオーバーライト可能な光
磁気記録媒体に情報を記録する方法および情報記録に使
用される装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、高密度、大容量、高いアクセス速
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体を開発しようとする努力が成
されている。広範囲な光学的記録再生方法の中で、光磁
気記録再生方法は、情報を記録した後、消去することが
でき、再び新たな情報を記録することが繰り返し何度も
可能であるというユニークな利点のために、最も大きな
魅力に満ちている。
【0003】この光磁気記録再生方法で使用される記録
媒体は、記録を残す層として1層又は多層からなる垂直
磁化膜(perpendicular magnetic layer or layers)を有
する。この磁化膜は、例えばアモルファスのGdFeやGdC
o、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCoなどからなる。垂直磁
化膜は、一般に同心円状又はらせん状のトラックを有し
ており、このトラックの上に情報が記録される。トラッ
クは明示的な場合と黙示的な場合の2通りある。 〔明示的なトラック〕光磁気記録媒体はディスク形状を
している。明示的なトラックを有するディスクは、ディ
スク平面に対し垂直方向から見た場合、情報を記録する
トラックが渦巻状又は同心円状に形成されている。そし
て、隣接する2つのトラック間にトラッキングのため及
び分離のための溝(グルーブ groove )が存在する。逆
に溝と溝の間をランド(land)と呼ぶ。実際には、ディス
クの裏表でランドと溝が逆になる。そこで、ビームが入
射する方向からディスクを見て、手前を溝、奥をランド
と呼ぶ。垂直磁化膜は、溝の上にもランドの上にも一面
に形成するので、溝の部分をトラックにしてもよいし、
ランドの部分をトラックにしてもよい。溝の幅とランド
の幅との間に特に大小関係はない。
【0004】このようなランドと溝を構成するために、
一般に、基板には、表面に渦巻状又は同心円状に形成さ
れたランドと、2つの隣合うランド間に挟まれた溝が存
在する。このような基板上に薄く垂直磁化膜が形成され
る。これにより垂直磁化膜はランドと溝を持つ。 〔マーク〕本明細書では、膜面に対し「上向き(upwar
d) 」又は「下向き(downward)」の何れか一方を、「A
向き」、他方を「逆A向き」と定義する。記録すべき情
報は、予め2値化されており、この情報が「A向き」の
磁化を有するマーク(B1)と、「逆A向き」の磁化を有
するマーク(B0)の2つの信号で記録される。これらの
マークB1 ,B0 は、デジタル信号の1,0の何れか一
方と他方にそれぞれ相当する。しかし、一般には記録さ
れるトラックの磁化は、記録前に強力な外部磁場を印加
することによって「逆A向き」に揃えられる。この磁化
の向きを揃える行為は、古い意味で「初期化* (initia
lize* )」と呼ばれる。その上でトラックに「A向き」
の磁化を有するマーク(B1)を形成する。情報は、この
マーク(B1)の有無及び/又はマーク長によって表現さ
れる。尚、マークは、過去にピット又はビットと呼ばれ
たことがあるが、最近はマークと呼ぶ。 〔マーク形成の原理〕マークの形成に於いては、レーザ
ーの特徴即ち空間的時間的に素晴らしい凝集性(coheren
ce) が有利に使用され、レーザー光の波長によって決定
される回折限界とほとんど同じ位に小さいスポットにビ
ームが絞り込まれる。絞り込まれた光はトラック表面に
照射され、垂直磁化膜に直径が1μm以下のマークを形
成することにより情報が記録される。光学的記録におい
ては、理論的に約108 マーク/cm2 までの記録密度を達
成することができる。何故ならば、レーザビームはその
波長とほとんど同じ位に小さい直径を有するスポットに
まで凝縮(concentrate)することが出来るからである。
【0005】図5に示すように、光磁気記録において
は、レーザービーム(L)を垂直磁化膜(MO)の上に
絞りこみ、それを加熱する。その間、初期化* された向
きとは反対の向きの記録磁界(Hb)を加熱された部分に
外部から印加する。そうすると局部的に加熱された部分
の保磁力Hc(coersivity) は減少し記録磁界(Hb)より
小さくなる。その結果、その部分の磁化は、記録磁界
(Hb)の向きに並ぶ。こうして逆向きに磁化されたマー
クが形成される。
【0006】フェロ磁性材料とフェリ磁性材料では、磁
化及びHc の温度依存性が異なる。フェロ磁性材料はキ
ュリー点付近で減少するHc を有し、この現象に基づい
て記録が実行される。従って、Tc 書込み(キュリー点
書込み)と引用される。他方、フェリ磁性材料はキュリ
ー点より低い補償温度(compensation temperature ) T
comp. を有しており、そこでは磁化(M)はゼロにな
る。逆にその温度付近でHc が非常に大きくなり、その
温度から外れるとHc が急激に低下する。この低下した
Hc は、比較的弱い記録磁界(Hb)によって打ち負かさ
れる。つまり、記録が可能になる。この記録プロセスは
Tcomp. 書込み(補償点書込み)と呼ばれる。
【0007】もっとも、キュリー点又はその近辺、及び
補償温度の近辺にこだわる必要はない。要するに、室温
より高い所定の温度に於いて、低下したHc を有する磁
性材料に対し、その低下したHc を打ち負かせる記録磁
界(Hb )を印加すれば、記録は可能である。但し、室
温より高い所定の温度に達していない領域(この領域の
Hc は元の高いHc を有する)にある垂直磁化膜(M
O)の磁化を反転するような高すぎるHb は、不可であ
る。 〔再生の原理〕図6は、光磁気効果に基づく情報再生の
原理を示す。光は、光路に垂直な平面上で全ての方向に
通常は発散している電磁場ベクトルを有する電磁波であ
る。光が直線偏光(Lp ) に変換され、そして垂直磁化
膜(MO)に照射されたとき、光はその表面で反射され
るか又は垂直磁化膜(MO)を透過する。このとき、偏
光面は磁化Mの向きに従って回転する。この回転する現
象は、磁気カー(Kerr)効果又は磁気ファラデー(Farada
y) 効果と呼ばれる。
【0008】例えば、もし反射光の偏光面が「A向き」
磁化に対してθk 度回転するとすると、「逆A向き」磁
化に対しては−θk 度回転する。従って、光アナライザ
ー(偏光子)の軸を−θk 度傾けた面に垂直にセットし
ておくと、「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)から
反射された光はアナライザーを透過することができな
い。それに対して「A向き」に磁化されたマーク(B1)
から反射された光は、(sin2θk)2 を乗じた分がアナラ
イザーを透過し、ディテクター(光電変換手段)に捕獲
される。その結果、「A向き」に磁化されたマーク(B
1)は「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)よりも明る
く見え、ディテクターに於いて強い電気信号を発生させ
る。従って、このディテクターからの電気信号は、記録
された情報に従って変調されるので、情報が再生される
のである。
【0009】ところで、記録ずみの媒体を再使用するに
は、 (1) 媒体を再び初期化* 装置で初期化* するか、
又は (2) 記録装置に記録ヘッドと同様な消去ヘッドを
