JPH0696186A - 時刻／属性値により変化する図形の編集装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】計算機によって表示装置上で動画などを編集す
る時刻／属性値により変化する図形の編集装置に関し，
時刻や属性値によって変化する図形を，容易に作成／編
集できる手段を提供することを目的とする。 【構成】一般の図形26を表示する図形表示領域24とは別
に，時間軸に沿った時間を示す時間表示図形28を表示す
る時間表示領域25を画面上に設ける。そして，変化情報
設定処理手段19により，図形表示領域24上で作成した変
化基準図形27の位置と，時間表示図形28における点の位
置とを対応づける情報を設定する。表示更新処理手段20
は，時間表示領域25上で時刻カーソル30が移動すると，
それに対応して, 変化基準図形27上の位置カーソル29お
よびそれに関係づけられた図形26が移動／変形するよう
に表示を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，計算機により表示装置
上で図形を作成／編集する装置において，時間の経過ま
たは所定の属性値の変化に従って，図形の位置，形状ま
たは状態を簡単に変化させることができるようにした時
刻／属性値により変化する図形の編集装置に関する。

【０００２】図形の表示においては，時間の経過に伴っ
て図形の位置や形状や状態などを変化させることが要求
されている。時間やその他の属性値に従って変化する図
形を作成／編集することは，多大な手数がかかるため，
それを容易に実現できる手段が必要とされている。

【０００３】

【従来の技術】従来，計算機を利用した図形処理システ
ムにおいて，例えばアニメーションなどの動きのある図
形を扱うような場合には，各時刻に対応する表示装置上
での図形の位置を，所定のスクリプトを用いて記述する
方法や，各時刻ごとの図形の位置や形状などをことごと
く指定する方法が用いられていた。

【０００４】前者の方法は，図形の位置と各時刻の関係
を式で表すなどして，位置の変化情報を指定しなければ
ならないので，作成／編集時において時間と図形の位置
との関係を決めるのが難しく，特に複数の変化する図形
を扱うときの作成／編集が困難であった。また，きめ細
かに変化する状態を指定することが困難であった。

【０００５】また，各時刻ごとに変化する図形をことご
とく指定する方法は，時刻に従って送られる画面（以
下，これを駒という）に対して，図形の位置および形状
をすべて描画しなければならないので，作成／編集の作
業量が膨大になるという問題があった。また，作成／編
集後に，図形をもっと速く移動させたり，逆に遅く移動
させたりしようとした場合，すべての駒についての再編
集が必要となり，修正が困難であるという問題があっ
た。

【０００６】時刻に従って変化する図形に限らず，ある
属性値に従って変化する図形についても，従来方式によ
れば同様に編集が困難であるという問題があった。例え
ば，瓢箪形の容器に水を入れる場合，水の量によって容
器内の水位が上昇するが，その水面の高さの上昇する割
合は，容器の横断面積に依存し，増加する水の量が一定
でも水面の高さの上昇する速度は一定にならない。この
場合の水の量というような属性値によって変化する図形
を編集する場合，従来は，水面の高さを複雑な式によっ
て記述したり，駒ごとに水面の高さが変化する図形を作
成しなければならなかった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点の
解決を図り，時刻や属性値によって変化する図形を，容
易に作成／編集できる手段を提供することを目的として
いる。

【０００８】特に，時間の経過や属性値の変化に従っ
て，図形の位置，図形の形状，図形の色・輝度などの状
態が変化する図形について，時間軸または属性値の軸上
での対応関係を定義することにより，自動的に図形を移
動させたり，変形させたり，また図形の状態を変化させ
たりすることができるようにすることを目的としてい
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】図１は，本発明の原理説
明図である。図１において，１０はＣＰＵおよびメモリ
などからなる処理装置，１１は作成／編集する図形を表
示する表示装置，１２はマウスやキーボードなどの表示
画面中での位置を指定する位置指定装置，１３は図形情
報記憶部，１４は通常の図形に関する一般図形情報，１
５は図形を変化させる軌跡などを表す図形に関する変化
基準図形情報，１６は通常の図形または変化基準図形に
対応する時間軸上の時間を表す時間表示図形情報，１７
は通常の図形および変化基準図形の表示処理を行う図形
表示処理手段，１８は時間表示図形の表示処理を行う時
間表示処理手段，１９は時刻または属性値による変化情
報を設定する変化情報設定処理手段，２０は時刻または
属性値の変化に伴って図形の表示を更新する表示更新処
理手段，２１は現時刻を指示する現時刻指示部，２２は
各図形間の束縛関係に関する情報を入力し設定する束縛
関係設定処理手段，２３は時間表示図形に関する編集を
行う時間編集処理手段を表す。

【００１０】また，２４は通常の図形および変化基準図
形を表示する画面上の図形表示領域，２５は時間表示図
形を表示する画面上の時間表示領域，２６は通常の図
形，２７は変化基準図形，２８は時間表示図形，２９は
時刻によって変化する位置を示す位置カーソル，３０は
時間表示領域２５において現時刻を示す時刻カーソルを
表す。

【００１１】請求項１記載の発明の場合，次の各処理手
段が設けられている。図形表示処理手段１７は，表示装
置１１における画面上に図形表示領域２４を設けて，そ
の領域内に図形２６および変化基準図形２７を表示する
処理手段である。時間表示処理手段１８は，表示装置１
１における画面上に時間表示領域２５を設け，その領域
内に，時間軸に沿って，線または所定の図形により表さ
れる時間を示す時間表示図形２８を表示する処理手段で
ある。

【００１２】変化情報設定処理手段１９は，時間の経過
に従って，図形を移動または変形（回転を含む）させる
基準となる変化基準図形２７を，位置指定装置１２の入
力により図形表示領域２４上で作成／編集し，その変化
基準図形２７上のいくつかの点の位置と時間表示図形２
８における同数の点の位置との対応情報を，図形情報記
憶部１３における関係する図形情報中に設定する処理手
段である。

【００１３】表示更新処理手段２０は，時間表示図形２
８上における現時刻を示す点の移動（時刻カーソル３０
の移動），または指定された時間の経過に対応して，変
化基準図形２７上における対応する点，すなわち位置カ
ーソル２９の位置を補間計算により求め，その点の位置
に基づいて図形を移動または変形させる編集を行い図形
の表示を更新する処理手段である。

【００１４】請求項１記載の発明では，時間の経過に従
って変化する図形を扱うのに対し，請求項２記載の発明
では，ある属性値の変化に従って変化する図形を扱う。
そのため，請求項１記載の発明における時間表示処理手
段１８の代わりに，または時間表示処理手段１８の他
に，属性値表示処理手段（図示省略）が設けられ，属性
値表示処理手段は，時間表示領域２５と同様な属性値表
示領域に，属性値表示図形を表示する。

