JPH069463B2 - 展延性を有する水中油型乳化物の製造方法 - Google Patents

展延性を有する水中油型乳化物の製造方法

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JPH069463B2
JPH069463B2 JP59048499A JP4849984A JPH069463B2 JP H069463 B2 JPH069463 B2 JP H069463B2 JP 59048499 A JP59048499 A JP 59048499A JP 4849984 A JP4849984 A JP 4849984A JP H069463 B2 JPH069463 B2 JP H069463B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は展延性を有する水中油型乳化物を製造する方
法、更に詳しくは本来流動性である水中油型乳化物を展
延性を有するペースト状の水中油型乳化物に変換する方
法に関する。
従来、パン、菓子類に塗布展延して用いる、いわゆるス
プレッドは、脂肪率の高い食用油脂もしくは油中水型乳
化物から成っている。ところが、油中水型乳化物の形体
のスプレッドではその調製に用いる油脂の脂肪酸組成も
しくは固体脂指数のような油脂特性が、直接スプレッド
自体の物性に影響するため、保型性と展延性のような相
反する物性を同時に満足することが要求されるスプレッ
ドの調製に当っては、それに用いる油脂について上記物
性を満たす油脂を選択するという多大な労力が必要であ
った。加うるに、油中水型乳化物から成るスプレッドで
は水溶性の着色料、着香料および調味料等を均一に添
加、混合することができないという制約があった。
本発明者は、従来のスプレッドにみられる上記問題点に
鑑み、水中油型乳化物に展延性を付与することに着目
し、検討した結果、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、水中油型乳化物を特定な条件下で
処理して該乳化物に展延性を発現させることにより、広
範囲の種類の油脂の使用を可能ならしめ、かつ上記水溶
性物質を添加し得る展延性を有する水中油型乳化物を製
造するための方法を提供することを目的とする。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明の特徴は、脂肪率が30%以上の水中油型乳化物
を調製し、該乳化物をその構成油脂の上昇融点を中心と
して上下で約5℃以内の範囲の温度領域における恒温状
態下に保持した後、緩徐に冷却することにより展延性を
発現させることにある。
本発明では、まず、油脂含量が30%以上、すなわち、
油脂率30%以上の水中油型乳化物を常法により調製す
る。ついで、この水中油型乳化物を、該乳化物の構成油
脂の上昇融点を中心として上下約5℃以内の範囲の温度
領域における恒温状態下に保持して放置する。この恒温
状態下での保持時間は長い程好ましいが10分以上であ
ればよい。上述のように恒温状態下に保持した後、乳化
物を緩徐な冷却速度で冷却すると展延性が発現するよう
になる。この場合の冷却速度は、低い程好ましいが、2.
2℃/分以下であれば、水中油型乳化物本来の流動性が
失われて展延性のあるペースト状態に変換する。なお、
この変換により乳化物の相転換は起らず、水中油型の形
体を保持する。
なお、本発明では水中油型乳化物を上記恒温状態に保持
するときの温度および上記冷却速度を制御することによ
り、発現する展延性の程度をコントロールできるので、
目的に応じ、マーガリン形態のような非流動性の塑性体
からマヨネーズ形態のような流動性塑性体に至る巾広い
展延性を有する製品を製造することも可能である。又、
該乳化物を調製するための原料油脂の選択に当っては、
配合油脂の融点を測定するだけでよく、原料油脂選択上
の制約は殆んどない。
更に、本発明による展延性を有する乳化物は、上述のよ
うに、水中油型の形体を保持しているので、該乳化物を
調製するに当っての原料油脂の選択上の制約がなく、一
方水溶性の着色料、着香料および調味料等を任意に添加
し得る利点がある。したがって、本発明によると、バラ
エティに富んだスプレッド製品を提供することが可能と
なる。
次に、脂肪率30%以上の水中油型乳化物を種々の温度
条件下に保持し、ついで種々の冷却速度で冷却した場合
における、上記乳化物に展延性が発現する状態を実験し
た結果を例示する。
実験方法 水中油型乳化物における脂肪率(油脂含量)の影響に
ついて。
上昇融点35.5℃を示す配合油脂の30重量部、40重量部並
びに50重量部を70℃でそれぞれ溶融したものに乳化剤0.
4重量部を加えて各々30.4重量部、40.4重量部並びに50.
4重量部の油相を作り、一方脱脂粉乳4重量部と乳化剤
0.2重量部およびリン酸塩0.10重量部を50℃の温水の65.
3重量部、55.3重量部並びに45.3重量部にそれぞれ溶解
して各々69.6重量部、59.6重量部並びに49.6重量部の水
相を作り、これらの各水相に上記各油相をそれぞれ攪拌
しながら加えて各々水中油型乳化物100重量部を調製し
た。
これらの水中油型乳化物を急冷後、冷蔵庫に一夜置いた
後、25℃、35℃並びに45℃の各温度にそれぞれ1時間置
き、ついで下記表1に示す2種の冷却速度で冷却し、一
夜置いた。次に、このようにして処理した各乳化物の粘
度を測定した。結果は表1に示すとおりである。
表1にみられるように、乳化物中の脂肪率(油脂含量)
が30%以上の水中油型乳化物を、35℃の温度に処理した
ものはいずれも粘度増加がみられ、かつ徐々に冷却した
方が増粘効果が著しい。なお、25℃、45℃の温度に処理
したものは粘度増加がみられない。
水中油型乳化物における処理温度と冷却速度の影響に
ついて。
上昇融点35.5℃を示す配合油脂40重量部を70℃で溶融し
たものに、乳化剤0.4重量部を加えて各々40.4重量部の