併設するか、又は (3) 予め、前段処理として記録装置
又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する必要があ
る。従って、光磁気記録方式では、これまで、記録ずみ
情報の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録でき
るオーバーライトは、不可能とされていた。
【0010】もっとも、もし記録磁界Hb の向きを必要
に応じて「A向き」と「逆A向き」との間で自由に変調
することができれば、オーバーライトが可能になる。し
かしながら、記録磁界Hb の向きを高速度で変調するこ
とは不可能である。例えば、記録磁界Hb が永久磁石で
ある場合、磁石の向きを機械的に反転させる必要があ
る。しかし、磁石の向きを高速で反転させることは、無
理である。記録磁界Hbが電磁石である場合にも、大容
量の電流の向きをそのように高速で変調することは不可
能である。
【0011】しかしながら、技術の進歩は著しく、記録
磁界Hb の強度を変調せずに(ON、OFF を含む) 又は記
録磁界Hb の向きを変調せずに、照射する光ビームの強
度を記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オー
バーライトが可能な光磁気記録方法と、それに使用され
るオーバーライト可能な光磁気記録媒体と、同じくそれ
に使用されるオーバーライト可能な記録装置が発明さ
れ、特許出願された(特開昭62−175948号=DE3,619,61
8A1 =米国特許出願中 Ser.No453,255) 。以下、この発
明を「基本発明」と引用する。 〔基本発明の説明〕基本発明では、「基本的に垂直磁化
可能な磁性薄膜からなる記録再生層recording layer
(本明細書では、この記録再生層をメモリー層 Memory
layer又はM層と言う)と、垂直磁化可能な磁性薄膜か
らなる記録補助層 referencelayer (本明細書では、こ
の記録補助層をライティング層 Writing layer 又はW
層と言う)とを含み、両層は交換結合しており、かつ、
室温でM層の磁化の向きは変えないでW層の磁化のみを
所定の向きに向けておくことができるオーバーライト可
能な多層光磁気記録媒体」を使用する。
【0012】そして、情報をM層(場合によりW層に
も)における「A向き」磁化を有するマークと「逆A向
き」磁化を有するマークで表現し、記録するのである。
この媒体は、W層が外部手段(例えば初期補助磁界Hin
i. )によって、その磁化の向きを「A向き」に揃える
ことができる。しかも、そのとき、M層は、磁化の向き
は反転せず、更に、一旦「A向き」に揃えられたW層の
磁化の向きは、M層からの交換結合力を受けても反転せ
ず、逆にM層の磁化の向きは、「A向き」に揃えられた
W層からの交換結合力を受けても反転しない。
【0013】そして、W層は、M層に比べて低い保磁力
HC と高いキュリー点TC を持つ。基本発明の記録方法
によれば、記録媒体は、記録前までに、外部手段により
W層の磁化の向きだけが「A向き」に揃えられる。この
行為を本明細書では特別に“初期化(initialize)”と呼
ぶ。この“初期化”はオーバーライト可能な媒体に特有
なことである。
【0014】その上で、2値化情報に従いパルス変調さ
れたレーザービームが媒体に照射される。レーザービー
ムの強度は、高レベルPH と低レベルPL があり、これ
はパルスの高レベルと低レベルに相当する。この低レベ
ルは、再生時に媒体を照射する再生レベルPR よりも高
い。既に知られているように、記録をしない時にも、例
えば媒体における所定の記録場所をアクセスするために
レーザービームを<非常な低レベル>で点灯することが
ある。この<非常な低レベル>も、再生レベルPR と同
一又は近似のレベルである。従って、基本発明における
レーザービームの出力波形は、例えば、図7の通りにな
る。
【0015】なお、基本発明の明細書には明記されてい
ないが、基本発明では、記録用のビームは、1本ではな
く近接した2本のビームを用いて、先行ビームを原則と
して変調しない低レベルのレーザービーム(消去用)と
し、後行ビームを情報に従い変調する高レベルのレーザ
ービーム(書込用)としてもよい。この場合、後行ビー
ムは、高レベルと基底レベル(低レベルと同一又はそれ
より低いレベルであり、出力がゼロでもよい)との間で
パルス変調される。この場合の出力波形は例えば図8に
示される。
【0016】ビームが照射された部分の媒体に、向きも
強度も変調されない記録磁界Hb が作用する。Hb は、
ビームの照射された部分(スポット領域)と同じ位の寸
法に絞ることはできず、Hb が作用する領域は、スポッ
ト領域に比べれば、ずっと大きい。低レベルのビームが
照射されると、前のマークの磁化の向きに無関係に、M
層に「A向き」のマーク(B1)又は「逆A向き」のマー
ク(B0)の一方が形成される。
【0017】そして、高レベルのビームが照射される
と、前のマークの磁化の向きに無関係に、M層に他方の
マークが形成される。これでオーバーライトが完了す
る。基本発明では、レーザービームは、記録すべき情報
に従いパルス状に変調される。しかし、このこと自身
は、従来の光磁気記録でも行われており、記録すべき2
値化情報に従いビーム強度をパルス状に変調する手段は
既知の手段である。例えば、THE BELL SYSTEM TECHN
ICAL JOURNAL, Vol.62(1983),1923 −1936に詳しく説
明されている。従って、ビーム強度の必要な高レベルと
低レベルが与えられれば、従来の変調手段を一部修正す
るだけで容易に入手できる。当業者にとって、そのよう
な修正は、ビーム強度の高レベルと低レベルが与えられ
れば、容易であろう。
【0018】基本発明に於いて特徴的なことの1つは、
ビーム強度の高レベルと低レベルである。即ち、ビーム
強度が高レベルの時に、記録磁界Hb その他の外部手段
によりW層の「A向き」磁化を「逆A向き」に反転(re
verse)させ、このW層の「逆A向き」磁化によってM層
に「逆A向き」磁化〔又は「A向き」磁化〕を有するマ
ークを形成する。ビーム強度が低レベルの時は、W層の
磁化の向きは、“初期化”状態と変わらず、そして、W
層の作用(この作用は交換結合力を通じてM層に伝わ
る)によってM層に「A向き」磁化〔又は「逆A向き」
磁化〕を有するマークを形成する。
【0019】なお、本明細書で、○○○〔又は△△△〕
という表現は、先に〔 〕の外の○○○を読んだときに
は、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも、〔 〕の
外の○○○を読むことにする。それに対して先に○○○
を読まずに〔 〕内の△△△の方を選択して読んだとき
には、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも○○○を
読まずに〔 〕内の△△△を読むものとする。
【0020】基本発明で使用される媒体は、第1実施態
様と第2実施態様とに大別される。いずれの実施態様に
おいても、記録媒体は、M層とW層を含む多層構造を有
する。M層は、室温で保磁力が高く磁化反転温度が低い
磁性層である。W層はM層に比べ相対的に室温で保磁力
が低く磁化反転温度が高い磁性層である。なお、M層と
W層ともに、それ自体多層膜から構成されていてもよ
い。場合によりM層とW層との間に中間層(例えば、交
