JPH0696434A - 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の評価方法 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録媒体の評価方法

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JPH0696434A
JPH0696434A JP34952192A JP34952192A JPH0696434A JP H0696434 A JPH0696434 A JP H0696434A JP 34952192 A JP34952192 A JP 34952192A JP 34952192 A JP34952192 A JP 34952192A JP H0696434 A JPH0696434 A JP H0696434A
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JP34952192A
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Mayumi Abe
真弓 阿部
Yasuo Tateno
安夫 舘野
Koji Naruse
宏治 成瀬
Kazunobu Chiba
一信 千葉
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明はベアリングカーブとヒストグラムに
より磁気記録媒体の電磁変換特性やスチル耐久性を予測
する評価方法である。また、他の本発明は上記ベアリン
グカーブとヒストグラムにより表面が規制された磁気記
録媒体である。なお、非磁性支持体の表面のベアリング
カーブ50%値が5.0〜16.5nm且つヒストグラ
ムのピーク値が4.5〜6.5nmであることが好まし
い。金属磁性薄膜は(Co1-X NiX 1-m m (但
し、0.03≦X≦0.10,0.10≦m≦0.3
0)なる組成のCo−O系垂直磁化膜であり、この磁気
記録媒体をディジタル記録再生用に適用することが好ま
しい。 【効果】 磁気記録媒体の特性を良好に評価できる方法
となる。また、良好な電磁変換特性とスチル耐久性を有
する磁気記録媒体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体上に磁性
層として金属磁性薄膜を有する所謂金属磁性薄膜型の磁
気記録媒体に関するものであり、また、磁気記録媒体の
電磁変換特性及びスチル耐久性を予測する評価方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープレコーダ(VTR)
等の分野においては、高画質化を図るために、高密度記
録化が一層強く要求されており、これに対応する磁気記
録媒体として、金属あるいはCo−Ni等の合金からな
る磁性材料をメッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により
直接非磁性支持体上に被着せしめて磁性層を形成する、
所謂金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案されている。
【0003】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
磁力、角形比及び短波長域における電磁変換特性に優れ
るばかりでなく、磁性層の薄膜化が可能であるために記
録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいことや、磁性
層中に非磁性材料である結合剤等を混入する必要がない
ために磁性材料の充填密度を高くできること等、数々の
利点を有している。
【0004】このような磁気記録媒体においては、高記
録密度化に伴って磁気記録媒体のトラック密度や記録密
度の増加が図られているが、記録密度が高くなるとスペ
ーシングロスが電磁変換特性に与える影響も深刻になる
ので、その悪影響を防止するために磁気記録媒体の表面
は平滑化される傾向にある。
【0005】一方、磁気記録媒体の表面は平滑すぎると
磁気ヘッドと媒体が吸着を引起し摩擦力が増大する。こ
のため、媒体に生じる剪断力が大きくなり、磁気記録媒
体が大きな損傷を受けてしまう。
【0006】そこで、良好なスチル特性を確保するため
に、磁気記録媒体の表面粗さが検討され、例えば非磁性
支持体の表面に高分子性の微粒子を塗布したり、非磁性
支持体内にフィラーをある程度の密度で内添して凝集さ
せることによって非磁性支持体の表面に微小な突起を設
け、この非磁性支持体の表面からの層状作用により該非
磁性支持体上に積層形成される磁性層や保護膜等の表面
に適当な粗度を付与したものが開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように非磁性支持体の表面に突起を設けることによって
電磁変換特性とスチル特性の両方の向上を図る方法で
は、スペーシングロスを抑えつつ、磁気ヘッドとの摩擦
力が小さくなるように上記突起の大きさや密度を管理す
る必要がある。
【0008】磁気記録媒体の表面性を評価するパラメー
タとしては、通常Ra(中心線平均粗さ),Rrms (自
乗平均粗さ),Rmax (最大粗さ)等が用いられてきた
が、これらには電磁変換特性や耐久性との相関関係が必
ずしもあるとはいえず、磁気記録媒体の表面性を評価す
るパラメータとしては十分なものではなかった。よっ
て、電磁変換特性やスチル耐久性に優れた磁気記録媒体
を得るには、実際に作成された磁気記録媒体の電磁変換
特性やスチル耐久性を測定して、非磁性支持体の表面突
起の大きさや密度を調整するしかなく、このため多くの
時間と労力を必要とした。
【0009】そこで本発明は、かかる実情に鑑みて提案
されたものであり、磁気記録媒体の表面粗さを良好に管
理することによって、優れた電磁変換特性とスチル耐久
性を有する磁気記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、良好な特性を有する磁気記録媒体を提
供するために、電磁変換特性やスチル耐久性を予測でき
る評価方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意検討を重ねた結果、ベアリング
