JPH0696445A - 光記録媒体の再生方法及び再生装置 - Google Patents
光記録媒体の再生方法及び再生装置Info
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- JPH0696445A JPH0696445A JP5088854A JP8885493A JPH0696445A JP H0696445 A JPH0696445 A JP H0696445A JP 5088854 A JP5088854 A JP 5088854A JP 8885493 A JP8885493 A JP 8885493A JP H0696445 A JPH0696445 A JP H0696445A
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- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
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- H01S2301/02—ASE (amplified spontaneous emission), noise; Reduction thereof
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- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/04—Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping, e.g. by electron beams
- H01S5/042—Electrical excitation ; Circuits therefor
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/10—Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
- H01S5/1042—Optical microcavities, e.g. cavity dimensions comparable to the wavelength
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- Optics & Photonics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 フォトンモードで反応する記録層を有する光
記録媒体の再生において、再生可能回数を向上させる。 【構成】 再生ビーム光のパワーを、式(I)のPrep
(W)の近傍または式(II)のPrep (W)の範囲内に
設定する。 SN比を向上させる場合には、必要により再生ビーム光
としてフォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の
光を用いる。再生可能回数を向上させる場合には、さら
に式(III)のPrep (W)の範囲内に設定されたパワー
でフォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光を
再生ビーム光として用いる。
記録媒体の再生において、再生可能回数を向上させる。 【構成】 再生ビーム光のパワーを、式(I)のPrep
(W)の近傍または式(II)のPrep (W)の範囲内に
設定する。 SN比を向上させる場合には、必要により再生ビーム光
としてフォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の
光を用いる。再生可能回数を向上させる場合には、さら
に式(III)のPrep (W)の範囲内に設定されたパワー
でフォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光を
再生ビーム光として用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミック材料
等を用いたフォトンモードで反応する記録層を有する光
記録媒体の再生方法及び再生装置に関するものである。
等を用いたフォトンモードで反応する記録層を有する光
記録媒体の再生方法及び再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、書き換え可能な光記録媒体とし
て、フォトクロミック材料を応用する研究が盛んに進め
られている。フォトクロミック材料は、所定の波長の光
を照射すると、光化学反応により分子の構造が変化す
る。これに伴って、一定の波長の光に対する吸光度や屈
折率等の光学的特性が変化し、また他の波長の光や熱を
加えることによって、変化した分子構造を元に戻すこと
ができるという性質を有している。このような性質を利
用してフォトクロミック材料を光記録媒体の材料として
用いることができる。このような光記録媒体の記録は、
特定波長の光照射により分子構造を変化させることによ
って行うことができ、再生はそれに伴う光学的特性の変
化、特に吸光度の変化を検出することにより行うことが
できる。 ところで、このようなフォトンモードによる
光記録媒体においては、記録された情報の再生を繰り返
し行うと再生出力が低下してしまうという問題のあるこ
とがよく知られている。これは、分子の反応がフォトン
モードで起こるため、比較的低いパワーで再生を行って
も、僅かながらフォトクロミック分子の反応が進行し、
繰り返し再生するに従って再生出力が低下してしまうか
らである。このような問題を解決する方法として、2つ
の方法が検討されている。
て、フォトクロミック材料を応用する研究が盛んに進め
られている。フォトクロミック材料は、所定の波長の光
を照射すると、光化学反応により分子の構造が変化す
る。これに伴って、一定の波長の光に対する吸光度や屈
折率等の光学的特性が変化し、また他の波長の光や熱を
加えることによって、変化した分子構造を元に戻すこと
ができるという性質を有している。このような性質を利
用してフォトクロミック材料を光記録媒体の材料として
用いることができる。このような光記録媒体の記録は、
特定波長の光照射により分子構造を変化させることによ
って行うことができ、再生はそれに伴う光学的特性の変
化、特に吸光度の変化を検出することにより行うことが
できる。 ところで、このようなフォトンモードによる
光記録媒体においては、記録された情報の再生を繰り返
し行うと再生出力が低下してしまうという問題のあるこ
とがよく知られている。これは、分子の反応がフォトン
モードで起こるため、比較的低いパワーで再生を行って
も、僅かながらフォトクロミック分子の反応が進行し、
繰り返し再生するに従って再生出力が低下してしまうか
らである。このような問題を解決する方法として、2つ
の方法が検討されている。
【0003】1つの方法は、フォトクロミック材料が吸
収を有しない波長の光を用いてフォトクロミック反応に
伴う、吸収以外の変化すなわち旋光性、屈折率、複屈折
等を検出することによって再生を行う方法である。また
もう1つの方法は、光以外に磁界、電界、熱等が加わっ
たときにのみ反応が進む、いわゆるゲート型フォトクロ
ミック材料を開発し、これを用いる方法である。
収を有しない波長の光を用いてフォトクロミック反応に
伴う、吸収以外の変化すなわち旋光性、屈折率、複屈折
等を検出することによって再生を行う方法である。また
もう1つの方法は、光以外に磁界、電界、熱等が加わっ
たときにのみ反応が進む、いわゆるゲート型フォトクロ
ミック材料を開発し、これを用いる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、例えば高密度化のための有力な手段である波
長多重記録等への応用が難しいという問題がある。また
後者の方法においては、磁界や電界によるゲート型フォ
トクロミック材料はまだ合成に成功していない。また熱
ゲート型のフォトクロミック材料は、熱拡散の影響によ
りフォトンモードの特徴である高解像度性が失われると
いう問題がある。
方法では、例えば高密度化のための有力な手段である波
長多重記録等への応用が難しいという問題がある。また
後者の方法においては、磁界や電界によるゲート型フォ
トクロミック材料はまだ合成に成功していない。また熱
ゲート型のフォトクロミック材料は、熱拡散の影響によ
りフォトンモードの特徴である高解像度性が失われると
いう問題がある。
【0005】本発明の目的は、フォトクロミック材料が
吸収を示す波長域の光を再生光として用いても、再生可
能回数を大幅に向上させることができる、上記従来の2
つの方法には属しない、まったく新規な光記録媒体の再
生方法及び再生装置を提供することにある。
吸収を示す波長域の光を再生光として用いても、再生可
能回数を大幅に向上させることができる、上記従来の2
つの方法には属しない、まったく新規な光記録媒体の再
生方法及び再生装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
従う再生方法は、フォトンモードで反応する記録層を有
する光記録媒体を再生する方法であり、記録層に再生ビ
ーム光を照射するステップと、記録層を通過した再生ビ
ーム光を検出して記録状態及び未記録状態を再生するス
テップとを備えており、記録層に照射する再生ビーム光
のパワーが、下記の式(I)のPrep (W)の近傍に設
定されていることを特徴としている。
従う再生方法は、フォトンモードで反応する記録層を有
する光記録媒体を再生する方法であり、記録層に再生ビ
ーム光を照射するステップと、記録層を通過した再生ビ
ーム光を検出して記録状態及び未記録状態を再生するス
テップとを備えており、記録層に照射する再生ビーム光
のパワーが、下記の式(I)のPrep (W)の近傍に設
定されていることを特徴としている。
【0007】
【数5】
【0008】(ここで、SNRはシステムに必要なSN
パワー比(PP/rms)、eは電気素量1.6×10
-19 (C)、Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検
出器のゲイン1に対する感度(A/W)、γはピックア
ップ効率、Rave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光
記録媒体の記録部と未記録部との反射率の変化量を示
す。)ここで近傍とは、本発明の再生パワーレベルが対
数的な変化を問題にしているので、×0.5倍〜×5倍
の一桁の範囲を示すものとする。
パワー比(PP/rms)、eは電気素量1.6×10
-19 (C)、Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検
出器のゲイン1に対する感度(A/W)、γはピックア
ップ効率、Rave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光
記録媒体の記録部と未記録部との反射率の変化量を示
す。)ここで近傍とは、本発明の再生パワーレベルが対
数的な変化を問題にしているので、×0.5倍〜×5倍
の一桁の範囲を示すものとする。
【0009】請求項2に記載の発明に従う再生方法は、
フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒体を
再生する方法であり、記録層に再生ビーム光を照射する
ステップと、記録層を通過した再生ビーム光を検出して
記録状態及び未記録状態を再生するステップとを備えて
おり、再生ビーム光のパワーが、下記の式(II)のP
rep (W)の範囲内に設定されていることを特徴として
いる。
フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒体を
再生する方法であり、記録層に再生ビーム光を照射する
ステップと、記録層を通過した再生ビーム光を検出して
記録状態及び未記録状態を再生するステップとを備えて
おり、再生ビーム光のパワーが、下記の式(II)のP
rep (W)の範囲内に設定されていることを特徴として
いる。
【0010】
【数6】
【0011】(ここで、SNRはシステムに必要なSN
パワー比(PP/rms)、eは電気素量1.6×10
-19 (C)、Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検
出器のゲイン1に対する感度(A/W)、γはピックア
ップ効率(媒体からの反射光が光検出器に至るまでの効
率)、Rave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光記録
媒体の記録部と未記録部との反射率の変化量、kはボル
ツマン定数1.38×10-23 (J・K-1)、Tは絶対
温度(K)、Iamp は再生用プリアンプの平均ノイズ電
流(A)、Zは再生用プリアンプのインピーダンス
(Ω)を示す。)請求項1及び2に記載の再生方法にお
いては、記録層を通過した再生ビーム光を、光電流の自
己増幅機能を有する検出器によって検出することができ
る。
パワー比(PP/rms)、eは電気素量1.6×10
-19 (C)、Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検
出器のゲイン1に対する感度(A/W)、γはピックア
ップ効率(媒体からの反射光が光検出器に至るまでの効
率)、Rave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光記録
媒体の記録部と未記録部との反射率の変化量、kはボル
ツマン定数1.38×10-23 (J・K-1)、Tは絶対
温度(K)、Iamp は再生用プリアンプの平均ノイズ電
流(A)、Zは再生用プリアンプのインピーダンス
(Ω)を示す。)請求項1及び2に記載の再生方法にお
いては、記録層を通過した再生ビーム光を、光電流の自
己増幅機能を有する検出器によって検出することができ
る。
【0012】請求項4に記載の発明に従う再生装置は、
フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒体を
再生する装置で、再生ビーム光を一定のパワーで放射す
る光源と、光源からの再生ビーム光を上記の式(I)ま
たは(II)のPrep のパワーのレベルにまで減衰させて
記録層に再生ビーム光を照射するためのパワー調整手段
と、再生ビーム光を記録層に集光するレンズ系と、記録
層を通過し光記録媒体から反射されてきた再生ビーム光
を検出する検出器とを備えている。
フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒体を
再生する装置で、再生ビーム光を一定のパワーで放射す
る光源と、光源からの再生ビーム光を上記の式(I)ま
たは(II)のPrep のパワーのレベルにまで減衰させて
記録層に再生ビーム光を照射するためのパワー調整手段
と、再生ビーム光を記録層に集光するレンズ系と、記録
層を通過し光記録媒体から反射されてきた再生ビーム光
を検出する検出器とを備えている。
【0013】請求項4に記載の発明において、検出器と
して、光電流の自己増幅機能を有する検出器を用いるこ
とが好ましい。請求項6に記載の発明に従う再生方法
は、フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒
体を再生する方法であり、記録層に上記の式(II)のP
rep の範囲内に設定されたパワーの再生ビーム光を照射
