JPH06943B2 - 被覆鋼線の製造方法 - Google Patents

被覆鋼線の製造方法

Info

Publication number
JPH06943B2
JPH06943B2 JP16913885A JP16913885A JPH06943B2 JP H06943 B2 JPH06943 B2 JP H06943B2 JP 16913885 A JP16913885 A JP 16913885A JP 16913885 A JP16913885 A JP 16913885A JP H06943 B2 JPH06943 B2 JP H06943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel wire
coated steel
copper
wire
coating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16913885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6230866A (ja
Inventor
晴夫 冨永
輝之 高山
賢一 宮内
哲夫 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP16913885A priority Critical patent/JPH06943B2/ja
Publication of JPS6230866A publication Critical patent/JPS6230866A/ja
Publication of JPH06943B2 publication Critical patent/JPH06943B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、耐摩耗性と耐熱性に優れ、高強度の導電性被
覆鋼線を製造する方法に関する。
「従来の技術」 従来、この種の鋼線として、銅被覆鋼線が使用されてお
り、その製造方法として一般に、以下の〜に示す方
法が知られている。
鋼線を所要のメッキ浴に浸漬してメッキ層を形成する
ことにより被覆鋼線を製造する電気めっき法。
鋼線に銅テープあるいは銅合金テープを縦沿えし、両
者を圧接することにより被覆鋼線を製造するテープ圧接
法。
鋼線に銅テープあるいは銅合金テープを縦沿えすると
ともに管状に成形し、これを引き抜いて被覆鋼線を形成
するテープ管形成引抜法。
鋼材に銅材あるいは銅合金材を嵌合して形成した嵌合
ビレットを押出しするか引き抜いて形成する嵌合ビレッ
ト押出または引抜法。
皮剥きダイスを用いて皮剥き処理を行った鋼線を用意
し、この鋼線を銅溶湯中あるいは銅合金溶湯中を通過さ
せてその外部に被覆層を形成し、圧延加工と冷却処理を
施して被覆鋼線を形成する浸漬形成法(いわゆるディッ
プフォーミング法)。
「発明が解決しようとする問題点」 前記〜に示す各方法は、以下に説明する問題を有し
ていた。
(1) 前記電気めっき法にあっては、単位面積あたりに
付加できる電流密度に限界があり、単位時間に被覆でき
るめっき量に限界を有するが故に、前記〜に記した
他の方法に比較して生産速度が遅い問題を有していた。
また、めっき処理によって形成できる被覆層の厚みに限
界があり、高被覆率の被覆鋼線を製造するには、コスト
が著しく上昇する問題がある。なお、生産速度を向上さ
せるために、高電流密度をかけた場合、銅あるいは銅合
金からなるめっき層が多孔質となって品質が低下する欠
点がある。
(2) 前記テープ圧延法とテープ管形成引抜法にあって
は、一回の被覆では銅被覆率の高い被覆鋼線は製造が困
難であり、例えば被覆率40%以上の銅被覆鋼線は製造
不可能な欠点がある。
(3) 前記嵌合ビレット押出あるいは引抜法にあって
は、被覆率の大きな鋼線は製造可能であるものの、一度
に形成できる鋼線の長さが小さく、長尺の被覆鋼線を連