【００１５】変化情報設定処理手段１９および表示更新
処理手段２０の処理についても，時刻の変化に関する場
合と同様であり，時刻の変化の代わりに属性値の変化に
従った処理を遂行する。

【００１６】請求項３記載の発明の場合，変化情報設定
処理手段１９は，時間の経過に従って，図形を移動また
は変形させる基準となる変化基準図形２７を，位置指定
装置１２の入力により, 表示装置１１の表示画面上にお
ける図形表示領域２４上で作成／編集し，その変化基準
図形２７上のいくつかの点の位置に対応する時刻に関す
る情報を，図形情報中に設定する。また，束縛関係設定
処理手段２２が設けられ，束縛関係設定処理手段２２
は，編集対象となる図形２６中の点と変化基準図形２７
上の現時刻の位置を示す位置カーソル２９との間の束縛
関係を，位置指定装置１２から入力し，その定義情報を
図形情報記憶部１３の該当する一般図形情報１４および
変化基準図形情報１５中に設定する。

【００１７】表示更新処理手段２０は，現時刻指示部２
１等による指定された時間の経過に対応して，変化基準
図形２７上における現時刻に対応する点の位置を補間計
算により求め，その点の位置と図形情報中に設定されて
いる束縛関係とに基づいて図形の移動／変形動作を確定
させ，図形の表示を更新するように構成される。

【００１８】請求項３記載の発明が，時間の経過に従っ
て変化する図形を扱うのに対し，請求項４記載の発明
は，ある属性値の変化に従って変化する図形を扱う。請
求項４記載の発明における変化情報設定処理手段１９お
よび束縛関係設定処理手段２２の処理は，時刻の変化に
関する場合と同様であり，時刻の変化の代わりに属性値
の変化に従った処理を遂行する。

【００１９】請求項５記載の発明における図形表示処理
手段１７および時間表示処理手段１８の構成は，請求項
１記載の発明の場合と同様である。請求項５記載の発明
では，時間の経過に従って図形２６を移動させたり，変
形させたりするのではなく，時間に従って図形２６を出
現させたり，消滅させたり，また色や輝度などの状態を
変化させたりする。

【００２０】そのため，変化情報設定処理手段１９は，
指定された図形２６のいくつかの状態と，時間表示図形
２８における同数の点の位置との対応情報を，図形情報
記憶部１３の図形情報中に設定する処理を行い，表示更
新処理手段２０は，時間表示図形２８上における現時刻
を示す点の移動または指定された時間の経過に対応し
て，表示する図形２６の状態を，前後の点の状態から補
間計算により求め，求めた状態に基づく図形を表示する
ように構成されている。

【００２１】時間編集処理手段２３は，位置指定装置１
２による入力により，時間表示図形２８上において図形
の状態と対応づけられた点の位置を，対応する図形の状
態情報とは独立に変更する処理手段である。これによ
り，図形２６を任意の時刻に出現または消滅させたり，
状態の変化する速度を，時間表示領域２５上の時間表示
図形２８の編集だけで，変えることができる。

【００２２】請求項５記載の発明が，時間の経過に従っ
て状態が変化する図形を扱うのに対し，請求項６記載の
発明は，ある属性値の変化に従って状態が変化する図形
を扱う。請求項６記載の発明における変化情報設定処理
手段１９および表示更新処理手段２０の処理は，時刻の
変化に関する場合と同様であり，時刻の変化の代わりに
属性値の変化に従った処理を遂行する。

【００２３】また，属性値編集処理手段（図示省略）
は，位置指定装置１２による入力により，属性値表示図
形上において図形の状態と対応づけられた点の位置を，
対応する図形の状態情報とは独立に変更する処理を行
う。

【００２４】

【作用】請求項１記載の発明では，図形表示領域２４に
おける図形２６の位置を変化させる時間を示す時間表示
図形２８を，図形表示領域２４とは別に設けた時間表示
領域２５に表示する。これによって，図形２６の位置変
化を，変化基準図形２７を介して時間表示図形２８によ
り容易にコントロールすることができる。すなわち，時
間表示領域２５において，現時刻を示す時刻カーソル３
０を動かすことにより，図形表示領域２４における変化
基準図形２７上の位置カーソル２９を動かすことができ
る。

【００２５】位置カーソル２９の動く軌跡を，変化基準
図形２７によって定めることができるので，図形２６を
各時刻ごとに編集する必要はない。また，位置カーソル
２９の動く速度を，時間表示図形２８における時刻カー
ソル３０の移動速度，または変化基準図形２７上の各点
に対応する時間表示図形２８における点の間隔によっ
て，制御することができる。

【００２６】変化情報設定処理手段１９により，時間表
示領域２５と変化基準図形２７との対応情報を図形情報
記憶部１３に設定した後は，変化基準図形２７および時
間表示領域２５を表示する必要はなく，位置指定装置１
２からの現時刻の指示またはアプリケーションプログラ
ムからの現時刻の指示によって，変化基準図形２７およ
び時間表示領域２５を表示しない状態で，その時刻に対
応する図形２６の表示のみを行わせることもできる。

【００２７】同様に，請求項２記載の発明では，時間に
限らず，任意の属性値の変化に対応して，図形を移動さ
せたり変形させたりすることができる。したがって，例
えば値によって動的に変化する棒グラフなどの図形の表
示を容易に実現することができるようになる。

【００２８】請求項３記載の発明では，時刻に応じて，
変化基準図形２７上の位置カーソル２９を移動させ，か
つ位置カーソル２９と図形２６との束縛関係（参照／被
参照関係ともいう）を定義して，図形情報記憶部１３中
に設定しておくことができる。したがって，単に図形２
６を時刻に従って移動させるだけでなく，位置カーソル
２９の移動に伴い，束縛関係の種類に応じて，図形２６
を回転させたり，拡大させたり，または縮小させること
ができるようになる。これにより，例えば，太陽の動く
軌跡を変化基準図形２７によって定義し，さらに向日葵
の花が常に太陽の方を向くような動画の編集を，容易に
行うことができる。

【００２９】同様に，請求項４記載の発明では，時間に
限らず，任意の属性値の変化に対応して，図形２６を位
置カーソル２９との束縛関係に応じて変化させることが
できる。

