JPH069594A - エポキシ化法 - Google Patents

エポキシ化法

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JPH069594A
JPH069594A JP5108755A JP10875593A JPH069594A JP H069594 A JPH069594 A JP H069594A JP 5108755 A JP5108755 A JP 5108755A JP 10875593 A JP10875593 A JP 10875593A JP H069594 A JPH069594 A JP H069594A
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JP
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alkali metal
zone
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phenol
stream
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Application number
JP5108755A
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English (en)
Inventor
Rajendra S Albal
エス アルバル ラジェンドラ
Robert N Cochran
エヌ コクラン ロバート
T Ben Hsu
ベン シュ ティ
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Lyondell Chemical Technology LP
Original Assignee
Arco Chemical Technology LP
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/32Separation; Purification

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィン/エチルベンゼンヒドロペルオキ
シドエポキシ化から得られるエポキシデートの処理にお
いて、苛性アルカリの必要量を大きく減少させる。 【構成】 エポキシデート生成物をアルカリ金属炭酸塩
から成る水性流によって処理し、処理済みエポキシデー
トからフェノール含有1−フェニルエタノール留分を分
離し、塩基性陰イオン交換樹脂による処理によって1−
フェニルエタノール留分からフェノールを分離し、前記
樹脂をアルカリ金属水酸化物水溶液によって再生し、樹
脂再生後のアルカリ金属水酸化物をアルカリ金属炭酸塩
に転換してエポキシデート処理に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシデートたとえ
ば工業的な酸化プロピレン/スチレンモノマー工程で生
成されるエポキシデートの改良された処理に関する。こ
の改良によれば、処理に使用する水の量が大きく減少
し、また処分しなければならない発生廃棄物も大きく減
少する。
【0002】
【従来の技術】酸化プロピレンとスチレンモノマーの同
時製造で非常に成功している方法は、エチルベンゼンヒ
ドロペルオキシドを生成させるためのエチルベンゼンの
分子酸素酸化、酸化プロピレンと1−フェニルエタノー
ルを生成させるための前記ヒドロペルオキシドとプロピ
レンとの触媒反応、および1−フェニルエタノールのス
チレンモノマーへの脱水、を含む。この方法を述べてい
る基本特許は、米国特許第3,351,635号であ
る。
【0003】エポキシデート混合物を、通常未反応プロ
ピレンの分離後に、水酸化ナトリウム水溶液で処理する
ことが知られている。この処理により、酸性物質の中
和、可溶性モリブデン触媒の除去、およびエポキシデー
トに含まれるフェノールの除去が達成される。酸性物質
の中和は、中和しない場合に後続の処理工程で発生しう
る腐食の問題を軽減し、また後続の蒸留時の生成物収率
低下を小さくするのに重要である。触媒の分離はもちろ
ん必要であるが、一方フェノール類の分離は、スチレン
モノマー生成物の品質に関して、また1−フェニルエタ
ノール脱水時の収率低下を避けるために、重要である。
しばしば、生成物スチレンモノマーも、蒸留では簡単に
分離できないフェノールを分離するために、苛性アルカ
リで処理される。
【0004】しかし、苛性アルカリ水溶液によるエポキ
シデートの処理には問題がある。効率的なフェノール除
去に必要な、通常によりも高いpH値の場合、著しいエ