するステップと、記録層を通過した再生ビーム光を検出
して記録状態及び未記録状態を再生するステップと、記
録層に含まれるフォトンモード材料が実質的に吸収を有
しない波長域の光をサーボ用ビーム光として記録層に照
射することによりフォーカスサーボ及びトラッキングサ
ーボの少なくとも何れか一方を行うステップとを備えて
いる。
して、光電流の自己増幅機能を有する検出器を用いるこ
とが好ましい。請求項6に記載の発明に従う再生方法
は、フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒
体を再生する方法であり、記録層に上記の式(II)のP
rep の範囲内に設定されたパワーの再生ビーム光を照射
するステップと、記録層を通過した再生ビーム光を検出
して記録状態及び未記録状態を再生するステップと、記
録層に含まれるフォトンモード材料が実質的に吸収を有
しない波長域の光をサーボ用ビーム光として記録層に照
射することによりフォーカスサーボ及びトラッキングサ
ーボの少なくとも何れか一方を行うステップとを備えて
いる。
【0014】請求項7に記載の発明に従う再生装置は、
フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒体を
構成する装置であり、再生ビーム光を一定のパワーで放
射する第1の光源と、第1の光源からの再生ビーム光を
上記の式(II)のPrep の範囲内のパワーレベルにまで
減衰させて記録層に再生ビーム光を照射するためのパワ
ー調整手段と、記録層に含まれているフォトンモード材
料が実質的に吸収を有しない波長域の光をサーボ用ビー
ム光として放射する第2の光源と、再生ビーム光とサー
ボ用ビーム光とを合成し同一光路へ導くビーム合成手段
と、合成ビーム光を記録層に集光するレンズ系と、記録
層を通過して光記録媒体から反射されてきた合成ビーム
光に含まれた再生ビーム光の成分を検出する光電流の自
己増幅機能を有する光検出器と、記録層を通過して光記
録媒体から反射されてきた合成ビーム光に含まれたサー
ボ用ビーム光の成分を検出してフォーカスサーボ及びト
ラッキングサーボの少なくともいずれか一方を行うため
のサーボ用光学系及びサーボ用回路系を備えている。
フォトンモードで反応する記録層を有する光記録媒体を
構成する装置であり、再生ビーム光を一定のパワーで放
射する第1の光源と、第1の光源からの再生ビーム光を
上記の式(II)のPrep の範囲内のパワーレベルにまで
減衰させて記録層に再生ビーム光を照射するためのパワ
ー調整手段と、記録層に含まれているフォトンモード材
料が実質的に吸収を有しない波長域の光をサーボ用ビー
ム光として放射する第2の光源と、再生ビーム光とサー
ボ用ビーム光とを合成し同一光路へ導くビーム合成手段
と、合成ビーム光を記録層に集光するレンズ系と、記録
層を通過して光記録媒体から反射されてきた合成ビーム
光に含まれた再生ビーム光の成分を検出する光電流の自
己増幅機能を有する光検出器と、記録層を通過して光記
録媒体から反射されてきた合成ビーム光に含まれたサー
ボ用ビーム光の成分を検出してフォーカスサーボ及びト
ラッキングサーボの少なくともいずれか一方を行うため
のサーボ用光学系及びサーボ用回路系を備えている。
【0015】請求項7に記載の発明において、光記録媒
体から反射されてきた合成ビーム光に含まれた再生ビー
ム光の成分が光検出器に入射するまでの間の光路に、再
生用ビーム光を実質的に透過しサーボ用ビーム光を実質
的に透過しない波長選択手段を設けることができる。
体から反射されてきた合成ビーム光に含まれた再生ビー
ム光の成分が光検出器に入射するまでの間の光路に、再
生用ビーム光を実質的に透過しサーボ用ビーム光を実質
的に透過しない波長選択手段を設けることができる。
【0016】請求項7に記載の発明におけるビーム合成
手段としては、例えばダイクロックミラーを用いること
ができる。このようにビーム合成手段としてダイクロッ
クミラーを用いた場合、光記録媒体から反射されてきた
合成ビーム光に含まれたサーボ用ビーム光がこのダイク
ロックミラーによって反射されるように装置全体を構成
することができる。
手段としては、例えばダイクロックミラーを用いること
ができる。このようにビーム合成手段としてダイクロッ
クミラーを用いた場合、光記録媒体から反射されてきた
合成ビーム光に含まれたサーボ用ビーム光がこのダイク
ロックミラーによって反射されるように装置全体を構成
することができる。
【0017】請求項7に記載の発明において、第2の光
源とビーム合成手段との間に、サーボ用ビーム光を実質
的に透過し、それ以外の第2の光源からの放射光を実質
的に透過しない波長選択手段を設けることができる。
源とビーム合成手段との間に、サーボ用ビーム光を実質
的に透過し、それ以外の第2の光源からの放射光を実質
的に透過しない波長選択手段を設けることができる。
【0018】請求項11に記載の発明に従う再生方法
は、記録層の未記録状態における再生ビーム光の反射率
が0.4以下である光記録媒体を用いて光記録し、これ
を再生する方法である。この方法においては、記録層の
記録部における再生ビーム光の反射率が0.7以下であ
ることが好ましい。また記録層の未記録状態における再
生ビーム光の反射率が0.2以下の場合には、記録部に
おける再生ビーム光の反射率が0.4以上であることが
好ましい。
は、記録層の未記録状態における再生ビーム光の反射率
が0.4以下である光記録媒体を用いて光記録し、これ
を再生する方法である。この方法においては、記録層の
記録部における再生ビーム光の反射率が0.7以下であ
ることが好ましい。また記録層の未記録状態における再
生ビーム光の反射率が0.2以下の場合には、記録部に
おける再生ビーム光の反射率が0.4以上であることが
好ましい。
【0019】請求項14に記載の発明に従う再生方法
は、再生ビーム光として、フォトン数ゆらぎが抑圧され
たスクイズド状態の光を用いることを特徴としている。
請求項15に記載の発明に従う再生方法は、再生ビーム
光として、フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状
態の光を用い、下記の式(III)のPrep (W)の範囲内
に設定されたパワーで光記録媒体に照射し、再生するこ
とを特徴としている。
は、再生ビーム光として、フォトン数ゆらぎが抑圧され
たスクイズド状態の光を用いることを特徴としている。
請求項15に記載の発明に従う再生方法は、再生ビーム
光として、フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状
態の光を用い、下記の式(III)のPrep (W)の範囲内
に設定されたパワーで光記録媒体に照射し、再生するこ
とを特徴としている。
【0020】
【数7】
【0021】(ここで、SNRはシステムに必要なSN
パワー比(PP/rms)、eは電気素量1.6×10
-19 (C)、Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検
出器のゲイン1に対する感度(A/W)、γはピックア
ップ効率、Rave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光
記録媒体の記録部と未記録部との反射率の変化量を示
す。)フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の
光を放射する光源としては、微小共振器構造によって自
然放出が抑圧され、かつ微分抵抗値の2倍以上の抵抗を
介して励起電流が注入される半導体レーザーを挙げるこ
とができる。
パワー比(PP/rms)、eは電気素量1.6×10
-19 (C)、Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検
出器のゲイン1に対する感度(A/W)、γはピックア
ップ効率、Rave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光
記録媒体の記録部と未記録部との反射率の変化量を示
す。)フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の
光を放射する光源としては、微小共振器構造によって自
然放出が抑圧され、かつ微分抵抗値の2倍以上の抵抗を
介して励起電流が注入される半導体レーザーを挙げるこ
とができる。
【0022】
【発明の作用効果】請求項1に記載の発明では、再生ビ
ーム光のパワーを著しく低くすることにより、再生回数
を増加させている。一般に再生ビーム光のパワーを低下
させると、SN比が悪くなる。本発明では、必要なSN
比が原理的に確保できる最小限の程度に再生ビーム光の
パワーを低くしている。以下、これについて説明する。
ーム光のパワーを著しく低くすることにより、再生回数
を増加させている。一般に再生ビーム光のパワーを低下
させると、SN比が悪くなる。本発明では、必要なSN
比が原理的に確保できる最小限の程度に再生ビーム光の
パワーを低くしている。以下、これについて説明する。
【0023】光ディスクシステムにおけるノイズの原因
としては、ディスク表面粗さに起因するディスクノイ
ズ、レーザー光の揺らぎによるレーザーノイズ、プリア
ンプ系の抵抗部で発生する熱ノイズ、及びレーザー光中
のフォトンの量子論的揺らぎに起因するショットノイズ
がある。ディスクノイズ及びレーザーノイズに関して
は、既に技術的に解消され、十分に低いレベルとなって
いる。熱ノイズ及びショットノイズは、原理的なもので
あり、再生ビーム光のパワーを低くするときに問題とな
る。
としては、ディスク表面粗さに起因するディスクノイ
ズ、レーザー光の揺らぎによるレーザーノイズ、プリア
ンプ系の抵抗部で発生する熱ノイズ、及びレーザー光中
のフォトンの量子論的揺らぎに起因するショットノイズ
がある。ディスクノイズ及びレーザーノイズに関して
は、既に技術的に解消され、十分に低いレベルとなって
いる。熱ノイズ及びショットノイズは、原理的なもので
あり、再生ビーム光のパワーを低くするときに問題とな
る。
【0024】図1は、これらのノイズと信号レベルの関
係を示す図である。図1において横軸は再生ビーム光の
パワーを示しており、縦軸は出力をdBで表示してい
る。再生ビーム光のパワー1mWのときの信号の出力を
基準の0dBとしている。
係を示す図である。図1において横軸は再生ビーム光の
パワーを示しており、縦軸は出力をdBで表示してい
る。再生ビーム光のパワー1mWのときの信号の出力を
基準の0dBとしている。
【0025】図1から明らかなように、通常の光ディス
クの再生に使用されている程度の再生パワー(〜1m
W)では、熱ノイズやショットノイズよりもディスクノ
イズ及びレーザーノイズの方が高く、信号レベルの方が
十分に大きいので、SN比としては十分な値が得られ
る。再生パワーを低くしていくと、信号レベルとディス
クノイズ及びレーザーノイズは、20dB/decで低
下する。すなわち、再生パワーが1/10になると20
dB低下する。しかしながら、図1から明らかなよう
に、熱ノイズは再生パワーに依存せず一定である。また
ショットノイズは10dB/decで低下している。こ
の結果、再生パワーが10-5〜10-6となる地点の近傍
で、ノイズを制限する因子が、ディスクノイズ及びレー
ザーノイズから、熱ノイズまたはショットノイズに変わ
る。特に、熱ノイズは一定であり、数μWオーダーの再
生パワーでは、熱ノイズによるSN比の低下が著しい。
しかしながら、これは、プリアンプ抵抗部で発生する熱
ノイズ電流が光電流に比べて無視できない大きさになっ
てきたためであり、光検出器として自己増幅作用を有す
る光検出器を用いることにより、光電流を大きくして熱
ノイズによるSN比の低下を解消することができる。
クの再生に使用されている程度の再生パワー(〜1m
W)では、熱ノイズやショットノイズよりもディスクノ
イズ及びレーザーノイズの方が高く、信号レベルの方が
十分に大きいので、SN比としては十分な値が得られ
る。再生パワーを低くしていくと、信号レベルとディス
クノイズ及びレーザーノイズは、20dB/decで低
下する。すなわち、再生パワーが1/10になると20
dB低下する。しかしながら、図1から明らかなよう
に、熱ノイズは再生パワーに依存せず一定である。また
ショットノイズは10dB/decで低下している。こ
の結果、再生パワーが10-5〜10-6となる地点の近傍
で、ノイズを制限する因子が、ディスクノイズ及びレー
ザーノイズから、熱ノイズまたはショットノイズに変わ
る。特に、熱ノイズは一定であり、数μWオーダーの再
生パワーでは、熱ノイズによるSN比の低下が著しい。
しかしながら、これは、プリアンプ抵抗部で発生する熱
ノイズ電流が光電流に比べて無視できない大きさになっ
てきたためであり、光検出器として自己増幅作用を有す
る光検出器を用いることにより、光電流を大きくして熱
ノイズによるSN比の低下を解消することができる。
【0026】このように熱ノイズが解消できても、数1
0nWオーダーの超低パワーでは、ショットノイズがS
N比の制限因子となる。このショットノイズは、上述の
ようにほとんど量子論的揺らぎに起因するものである。
本発明では、信号レベルとこのショットノイズのレベル
の比がシステムに要求されるSN比と同じレベルになる
ように、再生ビーム光のパワーを設定している。
0nWオーダーの超低パワーでは、ショットノイズがS
N比の制限因子となる。このショットノイズは、上述の
ようにほとんど量子論的揺らぎに起因するものである。
本発明では、信号レベルとこのショットノイズのレベル
の比がシステムに要求されるSN比と同じレベルになる
ように、再生ビーム光のパワーを設定している。
【0027】再生パワーをPrep (W)、ゲイン1に対
応するフォトディテクター感度をη(A/W)、ピック
アップ効率をγ、光記録媒体の平均反射率をRave 、光
記録媒体の記録部と未記録部の反射率変化量をΔR、シ
ステムの帯域幅をB(Hz)、電気素量をe=1.6×
10-19 (C)とすると、ショットノイズ平均電流I NS
(A)は、以下の式で表される。
応するフォトディテクター感度をη(A/W)、ピック
アップ効率をγ、光記録媒体の平均反射率をRave 、光
記録媒体の記録部と未記録部の反射率変化量をΔR、シ
ステムの帯域幅をB(Hz)、電気素量をe=1.6×
10-19 (C)とすると、ショットノイズ平均電流I NS
(A)は、以下の式で表される。
【0028】
【数8】
【0029】また、ピーク信号出力電流IS (A)は、
Is =ηγPrep ΔRで表される。従って、SNパワー
比(PP/rms)は、以下の式で表される。
Is =ηγPrep ΔRで表される。従って、SNパワー
比(PP/rms)は、以下の式で表される。
【0030】
【数9】
【0031】ここでS/Nをシステムに要求されるSN
比すなわちSNRとおいて、Prepについて解くと、以
下のように表される。
比すなわちSNRとおいて、Prepについて解くと、以
下のように表される。
【0032】
【数10】
【0033】このPrep が、システムに要求されるSN
比を得ることができ、かつ可能な限り最小の再生ビーム
光のパワーとなる。従って、請求項1の発明に従えば、
再生ビーム光のパワーを所定の値の近傍にまで低下させ
ることにより、フォトンモードの光記録媒体の再生可能
回数を大幅に向上させることができる。
比を得ることができ、かつ可能な限り最小の再生ビーム
光のパワーとなる。従って、請求項1の発明に従えば、
再生ビーム光のパワーを所定の値の近傍にまで低下させ
