JPH0694379B2 - 赤外線吸収ガラス - Google Patents

赤外線吸収ガラス

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JPH0694379B2
JPH0694379B2 JP6606993A JP6606993A JPH0694379B2 JP H0694379 B2 JPH0694379 B2 JP H0694379B2 JP 6606993 A JP6606993 A JP 6606993A JP 6606993 A JP6606993 A JP 6606993A JP H0694379 B2 JPH0694379 B2 JP H0694379B2
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glass
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infrared absorbing
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友繁 長谷川
富二雄 下野
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Ishizuka Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1000〜3000℃
の高温の光源から発せられる熱線を吸収するために用い
られる赤外線吸収ガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤外線フィルター等のための赤外線吸収
ガラスとしては従来から多くの種類のものが知られてい
るが、そのほとんどがFe2+やCu2+による吸収を応用
したものであり、赤外線吸収能力が十分ではないため、
ガラスの厚みを厚くすることにより必要な赤外線吸収能
力を発揮させる必要があった。また、従来の赤外線吸収
ガラスは300〜700nmと広い範囲にわたる波長の
光を透過させるものが多く、500nm付近の光のみを
透過させる特性を持つものは見当たらなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決して、大きい赤外線吸収能力を持ち、ま
た500nm付近の波長の光のみを透過させる特性を持
つ新規な赤外線吸収ガラスを提供するためになされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに完成された本発明の赤外線吸収ガラスは、重量%で
25:35〜65%、CuO:3.0〜21.0%、
CoO:0〜0.1%、Al23:0〜8.0%、RO
(CaO+ZnO+BaO):15〜45%、Sb23
+As23:5〜15%の組成を有し、Cuの一部をガ
ラスの酸化還元状態を調整することによりメタルコロイ
ドとして析出させ、厚み2mmにおける光の透過率を、
波長380nmにおいて10%以下、360nmにおい
て0.5%以下、510nmにおいて35〜60%、6
00nmにおいて5%以下、620〜1300nmにお
いて0.1%以下としたことを特徴とするものである。
【0005】本発明の基本的な思想は、約800nmに
吸収ピークのあるCu2+をガラス中に含有させることに
より、赤外線吸収能力を大幅に高めたことと、Cuの一
部を紫外域に吸収ピークのあるメタルコロイド(C
0)として析出させることにより、紫外線をも同時に
吸収して、500nm付近の光のみを透過させるように
したことである。
【0006】以下に本発明におけるガラス組成の数値限
定の理由について説明する。まずP25を35〜65%
としたのは、これよりも含有率が少ないと溶融時の失透
傾向が大きくなってガラス化が困難となり、逆にこれよ
りも含有率が増加するとガラスの耐水性が大幅に低下
し、実用的価値に欠けるためである。 CuOを3.0
〜21.0%としたのは、これよりも含有率が少ないと
赤外線吸収能力が低下して目的とする特性が得られない
ばかりでなく、またCu0の量も少なくなるので、紫外
線吸収能力及び600nm付近の吸収能力が得られな
い。逆にこれよりも含有率が増加すると耐水性が低下す
るとともに、溶融中にCuイオンがメタル化して分離沈
降し、炉の耐火物を損傷させる原因となるためである。
なお、CoOは必須成分ではないが、0.1%以下含有
させることによりCuOの量を減少させることができ
る。
【0007】Al23を0〜8.0%としたのは、これ
よりも含有率が増加するとガラスの溶融性が大幅に低下
するためである。またRO(CaO+ZnO+BaO)
を15〜45%としたのは、これを下回ると耐水性が低
下し、これを上回ると溶融性が大幅に低下するためであ
る。Al23は添加すれば耐水性の向上に寄与するが、
0であってもROにより耐水性を確保することができ
る。Sb23+As23を5〜15%としたのは、これ
よりも含有率が少ないとガラス中のCu2+が不安定とな
り、Cu2+/Total Cuの値が減少して赤外線吸
収能力が低下するのみならず、ガラスの清澄性も低下
し、逆にこれよりも含有率が増加させても効果に差がな
く、経済性や安全性の面から不利となるためである。
【0008】本発明では、上記の組成のガラスの酸化還
元状態を調整することによってCuの一部をメタルコロ