カーブ及びその微分曲線より得られるヒストグラムを総
合評価することによって電磁変換特性とスチル耐久性を
推測することができることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0011】すなわち、本発明の磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に金属磁性薄膜よりなる磁性層を有する磁気
記録媒体において、表面突起が設けられてなる非磁性支
持体の表面はベアリングカーブ50%値及びベアリング
カーブの微分曲線より得られるヒストグラムのピーク値
により規制されたものであることを特徴とするものであ
る。
【0012】磁気記録媒体の表面性を評価するパラメー
タとして従来用いられてきたRa(中心線平均粗さ),
Rrms (自乗平均粗さ),Rmax (最大粗さ)等は、電
磁変換特性やスチル耐久性との相関関係が必ずしもある
とはいえなかったが、本発明において、磁気記録媒体の
表面粗さを上記ベアリングカーブ50%値(Rb )とヒ
ストグラムのピーク値(Rhp)で表したところ、おおよ
その電磁変換特性とスチル耐久性を推測できることが判
った。
【0013】そして、表面突起が設けられてなる非磁性
支持体の表面のベアリングカーブ50%値Rb は5.0
nm〜16.5nmとされ、且つヒストグラムのピーク
値Rhpは4.5nm〜6.5nmとされることが好まし
い。これにより、スペーシングロスを抑えつつ、磁気ヘ
ッドとの摩擦力を低下させることができる。これらベア
リングカーブ50%値Rb とヒストグラムのピーク値R
hpのいずれか一方が上記範囲を越えると、高電磁変換特
性と良好なスチル耐久性の両方を確保することはできな
くなる。
【0014】ここで、上記ベアリングカーブとは、上記
非磁性支持体表面に形成されてなる表面突起を中心線に
平行してある高さ位置でスライスした時の各表面突起の
断面積の総和を示すものである。図1(a)に示した粗
さ曲線を持つような表面突起をある高さ位置でスライス
したとき、図中k,l,m,nの部分の断面積を合わせ
た(k+l+m+n)なる量がベアリングカーブとして
図1(b)に示される。このベアリングカーブは、縦軸
をある基準線からの高さとし、横軸を(ある高さにおけ
る各表面突起の断面積の総和)/(基準線における全表
面突起の断面積の総和)×100 なる値とするもので
ある。
【0015】よって、ベアリングカーブ50%値Rb
は、基準線における断面積の50%にあたる断面積を有
する高さを示している。なお、粗さ曲線をある基準線で
分けたとき、この粗さ曲線と基準線に囲まれる部分の面
積が基準線の上下で等しくなるように定めた基準線を中
心線とする。
【0016】また、上記ヒストグラムとは、図1(c)
に示すようにベアリングカーブの微分曲線であり、突起
の頻度関数である。ベアリングカーブの変化率が高い部
分がヒストグラムのピーク値Rhpとなる。つまり、ヒス
トグラムのピーク値Rhpは最も頻度の高い突起の高さを
表す。
【0017】本発明の磁気記録媒体において、非磁性支
持体や磁性層となる金属磁性薄膜は従来公知のものがい
ずれも使用可能で、何ら限定されるものではないが、上
記磁性層となる金属磁性薄膜としては、Co−O系垂直
磁化膜等が好適である。このCo−O系垂直磁化膜にあ
っては、その金属成分がCo100%であってもよい
が、磁気ヘッドとの当たり特性を改善するためにNiが
少量添加されてもよい。Niの添加は、いわゆるカッピ
ングに影響を与え、カッピングの改善に役立つ。特に、
Niの添加量を3〜10原子%とすると、カッピングの
改善効果により媒体ヘッド間のインターフェイスが改善
され、回転ドラムを用いた磁気記録システムにおいて優
れた電磁変換特性を示す。
【0018】従って、上記Co−O系垂直磁化膜は、 (Co1-X NiX 1-m m (但し、0.03≦X≦0.10,0.10≦m≦0.
30)なる組成とすることが好ましい。
【0019】また、このようなCo−O系垂直磁化膜に
おいては、磁化容易軸の方向を膜面に対して完全な垂直
方向とするのではなく、形状磁気異方性を取り除いた、
いわゆるイントリンシック(intorinsic)な磁化容易軸
方向Eが、磁性層の法線方向Yに対して10°〜40°
傾くように設定されることが好ましい。即ち、磁化容易
軸方向Eと法線方向Yのなす角θE を10°≦θE ≦4
0°の範囲に設定することが好ましい。これは、θE
10°未満であるとダイパレス比が大きくなり、逆にθ
E が40°を越えると垂直磁気記録の利点が失われるこ
とによる。
【0020】このようにCo−O系垂直磁化膜の磁化容
易軸方向Eを法線方向Yに対して傾けるには、例えばC
o−O系垂直磁化膜が蒸着によって成膜される場合に
は、その蒸着の際に蒸気流の入射角の範囲を入射角制限
マスク等によって調節すればよい。
【0021】さらに、本発明の磁気記録媒体は、入力デ
ィジタル画像信号を複数の画素データからなるブロック
単位のデータに変換してブロック化し、該ブロック化さ
れたデータをブロック単位に圧縮符号化し、該圧縮符号
化されたデータをチャンネル符号化することによって得
られるチャンネル符号化データが回転ドラムに装着され
た磁気ヘッドにより記録されるようなものに適用して好
適である。
【0022】本発明のようにベアリングカーブとヒスト
グラムにより表面粗さを管理した磁気記録媒体は、電磁
変換特性やスチル耐久性に優れた高密度記録が可能なも
のとなるため、上述のようにディジタルVTR等に用い
て好適なものとなるのである。
【0023】また、他の本発明は磁気記録媒体の評価方
法である。即ち、非磁性支持体上に金属磁性薄膜よりな
る磁性層を有する磁気記録媒体について、非磁性支持体
表面のベアリングカーブ及びその微分曲線より得られる
ヒストグラムを調べることにより、電磁変換特性及びス
チル耐久性を予測することを特徴とするものである。
【0024】本発明の評価方法を上述した金属磁性薄膜
型の磁気記録媒体に適用すると、その媒体の有する電磁
変換特性とスチル耐久性を容易に予測することができる
ために優れた特性の磁気記録媒体を設計するのに大いに
役立つ。
【0025】
【作用】非磁性支持体上に微細な表面突起を多数形成す
ることにより、この非磁性支持体上に形成される磁性層
