JPH0696385A

JPH0696385A - 画像式信号無視車検出方法及び装置

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Publication number: JPH0696385A
Application number: JP26813792A
Authority: JP
Inventors: Osamu Shimizu; 修清水
Original assignee: Nippon Signal Co Ltd
Current assignee: Nippon Signal Co Ltd
Priority date: 1992-09-10
Filing date: 1992-09-10
Publication date: 1994-04-08
Anticipated expiration: 2016-11-05
Also published as: JP3224875B2

Abstract

(57)【要約】【構成】撮像手段(10)により交差点(CR)の直進路片側
分を含む画像中で道路直交方向に設定された一対の計測
ライン(Ai,Bi) 上の複数の計測点(PAij,PBij) に対応す
る輝度レベル(CAij,CBij) を順次得て、交差点信号機(S
G)が赤信号を現示中に基準路面データ(DAr,DBr) と比較
して、流入路側の第１計測ライン(Ai)上に車両対応点を
検出してから所定時間以内に流出路側の第２計測ライン
(Bi)上に車両対応点を検出した場合に信号無視車両と判
定する。また、静止画像として記録する。夜間には赤外
線照明装置(80)を駆動する。【効果】信号無視車のみを適切に検出することがで
き、夜間を含めて車番を含み画像記録することで取締り
に役立てることができ、間接的に交差点での交通事故抑
制に役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、交通事故の抑止の目的
で交差点における信号無視車両を検出し、当該車両の車
番を含む映像を記録するための画像式信号無視車検出方
法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】我国の道路交通の交通事故死者は年間１
万５千人にも達し、更に深刻化する傾向にある。交差点
での信号無視も交通事故を誘発しやすく、信号尊守を徹
底することが望まれる。しかし、一般には信号無視車両
の発見や取締りは人手によることが多く、充分な取締り
が行い難いのが現状である。

【０００３】ところで、近年確立され画像処理技術は車
両検出にも応用されているが、多数の車両が集中通過す
る交差点を対象にして信号無視車両のみを有効に検出す
る手法、装置は確立されていない。もし、画像処理装置
を用いて交差点で信号無視車両のみを自動的に確実に検
出することができれば、当該車両の車番を記録し、この
記録に基づき車両の運転者を取り締まることがができ交
差点での事故の抑制に効果がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本願発明は、上述のよ
うな状況に鑑みて為されたもので、近年発達が目覚まし
い画像処理技術を用いて、交差点での信号無視車両を検
知する方法及び信号無視車両の車番を含む映像を適切な
撮影（撮像）位置で記録する方法と、このための装置を
新たに提案することを目的としている。これにより、信
号無視車両に違反時に警告を与えたり、後日に取り締ま
る等の対応をとることができ、交差点での事故抑制に効
果がある。併せて、特に夜間において信号無視車両を適
切に判別して検出し、照明を用いて所定撮像位置で違反
車（の車番）を撮像する方法についても提案する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題解決のため、本
願第一発明の画像式信号無視車検出方法では、撮像手段
(10)により交差点(CR)の直進路片側分を含む領域を流出
路側から撮像して対応する映像信号を得て、画像中で前
記直進路に略直交する方向に設定された一対の計測ライ
ン(Ai,Bi) 上の複数の計測点(PAij,PBij) 夫々に対応す
る映像信号中の時間的位置夫々での輝度レベル(CAij,CB
ij) からなる１フィールド単位の輝度データ群(DAt,DB
t) を順次得て、各計測点(PAij,PBij) での路面に対応
する輝度レベル(CAij,CBij) からなる輝度データ群を所
定間隔で抽出して基準路面データ(DAr,DBr) として保持
し、輝度データ群(DAt,DBt) を前記基準路面データ(DA
r,DBr) と比較し充分な差が認められるデータを車両対
応点として検出し、前記直進路に対応する交差点信号機
(SG)が赤信号を現示中に、前記計測ラインのうちの流入
路側の第１計測ライン(Ai)上に車両対応点を検出してか
ら所定時間以内に流出路側の第２計測ライン(Bi)上に車
両対応点を検出した場合に、前記車両対応点に相当する
車両を信号無視車両と判定する。