換結合力σW 調整層・・・・以下、この層をInt.層と略
す)が存在していてもよい。Int.層については、特開昭
64−50257 号や特開平1−273248号を参照されたい。
【0021】第1実施態様では、M層の保磁力をHC1、
W層のそれをHC2、M層のキュリー点をTC1、W層のそ
れをTC2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービーム
を照射した時の記録媒体の温度をTL 、高レベルPH の
レーザービームを照射した時のそれをTH 、M層が受け
る結合磁界をHD1(HD1はσW をM層飽和磁気モーメン
トMS とM層の膜厚tとの積で割った商で算出され
る)、W層が受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層
飽和磁気モーメントMS とW層の膜厚tとの積で割った
商で算出される)とした場合、記録媒体は、下記の式1
を満足し、そして室温で式2〜5を満足するものであ
る。
【0022】 TR <TC1≒TL <TC2≒TH ・・・・・・・式1 HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|・・・・・式2 HC1>HD1 ・・・・・・・・・・・・・・・式3 HC2>HD2 ・・・・・・・・・・・・・・・式4 HC2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1・・・・式5 上記式中、符号「≒」は、等しいか又はほぼ等しい(±
20℃位) ことを表す。また上記式中、複号±について
は、上段が後述するA(antiparallel) タイプの媒体の
場合であり、下段は後述するP(parallel)タイプの媒体
の場合である。なお、フェロ磁性体媒体はPタイプに属
する。
【0023】つまり、保磁力と温度との関係をグラフで
表すと、一般には図9の如くなる。細線はM層のそれ
を、太線はW層のそれを表す。従って、この記録媒体に
室温で外部手段例えば初期補助磁界(Hini.) を印加する
と、式5によれば、M層の磁化の向きは反転せずにW層
の磁化のみが反転する。そこで、記録前に媒体に外部手
段から作用(例えば、初期補助磁界Hini.)を及ぼすと、
W層の磁化のみを「A向き」に揃えることができる。つ
まり、“初期化”である。以下の説明では、「A向き」
を便宜的に本明細書紙面において上向きの矢↑で示し、
「逆A向き」を下向きの矢↓で示す。そして、Hini. が
なくなっても、式4により、W層の磁化↑は再反転せず
にそのまま保持される。
【0024】外部手段によりW層の磁化のみが、記録前
までに「A向き」↑に揃えられた状態−−−−“初期
化”された状態−−−−を概念的に表すと、図10にな
る。図10でM層における磁化の向きは、それまでに記
録されていた情報を表わす。以下の説明においては、M
層の磁化の向きに関係がないので、これをXで示し簡略
化すると、図10は、図11の状態1で示せる。
【0025】ここにおいて、高レベルのレーザービーム
を照射して媒体温度をTH に上昇させる。すると、TH
はキュリー点TC1より高温度なのでM層の磁化は消失し
てしまう。更にTH はキュリー点TC2付近なのでW層の
磁化も全く又はほぼ消失する。ここで、媒体の種類に応
じて「A向き」又は「逆A向き」の記録磁界Hb を印加
する。Hb は、媒体自身からの浮遊磁界でもよい。説明
を簡単にするために「逆A向き」↓の記録磁界Hb を印
加したとする。媒体は移動しているので、照射された部
分は、レーザービームから直ぐに遠ざかり、冷却され
る。Hb の存在下で、媒体の温度が低下すると、W層の
磁化は、Hb に従い、反転されて「逆A向き」↓の磁化
となる(図11状態2)。
【0026】そして、さらに放冷が進み、媒体温度がT
C1より少し下がると、再びM層の磁化が現れる。その場
合、磁気的結合(交換結合)力のために、M層の磁化の
向きは、W層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「逆A向き」↓のマーク(Pタ
イプの媒体の場合)又は「A向き」↑のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この状態が図1
1状態3(Pタイプ)又は状態4(Aタイプ)である。
【0027】この高レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは高温サイクルと呼ぶことにする。次
に、低レベルPL のレーザービームを照射して 媒体温
度をTL に上昇させる。TL はキュリー点TC1付近なの
でM層の磁化は全く又はほぼ消失してしまうが、キュリ
ー点TC2よりは低温であるのでW層の磁化は消失しな
い。この状態は図11状態5で示される。ここでは、記
録磁界Hb は、不要であるが、高速度(短時間)でHb
をON,OFFすることは不可能である。従って、止む
を得ず高温サイクルのときのままになっている。
【0028】しかし、HC2はまだ大きいままなので、H
b によってW層の磁化↑が反転することはない。媒体は
移動しているので、照射された部分は、レーザービーム
から直ぐに遠ざかり、冷却される。冷却が進むと、再び
M層に磁化が現れる。現れる磁化の向きは、磁気的結合
力のためにW層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「A向き」↑のマーク(Pタイ
プの媒体の場合)又は「逆A向き」↓のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この磁化は室温
でも変わらない。この状態が図11状態6(Pタイプ)
又は状態7(Aタイプ)である。
【0029】この低レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは低温サイクルと呼ぶことにする。以
上、説明したように、記録前のM層の磁化の向きがどう
であれ、高温サイクルと低温サイクルを選択することに
よって、「逆A向き」↓のマークと、「A向き」↑のマ
ークをM層に自由に形成できる。つまり、レーザービー
ムを情報に従い高レベル(高温サイクル)と低レベル
(低温サイクル)との間でパルス状に変調することによ
りオーバーライトが可能となる。図12、図13を参照
されたい。図12、図13では、それぞれPタイプ及び
Aタイプの媒体について、いずれも室温又は室温に戻っ
たとき形成されている磁化の向きを描いてある。
【0030】これまでの説明は、M層、W層ともに室温
とキュリー点との間に補償温度Tcomp. がない磁性体組
成について説明した。しかし、補償温度Tcomp. が存在
する場合には、それを越えると磁化の向きが反転する
こと−−−−実際にはRE、TMの各副格子磁化の向き
は変わらないが、その大小関係が逆転するので、全体
(合金)としての磁化の向きが反転する−−−−−と、
A、Pタイプが逆になるので、説明はそれだけ複雑に
なる。この場合、記録磁界Hb の向きも、室温で考えた
場合、前頁の説明の向き↓と逆になる。つまり、“初期
化”されたW層の磁化の向き↑と同じ向きのHb を印加
する。
【0031】記録媒体は一般にディスク状であり、記録
時、媒体は回転される。そのため、記録された部分(マ
ーク)は、記録後に再び外部手段例えばHini. の作用を
受け、その結果、W層の磁化は元の「A向き」↑に揃え