の表面がごく微細な凹凸とされる。この時、上記磁性層
は金属性薄膜からなるので、上記表面突起が非常に微細
なサイズであっても、その形状が確実に上記磁性層の表
面に反映される。これにより、磁気ヘッドを摺接させた
際に、上記磁性層の表面は磁気ヘッドに対して多数の点
で接触するようになるので、摩擦係数が低減され、走行
耐久性が向上する。またこの時、上記表面突起を均一に
形成することにより、上記磁性層の表面と磁気ヘッド間
の距離が安定に保たれるので、スペーシングロスによる
電磁変換特性の劣化が抑えられる。
【0026】ベアリングカーブ50%値Rb とヒストグ
ラムのピーク値Rhpといった2つのパラメータは、媒体
の電磁変換特性及びスチル耐久性と良好な相関関係を示
す。従って、これら2つのパラメータを用いて上記非磁
性支持体の表面粗さを表すことにより、電磁変換特性と
スチル耐久性がある程度推測される。
【0027】よって、上述のベアリングカーブ50%値
Rb とヒストグラムのピーク値Rhpを規制してやること
によって、電磁変換特性及びスチル耐久性に優れた磁気
記録媒体を提供することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を適応した具体的な実施例を実
験結果に基づいて説明する。
【0029】先ず、Co−O系垂直磁気記録媒体を以下
のようにして作製した。長尺状高分子フィルムとして
は、内添粒子を有しない膜厚9.0μmのポリアミドフ
ィルムを用いた。粒径120 のSiO2 粒子をイソプ
ロピルアルコールに0.001〜0.012で分散後、
結合剤となる0.02重量%のアクリル系ポリマーを混
合させた。これを上記フィルムに塗布することにより突
起を形成した。
【0030】次に、図2に示すような真空蒸着装置を用
いて、突起が設けられた上記フィルム上にCo95Ni5
を酸素中にて蒸着させ、Co−O系蒸着を形成した。
【0031】この真空蒸着装置は、排気系2によって高
真空に保たれる真空チャンバ1内の略中央部に冷却キャ
ン3を配置するとともに、この冷却キャン3よりも上方
位置に巻き出しロール4及び巻き取りロール5を配置し
てなるものである。したがって、ベースフィルムBは、
巻き出しロール4から冷却キャン3へと送り出され、冷
却キャン3に沿って走行することによってCo−O系垂
直磁化膜が製膜された後、巻き取りロール5に巻き取ら
れる。
【0032】一方、冷却キャン3の下方位置には、Co
−Ni合金等からなる蒸発源6が対向配置されるととも
に、蒸発源6の斜め上方には電子銃7が設置され、前記
蒸発源6を電子銃7からの電子ビームの照射により加熱
して蒸発せしめるように構成されている。また、前記蒸
発源6と冷却キャン3の間には、蒸気流中に酸素を混入
し膜中に酸素を導入するための酸素導入管8が配置され
ており、任意に酸素導入ガス量を制御してベースフィル
ムB上に噴射し、蒸発されたCo−O系垂直磁化膜中の
酸素濃度を制御できるようになされている。
【0033】冷却キャン3の近傍には蒸発源6から飛来
する蒸気流の入射角度を規制するための一対の入射角制
限マスク9,10が設置されている。したがって、製膜
の際の最高入射角θ1 及び最低入射角θ2 は、これら入
射角制限マスク9,10間の開口位置によって決まる。
【0034】上述の連続巻き取り式蒸着装置を使用し
て、電磁銃加熱蒸発源よりCoNi合金を蒸発させ、蒸
着中真空チャンバ内に酸素ガスを導入しながら連続的に
長尺状高分子フィルム上に部分的に酸化されたCoNi
合金膜を形成し、金属薄膜型磁気テープを作製した。C
oNi合金の蒸着入射ビームは、入射角制限マスクを設
置することにより任意に蒸着入射角の範囲を設定するこ
とができ、ここではθ1 =40°、θ2 =10°とし
た。
【0035】このようにして作製された長尺状媒体の金
属薄膜を蒸着させた面と反対側の面には、カーボン及び
ウレタンバインダーよりなるバックコート剤を塗布し、
さらに金属薄膜を蒸着させた面には、パーフルポリエー
テルをトップコート剤として塗布した。そしてこの長尺
状媒体を8mm幅に裁断することによって、サンプルテ
ープBを作成した。
【0036】さらに、ベースフィルムに下塗りするポリ
マー中のSiO2 粒子の量を少なくした以外はサンプル
テープBと同様にしてサンプルテープAを、SiO2
子の量を多くした以外は同様にしてサンプルテープC〜
Gを作成した。
【0037】実験1 上述のようにして得られたサンプルテープについて、表
面粗さと特性を調べることにする。先ず、走査型電子顕
微鏡による観察と解析により2.0nm以上の突起をカ
ウントして突起密度を求めた。
【0038】次に、ディジタル・インスツルメンツ社製
の原子間力顕微鏡により、サンプルテープの表面を観察
し、得られた情報ををオフライン処理することによって
ベアリングカーブ50%値Rb とヒストグラムのピーク
値Rhpを解析した。原子間力顕微鏡の測定条件は以下の
通りである。 スキャンサイズ : 6μm×6μm サンプリングポイント数 : 400ポイント/6μm
× 400ポイント/6μm (計 16000
0ポイント) スキャンレイト : 1.02Hz
【0039】さらに、このサンプルテープの再生出力と
スチル耐久時間を測定することにより、電磁変換特性と
スチル耐久性を評価した。再生出力は、ソニー社製のE
VS−900改造機(商品名)を用い、実走行状態で7
MHz単一周波数の記録再生を行った時の出力で評価し
た。スチル耐久時間は、ソニー社製のEV−S350改
造機(商品名)を用い、スチル状態でスタート時の出力
から3dB低下した時間で評価した。
【0040】そして、サンプルテープA〜Gの突起密
度、ベアリングカーブ50%値Rb 、ヒストグラムのピ
ーク値Rhpを表1に、これらサンプルの再生出力とスチ
ル耐久時間は表2に示す。但し、再生出力は、サンプル
テープBの出力C/Nを0dBとした相対値で示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】突起密度が小さいサンプルテープAは電磁
変換特性には優れるがスチル耐久性に問題があり、逆に
突起密度が大きいサンプルテープGはスチル耐久性には
優れているが電磁変換特性が劣っていることがわかる。
また、RbとRhpに着目すると、60分以上のスチル耐
久時間を得るにはベアリングカーブ50%値Rb が5.