ることにより、フォトンモードの光記録媒体の再生可能
回数を大幅に向上させることができる。
【0034】請求項1に記載の発明の方法では、再生パ
ワーを低くすることにより再生可能回数を著しく向上さ
せているが、熱ノイズによりSN比が低下する。このよ
うなSN比の低下は、上述のように自己増幅機能を有す
る光検出器(例えばアバランシェフォトダイオードやホ
モダイン・ヘテロダイン方式で知られるコヒーレント光
検出方式)を用いることによって解消させることができ
る。
ワーを低くすることにより再生可能回数を著しく向上さ
せているが、熱ノイズによりSN比が低下する。このよ
うなSN比の低下は、上述のように自己増幅機能を有す
る光検出器(例えばアバランシェフォトダイオードやホ
モダイン・ヘテロダイン方式で知られるコヒーレント光
検出方式)を用いることによって解消させることができ
る。
【0035】請求項2に記載の発明の方法では、このよ
うな自己増幅機能を有する光検出器がSN比の低下を解
消し得る範囲内で再生ビーム光の低パワー化を図ってい
る。以下、これについて説明する。
うな自己増幅機能を有する光検出器がSN比の低下を解
消し得る範囲内で再生ビーム光の低パワー化を図ってい
る。以下、これについて説明する。
【0036】プリアンプ部のアンプノイズ平均電流レベ
ルをIamp =iamp ・B(iamp はノイズ密度、Bは帯
域幅)としたとき、ショットノイズ電流IS =(2eB
Ia)1/2 に対し、IS ≦Iamp となる領域、すなわ
ち、
ルをIamp =iamp ・B(iamp はノイズ密度、Bは帯
域幅)としたとき、ショットノイズ電流IS =(2eB
Ia)1/2 に対し、IS ≦Iamp となる領域、すなわ
ち、
【0037】
【数11】
【0038】と設定する。ここで、Ia は光検出器のゲ
イン1に対する平均光電流であり、Ia =Prep ・R
ave γηで与えられる。特に、アンプノイズレベルが熱
ノイズにより支配されているときには、Iamp の代わり
に、熱ノイズパワーNT =kTBを用いて以下のように
設定する。
イン1に対する平均光電流であり、Ia =Prep ・R
ave γηで与えられる。特に、アンプノイズレベルが熱
ノイズにより支配されているときには、Iamp の代わり
に、熱ノイズパワーNT =kTBを用いて以下のように
設定する。
【0039】
【数12】
【0040】(ここで、Prep は再生パワー(W)、e
は電気素量1.6×10-19 (C)、γはピックアップ
効率、ηはゲイン1に対する光検出感度(A/W)、k
はボルツマン定数1.38×10-23 J・K-1、Tは絶
対温度(K)、Zはプリアンプインピーダンス(Ω)を
示す。)従って、請求項1に記載の発明における式
(I)と組み合わせることにより、自己増幅機能を有す
る光検出器を使用する再生方法の場合には、再生ビーム
光を以下の式のPrep のパワーに設定すればよいことが
わかる。
は電気素量1.6×10-19 (C)、γはピックアップ
効率、ηはゲイン1に対する光検出感度(A/W)、k
はボルツマン定数1.38×10-23 J・K-1、Tは絶
対温度(K)、Zはプリアンプインピーダンス(Ω)を
示す。)従って、請求項1に記載の発明における式
(I)と組み合わせることにより、自己増幅機能を有す
る光検出器を使用する再生方法の場合には、再生ビーム
光を以下の式のPrep のパワーに設定すればよいことが
わかる。
【0041】
【数13】
【0042】再生ビーム光のパワーを上記の範囲内に設
定することにより、請求項1に記載の発明の方法と比較
すると、再生可能回数はやや低下するが、必要なSN比
を容易に得ることができるようになる。
定することにより、請求項1に記載の発明の方法と比較
すると、再生可能回数はやや低下するが、必要なSN比
を容易に得ることができるようになる。
【0043】図1は、上述のように、再生ビーム光のパ
ワーに対し、再生信号出力及び各種のノイズ出力がどの
ように変化するかを表したものである。図1において、
再生ビーム光のパワーの下限値であるPrep (min)
は下記の式の値のものであり、A点として表している。
ワーに対し、再生信号出力及び各種のノイズ出力がどの
ように変化するかを表したものである。図1において、
再生ビーム光のパワーの下限値であるPrep (min)
は下記の式の値のものであり、A点として表している。
【0044】
【数14】
【0045】同様に、再生ビーム光の上限値のパワーで
あるPrep (max)は、下記の式の値を示しており、
B点として図1に示されている。
あるPrep (max)は、下記の式の値を示しており、
B点として図1に示されている。
【0046】
【数15】
【0047】通常SNRは400(電気的パワー比PP
/rms=26dB)程度必要とされており、帯域幅B
は1〜20MHzである。また、典型的な値として、R
ave=0.75、ΔR≒0.5、η≒0.4(A/
W)、γ=0.9である。従って、Prep (min)は
およそ0.5〜10nW程度であり、常温(〜300
K)での使用を考慮すると、Prep (max)はおよそ
数μW程度となる。従って、請求項2に記載の発明のP
rep の範囲としては、0.5nW〜数μW程度となる。
/rms=26dB)程度必要とされており、帯域幅B
は1〜20MHzである。また、典型的な値として、R
ave=0.75、ΔR≒0.5、η≒0.4(A/
W)、γ=0.9である。従って、Prep (min)は
およそ0.5〜10nW程度であり、常温(〜300
K)での使用を考慮すると、Prep (max)はおよそ
数μW程度となる。従って、請求項2に記載の発明のP
rep の範囲としては、0.5nW〜数μW程度となる。
【0048】請求項4に記載の発明の再生装置は、請求
項1及び2の再生方法を実施することができる装置であ
る。この再生装置では、パワー調整手段を用いて、光源
から放射された再生ビーム光のパワーを上記の式(I)
または(II)に表されたパワーレベルまで減衰させてい
る。
項1及び2の再生方法を実施することができる装置であ
る。この再生装置では、パワー調整手段を用いて、光源
から放射された再生ビーム光のパワーを上記の式(I)
または(II)に表されたパワーレベルまで減衰させてい
る。
【0049】請求項1または2に記載の再生方法に従
い、再生ビーム光のパワーを低下させた場合において、
フォーカスサーボやトラッキングサーボ用の光学系とし
て、検出器に入る反射されてきた再生ビーム光の一部を
分離して用いると、ピックアップ効率が低下する。この
ような場合、SN比が低下したり、またサーボ用の光と
して非常にパワーの低い再生用ビーム光を兼用させるた
め、光パワー自体が低くなりサーボの不安定化をもたら
すという問題を生じる。
い、再生ビーム光のパワーを低下させた場合において、
フォーカスサーボやトラッキングサーボ用の光学系とし
て、検出器に入る反射されてきた再生ビーム光の一部を
分離して用いると、ピックアップ効率が低下する。この
ような場合、SN比が低下したり、またサーボ用の光と
して非常にパワーの低い再生用ビーム光を兼用させるた
め、光パワー自体が低くなりサーボの不安定化をもたら
すという問題を生じる。
【0050】請求項6に記載の発明は、このような問題
を解消する再生方法であり、再生ビーム光とは異なるサ
ーボ用ビーム光を用いるものであり、サーボ用ビーム光
として記録層に含まれるフォトンモード材料が実質的に
吸収を有しない波長域の光を用いるものである。このよ
うにフォトンモード材料が実質的に吸収を有しない波長
域の光をサーボ用ビーム光として用いることにより、記
録層に含まれるフォトンモード材料が反応を起こすこと
なしに、任意にパワーを設定することができ、サーボを
安定させることができる。また再生ビーム光に対するピ
ックアップ効率の低下を防止することができるため、S
N比の低下も防止できる。
を解消する再生方法であり、再生ビーム光とは異なるサ
ーボ用ビーム光を用いるものであり、サーボ用ビーム光
として記録層に含まれるフォトンモード材料が実質的に
吸収を有しない波長域の光を用いるものである。このよ
うにフォトンモード材料が実質的に吸収を有しない波長
域の光をサーボ用ビーム光として用いることにより、記
録層に含まれるフォトンモード材料が反応を起こすこと
なしに、任意にパワーを設定することができ、サーボを
安定させることができる。また再生ビーム光に対するピ
ックアップ効率の低下を防止することができるため、S
N比の低下も防止できる。
【0051】請求項7に記載の発明の再生装置は、請求
項6に記載の発明の再生方法を実施することのできる装
置である。請求項7に記載の発明の装置を用いることに
より、フォーカスサーボ及び/またはトラッキングサー
ボの安定性を損なうことなく光記録媒体の再生可能回数
を著しく向上させることができ、またSN比の良好な再
生出力を得ることができる。
項6に記載の発明の再生方法を実施することのできる装
置である。請求項7に記載の発明の装置を用いることに
より、フォーカスサーボ及び/またはトラッキングサー
ボの安定性を損なうことなく光記録媒体の再生可能回数
を著しく向上させることができ、またSN比の良好な再
生出力を得ることができる。
【0052】本発明者らは、さらに、光学濃度とフォト
クロミック反応に伴う反射率変化量及び繰り返し再生可
能回数について検討を重ねた結果、記録層の未記録状態
における再生ビーム光の反射率が0.4以下である光記
録媒体を用いて光記録し、これを請求項1又は2に記載
の再生方法に従い再生することにより、再生可能回数を
さらに大幅に向上し得ることを見出した。
クロミック反応に伴う反射率変化量及び繰り返し再生可
能回数について検討を重ねた結果、記録層の未記録状態
における再生ビーム光の反射率が0.4以下である光記
録媒体を用いて光記録し、これを請求項1又は2に記載
の再生方法に従い再生することにより、再生可能回数を
さらに大幅に向上し得ることを見出した。
【0053】まず、光学濃度と反射率の関係は以下のよ
うに説明される。なお、以下単位を明示しないものは、
すべてMKSA単位系を用いている。光学濃度は、吸光
度(Abs)とも呼ばれ、以下の式で与えられる。
うに説明される。なお、以下単位を明示しないものは、
すべてMKSA単位系を用いている。光学濃度は、吸光
度(Abs)とも呼ばれ、以下の式で与えられる。
【0054】
【数16】
【0055】(Cはフォトクロミック材料のモル濃度
(mol/l)、Lは試料の厚さ(cm)、εはフォト
クロミック材料の分子吸光係数(l/mol・cm)で
ある。)この場合の試料の吸収率(Apt)は以下のよ
うになる。
(mol/l)、Lは試料の厚さ(cm)、εはフォト
クロミック材料の分子吸光係数(l/mol・cm)で
ある。)この場合の試料の吸収率(Apt)は以下のよ
うになる。
【0056】
【数17】
【0057】この試料に対し光を照射した際に、時間d
tの間に吸収されたフォトン数dnは以下のように表さ
れる。
tの間に吸収されたフォトン数dnは以下のように表さ
れる。
【0058】
【数18】
【0059】(ここで、Pは光の照射パワー(W)、ν
はc(光速度)/λ(光の波長(m))、hはプランク
定数である。)このフォトクロミック分子に吸収された
フォトン数のうち、反応を起こす分子の数は量子収率k
を用いて以下のように表される。
はc(光速度)/λ(光の波長(m))、hはプランク
定数である。)このフォトクロミック分子に吸収された
フォトン数のうち、反応を起こす分子の数は量子収率k
を用いて以下のように表される。
【0060】
【数19】
【0061】単位体積中に含まれるフォトクロミック分
子の量と、モル濃度の関係を考慮すると、次の微分方程
式が得られる。
子の量と、モル濃度の関係を考慮すると、次の微分方程
式が得られる。
【0062】
【数20】
【0063】(Sは光の照射面積(cm2 )、Naはア
ボガドロ数である。)T=exp{−2.3εLc}を
用いて、変数Cから変数Tへ変数変換すると、次式が与
えられる。
ボガドロ数である。)T=exp{−2.3εLc}を
用いて、変数Cから変数Tへ変数変換すると、次式が与
えられる。
【0064】
【数21】
【0065】上記式は、照射時間tと透過率Tの関係を
表す微分方程式であるが、例えば照射時間を長くするか
わりに、照射パワーを大きくしても、同様に変化する。
従って、この方程式は、照射光量(=P×t)に比例す
るパラメータβPに関する微分方程式に容易に一般化で
きる。
表す微分方程式であるが、例えば照射時間を長くするか
わりに、照射パワーを大きくしても、同様に変化する。
従って、この方程式は、照射光量(=P×t)に比例す
るパラメータβPに関する微分方程式に容易に一般化で
きる。
【0066】
【数22】
【0067】この式は、透過率に関する方程式である
が、反射層を有する光記録媒体の反射率Rに対しても同
様に導くことができる。
が、反射層を有する光記録媒体の反射率Rに対しても同
様に導くことができる。
【0068】
【数23】
【0069】ここで右辺の因子2は、光が記録層を往復
するために生じるものである。また、ここでは、反射層
の反射率はほぼ完全(〜100%)であるとしている。
この微分方程式は、記録時及び再生時に適用することが
できる。再生時は、Pのかわりに再生パワーPrep と再
生回数nとの積n・Prep が入り、初期条件として未記
録部の反射率RL と記録部の反射率RH を与えてやれ
ば、繰り返し再生した際の反射率の差ΔR=RH −RL
の変化が数値計算により計算できる。
するために生じるものである。また、ここでは、反射層
の反射率はほぼ完全(〜100%)であるとしている。
この微分方程式は、記録時及び再生時に適用することが
できる。再生時は、Pのかわりに再生パワーPrep と再
生回数nとの積n・Prep が入り、初期条件として未記
録部の反射率RL と記録部の反射率RH を与えてやれ
ば、繰り返し再生した際の反射率の差ΔR=RH −RL
の変化が数値計算により計算できる。
【0070】図14は、初期条件R0 =0.01という
光学濃度が非常に高い場合におけるβPと反射率Rとの
関係を示す図である。ここで、横軸に示すβPは照射光
量(P・t)×材料感度(ε・k)に比例するが、具体
的な数字を無視するならば、記録時は記録パワーを、再
生時は再生回数を示すものとみなすことができる。
光学濃度が非常に高い場合におけるβPと反射率Rとの
関係を示す図である。ここで、横軸に示すβPは照射光
量(P・t)×材料感度(ε・k)に比例するが、具体
的な数字を無視するならば、記録時は記録パワーを、再
生時は再生回数を示すものとみなすことができる。
【0071】図15〜図17には、種々のRH 及びRL
の初期条件における反射率差ΔRとβPの関係を示す。
図15(a)は、未記録状態における反射率RL が0.
7、記録部における反射率RH が0.9の場合の反射率
差の変化を示している。図15(b)は、未記録状態に
おける反射率RL が0.5、記録部における反射率R H
が0.9の場合における反射率差の変化を示している。
図15(a)及び(b)から明らかなように、βPが増
大するにつれて、すなわち繰り返し再生するにつれて、
ΔRが単調にかつ急激に減少していることがわかる。こ
のような光記録媒体に対して、請求項1又は請求項2の
発明に従う再生方法で再生すれば、光記録媒体の再生可
能回数(出力が3dB低下するまでの再生回数)は数万
〜数十万回程度となる。
の初期条件における反射率差ΔRとβPの関係を示す。
図15(a)は、未記録状態における反射率RL が0.