【０００６】また、本願第二発明の画像式信号無視車検
出方法では、上記第一発明と同一の過程で信号無視車両
を検出した場合に、その時の映像信号を静止画像として
記録する。

【０００７】また、本願第三発明の画像式信号無視車検
出方法では、夜間において、上記第一発明と同一の過程
で信号無視車両を検出した場合に、赤外線照明装置(80)
を駆動し、得られた映像信号を静止画像として記録す
る。その時の映像信号を静止画像として記録する。

【０００８】本願発明の画像式信号無視車検出装置は、
交差点(CR)の直進路片側分を含む領域(AR)を流出路側か
ら撮像する撮像手段(10)と、交差点信号機(SG)の現示状
態が入力される現示入力端子を有し、前記撮像手段(10)
から入力される映像信号と交差点信号機の現示を基に、
画像処理により前記領域内の信号無視車両を検出する信
号無視車検出部(200) と、前記信号無視車検出部(200)
の出力に対応して信号無視車を含む映像を記録する画像
メモリ(70)と、夜間に、前記信号無視車検出部(200) の
出力に対応して上記記録時に信号無視車を照明する赤外
線照明装置(80)とを具備して構成される。

【０００９】

【作用】前述課題の解決のため、本願各発明の画像式信
号無視車検出方法では、撮像手段(10)により得られた交
差点の映像信号を画像処理して、交差点信号機(SG)が赤
信号を現示中に、これに対応する直進路に直交して設定
した計測ラインのうちの流入路側の第１計測ライン(Ai)
上に車両対応点を検出してから所定時間以内に流出路側
の第２計測ライン(Bi)上に車両対応点を検出した場合、
即ち赤信号に対して直進する車両を検出して信号無視車
両と判定する。直交方向に進行する正規に通行する車両
は、上述順に一対の計測ラインを通過することはないの
で信号無視車とは判定されない。第二発明方法では、同
上の信号無視車両の検出に同期して映像信号を静止画像
として記録する。従って、信号無視車の車番を含む画像
が記録され当該運転者の警告や取締りに役立つ。また、
本願第三発明方法では、夜間において、同上の信号無視
車両を検出に同期して赤外線照明装置(80)を駆動し照明
を行うことで鮮明な画像を得て静止画像として記録する
ことができる。

【００１０】

【実施例】本願発明の方法及び装置は、高解像度のＴＶ
カメラと画像処理技術を応用して、車両の移動方向を判
別し信号無視車両を検出するもので、更に同じ装置で当
該検出車両を撮像するのに最適な場所を求めてこの場所
で車番を含む画像を記録するものである。なお、夜間に
於いては同じ装置を用いて車両のヘッドライトを検出
し、近赤外光の照明装置をストロボ発光させて車番撮影
を行うことで、昼間と同等の目的を達成する。

【００１１】以下、実施例に基づき図面を用いて本願各
発明について説明する。先ず始めに、本願発明の画像式
信号無視車検出装置について説明する。図１は、本願発
明の画像式信号無視車検出装置の一実施例装置（画像式
信号無視車車番撮影装置）のブロック図を示している。

【００１２】図示の装置１００は、撮像手段であるＴＶ
カメラ１０、その映像信号と交差点の信号機からの信号
が入力され後述所定処理により信号無視車を検出する信
号無視車検出部２００、この信号無視車検出部２００の
制御下で信号無視車の車番を含む画像を記録する画像メ
モリ７０、夜間に近赤外光をストロボ発光する近赤外照
明装置８０を含み構成されている。なお、信号無視車検
出部２００には信号無視車に対し警告表示を行う警告表
示器７１が、また画像メモリ７０には記録画像を所定遠
隔地に送信するための静止画伝送装置９０が接続されて
いる。

【００１３】図２は、上述実施例装置の、信号機付交差
点ＣＲでの設置例を示す概略平面図であり、直進走行路
Ｒ１に対応する分の一組の装置のみを示している。交差
点の全流入路に対応するためには、最低でも合計４台の
ＴＶカメラ１０と４箇所の近赤外照明装置８０が必要で
あり、更に対応して一般には同数の信号無視車検出部２
００を必要とする。なお、信号無視車検出部２００（画
像処理部）は処理内容やその処理速度によっては共用で
きる場合もある。