られる。つまり、W層は“初期化”される。しかし、室
温では、W層の磁化の影響がM層に及ぶことはなく、そ
のため記録された情報は保持される。
【0032】そこで、M層に直線偏光を照射すれば、そ
の反射光には情報が含まれているので、従来の光磁気記
録媒体と同様に情報が再生される。このようなM層及び
W層を構成する垂直磁化膜は、補償温度を有せずキュ
リー点を有するフェロ磁性体の非晶質或いは結晶質、
補償温度を有せずキュリー点を有する及びフェリ磁性体
の非晶質或いは結晶質、並びに補償温度、キュリー点
の双方を有するフェリ磁性体の非晶質或いは結晶質から
なる群から選択される。
【0033】以上の説明は、磁化反転温度としてキュリ
ー点を利用した第1実施態様の説明である。それに対し
て第2実施態様はキュリー点より低い温度に於いて低下
したHc を利用するものである。第2実施態様は、第1
実施態様に於けるTC1の代わりにM層がW層に磁気結合
される温度TS1を使用し、TC2の代わりにW層がHbで
反転する温度TS2を使用すれば、第1実施態様と同様に
説明される。
【0034】第2実施態様では、M層の保磁力をHC1、
W層のそれをHC2、M層がW層に磁気的に結合される温
度をTs1とし、W層の磁化がHb で反転する温度をTS
2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービームを照射
した時の媒体の温度をTL 、高レベルPH のレーザービ
ームを照射した時のそれをTH 、M層が受ける結合磁界
をHD1(HD1はσW をM層の飽和磁気モーメントMS と
M層の膜厚tとの積で割った商で算出される)、W層が
受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層飽和磁気モー
メントMS とW層の膜厚tとの積で割った商で算出され
る)とした場合、記録媒体は、下記式6を満足し、かつ
室温で式7〜10を満足するものである。
【0035】 TR <Ts1≒TL <Ts2≒TH ・・・・・・・式6 HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|・・・・・式7 HC1>HD1 ・・・・・・・・・・・・・・・式8 HC2>HD2 ・・・・・・・・・・・・・・・式9 HC2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1・・・・式10 上記式中、複号±については、上段がA(antiparalle
l) タイプの媒体の場合であり、下段はP(parallel)タ
イプの媒体の場合である。
【0036】第2実施態様では、高温TH のとき、W層
の磁化は消失していないが、十分に弱く、M層の磁化は
消失しているか、又は十分に弱い。M層、W層ともに十
分に弱い磁化を残留していても、記録磁界Hb ↓が十分
に大きいので、Hb ↓がW層及び場合によりM層の磁化
の向きをHb ↓に従わせることができる。この状態が図
14状態2である。この後、直ちに又はレーザービ
ームの照射が無くなって放冷が進み、媒体温度がTH よ
り下がった時又はHb から遠ざかった時、W層がσW
を介してM層に影響を及ぼしてM層の磁化の向きを安定
な向きに従わせる。その結果、図14状態3(Pタイ
プ)又は状態4(Aタイプ)となる。
【0037】他方、低温TL のとき、W層はもちろんM
層も磁化を消失していない。しかし、M層のそれは比較
的小さい。この場合、マークの状態には、Pタイプの場
合図14状態5と状態6の2種類あり、Aタイプの場
合、図14状態7と状態8の2種類ある。状態6及び状
態8では、M層とW層との間に界面磁壁(太線で示すも
の)が生じており、やや不安定(準安定)な状態であ
る。状態1は状態5〜8のいずれかを示す。この状態の
媒体部分が、レーザービームの照射位置に来る直前に、
Hb ↓の印加を受ける。それでも、この状態6又は状態
8は保持される。何故ならば、W層は、室温で、十分な
磁化を有するので、磁化がHb ↓によって反転すること
はない。また、Hb ↓と向きが反対の状態8のメモリー
層は、Hb ↓の影響より大きなW層からの交換結合力σ
W の影響を受け、Pタイプ故にW層と同じ向きに、磁化
の向きが保持される。
【0038】その後、まもなく状態6又は状態8は低レ
ベルのレーザービームの照射を受ける。そのため、媒体
温度は上昇する。それに伴い両層の保磁力は低下する。
しかし、W層は高いキュリー点を有するので、保磁力H
C2の低下は小さく、Hb ↓に負けることがなく、“初期
化”されたときの磁化の向き「A向き」↑が維持され
る。他方、M層は低いキュリー点を有するものの、媒体
温度は未だM層のキュリー点Tc1より低いので、保磁力
HC1は残存する。しかし、HC1は小さいので、M層は
Hb ↓の影響とW層からの交換結合力σw を介した影
響(Pタイプの場合、同じ向きに向かせようとする力)
を受ける。この場合、後者の方が強く、 式10の2 :HC1+Hb <(σw /2MS1t1 ) 式10の3 :HC2+Hb >(σw /2MS2t2 ) の2つの式が同時に満足される。これらの式が同時に満
足される最も低い温度をTLminと呼ぶ。換言すれば、状
態6又は状態8の磁壁が消滅する最低温度がTLminであ
る。
【0039】その結果、状態6は状態9に移行し、状態
8は状態10に移行する。他方、磁壁が元々ない状態5は
状態9と同じであり、同じく磁壁が元々ない状態7は状
態10と同じであるから、結局、前の状態(Pタイプの場
合、状態5か6か、Aタイプの場合、状態7か8か)に
関係なく、低レベルのビームの照射により状態9(Pタ
イプ)又は状態10(Aタイプ)のマークが形成される。
【0040】この状態は、その後マークがレーザービー
ムの照射が止んだり又は照射位置から外れたりすること
により、媒体温度が低下し、室温に戻った時にも、変わ
らない。この図14状態9(Pタイプ)又は状態10
(Aタイプ)は、図14状態6(Pタイプ)又は状態7
(Aタイプ)と同一である。これにより、M層のキュリ
ー点TC1まで媒体温度を高めることなく、低温サイクル
が実現されることが理解されよう。
【0041】実は低温サイクルをTC1以上で実施する第
1実施態様の場合にも、媒体温度が室温からTC1に上昇
する途中でTLminを通るので、そのとき、Pタイプの場
合、状態6から状態9への移行が、Aタイプの場合、状
態8から状態10への移行がそれぞれ起こるのである。そ
の後、TC1に至り、図14状態5となるのである。以上
の説明は、M層、W層ともに室温とキュリー点との間に
補償温度Tcomp.がない磁性体組成について説明した。
しかし、補償温度Tcomp. が存在する場合には、それを
越えると磁化の向きが反転することとA、Pタイプ
が逆になるので、説明はそれだけ複雑になる。また、記
録磁界Hb の向きも、室温で考えた場合の向きと逆にな
る。
【0042】第1、第2実施態様ともに、M層及びW層
が遷移金属(例えばFe, Co) −重希土類金属( 例えばG
d,Tb,Dyその他) 合金組成から選択された非晶質フェリ
磁性体である記録媒体が好ましい。M層、W層の双方と
も、遷移金属(TM= transition metal)−重希土類金
属(RE=heavy rare earth metal )合金組成から
選択された場合には、各合金としての外部に現れる磁化
の向き及び大きさは、合金内部のTM原子の副格子磁
化の向きと大きさとRE原子の副格子磁化の向きと大