ポキシド収率低下、ならびにデカンテーションにおける
乳化の問題、およびナトリウムのキャリオーバーの問題
が存在する。また、大量の使用済み苛性アルカリ水溶液
の廃棄も重大な問題となる。
【0005】米国特許第3,439,001号明細書に
は、酸化プロピレン/スチレンモノマー工程における、
再循環エチルベンゼンの苛性アルカリ水溶液による処理
が示されている。
【0006】米国特許第4,975,266号明細書に
は、塩基性陰イオン交換樹脂を用いた処理によって、過
酸化水素生成のための酸化に先立って1−フェニルエタ
ノールからフェノールを除去することが示されている。
【0007】特公昭56−39025号公報には、ポリ
ビニルピリジン樹脂との接触によって、有機化合物から
フェノールを除去することが示されている。
【0008】英国特許第1,232,710号明細書に
は、アルカリ金属水酸化物または炭酸塩の水溶液による
イソブタン酸化生成物の処理が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、エポ
キシデートたとえば酸化プロピレンとスチレンモノマー
の同時製造のための工程で生成されるエポキシデートの
処理のために、改良された方法が提供される。この方法
によれば、先行技術の方法による苛性アルカリ処理に伴
う問題を実質的に避けることができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】より詳しく言うと、本発
明によれば、エポキシデートを、好ましくは未反応プロ
ピレン除去後に、エポキシデートに含まれる酸性物質を
中和しかつエポキシ化に使用した可溶性モリブデン触媒
を水性相中に分離するのに効果的な条件下で、アルカリ
金属炭酸塩から成る水性流と接触させる。生成される混
合物を相分離し、処理済みのエポキシデートを、アルカ
リ金属除去のための水洗後に、通常の方法によって各種
成分に分離する。エポキシデート処理工程からの炭酸塩
抽出水性流を廃水焼却炉(waste water i
ncinerator)または湿式空気酸化ユニットに
送り、そこでアルカリ金属炭酸塩水溶液が再生される。
処理済みのエポキシデートは各種生成物留分に分離さ
れ、これらの留分の一つとして、1−フェニルエタノー
ルが濃縮された留分があり、この留分はスチレンモノマ
ー製造のための脱水ユニットへの供給材料となる。本発
明によれば、この留分に含まれ、かつスチレンモノマー
収率と純度の観点から望ましくないフェノール物質が塩
基性陰イオン交換樹脂を用いた処理によって分離され
る。このようにして、汚染フェノールが脱水に先立って
1−フェニルエタノール留分から除去される。塩基性樹
脂は、アルカリ金属水酸化物水溶液を通すことにより、
定期的に再生される。本発明によれば、樹脂再生から生
じる苛性アルカリ流も同様に廃水焼却炉または湿式酸化
ユニットに送ることができ、該ユニットにおいて前記ア
ルカリ流に含まれるアルカリ金属水酸化物当量はアルカ
リ金属炭酸塩に転換される。次に、この炭酸塩は最初の
エポキシデート処理工程で使用することができる。
【0011】上に明確に述べた工程組み合わせにより、
除去しかつ処分しなければならない使用済み苛性アルカ
リ水溶液の量が著しく減少し、工程経済と廃棄苛性アル
カリ処分との同時改良が行われる。
【0012】本発明の実施と図1を参照することによっ
てもっとも良く説明することができる。プロピレンとエ
チルベンゼンヒドロペルオキシドとの間の均一モリブデ
ン触媒反応によって得られるエポキシデート流は、未反
応プロピレン除去後(図示せず)、ライン1を通じて接
触帯域2に送られる。アルカリ金属炭酸塩から成る水性
流がライン3によって帯域2に導入され、これら二つの
流れは帯域2において十分に混合されて不混和性の相に
分離される。ライン21を通じて導入されるアルカリ金
属炭酸塩(ある量のアルカリ金属水酸化物を含むことは
随意)は、少なくともエポキシデートの酸性成分の中和
に必要な量が供給される。この接触の結果として、エポ
キシデートに含まれる酸性不純物がアルカリ物質と反応
し、モリブデン触媒とともに水性相中に除去される。こ
の水性相はライン4を通じて湿式酸化または焼却炉ユニ
ット5に送られる。
【0013】帯域2の状態は、従来の苛性アルカリ水溶
液処理におけるpH12〜13と比べて割合に低いpH
すなわち10よりも低いpHを水性相が有するように維
持される。そのような状態においては、有機酸性物質
は、大きな酸化プロピレン収率低下なしで、やっかいな
乳濁液の形成なしで、また有機相への大きなアルカリ金
属キャリオーバーなしで効率的に除去される。
【0014】ライン3を通じて帯域2に導入される水性