0nm以上必要であり、出力を安定して得るためにはヒ
ストグラムのピーク値Rhpが8.0nm以下、ベアリン
グカーブ50%値Rb が17.0nm以下でなければな
らないことがわかる。
【0044】実験2 次に、同上のサンプルテープA〜Gについて、Ra(中
心線平均粗さ)とRz(十点平均粗さ)を測定した。上
記Ra(中心線平均粗さ)とRz(十点平均粗さ)の測
定には、ランクテーラーボブソン社製のタリステップ
(2次元表面粗さ)測定機を用いた。
【0045】測定条件は以下の通りである。 スキャンサイズ(計測長) : 0.5mm 倍率 : 縦 100,000倍 、 横 2,000
倍 計測速度 : 0.025mm/sec フィルター : 0.33Hz 針先 : 0.2μm×0.2μm(正方形)
【0046】表3にRa(中心線平均粗さ)とRz(十
点平均粗さ)を測定した結果を示す。
【0047】
【表3】
【0048】測定結果を分析したところ、タリステップ
からの測定値であるRa(中心線平均粗さ)とRz(十
点平均粗さ)は電磁変換特性やスチル耐久性とは相関関
係が見られなかった。
【0049】ここで、Ra(中心線平均粗さ)やRz
(十点平均粗さ)と突起密度との関係を図3に示し、ベ
アリングカーブ50%値Rb やヒストグラムのピーク値
Rhpと突起密度との関係を図4に示す。両図を比較する
と、RbやRhpの値は略直線上に並ぶ等、RaやRzの
値より突起密度との相関関係が強いことがわかる。
【0050】突起密度が電磁変換特性やスチル耐久性と
どのような関係にあるのか調べるため、サンプルテープ
A〜Gの突起密度に対して電磁変換特性とスチル耐久性
の値をプロットしてみると図5のようになり、電磁変換
特性及びスチル耐久性は突起密度の変化により連続的に
変位することがわかる。これより、サンプルテープの突
起密度を測定してやれば、電磁変換特性とスチル耐久性
の値が予測できることがわかった。
【0051】しかしながら、突起密度の測定は上述した
ように走査型電子顕微鏡による観察と解析により2.0
nm以上の突起をカウントして求めたものであるため、
大変に手間がかかり、電磁変換特性やスチル耐久性の値
の予測に用いるには実用的ではない。よって、突起密度
と良好な相関関係を有するベアリングカーブ50%値R
bとヒストグラムのピーク値Rhpにより、電磁変換特性
とスチル耐久性の値を予測する方法は大変優れたもので
あるといえる。
【0052】以上のような本発明の磁気記録媒体は、次
のようなシステムに適用すると、媒体の表面性の向上に
より優れた電磁変換特性とスチル耐久性の両方を確保す
ることができ、良好な結果を期待することができる。
【0053】A.記録再生装置の構成 カラービデオ信号をディジタル化して磁気テープ等の記
録媒体に記録するディジタルVTRとしては、放送局用
のD1フォーマットのコンポーネント形ディジタルVT
R及びD2フォーマットのコンポジット形ディジタルV
TRが実用化されている。
【0054】前者のD1フォーマットディジタルVTR
は、輝度信号及び第1,第2の色差信号をそれぞれ1
3.5MHz、6.75MHzのサンプリング周波数で
A/D変換した後、所定の信号処理を行って磁気テープ
上に記録するもので、これらコンポーネント成分のサン
プリング周波数が4:2:2であることから、4:2:
2方式とも称されている。
【0055】一方、後者のD2フォーマットディジタル
VTRは、コンポジットカラービデオ信号をカラー副搬
送波信号の周波数の4倍の周波数の信号でサンプリング
を行ってA/D変換し、所定の信号処理を行った後、磁
気テープに記録するようにしている。
【0056】いずれにしても、これらのディジタルVT
Rは、共に放送局用に使用されることを前提に設計され
ているために、画質最優先とされ、1サンプルが例えば
8ビットにA/D変換されたディジタルカラービデオ信
号を実質的に圧縮することなしに記録するようになされ
ている。したがって、例えばD1フォーマットのディジ
タルVTRでは、大型のカセットテープを使用しても高
々1.5時間程度の再生時間しか得られず、一般家庭用
のVTRとして使用するには不適当である。
【0057】そこで、ここでは、例えば5μmのトラッ
ク幅に対して最短波長0.5μmの信号を記録するよう
にし、記録密度4×105 bit/mm2 以上、あるいは
8×105 bit/mm2 以上を実現するとともに、記録
情報を再生歪みが少ないような形で圧縮する方法を併用
することによって、テープ幅が8mmあるいはそれ以下の
幅狭の磁気テープを使用しても長時間の記録・再生が可
能なディジタルVTRに適用するものとする。
【0058】以下、このディジタルVTRの構成につい
て説明する。
【0059】a.信号処理部 先ず、本実施例において用いたディジタルVTRの信号
処理部について説明する。図6は記録側の構成全体を示
すものであり、31Y、31U、31Vでそれぞれ示す
入力端子に、例えばカラービデオカメラからの三原色信
号R,G,Bから形成されたディジタル輝度信号Y、デ
ィジタル色差信号U、Vが供給される。この場合、各信
号のクロックレートはD1フォーマットの各コンポーネ
ント信号の周波数と同一とされる。すなわち、それぞれ
のサンプリング周波数が13.5MHz、6.75MH
zとされ、且つこれらの1サンプル当たりのビット数が
8ビットとされている。したがって、入力端子31Y、
31U、31Vに供給される信号のデータ量としては、
約216Mbpsとなる。この信号のうちブランキング
時間のデータを除去し、有効領域の情報のみを取り出す
有効情報抽出回路32によってデータ量が約167Mb
psに圧縮される。
【0060】そして、上記有効情報抽出回路32の出力