イド(Cu0)として析出させ、紫外線域の波長の光線
を吸収させる。制御の手段としては次の〜が考えら
れ、各手段がメタルコロイドの析出量に与える影響は次
の通りである。なお、のみは単独で制御可能である
が、〜は相互に関係するため、いずれかを変化させ
ると他の手段にも影響が及ぶため注意が必要である。
【0009】 原料中の酸化剤の量を増加させるとC
2+/Total Cuの値が増加し、Cu0/Cu2+
値は減少する。 溶融炉の雰囲気中のO2濃度を高めるとCu2+/T
otal Cuの値が増加し、同時にCu0/Cu2+の値
も減少する。 溶融温度を高めるとCu0/Total Cuの値が
増加し、Cu0/Cu2+の値は増加する。 溶融時間を長くするとCu0/Total Cuの値
が増加し、Cu0/Cu2+の値は増加する。 Sb23+As23を増加させるとCu2+/Tot
al Cuの値が増加し、Cu0/Cu2+の値は減少す
る。
【0010】本発明では、上記した〜の酸化還元状
態の制御手段を組み合わせることにより、ガラス中のC
2+とCu0の量を制御し、厚み2mmにおける光の透
過率が、波長380nmにおいて10%以下、360n
mにおいて0.5%以下、510nmにおいて35〜6
0%、600nmにおいて5%以下、620〜1300
nmにおいて0.1%以下となるようにする。このよう
に、本発明の赤外線吸収ガラスは厚み2mmのときに波
長が620nm以上の赤外線域の光線を99.5%以上
吸収することができるうえ、波長が360nm以下の紫
外線域の光線も99.5%以上吸収することができる。
以下に本発明の実施例を示す。
【0011】
【実施例】表1に示すガラス組成となるようにガラス原
料を調合し、粘土質るつぼに入れてO2濃度21%の条
件下で溶融した。この溶融条件も表1中に示した。
【0012】
【表1】
【0013】上記のようにして得られたガラスを2mm
の厚みに研磨し、光線の透過率を測定した結果、図1〜
図7の通りとなった。これらの透過率曲線から分かるよ
うに、本発明の実施例1〜6のガラスはその透過率が波
長380nmにおいて10%以下、360nmにおいて
0.5%以下、510nmにおいて35〜60%、60
0nmにおいて5%以下、620〜1300nmにおい
て0.1%以下との条件を満足しているが、比較例のガ
ラスは溶融温度が高いためにメタルコロイドとして析出
したCu0の量が過剰となり、全く異なった透過率曲線
となる。
【0014】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明の
赤外線吸収ガラスは赤外線吸収能力が大きく、従来のよ
うに厚みを厚くしなくても十分に赤外線を吸収させるこ
とができる。また本発明の赤外線吸収ガラスは500n
m付近の波長の可視光線のみを透過させる特性を持ち、
赤外線とともに紫外線をも同時に吸収できる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のガラスの透過率曲線を示すグラフで
ある。
【図2】実施例2のガラスの透過率曲線を示すグラフで
ある。
【図3】実施例3のガラスの透過率曲線を示すグラフで
ある。
【図4】実施例4のガラスの透過率曲線を示すグラフで
ある。
【図5】実施例5のガラスの透過率曲線を示すグラフで
ある。
【図6】実施例6のガラスの透過率曲線を示すグラフで
ある。
【図7】比較例のガラスの透過率曲線を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でP25:35〜65%、Cu
    O:3.0〜21.0%、CoO:0〜0.1%、Al2
    3:0〜8.0%、RO(CaO+ZnO+Ba
    O):15〜45%、Sb23+As23:5〜15%
    の組成を有し、Cuの一部をガラスの酸化還元状態を調
    整することによりメタルコロイドとして析出させ、厚み
    2mmにおける光の透過率を、波長380nmにおいて
    10%以下、360nmにおいて0.5%以下、510
    nmにおいて35〜60%、600nmにおいて5%以
    下、620〜1300nmにおいて0.1%以下とした
    ことを特徴とする赤外線吸収ガラス。
JP6606993A 1992-07-09 1993-03-02 赤外線吸収ガラス Expired - Fee Related JPH0694379B2 (ja)

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JP3965352B2 (ja) * 2002-10-16 2007-08-29 Hoya株式会社 銅含有ガラス、近赤外光吸収素子および近赤外光吸収フィルター
JP5672665B2 (ja) * 2009-05-22 2015-02-18 コニカミノルタ株式会社 光学ガラス
DE102012210552B4 (de) * 2012-06-22 2014-06-05 Schott Ag Farbgläser, Verfahren zu ihrer Herstellung und Verwendung
KR20240021874A (ko) * 2021-06-11 2024-02-19 호야 가부시키가이샤 근적외선 흡수 유리 및 근적외선 컷 필터

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