流は、アルカリ金属炭酸塩水溶液のみから成るようにす
ることができる。しかし、炭酸ナトリウムはあまり大き
くない水への溶解度しか有しないので、ライン3を通じ
て帯域2に導入される水の量を少なくするために、ずっ
と大きな水への溶解度を有するアルカリ金属酸化物をア
ルカリ金属炭酸塩に追加するのが場合によっては有効で
ある。しかし、注意しなければならないのは、導入する
アルカリ金属水酸化物の量を、10以上の水性相pHを
生じないようなものにすることである。アルカリ金属炭
酸塩水溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液(ライン21
を通じて導入される)を、帯域2に、該帯域内の水性相
のpHが10よりも低く、好ましくは約8〜9.7の範
囲に保たれるような量だけ供給するのが有効である。
【0015】処理済みのエポキシデートはライン6によ
って帯域2から洗浄およびデカンテーション帯域7に送
られ、帯域7において、エポキシデートはライン8によ
って導入される水で洗浄され、含まれるアルカリ金属化
合物が除去される。下部水性相はライン9によって帯域
7からアルカリ金属炭酸塩処理帯域2に送られ、帯域2
内の物質の接触と分離が促進される。
【0016】実質的にアルカリ金属化合物、酸、および
モリブデン化合物を含まない洗浄済のエポキシデート
は、ライン10によって分離帯域11に送られる。帯域
11は単一の分離ユニットで表現されているが、実施に
おいては、処理済みエポキシデートが一連の蒸留物工程
によって適当に分離され、酸化プロピレン生成物流、エ
チルベンゼン流、およびスチレンモノマーを製造する脱
水のために1−フェニルエタノールが濃縮された流れな
どの成分流になると理解すべきである。図面に示すよう
に、酸化プロピレン流はライン12によって、エチルベ
ンゼン流はライン22によって、また1−フェニルエタ
ノール流はライン13によって、分離帯域11から除去
される。
【0017】本発明によれば、陰イオン交換樹脂床接触
帯域14と15が備えられ、これらは交互使用を意図す
るものである。詳しく言うと、一つの帯域が1−フェニ
ルエタノール流からのフェノール化合物の接触と除去に
使用されている間、他の樹脂床にはアルカリ金属水酸化
物水溶液による再生のための再生サイクルを行うことが
できる。陰イオン交換樹脂との接触により、フェノール
とフェノール誘導体との効率的な除去が行われ、処理済
みの1−フェニルエタノール流は、ライン16によって
通常の脱水帯域に送られ、公知の方法によってスチレン
モノマーに転換される。苛性アルカリ水溶液がライン1
7を通じて導入され、周知の技術による使用済み樹脂床
の再生のために作用する。陰イオン交換床の再生後の水
性流は、ライン18によって焼却または湿式酸化帯域5
に送られ、該帯域において、接触帯域2からのアルカリ
金属炭酸塩水溶液流とともに公知の方法で焼却される。
帯域5で生成されるアルカリ金属炭酸塩水溶液流はライ
ン19を通じて送られ、一部はライン20からパージさ
れ、残りは帯域2におけるエポキシデートの処理に使用
するためにライン3を通じて送られる。
【0018】ライン19内のモリブデン化合物が十分に
不溶性である場合、示されるパージシステムの代替物と
して、濾過(図示せず)によってパージを一部または全
部置換えて、モリブデンの蓄積を防ぐようにすることが
できる。
【0019】先行技術の強苛性アルカリ洗浄(pH>1
2)に比べて低いアルカリ金属炭酸塩洗浄相のpHすな
わち10よりも低いpHにより、塩基触媒作用を受ける
酸化プロピレンの廃棄副生物中への損失が0.5%選択
率の程度だけ減少し、したがって工程経済が大きく改良
される。
【0020】炭酸塩および重炭酸塩陰イオンは、エポキ
シデート苛性アルカリ洗浄において観察される乳濁液に
対して解乳化剤として作用する。従来のエポキシデート
苛性アルカリ洗浄における有機物相と水性相はともに不
透明な乳濁液であるが、本発明のエポキシデートアルカ
リ金属炭酸塩洗浄工程におけるこれら二つの相は半透明
の溶液である。洗浄工程から乳濁液をなくすことによ
り、プロセス制御が改良され、また工程廃棄物として処
分される。洗浄デカンター内の乳化廃棄層の発生がなく
なる。
【0021】低めのpHと炭酸塩洗浄により乳濁液発生
をなくしたこととにより、有機物流へのアルカリ金属化
合物のキャリオーバーが減少する。それによって、今度
は、アルカリ金属塩によるリボイラーの詰まりが少なく
なり、したがって洗浄の下流で行われる重質成分パージ
におけるアルカリ金属汚染が少なくなる。
【0022】帯域14および15における陰イオン交換
樹脂床処理により、流れ内のエチルフェノールの80