のうちの輝度信号Yが周波数変換回路33に供給され、
サンプリング周波数が13.5MHzからその3/4に
変換される。周波数変換回路33としては、例えば間引
きフィルタが使用され、折り返し歪みが生じないように
なされている。この周波数変換回路33の出力信号は、
ブロック化回路35に供給され、輝度データの順序がブ
ロックの順序に変換される。ブロック化回路35は、後
段に設けられたブロック符号化回路38のために設けら
れている。
【0061】図8は、符号化の単位のブロックの構造を
示す。この例は、3次元ブロックであって、例えば2フ
レームに跨がる画面を分割することにより、同図に示す
ように(4ライン×4画素×2フレーム)の単位ブロッ
クが多数形成される。なお、図8において実線は奇数フ
ィールドのラインを示し、破線は偶数フィールドのライ
ンを示す。
【0062】また、有効情報抽出回路32の出力のう
ち、2つの色差信号U、Vがサブサンプリング及びサブ
ライン回路34に供給され、サンプリング周波数がそれ
ぞれ6.75MHzからその半分に変換された後、2つ
のディジタル色差信号が互いにライン毎に選択され、1
チャンネルのデータに合成される。したがって、このサ
ブサンプリング及びサブライン回路34からは線順次化
されたディジタル色差信号が得られる。このサブサンプ
リング及びサブライン回路34によってサブサンプル及
びサブライン化された信号の画素構成を図9に示す。図
9中、○は第1の色差信号Uのサブサンプリング画素を
示し、△は第2の色素信号Vのサンプリング画素を示
し、×はサブサンプルによって間引かれた画素の位置を
示す。
【0063】上記サブサンプリング及びサブライン回路
34からの線順次化出力信号は、ブロック化回路36に
供給される。ブロック化回路36では一方のブロック化
回路35と同様に、テレビジョン信号の走査の順序の色
差データがブロックの順序のデータに変換される。この
ブロック化回路36は、一方のブロック化回路35と同
様に、色差データを(4ライン×4画素×2フレーム)
のブロック構造に変換する。そしてこれらブロック化回
路35及びブロック化回路36の出力信号が合成回路3
7に供給される。
【0064】合成回路37では、ブロックの順序に変換
された輝度信号及び色差信号が1チャンネルのデータに
変換され、この合成回路37の出力信号がブロック符号
化回路38に供給される。ブロック符号化回路38とし
ては、後述するようにブロック毎のダイナミックレンジ
に適応した符号化回路(ADRCと称する。)、DCT
(Discrete Cosine Transfor
m)回路等が適用できる。前記ブロック符号化回路38
からの出力信号は、さらにフレーム化回路39に供給さ
れ、フレーム構造のデータに変換される。このフレーム
化回路39では、画素系のクロックと記録系のクロック
との乗り換えが行われる。
【0065】次いで、フレーム化回路39の出力信号が
エラー訂正符号のパリティ発生回路40に供給され、エ
ラー訂正符号のパリティが生成される。パリティ発生回
路40の出力信号はチャンネルエンコーダ41に供給さ
れ、記録データの低域部分を減少させるようなチャンネ
ルコーディングがなされる。チャンネルエンコーダ41
の出力信号が記録アンプ42A,42Bと回転トランス
(図示は省略する。)を介して一対の磁気ヘッド43
A,43Bに供給され、磁気テープに記録される。な
お、オーディオ信号と、ビデオ信号とは別に圧縮符号化
され、チャンネルエンコーダ41に供給される。
【0066】上述の信号処理によって、入力のデータ量
216Mbpsが有効走査期間のみを抽出するによって
約167Mbpsに低減され、さらに周波数変換とサブ
サンプル、サブラインとによってこれが84Mbpsに
減少される。このデータは、ブロック符号化回路38で
圧縮符号化することにより、約25Mbpsに圧縮さ
れ、その後のパリティ、オーディオ信号等の付加的な情
報を加えて、記録データ量としては31.56Mbps
となる。
【0067】次に、再生側の構成について図7を参照し
ながら説明する。再生の際には、図7に示すように、先
ず磁気ヘッド43A,43Bからの再生データが回転ト
ランス及び再生アンプ44A,44Bを介してチャンネ
ルデコーダ45に供給される。チャンネルデコーダ45
において、チャンネルコーディングの復調がされ、チャ
ンネルデコーダ45の出力信号がTBC回路(時間軸補
正回路)46に供給される。このTBC回路46におい
て、再生信号の時間軸変動成分が除去される。TBC回
路46からの再生データがECC回路47に供給され、
エラー訂正符号を用いたエラー訂正とエラー修整とが行
われる。ECC回路47の出力信号がフレーム分解回路
48に供給される。
【0068】フレーム分解回路48によって、ブロック
符号化データの各成分がそれぞれ分離されるとともに、
記録系のクロックから画素系のクロックへの乗り換えが
なされる。フレーム分解回路48で分離された各データ
がブロック複号回路49に供給され、各ブロック単位に
原データと対応する復元データが複号され、複号データ
が分配回路50に供給される。この分配回路50で複号
データが輝度信号と色差信号に分離される。輝度信号及
び色差信号がブロック分解回路51,52にそれぞれ供
給される。ブロック分解回路51,52は、送信側のブ
ロック化回路35,36とは逆に、ブロックの順序の複
号データをラスター走査の順に変換する。
【0069】ブロック分解回路51からの複号輝度信号
が補間フィルタ53に供給される。補間フィルタ53で
は、輝度信号のサンプリングレートが3fsから4fs
(4fs=13.5MHz)に変換される。補間フィル
タ53からのディジタル輝度信号Yは出力端子56Yに