【００３０】請求項５記載の発明では，例えば時間表示
図形２８上の時刻Ｔ１の点において，図形２６の色を青
と定義し，時間表示図形２８上の時刻Ｔ２の点において
図形２６の色を黄色と定義することにより，その時刻Ｔ
１と時刻Ｔ２間の時刻変化に伴って，図形２６の色を青
から黄色まで，連続的に変化させることができる。ま
た，時間表示図形２８上における時刻Ｔ１と時刻Ｔ２を
示す点の距離を変えることにより，色の変化の速度を簡
単な操作で変えることができる。

【００３１】同様に，請求項６記載の発明では，時間に
限らず，任意の属性値の変化に対応して，図形２６の状
態を連続的に変えたり，また図形２６を出現させたり消
滅させたりすることができるようになる。例えば，温度
値を属性値とすることにより，温度変化に伴って図形の
色が変化する画像を，プログラムによる属性値の指定ま
たは位置指定装置１２からの属性値の指定によって，容
易に生成することができるようになる。

【００３２】

【実施例】図２は，本発明の具体的な概要説明図であ
る。図２の（イ）は図形表示領域２４の例，（ロ）は時
間表示領域２５の例を示している。図形表示領域２４お
よび時間表示領域２５は，それぞれ別のウインドウ上に
設けられ，図形表示領域２４に対応して，図形の作成／
編集操作のためのコマンドメニュー表示部３５およびア
イコンによるモード指定／表示部３６が設けられる。同
様に，時間表示領域２５に対応して，時刻に関する編集
操作のためのコマンドメニュー表示部３７が設けられて
いる。

【００３３】今，図形表示領域２４上で，時間によって
動く人間の図形２６を作成／編集するものとする。図形
２６の動く径路を，変化基準図形２７のように作成す
る。この変化基準図形２７の作成は，モード指定／表示
部３６などの指定により，従来の図形作成操作と同様に
行われる。

【００３４】変化基準図形２７の作成により自動的に，
または作成コマンドによって時間表示領域２５上に時間
表示図形２８−１が作成される。時間表示領域２５の横
軸は時間を示し，時刻カーソル３０は現時刻を示す。変
化基準図形２７上における代表的な点Ｐ０，Ｐ１，…に
対応して，時間表示図形２８−１における時刻を示す点
Ｔ０，Ｔ１，…が自動的にまたは指定により表示され
る。

【００３５】時刻カーソル３０は，時間の経過とともに
右方に移動するカーソルである。また，位置指定装置１
２により，時刻カーソル３０を任意の時刻の位置へ動か
すこともできる。時刻カーソル３０が移動すると，位置
カーソル２９も変化基準図形２７上を移動する。時刻Ｔ
０では，位置カーソル２９は点Ｐ０の位置に，時刻Ｔ１
では，位置カーソル２９は点Ｐ１の位置に，同様に時刻
Ｔ２では，位置カーソル２９は点Ｐ２の位置にある。時
刻カーソル３０が時刻Ｔ１とＴ２の間にある場合には，
その内分値に応じて，点Ｐ１とＰ２の間に位置カーソル
２９が位置付けられる。

【００３６】時間とともに動かしたい図形２６を作成し
たならば，図形２６と位置カーソル２９とを関係付け
る。すなわち，位置指定装置１２により，図形２６と位
置カーソル２９との関係付け操作を行う。この関係付け
操作により，位置カーソル２９が動くと，図形２６も動
く。すなわち，時刻カーソル３０の移動によって，図形
２６も移動することになる。

【００３７】この関係付けには，変形／回転／相似変形
（拡大／縮小）というように，何種類かあり，その関係
付けの種類に応じて，位置カーソル２９の移動とともに
図形２６が変化するように図形２６が操作される。

【００３８】また，変化基準図形２７に対して時間表示
図形２８−１が設けられるように，図形２６に対して，
時間表示図形２８−２が設けられる。時刻カーソル３０
により，時間表示図形２８−２上の点を指定し，その時
刻における図形２６の色や輝度などの状態を定義するこ
とができる。時間表示図形２８−２が表示されている範
囲の外では，図形２６の表示は抑止される。したがっ
て，時間表示図形２８−２を編集することにより，ある
時刻Ｔ１０に図形２６の表示を開始し，ある時刻Ｔ１３
に図形２６を自動的に画面上から消去するというような
ことができる。

【００３９】また，例えば時刻Ｔ１１における図形２６
の状態と，時刻Ｔ１２における図形２６の状態とを定義
しておくだけで，時刻Ｔ１１〜Ｔ１２間の連続的な状態
変化を補間計算によって実現することができる。

【００４０】時間表示領域２５上における時刻カーソル
３０の移動は，位置指定装置１２によって指定すること
ができるとともに，アプリケーションプログラムからも
指定することができる。図形情報記憶部１３に必要な情
報を設定した後には，実際の表示画面では，変化基準図
形２７と時間表示領域２５とを表示しないように指定す
ることにより，図形２６だけが時間とともに移動した
り，変化したりするように見せることもできる。

【００４１】時間変化の代わりに，任意の属性値の変化
に対して，図２の（ロ）に示すような表示および操作対
象を設けることにより，属性値の変化に伴って変化する
図形についても同様に作成／編集することができる。

【００４２】図３ないし図６は，本発明の実施例に係る
編集例を示す。まず，時間によって位置が変化する図形
の編集について，図３に従って説明する。図３の（イ）
に示す図形表示領域２４上で，径路となる変化基準図形
２７を作成する。次に，図３の（ロ）に示すように，変
化基準図形２７を選択した状態で，時間表示領域２５に
おいてガント作成コマンドを実行する。これにより，図
３の（ハ）に示すように，時間表示領域２５内に時間表
示図形２８が作成され，また，図形表示領域２４の変化
基準図形２７上に位置カーソル２９が作成される。

【００４３】変化基準図形２７上の点と時間表示図形２
８上の点との対応情報が，図１に示す図形情報記憶部１
３に設定され，以後，時刻カーソル３０の移動により，
位置カーソル２９が移動するように制御される。すなわ
ち，図３の（ニ）に示すように，時刻カーソル３０が移
動すると，位置カーソル２９は変化基準図形２７に沿っ
て移動する。

【００４４】図４は，変化基準図形２７上の位置カーソ
ル２９に図形２６を関連づけることにより，位置カーソ
ル２９の移動に従って図形２６を移動させる編集の例を
示している。

【００４５】図３に示す編集処理により，変化基準図形
２７および時間表示図形２８を作成した後，図４の
（イ）に示すように，図形２６を作成する。なお，最初
に図形２６を作成しておいてもよい。

【００４６】次に，図４の（ロ）に示すように，図形２
６と位置カーソル２９との間に参照／被参照関係を定義
する。なお，このための関係付けに関するコマンドが用
意されている。ここでは，位置指定装置１２で指定する
ことにより，図形２６の中心にあらかじめ定義された束
縛点４０と位置カーソル２９とを結び付けている。