油相を作り、一方脱脂粉乳4重量部とリン酸塩0.10重量
部および乳化剤0.2重量部を50℃の温水55.3重量部に溶
解して59.6重量部の水相を作り、この水相に上記油相を
攪拌しながら徐々に加えて、水中油型乳化物とし、これ
を80kg/cm2に加圧したホモジナイザーに通し、つい
でUHT方式で殺菌した後、5℃まで冷却して流動性水
中油型乳化物を調製した。この乳化物の粘度は5℃で6
0c.p.である。
次に、この水中油型乳化物を表2に示す各種の恒温状態
に1時間保持した後、同じく表2に示す4種の冷却速度
で冷却して、各乳化物における展延性の発現状態を調べ
た。結果は表2に示すとおりである。
表2にみられるように、水中油型乳化物をその構成油脂
の上昇融点(35.5℃)を中心として上下約5℃以内の範
囲の温度領域での恒温状態下に保持し、ついで2.2℃/
分以下の低い冷却速度で冷却すると、上記乳化物に展延
性を発現させ得る。
次に、上記乳化物を、その構成油脂の上昇融点付近であ
る35℃の恒温状態に保持した場合におけるその保持時
間と該乳化物に展延性が発現するに要する時間との関係
を調べた。結果は添付図に示すとおりである。
図面からみられるように、上記恒温状態に保持する時間
が長い程乳化物に展延性が発現し始める時間が短かくな
ること、および10分以上保持すると展延性が発現する
ことがわかる。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 上昇融点35.5℃を示す配合油脂40重量部を70℃で溶
解したものに乳化剤0.4重量部を加え、40.4重量部の油
相を作った。別に脱脂粉乳4重量部とリン酸塩0.10重量
部および乳化剤0.2重量部を、50℃の温水55.3重量部
に混合溶解して59.6重量部の水相を作り、この水相に上
記油相を攪拌しながら徐々に加え、水中油型乳化物を作
り、これを80kg/cm2に加圧したホモジナイザーを通
してUHT方式で殺菌した後、5℃まで冷却し、流動性
水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物の粘度は5
℃で50〜60c.p.である。
この流動性水中油型乳化物を38.5℃の恒温状態に保持し
て1時間置いた後、0.4℃/分の冷却速度で5℃まで冷
却し、5℃で一夜冷蔵庫中に保存した。
以上の工程で得られた水中油型乳化物はマーガリン様の
展延性を有し、表面が滑らかで水に分散した。
実施例2 上昇融点35.5℃を示す配合油脂を用い、実施例1に記載
と同様の手順により流動性水中油型乳化物を作った。
この流動性水中油型乳化物を30℃の恒温状態に保持し
て1時間置いた後、0.4℃/分の冷却速度で5℃まで冷
却し、5℃で一夜冷蔵庫中に保存した。
以上の工程で得られた水中油型乳化物は、マヨネーズ様
の流動性を有し、表面は滑らかで、水に分散した。
実施例3 上昇融点32.6℃を示す配合油脂を用い、実施例1に記載
と同様の手順により、流動性水中油型乳化物を作った。
この流動性水中油型乳化物を32℃の恒温状態に保持し
て1時間置いた後、0.4℃/分の冷却速度で5℃まで冷
却し、5℃で一夜冷蔵庫中に保存した。
以上の工程で得られた水中油型乳化物は、流動せず、若
干の展延性を有しており、マヨネーズとマーガリンの中
間の性状であった。
次に、上記実施例で得られた各水中油型乳化物の物性を
下記に示した方法により測定した結果を表3に示す。な
お、市販のマヨネーズ並びにソフトマーガリンの物性を
同様にして測定した結果を併せて表に示した。
測定方法: 展延性の状態は外観により測定し、良好な展延性を示
すものを(++)で、やや展延性を示すものを(+)で
表わし、 硬さはレオナー(山電社製)により直径16mmの円柱
プランジャーを用い、圧縮速度0.5mm/秒で圧縮した時
の10秒後(5mm貫入時)の荷重の読みを表示すること
により示し、 粘度はビスメトロン(精機工業研究所製、B型粘度
計)を用い、ローターNo.4、回転数1.5r.p.m.で測定し
た数値で示した。
表3にみられるように、実施例1による乳化物はソフト
マーガリンに近い物性を、実施例2による化合物はマヨ
ネーズに近い物性をそれぞれ示し、実施例3による乳化
物はその中間の物性を示すことがわかる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明による水中油型乳化物における展延性の発現
状態を示したものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−25641(JP,A) 特開 昭54−52739(JP,A) 特開 昭56−148239(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪率30%以上の水中油型乳化物を、該
    乳化物の構成油脂の上昇融点を中心として上下で約5℃
    以内の範囲の温度領域における恒温状態下に保持した
    後、緩徐に冷却して展延性を発現させることを特徴とす
    る展延性を有する水中油型乳化物の製造方法。
  2. 【請求項2】上記恒温状態下に10分以上保持する特許
    請求の範囲第(1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】冷却を2.2℃/分以下の冷却速度で行なう
    特許請求の範囲第(1)項又は第(2)項記載の方法。
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JP2020182903A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 日本製紙株式会社 カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含む乳化剤

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