続製造できない問題を有していた。
(4) 前記ディップフォーミング法にあっては、被覆率
を20〜70%程度の広い範囲で設定できる利点を有す
るものの、鋼線に前処理として皮剥き処理を施し、鋼線
の新生清浄面を出し、溶湯の凝固付着時のガス発生を防
止して、ブローホール(微細な空孔)の発生を阻止する
ことが必要である。ところが、前記鋼線表面の皮剥きを
行う皮剥きダイスは、常に鋼線と擦れあう関係から寿命
が短く、短期間で交換する必要があるために、長時間に
亙る被覆鋼線の連続製造が不可能であり、このため製造
コスト上が上昇する問題があるとともに、強度の高い鋼
線(例えばピアノ線)では、ほとんど皮剥き出来ない欠
点があり、ディップフォーミング法を適用できる鋼種に
制限を生じる問題があった。
「発明の目的」 本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、耐摩耗性
と耐熱性に優れ、高強度の多種類の導電性被覆鋼線を連
続的かつ速く、しかも低コストで製造できる方法を提供
することを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、前記問題点を解決するために、鋼線の外方に
銅または銅合金からなる被膜層を形成して芯材を形成す
る工程と、この芯材を皮剥きする工程と、この皮剥きさ
れた芯材を銅または銅合金溶湯中を通過させ、芯材の外
周に銅または銅合金からなる被覆層を芯材との体積比に
おいて40%以上形成する工程とを具備してなるもので
ある。
「作用」 皮剥きダイスにより剥離される鋼線周囲の被膜層は銅ま
たは銅合金からなるため、皮剥きダイスの寿命が延びて
連続製造が可能になり、鋼線に施す被膜層を薄く形成で
きるようになってめっき時間の短縮化とめっき設備の簡
略化が可能になり、被覆鋼線のコストダウンが可能にな
る。
「実施例」 第1図は、本発明方法の一実施例を行うために使用する
装置を示すものである。
図中1は、鋼線A1が巻回された送り出し器を示し、こ
の送り出し器1の側方には、スケール除去装置2と前処
理装置3とめっき装置4と洗浄乾燥装置5と伸線装置6
とが順次設置されている。前記スケール除去装置2は、
この装置を通過する線状体の表面に付着している不純物
あるいは酸化皮膜等を除去するものであり、例えばショ
ットブラスト装置やワイヤブラッシング装置を具備した
構成である。前記前処理装置3は、電解脱脂装置と酸洗
い装置と水洗装置等を備えたもので、後に行うめっき処
理の前処理を行うものである。前記めっき装置4、銅
(あるいは銅合金)めっき浴と水洗槽と湯洗槽等を備え
たもので、この装置を通過する線状体に銅(あるいは銅
合金)めっきを行うものである。前記洗浄乾燥装置5は
この装置を通過する線状体を洗浄し、乾燥させるもので
あり、伸線装置6はこの装置を通過する線状体を伸線す
るものである。
また、前記伸線装置6の側方には、溶融浸漬被覆成形装
置(以下、ディップフォーミング装置と称する。)10
が設けられている。このディップフォーミング装置10
は、導入ハウジング装置11と浸漬装置12と排出ハウ
ジング装置13とを主体として構成されたものである。
前記導入ハウジング装置11は、気密構造の導入ハウジ
ング15と、その入口部に設けられた皮剥きダイス16
と、その内部に設けられた引き取り機17とストレーナ
18とを主体として構成され、前記導入ハウジング15
は還元性ガス供給装置19に連結されていて、導入ハウ
ジング15の内部を還元性雰囲気に保持できるようにな
っている。なお、この還元性ガス供給装置19は、不活
性ガス等を供給する非酸化性ガス供給装置をもって代用
しても良い。
前記浸漬装置12は、底面に線状体の通過孔21を形成
したるつぼ20と溶湯供給装置22とを具備した構成で
あり、るつぼ20の通過孔21に前記導入ハウジング1
5の取出孔が連通されるとともに、溶湯供給装置22は
銅溶湯(あるいは銅合金溶湯)をるつぼ20の内部に供