取り出される。
【0070】一方、ブロック分解回路52からのディジ
タル色差信号が分配回路54に供給され、線順次化され
たディジタル色差信号U,Vがディジタル色差信号U及
びVにそれぞれ分離される。分配回路54からのディジ
タル色差信号U,Vが補間回路55に供給され、それぞ
れ補間される。補間回路55は、復元された画素データ
を用いて間引かれたライン及び画素のデータを補間する
もので、補間回路55からはサンプリングレートが2f
sのディジタル色差信号U及びVが得られ、出力端子5
6U,56Vにそれぞれ取り出される。
【0071】b.ブロック符号化 図6におけるブロック符号化回路38としては、ADR
C(AdaptiveDynamic Range C
oding)エンコーダが用いられる。このADRCエ
ンコーダは、各ブロックに含まれる複数の画素データの
最大値MAXと最小値MINを検出し、これら最大値M
AX及び最小値MINからブロックのダイナミックレン
ジDRを検出し、このダイナミックレンジDRに適応し
た符号化を行い、原画素データのビット数よりも少ない
ビット数により、再量子化を行うものである。ブロック
符号化回路38の他の例としては、各ブロックの画素デ
ータをDCT(Discrete Cosine Tr
ansform)した後、このDCTで得られた係数デ
ータを量子化し、量子化データをランレングス・ハフマ
ン符号化して圧縮符号化する構成を用いてもよい。
【0072】ここでは、ADRCエンコーダを用い、さ
らにマルチダビングした時にも画質劣化が生じないエン
コーダの例を図10を参照しながら説明する。図10に
おいて、入力端子57に例えば1サンプルが8ビットに
量子化されたディジタルビデオ信号(或いはディジタル
色差信号)が図6の合成回路37より入力される。入力
端子57からのブロック化データが最大値,最小値検出
回路59及び遅延回路60に供給される。最大値,最小
値検出回路59は、ブロック毎に最小値MIN、最大値
MAXを検出する。遅延回路60からは、最大値及び最
小値が検出されるのに要する時間、入力データを遅延さ
せる。遅延回路60からの画素データが比較回路61及
び比較回路62に供給される。
【0073】最大値,最小値検出回路59からの最大値
MAXが減算回路63に供給され、最小値MINが加算
回路64に供給される。これらの減算回路63及び加算
回路64には、ビットシフト回路65から4ビット固定
長でノンエッジマッチング量子化した場合の1量子化ス
テップ幅の値(△=1/16DR)が供給される。ビッ
トシフト回路65は、(1/16)の割算を行うよう
に、ダイナミックレンジDRを4ビットシフトする構成
とされている。減算回路63からは(MAX−△)のし
きい値が得られ、加算回路64からは(MIN+△)の
しきい値が得られる。これらの減算回路63及び加算回
路64からのしきい値が比較回路61,62にそれぞれ
供給される。なお、このしきい値を規定する値△は、量
子化ステップ幅に限らず、ノイズレベルに相当する固定
値としてもよい。
【0074】比較回路61の出力信号がANDゲート6
6に供給され、比較回路62の出力信号がANDゲート
67に供給される。ANDゲート66及びANDゲート
67には、遅延回路60からの入力データが供給され
る。比較回路61の出力信号は、入力データがしきい値
より大きい時にハイレベルとなり、したがってANDゲ
ート66の出力端子には、(MAX〜MAX−△)の最
大レベル範囲に含まれる入力データの画素データが抽出
される。一方、比較回路62の出力信号は、入力データ
がしきい値より小さい時にハイレベルとなり、したがっ
てANDゲート67の出力端子には、(MIN〜MIN
+△)の最小レベル範囲に含まれる入力データの画素デ
ータが抽出される。
【0075】ANDゲート66の出力信号が平均化回路
68に供給され、ANDゲート67の出力信号が平均化
回路69に供給される。これらの平均化回路68,69
は、ブロック毎に平均値を算出するもので、端子70か
らブロック周期のリセット信号が平均化回路68,69
に供給されている。平均化回路68からは、(MAX〜
MAX−△)の最大レベル範囲に属する画素データの平
均値MAX´が得られ、平均化回路69からは(MIN
〜MIN+△)の最小レベル範囲に属する画素データの
平均値MIN´が得られる。平均値MAX´から平均値
MIN´が減算回路71で減算され、この減算回路71
からダイナミックレンジDR´が得られる。
【0076】また、平均値MIN´が減算回路72に供
給され、遅延回路73を介された入力データから平均値
MIN´が減算回路72において減算され、最小値除去
後のデータPDIが形成される。このデータPDI及び
修整されたダイナミックレンジDR´が量子化回路74
に供給される。この実施例では、量子化に割り当てられ
るビット数nが0ビット(コード信号を転送しない)、
1ビット、2ビット、3ビット、4ビットの何れかとさ
れる可変長のADRCであって、エッジマッチング量子
化がなされる。割り当てビット数nは、ブロック毎にビ
ット数決定回路75において決定され、ビット数nのデ
ータが量子化回路74に供給される。
【0077】可変長ADRCは、ダイナミックレンジD
R´が小さいブロックでは、割り当てビット数nを少な
くし、ダイナミックレンジDR´が大きいブロックで
は、割り当てビット数nを多くすることで、効率の良い
符号化を行うことができる。すなわち、ビット数nを決
定する際のしきい値をT1〜T4(T1<T2<T3<
T4)とすると、(DR´<T1)のブロックは、コー
ド信号が転送されず、ダイナミックレンジDR´の情報
のみが転送され、(T1≦DR´<T2)のブロック
