JPH0693878B2 - 泡洗浄機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は洗浄後の洗浄泡を残量が生じないようにしかも
迅速に消泡し得る如くし泡洗浄機の構造に関する。

（従来の技術） 洗浄槽内に洗浄泡発生装置で発生した洗浄泡を底部から
送り込み、洗浄槽内に収容した被洗浄物を流動する洗浄
泡と接触させることによって洗浄させる泡洗浄機におい
て、洗浄槽で洗浄を終了した洗浄後の泡は槽外に導き排
出させる必要があるが、泡が残ったまま下水路に流すこ
とは生活公害の点で好ましくないところから、いったん
消泡した後に下水路に流させることが一般に行われてい
る。

従来のこの種泡洗浄機は、特開昭60-126134号公報にも
開示されてなる如く、洗浄槽とは別に設けた消泡部で加
熱あるいは散水膜との接触によって消泡し再使用するか
廃棄するようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述のように消泡部を備えたものは、別途設置スペース
が必要となり、機械全体の大型化をもたらす不利があ
り、一方、洗浄性を確保しかつ高くするために泡速度を
増した場合、全体の泡発生量が当然増大するために消泡
部に導く通路の泡に対する抵抗が増して洗浄槽内での泡
流動速度が低下し洗浄作用が小さくなる問題があった。

かかる従来の欠陥を解消するべく本発明は簡単な機構の
消泡装置を洗浄槽内に付設して、しかも効率の良い散水
による消泡を行わせるようにしたものであって、泡洗浄
機の小型化の推進ならびに泡排出の解消による生活公害
発生の防止をはかることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） しかして本発明は実施例を示す図面によっても明らかな
ように、泡洗浄によって食器など被洗浄物（20）を洗浄
する種類の泡洗浄機において、洗浄槽（２）の水平横断
面に対応させた形状の板の中央部を広く開口させた底板
（19）を有し、外周に直立縁壁を所定長立設せしめる一
方、開口周縁に前記直立縁壁よりも低い周壁を立設せし
めて洗浄槽（２）内上部に横設した液受け皿（17）と、
この液受け皿（17）の前記開口に比し大径の環状をなし
て、前記液受け皿（17）の上方に横設され、液受け皿
（17）内周囲に向け水を拡散し噴出し得る散水管（18）
とにより消泡装置（11）を形成せしめて、洗浄槽（２）
外に液を排出させる排液管（16）を前記液受け皿（17）
に接続せしめたことを特徴とする。

また、本発明は液受け皿（17）が前記開口の周縁に適当
長立上らせた周壁を有して、消泡した洗浄後の洗剤を含
む液の洗浄槽内への落下を防止するようにする一方、散
水管（18）が液受け皿（17）の側壁上部に向け散水した
後、さらに頂壁に沿い反転し下向きに散水し得る斜め外
上向きの散水ノズルを有することによって、往復流する
散水液でより有効な消泡を行わせようとすることをまた
好ましい実施態様とする。

（作用） 下方から順次押上げられてくる洗浄泡によって液受け皿
（17）には自然にしかも円滑に洗浄に寄与した洗浄泡を
集めることができ、この洗浄泡に散水管（18）からの散
水を触れさせることによって確実に破泡させ得る。

そしてこの破泡した液は液受け皿（17）を経、排液管
（16）により機外に排出させて、洗浄泡を流し出すこと
は未然に防止される。

（実施例） 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

第１図において、（１）はケーシングであり、該ケーシ
ング（１）内には被洗浄物（20）である食器を金網製ラ
ックに搭載したものを収容し洗浄を行うための洗浄槽
（２）と、この洗浄槽（２）の底に一体をなし設けた平
底容器状の起泡部（５）内に存在する洗剤液から泡を発
生させて洗浄槽（２）内にその底部より送泡せしめる洗
浄泡発生装置（３）と、洗浄槽（２）内に食器収納部分
を挟んで上下両部に横設し、すすぎ水を噴出しながら噴
水流のエネルギーで中心支持の給水管（10）まわりに回
転するすすぎノズル（４），（４）と、数回分の洗浄に
必要な洗剤液を貯溜する容器に形成して前記起泡部
（５）に接続してなる洗剤液タンク（６）と、洗浄後の
泡を破泡するために洗浄槽（２）内の上部に横設し消泡
装置（11）とを備えている。