7、記録部における反射率RH が0.9の場合の反射率
差の変化を示している。図15(b)は、未記録状態に
おける反射率RL が0.5、記録部における反射率R H
が0.9の場合における反射率差の変化を示している。
図15(a)及び(b)から明らかなように、βPが増
大するにつれて、すなわち繰り返し再生するにつれて、
ΔRが単調にかつ急激に減少していることがわかる。こ
のような光記録媒体に対して、請求項1又は請求項2の
発明に従う再生方法で再生すれば、光記録媒体の再生可
能回数(出力が3dB低下するまでの再生回数)は数万
〜数十万回程度となる。
【0072】図16は、RL =0.35,RH =0.6
の場合と、RL =0.3,RH =0.5の場合の反射率
差の変化を示している。図15とは異なり、ΔRはβP
の増大によって急激には低下せず、初期の傾きがゆるや
かかあるいはほぼ水平になっている。これは、繰り返し
再生可能回数が、図15に示す場合よりも数倍向上する
ことを示している。
の場合と、RL =0.3,RH =0.5の場合の反射率
差の変化を示している。図15とは異なり、ΔRはβP
の増大によって急激には低下せず、初期の傾きがゆるや
かかあるいはほぼ水平になっている。これは、繰り返し
再生可能回数が、図15に示す場合よりも数倍向上する
ことを示している。
【0073】図17は、光学濃度をさらに高くし、RL
=0.1とした場合の反射率差の変化を示している。図
17(a)では、記録部の反射率RH が0.3であり、
0.4未満の値となっている。このような場合、再生の
繰り返しにより一旦反射率が大幅に増加した後に低下し
ている。再生出力ができるだけ安定していることが望ま
しいという観点からは、このような反射率の変化量の増
大は好ましいものではない。図17(b)及び(c)の
ようにRH を0.6又は0.8とし、記録部の反射率を
40%以上に設定することにより、このような反射率の
増加を抑制することができる。図17の条件下では、超
低パワー再生による再生可能回数は、およそ数百万回程
度であり、図16の場合の2〜3倍程度、図15の場合
の約10倍程度と考えられる。
=0.1とした場合の反射率差の変化を示している。図
17(a)では、記録部の反射率RH が0.3であり、
0.4未満の値となっている。このような場合、再生の
繰り返しにより一旦反射率が大幅に増加した後に低下し
ている。再生出力ができるだけ安定していることが望ま
しいという観点からは、このような反射率の変化量の増
大は好ましいものではない。図17(b)及び(c)の
ようにRH を0.6又は0.8とし、記録部の反射率を
40%以上に設定することにより、このような反射率の
増加を抑制することができる。図17の条件下では、超
低パワー再生による再生可能回数は、およそ数百万回程
度であり、図16の場合の2〜3倍程度、図15の場合
の約10倍程度と考えられる。
【0074】請求項14に記載の発明では、再生ビーム
光として、フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状
態の光を用いている。以下、このような光を用いること
によりノイズが低減される理由について説明する。
光として、フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状
態の光を用いている。以下、このような光を用いること
によりノイズが低減される理由について説明する。
【0075】上述のように、ショットノイズは、不確定
性原理に基づく量子論的なゆらぎが原因となるものであ
る。量子力学的には、レーザー光は「コヒーレント状
態」と呼ばれる量子状態で説明されるものであり、その
フォトン数はポアソン分布に従い、そのゆらぎは全フォ
トン数の平方根に比例する。このように、ショットノイ
ズは量子力学的なゆらぎに基づくものであるため、低ノ
イズ化を行うは不可能であると考えられていた。ところ
で、最近、光の新しい量子状態として「スクイズド状
態」が発見されている。不確定性原理によれば、ある物
理量AのゆらぎΔAとそれに共役な物理量BのゆらぎΔ
Bの積ΔA×ΔBはプランク定数hよりも小さくなり得
ない。このことを逆にいえば、「一方のゆらぎΔBが大
きくともよいなら、もう一方のゆらぎΔAを小さくする
ことが可能である。」ということなる。光において、上
記一方の物理量Aをフォトン数とすれば、共役物理量B
が光波の位相ということになる。従って、フォトン数ゆ
らぎと位相ゆらぎが等しい量子状態が「コヒーレント状
態」であり、一方のゆらぎが小さく、他方のゆらぎが大
きくなった量子状態が「スクイズド状態」である。従っ
て、フォトン数ゆらぎを小さくし、位相ゆらぎを大きく
したスクイズド状態の光を再生ビーム光として用いるこ
とにより、ショットノイズレベル以下にまでノイズを低
減することができる。
性原理に基づく量子論的なゆらぎが原因となるものであ
る。量子力学的には、レーザー光は「コヒーレント状
態」と呼ばれる量子状態で説明されるものであり、その
フォトン数はポアソン分布に従い、そのゆらぎは全フォ
トン数の平方根に比例する。このように、ショットノイ
ズは量子力学的なゆらぎに基づくものであるため、低ノ
イズ化を行うは不可能であると考えられていた。ところ
で、最近、光の新しい量子状態として「スクイズド状
態」が発見されている。不確定性原理によれば、ある物
理量AのゆらぎΔAとそれに共役な物理量BのゆらぎΔ
Bの積ΔA×ΔBはプランク定数hよりも小さくなり得
ない。このことを逆にいえば、「一方のゆらぎΔBが大
きくともよいなら、もう一方のゆらぎΔAを小さくする
ことが可能である。」ということなる。光において、上
記一方の物理量Aをフォトン数とすれば、共役物理量B
が光波の位相ということになる。従って、フォトン数ゆ
らぎと位相ゆらぎが等しい量子状態が「コヒーレント状
態」であり、一方のゆらぎが小さく、他方のゆらぎが大
きくなった量子状態が「スクイズド状態」である。従っ
て、フォトン数ゆらぎを小さくし、位相ゆらぎを大きく
したスクイズド状態の光を再生ビーム光として用いるこ
とにより、ショットノイズレベル以下にまでノイズを低
減することができる。
【0076】フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド
状態の光は、例えば、半導体レーザーの微分抵抗値の2
倍以上の抵抗を介して該半導体レーザーに励起電流を注
入するようにした半導体レーザーによって得ることがで
きる。またスクイズド状態の光を発生する手段として、
例えば、非線形光学材料を用いたパラメトリック発振を
利用するなど種々の方法が考えられる。
状態の光は、例えば、半導体レーザーの微分抵抗値の2
倍以上の抵抗を介して該半導体レーザーに励起電流を注
入するようにした半導体レーザーによって得ることがで
きる。またスクイズド状態の光を発生する手段として、
例えば、非線形光学材料を用いたパラメトリック発振を
利用するなど種々の方法が考えられる。
【0077】請求項15に記載の発明では、フォトン数
ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光を用い、上記式
(III)に示されるPrep (W)の範囲内のパワーでこの
スクイズド状態の光を再生ビーム光として用いている。
これにより、再生可能回数を向上させることができ、再
生可能回数を向上させても必要なSN比を確保すること
ができる。従って、このような再生方法は、SN比の向
上よりも再生可能回数を向上させたい場合に有用であ
る。
ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光を用い、上記式
(III)に示されるPrep (W)の範囲内のパワーでこの
スクイズド状態の光を再生ビーム光として用いている。
これにより、再生可能回数を向上させることができ、再
生可能回数を向上させても必要なSN比を確保すること
ができる。従って、このような再生方法は、SN比の向
上よりも再生可能回数を向上させたい場合に有用であ
る。
【0078】
【実施例】図2は、この実施例で用いたジアリールエテ
ン系フォトクロミック材料の分子構造と、該フォトクロ
ミック材料の記録部及び非記録部の反射率を示す図であ
る。このフォトクロミック材料は、波長460nm付近
に吸収極大が存在するAの状態において、波長460n
m付近の光を照射することにより、波長600nm付近
に新たな吸収極大を有するBの状態に変化する。このB
の状態において、波長550〜700nm付近の光を照
射することにより、もとのAの状態に戻る。従って、予
めBの状態としておき、波長600nm付近のレーザー
を強いパワーで照射することにより記録を行うことがで
き、同じ波長領域の反射率の変化を超低パワーの再生ビ
ーム光を照射して検出することにより再生することがで
きる。
ン系フォトクロミック材料の分子構造と、該フォトクロ
ミック材料の記録部及び非記録部の反射率を示す図であ
る。このフォトクロミック材料は、波長460nm付近
に吸収極大が存在するAの状態において、波長460n
m付近の光を照射することにより、波長600nm付近
に新たな吸収極大を有するBの状態に変化する。このB
の状態において、波長550〜700nm付近の光を照
射することにより、もとのAの状態に戻る。従って、予
めBの状態としておき、波長600nm付近のレーザー
を強いパワーで照射することにより記録を行うことがで
き、同じ波長領域の反射率の変化を超低パワーの再生ビ
ーム光を照射して検出することにより再生することがで
きる。
【0079】このフォトクロミック材料をポリビニルブ
チラール樹脂に対し25重量%で混合し、アノンとベン
ゼンの混合溶液に溶解して、ガラスディスク基板上にス
ピンコートを行い、乾燥して膜厚約1μmの記録層を形
成した。次に、真空蒸着法によりAg膜をその上に形成
し、反射膜とした。図3は、このようにして得られた光
記録媒体を示す断面図である。ガラスディスク基板80
0上に、記録層801が形成されており、この上にAg
反射膜802が形成されている。このようにして得られ
た光記録媒体のλ=630nmにおける反射率は、図2
に示されるように、Rave ≒0.75、ΔR≒0.5で
ある。
チラール樹脂に対し25重量%で混合し、アノンとベン
ゼンの混合溶液に溶解して、ガラスディスク基板上にス
ピンコートを行い、乾燥して膜厚約1μmの記録層を形
成した。次に、真空蒸着法によりAg膜をその上に形成
し、反射膜とした。図3は、このようにして得られた光
記録媒体を示す断面図である。ガラスディスク基板80
0上に、記録層801が形成されており、この上にAg
反射膜802が形成されている。このようにして得られ
た光記録媒体のλ=630nmにおける反射率は、図2
に示されるように、Rave ≒0.75、ΔR≒0.5で
ある。
【0080】まず、請求項1に記載の発明の再生方法及
びそれに対応する請求項4に記載の発明の再生装置につ
いて説明する。図4は、請求項4に記載の発明に従う再
生装置の一実施例を示す模式図である。図4を参照し
て、半導体レーザー1から放射された再生ビーム光は、
コリメータレンズ5、パワー調整用素子6、偏光ビーム
スプリッター2、λ/4板3、対物レンズ4を通り光記
録媒体8に照射される。記録層を通過し反射膜で反射さ
れた再生ビーム光は、対物レンズ4、λ/4板3を通
り、偏光ビームスプリッター2で反射されレンズを通り
光検出器7で検出される。この実施例において、半導体
レーザー1としては、波長630nmのレーザーを放射
する半導体レーザーを用いている。また光検出器7とし
ては、光電流の自己増幅機能を有するアバランシェフォ
トダイオードを用いている。本発明では、再生ビーム光
のパワーを1μW以下の非常に低いパワーに設定してい
るが、半導体レーザーからの光をこのように超低パワー
で安定に駆動するのは困難である。そこで、この実施例
では、半導体レーザー1は1mW程度のパワーを一定レ
ベルで放射するように設定しておき、NDフィルター等
のパワー調整用素子6によって、1μW以下の数10n
W程度のパワーに再生ビーム光のパワーを減衰させてい
る。
びそれに対応する請求項4に記載の発明の再生装置につ
いて説明する。図4は、請求項4に記載の発明に従う再
生装置の一実施例を示す模式図である。図4を参照し
て、半導体レーザー1から放射された再生ビーム光は、
コリメータレンズ5、パワー調整用素子6、偏光ビーム
スプリッター2、λ/4板3、対物レンズ4を通り光記
録媒体8に照射される。記録層を通過し反射膜で反射さ
れた再生ビーム光は、対物レンズ4、λ/4板3を通
り、偏光ビームスプリッター2で反射されレンズを通り
光検出器7で検出される。この実施例において、半導体
レーザー1としては、波長630nmのレーザーを放射
する半導体レーザーを用いている。また光検出器7とし
ては、光電流の自己増幅機能を有するアバランシェフォ
トダイオードを用いている。本発明では、再生ビーム光
のパワーを1μW以下の非常に低いパワーに設定してい
るが、半導体レーザーからの光をこのように超低パワー
で安定に駆動するのは困難である。そこで、この実施例
では、半導体レーザー1は1mW程度のパワーを一定レ
ベルで放射するように設定しておき、NDフィルター等
のパワー調整用素子6によって、1μW以下の数10n
W程度のパワーに再生ビーム光のパワーを減衰させてい
る。
【0081】なお、図4に示す装置を用いて光記録媒体
の記録を行う場合には、半導体レーザー1のパワーを、
例えば10mW程度の高いパワーにし、記録信号に応じ
て強度変調を行ってもよいし、あるいはパワー調整用素
子6を記録の際には光路の中から除去して記録してもよ
い。
の記録を行う場合には、半導体レーザー1のパワーを、
例えば10mW程度の高いパワーにし、記録信号に応じ
て強度変調を行ってもよいし、あるいはパワー調整用素
子6を記録の際には光路の中から除去して記録してもよ
い。
【0082】また、外部の記録・再生モード切替え信号
に応じて、透過率を変化できるような液晶変調器等をパ
ワー調整用素子として使用してもよい。図5は、このよ
うなパワー調整用素子6を用いた構成の装置を示してい
る。このような装置においては、記録モードの際にアバ
ランシェフォトダイオード(APD)に到達する光の量
が大きくなるので、過電流が流れるのを防ぐため、記録
モードの際にはAPDに印加する逆バイアス電圧を低減
しゲインを下げるための設定回路を設けておくことが望
ましい。図5では、このような回路をAPD逆バイアス
設定部として設けている。図4及び図5に示す装置を用
いて、再生を行った。ピックアップ効率γを0.6と
し、APDのゲイン1に対する感度ηを0.4(A/
W)とし、システム帯域幅を10MHzとし、必要なS
N比を26dBとすると、上記式(I)から、再生ビー
ム光のパワーは16nWとなる。パワー調整用素子6を
用いて、このような超低パワーに設定し、再生を行っ
た。その結果、主にAPDのゲイン100倍で良好なS
N比が得られ、信号出力が3dB低下したときの再生回
数は15万回であった。
に応じて、透過率を変化できるような液晶変調器等をパ
ワー調整用素子として使用してもよい。図5は、このよ
うなパワー調整用素子6を用いた構成の装置を示してい