【００１４】図示の交差点ＣＲの直進路Ｒ１に対面する
信号機ＳＧと略同位置にはＴＶカメラ１０及び２車線夫
々に対応して２個の近赤外照明器８０が、路側に立設さ
れた支柱の張出部に固定する等の適宜方法により設けら
れている。その近傍には信号無視車検出部２００が設置
されていて、赤信号時の判別のために信号機ＳＧの信号
灯の現示状態を示す適宜信号が入力されている。なお、
直進路Ｒ１は２車線で、Ｒ１ｉ₁及びＲ１ｉ₂は交差点
への流入路、Ｒ１ｏ₁及びＲ１ｏ₂は夫々直進した場合
の流出路であり、またＬＳは停止線を示している。図中
ＬＡ１、ＬＢ１、ＬＡ２、ＬＢ２等は後述する計測ライ
ンに相当する位置を示している。なお、Ｃ１₁、…、Ｃ
４₂等は夫々走行車両を示している。

【００１５】ＴＶカメラ１０は、例えばＣＣＤカメラで
あり、上述したように交差点。ＣＲの一角に設けられ上
方より図３に画像例で示すように、交差点の所定検知領
域、即ち交差点の直進路片側分を含む領域を流出路側か
ら撮像して対応するＮＴＳＣ方式の映像信号を信号無視
車検出部２００（の輝度データ変換部２０）へ送出す
る。

【００１６】信号無視車検出部２００は、映像信号を処
理して信号無視車両を判別したり、当該車両の車番を含
む前景を静止画像として記録するための指示を出す部分
である。また夜間には、近赤外線照明装置８０を適切な
タイミングでストロボ発光させるための駆動信号も送出
する。なお、この信号無視車検出部２００は、従来より
交通状況の把握等のために応用されていた画像処理に用
いているもの、例えば、本願発明者等により特開平４−
１８８００５号として提案されていて撮像手段より得た
映像信号を画像処理して車両の検出を行うものと略同様
の構成・機能を有している。従って、複数車線を走行す
る車両を対象とする場合には、車線別に個々の車両を識
別することができ、信号無視車の検出も車線別に行うこ
とができる。

【００１７】実施例でも、従来にも用いられている画像
式車両検出装置と同様に、先ず従来と類似の画像処理を
経て各計測ライン上の計測点群に対応した輝度データ群
を所定時間間隔で順次得て、これらの輝度データ群に基
づいて、車両の存在が認識される。その後、後述する所
定処理により信号無視車両が検出される。なお、信号無
視車の検出信号は警告の表示或いは画像記録等のかたち
で利用される。

【００１８】ここで、信号無視車検出部２００について
簡単に説明する。図７は、実施例の信号無視車検出部
（画像処理装置）２００の詳細なブロック図を示してお
り、先に挙げた特開平４−１８８００５号に開示の装置
に共通する部分が多い。この信号無視車検出部２００は
概略、輝度データ変換部２０、演算処理部３０及び制御
部４０から構成されている。

【００１９】前記輝度データ変換部２０は映像信号より
水平同期信号及び垂直同期信号を得る同期信号抽出回路
２１、これらの同期信号に基づいて捜査線上の現在の捜
査位置を数値化して対応する水平座標及び垂直座標を得
るための水平アドレスカウンタ２２と垂直アドレスカウ
ンタ２３、これらの出力とマイクロプロセツサ４１（後
述）が順次指定する座標とを比較し一致した瞬間に取込
み信号を発生するデジタルコンパレータ２４、この取込
み信号に応じて前記映像信号の対応する瞬間の輝度を数
値化し輝度データを得て出力するビデオＡ／Ｄ変換回路
２５からなっている。なお、入力部には伝送されてくる
映像信号を適切なレベルに増幅するビデオアンプ２７、
これに続きＡ／Ｄ変換に先立って映像信号を一定振幅に
正規化するためのクランプレベル固定回路２８も設けら
れている。

【００２０】演算処理部３０は、前記ビデオＡ／Ｄ変換
回路２５からの輝度データを受けて複数の輝度データの
平均化をしたり相関を演算したりするための回路で、高
速演算を要求されるためシグナルプロセッサ３１を用い
ておりデータの記憶に必要な記憶部も備えている。