【００４７】以上のような関係付けに関する定義情報
は，図形情報記憶部１３に設定され，以後，図４の
（ハ）および（ニ）に示すように，時間表示領域２５上
において時刻カーソル３０が移動すると，図形表示領域
２４において位置カーソル２９が移動し，それに伴い図
形２６も移動する。

【００４８】図５は，変化基準図形２７上の位置カーソ
ル２９に図形２６を関連づけることにより，位置カーソ
ル２９の移動に従って図形２６を変形および回転させる
編集の例を示している。なお，時間表示領域２５の図は
省略する。

【００４９】例えば，図５の（イ）に示すように，図形
表示領域２４上で図形２６を作成する。また，必要であ
れば，図形２６上で束縛点４０をマウスなどの位置指定
装置１２によって指定する。束縛点４０は，図形２６の
作成によって自動的に所定の位置に設定されるが，位置
指定装置１２によって，その位置を変更することができ
る。

【００５０】次に，図５の（ロ）に示すように，マウス
カーソルによって図形２６上の関係付ける点（これを参
照点という）と位置カーソル２９（これを被参照点とい
う）とを指定し，これらの間に変形参照の関係を結ぶ。
この操作は，図２に示すモード指定／表示部３６によっ
て変形参照のモードを設定した後，図形２６と変化基準
図形２７を選択し，図形２６の上の参照点をマウスカー
ソルによってドラッグして，被参照点である位置カーソ
ル２９に位置づけることにより行われる。

【００５１】この関係付けによって，図形２６は，図５
の（ハ）に示すように変形される。参照点と位置カーソ
ル２９との参照／被参照関係に関する情報は，図形情報
記憶部１３に保存される。以後，図５の（ニ）に示すよ
うに，位置カーソル２９が移動すると，それに伴って図
形２６上の参照点が移動し，図形２６は変形する。この
場合，束縛点４０の位置は変わらないので，図形２６
は，位置カーソル２９の移動に伴い縦方向に伸縮する。

【００５２】図５の（ホ）〜（チ）は，回転参照の編集
例を示している。図５の（ホ）に示すように，図形２６
を作成する。図形２６は，この例では矢印の図形であ
る。束縛点４０は矢印の始端に設定されている。この図
形２６の矢印の先端が，常に位置カーソル２９の方向を
向くようにする場合，回転参照のモードを設定した後，
図５の（ヘ）に示すように，マウス操作によって，図形
２６の先端を位置カーソル２９の位置までドラッグす
る。

【００５３】これにより，図５の（ト）に示すように，
図形２６の矢印は，位置カーソル２９を向くように表示
され，その回転参照に関する設定情報が図形情報記憶部
１３に保存される。以後，図５の（チ）に示すように，
時間の変化等に従って位置カーソル２９が変化基準図形
２７上を動くと，図形２６の矢印の先端が位置カーソル
２９の方向を向くように回転する操作が自動的に行われ
る。

【００５４】図６は，時間の変化に伴う図形２６の状態
変化を設定する編集例を示している。図６の（イ）に示
すように，図形表示領域２４上で状態を変化させる図形
２６を作成し，時間表示領域２５上に，図形２６に対応
する時間表示図形を作成する。時間表示領域２５上のこ
の図形を，以後，ガント（Ｇａｎｔｔ）という。変化基
準図形２７に対して，時間表示図形２８が設けられたよ
うに，ガント４５は，図形２６に対して自動的にまたは
指定により設けられる。

【００５５】図形２６に対して，色などの状態を設定す
る場合，位置指定装置１２によって時刻カーソル３０
を，状態を設定しようとする時刻Ｔ２に移動する。そし
て，図６の（ロ）に示すように，状態分割コマンドを実
行する。これによって，ガント４５上に状態の設定点が
設けられる。

【００５６】ここで，図６の（ハ）に示すように，図形
２６の色や輝度などの必要な状態を指定する。これによ
って，図形２６の状態と，ガント４５における時刻Ｔ２
との対応情報が，図形情報記憶部１３に保存される。な
お，時刻Ｔ１における初期状態についても，ガント４５
の作成時に図形情報記憶部１３に保存されている。

【００５７】この後，図６の（ニ）に示すように，時刻
カーソル３０を移動させると，図形２６の状態（ここで
は，色）が自動的に変化して表示される。図６の（ホ）
は，時刻カーソル３０の位置と，図形２６の状態との関
係を示している。時刻カーソル３０が，時刻Ｔ０からガ
ント４５の開始時刻Ｔ１の間にある場合には，図形２６
は非表示状態であって，図形表示領域２４には表示され
ない。時刻Ｔ１になると，初期状態の色で図形２６が表
示される。時刻Ｔ１から時刻Ｔ２まで時刻カーソル３０
が移動する間は，その位置に応じて，時刻Ｔ１の状態と
時刻Ｔ２の状態の中間の状態で，図形２６が表示され
る。

【００５８】時刻Ｔ２からガント４５の終端の時刻Ｔ３
までは，時刻Ｔ２における図形２６の状態が維持され
る。なお，時刻Ｔ３においても，新たな状態が設定され
ていれば，図形２６が途中の補間された状態で表示され
る。時刻Ｔ３以後は，図形２６は消去され，図形表示領
域２４上から消滅する。

【００５９】図７は，本発明の実施例によるガントの編
集例を示す図である。時間表示領域２５上における時間
表示図形２８（通常の図形２６に関するガント４５も同
様）は，図１に示す時間編集処理手段２３によって編集
操作することができる。この編集は，基本的には通常の
図形編集と同様な操作によって行われる。

【００６０】例えば，図７の（イ）に示すように，時間
表示領域２５上で時刻カーソル３０が移動すると，変化
基準図形２７における位置カーソル２９が移動する。時
刻カーソル３０の移動は，通常の動作指示による場合に
は，定速度で移動する。したがって，時間表示図形２８
上における点の間隔を変更することにより，変化基準図
形２７における位置カーソル２９の移動速度を変えるこ
とができる。換言すれば，変化基準図形２７を編集する
ことなく，時間表示図形２８を編集するだけで，図形２
６などの動作を規定することができる。

【００６１】図７の（ロ）は，時間表示領域２５内で時
間表示図形２８を移動する例であって，マウスカーソル
によってドラッグすることによって，時間表示図形２８
ａから時間表示図形２８ｂまでの位置に移動させてい
る。