%、およびフェノールの100%までもが除去される。
エチルベンゼンを酸化エチルベンゼンヒドロペルオキシ
ドとするときに生成されるエチルフェノールは、フェノ
ールよりも弱い酸であり、通常のエポキシデート苛性ア
ルカリ洗浄ではわずか10%しか除去去れない。エチル
フェノールは、1−フェニルエタノール脱水工程におい
て重質成分への大きなスチレン損失を引き起こす。脱水
の前に80%のエチルフェノールが除去されることによ
り、総スチレン選択率の0.6%程度がおさえられ、こ
れによってもさらに工程経済が大きく改良される。
【0023】本発明の方法は、図1に示すように廃水酸
化ユニットと組み合わせると、アルカリ金属炭酸塩水溶
液としての塩基をエポキシデート炭酸塩洗浄に再循環さ
せることを可能にする。樹脂床の再生には新鮮な苛性ア
ルカリを使用し、またこの場合の反応は化学量論的なも
のである(1モルのフェノラートまたはエチルフェノラ
ート陰イオンの抽出に1当量の苛性アルカリ)。全体と
して、本発明の方法は新鮮な苛性アルカリの消費を従来
の方法に比べて65%減少させる可能性を有している。
またそれに対応して、工程からパージしなければならな
いアルカリ金属炭酸塩溶液が65%減少する。
【0024】本発明の方法は、従来の苛性アルカリ洗浄
と比べて、アルカリ金属除去のためのエポキシデート炭
酸塩洗浄に少量の水しか必要としない。可能な廃水減少
は50%である。したがって、廃水酸化ユニットにおけ
る水の気化に必要なエネルギーが減少する。
【0025】本発明の実施に使用されるイオン交換樹脂
は、周知の市販製品である塩基性陰イオン交換樹脂であ
る。強塩基樹脂および弱塩基樹脂のどちらも使用するこ
とができる。
【0026】強塩基樹脂は、第4アンモニウム基を有す
る樹脂を生じる、クロロメチル化スチレン−ジビニルベ
ンゼン(DVB)コポリマーと第3アミンたとえばトリ
メチルアミンとの反応によって製造することができる。
【0027】弱塩基陰イオン交換体の基本タイプは、ス
チレン−DVBコポリマーのアミン誘導体、エピクロロ
ヒドリン−アミン縮合物、およびフェノール−ホルムア
ルデヒド縮合物のアミン誘導体であり、第1、第2、も
しくは第3アミン基、またはこれらの基のいくつかもし
くはすべての混合物を含むことができる。
【0028】弱塩基スチレン−DVB樹脂は、たとえ
ば、強塩基スチレン−DVB樹脂を作るのとほとんど同
じ方法でクロロメチル化コポリマーをアミン化すること
によって作ることができる。ただし、一般に第3アミン
の代わりに第1または第2アミンを使用する。
【0029】本発明で有効な塩基性陰イオン樹脂の製造
を記載した米国特許明細書としては、第4,025,4
67号、第3,791,996号、第3,817,87
8号、第3,346,516号、第4,082,701
号、第3,843,566号、第3,813,353
号、第3,812,061号、第3,882,053
号、第3,793,273号、第3,296,233
号、第3,108,922号、第3,005,786
号、第3,637,535号、および第4,052,3
43号明細書がある。
【0030】アルカリ金属がナトリウムまたはカリウム
であるアルカリ金属炭酸塩の使用が好ましい。炭酸ナト
リウムは費用が割安であるという利点を有するが、炭酸
カリウムは水への溶解度が大きいという重要な利点を有
する。
【0031】アルカリ金属炭酸塩と少量のアルカリ金属
水酸化物との混合物を、このエポキシデート処理工程で
使用することができる。そのような混合物の使用は、水
性相のpHがかなり低くすなわち10よりも低く保た
れ、したがって乳濁液の問題とアルカリ金属キャリオー
バーとが避けられる一方で、添加される水の総量がアル
カリ金属水酸化物の割合に大きな水への溶解度により最
小限におさえられる、という利点を有する。
【0032】本発明によって処理されるエポキシデート
は、プロピレンとエチルベンゼンヒドロペルオキシドと
の公知のモリブデン触媒反応によって製造されるもので
ある。米国特許第3,351,635号明細書には、こ
の反応に関する完全な記述がある。
【0033】エポキシ化に使用する反応条件は、非常に
広い範囲で変えることができる。米国特許第3,35
1,635号明細書に述べてあるように、使用できる温
度は、それぞれの系の反応性およびその他の特性に応じ
て非常に広い範囲で変えることができる。広く約−20
〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましく
は50〜120℃の範囲の温度が使用できる。反応は液
体相を維持するのに十分な圧力条件で実施する。減圧も
使用できるが、通常大体大気圧から約70.3kg/c