【００２１】制御部４０は上述各部を制御するととも
に、前記演算処理部３０からのデータを受取りこれに更
に演算処理を施し、車両の存在を感知し、この車両が信
号無視車かどうかを判定したり、画像記録に最適な位置
に在るか等を決定し、各種制御信号を後続装置に出力す
る部分である。この制御部４０は、マイクロプロセツサ
４１、制御プログラムを記憶したＲＯＭ４２、データ記
憶用のＲＡＭ４３、出力用のＩ／Ｏ回路４４からなる。
４５はマイクロプロセツサ４１が他の部分とデータやア
ドレスさらに制御命令や応答信号をやりとりするＣＰＵ
バスである。

【００２２】なお、図示装置にはその他にも直流電源５
１、各部に供給されるクロック回路５２、撮像手段１０
からの映像信号のレベルが低く処理に不適切な場合に撮
像手段１０の感度を上げるための信号を送出するＤ／Ａ
変換回路５３等が具備されている。また、モニタＴＶ６
０とパソコン６１は、実際に設置された現場にこの画像
装置が適合するように、前記各計測点を設定するときに
必要となる補助機材である。なお、既掲出願の明細書に
て詳述されているので説明は省略する。

【００２３】上述装置の信号無視車検出部２００では、
後述する所定処理により信号無視車両を検出する（本願
第一発明）。こうして得られた信号無視車の検出信号
は、各種の有用な利用形態が考えられる。

【００２４】実施例装置では信号無視車検出部２００の
出力に画像メモリ７０が接続されていて、信号無視車が
撮像適正位置に達すると前記映像信号即ち車番を含む映
像を静止画像として記憶する（本願第二発明）。なお、
前記画像メモリ７０には静止画伝送装置９０が接続され
ていて、記録された静止画像を遠隔地の管制センター等
へと通信回線９１を介して送信するようになっている。
また、検出信号により警告表示器７１を駆動して運転者
に注意を喚起することもできる。

【００２５】この他、夜間には、信号無視車が撮像適正
位置に達したことを検知して近赤外発光駆動装置８１を
介して近赤外照明装置８０を動作させ信号無視車を照明
しこれに同期して信号無視車を撮像・記録する（本願第
三発明）。

【００２６】次に、上述装置を用いた本願各発明の画像
式信号無視車検出方法について説明する。なお、図６は
本願各発明方法の一実施例を示す簡略なフローチャート
である。本願各発明方法ではいずれも、例えば上述装置
を用いて、従来の画像式車両検出方法と同様に、先ず、
制御部の制御により従来と類似の画像処理を経て各計測
ライン上の計測点群に対応した輝度データ群を所定時間
間隔で順次得る。

【００２７】即ち、前記映像信号を用いて前記輝度デー
タ変換部２０により、図３に示すように画像中で横方向
に想定された夫々対となる２本の直線（検知ライン：Ｌ
Ａｉ、ＬＢｉ）上に複数の計測点（ＰＡij、ＰＢij）を
設定し、この各計測点の位置に時間的に対応する輝度信
号中の輝度レベル（ＣＡij，ＣＢij）を夫々求めて一組
としたある時点での輝度データ群をフィールド毎に順次
求める。こうした各計測点群に対応して得られた輝度デ
ータ群に基づいて、上述の信号無視車検出部２００にて
信号無視車両を検出する（本願第一発明）。検出信号は
例えば警告の表示或いは画像記録等に利用される。複数
車線を処理対象とする場合には、信号無視車の検出は車
線別に行われる。また、後述する夜間における撮像のた
めの照明も車線別に行われる。

【００２８】本願第一発明の画像式信号無視車検出方法
では、例えば上述した本願装置を用いて、先ず、一般の
画像処理と略同様に、制御部４０により制御された上記
各部分により、映像信号を用いて画像中に設定された複
数の計測点（ＰＡij、ＰＢij）に時間的に対応する輝度
信号中の輝度レベル（ＣＡij，ＣＢij）を夫々求めて一
組とした輝度データ群（ＤＡt 、ＤＢｔ）をフィールド
毎に順次求める。この間の過程は従来と同様であるが、
以下略記する。