る。このような装置においては、記録モードの際にアバ
ランシェフォトダイオード(APD)に到達する光の量
が大きくなるので、過電流が流れるのを防ぐため、記録
モードの際にはAPDに印加する逆バイアス電圧を低減
しゲインを下げるための設定回路を設けておくことが望
ましい。図5では、このような回路をAPD逆バイアス
設定部として設けている。図4及び図5に示す装置を用
いて、再生を行った。ピックアップ効率γを0.6と
し、APDのゲイン1に対する感度ηを0.4(A/
W)とし、システム帯域幅を10MHzとし、必要なS
N比を26dBとすると、上記式(I)から、再生ビー
ム光のパワーは16nWとなる。パワー調整用素子6を
用いて、このような超低パワーに設定し、再生を行っ
た。その結果、主にAPDのゲイン100倍で良好なS
N比が得られ、信号出力が3dB低下したときの再生回
数は15万回であった。
【0083】比較として、再生ビーム光のパワーを1m
Wとして再生したところ、再生出力が3dB低下したと
きの再生回数は僅か10回であった。以上のことから明
らかなように、請求項1に記載の発明の再生方法を採用
することにより、再生可能回数が1万倍以上向上したこ
とになる。
Wとして再生したところ、再生出力が3dB低下したと
きの再生回数は僅か10回であった。以上のことから明
らかなように、請求項1に記載の発明の再生方法を採用
することにより、再生可能回数が1万倍以上向上したこ
とになる。
【0084】なお、上記実施例では、自己増幅機能を有
する光検出器として、APDを用いたが、本発明はこれ
のみに限定されるものではなく、コーヒーレント光検出
方式による光検出器を用いることもできる。
する光検出器として、APDを用いたが、本発明はこれ
のみに限定されるものではなく、コーヒーレント光検出
方式による光検出器を用いることもできる。
【0085】次に、請求項2に記載の発明に従う再生方
法及びそれに対応する請求項4に記載の発明の再生装置
について説明する。再生装置としては、図4に示す装置
で、ピックアップ効率γを0.9にしたものを用いた。
法及びそれに対応する請求項4に記載の発明の再生装置
について説明する。再生装置としては、図4に示す装置
で、ピックアップ効率γを0.9にしたものを用いた。
【0086】再生信号の評価は以下のようにして行っ
た。システム帯域幅を10MHzとし、1MHzの信号
を記録・再生して、RBW=30kHzでCN比を測定
した。このCN比から、SN比=CN比×(30kHz
/10MHz)によって、SN比に換算した。再生用の
光検出器としては、通常よく使用されるSi−PIN・
PDと、自己増幅機能を有するアバランシュフォトダイ
オード(Si−APD)を用いて比較した。再生可能回
数としては、再生出力が3dB低下する点を用いて比較
した。
た。システム帯域幅を10MHzとし、1MHzの信号
を記録・再生して、RBW=30kHzでCN比を測定
した。このCN比から、SN比=CN比×(30kHz
/10MHz)によって、SN比に換算した。再生用の
光検出器としては、通常よく使用されるSi−PIN・
PDと、自己増幅機能を有するアバランシュフォトダイ
オード(Si−APD)を用いて比較した。再生可能回
数としては、再生出力が3dB低下する点を用いて比較
した。
【0087】まず、再生パワーを10nWとして再生を
行ったところ、PIN−PDを検出器として用いた場合
には、SN比が4dBと極めて悪かったが、光検出器と
してAPDを用いることにより、SN比が27dBと改
善された。このときの再生可能回数は50万回であっ
た。
行ったところ、PIN−PDを検出器として用いた場合
には、SN比が4dBと極めて悪かったが、光検出器と
してAPDを用いることにより、SN比が27dBと改
善された。このときの再生可能回数は50万回であっ
た。
【0088】次に、再生パワーを800nWとして再生
を行ったところ、PIN・PDではSN比が21dBと
比較的良好であった。検出器としてAPDを用いた場
合、SN比は28dBとさらに改善された。このときの
再生回数は約1万回であった。
を行ったところ、PIN・PDではSN比が21dBと
比較的良好であった。検出器としてAPDを用いた場
合、SN比は28dBとさらに改善された。このときの
再生回数は約1万回であった。
【0089】次に再生パワーを5μWで再生を行ったと
ころ、PIN・PD及びAPDのどちらを検出器として
用いた場合にも、SN比は27dBと変化がなく、AP
Dを用いることによるSN比改善の効果はほとんど認め
られなくなった。このときの再生回数は約2000回で
あった。
ころ、PIN・PD及びAPDのどちらを検出器として
用いた場合にも、SN比は27dBと変化がなく、AP
Dを用いることによるSN比改善の効果はほとんど認め
られなくなった。このときの再生回数は約2000回で
あった。
【0090】さらに再生パワーを0.1mWとして再生
したところ、PIN・PD及びAPDのいずれにおいて
もSN比は27dBと変化が無かった。しかしながら、
再生可能回数は50回程度に低下した。
したところ、PIN・PD及びAPDのいずれにおいて
もSN比は27dBと変化が無かった。しかしながら、
再生可能回数は50回程度に低下した。
【0091】以上の結果から明らかなように、再生パワ
ーが数μW以下の場合に、APDのような自己増幅機能
を有する光検出器がSN比改善の効果を発揮する。再生
可能回数の向上を考えた場合には、再生パワーは上限値
のPrep (max)よりも、下限値Prep (min)に
近い方が望ましい。
ーが数μW以下の場合に、APDのような自己増幅機能
を有する光検出器がSN比改善の効果を発揮する。再生
可能回数の向上を考えた場合には、再生パワーは上限値
のPrep (max)よりも、下限値Prep (min)に
近い方が望ましい。
【0092】次に、請求項6に記載の発明の再生方法及
び請求項7に記載の発明の再生装置について説明する。
図6は、請求項7に記載の発明に従う再生装置を示す模
式図である。図6に示す再生装置においては、再生用光
学系Aと、サーボ用光学系Bとが組み合わされており、
再生用光学系Aからの再生ビーム光と、サーボ用光学系
Bからのサーボ用ビーム光は、ビーム合成手段であるダ
イクロックミラー9によって合成され、対物レンズ4に
よって光記録媒体8へ集光される。
び請求項7に記載の発明の再生装置について説明する。
図6は、請求項7に記載の発明に従う再生装置を示す模
式図である。図6に示す再生装置においては、再生用光
学系Aと、サーボ用光学系Bとが組み合わされており、
再生用光学系Aからの再生ビーム光と、サーボ用光学系
Bからのサーボ用ビーム光は、ビーム合成手段であるダ
イクロックミラー9によって合成され、対物レンズ4に
よって光記録媒体8へ集光される。
【0093】図7は、光記録媒体8においてフォトクロ
ミック材料として用いられている2−(1,2−ジメチ
ル−3−インドリル)−3−(2,3,5−トリメチル
−3−チエニル)マレイン酸無水物の各波長における吸
光度を示す図である。図2は、同じ化合物の反射率を示
しており、図2に対応するスペクトルとなっている。図
7から明らかなように、このフォトクロミック材料は、
波長630nm付近で比較的大きな吸収の変化を有する
ので、波長630nm付近のレーザーを放射できる可視
光半導体レーザーを再生用光源1として用いることがで
きる。
ミック材料として用いられている2−(1,2−ジメチ
ル−3−インドリル)−3−(2,3,5−トリメチル
−3−チエニル)マレイン酸無水物の各波長における吸
光度を示す図である。図2は、同じ化合物の反射率を示
しており、図2に対応するスペクトルとなっている。図
7から明らかなように、このフォトクロミック材料は、
波長630nm付近で比較的大きな吸収の変化を有する
ので、波長630nm付近のレーザーを放射できる可視
光半導体レーザーを再生用光源1として用いることがで
きる。
【0094】図6を参照して、光源1からの放射光は、
コリメータレンズ5により整形され、パワー調整用素子
6によって超低パワーの再生ビーム光にされる。パワー
調整用素子6としては、例えばNDフイルタ等を用いる
ことができる。光源1から放射された数mWオーダーの
パワーの再生ビーム光のパワーを、100万分の1〜1
000分の1の透過率のNDフイルタ等で大幅に減衰さ
せる。このようにパワー調整用素子6でパワーを減衰さ
れた再生ビーム光は、偏光ビームスプリッター2、λ/
4板3を通り、ダイクロックミラー9でで反射され、対
物レンズ4により、光記録媒体8に集光される。
コリメータレンズ5により整形され、パワー調整用素子
6によって超低パワーの再生ビーム光にされる。パワー
調整用素子6としては、例えばNDフイルタ等を用いる
ことができる。光源1から放射された数mWオーダーの
パワーの再生ビーム光のパワーを、100万分の1〜1
000分の1の透過率のNDフイルタ等で大幅に減衰さ
せる。このようにパワー調整用素子6でパワーを減衰さ
れた再生ビーム光は、偏光ビームスプリッター2、λ/
4板3を通り、ダイクロックミラー9でで反射され、対
物レンズ4により、光記録媒体8に集光される。
【0095】記録層を通り反射膜によって反射された再
生ビーム光は、同じ光路を逆方向に進行し、偏光ビーム
スプリッター2で反射されて、光検出器7によって光電
変換が行われ検出される。この光検出器7には、上述の
ように光電流の自己増幅機能を有するアバランシェフォ
トダイオードが用いられている。
生ビーム光は、同じ光路を逆方向に進行し、偏光ビーム
スプリッター2で反射されて、光検出器7によって光電
変換が行われ検出される。この光検出器7には、上述の
ように光電流の自己増幅機能を有するアバランシェフォ
トダイオードが用いられている。
【0096】一方、サーボ用光源10としては、フォト
クロミック材料が吸収を有しない波長領域である波長7
80nmの近赤外半導体レーザーが用られている。サー
ボの安定化のため、光源10からは1mW程度の出力で
ビームが放射される。この放射光は、コリメータレンズ
11により整形され、偏光ビームスプリッター12、λ
/4板13を通過後、ダイクロックミラー9を透過し、
対物レンズ4により光記録媒体8に集光される。光記録
媒体8中で反射されたサーボ用ビーム光は、同一光路を
逆光路に進行し、偏光ビームスプリッター12で反射さ
れてフォーカス・トラッキングエラー検出用光学系によ
り、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号
に変化される。フォーカス・トラッキングエラー検出用
光学系としては、公知のものを用いることができる。こ
れらのエラー信号に基づき、フォーカスサーボ・トラッ
キングサーボ制御用回路により、対物レンズ4が駆動さ
れ、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボが実行さ
れる。
クロミック材料が吸収を有しない波長領域である波長7
80nmの近赤外半導体レーザーが用られている。サー
ボの安定化のため、光源10からは1mW程度の出力で
ビームが放射される。この放射光は、コリメータレンズ
11により整形され、偏光ビームスプリッター12、λ
/4板13を通過後、ダイクロックミラー9を透過し、
対物レンズ4により光記録媒体8に集光される。光記録
媒体8中で反射されたサーボ用ビーム光は、同一光路を
逆光路に進行し、偏光ビームスプリッター12で反射さ
れてフォーカス・トラッキングエラー検出用光学系によ
り、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号
に変化される。フォーカス・トラッキングエラー検出用
光学系としては、公知のものを用いることができる。こ
れらのエラー信号に基づき、フォーカスサーボ・トラッ
キングサーボ制御用回路により、対物レンズ4が駆動さ
れ、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボが実行さ
れる。
【0097】図8は、請求項8に記載の発明に従う再生
装置の一実施例を示す模式図である。この実施例では、
再生用光学系A内の偏光ビームスプリッター2と光検出
器7の間にフイルタ14が設けられており、この点で図
6に示す実施例と異なる。その他の構成は図6に示す実
施例と同様であるので、同一の参照番号を付してその説
明を省略する。フイルタ14は、サーボ用ビーム光の波
長域の光を除去し、再生ビーム光の波長のみを透過する
フイルタである。このようなフイルタを設ける理由につ
いて以下に説明する。
装置の一実施例を示す模式図である。この実施例では、
再生用光学系A内の偏光ビームスプリッター2と光検出
器7の間にフイルタ14が設けられており、この点で図
6に示す実施例と異なる。その他の構成は図6に示す実
施例と同様であるので、同一の参照番号を付してその説
明を省略する。フイルタ14は、サーボ用ビーム光の波
長域の光を除去し、再生ビーム光の波長のみを透過する
フイルタである。このようなフイルタを設ける理由につ
いて以下に説明する。
【0098】nWオーダーの再生ビーム光を用いる際、
光記録媒体から反射され光検出器7に到達する光の量も
またnWオーダーである。これに対し、サーボ用光源で
ある半導体レーザーは、1mWオーダーの強度を有して
おり、光記録媒体で反射されて、ダイクロックミラー9
で入射するときの強度もやはり1mW程度である。ダイ
クロックミラー9は、再生ビーム光の波長(λ=630
nm)を反射し、サーボ用ビーム光の波長(λ=780
nm)を透過する性質を有している。しかしながら、図
9に示すように、その透過率特性は、λ=630nmの
波長の光の透過率はほとんど0%であるが、λ=780
nmの波長の光の透過率を100%とすることは難し
く、数%程度反射して、再生用光学系Aに侵入する。も
しフイルタ14が無い場合には、ダイクロックミラーの
数%の反射率により、強度として数10μW程度のサー
ボ用ビーム光がフォトディテクター内に入射することに
なる。これは、再生ビーム光の強度の1万倍の強さの光
となり、再生出力電流のDC成分の増大だけでなく、サ
ーボ用ビーム光によるノイズの影響を大幅に受けること
になる。
光記録媒体から反射され光検出器7に到達する光の量も
またnWオーダーである。これに対し、サーボ用光源で
ある半導体レーザーは、1mWオーダーの強度を有して
おり、光記録媒体で反射されて、ダイクロックミラー9
で入射するときの強度もやはり1mW程度である。ダイ
クロックミラー9は、再生ビーム光の波長(λ=630
nm)を反射し、サーボ用ビーム光の波長(λ=780
nm)を透過する性質を有している。しかしながら、図
9に示すように、その透過率特性は、λ=630nmの
波長の光の透過率はほとんど0%であるが、λ=780
nmの波長の光の透過率を100%とすることは難し
く、数%程度反射して、再生用光学系Aに侵入する。も
しフイルタ14が無い場合には、ダイクロックミラーの
数%の反射率により、強度として数10μW程度のサー
ボ用ビーム光がフォトディテクター内に入射することに
なる。これは、再生ビーム光の強度の1万倍の強さの光
となり、再生出力電流のDC成分の増大だけでなく、サ
ーボ用ビーム光によるノイズの影響を大幅に受けること