【００６２】図７の（ハ）は，時間表示図形２８におけ
る特定の範囲の移動を示しており，時間表示図形２８ａ
の始端と終端とを固定した状態で，そのうちの一点（例
えば時刻Ｔ２の点）をドラッグすると，時間表示図形２
８ｂのように，他の点Ｔ１についても固定点からの距離
に比例して移動する。

【００６３】図７の（ニ）は，時刻Ｔ１の点を固定した
状態で，時間表示図形２８の終端をドラッグすることに
より，時間表示図形２８ａから時間表示図形２８ｂのよ
うに，時刻Ｔ１の点から終端までの全体を引き伸ばした
例を示している。これらの編集の種類などについては，
メニューコマンドによって選択することができる。

【００６４】図８は，図１に示す図形情報記憶部１３に
設定する図形情報の基本データ構造の例を示している。
図形情報は，基本的には，図８の（イ）に示すように，
図形ヘッダ情報５０と，図形の形状を決める点情報５１
−１，５１−２，…の集まりからなる。図形ヘッダ情報
５０は，図形が占める矩形の範囲（これを，エクステン
トという）に関する情報と，点の数および先頭の点情報
５１へのポインタ等の情報を持つ。さらに，束縛点４０
として定義された点へのポインタ情報を持つ。

【００６５】図形が，例えば図８の（ロ）に示すような
多角形である場合，エクステントは，点線の矩形で図示
した範囲の領域である。図形ヘッダ情報５０中のエクス
テント情報は，エクステントの左上角の点の座標（ｘ
０，ｙ０）と，エクステントの幅ｗと，エクステントの
高さｈ等の情報である。点情報５１は，多角形の頂点に
関する位置情報（ｘ１，ｙ１），（ｘ２，ｙ２），…や
次の点へのポインタ情報等を持つ。また，図形ヘッダ情
報５０および点情報５１中に，必要に応じて他の各種の
属性情報を持つことができる。

【００６６】図８に示す例では，点情報５１−２の示す
点（ｘ２，ｙ２）が束縛点４０として定義されている。
束縛点４０は，図形の編集において変形の動作を確定す
るために，図形情報の属性の一つとして定められる点で
ある。

【００６７】図９は，本発明の実施例に係るデータ関係
図を示している。一般図形情報１４，変化基準図形情報
１５，時間表示図形情報１６のそれぞれに対して，図形
ヘッダ情報５０−１，５０−２，５０−３が設けられ
る。なお，図９の各図形ヘッダ情報中において，図８で
説明したエクステント情報等については，図示省略して
いる。

【００６８】変化基準図形情報１５は，特に位置カーソ
ル情報５２を持ち，これには，位置カーソル２９の座標
（ｘ，ｙ）や，左右の隣の点情報に対するポインタや，
その２点間における位置カーソル２９の位置の割合ｒａ
ｔｉｏの情報が格納される。図形ヘッダ情報５０−２に
繋がれる点情報５１−３，５１−４，５１−５は，図２
に示す例で説明すると，Ｐ０，Ｐ１，Ｐ２の点に関する
情報である。

【００６９】時間表示図形情報１６は，図２の（ロ）に
示す時間表示図形２８−１等に関する情報であり，これ
も図形ヘッダ情報５０−３と，点情報５１−６，５１−
７，…からなる。また，図示省略するが，位置カーソル
情報５２と同様な形式で時刻カーソル情報が設けられ
る。点情報５１−６，５１−７，…は，図２の例では，
Ｔ０，Ｔ１，…の位置を示す情報であって，変化基準図
形情報１５における点情報５１−３，５１−４，…にそ
れぞれ対応している。

【００７０】また，図形ヘッダ情報５０−３は，現時刻
指示部２１をポイントし，現在時間を管理している。前
述したように，図形２６上の点は位置カーソル２９など
の他の点と関係付けることができる。図９に示すデータ
関係の例では，点情報５１−１の点が位置カーソル２９
に関係付けられ，点情報５１−１と位置カーソル情報５
２との間に，相互にポインタが張られている。なお，変
形参照，回転参照というような関係の種類に関する情報
（図示省略）についても，点情報５１−１内に設定され
る。

【００７１】図１０は，図６の例で説明したような状態
変化に関する情報を管理するための状態を示すデータ構
造の例を示している。図６に示すガント４５の図形ヘッ
ダ情報５０−２から，図形２６の状態が定義されている
時刻を示す点情報５１−１，５１−２，…がポイントさ
れる。点情報５１−１は時刻Ｔ１，点情報５１−２は時
刻Ｔ２に対応している。時刻カーソル３０が，例えば時
刻Ｔ１と時刻Ｔ２の間にあるとすると，時刻カーソル情
報６１に，図１０に示すように，点情報５１−１，５１
−２へのポインタ情報が設定される。

【００７２】図形２６の図形ヘッダ情報５０−１から
は，各時刻Ｔ１，Ｔ２，…における状態を示す状態情報
６０−１，６０−２，…がポイントされる。また，状態
情報６０−１，６０−２，…は，時刻を示す点情報５１
−１，５１−２，…からもそれぞれポイントされる。状
態情報６０−１，６０−２，…は，この例では，状態指
定値として，図形を出現させるか消滅させるかの情報，
色情報，輝度情報，透明度に関する情報などを持つよう
になっている。他に，例えば線幅や図形のサイズなど，
各種形態に関する情報を持たせてもよい。

【００７３】時刻カーソル情報６１により，時刻カーソ
ル３０の位置が与えられると，点情報５１−１，５１−
２が参照され，その位置から２点間の位置の割合が計算
される。この割合に応じて，状態情報６０−１から得ら
れる状態指定値と，状態情報６０−２から得られる状態
指定値との補間を行い，現在の状態が決定される。

【００７４】時刻カーソル３０が移動する場合には，単
位時間ごとに図１０に示すデータを参照／更新すること
により，表示される図形２６の状態を決定して，図形２
６の状態を変化させる。

【００７５】図１１の（イ）は，本発明の実施例による
変化基準図形２７および時間表示図形２８の作成処理説
明図である。 (a) 変化基準図形２７の作成コマンドまたは通常の図形
作成コマンドにより，図形作成モードが選択された状態
で，変化基準図形２７の始端，終端，その他の主要点に
関する位置情報を，位置指定装置１２から入力する。

【００７６】(b) 変化基準図形２７が作成されたならば
自動的に，または明示的な指定によって，変化基準図形
２７に対応する時間表示図形２８の情報を生成する。す
なわち，図９に示すような時間表示図形情報１６を作成
する。

【００７７】(c) また，変化基準図形２７の点情報に対
応して，時間表示図形情報１６の点情報を作成する。特
に指定がない場合には，各時刻の点の間隔は，等間隔と
する。 (d) 図形表示領域２４に変化基準図形２７を表示する。