【００２９】先ず、撮像手段１０（ＣＣＤカメラ）にて
図１に示すごとく所定の交差点等の検知領域の画像を撮
像して対応するＮＴＳＣ方式の映像信号を輝度データ変
換部２０へ送出する。なお、この検知領域に対応して図
３に示すように例えばＬＡ１，ＬＡ２、…、と複数の計
測ラインが対にして設定され、各計測ライン上に所定間
隔で夫々複数個の計測ポイント（ＰＡij、ＰＢij）が設
定( 想定) されている。

【００３０】前記輝度データ変換部２０では同期信号抽
出回路２１に依り映像信号より水平同期信号及び垂直同
期信号を得る。これらの同期信号に基づいて水平アドレ
スカウンタ２２と垂直アドレスカウンタ２３が動作し、
捜査線上の現在の捜査位置を次々と示していく。これら
の出力とマイクロプロセツサ４１が指定する各座標とが
比較され一致した瞬間にデジタルコンパレータ２４が取
込み信号を発生する。この取込み信号に応じてビデオＡ
／Ｄ変換回路２５が前記映像信号の対応する瞬間の輝度
を数値化し輝度データとして対応する水平座標及び垂直
座標とともに出力する。なお、入力部では伝送されてく
る映像信号をビデオアンプ２７で適切なレベルに増幅
し、これに続くクランプレベル固定回路２８がＡ／Ｄ変
換に先立って映像信号を一定振幅に正規化する。

【００３１】この様にして前記映像信号を用いて図の
画像の略全域に設定された複数の計測点（ＰＡij、ＰＢ
ij）の各々の位置に対応して輝度信号中の時間的な位置
での輝度レベル（ＣＡij，ＣＢij）が得られる。これら
の輝度レベルから１画面（１フレーム）が２値化された
車両２値化データ群（ＤＡt 、ＤＢｔ）が得られる。す
なわち、適宜間隔で常に更新されている車両が存在しな
い時（路面のみに対応する）の各計測点での輝度データ
から成る輝度データ群（基準路面データ：ＤＡr 、ＤＢ
ｒ）との比較に依り充分な差が認められるデータを車両
対応点と成しある時刻での各計測点での車両の存在が検
出される。

【００３２】このためにシグナルプロセッサ３１を備え
た演算処理部３０が、前記ビデオＡ／Ｄ変換回路２５か
らの輝度データを受けて高速に複数の輝度データの平均
化をしたり相関を演算したりした後、適宜時間間隔で抽
出した路面の輝度レベルからなる基準路面データと比較
して、計測ポイント毎の輝度データを２値化し、１フィ
ールドに対応した一組の２値化データ群が決定される。

【００３３】即ち、本願各発明の方法は先ず以下の一連
の各過程を含む（図６参照）。１．ＣＣＤカメラ等の撮像手段により感知対象となる交
差点ＣＲの直進路片側分を含む領域の流出路側から撮像
した映像信号を得る。２．映像信号中、前記直進路に略直交する方向に設定さ
れた一対の計測ライン上に位置する計測点（ＰＡij、Ｐ
Ｂij）に対応する位置（映像信号中の時間的位置）を予
め複数設定し、これらの位置に対応した即ち各計測点に
夫々対応する輝度レベル（ＣＡij，ＣＢij）からなる輝
度データ群（ＤＡt 、ＤＢｔ）を順次得る。３．車両が存在しない路面のみの場合に対応する輝度デ
ータ群を所定間隔で抽出して基準路面レベルデータ（Ｄ
Ａr 、ＤＢｒ）として保持する。なお、この基準路面レ
ベルデータは道路の照度等の状況に応じて時間経過とと
もに適宜修正される。４．輝度データ群（ＤＡt 、ＤＢｔ）を前記基準路面レ
ベル（ＤＡr 、ＤＢｒ）と比較して２値化し車両２値化
データ群を順次得て保持する。即ち、充分な差が認めら
れる場合（高い場合及び低い場合の双方）には車両が存
在する車両対応点と見做し、値“１”が対応づけられる
（又、もし必要であれば適宜処理により車両を検出し感
知信号を送出する）。なお、以上の各過程は、従来の画像式車両検出方法と類
似の技術であり、例えば先に挙げた特開平４−１８８０
０５号にも道路輝度パターンと車両輝度パターンのパタ
ーン相関比較による車両検出原理と共により詳細に説明
されている。

