JPH0693568A - 繊維構造物 - Google Patents
繊維構造物Info
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- JPH0693568A JPH0693568A JP4238744A JP23874492A JPH0693568A JP H0693568 A JPH0693568 A JP H0693568A JP 4238744 A JP4238744 A JP 4238744A JP 23874492 A JP23874492 A JP 23874492A JP H0693568 A JPH0693568 A JP H0693568A
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- JP
- Japan
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- fiber structure
- resin
- color
- darkening
- polyester
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリエステル・ウール混紡織編物の濃色化品
を得ようとする。 【構成】 ポリエステル・ウール混織編物の染色品を一
段目に濃色化樹脂で濃色にし、二段目にその上にシラン
系重合体からなる薄膜を形成することによって、顕著な
濃色化度を実現した。
を得ようとする。 【構成】 ポリエステル・ウール混織編物の染色品を一
段目に濃色化樹脂で濃色にし、二段目にその上にシラン
系重合体からなる薄膜を形成することによって、顕著な
濃色化度を実現した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル・ウール混
織編物からなる繊維構造物に関し、該織編物上に濃色化
樹脂と薄膜とを形成させることによって、今までにない
濃色化織編物を得る発明に関するものである。
織編物からなる繊維構造物に関し、該織編物上に濃色化
樹脂と薄膜とを形成させることによって、今までにない
濃色化織編物を得る発明に関するものである。
【0002】
【従来の技術】染色されたこの種の布帛の濃色化を上げ
るために、一般的にはシリコーン等の濃色化樹脂をディ
ップ・ニップ(Dip−Nip)で付着させる方法が行
なわれている。しかしながらこの方法では十分な濃色化
はむずかしい。また、糸に構造加工糸等のようにふくら
みをもたせて濃色に見せる方法もあるが、これにも濃色
度に限界がある。さらにプラズマエッチングを使う方法
もあるが、この方法で得られた布帛は繊維表面が凹凸構
造になっており、摩擦堅牢性が悪いという問題がある。
るために、一般的にはシリコーン等の濃色化樹脂をディ
ップ・ニップ(Dip−Nip)で付着させる方法が行
なわれている。しかしながらこの方法では十分な濃色化
はむずかしい。また、糸に構造加工糸等のようにふくら
みをもたせて濃色に見せる方法もあるが、これにも濃色
度に限界がある。さらにプラズマエッチングを使う方法
もあるが、この方法で得られた布帛は繊維表面が凹凸構
造になっており、摩擦堅牢性が悪いという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、染色されたポリエステル・ウール混織編物からなる
繊維構造物の濃色化を従来手段に比べて格段に向上した
ものを得んとするものであり、また同時に摩擦堅牢度の
よい濃色化繊維構造物を得んとするものである。
は、染色されたポリエステル・ウール混織編物からなる
繊維構造物の濃色化を従来手段に比べて格段に向上した
ものを得んとするものであり、また同時に摩擦堅牢度の
よい濃色化繊維構造物を得んとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリエ
ステル・ウール混織編物からなる繊維構造物であって、
ウールを20重量%以上含む染色された織編物に濃色化
樹脂が0.5〜10重量%付着し、該樹脂層上にはさら
にシラン系重合体からなる薄膜が膜厚0.02〜0.5
ミクロンの厚さで存在することを特徴とする繊維構造物
に関するものである。
ステル・ウール混織編物からなる繊維構造物であって、
ウールを20重量%以上含む染色された織編物に濃色化
樹脂が0.5〜10重量%付着し、該樹脂層上にはさら
にシラン系重合体からなる薄膜が膜厚0.02〜0.5
ミクロンの厚さで存在することを特徴とする繊維構造物
に関するものである。
【0005】本発明の繊維構造物(以下、布帛と称す場
合がある)を構成するポリエステル繊維としては、これ
までに公知の、通常の衣料用ポリエステル繊維が用いら