になる。
【0099】この問題を防止するためには、再生ビーム
光を透過し、サーボ用ビーム光の透過率が極めて低い干
渉フイルタのようなフイルタ14をダイクロックミラー
9と光検出器7との間のどこかに設置すればよいことに
なる。従って、この実施例ではフイルタ14が偏光ビー
ムスプリッター2と光検出器7の間に設けられている。
光を透過し、サーボ用ビーム光の透過率が極めて低い干
渉フイルタのようなフイルタ14をダイクロックミラー
9と光検出器7との間のどこかに設置すればよいことに
なる。従って、この実施例ではフイルタ14が偏光ビー
ムスプリッター2と光検出器7の間に設けられている。
【0100】図10は、再生ビーム光のパワーを10n
W、サーボ用ビーム光のパワーを1.0mWとし、フイ
ルタ14を設けていない場合の再生C/N比を示す図で
ある。図10に示されるように、フイルタが無い場合に
は、C/N比は10dBとなり極めて悪くなる。
W、サーボ用ビーム光のパワーを1.0mWとし、フイ
ルタ14を設けていない場合の再生C/N比を示す図で
ある。図10に示されるように、フイルタが無い場合に
は、C/N比は10dBとなり極めて悪くなる。
【0101】図11は、フイルタを設けた場合の再生C
/N比を示しており、図11に示されるように、C/N
比は約40dBであり良好である。図12は、請求項9
に記載の発明に従う再生装置を示す模式図である。この
実施例では、上記の問題を、ダイクロックミラーの設計
変更により改善した光学系を示している。上述のよう
に、ダイクロックミラー9は、反射に対してはほぼ10
0%となるように設計できるので、この実施例の光学系
では、サーボ用ビーム光がダイクロックミラー9で反射
されて、光記録媒体に集光されるようになっている。こ
のような構造にすることによって、再生用光学系に侵入
するサーボ用ビーム光を大幅に低減することができる。
またフイルタを用いる必要がないので低コスト化を図る
ことができる。しかしながら、再生用ビーム光のロス
が、ダイクロックミラー9で生じるので、若干SN比が
低下する。
/N比を示しており、図11に示されるように、C/N
比は約40dBであり良好である。図12は、請求項9
に記載の発明に従う再生装置を示す模式図である。この
実施例では、上記の問題を、ダイクロックミラーの設計
変更により改善した光学系を示している。上述のよう
に、ダイクロックミラー9は、反射に対してはほぼ10
0%となるように設計できるので、この実施例の光学系
では、サーボ用ビーム光がダイクロックミラー9で反射
されて、光記録媒体に集光されるようになっている。こ
のような構造にすることによって、再生用光学系に侵入
するサーボ用ビーム光を大幅に低減することができる。
またフイルタを用いる必要がないので低コスト化を図る
ことができる。しかしながら、再生用ビーム光のロス
が、ダイクロックミラー9で生じるので、若干SN比が
低下する。
【0102】図13は、請求項10に記載の発明に従う
再生装置を示す模式図である。この実施例では、サーボ
用光学系B内のコリメータレンズ11と偏光ビームスプ
リッター12の間にフイルタ15が設けられており、こ
の点で図6に示す実施例と異なる。このフイルタ15
は、サーボ用ビーム光の波長以外の半導体レーザー光源
10からの放射光を除去するためのフイルタである。こ
のフイルタ15は以下の理由により設けられるものであ
る。
再生装置を示す模式図である。この実施例では、サーボ
用光学系B内のコリメータレンズ11と偏光ビームスプ
リッター12の間にフイルタ15が設けられており、こ
の点で図6に示す実施例と異なる。このフイルタ15
は、サーボ用ビーム光の波長以外の半導体レーザー光源
10からの放射光を除去するためのフイルタである。こ
のフイルタ15は以下の理由により設けられるものであ
る。
【0103】半導体レーザー光源10からの放射光に
は、近赤外波長のレーザー発振によるレーザー光とその
レーザーより強度は低いが、自然発光による非レーザー
光成分が含まれている。一般にレーザー光成分より非レ
ーザー光成分の方が波長が短く、可視領域の波長を有し
ている。従って、フォトクロミック材料が吸収を有しな
い波長域のレーザー光によりサーボを実行しても、この
自然発光による非レーザー光成分のために、フォトクロ
ミック分子が反応を起こして記録情報が破壊されるおそ
れがある。このような問題を解消するため、この実施例
では、フイルタ15を設けて、光源10からの放射光の
うち、レーザー光成分のみを透過し、非レーザー光成分
を除去している。
は、近赤外波長のレーザー発振によるレーザー光とその
レーザーより強度は低いが、自然発光による非レーザー
光成分が含まれている。一般にレーザー光成分より非レ
ーザー光成分の方が波長が短く、可視領域の波長を有し
ている。従って、フォトクロミック材料が吸収を有しな
い波長域のレーザー光によりサーボを実行しても、この
自然発光による非レーザー光成分のために、フォトクロ
ミック分子が反応を起こして記録情報が破壊されるおそ
れがある。このような問題を解消するため、この実施例
では、フイルタ15を設けて、光源10からの放射光の
うち、レーザー光成分のみを透過し、非レーザー光成分
を除去している。
【0104】図8及び図13に示す実施例では、波長選
択手段としてフイルタを用いているが、これらフイルタ
の代わりに偏光ビームスプリッターやλ/4板等の素子
に誘電体多層コートを行い同様の機能をもたせたものを
用いてもよい。
択手段としてフイルタを用いているが、これらフイルタ
の代わりに偏光ビームスプリッターやλ/4板等の素子
に誘電体多層コートを行い同様の機能をもたせたものを
用いてもよい。
【0105】以下、図7に示すジアリールエテン系のフ
ォトクロミック材料を用い、反射層にAg、記録層に含
まれる樹脂としてポリスチレンを用いて、図3に示すよ
うにな種々のRL 値を有する光記録媒体を作製し、再生
可能回数を測定した実験例について説明する。
ォトクロミック材料を用い、反射層にAg、記録層に含
まれる樹脂としてポリスチレンを用いて、図3に示すよ
うにな種々のRL 値を有する光記録媒体を作製し、再生
可能回数を測定した実験例について説明する。
【0106】作製した光記録媒体に予め青色光を全面に
充分照射して、図7に実線で示す状態とした。次に、波
長633nmのHeNeレーザーを比較的強いパワーで
強度変調して照射し光記録を行った。次に、同じ波長の
光を超低再生パワーでDC照射し、反射率レベルの変化
を検出して再生を行った。
充分照射して、図7に実線で示す状態とした。次に、波
長633nmのHeNeレーザーを比較的強いパワーで
強度変調して照射し光記録を行った。次に、同じ波長の
光を超低再生パワーでDC照射し、反射率レベルの変化
を検出して再生を行った。
【0107】図18は、光学濃度が比較的低いRL =
0.5の光記録媒体の分光反射率を示しており、図19
は、光学濃度が比較的高いRL =0.13の光学記録媒
体の分光反射率を示している。
0.5の光記録媒体の分光反射率を示しており、図19
は、光学濃度が比較的高いRL =0.13の光学記録媒
体の分光反射率を示している。
【0108】なお、光電変換は、光電流の自己増幅機能
を有するアバランシェフォトダイオードにより行い、増
幅された光電流を高帯域・低バイアス電流のオペアンプ
を用いて電流−電圧変換した。
を有するアバランシェフォトダイオードにより行い、増
幅された光電流を高帯域・低バイアス電流のオペアンプ
を用いて電流−電圧変換した。
【0109】また、測定に用いた光学系においては、ア
バランシェフォトダイオードのゲイン1に対する感度
は、η=0.4(A/W)であり、媒体からの反射光が
フォトダイオードに結合する割合を示すピックアップ効
率はγ=0.8とした。
バランシェフォトダイオードのゲイン1に対する感度
は、η=0.4(A/W)であり、媒体からの反射光が
フォトダイオードに結合する割合を示すピックアップ効
率はγ=0.8とした。
【0110】ディスクの線速はすべての測定において5
m/秒とした。再生レーザースポット径が約1.2μm
で、最小記録部の長さが1.2μm程度になるとすれ
ば、システムの帯域幅Wは約2.1MHzに相当する。
最小記録部の長さがこれより小さい場合もあり得るが、
その場合には記録部の長さから帯域幅を導出すればよ
い。
m/秒とした。再生レーザースポット径が約1.2μm
で、最小記録部の長さが1.2μm程度になるとすれ
ば、システムの帯域幅Wは約2.1MHzに相当する。
最小記録部の長さがこれより小さい場合もあり得るが、
その場合には記録部の長さから帯域幅を導出すればよ
い。
【0111】ここで、必要SN比を26dBとすると、
RBW30kHzで測定したCN比として必要な値は、 SN比=CN比×(30kHz/w)であるので、 CN比=26dB+18dB=44dBとなる。
RBW30kHzで測定したCN比として必要な値は、 SN比=CN比×(30kHz/w)であるので、 CN比=26dB+18dB=44dBとなる。
【0112】なお、CN比は、1MHzの記録信号に対
し測定した。以下、種々の光学濃度の光記録媒体を用い
てその再生可能回数を測定した実験例について説明す
る。
し測定した。以下、種々の光学濃度の光記録媒体を用い
てその再生可能回数を測定した実験例について説明す
る。
【0113】<実施例1>λ=633nmにおける初期
反射率RL が0.79である光記録媒体に、記録パワー
10mWで光記録を行った。この時の記録部の反射率R
H はほぼ1であり、反射率変化量ΔR=0.21、平均
反射率Rave =0.90であった。
反射率RL が0.79である光記録媒体に、記録パワー
10mWで光記録を行った。この時の記録部の反射率R
H はほぼ1であり、反射率変化量ΔR=0.21、平均
反射率Rave =0.90であった。
【0114】比較例1−1 ヒートモードの光記録媒体等で従来用いられている、記
録パワーの1/5〜1/20程度の再生パワーの下限で
あるPrep =0.5mWで再生を行った。初期CN比と
して49dBが得られた。繰り返し時におけるCレベル
の低下量を図20に示す。図20から明らかなように、
再生可能回数はわずかに3回であった。
録パワーの1/5〜1/20程度の再生パワーの下限で
あるPrep =0.5mWで再生を行った。初期CN比と
して49dBが得られた。繰り返し時におけるCレベル
の低下量を図20に示す。図20から明らかなように、
再生可能回数はわずかに3回であった。
【0115】実施例1−1 請求項1に記載の発明に従う範囲内の再生パワーPrep
=18nWで再生を行った。その結果、初期CN比とし
て48dBが得られた。繰り返し再生時のCレベルの低
下量を図21に示す。図21から明らかなように、再生
可能回数は約5万回であった。
=18nWで再生を行った。その結果、初期CN比とし
て48dBが得られた。繰り返し再生時のCレベルの低
下量を図21に示す。図21から明らかなように、再生
可能回数は約5万回であった。
【0116】<実施例2>λ=633における初期反射
率RL =0.5の光記録媒体を用い、記録パワー10m
Wで記録を行った。なおこの光記録媒体は図18に示さ
れたものと同様のものである。記録部における反射率R
H は0.98であり、反射率変化量ΔR=0.48であ
り、平均反射率Rave =0.74であった。
率RL =0.5の光記録媒体を用い、記録パワー10m
Wで記録を行った。なおこの光記録媒体は図18に示さ
れたものと同様のものである。記録部における反射率R
H は0.98であり、反射率変化量ΔR=0.48であ
り、平均反射率Rave =0.74であった。
【0117】比較例2−1 再生パワーPrep =0.5mWで再生を行った結果、初
期CN比として49dBが得られた。繰り返し再生の際
のCレベル低下量を図22に示す。図22から明らかな
ように、再生可能回数はわずかに4回であった。
期CN比として49dBが得られた。繰り返し再生の際
のCレベル低下量を図22に示す。図22から明らかな
ように、再生可能回数はわずかに4回であった。
【0118】実施例2−1 請求項1に記載された発明の範囲内の値である再生パワ
ーPrep =2.6nWで再生を行った。この結果、初期
CN比としては44dBが得られた。このCN比は上述
の必要CN比を満足するものである。繰り返しの際のC
レベル低下量を図23に示した。図23から明らかなよ
うに、再生可能回数は48万回であった。
ーPrep =2.6nWで再生を行った。この結果、初期
CN比としては44dBが得られた。このCN比は上述
の必要CN比を満足するものである。繰り返しの際のC
レベル低下量を図23に示した。図23から明らかなよ
うに、再生可能回数は48万回であった。
【0119】実施例2−2 請求項2に記載の発明の範囲内である再生パワーPrep
=20nWで再生を行った。その結果、初期CN比は4
9dBであった。繰り返し再生の際のCレベル低下量を
図24に示す。図24から明らかなように、再生可能回
数は7万回であった。
=20nWで再生を行った。その結果、初期CN比は4
9dBであった。繰り返し再生の際のCレベル低下量を
図24に示す。図24から明らかなように、再生可能回
数は7万回であった。
【0120】比較例2−2 請求項1及び2に記載の発明の範囲よりも低い再生パワ
ーであるPrep =1.3nWで再生を行った。この結
果、初期CN比は、40dBであった。この値は、上述
の必要CN比を満足するものではない。
ーであるPrep =1.3nWで再生を行った。この結
果、初期CN比は、40dBであった。この値は、上述
の必要CN比を満足するものではない。
【0121】以下、請求項11に記載の発明に従う実験
例について説明する。 <実施例3>λ=633nmにおける初期反射率RL が
0.25である光記録媒体に、記録パワー5mWで記録
を行った。この時の記録部の反射率RH は0.76であ
り、反射率変化量ΔRは0.51であり、平均反射率R
ave は0.51であった。
例について説明する。 <実施例3>λ=633nmにおける初期反射率RL が
0.25である光記録媒体に、記録パワー5mWで記録
を行った。この時の記録部の反射率RH は0.76であ
り、反射率変化量ΔRは0.51であり、平均反射率R
ave は0.51であった。
【0122】実施例3−1 請求項1に記載の発明の範囲内の再生パワーであるP
rep =1.6nWで再生を行った。この結果、初期CN
比は44dBであった。繰り返し再生の際のCレベル低
下量を図25に示す。図25から明らかなように、再生
可能回数は200万回であった。この再生可能回数は、
上記実施例1−1、2−1及び2−2よりも大きな値で
ある。
rep =1.6nWで再生を行った。この結果、初期CN
比は44dBであった。繰り返し再生の際のCレベル低
下量を図25に示す。図25から明らかなように、再生
可能回数は200万回であった。この再生可能回数は、
上記実施例1−1、2−1及び2−2よりも大きな値で
ある。
【0123】実施例3−2 請求項2に記載の発明の範囲内の再生パワーであるP
rep =12nWで再生を行った。この結果、初期CN比
は47dBであった。繰り返し再生の際のCレベル低下
量を図26に示す。図26から明らかなように、再生可