洗浄槽（２）の底部に設けた起泡部（５）は、さらに排
水弁（15）を有する排液管（12）を底部に接続せしめて
いると共に、側壁の下方部には洗剤供給電磁弁（13）を
介設して有する液管によって洗剤液タンク（６）を接続
せしめている。

一方、洗浄泡発生装置（３）は、ファン（７）と、この
ファン（７）の吐出口に接続した送気管（９）と、この
送気管（９）の途中に流通空気の加熱可能に介設したヒ
ータ（８）と，送気管（９）の先端部に接続してなる起
泡部（５）とから形成させている。

上記洗浄泡発生装置（３）はファン（７）を付勢し、か
つヒータ（８）を通電発熱すると共に、起泡部（５）内
に所定量の洗剤液を供給することによって、温風が起泡
部（５）の底部に送り込まれて、洗剤液相から洗剤の泡
が多量に発生し、これが洗浄槽（２）内に送り込まれる
ようになる。

なお、（14）は前記液管の接続部の直下に横設した発泡
用の多孔板である。

次に消泡装置（11）は液受け皿（17）と散水管（18）と
を構成要素に有してなり、液受け皿（17）は洗浄槽
（２）の水平横断面に対応させた四方形状の板の中央部
を広く開口させた底板（19）を有し、外周には直立縁壁
を所定長立設せしめる一方、開口周縁に前記直立縁壁よ
りも低い周壁を湾曲した曲面上に立設せしめて、所謂ド
ーナッツ状の液受け皿（17）を形成しているが、この液
受け皿（17）を洗浄槽（２）内の上部に前記上方すすぎ
ノズル（４）を取り囲む如く横設せしめると共に、洗浄
槽（２）外に出口を引き出した排液管（16）を前記液受
け皿（17）に接続せしめている。

一方、散水管（18）は円環状に湾曲した配管をその径方
向に亘らせた連絡用配管を介して前記給水管（10）に円
中心部分で支持すると共に連通させて水流通路を形成し
ており，この散水管（18）の外周壁には外側の水平方向
又は斜め外上方向に向けて開口した散水ノズルを多数分
散させて設けており、前記液受け皿（17）の上方におい
て、前記開口部の周壁よりも若干高い位置に横設せしめ
ている。

かく構成してなる消泡装置（11）は、泡洗浄運転時に散
水管（18）から拡散し噴出する水が液受け皿（17）上で
該皿（17）の側壁，頂壁に噴き当たって跳ね返ったりす
ることにより、液受け皿（17）上の全周に水の膜流が形
成されるが、この水は液受け皿（17）に受けられた後、
排液管（16）から機外に排出される。

従って、槽内を昇流して液受け皿（17）内に至る洗浄泡
は上記散水と接触して破泡する結果、液となって液受け
皿（17）に溜った後、排液管（16）を経、機外に排出さ
れる。

なお、消泡装置（11）を配設した個所は上側のすすぎノ
ズル（４）周囲の被洗浄物（20）が収容できない洗浄槽
（２）内のデッドスペースで、普通は床置き式泡洗浄機
の場合は、前面の操作パネルが設けられた後部位置であ
るところから特別に収容スペースを追加するなどの必要
性はない。

しかして、洗浄槽（２）の水平横断面が例えば400×400
mm²であるとすると、液受け皿（17）の外形は、この横
断面形状に対応し得る稍々小寸法の正方形であって、こ
の場合、中央部の開口を直径250mmの円形として断面積
占有率は約30％が確保されることになり、洗浄泡の流動
に対して小さい流通抵抗の通路を形成し得る。