れる。ポリエステル・ウール混織編物でウールを20重
量(wt)%以上含むものとは、ポリエステルとウール
とを混紡して布帛にしたとき、布帛全重量に対しウール
が20wt%以上存在するものを言う。
合がある)を構成するポリエステル繊維としては、これ
までに公知の、通常の衣料用ポリエステル繊維が用いら
れる。ポリエステル・ウール混織編物でウールを20重
量(wt)%以上含むものとは、ポリエステルとウール
とを混紡して布帛にしたとき、布帛全重量に対しウール
が20wt%以上存在するものを言う。
【0006】濃色化樹脂としては、ポリジメチルシロキ
サン、ポリハイロロジエンシロキサン、両末端あるいは
側鎖に水酸基を有する変性ポリジメチルシロキサン、エ
ポキシ基、アミノ基、カルボキシル基等を側鎖に導入し
た変性ポリジメチルシロキサンなどの有機シリコーン系
化合物、ポリペンタデカフルオロオクチルアクリレー
ト、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエ
チルアクリレート、ポリトリフルオロクロロエチレン、
ポリトリフルオロエチルメタクリレート等の有機フッ素
系化合物、シリコン・ウレタン系化合物などが適用され
る。かかる樹脂は単独または混合されて適用され得る。
織編物に対する樹脂の付着率は、いずれも0.5〜10
wt%の範囲であることが必要である。0.5wt%未
満では、樹脂が繊維表面を均一に被覆することがむずか
しく、また濃色効果も低い。逆に10wt%をこえると
織編物の風合が硬くなり、染色堅牢度等の消費性能の低
下がおきる。濃色化樹脂の付着は、浸漬またはパッテイ
ング方式等通常方法によって処理し、乾燥することによ
って行われる。
サン、ポリハイロロジエンシロキサン、両末端あるいは
側鎖に水酸基を有する変性ポリジメチルシロキサン、エ
ポキシ基、アミノ基、カルボキシル基等を側鎖に導入し
た変性ポリジメチルシロキサンなどの有機シリコーン系
化合物、ポリペンタデカフルオロオクチルアクリレー
ト、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエ
チルアクリレート、ポリトリフルオロクロロエチレン、
ポリトリフルオロエチルメタクリレート等の有機フッ素
系化合物、シリコン・ウレタン系化合物などが適用され
る。かかる樹脂は単独または混合されて適用され得る。
織編物に対する樹脂の付着率は、いずれも0.5〜10
wt%の範囲であることが必要である。0.5wt%未
満では、樹脂が繊維表面を均一に被覆することがむずか
しく、また濃色効果も低い。逆に10wt%をこえると
織編物の風合が硬くなり、染色堅牢度等の消費性能の低
下がおきる。濃色化樹脂の付着は、浸漬またはパッテイ
ング方式等通常方法によって処理し、乾燥することによ
って行われる。
【0007】本発明者らは、この濃色化樹脂によるポリ
エステル・ウール混布帛の濃色化の不十分さを、該濃色
化樹脂層の上に、シラン系重合体からなる薄膜を形成さ
せることによって格段に優れた発色性を有するポリエス
テル・ウール混布帛が得られることをつきとめた。ここ
でシラン系重合体からなる薄膜とは、ビニルシラン系化
合物、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン等を
プラズマ雰囲気中で重合させたものを言い、本発明で
は、これらシラン系重合体を、プラズマ雰囲気中でポリ
エステル・ウール混織編物の繊維表面に重合体膜として
付着させるものである。繊維間付着等もおきず、風合の
変化もほとんどなく、優れた発色性が得られるのがプラ
ズマ重合法の特徴である。
エステル・ウール混布帛の濃色化の不十分さを、該濃色
化樹脂層の上に、シラン系重合体からなる薄膜を形成さ
せることによって格段に優れた発色性を有するポリエス
テル・ウール混布帛が得られることをつきとめた。ここ
でシラン系重合体からなる薄膜とは、ビニルシラン系化
合物、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン等を
プラズマ雰囲気中で重合させたものを言い、本発明で
は、これらシラン系重合体を、プラズマ雰囲気中でポリ
エステル・ウール混織編物の繊維表面に重合体膜として
付着させるものである。繊維間付着等もおきず、風合の
変化もほとんどなく、優れた発色性が得られるのがプラ
ズマ重合法の特徴である。
【0008】プラズマ処理とは、一対の電極を配した容
器内を真空状態にし、ガス、モノマー等を導入したの
ち、ある一定の真空度のもとで電極間に高周波電源にて
電圧をかけ、グロー放電を発生させるものである。
器内を真空状態にし、ガス、モノマー等を導入したの