給するものである。
前記排出ハウジング装置13は、気密構成の排出ハウジ
ング25と、その内部に設けられたターニングローラ2
6と入口ダンサ27と圧延装置28と、排出ハウジング
25の取出孔に連結された冷却パイプ29を主体として
構成され、前記排出ハウジング25には、還元性ガス供
給装置30が連結され、前記排出ハウジング25の内部
を還元性雰囲気に保持できるようになっている。前記冷
却パイプ29はその内部に冷却装置と多数の送気管を備
えたもので、その内部を通過する線状体に冷却空気を噴
射してこれを冷却するものである。また、冷却パイプ2
9の側方には、出口ダンサ31が設けられている。前記
入口ダンサ27と出口ダンサ31は、いずれも、矯正ロ
ーラ32と、この矯正ローラ32をばね力を利用して移
動させる移動部材33を備えた構成であり、矯正ローラ
32を通過する線状体を整直する公知のものである。ま
た、前記出口ダンサ31の側方には、ピンチロール34
と線状体の巻き取り器35が設置されている。なお、前
記入口ダンサ27は、引き取り機17と圧延装置28と
の間の鋼線の張力を一定の値に保持するものであり、る
つぼ20の内部における銅の付着比変動に応じて圧延装
置28のロールの回転数を変化させるものである。更
に、出口ダンサ31は圧延装置28とピンチロール34
との間の張力を一定の値に保持するものであり、圧延装
置28の回転数変化に応じてピンチロール34の回転数
を変化させるものである。
次に、前記のように構成された装置を用いて本発明方法
を実施する場合について、工程順に説明する。
まず、送り出し器1に巻回されている鋼線A1を取り出
してスケール除去装置2に送り、鋼線表面の不純物や酸
化皮膜等の不純物を除去し、続いて前処理装置3に送
り、電解脱脂処理と酸洗い処理と水洗処理とを行い、次
いで、銅めっき装置4に送り鋼線A1の表面に被膜層
(めっき層)を形成して鋼線A1を皮膜鋼線A2とする。
その後に、洗浄乾燥装置5に送り、皮膜鋼線A2を洗浄
するとともに乾燥し、続いて伸線装置6に送って伸線加
工を施す。
次に、前記皮膜鋼線A2をディップフォーミング装置1
0に供給する。即ち、前記皮膜鋼線A2を皮剥きダイス
16によって皮剥きしてその皮膜層の一部を除去し、芯
線A3を形成し、還元性雰囲気に保持されている導入ハ
ウジング15の内部に取り入れ、続いて引き取り装置1
7とストレーナ18を介してるつぼ20に、その通過孔
21を介して供給する。ここで、前記皮膜鋼線A2を皮
剥きする際には、皮膜鋼線A2の皮膜層を除去すること
になるが、この皮膜層は鋼に比較して軟質の銅(あるい
は銅合金)からなるために、鋼線を直接皮剥きしていた
従来方法に比較して、皮剥きダイス16の損耗度合が減
少し、その分、皮剥きダイスの寿命が延びる効果があ
る。したがって、皮剥きダイス16による連続皮剥き作
業を長時間続行できるようになる。
次に、るつぼ20内に供給された芯線A3をターニング
ローラ26によってるつぼ20内の銅溶湯(あるいは銅
合金溶湯)から引き上げ、芯線A3の外周部に銅(ある
いは銅合金)からなる被覆層を形成して芯線A3を被覆
鋼線A4とする。この際、芯線A3の外周に形成する被覆
層の厚さは、るつぼ20内の溶湯を通過する芯線A3
速度あるいは溶湯の温度を所定の値に設定することによ
って被覆率20〜70%程度の範囲で所要の値にできる
ために、従来のテープ圧延法やテープ管形成法において
は不可能であった40%以上の被覆率を有する被覆鋼線
の製造も可能になる効果があり、本実施例の方法では特
に、被覆率40%以上の被覆鋼線A4を製造する場合に
特に有効である。また、前記皮剥き処理の際に、芯線A
3の外方に銅(あるいは銅合金)からなる皮膜層を残留
させた場合には、その外方に付着させた銅(あるいは銅
合金)からなる被覆層が前記残留した皮膜層となじみ良
く付着する。
そしてこの被覆鋼線A4を排出ハウジング25に引き込
み、還元性雰囲気中で圧延装置28によって圧延加工を