次に第２図及び第３図は本発明の他実施例に係る消泡装
置（11）を示したものであって、液受け皿（17）は前記
開口の周縁を適当長立上らせると共に、開口中心側に傾
斜させてなる周壁を有して、この周壁の外側に環状をな
す散水管（18）を横設せしめた構造であって、この散水
管（18）は液受け皿（17）内の側壁上部で上方隅角部分
よりも若干下方となる個所に斜め外上向きに水を噴出し
得る如く散水ノズルを夫々開設せしめている。

かかる構造となした消泡装置（１）は散水管（18）から
噴出した水流は側壁上部に斜め上向きに直進して当たる
水流（２次消泡用）とさらに頂壁に沿って迂回かつ反転
し散水管（18）側に向けて降下流する水流（１次消泡
用）とを有し、従って前記水流中の１次消泡用で洗浄泡
を先行して破泡させる。

そして１次消泡で消泡しきれなかった洗浄泡は前記２次
消泡用の水流によって破泡される。

かくして洗剤の泡が槽外に洩れ出すことはなくなり水を
節約して効率の良い消泡が成される。

なお、第３図に図示する如く跳ね返りにより反転流した
水が洗浄槽（２）内を落下することなく確実に液受け皿
（17）に戻させるために、２点鎖線示してなる案内用鍔
（21）を液受け皿（17）の上方の頂壁部に設けることは
好ましい手段である。

（発明の効果） 本発明は洗浄槽（２）内のデッドスペース部分に消泡装
置（11）を設けたので、消泡に必要なスペースを別途考
慮する必要はなくなり、洗浄機のコンパクト化を果たし
得る。

さらに環状をなす散水管（18）から液受け皿（17）の上
方全周に亘って散水させるようにしているので、泡洗浄
運転時に散水管（18）から拡散し、噴出する水が液受け
皿（17）上で、該皿（17）の全周側壁、頂壁に噴きあた
って跳ね返り、液受け皿（17）の全周に水の膜を形成す
るが、槽内を上昇して液受け皿（17）に至る洗浄泡は上
記散水と接触し洗浄泡のすべてが水と接触して破泡し、
液として液受け皿（７）に溜って排液管（16）より排液
され、洗剤の泡を槽外に流し出すことなく、また従来の
如く、消泡部に導く通路の泡に対する抵抗に関係なく確
実に効率よく消泡を行なわせることができる。

また、前記開口を大形とすることができるために泡流動
速度を増大して洗浄性能を十分確保し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１例に係る一部断面示側面図、第２図
は本発明の他実施例に係る消泡装置の部分平面図、第３
図は第２図におけるIII-III線断面示正面図である。 （２）……洗浄槽、（３）……洗浄泡発生装置、 （11）……消泡装置、（16）……排液管、 （17）……液受け皿、（18）……散水管、 （19）……底板、（20）……被洗浄物。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被洗浄物を収容する洗浄槽（２）と、この
   洗浄槽（２）内で被洗浄物（20）を泡洗浄するための洗
   浄泡を発生する洗浄泡発生装置（３）とを備えた泡洗浄
   機において、前記洗浄槽（２）の水平横断面に対応させ
   た形状の板の中央部を広く開口させた底板（19）を有
   し、外周に直立縁壁を所定長立設せしめる一方、開口周
   縁に前記直立縁壁よりも低い周壁を立設せしめて洗浄槽
   （２）内上部に横設した液受け皿（17）と、この液受け
   皿（17）の前記開口に比し大径の環状をなして、前記液
   受け皿（17）の上方に横設され、液受け皿（17）内周面
   に向け水を拡散し噴出し得る散水管（18）とにより消泡
   装置（11）を形成せしめて、洗浄槽（２）外に液を排出
   させる排液管（16）を前記液受け皿（17）に接続せしめ
   たことを特徴とする泡洗浄機。
2. 【請求項２】液受け皿（17）が前記開口の周縁に適当長
   立上らせた周壁を有し、散水管（18）が液受け皿（17）
   の側壁上部に向け散水した後、頂壁に沿い反転し下向き
   に散水し得る斜め外上向きの散水ノズルを有する特許請
   求の範囲第１項記載の泡洗浄機。