能回数は25万回であった。
rep =12nWで再生を行った。この結果、初期CN比
は47dBであった。繰り返し再生の際のCレベル低下
量を図26に示す。図26から明らかなように、再生可
能回数は25万回であった。
【0124】比較例3−1 記録パワーの1/20である0.25mWで再生を行っ
た。その結果、初期CN比は49dBであった。しかし
ながら、再生可能回数は、図27に示されるように、わ
ずか13回であった。
た。その結果、初期CN比は49dBであった。しかし
ながら、再生可能回数は、図27に示されるように、わ
ずか13回であった。
【0125】<実施例4>実施例3で用いたλ=633
nmにおける初期反射率RL が0.25である光記録媒
体に、記録パワー3mWで光記録を行った。記録部の反
射率RH は0.57であり、反射率変化量ΔRは0.3
2であり、平均反射率Rave は0.41であった。
nmにおける初期反射率RL が0.25である光記録媒
体に、記録パワー3mWで光記録を行った。記録部の反
射率RH は0.57であり、反射率変化量ΔRは0.3
2であり、平均反射率Rave は0.41であった。
【0126】実施例4−1 請求項1に記載の発明の範囲内の再生パワーであるP
rep =3.4nWで再生を行った。その結果、初期CN
比は44dBであった。繰り返しの際のCレベル低下量
は図28に示す通りである。再生可能回数は130万回
であった。これは、実施例3−1の再生可能回数200
万回に比べやや低下しているが、再生パワーが2倍以上
強くなっているので、再生用フォトディテクタのバイア
ス電圧が小さくてよく、またアンプ系のゲインが小さく
てよいので、検出回路系の構成をより簡単にすることが
可能となる。
rep =3.4nWで再生を行った。その結果、初期CN
比は44dBであった。繰り返しの際のCレベル低下量
は図28に示す通りである。再生可能回数は130万回
であった。これは、実施例3−1の再生可能回数200
万回に比べやや低下しているが、再生パワーが2倍以上
強くなっているので、再生用フォトディテクタのバイア
ス電圧が小さくてよく、またアンプ系のゲインが小さく
てよいので、検出回路系の構成をより簡単にすることが
可能となる。
【0127】<実施例5>λ=633nmにおける初期
反射率RL が0.13である光記録媒体に、記録パワー
4mWで光記録を行った。この際の記録部の反射率RH
は0.47であり、反射率変化量ΔRは0.34であ
り、平均反射率Rave は0.30であった。
反射率RL が0.13である光記録媒体に、記録パワー
4mWで光記録を行った。この際の記録部の反射率RH
は0.47であり、反射率変化量ΔRは0.34であ
り、平均反射率Rave は0.30であった。
【0128】実施例5−1 請求項1に記載の発明の範囲内の再生パワーであるP
rep =2.1nWで再生を行った。この結果、初期CN
比は44dBであった。繰り返し再生の際のCレベルの
変化を図29に示す。図29から明らかなように、再生
を繰り返すことにより信号レベルはわずかに2dBほど
向上した後低下しており、再生可能回数は300万回で
あった。
rep =2.1nWで再生を行った。この結果、初期CN
比は44dBであった。繰り返し再生の際のCレベルの
変化を図29に示す。図29から明らかなように、再生
を繰り返すことにより信号レベルはわずかに2dBほど
向上した後低下しており、再生可能回数は300万回で
あった。
【0129】実施例5−2 請求項2に記載の発明の範囲内の再生パワーであるP
rep =15nWで再生を行った。この結果、初期CN比
は48dBであった。繰り返し再生の際のCレベルの変
化を図30に示す。図30から明らかなように、再生を
繰り返すに従い信号レベルが2dBほど一旦向上した後
に低下している。再生可能回数は40万回であった。
rep =15nWで再生を行った。この結果、初期CN比
は48dBであった。繰り返し再生の際のCレベルの変
化を図30に示す。図30から明らかなように、再生を
繰り返すに従い信号レベルが2dBほど一旦向上した後
に低下している。再生可能回数は40万回であった。
【0130】<実施例6>実施例5で用いた光記録媒体
を用い、記録パワーを4mWから2mWに変えて光記録
を行った。この結果、記録部の反射率RH は0.18と
なり、反射率変化量ΔRは0.06であり、平均反射率
Rave は0.16であった。
を用い、記録パワーを4mWから2mWに変えて光記録
を行った。この結果、記録部の反射率RH は0.18と
なり、反射率変化量ΔRは0.06であり、平均反射率
Rave は0.16であった。
【0131】実施例6−1 請求項1に記載の発明の範囲内の再生パワーであるP
rep =37nWで再生を行った。この結果、初期CN比
は44dBであった。繰り返し再生の際のCレベルの変
化を図31に示す。図31に示されるように、再生可能
回数としては23万回という値が与えられているが、繰
り返しに従い、信号レベルが大幅に、すなわち+5.5
dB向上した後低下している。再生信号レベルをできる
だけ安定して得ることが好ましいという観点からは、実
施例5−1及び5−2の方が好ましい。
rep =37nWで再生を行った。この結果、初期CN比
は44dBであった。繰り返し再生の際のCレベルの変
化を図31に示す。図31に示されるように、再生可能
回数としては23万回という値が与えられているが、繰
り返しに従い、信号レベルが大幅に、すなわち+5.5
dB向上した後低下している。再生信号レベルをできる
だけ安定して得ることが好ましいという観点からは、実
施例5−1及び5−2の方が好ましい。
【0132】以上の実施例の他に、記録パワーを調整す
ることにより記録部の光反射率RHを種々変化させて測
定した結果、RH が0.4以上の場合には、このような
Cレベルの大幅な増加が生じないことがわかった。ま
た、このようなCレベルの大幅な増加は、初期反射率R
L が0.2未満の光記録媒体において認められるもので
あることがわかった。
ることにより記録部の光反射率RHを種々変化させて測
定した結果、RH が0.4以上の場合には、このような
Cレベルの大幅な増加が生じないことがわかった。ま
た、このようなCレベルの大幅な増加は、初期反射率R
L が0.2未満の光記録媒体において認められるもので
あることがわかった。
【0133】以上のように、初期反射率RL が0.4を
超える光記録媒体に請求項1又は2に記載の発明に従い
超低パワーで再生すれば、再生可能回数は10万回のオ
ーダーとなり、初期反射率RL が0.4以下の光記録媒
体に請求項1又は2に記載の発明に従い超低パワーで再
生すれば、100万回のオーダーの再生が可能になる。
超える光記録媒体に請求項1又は2に記載の発明に従い
超低パワーで再生すれば、再生可能回数は10万回のオ
ーダーとなり、初期反射率RL が0.4以下の光記録媒
体に請求項1又は2に記載の発明に従い超低パワーで再
生すれば、100万回のオーダーの再生が可能になる。
【0134】特に、RL が0.4以下の光記録媒体に記
録部の反射率RH が0.7以下となるように記録パワー
を調整して記録すれば、再生用フォトディテクタ及びア
ンプ回路等の負担を小さくすることができる。
録部の反射率RH が0.7以下となるように記録パワー
を調整して記録すれば、再生用フォトディテクタ及びア
ンプ回路等の負担を小さくすることができる。
【0135】さらに、RL が0.2以下の光記録媒体に
対しては、記録部の反射率RH が0.4以上となるよう
に条件を設定して記録すれば、再生を繰り返した際の信
号レベルの大幅な増加を抑制することができ、安定した
信号レベルを得ることができる。
対しては、記録部の反射率RH が0.4以上となるよう
に条件を設定して記録すれば、再生を繰り返した際の信
号レベルの大幅な増加を抑制することができ、安定した
信号レベルを得ることができる。
【0136】上記実施例においては光記録媒体の反射層
として反射率の高いAgを用いているが、アルミニウム
又はクロム等の反射率が1以下の反射層を用いた場合に
も、同様にして本発明を適用することができる。反射層
の反射率が1以下の場合は、光記録媒体の反射率Rは、
記録層の吸光度Abs及び反射層の反射率R0 に対し以
下のように表すことができる。
として反射率の高いAgを用いているが、アルミニウム
又はクロム等の反射率が1以下の反射層を用いた場合に
も、同様にして本発明を適用することができる。反射層
の反射率が1以下の場合は、光記録媒体の反射率Rは、
記録層の吸光度Abs及び反射層の反射率R0 に対し以
下のように表すことができる。
【0137】R=e-2.3xAbsR0 e-2.3xAbs (ここで、Absは記録層を光が1回通過する時に対す
る値である。)反射層の反射率R0 が1以下の場合に
は、上記式によって本発明を適用することができる。
る値である。)反射層の反射率R0 が1以下の場合に
は、上記式によって本発明を適用することができる。
【0138】また、反射層の反射率R0 が1とみなされ
る場合には、 R=e-2x2.3xAbsとなる。 次に、請求項14に記載の発明に従い、再生ビーム光と
して、フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の
光を用いる実施例について説明する。
る場合には、 R=e-2x2.3xAbsとなる。 次に、請求項14に記載の発明に従い、再生ビーム光と
して、フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の
光を用いる実施例について説明する。
【0139】図32は、請求項14に記載の再生方法を
実施するための再生装置の一例を示す構成図である。図
32において、31は半導体レーザー、32は抵抗、3
3は駆動用電源を示している。抵抗32は、半導体レー
ザー31の微分抵抗値の2倍以上の値を有するように設
定され、半導体レーザー31に励起電流が注入されるよ
うに構成されている。このような設定により、半導体レ
ーザー31から放射される再生用ビームは、フォトン数
ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光となる。
実施するための再生装置の一例を示す構成図である。図
32において、31は半導体レーザー、32は抵抗、3
3は駆動用電源を示している。抵抗32は、半導体レー
ザー31の微分抵抗値の2倍以上の値を有するように設
定され、半導体レーザー31に励起電流が注入されるよ
うに構成されている。このような設定により、半導体レ
ーザー31から放射される再生用ビームは、フォトン数
ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光となる。
【0140】さらに、この実施例では、半導体レーザー
31として、微小共振器構造により自然放出を抑制した
構造の半導体レーザーを用いている。微小共振器構造を
有する半導体レーザーについては、例えば、第38回応
用物理学会連合講演会(1991年春期)30P−F−
7〜9、第39回応用物理学会連合講演会(1992年
春期)29P−C−14、第53回応用物理学会学術講
演会(1992年秋期)16a−V−3や応用物理第6
1巻第9号(1992)P890〜901「微小共振器
レーザー:現状と展望」横山弘之著等にその技術内容が
開示されている。特に、微小共振器構造は、レーザー発
振を超低閾値に設定できるという特徴を有している。
31として、微小共振器構造により自然放出を抑制した
構造の半導体レーザーを用いている。微小共振器構造を
有する半導体レーザーについては、例えば、第38回応
用物理学会連合講演会(1991年春期)30P−F−
7〜9、第39回応用物理学会連合講演会(1992年
春期)29P−C−14、第53回応用物理学会学術講
演会(1992年秋期)16a−V−3や応用物理第6
1巻第9号(1992)P890〜901「微小共振器
レーザー:現状と展望」横山弘之著等にその技術内容が
開示されている。特に、微小共振器構造は、レーザー発
振を超低閾値に設定できるという特徴を有している。
【0141】通常の半導体レーザーは、数十mA程度の
発振閾値を有し、それゆえに数μWオーダー以下の超低
パワーでレーザー光を注入電流により安定に制御するこ
とができなかった。一方、微小共振器構造によって自然
放出が抑圧された半導体レーザーでは、共振器端面の反
射率Rを調整することにより、μAオーダーの注入電流
により、μWオーダー以下のレーザーパワーを安定に制
御することができる。
発振閾値を有し、それゆえに数μWオーダー以下の超低
パワーでレーザー光を注入電流により安定に制御するこ
とができなかった。一方、微小共振器構造によって自然
放出が抑圧された半導体レーザーでは、共振器端面の反
射率Rを調整することにより、μAオーダーの注入電流
により、μWオーダー以下のレーザーパワーを安定に制
御することができる。
【0142】図32を参照して、光源である半導体レー
ザー31から放射された再生ビーム光は、コリメーター
レンズ25で整形され、偏光ビームスプリッタ24、λ
/4板23を通り、対物レンズ22によって、フォトク
ロミック媒体等のフォトンモード媒体21へ集光され
る。そして記録情報に応じて強度変調された反射光は、
再び対物レンズ22、λ/4板23、偏光ビームスプリ
ッタ24、レンズ26を通り、フォトディテクタ27へ
と入射する。通常フォトディテクタとしては、PINフ
ォトダイオードが用いられることが多いが、本発明のよ
うに超低再生パワーを用いる場合には、PINフォトダ
イオードでは熱ノイズによって再生SN比が低下するの
で、光検出器としては、光電流の自己増幅機能を有する
ものを使用することが望ましい。本実施例では、アバラ
ンシェフォトダイオード27に高い逆バイアス電流(数
十〜100V)28を印加して使用している。このよう
にして検出された光電流は差動増幅器29と抵抗30の
組み合わせにより構成される電流−電圧変換部によって
電圧に変換され再生出力を与える。
ザー31から放射された再生ビーム光は、コリメーター
レンズ25で整形され、偏光ビームスプリッタ24、λ
/4板23を通り、対物レンズ22によって、フォトク
ロミック媒体等のフォトンモード媒体21へ集光され
る。そして記録情報に応じて強度変調された反射光は、
再び対物レンズ22、λ/4板23、偏光ビームスプリ
ッタ24、レンズ26を通り、フォトディテクタ27へ
と入射する。通常フォトディテクタとしては、PINフ
ォトダイオードが用いられることが多いが、本発明のよ
うに超低再生パワーを用いる場合には、PINフォトダ
イオードでは熱ノイズによって再生SN比が低下するの
で、光検出器としては、光電流の自己増幅機能を有する
ものを使用することが望ましい。本実施例では、アバラ
ンシェフォトダイオード27に高い逆バイアス電流(数
十〜100V)28を印加して使用している。このよう
にして検出された光電流は差動増幅器29と抵抗30の
組み合わせにより構成される電流−電圧変換部によって
電圧に変換され再生出力を与える。
【0143】光のロスによるスクイズド状態の破壊を防
ぐため、光学系のロスはできるだけ少なく、フォトディ