施し、冷却パイプ29で冷却し、ピンチロール34で巻
き取り器35に巻き取って被覆鋼線A4の製造を完了す
る。
前述の被覆鋼線A4を製造する際に、実施する皮膜層
(めっき層)の形成処理は、薄い皮膜層を形成する処理
であり、簡単なめっき設備を備えることにより実施でき
るために、従来の電気めっき法に比較してはるかに簡略
化した設備が使用可能になり、設備費の削減をなしう
る。また、前記皮膜層は薄いもので十分であるために、
めっき装置4によるめっきの処理速度を従来より向上さ
せることができ、その分、被覆鋼線A4の製造速度を向
上できる効果がある。更に、前記被覆鋼線A4の各製造
工程においては、鋼線A1の連続処理が可能なために、
被覆鋼線A4の連続製造が可能になり、前記製造速度の
向上効果と相まって被覆鋼線A4のコストダウンをなし
うる効果がある。更に、前述した方法にあっては、鋼線
自体の硬度に無関係に皮剥きが可能になり、硬度の高い
鋼線A1であっても自由に被覆鋼線の製造に使用できる
ようになるため、従来のディップフォーミング法には適
用不可能であった、高硬度の鋼線を用いた被覆鋼線を製
造できる特徴がある。
第2図は、本発明方法の第2実施例を行うために使用す
る装置を示すもので、第1図に示す装置と同一の構成部
分は同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
第2図に示す装置は、ディップフォーミング装置10に
供給する皮膜鋼線A2の製造装置部分を変更したもので
ある。
即ち、鋼線A1の送り出し器1とディップフォーミング
装置10との間に、ストレーナ40とショットブラスト
装置41とワイヤブラッシング装置42と皮膜テープ供
給装置43とワイヤブラッシング装置44とテープスリ
ッタ45と巻き取り機46とフォーミングロール47と
溶接装置48とスクィージングダイス49と引取り装置
50とを設けたものである。前記被覆テープ供給装置4
3は、銅テープ(あるいは銅合金テープ)をテープスリ
ッタ45に供給するもので、テープスリッタ45は、こ
の銅テープ(あるいは銅合金テープ)を所定の幅に切断
してワイヤブラッシング装置42から供給される線状体
に縦沿えするものである。
前記第2図に示す装置を用いて被覆鋼線A4を製造する
には、まず、巻き取り器1から取り出した鋼線A1をス
トレーナ40で整直にした後に、ショットブラスト装置
41とワイヤブラッシング装置42により表面の洗浄を
行い、テープスリッタ45に供給する。この作業と同時
に、被覆テープ供給装置43から銅テープ(あるいは銅
合金テープ)をテープスリッタ45に供給して鋼線A1
に縦沿えし、銅テープ(あるいは銅合金テープ)をフォ
ーミングロール47によって鋼線A1の外周に被せて皮
膜層を形成し、この皮膜層の突き合わせ端部どうしを溶
接装置48によってTIG溶接し、皮膜層を有する皮膜
鋼線A2′を形成する。この被覆鋼線A2′をスクィー
ジングダイス49によって皮剥きして引き取り装置50
に引き取り、これをディップフォーミング装置10に供
給して、前述した第1実施例と同等の操作を順次施して
被覆鋼線A4を製造する。
以上の方法によって被覆鋼線A4を製造した場合にも、
前記第1実施例の場合と同等の効果を得ることができ
る。
「製造例1」 第1図に示す装置と同等の装置を用いて被覆鋼線を製造
した。まず、直径7.4mmの鋼線(SWRH52B)を約5
8.3m/分の速度で送り出し、ショットブラスト装置に
よりその表面の不純物を除去した後、水酸化ナトリウム
水溶液中で電解脱脂処理を行い、更に、塩酸水溶液中に
て酸洗い処理を施し、更に水洗した後に、銅めっき浴
(ホウフッ化銅450g/,ホウフッ酸88g/よりな
る)中において電流密度20A/dm2,浴温50℃の条
件で銅めっき処理を施し、厚さ0.3mmの銅めっき層
(皮膜層)を有する皮膜鋼線を作製した。次いでこの皮
膜鋼線を水洗し湯洗した後に、伸線加工を施し、直径7.