【００７８】(e) また，時間表示領域２５に時間表示図
形２８を表示する。なお，これらの処理順序は，必ずし
も上記(a) 〜(e) の順でなくてもよい。図４に示すよう
に，変化基準図形２７に任意の図形２６を関係付ける場
合，図１１の（ロ）に示す処理を実行する。

【００７９】(a) 位置指定装置１２によって図形作成情
報を入力する。 (b) 対応するガントの時間表示図形情報１６を生成し，
それを時間表示領域２５に表示する。

【００８０】(c) 図４で説明したような関係付け操作に
より，変形／移動／回転などの参照の種類を入力し，図
形２６上の点と変化基準図形２７上の位置カーソル２９
との参照／被参照関係を入力する。それらの入力情報
を，図９に示すデータ構造に反映する。

【００８１】(d) 指定された参照／被参照関係が位置カ
ーソル２９に合わせて維持されるように，図形２６の表
示すべき位置や形状を計算する。 (e) 関係付け後の図形２６を再表示する。

【００８２】図１２は，時間の経過に伴って図形２６を
変化させる処理説明図である。位置指定装置１２または
アプリケーションプログラム等によって，時刻の進行を
指定することができる。

【００８３】(a) 指定された現在時刻または自動的に進
められた現在時刻により，時刻カーソル３０の位置を決
定する。 (b) 時刻カーソル３０の直前の点Ｔ１と直後の点Ｔ２と
の内分値Ｓを計算する。すなわち，図９に示す点情報５
１−１，５１−２などをもとに，時刻カーソル３０の位
置の２点間の割合ｒａｔｉｏを計算する。

【００８４】(c) 時刻の点Ｔ１，Ｔ２に対応する変化基
準図形２７上の点Ｐ１，Ｐ２と，内分値Ｓから，位置カ
ーソル２９の位置を決定する。 (d) 図９に示す位置カーソル情報５２を更新し，変化基
準図形２７上で位置カーソル２９を新しい位置に移動す
る。

【００８５】(e) 位置カーソル２９に関係する点がある
かどうかを判定し，位置カーソル２９を参照している点
があれば，処理(f) を実行する。 (f) 位置カーソル２９と参照点との関係に応じて，参照
点を持つ図形２６に移動／回転／変形操作などを施す。
この処理を，位置カーソル２９に関係付けられているす
べての図形に対して繰り返す。

【００８６】図１３は，時間の経過に従って図形２６の
状態を変化させるときの処理を示している。 (a) 指定された現在時刻または自動的に進められた現在
時刻により，時刻カーソル３０の位置を決定する。

【００８７】(b) 時刻カーソル３０の直前の点Ｔ１と直
後の点Ｔ２との内分値Ｓを計算する。すなわち，図１０
に示す点情報５１−１，５１−２などをもとに，時刻カ
ーソル３０の位置の２点間の割合ｒａｔｉｏを計算す
る。

【００８８】(c) 時刻の点Ｔ１，Ｔ２に対応する図形２
６の状態情報と，内分値Ｓとから，各状態指定値の補間
値を計算し，図形２６の状態を決める。 (d) ガント４５と現時刻の位置の関係，または出現／消
滅を指示する状態指定値から，図形２６を消滅させるか
否かを判定する。

【００８９】(e) 図形２６を消滅させない場合には，
(c) で求めた状態に従って，図形２６を再描画する。 (f) 図形２６を消滅させる場合，図形表示領域２４から
図形２６を消去する。

【００９０】図１４は，本発明の具体的な応用例を示し
ている。例えば，図１４の（イ）に示すような頭部Ａ，
胴体Ｂ，脚部Ｃ，Ｄからなる人の図形に関する動画を作
成するものとする。

【００９１】図１４の（ロ）に示すように，図形の各部
を関係付ける。すなわち，頭部Ａに定義された束縛点と
胴体Ｂ上に定義された束縛点とを関係付け，脚部Ｃ，Ｄ
の各束縛点と胴体Ｂの下辺上の点とをそれぞれ関係付け
る。また，変化基準図形として，胴体Ｂに沿って図形Ｅ
を作成し，その位置カーソル２９−１を胴体Ｂの下部に
関係付ける。同様に，脚部Ｄに沿って図形Ｆを作成し，
その位置カーソル２９−２を脚部Ｃ，Ｄの先端に関係付
ける。

【００９２】図１４の（ハ）に示すように，時間表示領
域２５内に各図形Ａ〜Ｆのガントを作成し表示する。時
間表示領域２５内の時刻カーソル３０の移動に伴い，位
置カーソル２９−１，２９−２が移動する。

【００９３】図１４の（ニ）ないし（ヘ）に示すよう
に，時間の経過に従って時刻カーソル３０が移動する
と，図形Ｅ，Ｆ上で位置カーソル２９−１，２９−２が
移動し，これに伴って位置カーソル２９−１，２９−２
に関係付けられた参照点が移動する。すなわち，頭部Ａ
は成長せず，胴体Ｂが先に成長し，脚部Ｃ，Ｄは後から
大きく成長するというような一連の変化を伴う図形の編
集が容易に実現されることになる。

【００９４】頭部Ａ，胴体Ｂ，脚部Ｃ，Ｄのそれぞれの
接合関係は，関係付けによって維持されるので，各部の
変形（成長）かかわらず，人の図形を構成する部品の図
形Ａ〜Ｄがばらばらになることはない。

【００９５】時刻は，次の方法によって更新することが
できる。 マウスなどの位置指定装置１２により，時間表示領
域２５上で時刻カーソル３０を任意の位置まで移動す
る。

【００９６】 時刻指定ダイアログウインドウ（図示
省略）により，任意の時刻を示す数値を入力する。 メニューにより「連続実行」を選択する。これによ
り，所定の単位時間ごとに，時刻が一定量ずつ進められ
る。

【００９７】 アプリケーションプログラムから，あ
らかじめシステムに用意された時間設定関数を呼び出
す。この関数は，例えば次のような形式をとる。 ・連続実行を指定する場合 int SetTime(開始時刻，終了時刻，更新速度または間
隔） ・連続実行を指定しない場合 int SetTime(設定時刻） 連続実行を指定する場合には，その開始時刻と終了時刻
とどの程度の速さで時刻を更新するかをパラメタで指定
する。連続実行を指定しない場合には，更新する時刻を
パラメタで指定する。

【００９８】なお，以上の実施例の説明では，時刻の変
化に伴って図形を変化させる例を説明したが，時刻では
なく，任意の属性値によって，同様に図形を変化させる
こともできる。上記実施例の説明において，「時刻」を
「属性値」と読み替えることにより，実現方法は明らか
であろう。