テクタの光電変換の量子収率はできるだけ大きいものが
望ましい。また光記録媒体21の平均反射率は高い方が
望ましい。また、光学系のロスを少なくするために、各
光学素子に無反射コートをしておくことが好ましい。
ぐため、光学系のロスはできるだけ少なく、フォトディ
テクタの光電変換の量子収率はできるだけ大きいものが
望ましい。また光記録媒体21の平均反射率は高い方が
望ましい。また、光学系のロスを少なくするために、各
光学素子に無反射コートをしておくことが好ましい。
【図1】図1は、再生ビーム光のパワーと、信号出力レ
ベル及び各種ノイズレベルの関係を示す図。
ベル及び各種ノイズレベルの関係を示す図。
【図2】図2は、実施例において用いたフォトクロミッ
ク材料の分子構造とそれを用いた光記録媒体の分光反射
率を示す図。
ク材料の分子構造とそれを用いた光記録媒体の分光反射
率を示す図。
【図3】実施例において用いた光記録媒体の構造を示す
断面図。
断面図。
【図4】請求項4に記載の発明に従う再生装置の一実施
例を示す構成図。
例を示す構成図。
【図5】請求項4に記載の発明に従う再生装置の他の実
施例を示す構成図。
施例を示す構成図。
【図6】請求項6及び7に記載の発明に従う再生装置の
一実施例を示す構成図。
一実施例を示す構成図。
【図7】実施例において用いたフォトクロミック材料の
分子構造と、その吸収スペクトルを示す図。
分子構造と、その吸収スペクトルを示す図。
【図8】請求項8に記載の発明に従う再生装置の一実施
例を示す構成図。
例を示す構成図。
【図9】実施例において用いたダイクロックミラーの透
過率を示すスペクトル図。
過率を示すスペクトル図。
【図10】実施例においてフイルタを用いない場合の再
生C/N比を示す図。
生C/N比を示す図。
【図11】実施例においてフイルタを用いた場合の再生
C/N比を示す図。
C/N比を示す図。
【図12】請求項9に記載の発明に従う再生装置の一実
施例を示す模式図。
施例を示す模式図。
【図13】請求項10に記載の発明に従う再生装置の一
実施例を示す模式図。
実施例を示す模式図。
【図14】フォトンモード媒体への照射光量と反射率レ
ベルの関係を示す図。
ベルの関係を示す図。
【図15】記録層の未記録状態における再生ビーム光の
反射率RL 及び記録部における再生ビーム光の反射率R
H と再生繰り返し回数の目安となるパラメーターβPと
の関係を示す図。
反射率RL 及び記録部における再生ビーム光の反射率R
H と再生繰り返し回数の目安となるパラメーターβPと
の関係を示す図。
【図16】記録層の未記録状態における再生ビーム光の
反射率RL 及び記録部における再生ビーム光の反射率R
H と再生繰り返し回数の目安となるパラメーターβPと
の関係を示す図。
反射率RL 及び記録部における再生ビーム光の反射率R
H と再生繰り返し回数の目安となるパラメーターβPと
の関係を示す図。
【図17】記録層の未記録状態における再生ビーム光の
反射率RL 及び記録部における再生ビーム光の反射率R
H と再生繰り返し回数の目安となるパラメーターβPと
の関係を示す図。
反射率RL 及び記録部における再生ビーム光の反射率R
H と再生繰り返し回数の目安となるパラメーターβPと
の関係を示す図。
【図18】RL =0.5の光記録媒体の分光反射率を示
す図。
す図。
【図19】RL =0.13の光記録媒体の分光反射率を
示す図。
示す図。
【図20】比較例1−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図21】実施例1−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図22】比較例2−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図23】実施例2−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図24】実施例2−2における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図25】実施例3−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図26】実施例3−2における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図27】比較例3−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図28】実施例4−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図29】実施例5−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図30】実施例5−2における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図31】実施例6−1における再生回数と信号レベル
低下量の関係を示す図。
低下量の関係を示す図。
【図32】請求項14に記載の発明の再生方法を実施す
るための再生装置の一実施例を示す構成図。
るための再生装置の一実施例を示す構成図。
1…再生用ビーム光の光源 2…偏光ビームスプリッター 3…λ/4板 4…対物レンズ 5…コリメータレンズ 6…パワー調整用素子 7…光検出器 8…光記録媒体 10…サーボ用ビーム光の光源 11…コリメータレンズ 12…偏光ビームスプリッター 13…λ/4板 14…フイルタ 15…フイルタ
Claims (17)
- 【請求項1】 フォトンモードで反応する記録層を有す
る光記録媒体を再生する方法であって、 前記記録層に下記の式(I)のPrep (W)の近傍に設
定されたパワーの再生ビーム光を照射するステップと、 前記記録層を通過した再生ビーム光を検出して記録状態
及び未記録状態を再生するステップとを備える、光記録
媒体の再生方法。 【数1】 (ここで、SNRはシステムに必要なSNパワー比(P
P/rms)、eは電気素量1.6×10-19 (C)、
Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検出器のゲイン
1に対する感度(A/W)、γはピックアップ効率、R
ave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光記録媒体の記
録部と未記録部との反射率の変化量を示す。) - 【請求項2】 フォトンモードで反応する記録層を有す
る光記録媒体を再生する方法であって、 前記記録層に下記の式(II)のPrep (W)の範囲内に
設定されたパワーの再生ビーム光を照射するステップ
と、 前記記録層を通過した再生ビーム光を検出して記録状態
及び未記録状態を再生するステップとを備える、光記録
媒体の再生方法。 【数2】 (ここで、SNRはシステムに必要なSNパワー比(P
P/rms)、eは電気素量1.6×10-19 (C)、
Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検出器のゲイン
1に対する感度(A/W)、γはピックアップ効率、R
ave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光記録媒体の記
録部と未記録部との反射率の変化量、kはボルツマン定
数1.38×10-23 (J・K-1)、Tは絶対温度
(K)、Iam p は再生用プリアンプの平均ノイズ電流
(A)、Zは再生用プリアンプのインピーダンス(Ω)
を示す。) - 【請求項3】 前記記録層を通過した再生ビーム光を、
光電流の自己増幅機能を有する検出器によって検出す
る、請求項1または2に記載の光記録媒体の再生方法。 - 【請求項4】 フォトンモードで反応する記録層を有す
る光記録媒体を再生する装置であって、 再生ビーム光を一定のパワーで放射する光源と、 前記光源からの再生ビーム光を請求項1または2に記載
のパワーのレベルにまで減衰させて前記記録層に再生ビ
ーム光を照射するためのパワー調整手段と、 前記再生ビーム光を前記記録層に集光するレンズ系と、 前記記録層を通過し、光記録媒体から反射されてきた再
生ビーム光を検出する検出器とを備える、光記録媒体の
再生装置。 - 【請求項5】 前記検出器が、光電流の自己増幅機能を
有する検出器である、請求項4に記載の光記録媒体の再
生装置。 - 【請求項6】 フォトンモードで反応する記録層を有す
る光記録媒体を再生する方法であって、 前記記録層に下記の式(II)のPrep (W)の範囲内に
設定されたパワーの再生ビーム光を照射するステップ
と、 前記記録層を通過した再生ビーム光を検出して記録状態
及び未記録状態を再生するステップと、 前記記録層に含まれるフォトンモード材料が実質的に吸
収を有しない波長域の光をサーボ用ビーム光として記録
層に照射することにより、フォーカスサーボ及びトラッ
キングサーボの少なくともいずれか一方を行うステップ
とを備える、光記録媒体の再生方法。 【数3】 (ここで、SNRはシステムに必要なSNパワー比(P
P/rms)、eは電気素量1.6×10-19 (C)、
Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検出器のゲイン
1に対する感度(A/W)、γはピックアップ効率、R
ave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光記録媒体の記
録部と未記録部との反射率の変化量、kはボルツマン定
数1.38×10-23 (J・K-1)、Tは絶対温度
(K)、Iam p は再生用プリアンプの平均ノイズ電流
(A)、Zは再生用プリアンプのインピーダンス(Ω)
を示す。) - 【請求項7】 フォトンモードで反応する記録層を有す
る光記録媒体を再生する装置であって、 再生ビーム光を一定のパワーで放射する第1の光源と、 前記第1の光源からの再生ビーム光を請求項6に記載の
パワーのレベルまで減衰させて前記記録層に再生ビーム
光を照射するためのパワー調整手段と、 前記記録層に含まれるフォトンモード材料が実質的に吸
収を有しない波長域の光をサーボ用ビーム光として放射
する第2の光源と、 前記再生ビーム光とサーボ用ビーム光とを合成し同一光
路へ導くビーム合成手段と、 前記合成ビーム光を前記記録層に集光するレンズ系と、 前記記録層を通過して光記録媒体から反射されてきた合
成ビーム光に含まれた再生ビーム光の成分を検出する光
電流の自己増幅機能を有する光検出器と、 前記記録層を通過して光記録媒体から反射されてきた合
成ビーム光に含まれたサーボ用ビーム光の成分を検出し
て、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボの少なく
ともいずれか一方を行うためのサーボ用光学系及びサー
ボ用回路系とを備える、光記録媒体の再生装置。 - 【請求項8】 前記光記録媒体から反射されてきた合成
ビーム光に含まれた再生ビーム光の成分が光検出器に入
射するまでの間の光路に、再生用ビーム光を実質的に透
過しサーボ用ビーム光を実質的に透過しない波長選択手
段が設けられている、請求項7に記載の光記録媒体の再
生装置。 - 【請求項9】 前記ビーム合成手段がダイクロックミラ
ーであり、光記録媒体から反射されてきた合成ビーム光
に含まれたサーボ用ビーム光がこのダイクロックミラー
によって反射されるように構成されている、請求項7に
記載の光記録媒体の再生装置。 - 【請求項10】 前記第2の光源とビーム合成手段との
間に、サーボ用ビーム光を実質的に透過し、それ以外の
前記第2の光源からの放射光を実質的に透過しない波長
選択手段が設けられている、請求項7に記載の光記録媒
体の再生装置。 - 【請求項11】 前記記録層の未記録状態における再生
ビーム光の反射率が0.4以下である光記録媒体を用い
て光記録し、これを再生する、請求項1又は2に記載の
光記録媒体の再生方法。 - 【請求項12】 前記記録層の記録部における再生ビー
ム光の反射率が0.7以下である、請求項11に記載の
光記録媒体の再生方法。 - 【請求項13】 前記記録層の未記録状態における再生
ビーム光の反射率が0.2以下であり、記録部における
再生ビーム光の反射率が0.4以上である、請求項11
に記載の光記録媒体の再生方法。 - 【請求項14】 前記再生ビーム光として、フォトン数
ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光を用いる、請求
項1又は2に記載の光記録媒体の再生方法。 - 【請求項15】 フォトンモードで反応する記録層を有
する光記録媒体を再生する方法であって、 フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光を下
記の式(III)のPrep(W)の範囲内に設定されたパワ
ーで再生ビーム光として前記光記録媒体に照射し、再生
する、光記録媒体の再生方法。 【数4】 (ここで、SNRはシステムに必要なSNパワー比(P
P/rms)、eは電気素量1.6×10-19 (C)、
Bはシステムの帯域幅(Hz)、ηは光検出器のゲイン
1に対する感度(A/W)、γはピックアップ効率、R
ave は光記録媒体の平均反射率、ΔRは光記録媒体の記
録部と未記録部との反射率の変化量を示す。) - 【請求項16】 フォトンモードで反応する記録層を有
する光記録媒体を再生する装置であって、 フォトン数ゆらぎが抑圧されたスクイズド状態の光を再
生ビーム光として放射する光源と、 前記再生ビーム光を前記記録層に集光するレンズ系と、 前記記録層を通過し、光記録媒体から反射されてきた再
生ビーム光を検出する検出器とを備える、光記録媒体の
再生装置。 - 【請求項17】 前記光源が、微小共振器構造によって
自然放出が抑圧され、かつ、微分抵抗値の2倍以上の抵
抗を介して励起電流が注入される半導体レーザーであ
る、請求項16に記載の光記録媒体の再生装置。
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JP4-199990 | 1992-07-27 | ||
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JP4003161B2 (ja) * | 2001-11-19 | 2007-11-07 | ソニー株式会社 | 光ヘッド、記録再生装置、及び光結合効率可変素子 |
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-
1993
- 1993-04-15 JP JP08885493A patent/JP3488261B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1993-07-26 US US08/096,437 patent/US5398223A/en not_active Expired - Lifetime
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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