2 ゲージ圧(約1,000psig)がもっとも好ま
しい。
【0034】オレフィン系基質の酸化において、基質と
有機ペルオキシ化合物との比率は広い範囲で変えること
ができる。一般に、基質中のオレフィンとヒドロペルオ
キシドとのモル比は、広く0.5:1〜100:1、好
ましくは1:1〜20:1、さらに好ましくは2:1〜
10:1の範囲が使用される。
【0035】反応開始時の基質酸化反応混合物中のヒド
ロペルオキシドの濃度は、通常1%以上であるが、もっ
と低い濃度も有効であり、使用することができる。
【0036】基質酸化反応は溶剤の存在下で実施するこ
とができ、実際、一般に溶剤を使うのが好ましい。一般
に、水性溶剤は用いられない。適当な物質としては、炭
化水素(脂肪族炭化水素、ナフテン系炭化水素、または
芳香族炭化水素とすることができる)とこれらの炭化水
素の酸素化誘導体がある。好ましくは、溶剤は使用する
ヒドロペルオキシドと同じ炭素骨格構造を有するものと
し、溶剤分離の問題が最小限におさえられるかまたは避
けられるようにする。エチルベンゼンは好ましい溶剤で
ある。
【0037】一般にこの反応は、妥当な選択率と両立す
る限り、できるだけ高いヒドロペルオキシド転換が達成
されるように実施するのが有利である。1分から長時間
にわたる反応時間、好ましくは約10分〜10時間の反
応が適当であるが、通常20分〜3時間が使用される。
【0038】
【実施例】図1において、プロピレンとエチルベンゼン
ヒドロペルオキシドとのモリブデン触媒反応から得られ
るエポキシデート流は、未反応プロピレンの除去後、4
53.6kg/hr(1000lbs/hr)の流量
で、ライン1を通じて帯域2に送られる。このエポキシ
デート流は、約8wt%の酸化プロピレン、約30wt
%の1−フェニルエタノール、約53wt%のエチルベ
ンゼン、約4wt%のアセトフェノン、約1600pp
mのフェノールと700ppmのエチルフェノール、約
0.34wt%の酸、および約50ppmのMoから成
る。
【0039】炭酸ナトリウム水溶液(10wt%炭酸ナ
トリウム)がライン3を通じて、30.4kg/hr
(67lbs/hr)の流量で、帯域2に送られる。帯
域7からの水性洗浄流がライン9を通じて、15.0k
g/hr(33lbs/hr)の流量で、帯域2に送ら
れる。帯域2の状態は温度35℃、常圧である。
【0040】これらの流れは帯域2において混合され、
相分離される。下部水性相はライン4を通じて流量4
5.4kg/hr(100lbs/hr)で湿式焼却炉
5に送られる。この流れは約9.5のpHを有し、約
3.3wt%の炭酸ナトリウムと少量の有機物を含み、
さらに有機供給材料流からのモリブデンの大部分を含ん
でいる。
【0041】40ppmNaを含む有機物相がライン6
を通じて流量453.6kg/hr(1000lbs/
hr)で帯域2から洗浄帯域7に送られる。帯域7にお
いて、有機物相は、ライン8を通じて流量15.0kg
/hr(33lbs/hr)で導入される水によって洗
浄される。帯域7の状態は35℃常圧である。
【0042】帯域7からの水性相は、前述のように、ラ
イン9を通じて流量15.0kg/hr(33lbs/
hr)で帯域2に送られ、一方有機物相はライン10を
通じて帯域7から分離帯域11に送られる。この有機物
相は20ppmNaを含み、約7.5wt%の酸化プロ
ピレン、約30wt%の1−フェニルエタノール、約5
3wt%のエチルベンゼン、約4wt%のアセトフェノ
ン、および約0.23wt%のフェノールから成る。酸
含有率は250ppmよりも低くなっており、またモリ
ブデン含有率は0.5ppmMoよりも低くなってい
る。
【0043】分離帯域11は実際には一連の蒸留塔から
成る。最初の蒸留において、生成物酸化プロピレンが4
2℃、2.6kg/cm2 ゲージ圧(36.7psi
g)で塔頂から蒸留されて、流速34.0kg/hr
(75lbs/hr)で採取され、またエチルベンゼン
がライン22によって流速約238.1kg/hr(約
525lbs/hr)で採取される。
【0044】134℃、2.89kg/cm2 ゲージ圧
(41.1psig)の残液がいくつかの蒸留塔を通っ
て流速181.4kg/hr(400lbs/hr)で
ライン13内を流れ、(冷却後)イオン交換樹脂処理帯
域14に達する。帯域14においては、有機物流が35
℃の強塩基陰イオン交換樹脂(たとえばRohn&Ha
as AmberlystA−26)床を通過し、該樹
脂床からライン16によって採取される。この樹脂処理
の結果として、90%のフェノールと80%のエチルフ
ェノールが有機物流から除去される。帯域14からの処
理済み有機物流は、約84wt%の1−フェニルエタノ