【００９９】任意の属性値について現在値を更新するア
プリケーションプログラムに対するインタフェースは，
次の形式による関数呼び出しによって実現される。int
SetAttributeValue(const char* name, float newvalu
e)ここで，nameは属性の種類を示す属性名, newvalueは
新しい属性値である。

【０１００】本発明によって編集した図形情報を，アプ
リケーションプログラムから利用する際，その図形情報
に含まれる図形の操作を，任意の属性値を通じて，図形
表示処理手段との間でやりとりすることにより，アプリ
ケーションプログラムの柔軟性を向上させ，かつアプリ
ケーションプログラムの簡略化を実現することができ
る。

【０１０１】すなわち，従来技術では，図形の動的な位
置の変化は，アプリケーションプログラム内で，計算式
や内蔵データにより決定しなければならなかったので，
図形の位置を変更する場合には，アプリケーションプロ
グラムの再編集，再コンパイルが必要であった。本発明
の編集装置で作成した図形情報は，アプリケーションプ
ログラムとは独立に管理されており，図形の変化基準図
形などの軌跡の変更は，アプリケーションプログラムに
影響を与えない。

【０１０２】また，従来技術では，アプリケーションプ
ログラムから，動的に図形の位置変化を起こす場合に
は，ＸおよびＹの二次元の座標を計算して算出しなけれ
ばらなかった。本発明の編集装置により作成した図形
を，動的に位置変化させる場合，アプリケーションプロ
グラムは，時刻または属性値を操作するだけでよく，画
面上の座標を意識する必要はなくなる。

【０１０３】図形表示領域２４，時間表示領域２５また
は属性値表示領域は，異なる表示装置１１の画面に割り
当ててもよく，また周知のウインドウ制御機構を持つシ
ステムにおいて，各ウインドウに１対１に割り当てても
よい。

【０１０４】図１５は，本発明の実施例で用いるハード
ウェア構成例を示す図である。本発明は，例えば図１５
に示すような周知のハードウェア機構により実施するこ
とができる。システムバス１０７には，ディスプレイア
ダプタ１０３，ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）
１０５，ＣＰＵ１０６，ディスクアダプタ１０８が接続
されている。ディスプレイアダプタ１０３には，グラフ
ィックディスプレイ１００，キーボード１０１，マウス
１０２，ビデオ用メモリ（ＶＲＡＭ）１０４が接続さ
れ，ＶＲＡＭ１０４の内容がディスプレイアダプタ１０
３を介して，グラフィックディスプレイ１００に表示さ
れる。ディスクアダプタ１０８には，磁気ディスクなど
のディスク記憶装置１０９が接続され，ディスクアダプ
タ１０８は，ＣＰＵ１０６の入出力命令によって，ＲＡ
Ｍ１０５とディスク記憶装置１０９との間のデータ転送
を制御する。

【０１０５】グラフィックディスプレイ１００，キーボ
ード１０１，マウス１０２およびディスプレイアダプタ
１０３は，図１に示す表示装置１１および位置指定装置
１２に相当する。図１に示す図形情報記憶部１３は，Ｒ
ＡＭ１０５またはディスク記憶装置１０９に設けられ
る。

【０１０６】もちろん，本発明は，図１５に示すシステ
ムに限らず，通常の汎用計算機，ワークステーション・
タイプの計算機または一般のパーソナル・コンピュータ
等によっても実施することが可能である。

【０１０７】

【発明の効果】以上説明したように，本発明によれば，
時刻または属性値の変化に伴って変化する図形を容易に
編集し，表示装置の画面上に描画することが可能にな
る。また，編集した図形の形態を変化させる場合に，位
置指定装置１２によって操作するだけでなく，アプリケ
ーションプログラムからも簡単なインタフェースによっ
て操作することができ，アプリケーションプログラムの
柔軟性の向上および簡略化に寄与するところが大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理説明図である。