は、(n=1)とされ、(T2≦DR´<T3)のブロ
ックは、(n=2)とされ、(T3≦DR´<T4)の
ブロックは、(n=3)とされ、(DR´≧T4)のブ
ロックは、(n=4)とされる。
【0078】かかる可変長ADRCではしきい値T1〜
T4を変えることで、発生情報量を制御すること(いわ
ゆるバッファリング)ができる。したがって、1フィー
ルド或いは、1フレーム当たりの発生情報量を所定値に
することが要求されるこの発明のディジタルビデオテー
プレコーダのような伝送路に対しても可変長ADRCを
適用できる。
【0079】発生情報量を所定値にするためのしきい値
T1〜T4を決定するバッファリング回路76では、し
きい値の組(T1、T2、T3、T4)が複数例えば3
2組用意されており、これらのしきい値の組がパラメー
タコードPi(i=0、1、2・・・・31)により区
別される。パラメータコードPiの番号iが大きくなる
に従って、発生情報量が単調に減少するように設定され
ている。ただし、発生情報量が減少するに従って、復元
画像の画質が劣化する。
【0080】バッファリング回路76からのしきい値T
1〜T4が比較回路77に供給され、遅延回路78を介
されたダイナミックレンジDR´が比較回路77に供給
される。遅延回路78は、バッファリング回路76でし
きい値の組が決定されるのに要する時間、DR´を遅延
させる。比較回路77では、ブロックのダイナミックレ
ンジDR´と各しきい値とがそれぞれ比較され、比較出
力がビット数決定回路75に供給され、そのブロックの
割り当てビット数nが決定される。量子化回路74で
は、ダイナミックレンジDR´と割り当てビット数nと
を用いて遅延回路79を介された最小値除去後のデータ
PDIがエッジマッチングの量子化により、コード信号
DTに変換される。量子化回路74は、例えばROMで
構成されている。
【0081】遅延回路78、80をそれぞれ介して修整
されたダイナミックレンジDR´、平均値MIN´が出
力され、さらにコード信号DTとしきい値の組を示すパ
ラメータコードPiが出力される。この例では、一旦ノ
ンエッジマッチ量子化された信号が新たにダイナミック
レンジ情報に基づいて、エッジマッチ量子化されている
ためにダビングした時の画像劣化は少ないものとされ
る。
【0082】c.チャンネルエンコーダ及びチャンネル
デコーダ 次に、図6のチャンネルエンコーダ41及びチャンネル
デコーダ45について説明する。チャンネルエンコーダ
41においては、図11に示すように、パリティ発生回
路40の出力が供給される適応型スクランブル回路で、
複数のM系列のスクランブル回路81が用意され、その
中で入力信号に対し最も高周波成分及び直流成分の少な
い出力が得られるようなM系列が選択されるように構成
されている。パーシャルレスポンス・クラス4検出方式
のためのプリコーダ82で、1/1−D2(Dは単位遅
延用回路)の演算処理がなされる。このプリコーダ82
の出力を記録アンプ42A,42Bを介して磁気ヘッド
43A,43Bにより、記録再生し、再生出力を再生ア
ンプ44A,44Bによって増幅するようになされてい
る。
【0083】一方、チャンネルデコーダ45において
は、図12に示すように、パーシャルレスポンス・クラ
ス4の再生側の演算処理回路83は、1+Dの演算が再
生アンプ44A,44Bの出力に対して行われる。ま
た、いわゆるビタビ複号回路84においては、演算処理
回路83の出力に対してデータの相関性や確からしさ等
を用いた演算により、ノイズに強いデータの複号が行わ
れる。このビタビ複号回路84の出力がディスクランブ
ル回路85に供給され、記録側のスクランブル処理によ
って並び変えられたデータが元の系列に戻されて原デー
タが復元される。この実施例において用いられるビタビ
複号回路84によって、ビット毎の複号を行う場合より
も、再生C/N換算が3dBで改良が得られる。
【0084】d.走行系 磁気ヘッド43A及び磁気ヘッド43Bは、図13に示
すように、一体構造とされた形でドラム86に取付けら
れる。ドラム86の周面には、180°よりやや大きい
か、あるいはやや小さい巻き付け角で磁気テープ(図示
せず。)が斜めに巻き付けられており、磁気ヘッド43
A及び磁気ヘッド43Bが同時に磁気テープを走査する
ように構成される。
【0085】また、前記磁気ヘッド43A及び磁気ヘッ
ド43Bのギャップの向きは、互いに反対側に傾くよう
に(例えば磁気ヘッド43Aはトラック幅方向に対して
+20°、磁気ヘッド43Bは−20°傾斜するよう
に)設定されており、再生時にいわゆるアジマス損失に
よって隣接トラック間のクロストーク量を低減するよう
になされている。
【0086】図14及び図15は、磁気ヘッド43A,
43Bを一体構造(いわゆるダブルアジマスヘッド)と
した場合のより具体的な構成を示すもので、例えば高速
で回転される上ドラム86に一体構造の磁気ヘッド43
A,43Bが取り付けられ、下ドラム87が固定とされ
ている。ここで、磁気テープ88の巻き付け角θは16
6°、ドラム径φは16.5mmである。
【0087】したがって、磁気テープ88には、1フィ
ールドのデータが5本のトラックに分割して記録され
る。このセグメント方式により、トラックの長さを短く
することができ、トラックの直線性に起因するエラーを
小さくすることができる。
【0088】上述のように、ダブルアジマスヘッドで同
時記録を行うようにすることで、180°の対向角度で
一対の磁気ヘッドが配置されたものと比較して直線性に
起因するエラー量を小さくすることができ、またヘッド
間距離が小さいのでペアリング調整をより正確に行うこ
とができる。したがって、このような走行系により、幅