きさの関係で決まる。例えばTMの副格子磁化の向き及
び大きさを点線の矢印ベクトルで表わし、REの副格子
磁化のそれを実線の矢印ベクトルで表し、合金全体の磁
化の向き及び大きさを白抜きの矢印ベクトルで表す。こ
のとき白抜きの矢(ベクトル)は点線の矢(ベクトル)
と実線の矢(ベクトル)との和として表わされる。ただ
し、合金の中ではTMの副格子磁化とRE副格子磁化と
の相互作用のために点線の矢(ベクトル)と実線の矢
(ベクトル)とは、向きが必ず逆になっている。従っ
て、点線の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)との
和は、両者の強度が等しいとき、合金のベクトルはゼロ
(つまり、外部に現れる磁化の大きさはゼロ)になる。
室温でこのゼロになるときの合金組成は補償組成(compe
nsation composition) と呼ばれる。それ以外の組成の
ときには、合金は両方の副格子磁化の強度差に等しい強
度を有し、いずれか大きい方のベクトルの向きに等しい
向きを有する白抜きの矢(ベクトル)を持つ。
【0043】そこで、合金の磁化ベクトルを点線のベク
トルと実線のベクトルを隣接して書き、例えば図15に
示すように書き表す。RE、TMの副格子磁化の状態は
大別すると4通りあり、これらを図15の(1A)〜(4A)に
示す。そして、各状態における合金の磁化ベクトル(白
抜きの矢)を図16の(1B)〜(4B)に対応して示す。例え
ば、REベクトルがTMベクトルに比べて大きい場合、
副格子磁化の状態は(1A)に示され、合金の磁化ベクトル
は、(1B)に示される。
【0044】ある合金組成のTMベクトルとREベクト
ルの強度が、どちらか一方が大きいとき、その合金組成
は、強度の大きい方の名をとって○○リッチ例えばRE
リッチであると呼ばれる。M層とW層の両方について、
TMリッチな組成とREリッチな組成とに分けられる。
従って、縦軸座標にM層の組成を横軸座標にW層の組成
をとると、基本発明の媒体全体としては、種類を図17
に示す4象限に分類することができる。図17におい
て、座標の交点は両層の補償組成を表す。先に述べたP
タイプは、図17に示す1象限と3象限に属するもので
あり、Aタイプは2象限と4象限に属するものである。
【0045】一方、温度変化に対する保磁力の変化を見
ると、キュリー点(保磁力ゼロの温度)に達する前に保
磁力が一旦無限大に増加してまた降下すると言う特性を
持つ合金組成がある。この無限大のときに相当する温度
は補償温度(Tcomp. )と呼ばれる。補償温度より低い
温度ではREベクトル(実線の矢)の方がTMベクトル
(点線の矢) より大きく、そのためREリッチと言うこ
とができ、補償温度より高い温度ではその逆になる。従
って、補償組成の合金の補償温度は、室温にあると言う
ことができる。
【0046】逆に補償温度はTMリッチの合金組成にお
いては、室温からキュリー点の間には存在しない。室温
より下にある補償温度は、光磁気記録においては無意味
であるので、この明細書で補償温度とは室温からキュリ
ー点の間に存在するものを言うことにする。M層とW層
の補償温度の有無について分類すると、媒体はタイプ1
〜4の4つのタイプに分類される。タイプ1は、M層と
W層の両方が補償温度を持つ。タイプ2は、M層が補償
温度を持たず、W層が補償温度を持つ。タイプ3は、M
層が補償温度を持ち、W層が補償温度を持たない。タイ
プ4は、M層とW層の両方が補償温度を持たない。1象
限の媒体は、4つ全部のタイプを含む。そこで、M層と
W層の両方についてREリッチかTMリッチかで分け、
かつ補償温度を持つか持たないかで分けると、記録媒体
は表1に示す9クラスに分類される。
【0047】
【表1】
【0048】〔クラス1−1の説明〕ここで表1に示し
たクラス1の記録媒体(Pタイプ・1象限・タイプ1)
に属する媒体No.1−1 を例にとり、オーバーライト原理
について詳細に説明する。この媒体No.1−1 は、次式1
1: TR <Tcomp.1<TL <TH ≦TC1≦Tc2 及び式11の2:Tcomp.2<TC1 の関係を有する。本明細書では「≦」の「=」は等しい
か又はほぼ等しい(±20℃位) ことを意味する。説明を
簡単にする目的から、以下の説明は、TH <TC1<Tc2
の関係を有するものについて説明する。Tcomp.2は、T
L よりも高くとも等しくとも、低くともよいが、説明を
簡単にする目的から、以下の説明では、TL <Tcomp.2
とする。以上の関係をグラフで示すと、図18の如くな
る。なお、細線はM層のグラフを示し、太線はW層のグ
ラフを示す。
【0049】室温TR でM層の磁界が初期補助磁界Hin
i. により反転せずにW層のみが反転する条件は、
【0050】
【数1】
【0051】として示す式12である。この媒体No.1−1
は式12を満足する。 但し、HC1:M層の保磁力 HC2:W層の保磁力 MS1:M層の飽和磁気モーメント(saturation magnet
ization) MS2:W層の飽和磁気モーメント t1 :M層の膜厚 t2 :W層の膜厚 σw :M層とW層との間の交換結合力 (interface wal
l energy) =σw12 =界面磁壁エネルギー このとき、Hini. の条件式は、数4に示す式15で示され
る。Hini. が無くなると、M層、W層の磁化は交換結合
力により互いに影響を受ける。それでもM層、W層の磁
化が反転せずに保持される条件は、式13〜14で示され
る。この媒体No.1−1 は式13〜14を満足する。
【0052】
【数2】
【0053】
【数3】
【0054】室温で式12〜14の条件を満足する記録媒体
のW層の磁化は、記録の直前までに
【0055】
【数4】
【0056】に示す式15を満足するHini. により例えば
「A向き」↑に揃えられる。このときM層は前の記録状
態のままで残る。この状態は図19の状態1又は状態2
のいずれかで示される。これより図19を引用して説明
する。この状態1、状態2は記録直前まで保持される。
そして、記録磁界Hb は「A向き」↑に印加することに
する。
【0057】記録磁界Hb は、一般の磁界がそうである
ように、レーザービームの照射領域(スポット領域)と
同一の範囲に絞ることは難しい。媒体がディスク状の場
合、一旦記録された情報(マーク)は、1回転した場
合、途中でHini. の影響を受け、再び状態1又は状態2
となる。その後、そのマークは、レーザービームの照射
領域(スポット領域)に近いところを通過する。このと
き、状態1、状態2のマークは、記録磁界Hb 印加手段
に近づくのでその影響を受ける。この場合Hb と反対向
きの磁化を有する状態2のマークのM層の磁化の向きが
Hb によって反転させられたとすると、1回転前に記録
されたばかりの情報が消失することになる。そうならな
い条件は、
【0058】
【数5】
【0059】に示す式15の2で表される。ディスク状媒
体No.1−1 は、室温でこの条件式15の2を満足させる必
要がある。逆に言えば、Hb を決定する1つの条件は、
式15の2で示される。さて、状態1、2のマークは、い
よいよレーザービームのスポット領域に到達する。レー
ザービームの強度は、低レベルと高レベルの2種があ
る。
【0060】−−−−−低温サイクル−−−− 低レベルのレーザービームが照射されて、媒体温度がT
comp.1以上に上昇する。そうすると、PタイプからAタ
イプに移行する。そして、M層のRE、TM各スピンの
