JPH0695878B2 - 乳固形食品 - Google Patents

乳固形食品

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JPH0695878B2
JPH0695878B2 JP60197275A JP19727585A JPH0695878B2 JP H0695878 B2 JPH0695878 B2 JP H0695878B2 JP 60197275 A JP60197275 A JP 60197275A JP 19727585 A JP19727585 A JP 19727585A JP H0695878 B2 JPH0695878 B2 JP H0695878B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、乳製品に関し、更に詳しくは、原料乳を低温
で水分含量10〜50%まで濃縮することにより得られる乳
白色で風味、食感の良好な乳固形食品に関する。
[従来の技術] 固形の乳製品としては、バター、チーズ、粉ミルク等が
あり、乳脂肪、乳蛋白を豊富に含有する高栄養価の食品
として普及している。これらの中では、バターが乳脂肪
を分離した食品である他は、牛乳に乳酸菌を接種醗酵さ
せる、或いは、乾燥して水分のみを除去する等で、牛乳
の成分をそのまま用いる例が多い。
牛乳の成分をそのまま用いる我国古来の食品としては、
「蘇」が存在する。「蘇」の製法は、延喜式によれば
「乳大一斗煎。得蘇大一升。」とあり、これによれば、
乳を1/10量まで煎じることにより蘇を得ている(尤も、
牛乳の固形物濃度は11〜13%のため、1/10量に煮詰める
ことは理論上不可能である)。
また、従来知られている蘇は、このように乳を煎じた濃
縮物であり、練乳様乃至は褐色の凝固物であって、乳製
品としての商品価値を論じ難く、また、現実に商品化さ
れたとの報告も存在しない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、牛乳の成分をそのまま含有し、高栄養で、保
存性、外観、食感に優れた新規な乳固形食品を得ること
を目的とし、特に、蘇の製法を改良することにより、蘇
の問題点、即ち、製品の外観が褐色を呈し、かつ、工業
的生産に適したプロセスが未確立である点を改善し、乳
白色で、工業生産に適応した高栄養価で食感、風味の良
好な乳固形食品を得ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、上記問題点の解決につき鋭意研究を重ねた
結果、牛乳を一定の水分まで濃縮した固形物は、牛乳の
風味、栄養価をそのまま有し、食感もチーズ様のクリー
ミーな中に乳糖結晶のサクサクした歯触りが混在調和
し、ヘテロで新規な食感が得られること、更に、濃縮に
際し、沸騰温度よりも2〜3℃以下に品温を維持し、更
に好ましくは10℃以下の低温処理を加えることにより、
従来得られなかった乳白色の外観を呈することを見出
し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、(1)原料乳を、沸騰温度よりも低温
の濃縮処理を単独で、又は、沸騰温度以上の高温の濃縮
処理と組合せて、水分含量10〜50%まで濃縮するか、又
は、(2)濃縮後に未処理の原料乳を添加し、水分含量
10〜50%に調整し、成型してなることを特徴とする乳固
形食品である。本発明の原料となる乳は、搾乳した牛乳
をそのまま又は殺菌処理したもので、普通牛乳、特別牛
乳、均質牛乳、強化牛乳、還元牛乳、ソフトカードミル
ク、スキムミルク、凍結乳、フレーバーミルク、殺菌乳
等の市乳一般(好ましくは、脱脂処理を行わない牛乳)
が含まれるが、その他の濃縮乳を単独で又は市乳と組み
合せて原料乳とすることも、本発明の目的を逸脱しない
範囲で可能である。また、牛乳以外の乳、例えば、山羊
乳、豆乳等を同様に原料乳の全部又は一部として使用し
てもよい。
原料乳は、(1)沸騰温度よりも低温の濃縮処理を単独
で、又は、(2)沸騰温度以上の高温の濃縮処理と、沸
騰温度よりも低温の濃縮処理とを組合わせて水分10〜50
%まで濃縮するか、又は、(3)濃縮後に未処理の原料
乳を添加し、水分10〜50%に調整する。低温濃縮処理
は、97℃以下、好ましくは、80℃以下、更に好ましく
は、10℃以下の低温又は凍結濃縮により行う。濃縮装置
は、バッチ式、連続式濃縮装置の何れでもよく、常用の
いかなる装置も、使用可能である。濃縮温度が低いほ
ど、外観の白い製品が得られるが、濃縮効率は、一般に
低下するので、原料乳を沸騰温度以上の高温で、予め水
分80%以下、好ましくは60%以下に低下させ、次いで品
温97℃以下で水分10〜50%まで濃縮する方法が効率的で
ある。ただし、この方法においても、凍結乾燥を組合わ
せる場合には、濃縮が進むと、凍結が困難となり、乾燥
効率が低下するので、凍結濃縮法の場合には、原料乳を
無濃縮状態でそのまま凍結、濃縮するほうが生産効率が
高まる結果となり易い。本発明の第3の方法である、濃
縮後に未濃縮の原料乳を添加する場合、濃縮方法は、必
ずしも低温濃縮を行う必要はないが、好ましくは、低温
濃縮と、高温濃縮とを組合わせる。この方法の場合、濃