【００３４】マイクロプロセツサ４１を備えた制御部４
０は、上述各部を制御するとともに前記演算処理部３０
からの前記車両２値化データ群を受取りこれに更に信号
無視車検出のための各処理を施す。即ち、本願発明では
こうして得られた車両２値化データＤn に基づいて、更
に以下に詳述する所定処理を制御部４０により行い、本
願の目的とする信号無視車検出を行う。続いて、このた
めの過程について説明する。

【００３５】図２のモニタ画面に示した各一対の計測ラ
イン（ＡＬ１，ＢＬ１、ＡＬ２，ＢＬ２、ＡＬ３，ＢＬ
３）は、検出車両の走行方向を判別して信号無視車か否
かを判定するのに用いられている。即ち、制御部４０で
は、対面信号ＳＧが赤信号を現示している場合に、停止
線を超えた位置に設定されている計測ライン（ＡＬ１，
ＢＬ１）或いは（ＡＬ２，ＢＬ２）を車両がこの順に検
知（通過）した場合を判定して信号無視車有りとする。
信号無視車検出信号に対応して、例えば車両運転者が視
認し易い適宜位置に設けた警告表示器７１に信号無視を
犯した旨の警告を伝えることで以後の違反を抑制するこ
とができる。

【００３６】このように本願発明では検知ラインの通過
順序も含めて車両を評価するから、信号に従って正常走
行する車両Ｃ３₁、Ｃ３₂或いはＣ４₁、Ｃ４₂等は、
計測ライン（ＡＬ１，ＢＬ１）或いは（ＡＬ２，ＢＬ
２）に対して略平行に走行するから各検知ラインにて車
両自体は検知されても、前記順番でもって検出されるこ
とはないので信号無視車と判定されることは無い（図
４、タイムチャート参照）。

【００３７】また、一対の計測ライン（ＡＬ３，ＢＬ
３）は、特別に、車番の判読に好適な画像が得られる位
置に設定されていて、上述したと同様に車両がこの順に
検知（通過）したことを判定（走行方向を判別）して信
号無視車を検出し、更にその画像を記録するのに用いら
れる。即ち、車両が計測ライン（ＡＬ３，ＢＬ３）をこ
の順に通過した場合に信号無視車とみなし信号無視車検
出信号が画像メモリ７０へと送出され、当該車両の車番
を含んだ映像は、画像メモリ７０に静止画像として記録
される。この記録された静止画像は、後日に運転車に対
して注意を与える際の資料として利用される。なお、現
場で静止画像を収集することもできるが、実施例装置で
は、静止画像伝送装置９０により通信回線９１を介し
て、遠隔する管制センター等の管轄部署へと送信され
る。

【００３８】さて、実施例装置は夜間に於いては、車両
のヘッドライトに対応する映像パターンを検出して信号
無視車の検知を行うとともに、その車番記録のために車
番の判読に好適な画像が得られる位置で車両が検出され
たことに対応して近赤外照明装置８０を用いて照明を行
い、鮮明な記録画像を得るようになっている。即ち、設
定された一対の記録用の計測ライン（ＡＬ３，ＢＬ３）
は、車両がこの順に検知（通過）したことを判定（走行
方向を判別）した場合に信号無視車とみなし記録トリガ
信号が近赤外発光駆動装置８１へ送出され、これにより
近赤外照明装置８０がストロボ発光をして当該車両を照
明する。照明された鮮明な画像は、同期して画像メモリ
７０に静止画像として記録される。記録された静止画像
は、前述したように収集あるいは送信される（図５、タ
イムチャート参照）。

【００３９】以上のようにして、画像処理技術を用いて
交差点での信号無視車を検出し、更には撮影最適位置で
その車番を撮影することが夜間を含めて可能である。複
数車線の交差点においては、個々の車線毎に信号無視車
を検出し車線毎に照明することができる。

【００４０】車両の検出自体は、上述した例に限らず各
種画像処理方法を適宜用いることができ、必要に応じて
最適のものを選択することができる。要は、計測ライン
に沿って車両検出ができ、検出順序を判定できるもので
あれば、本願を適用して信号機からの入力と併せて信号
無視車を検出することができる。