方向は変わらないが、強度の大小関係が図16の(3A)か
ら(4A)へと逆転する。そのため、M層の磁化は図16の
(3B)から(4B)へと反転する。その結果、図19状態1の
マークは状態3に移行し、状態2のマークは状態4に移
行する。
【0061】レーザービームの照射が続いて、媒体温度
は、やがてTLminになる。すると、式10の2 並びに式10
の3 が同時に満足される。その結果、Hb ↑が存在して
も、図19状態4のマークは状態5に遷移する。他方、
図19状態3のマークは、Hb ↑が存在しても10の2 並
びに式10の3 が同時に満足されているため、そのままの
状態を保つ。つまり、状態3から、同じ状態である図1
9状態5になるだけである。
【0062】この状態でレーザービームのスポット領域
から外れると媒体温度は低下を始める。媒体温度がTco
mp.1以下に冷えると、Aタイプから元のPタイプに戻
る。そして、M層のREスピンとTMスピンとの大小関
係が、図16の(2A)から(1A)へと逆転する。そのため、
M層の磁化は図16の(2B)から(1B)へと反転する。その
結果、図19状態5のマークは状態6(M層の磁化は
「A向き」↑)に移行する。この状態6は媒体温度が室
温まで下がっても保持される。こうして、M層に「A向
き」↑のマークが形成される。
【0063】−−−−−高温サイクル−−−−− 高レベルのレーザービームが照射されると、媒体温度
は、Tcomp.1を経て低温TL に上昇する。その結果、図
19状態5と同じ状態7になる。高レベルのレーザービ
ームの照射により、媒体温度は更に上昇する。媒体温度
がW層のTcomp.2を越えると、AタイプがPタイプに移
行する。そして、W層のRE、TM各スピンの方向は変
わらないが、強度の大小関係が、図16の(1A)から(2A)
へと逆転する。そのため、W層の磁化は図16の(1B)か
ら(2B)へと反転する。その結果、W層の磁化は、「逆A
向き」↓となる。これが図19状態8である。
【0064】しかし、この温度ではHC2がまだ大きいの
で、↑Hb によってW層の磁化が反転されることはな
い。さらに温度が上昇し、TH になると、M層、W層
は、その温度がキュリー点に近いので保磁力が小さくな
る。その結果、媒体は、
【0065】
【数6】
【0066】に示す(1)又は
【0067】
【数7】
【0068】に示す(2)又は
【0069】
【数8】
【0070】に示す(3)のいずれかに示した2つの式
を同時に満足する。そのため、両層の磁化は、ほぼ同時
に反転し、Hb ↑の向きに従う。この状態が状態9であ
る。この状態でレーザービームのスポット領域から外れ
ると、媒体温度は低下を始める。媒体温度がTcomp.2以
下になると、PタイプからAタイプに移行する。そし
て、RE、TMの各スピンの方向は変わらないが、強度
の大小関係が、図16の(4A)から(3A)へと逆転する。そ
のため、W層の磁化は図16の(4B)から(3B)へと反転す
る。その結果、W層の磁化は、「逆A向き」↓となる。
これが図19状態10である。状態10では、媒体は、
【0071】
【数9】
【0072】に示す式15の4を満足する。そのため、W
層にHb ↑が作用しても反転することはない。媒体の温
度がこの状態10のときの温度から更に低下して、Tcom
p.1以下になると、Aタイプから元のPタイプに戻る。
そして、M層のREスピンとTMスピンの強度の大小関
係が、図16の(4A)から(3A)へと逆転する。そのため、
M層の磁化は図16の(4B)から(3B)へと反転する。その
結果、M層の磁化は「逆A向き」↓となる。この状態が
図19状態11である。
【0073】やがて媒体の温度は、状態11のときの温度
から室温まで低下する。室温でのHC1は十分に大きい
(式15の5参照)ので、M層の磁化↓は、↑Hb によっ
て反転されることなく、状態11が保持される。
【0074】
【数10】
【0075】こうして、M層に「逆A向き」↓のマーク
が形成される。
【0076】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したような
オーバーライト可能な光磁気記録媒体に情報を記録する
ための装置はW層を初期化するための初期補助磁界H
ini.を発生するのに通常は電磁石を用いている。この電
磁石は記録が行なわれる間、常時オンとなっているの
で、大電力を消費するという問題点がある。またそれと
共に、電磁石は作動中にかなりの熱を発生する。そのた
め、水冷方式や放熱板を取り付けるなどの放熱構造が必
要であり、その結果装置が大型化するという問題があっ
た。
【0077】本発明はこれらの問題を解決し、初期補助
磁界発生のための電磁石における電力の消費および発熱
を減少させる光磁気記録方法および装置を提供すること
を目的とする。
【0078】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録方法
および装置は、垂直磁化膜からなるメモリー層とライテ
ィング層の少なくとも2層を含み、メモリー層の磁化の
向きを変えることなくライティング層の磁化の向きを所
定の向きに揃える "初期化" を行なうことができ、光変
調方式でオーバーライトが可能な光磁気ディスクに情報
を記録する光磁気記録方法および装置である。
【0079】本発明の光磁気記録方法は、上記のディス
クを回転させ、半径方向に延在する電磁石に電流を流す
ことにより該ディスクの半径方向長さにわたって初期補
助磁界Hini.を印加してディスクの回転にともなって該
ディスクの前記 "初期化" を行なう過程を含み、 "初期
化" されているディスク部位に記録磁界Hb を印加しつ
つ、ディスクの記録磁界を印加した部位に、記録すべき
2値化情報にしたがって高レベルPH と低レベルPL
の間でパルス変調されたレーザービームを照射すること
により情報を記録する光磁気記録方法において、前記初
期補助磁界を印加する電磁石を所定のタイミングでオン
オフすべく制御することを特徴とする。
【0080】具体的には、前記所定のタイミングを、 (1)ディスクが1回転するのに要する時間Tx 内だけ
電磁石オンするようにする、または、 (2)レーザービームの照射による記録に要する時間T
W がTW <TX であるとき、記録の終了時点から、レー
ザービーム照射位置から初期補助磁界印加位置までディ
スクが回転する時間をTa 、ディスクが1回転するのに
要する時間をTX として、記録の終了時点から時間Ta
+ nTX ( n は0以上の任意の整数)の経過後に電磁石
をオンしその後時間TW だけオンし続けるようにする、
または、 (3)レーザービーム照射による記録に、初期補助磁界
印加位置からレーザービーム照射位置までディスクが回
転するのに要する時間Tb 以上先立って電磁石をオン
し、ディスクが1回転するのに要する時間TX の間だけ
オンし続けるようにする、と好適である。
【0081】本発明に係る光磁気記録装置は、光変調方
式でオーバーライト可能な光磁気ディスクを回転させる
回転手段と、該ディスクを "初期化" するための初期補
助磁界Hini.をディスクの半径方向長さにわたって印加
する電磁石と、該電磁石に給電する電源と、ディスクに
レーザービームを照射するレーザー光源と、前記レーザ
ービームを記録すべき2値化情報にしたがって高レベル
H 低レベルPL との間でパルス変調する変調手段と、
該ディスクのレーザービーム照射位置に記録磁界Hb を
印加する記録磁界印加手段と、を含むオーバーライト可