3mmとした。次にこの皮膜鋼線を皮剥きダイスを用いて
皮剥き処理を施し、その直径を7.0mmにして、芯線を作
製した。そして、この芯線を還元性雰囲気に保持された
導入ハウジングの内部に70m/分の速度で引き込み、
引き取り機およびストレーナを介してるつぼの内部に引
き入れた。このるつぼは、その底面の通過孔にモリブデ
ン製のブッシュ部材(インサートノズル)を取り付けて
なり、内部に湯丈800mmの溶湯を満たしたものであ
る。このるつぼ内の溶湯に引き入れた芯線を溶湯から引
き出し、芯線の周囲に銅からなる被覆層を形成して直径
約11.8mmの被覆鋼線を作成した。続いて、この被覆鋼線
をターニングローラと入口ダンサを介して圧延装置に送
り直径9mmに圧延加工した後に、冷却パイプにおいて冷
却し、この後に出口ダンサを介してピンチロールによっ
て、線速約199m/分で巻き取り器に巻き取ることに
より被覆鋼線を得た。
ところで、第1表に、鋼線の種類を変えて前記と同様の
手順によって被覆鋼線を製造した場合と、前記と同等の
手順において皮膜層形成処理(めっき処理)を省略して
被覆鋼線を製造した場合において、皮膜層の有無が被覆
鋼線の連続製造可能な時間に与えた影響を示した。
第1表から明らかなように、皮膜層を形成していない場
合には、銅めっきを施した場合に比較して、皮剥きダイ
スの損耗に伴って行うダイス交換を頻度が高いため、連
続運転時間が著しく短くなっている。即ち、前述の方法
に従って皮膜層を形成して被覆鋼線を製造した場合、皮
膜層を形していない場合に比較して、10倍以上も長く
連続運転が可能になることが明らかになり、本実施例の
効果が明らかになった。
「製造例2」 第2図に示す装置と同等の構成の装置を用いて被覆鋼線
を製造した。まず、直径15mmの鋼線(SWRS82
A)を線速10m/分で送り出し、80メッシュ以下の
炭化ケイ素粒でショットブラスト処理を施し、更に、ワ
イヤブラッシング処理を施して、鋼線表面の不純物や酸
化皮膜を除去し鋼線表面に新生面を露出させた。この鋼
線の外周に厚さ0.7mmの幅54mmの無酸素銅テープ(予
めワイヤブラッシング処理により表面を粗面化してあ
る)を縦沿えし、ロール成形加工とTIG溶接を行って
皮膜鋼線を作製し、この被覆鋼線に16.2mmのダイス孔を
有するダイスによって皮剥き処理を施し、その後、伸線
加工を7回繰り返し行って直径7.75mmの直径に仕上げ
た。この皮膜鋼線を前記製造例1で用いたディップフォ
ーミング装置と同等の構成のディップフォーミング装置
に供給し、直径7mmに皮剥きした後にるつぼに供給して
外周に銅を被覆し、線速70m/分で引き取って被覆鋼
線を製造した。
なお、第2表に、本発明方法の第1実施例を行って被覆
鋼線を製造した場合に必要な製造コストと、従来の電気
めっき法を用いて被覆鋼線を製造した場合に必要な製造
コストの比較結果を示した。
(銅被覆率の下の各枠内の数値は、従来の電気めっき法
によって、銅を10%の被覆率で被覆することによって
被覆鋼線を製造した場合に必要とした経費を1として換
算したその他の被覆率における経費を示している。な
お、鋼線はピアノ線を使用している。) 第2表に示すように、本発明の方法は、銅合金の被覆率
が40%以上の高被覆率になった場合に、従来方法に比
較してコスト的に有利になることが明らかになった。な
お、第2表に示す比較と同様な比較をピアノ線以外の鋼
線を用いて行ってみたが、前記第2表と同等の結果を得
た。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、鋼線に比較して軟質の銅
皮膜または銅合金皮膜を皮剥きにした後に、溶湯に浸漬
して被覆層を形成するために、鋼線を直接皮剥きしてい
た従来方法に比較して皮剥きダイスを高寿命化できるよ
うになり、したがって、従来より長時間に亙り、被覆鋼
線の連続製造が可能になって被覆鋼線の製造コストを低
減できる効果がある。また、鋼線自体の硬度に無関係に
皮剥きが可能になり、被覆鋼線の製造を成しうるため
に、従来の浸漬被覆形成方法には適用不可能であった高
硬度の鋼線を用いて被覆鋼線を製造できる効果がある。
また、鋼線に形成する皮膜は薄いもので十分であるため
に、従来の電気めっき法に必要であった設備よりも簡略
化しためっき設備のみで被覆鋼線の製造が可能になり、
設備コストも少なくなる。また、従来の電気めっき法で
は、被覆層が多孔質になることにより、満足な品質の被
覆鋼線をうることができなかった40%以上の被覆率の
被覆鋼線であっても、本発明方法を実施することにより
製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を行うために使用する装置
の構成図、第2図は、本発明の第2実施例を行うために
使用する装置の構成図である。 A1……鋼線、 A2,A2′……皮膜鋼線、 A3……芯線、 A4……被覆鋼線、 16……皮剥きダイス、20……るつぼ、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼線の外方に銅または銅合金からなる被膜
    層を形成して皮膜鋼線を形成する工程と、前記皮膜層の
    少なくとも一部を除去しつつ皮膜鋼線を皮剥きして芯線