【００４１】以上説明したように、本願第一発明の画像
式信号無視車検出方法は、既述した２値化データを得る
ための各過程に続き、次の過程（図６参照）、５．前記直進路に対応する交差点信号機が赤信号を現示
中に、一対の計測ラインのうちの流入路側の第１計測ラ
インＡｉ打つに車両対応点を検出してから所定時間以内
に流出路側の第２計測ラインＢｉ上に車両対応点を検出
した場合に、前記車両対応点に相当する車両を信号無視
車と判定するとの過程を経て信号無視車を検出するもの
である。

【００４２】又、本願第二発明の画像式信号無視車検出
方法は、前記発明の各過程に続き、信号無視車検出時の
映像信号を静止画像として記録するとの過程を含むもの
である（図６参照）。

【００４３】又、本願第三発明の画像式信号無視車検出
方法は夜間に適用されるもので、上記第一発明の各過程
に続き、信号無視車検出時に赤外線照明装置を駆動して
信号無視車を照明し、この信号無視車の映像信号を静止
画像として記録するとの過程を含むものである（図６参
照）。

【００４４】なお、本願発明の画像式信号無視車検出装
置（第４発明）は、上述各発明方法の実施に好適な構成
を備えた装置である。

【００４５】以上の説明では、信号無視車を検出した後
のこの車両の特定のために静止画像を得る場合を述べた
が、画像処理を応用して信号無視車両の登録番号のみを
抽出識別してデータとして得て、記録あるいは送信する
ようにすることも考え得る。

【００４６】

【発明の効果】以上詳述したとおり本願の各画像式信号
無視車検出方法は、撮像手段(10)により交差点(CR)の直
進路片側分を含む画像中で道路直交方向に設定された一
対の計測ライン(Ai,Bi) 上の複数の計測点(PAij,PBij)
に対応する輝度レベル(CAij,CBij) を順次得て、交差点
信号機(SG)が赤信号を現示中に基準路面データ(DAr,DB
r) と比較して、流入路側の第１計測ライン(Ai)上に車
両対応点を検出してから所定時間以内に流出路側の第２
計測ライン(Bi)上に車両対応点を検出した場合に信号無
視車両と判定することで、四方から車両が流入流出する
交差点において、信号無視車のみを適切に検出すること
ができる。

【００４７】また、第二発明方法では、信号無視車の車
番を含む映像を静止画像として記録するから、後日交通
取締りに役立てることができる。更に、第三発明方法で
は、赤外線照明装置を信号無視車検出と同期して駆動す
るから、夜間においても確実に信号無視車の車番を含む
映像を静止画像として記録することができる。

【００４８】また、本願の画像式信号無視車検出装置
は、交差点の直進路片側分を含む領域を流出路側から撮
像する撮像手段と、交差点信号機の現示状態が入力され
撮像手段から入力される映像信号を基に画像処理により
前記領域内の信号無視車両を検出する信号無視車検出部
と、信号無視車を含む映像を記録する画像メモリと、夜
間に信号無視車を照明する赤外線照明装置とを具備して
いるから、上述の各発明方法を適切に実施することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の画像式信号無視車検出装置の一実施
例を示すブロック図である。

【図２】本願に係る、交差点での撮像手段等の配置を示
す図である。

【図３】本願に係る、交差点の画像及び計測点等を示す
図である。

【図４】本願各発明の画像式信号無視車検出方法に係る
車両検出出力、照明に係る出力、画像記録に係る出力等
を示すタイムチャートである。

【図５】本願各発明の画像式信号無視車検出方法に係る
車両検出出力等を示すタイムチャートである。

【図６】本願各発明の危険交通事象検出方法の一実施例
を示すフローチャートである。

【図７】本願発明に係る、信号無視車検出部（画像処理
部）の一例を示すブロック図である。

【符号の説明】

１０…撮像手段、７０…画像メモリ、８０…赤外線
照明装置、２００…信号無視車検出部、ＣＲ…交差点、
ＳＧ…交差点信号機、（Ａｉ），（Ｂｉ）…計測ラ
イン、（ＰＡij），（ＰＢij）…計測点、（ＣＡij），
（ＣＢij）…輝度レベル、（ＤＡｔ），（ＤＢｔ）…輝
度データ群、（ＤＡｒ），（ＤＢｒ）…輝度データ群