能な光磁気記録装置において、前記電磁石に給電するタ
イミングを制御することにより該電磁石をオンオフする
タイミングを制御する制御回路を有することを特徴とす
る。
【0082】制御回路の制御タイミングは、上に光磁気
記録方法について述べたタイミング(1)〜(3)と同
様にすると好適である。
【作用】このように、電磁石を通電したままとせず、所
定のタイミングでオンオフすることにより、消費電力の
節約ができ、また熱の発生も抑制される。
【0083】
【実施例】以下、図1〜4を参照して本発明の実施例に
即して説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。図1は本発明にかかる光磁気記録装置の主要な構
成を示す概念図である。この装置は再生装置を兼ねてお
り、主として、光磁気記録媒体4を回転させるモータ
(回転手段8)、レーザービーム光源5、レーザービー
ムの強度を記録すべき二値化情報にしたがって高レベル
H と低レベルPL との間でパルス変調する光源駆動回
路6、記録磁界印加手段(媒体の磁性膜上でHb = 300
Oe の永久磁石7)、初期補助磁界印加手段(媒体の磁
性膜上でHini.= 3 KOe の電磁石1)、電磁石に給電
する電源3および電磁石のオンオフを制御する制御回路
2からなる。初期補助磁界を印加するための電磁石は光
磁気記録媒体ディスクの半径より十分大きく、媒体ディ
スクの半径方向長さ全体にわたって、初期補助磁界を印
加できるようにする。
【0084】この装置による媒体への記録は以下の様に
して行なわれる。回転手段8で回転させられた媒体は、
まずレーザービームの照射位置に来る。レーザービーム
光源5から出射するビームは光源駆動回路6により記録
すべき2値情報に従いパルス変調される。光源5から出
射したビームは、コリメーターレンズ9を通って平行に
された後、ビームスプリッタ10で反射される。反射さ
れたビームは対物レンズ11で集光され、媒体4上に焦
点を結ぶ。記録は、これで基本的になしとげられる。そ
の後媒体は磁石1の上を通って "初期化" される。また
"初期化" は記録の前に行なっても良い。
【0085】この装置により、媒体に記録された情報の
再生を行なう場合には、強度を低めた変調しないDC点
灯のレーザービームを記録時と同様に媒体4に照射す
る。そして媒体から反射された光を対物レンズ11を通
してビームスプリッタ10に入射させ、そこを透過した
光を集光レンズ12で集光した上で、ディテクタ14に
入射させる。このとき集光レンズ12とディテクタ14
との間に置いたアナライザ13(偏光子)を通して、偏
光面の回転状況(+θk と−θk )を光の強度変化に変
換する。これにより、偏光面の回転として読み取った媒
体4の記録情報を光の強度変化に変換する。光の強度変
化はディテクタ14で電気信号の強弱に変換される。か
くして媒体に記録された情報が再生されたことになる。
【0086】制御回路2による記録時の電磁石1のオン
オフのタイミング制御の仕方にはいくつかの方法が考え
られる。一つの方法として、情報の書き込み(記録)後
に、ディスクが1回転するのに要する時間だけ電磁石を
オンにすることにより、ディスクの全面を初期化する。
具体的には、ディスクの回転速度が 3600 r.p.m.である
とすると、変調されたレーザービームを照射することに
より記録が終了した後、制御回路2により電磁石をTx
= 16.7 ms(ディスクが1回転するのに要する時間)だ
けオンさせるように制御する。上述のように電磁石1は
ディスクの半径方向長さにわたって初期化補助磁界を印
加するので、ディスクが1回転する時間の間電磁石をオ
ンすることにより、回転につれてディスクの全面を "初
期化" することができる。この場合のタイミングチャー
トを図2に示す。図2において、(a)は書き込みパル
スを、(b)は電磁石のオンオフのタイミングを示す
(以下の図3および図4においても同様)。
【0087】書き込み時間Tw が、Tw <Tx であった
ときには、電磁石をを作動させる時間THiniもTHini
w (<Tx )とするこことができる。この場合、レー
ザービームの照射位置から初期補助磁界印加位置までデ
ィスクが回転するのに要する時間をTa とすると、図3
に示すごとく、書き込み終了後、時間Ta +nTx (n
は0以上の整数)の間だけ、電磁石をオンするタイミン
グを遅らせるように制御する。
【0088】また、書き込み前に "初期化" を行なう方
法もある。図4に示すように、まず電磁石をTHini=T
x (ディスクが1回転するのに要する時間)だけオンさ
せる。その後、初期補助磁界印加位置からレーザービー
ム照射位置までディスクが回転するのに要する時間Tb
以上の時間分遅らせて書き込みを始める。これによりデ
ィスクの被記録部位は常に "初期化" された状態でレー
ザービーム照射位置に到達することになる。
【0089】以下に上に説明した本発明の実施例の光磁
気記録装置および方法に用いられる媒体の作成手順につ
いて説明しておく。 −クラス1の媒体の準備− 直径 130mm、厚さ1.2mm のガラス円板上に厚さ0.03mmの
2P樹脂層が形成されている基板を用意する。2P樹脂
層には半径r=30-60mm の領域に同心円状に多数のトラ
ッキング溝が形成されている。溝は深さhが 700Åで溝
幅Wが 0.5μmでピッチが 1.6μm である。2P樹脂層
の上にスパッタリングにより、次の6層が形成される。
保護層として厚さ 700Åの窒化シリコン、 M層
として厚さ 250Åの Tb25Fe72Co5(添え字の数字は原子
%;以下同様)、 交換結合力調整層として厚さ 100
Åの Gd34Fe72Co5、 W層として厚さ 500ÅのDy28Fe
36Co36 、 保護層として厚さ 100Åの窒化シリコン
薄膜、 保護層として厚さ 700Åの窒化シリコン薄膜
の6層である。最後に、保護層の上に保護基板が接着
され、媒体が仕上がる。保護基板は基板に使われたガラ
ス円板と同種のものである。この媒体に23KOeのA
向きの磁界を印加することにより、媒体全体についてM
層、W層の両層の磁化の向きをA向きに揃えておく( "
初期化" 済み)。
【0090】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明によれば
電磁石による媒体の初期化を行なう際に磁界印加時間を
短くしたので電力が節約できる。また、放熱構造を必要
としないので装置の設計が容易になり、小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の光磁気記録装置の主要な構成
を示す概念図である。
【図2】本発明における書き込みと初期化磁界印加のタ
イミングを示す図である。
【図3】本発明における書き込みと初期化磁界印加のタ
イミングの別の例を示す図である。
【図4】本発明における書き込みと初期化磁界印加のタ
イミングのまた別の例を示す図である。
【図5】光磁気記録方式の記録原理を説明する概念図で
ある。
【図6】光磁気記録方式の再生原理を説明する概念図で
ある。
【図7】基本発明に従いオーバーライトする場合のレー
ザービームの波形図である。
【図8】基本発明に従い2本のビームでオーバーライト
する場合のレーザービームの波形図である。
【図9】オーバーライト可能な光磁気記録媒体のM層、
W層について保磁力と温度との関係を示すグラフであ
る。
【図10】M層とW層の磁化の向きを示す概念図であ