【図２】本発明の具体的な概要説明図である。

【図３】本発明の実施例に係る編集例を示す図である。

【図４】本発明の実施例に係る編集例を示す図である。

【図５】本発明の実施例に係る編集例を示す図である。

【図６】本発明の実施例に係る編集例を示す図である。

【図７】本発明の実施例に係るガントの編集例を示す図
である。

【図８】本発明の実施例に係る図形情報の基本データ構
造の例を示す図である。

【図９】本発明の実施例に係るデータ関係図である。

【図１０】本発明の実施例に係る状態を示すデータ構造
の例を示す図である。

【図１１】本発明の実施例に係る処理説明図である。

【図１２】本発明の実施例に係る処理説明図である。

【図１３】本発明の実施例に係る処理説明図である。

【図１４】本発明の本発明の具体的な応用例を示す図で
ある。

【図１５】本発明の実施例で用いるハードウェア構成例
を示す図である。

【符号の説明】

１０ 処理装置 １１ 表示装置 １２ 位置指定装置 １３ 図形情報記憶部 １４ 一般図形情報 １５ 変化基準図形情報 １６ 時間表示図形情報 １７ 図形表示処理手段 １８ 時間表示処理手段 １９ 変化情報設定処理手段 ２０ 表示更新処理手段 ２１ 現時刻指示部 ２２ 束縛関係設定処理手段 ２３ 時間編集処理手段 ２４ 図形表示領域 ２５ 時間表示領域 ２６ 図形 ２７ 変化基準図形 ２８ 時間表示図形 ２９ 位置カーソル ３０ 時刻カーソル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 泰次 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 菊地 智 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 鈴木 雅裕 神奈川県大和市深見西４丁目２番49号 株 式会社ピーエフユー大和工場内 (72)発明者 葛西 敦子 神奈川県大和市深見西４丁目２番49号 株 式会社ピーエフユー大和工場内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 図形を表示する表示装置(11)と，表示画
   面中での位置を指定する位置指定装置(12)と，図形を作
   成／編集する処理装置(10)とを備えた図形編集装置にお
   いて，前記表示装置(11)における画面上に図形表示領域
   (24)を設けて，その領域内に図形を表示する図形表示処
   理手段(17)と，前記表示装置(11)における画面上に時間
   表示領域(25)を設けて，その領域内に時間軸に沿った時
   間表示図形(28)を表示する時間表示処理手段(18)と，時
   間の経過に従って，図形を移動または変形させる基準と
   なる変化基準図形(27)を，前記位置指定装置(12)の入力
   により前記図形表示領域(24)上で作成／編集し，その変
   化基準図形(27)上のいくつかの点の位置と前記時間表示
   図形(28)におけるいくつかの点の位置との対応情報を，
   図形情報中に設定する変化情報設定処理手段(19)と，前
   記時間表示図形(28)上における現時刻を示す点の移動ま
   たは指定された時間の経過に対応して，前記変化基準図
   形(27)上における対応する点の位置を補間計算により求
   め，その点の位置に基づいて図形を移動または変形させ
   る編集を行い図形の表示を更新する表示更新処理手段(2
   0)とを備えたことを特徴とする時刻により変化する図形
   の編集装置。
2. 【請求項２】 図形を表示する表示装置(11)と，表示画
   面中での位置を指定する位置指定装置(12)と，図形を作
   成／編集する処理装置(10)とを備えた図形編集装置にお
   いて，前記表示装置(11)における画面上に図形表示領域
   (24)を設けて，その領域内に図形を表示する図形表示処
   理手段(17)と，前記表示装置(11)における画面上に属性
   値表示領域を設けて，その領域内に所定の属性値の軸に
   沿った属性値表示図形を表示する属性値表示処理手段
   と，属性値の変化に従って，図形を移動または変形させ
   る基準となる変化基準図形(27)を，前記位置指定装置(1
   2)の入力により前記図形表示領域(24)上で作成／編集
   し，その変化基準図形(27)上のいくつかの点の位置と前
   記属性値表示図形におけるいくつかの点の位置との対応
   情報を，図形情報中に設定する変化情報設定処理手段(1
   9)と，前記属性値表示図形上における現属性値を示す点
   の移動または指定された属性値の変化に対応して，前記
   変化基準図形(27)上における対応する点の位置を補間計
   算により求め，その点の位置に基づいて図形を移動また
   は変形させる編集を行い図形の表示を更新する表示更新
   処理手段(20)とを備えたことを特徴とする属性値により
   変化する図形の編集装置。
3. 【請求項３】 図形を表示する表示装置(11)と，表示画
   面中での位置を指定する位置指定装置(12)と，図形を作
   成／編集する処理装置(10)とを備えた図形編集装置にお
   いて，時間の経過に従って，図形を移動または変形させ
   る基準となる変化基準図形(27)を，前記位置指定装置(1
   2)の入力により, 前記表示装置(11)の表示画面上におけ
   る図形表示領域(24)上で作成／編集し，その変化基準図
   形(27)上のいくつかの点の位置に対応する時刻に関する
   情報を，図形情報中に設定する変化情報設定処理手段(1
   9)と，編集対象となる図形中の点と前記変化基準図形(2
   7)上の現時刻の位置を示す点との間の束縛関係を定義
   し，図形情報中に設定する束縛関係設定処理手段(22)
   と，指定された時間の経過に対応して，前記変化基準図
   形(27)上における現時刻に対応する点の位置を補間計算
   により求め，その点の位置と図形情報中に設定されてい
   る束縛関係とに基づいて図形の移動／変形動作を確定さ
   せ，図形の表示を更新する表示更新処理手段(20)とを備
   えたことを特徴とする時刻により変化する図形の編集装
   置。
4. 【請求項４】 図形を表示する表示装置(11)と，表示画
   面中での位置を指定する位置指定装置(12)と，図形を作
   成／編集する処理装置(10)とを備えた図形編集装置にお
   いて，属性値の変化に従って，図形を移動または変形さ
   せる基準となる変化基準図形(27)を，前記位置指定装置
   (12)の入力により, 前記表示装置(11)の表示画面上にお
   ける図形表示領域(24)上で作成／編集し，その変化基準
   図形(27)上のいくつかの点の位置に対応する属性値に関
   する情報を，図形情報中に設定する変化情報設定処理手
   段(19)と，編集対象となる図形中の点と前記変化基準図
   形(27)上の現属性値を示す点との間の束縛関係を定義
   し，図形情報中に設定する束縛関係設定処理手段(22)
   と，指定された属性値の変化に対応して，前記変化基準
   図形(27)上における現属性値に対応する点の位置を補間
   計算により求め，その点の位置と図形情報中に設定され
   ている束縛関係とに基づいて図形の移動／変形動作を確
   定させ，図形の表示を更新する表示更新処理手段(20)と
   を備えたことを特徴とする属性値により変化する図形の
   編集装置。
5. 【請求項５】 図形を表示する表示装置(11)と，表示画
   面中での位置を指定する位置指定装置(12)と，図形を作
   成／編集する処理装置(10)とを備えた図形編集装置にお
   いて，前記表示装置(11)における画面上に図形表示領域
   (24)を設けて，その領域内に図形を表示する図形表示処
   理手段(17)と，前記表示装置(11)における画面上に時間
   表示領域(25)を設けて，その領域内に時間軸に沿った時
   間表示図形(28)を表示する時間表示処理手段(18)と，指
   定された図形のいくつかの状態と，前記時間表示図形(2
   8)におけるいくつかの点の位置との対応情報を，図形情
   報中に設定する変化情報設定処理手段(19)と，前記時間
   表示図形(28)上における現時刻を示す点の移動または指
   定された時間の経過に対応して，表示する図形の状態を
   補間計算により求め，求めた状態に基づく図形を表示す
   る表示更新処理手段(20)と，前記位置指定装置(12)によ
   る入力により，前記時間表示図形(28)上において図形の
   状態と対応づけられた点の位置を，対応する図形の状態
   情報とは独立に変更する時間編集処理手段(23)とを備え
   たことを特徴とする時刻により変化する図形の編集装
   置。
6. 【請求項６】 図形を表示する表示装置(11)と，表示画
   面中での位置を指定する位置指定装置(12)と，図形を作
   成／編集する処理装置(10)とを備えた図形編集装置にお
   いて，前記表示装置(11)における画面上に図形表示領域
   (24)を設けて，その領域内に図形を表示する図形表示処
   理手段(17)と，前記表示装置(11)における画面上に属性
   値表示領域を設けて，その領域内に所定の属性値の軸に
   沿った属性値表示図形を表示する属性値表示処理手段
   と，指定された図形のいくつかの状態と，前記属性値表
   示図形におけるいくつかの点の位置との対応情報を，図
   形情報中に設定する変化情報設定処理手段(19)と，前記
   属性値表示図形上における現属性値を示す点の移動また
   は指定された属性値の経過に対応して，表示する図形の
   状態を補間計算により求め，求めた状態に基づく図形を
   表示する表示更新処理手段(20)と，前記位置指定装置(1
   2)による入力により，前記属性値表示図形上において図
   形の状態と対応づけられた点の位置を，対応する図形の
   状態情報とは独立に変更する属性値編集処理手段とを備
   えたことを特徴とする属性値により変化する図形の編集
   装置。