ち、ある一定の真空度のもとで電極間に高周波電源にて
電圧をかけ、グロー放電を発生させるものである。
【0009】本発明において、プラズマ重合体膜を形成
させるには、重合性を有するビニルシラン系化合物濃縮
ガスをプラズマにより気相で重合させ、繊維構造物表面
に該重合体膜を析出させる方法、プラズマ放電により繊
維構造物表面上にラジカル重合可能な活性点を形成した
後、酸素に触れさせることなく重合性を有するビニルシ
ラン系化合物に触れさせ重合体膜を形成させる2段法等
があり、いずれの方法でも可能である ビニルシラン系化合物ガスの代わりに、フッ素系ガスを
使用する手段もあるが、この場合、繊維と重合体膜との
密着性が弱いため、耐洗濯性、耐摩擦性等の実用耐久性
に劣り、消費性能的に満足できるものが得られない。
させるには、重合性を有するビニルシラン系化合物濃縮
ガスをプラズマにより気相で重合させ、繊維構造物表面
に該重合体膜を析出させる方法、プラズマ放電により繊
維構造物表面上にラジカル重合可能な活性点を形成した
後、酸素に触れさせることなく重合性を有するビニルシ
ラン系化合物に触れさせ重合体膜を形成させる2段法等
があり、いずれの方法でも可能である ビニルシラン系化合物ガスの代わりに、フッ素系ガスを
使用する手段もあるが、この場合、繊維と重合体膜との
密着性が弱いため、耐洗濯性、耐摩擦性等の実用耐久性
に劣り、消費性能的に満足できるものが得られない。
【0010】重合性を有するビニルシラン系化合物のガ
スを用いる場合、好ましくは0.01〜10Torr、
さらに好ましくは0.1〜1Torrの減圧下で、数秒
から数分の範囲で処理する。処理時間が長くなると、着
色および風合が変化し繊維本来の性能が変化する恐れが
ある。また、プラズマ出力は0.1〜5W/cm2、特
に1〜2W/cm2の範囲で行うことが放電安定性の点
から好ましい。
スを用いる場合、好ましくは0.01〜10Torr、
さらに好ましくは0.1〜1Torrの減圧下で、数秒
から数分の範囲で処理する。処理時間が長くなると、着
色および風合が変化し繊維本来の性能が変化する恐れが
ある。また、プラズマ出力は0.1〜5W/cm2、特
に1〜2W/cm2の範囲で行うことが放電安定性の点
から好ましい。
【0011】シラン系重合体からなる薄膜の厚さは、前
記濃色化樹脂膜との関連で、0.02〜0.5ミクロン
(μm)の範囲が好適である。0.02μm未満である
と濃色化レベルが低い。また0.5μmをこえると色が
濃くならないばかりか、風合が硬くなるという変化を起
こす問題がある。また、処理時間が長くなる欠点もあ
る。
記濃色化樹脂膜との関連で、0.02〜0.5ミクロン
(μm)の範囲が好適である。0.02μm未満である
と濃色化レベルが低い。また0.5μmをこえると色が
濃くならないばかりか、風合が硬くなるという変化を起
こす問題がある。また、処理時間が長くなる欠点もあ
る。
【0012】
(1)ポリエステル: 染 料 :カヤロン・ポリエステル・ブラックG−SF (日本化薬(株)社製商品名) ・・・・・12%owf 染色助剤 :トーホーソルトTD(東邦化学(株)社製商品名) (分散均染剤) ・・・・・ 0.5g/l :TW−200(日華化学(株)社製商品名) (キャリヤー剤) ・・・・・ 2g/l (2)ウール: 染 料 :カヤノール・ミリング・ブラックTLB (日本化薬(株)社製商品名) ・・・・・6%owf 染浴安定剤:Na2SO4 ・・・・・2%owf 促染剤 :氷酢酸 ・・・・・3%owf 浴温度100℃、染色時間40分、一浴染め
【0013】実施例1〜15および比較例1〜22 上記の染色した布帛を下記組成の濃色化樹脂シュワット
{シリコン入りウレタン系樹脂;(株)花王社製(商品
名)}のPH5〜5.5に調整した浴に浸漬し、1ディ
ップ・1ニップ方式で布帛に対して0.1〜12wt%
の範囲で付着量を変化させ、120℃で2分間乾燥しそ
の後170℃で2分間キュアリングして、それぞれの付
着量の樹脂加工布を得た。 [濃色化樹脂シュワット組成] TR−420(シリコン入りウレタン) (濃色化剤) ・・・・・0.1〜12wt% N−20 (架橋剤) ・・・・・0.2wt% エレクトロストリッパーTA−267 (帯電防止剤) ・・・・・0.5wt%
{シリコン入りウレタン系樹脂;(株)花王社製(商品
名)}のPH5〜5.5に調整した浴に浸漬し、1ディ
ップ・1ニップ方式で布帛に対して0.1〜12wt%
の範囲で付着量を変化させ、120℃で2分間乾燥しそ
の後170℃で2分間キュアリングして、それぞれの付
着量の樹脂加工布を得た。 [濃色化樹脂シュワット組成] TR−420(シリコン入りウレタン) (濃色化剤) ・・・・・0.1〜12wt% N−20 (架橋剤) ・・・・・0.2wt% エレクトロストリッパーTA−267 (帯電防止剤) ・・・・・0.5wt%