狭のトラックで記録・再生を行うことができる。
【0089】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、非磁
性支持体上に形成する表面突起のベアリングカーブ50
%値Rb とヒストグラムのピーク値Rhpは磁気記録媒体
が有する電磁変換特性やスチル耐久性の値と良好な相関
関係を示すので、本発明は磁気記録媒体の特性を予測す
る評価方法として優れたものであるといえる。
【0090】また、磁気記録媒体の非磁性支持体上に形
成する表面突起をベアリングカーブ50%値Rb とヒス
トグラムのピーク値Rhpによって規制することによっ
て、電磁変換特性やスチル耐久性を適切に制御すること
ができるので、良好な電磁変換特性を確保しつつ耐久性
にも優れた磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗さ曲線とベアリングカーブ及びヒストグラム
の一例を示す特性図である。
【図2】本発明を適用した磁気記録媒体を製造する際に
使用される真空蒸着装置の構成例を示す模式図である。
【図3】突起密度と表面粗さ(Ra,Rz)との関係を
示す特性図である。
【図4】突起密度と表面粗さ(Rb,Rhp)との関係を
示す特性図である。
【図5】突起密度と電磁変換特性及びスチル耐久性との
関係を示す特性図である。
【図6】ディジタル画像信号を再生歪みが少ないような
形で圧縮して記録するディジタルVTRの信号処理部の
記録側の構成を示すブロック図である。
【図7】信号処理部の再生側の構成を示すブロック図で
ある。
【図8】ブロック符号化のためのブロックの一例を示す
略線図である。
【図9】サブサンプリング及びサブラインの説明のため
の略線図である。
【図10】ブロック符号化回路の一例を示すブロック図
である。
【図11】チャンネルエンコーダの一例の概略を示すブ
ロック図である。
【図12】チャンネルデコーダの一例の概略を示すブロ
ック図である。
【図13】磁気ヘッドの配置の一例を模式的に示す平面
図である。
【図14】回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付
け状態を示す平面図である。
【図15】回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付
け状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・真空チャンバ 2・・・排気系 3・・・冷却キャン 4・・・巻き出しロール 5・・・巻き取りロール 6・・・蒸発源 7・・・電子銃 8・・・酸素導入管 9,10・・・入射角制限マスク
フロントページの続き (72)発明者 千葉 一信 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜よりなる
    磁性層を有する磁気記録媒体において、 表面突起が設けられてなる上記非磁性支持体の表面は、
    ベアリングカーブ50%値及びベアリングカーブの微分
    曲線より得られるヒストグラムのピーク値により規制さ
    れたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体の表面のベアリングカーブ
    50%値が5.0nm〜17.0nmであり、且つヒス
    トグラムのピーク値が4.5nm〜8.0nmであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 金属磁性薄膜が(Co1-X NiX 1-m
    m (但し、0.03≦X≦0.10,0.10≦m≦
    0.30)なる組成のCo−O系垂直磁化膜であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 入力ディジタル画像信号を複数の画素デ
    ータからなるブロック単位のデータに変換してブロック
    化し、該ブロック化されたデータをブロック単位に圧縮
    符号化し、該圧縮符号化されたデータをチャンネル符号
    化することによって得られるチャンネル符号化データが
    回転ドラムに装着された磁気ヘッドにより記録されるこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜よりなる
    磁性層を有する磁気記録媒体について、非磁性支持体表
    面のベアリングカーブ及びその微分曲線より得られるヒ
    ストグラムを調べることにより、電磁変換特性及びスチ
    ル耐久性を予測することを特徴とする磁気記録媒体の評
    価方法。
JP34952192A 1992-07-31 1992-12-28 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の評価方法 Withdrawn JPH0696434A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022209935A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 ソニーグループ株式会社 磁気記録媒体

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WO2022209935A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 ソニーグループ株式会社 磁気記録媒体

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