縮乳への原料乳の添加は、濃縮を水分50%以下まで行っ
た後に行い、更に、必要に応じ、濃縮処理(好ましく
は、沸騰温度よりも低温の濃縮処理)を行うことにより
水分を10〜50%に調整することが望ましい。
以上の何れかの方法により、原料乳を水分10〜50%まで
濃縮する。従って、この段階では、原料乳の1/4〜1/8程
度にまで濃縮されており、可塑性のチーズ様の粘度を有
している。固形物の水分が10%より少ない場合、保存性
は高まるが、食感はパサパサしており、直接の食用には
適さない。逆に、固形物の水分が50%より多くなると、
保存性、保形性が低下し、目的とするヘテロでクリーミ
ーな食感が得られなくなる。従って、本発明が目的とす
る固形食品の水分は、10〜50%、更に好ましくは、20〜
35%である。
濃縮され、固形状態の乳は、次いで、所望の形状に成型
するが、成型の前又は成型中のいずれかの段階で、磨砕
処理又はこれに準ずる方法で乳中の乳糖結晶を粉砕する
ことが、粗大な結晶の存在による食感の低下を防止する
上で好ましい。磨砕の程度は、乳糖の結晶が細かい程滑
かな食感となるが、乳糖のサクサクした食感の混在する
ヘテロな食感の取得には、16〜35メッシュ(より好まし
くは20〜32メッシュ)の粒度となる程度でよい。この程
度の結晶粒径の場合、クリーミーな食感と、サクサクし
た脆い食感とが調和したヘテロで嗜好性の高いテクスチ
ュアが得られる。なお、磨砕処理は、濃縮の最後の段階
で、濃縮と同時に行ってもよい。
成型の方法、形状等についても特に限定はない。例え
ば、モールドで所望の形に成型する、モールド成型後カ
ットする、スタッファー成型する、カップ・パウチに詰
める等が挙げられる。更に、成型の前〜後に保存性を向
上するための殺菌処理を行ってもよいことは言うまでも
ない。
本発明の乳固形食品は、上記原料以外にも、調味料、甘
味料、香料、香辛料その他の各種食品、食品添加物を併
用することが可能であり、更に、肉、魚介類、野菜類、
果実素の他の食品との組合せにより、全く新規な食品と
して提供することが可能である。
[発明の効果] 本発明においては、沸騰温度を避けた低温濃縮処理また
は未濃縮乳と濃縮乳との混合により水分含量10〜50%に
仕上げることにより、乳白色の外観、クリーミーな中に
乳糖の脆い食感が混在・調和したヘテロなテクスチュ
ア、さらに、乳成分をそのまま含有する高栄養価の新規
な食品が工業的に取得可能である。次に、実施例によ
り、本発明を更に説明する。
実施例1 原料乳(普通市乳、固形分11.8%)6lを乾燥用トレイに
いれ、−65℃で急速凍結後、真空0.3Torrの減圧下、30
℃で乾燥し、水分30%の濃縮物を得た。
該濃縮物の2/1量をミキサーで強制撹拌し、金属篩(24
メッシュ)にかけた後、プラスチックトレイに充填し、
一夜冷蔵した(試験区1)。
残りの1/2量については、上記ミキサー及び金属篩によ
る磨砕処理を行わずにプラスチックトレイに充填し、冷
蔵した(試験区2)。
得られた2種類の凍結濃縮品及び対照として、原料乳を
略沸騰状態(品温100℃)で4時間、水分30%まで濃縮
したものを用いて、5段階法による官能評価を行った。
結果を第1表に示す 実施例2 原料乳(普通市乳、固形分11.8%)3lを釜にいれて直火
にかけ、品温100℃に達温後火力を下げ、未沸騰状態で
(品温95〜96℃)3時間加温後、冷却し、冷蔵庫で24時
間放置した。この処理を2回繰返し、最後の加温終了時
に金属篩(24メッシュ)を通し、プラスチックトレイに
充填成型し、水分28%の濃縮固形物を得た。
得られた固形食品及び対照として、直火で略沸騰状態で
水分28%に濃縮後、プラスチックトレイに充填成型した
ものを用い、味覚パネル20名で2点比較法による官能評
価を実施したところ、本発明品が、外観、食感、風味の
いずれにおいても有意に好まれた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料乳を沸騰温度よりも低温の濃縮処理を
    単独で又は沸騰温度以上の高温の濃縮処理と組合せて、
    水分含量10〜50%まで濃縮して得た可塑性濃縮物を16〜
    35メッシュの粒度に磨砕処理し、次いで成型することに
    より得られるクリーミーさとサクサクした脆い食感とが
    混在するヘテロな食感を有する乳固形食品。
  2. 【請求項2】低温濃縮処理が品温97℃以下での蒸発濃縮
    処理であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の乳固形食品。
  3. 【請求項3】低温濃縮処理が、凍結濃縮又は品温10℃以
    下での濃縮であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の乳固形食品。
  4. 【請求項4】原料乳を沸騰温度以上の高温で水分80%以
    下に濃縮後、品温97℃以下で水分10〜50%まで濃縮する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第2項又は第3項記載
    の乳固形食品。
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