る。
【図11】M層とW層の磁化の向きの変化を示す説明図
である。
【図12】Pタイプ媒体について、低温サイクル、高温
サイクルの結果、M層とW層の磁化の向きがどう変化す
るかを示す説明図である。いずれも室温での状態を示
す。
【図13】Aタイプ媒体について、低温サイクル、高温
サイクルの結果、M層とW層の磁化の向きがどう変化す
るかを示す説明図である。いずれも室温での状態を示
す。
【図14】M層とW層の磁化の向きの変化を示す説明図
である。
【図15】希土類(RE)原子の副格子磁化を示すベク
トル(実線の矢)と遷移金属(TM)原子の副格子磁化
を示すベクトル(点線の矢)とを比較するための説明図
である。
【図16】副格子磁化のベクトル(実線の矢及び点線の
矢)と合金の磁化の向きを示すベクトル(白抜き矢)と
の関係を示す説明図である。
【図17】M層とW層について、それぞれREリッチ、
TMリッチに分けた場合、オーバーライト可能な媒体が
4つの分類(1象限〜4象限)に分けられることを説明
する説明図である。
【図18】オーバーライト可能な光磁気記録媒体No. 1
−1のM層、W層について保磁力と温度との関係を示す
グラフである。
【図19】媒体No. 1−1の媒体について、低温サイク
ルと高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向きがど
う変化するかを示す概念図である。
【符号の説明】
1 初期補助磁界印加手段(電磁石) 2 制御回路 3 電源 4 オーバーライト可能な光磁気記録媒体 5 レーザービーム光源 6 光源駆動回路 7 記録磁界印加手段 8 媒体回転手段 9 コリメーターレンズ 10 ビームスプリッタ 11 対物レンズ 12 集光レンズ 13 アナライザ 14 ディテクタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直磁化膜からなるメモリー層とライテ
    ィング層の少なくとも2層を含み、メモリー層の磁化の
    向きを変えることなくライティング層の磁化の向きを所
    定の向きに揃える "初期化" を行なうことができ、光変
    調方式でオーバーライトが可能な光磁気ディスクに情報
    を記録する光磁気記録方法であって、該ディスクを回転
    させ、半径方向に延在する電磁石に電流を流すことによ
    り該ディスクの半径方向長さにわたって初期補助磁界H
    ini.を印加してディスクの回転にともなって該ディスク
    の前記 "初期化" を行なう過程を含み、 "初期化" され
    ているディスク部位に記録磁界Hb を印加しつつ、ディ
    スクの記録磁界を印加した部位に、記録すべき2値化情
    報にしたがって高レベルPH と低レベルPL との間でパ
    ルス変調されたレーザービームを照射することにより情
    報を記録する光磁気記録方法において、前記初期補助磁
    界を印加する電磁石を所定のタイミングでオンオフすべ
    く制御することを特徴とする光磁気記録方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光磁気記録方法におい
    て、前記所定のタイミングが、前記ディスクが1回転す
    るのに要する時間Tx 内だけ前記電磁石オンすることで
    ある光磁気記録方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光磁気記録方法におい
    て、前記レーザービームの照射により行なわれる記録に
    要する時間TW がTW <TX であるとき、前記記録の終
    了時点から、レーザービーム照射位置から初期補助磁界
    印加位置までディスクが回転する時間をTa 、ディスク
    が1回転するのに要する時間をTX として、前記所定の
    タイミングが、前記記録の終了時点から時間Ta + nT
    X ( n は0以上の任意の整数)の経過後に電磁石をオン
    しその後時間TW だけオンし続けることである光磁気記
    録方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光磁気記録方法におい
    て、前記所定のタイミングが、前記レーザービーム照射
    による記録に、初期補助磁界印加位置からレーザービー
    ム照射位置までディスクが回転するのに要する時間Tb
    以上先立って前記電磁石をオンし、前記ディスクが1回
    転するのに要する時間TX の間だけオンし続けることで
    ある光磁気記録方法。
  5. 【請求項5】 光変調方式でオーバーライト可能な光磁
    気ディスクを回転させる回転手段と、該ディスクを "初
    期化" するための初期補助磁界Hini.を前記ディスクの
    半径方向長さにわたって印加する電磁石と、該電磁石に
    給電する電源と、ディスクにレーザービームを照射する
    レーザー光源と、前記レーザービームを記録すべき2値
    化情報にしたがって高レベルPH 低レベルPL との間で
    パルス変調する変調手段と、該ディスクのレーザービー
    ム照射位置に記録磁界Hb を印加する記録磁界印加手段
    と、を含むオーバーライト可能な光磁気記録装置におい
    て、前記電磁石に給電するタイミングを制御することに
    より該電磁石をオンオフするタイミングを制御する制御
    回路を有することを特徴とするオーバーライト可能な光
    磁気記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光磁気記録装置におい
    て、前記制御回路は、前記ディスクが1回転するのに要
    する時間Tx 内だけ前記電磁石オンさせるよう制御する
    ことを特徴とする光磁気記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の光磁気記録装置におい
    て、前記レーザービームの照射により行なわれる記録に
    要する時間TW がTW <TX であるとき、前記記録の終
    了時点から、レーザービーム照射位置から初期補助磁界
    印加位置までディスクが回転する時間をTa 、ディスク
    が1回転するのに要する時間をTX として、前記制御回
    路は、前記記録の終了時点から時間Ta + nTX ( n は
    0以上の整数)の経過後に電磁石をオンしその後時間T
    W だけオンし続けるように制御することを特徴とする光
    磁気記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の光磁気記録装置におい
    て、前記制御回路は、前記レーザービーム照射による記
    録に、初期補助磁界印加位置からレーザービーム照射位
    置までディスクが回転するのに要する時間Tb 以上先立
    って前記電磁石をオンし、前記ディスクが1回転するの
    に要する時間TX の間だけオンし続けるよう制御するこ
    とを特徴とする光磁気記録装置。
JP4244597A 1992-09-14 1992-09-14 オーバーライト可能な光磁気記録方法およびそれに使用される記録装置 Withdrawn JPH0696483A (ja)

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