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】撮像手段(10)により交差点(CR)の直進路
片側分を含む領域を流出路側から撮像して対応する映像
信号を得て、画像中で前記直進路に略直交する方向に設定された一対
の計測ライン(Ai,Bi)上の複数の計測点(PAij,PBij) 夫
々に対応する映像信号中の時間的位置夫々での輝度レベ
ル(CAij,CBij) からなる１フィールド単位の輝度データ
群(DAt,DBt) を順次得て、各計測点(PAij,PBij) での路面に対応する輝度レベル(C
Aij,CBij) からなる輝度データ群を所定間隔で抽出して
基準路面データ(DAr,DBr) として保持し、輝度データ群(DAt,DBt) を前記基準路面データ(DAr,DB
r) と比較し充分な差が認められるデータを車両対応点
として検出し、前記直進路に対応する交差点信号機(SG)が赤信号を現示
中に、前記計測ラインのうちの流入路側の第１計測ライ
ン(Ai)上に車両対応点を検出してから所定時間以内に流
出路側の第２計測ライン(Bi)上に車両対応点を検出した
場合に、前記車両対応点に相当する車両を信号無視車両
と判定することを特徴とする画像式信号無視車検出方
法。
【請求項２】撮像手段(10)により交差点(CR)の直進路
片側分を含む領域を流出路側から撮像して対応する映像
信号を得て、画像中で前記直進路に略直交する方向に設定された一対
の計測ライン(Ai,Bi)上の複数の計測点(PAij,PBij) 夫
々に対応する映像信号中の時間的位置夫々での輝度レベ
ル(CAij,CBij) からなる１フィールド単位の輝度データ
群(DAt,DBt) を順次得て、各計測点(PAij,PBij) での路面に対応する輝度レベル(C
Aij,CBij) からなる輝度データ群を所定間隔で抽出して
基準路面データ(DAr,DBr) として保持し、輝度データ群(DAt,DBt) を前記基準路面データ(DAr,DB
r) と比較し充分な差が認められるデータを車両対応点
として検出し、前記直進路に対応する交差点信号機(SG)が赤信号を現示
中に、前記計測ラインのうちの流入路側の第１計測ライ
ン(Ai)上に車両対応点を検出してから所定時間以内に流
出路側の第２計測ライン(Bi)上に車両対応点を検出した
場合に、その時の映像信号を静止画像として記録するこ
とを特徴とする画像式信号無視車検出方法。
【請求項３】撮像手段(10)により交差点(CR)の直進路
片側分を含む領域を流出路側から撮像して対応する映像
信号を得て、画像中で前記直進路に略直交する方向に設定された一対
の計測ライン(Ai,Bi)上の複数の計測点(PAij,PBij) 夫
々に対応する映像信号中の時間的位置夫々での輝度レベ
ル(CAij,CBij) からなる１フィールド単位の輝度データ
群(DAt,DBt) を順次得て、各計測点(PAij,PBij) での路面に対応する輝度レベル(C
Aij,CBij) からなる輝度データ群を所定間隔で抽出して
基準路面データ(DAr,DBr) として保持し、輝度データ群(DAt,DBt) を前記基準路面データ(DAr,DB
r) と比較し充分な差が認められるデータを車両対応点
として検出し、前記直進路に対応する交差点信号機(SG)が赤信号を現示
中に、前記計測ラインのうちの流入路側の第１計測ライ
ン(Ai)上に車両対応点を検出してから所定時間以内に流
出路側の第２計測ライン(Bi)上に車両対応点を検出した
場合に、赤外線照明装置(80)を駆動し、得られた映像信
号を静止画像として記録することを特徴とする画像式信
号無視車検出方法。
【請求項４】交差点(CR)の直進路片側分を含む領域(AR)
を流出路側から撮像する撮像手段(10)と、交差点信号機(SG)の現示状態が入力される現示入力端子
を有し、前記撮像手段(10)から入力される映像信号と交
差点信号機の現示を基に、画像処理により前記領域内の
信号無視車両を検出する信号無視車検出部(200) と、前記信号無視車検出部(200) の出力に対応して信号無視
車を含む映像を記録する画像メモリ(70)と、夜間に、前記信号無視車検出部(200) の出力に対応して
上記記録時に信号無視車を照明する赤外線照明装置(80)
とを有する画像式信号無視車検出装置。