    を形成する工程と、この芯線を銅または銅合金溶湯中を
    通過させて芯線の外周に銅または銅合金からなる被覆層
    を芯線に対する被覆率において40%以上形成する工程
    とを具備してなる被覆鋼線の製造方法。
JP16913885A 1985-07-31 1985-07-31 被覆鋼線の製造方法 Expired - Lifetime JPH06943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16913885A JPH06943B2 (ja) 1985-07-31 1985-07-31 被覆鋼線の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16913885A JPH06943B2 (ja) 1985-07-31 1985-07-31 被覆鋼線の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6230866A JPS6230866A (ja) 1987-02-09
JPH06943B2 true JPH06943B2 (ja) 1994-01-05

Family

ID=15880989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16913885A Expired - Lifetime JPH06943B2 (ja) 1985-07-31 1985-07-31 被覆鋼線の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06943B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH675257A5 (ja) * 1988-02-09 1990-09-14 Battelle Memorial Institute
JPH07106412B2 (ja) * 1990-03-20 1995-11-15 株式会社フジクラ 高導電率銅被覆鋼トロリ線の製造方法
CN111575621B (zh) * 2020-05-29 2022-07-05 东莞市缔网通讯科技有限公司 一种铜包钢线成型后冷却加工工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6230866A (ja) 1987-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5679232A (en) Process for making wire
US1965399A (en) Method of and apparatus for electro-chemically producing articles
US4395320A (en) Apparatus for producing electrodeposited wires
JP3922728B2 (ja) 金属被覆超電導線の製造方法および電解研磨装置
US5667661A (en) Wire plating
CN1157011A (zh) 铜线及制造铜线的工艺
US2274963A (en) Process for plating tin and tin alloys
JPH06943B2 (ja) 被覆鋼線の製造方法
JP2001225228A5 (ja)
JPH04293757A (ja) 平角めっき線の製造方法
JP2001225228A (ja) 電気的侵食加工用電極およびその製造方法
KR100484990B1 (ko) 용융아연도금법을 이용한 방전가공기용 아연 코팅 전극선제조방법
JP2644911B2 (ja) 放電加工用ワイヤ型電極及びその製造方法
US1948485A (en) Method of drawing wire
JPS60121263A (ja) 放電加工用電極線の製造方法
TWI640652B (zh) 由第一金屬製成且具有由第二金屬製成之外鞘層之線的製造方法
JPH06322592A (ja) 鋼材の表面処理方法およびその装置
JP3784008B2 (ja) 金属製フェルールの製造方法
JPH01246020A (ja) 放電加工用ワイヤ電極の製造方法
US2422902A (en) Method of electrolytically cleaning and plating conductors consisting principally of copper
JPH07124736A (ja) 銅又は銅合金被覆鋼線の製造方法
US5219668A (en) Process and apparatus for the treatment of coated, elongated substrate, as well as substrates thus treated and articles of polymeric material reinforced with these substrates
JPH09225748A (ja) 放電加工用電極線の製造方法
JP2004207251A (ja) 金属被覆超電導線の断面積比の調整方法および製造方法
JP2007182610A (ja) ばね用ステンレス鋼線及びコイルばね