ール、約12wt%のアセトフェノン、および約4wt
%のその他の物質から成り、スチレンモノマー製造のた
めの通常の工程に送られる(図示せず)。
【0045】帯域14と同じ樹脂が充填されている帯域
15は、帯域14がフェノール類の除去に使用されてい
る間に、苛性アルカリ水溶液との接触により再生され
る。苛性アルカリ水溶液(5wt%NaOH)がライン
17によって流量29.9kg/hr(66lbs/h
r)で帯域15に送られる。再生温度は35℃で、再生
接触はフェノール類が樹脂から除去されるまで続けられ
る。
【0046】苛性アルカリ再生流れはライン18よにっ
て湿式焼却炉5に送られる。再生が完了すると、帯域1
5は、帯域14のフェノール除去能力が所定のレベルに
低下するまで、待機状態に保たれ、この所定レベルに達
した時点で、流れが通常の手段によって切り替えられ
て、帯域15がフェノール除去帯域となり、帯域14が
前述のようにして再生される。
【0047】湿式焼却帯域は、ライン4および18を通
る水性流れによって送り込まれる有機物質を酸化させる
ために、通常のやり方で運転される。湿式焼却条件は、
約1000℃、12.7kg/cm2 ゲージ圧(180
psig)で、酸化剤として空気が使用される(図示せ
ず)。帯域5においては、ナトリウム物質が炭酸ナトリ
ウムに転換される。炭酸ナトリウム流れはライン19に
よって流速36.3kg/hr(80lbs/hr)で
除去され、この流れは10wt%の炭酸ナトリウムから
成る。約5.9kg/hr(約13lbs/hr)がパ
ージされ、残りはライン3を通じて炭酸ナトリウム処理
帯域2に再循環させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の模式的な説明図である。
【符号の説明】
2 接触帯域 5 湿式酸化帯域 7 洗浄およびデカンテーション帯域 11 分離帯域 14 陰イオン交換樹脂床接触帯域 15 陰イオン交換樹脂床接触帯域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラジェンドラ エス アルバル アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 19382 ウエスト チェスター クリッパ ー ミル ドライブ 1090 (72)発明者 ロバート エヌ コクラン アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 19382 ウエスト チェスター カーライ ル ロード 310 (72)発明者 ティ ベン シュ アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 19382 ウエスト チェスター アシュレ イ ロード 1010

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンをエチルベンゼンヒドロペル
    オキシドによってエポキシ化する方法であって、 a)エポキシ化によって得られる、1−フェニルエタノ
    ール、エポキシド、ならびに酸性およびフェノール不純
    物から成るエポキシデート生成物混合物を、該エポキシ
    デート混合物の酸性成分の中和に有効な条件で、アルカ
    リ金属炭酸塩水溶液に接触させ、 b)有機エポキシデート相をアルカリ金属炭酸塩水溶液
    相から分離し、 c)フェノール含有1−フェニルエタノール留分を処理
    済みエポキシデートから分離し、 d)フェノールを、塩基性陰イオン交換樹脂との接触に
    よって、1−フェニルエタノール留分から除去し、 e)不活性化塩基性陰イオン交換樹脂を、アルカリ金属
    水酸化物水溶液との接触によって再生し、 f)樹脂再生工程e)からのアルカリ金属水酸化物水溶
    液と工程b)からのアルカリ金属炭酸塩水溶液とを混合
    して、工程a)での使用のために、アルカリ金属炭酸塩
    を再生する、ことから成ることを特徴とするエポキシ化
    法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属がナトリウムであるこ
    とを特徴とする請求項1のエポキシ化法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属がカリウムであること
    を特徴とする請求項1のエポキシ化法。
  4. 【請求項4】 前記エポキシドが酸化プロピレンである
    ことを特徴とする請求項1のエポキシ化法。
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