【0014】上記で得られたそれぞれの該樹脂加工布
を、さらに平行平板電極型プラズマ処理機内にセット
し、内圧を0.05トール(Torr)にした後、ビニ
ルトリメトキシシランモノマーを5cc/分で導入し、
内圧を0.4Torrに保持した。ついで13.56M
Hz電源にて、電極間に1W/cm2の電力を投入し、
5〜600秒間プラズマ重合処理を行った。
を、さらに平行平板電極型プラズマ処理機内にセット
し、内圧を0.05トール(Torr)にした後、ビニ
ルトリメトキシシランモノマーを5cc/分で導入し、
内圧を0.4Torrに保持した。ついで13.56M
Hz電源にて、電極間に1W/cm2の電力を投入し、
5〜600秒間プラズマ重合処理を行った。
【0015】その結果を表1および表2に示す。なお、
膜厚は多重反射干渉法による干渉稿図形から高さ(膜
厚)を計算した。また濃色度L*値は、日立(株)社製の
自記分光光度計(U−3400)を用い、標準白色サン
プルと被試験サンプルでの分光放射輝度に比例する光電
流を測定して求めた。濃色度L*値は色の視感濃度の指
数であり、数値が小さいもの程濃色であることを示す。
膜厚は多重反射干渉法による干渉稿図形から高さ(膜
厚)を計算した。また濃色度L*値は、日立(株)社製の
自記分光光度計(U−3400)を用い、標準白色サン
プルと被試験サンプルでの分光放射輝度に比例する光電
流を測定して求めた。濃色度L*値は色の視感濃度の指
数であり、数値が小さいもの程濃色であることを示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表1および表2において、濃色化樹脂の付
着もプラズマ重合膜の付与も行っていない染色上がりの
布帛の例を比較例1に示す。また染色上がり布帛に濃色
化樹脂を付着させ、その後のプラズマ重合膜は付与しな
い場合の例を比較例2、7、12および17で示す。染
色上がり布帛の比較例1の場合に比べて、比較例2、
7、12、17で濃色化樹脂の付着量が上がっていくと
布帛の濃色化度は向上する傾向にある。しかしその向上
効果は、比較例1の濃色度L*値からみて顕著ではな
く、比較例17の如く濃色化樹脂付着量が12wt%に
もなると樹脂量が多すぎ、風合が硬くなって商品価値に
乏しいものとなる。
着もプラズマ重合膜の付与も行っていない染色上がりの
布帛の例を比較例1に示す。また染色上がり布帛に濃色
化樹脂を付着させ、その後のプラズマ重合膜は付与しな
い場合の例を比較例2、7、12および17で示す。染
色上がり布帛の比較例1の場合に比べて、比較例2、
7、12、17で濃色化樹脂の付着量が上がっていくと
布帛の濃色化度は向上する傾向にある。しかしその向上
効果は、比較例1の濃色度L*値からみて顕著ではな
く、比較例17の如く濃色化樹脂付着量が12wt%に
もなると樹脂量が多すぎ、風合が硬くなって商品価値に
乏しいものとなる。
【0019】一方、染色上がり布帛(比較例1)に濃色
化樹脂の付着とプラズマ重合膜の付与との両者を行った
ときの場合がその他の例で示される。濃色化樹脂の付着
量が0.3wt%の比較例3〜6の場合は、長時間のプ
ラズマ処理によりその膜厚を高めても濃色化の向上効果
は充分ではなく、比較例5、6の長時間処理となるとむ
しろ退色傾向となる。
化樹脂の付着とプラズマ重合膜の付与との両者を行った
ときの場合がその他の例で示される。濃色化樹脂の付着
量が0.3wt%の比較例3〜6の場合は、長時間のプ
ラズマ処理によりその膜厚を高めても濃色化の向上効果
は充分ではなく、比較例5、6の長時間処理となるとむ
しろ退色傾向となる。
【0020】濃色化樹脂の付着量を0.5wt%に上げ
た場合が実施例1〜6、比較例8〜11で示される。濃
色化樹脂の付着量がこの濃度になると、プラズマ重合処
理が容易に行われ、さらにその膜厚が特定膜厚となると
その濃色効果が比較例1、7に比べて△L*が2以上に
もなり、顕著に向上することが実施例1〜6で示され
る。しかしプラズマ処理時間が短かかったり、逆に長す
ぎる場合、即ちプラズマ重合膜が薄すぎる比較例8、9
の場合には濃色効果が低く、逆に膜厚が厚すぎる比較例
10、11の場合となるとL*値は頭打ちとなる。また
比較例11では退色傾向となり、さらには風合も硬くな
る傾向となる。なお、実施例1〜6はプラズマ処理時間
を15〜300秒にかえたものであるが、この間でのL
*値の差は小さく、15秒(膜厚で0.021μm)で
充分濃色物を得ることができることがわかる。
た場合が実施例1〜6、比較例8〜11で示される。濃
色化樹脂の付着量がこの濃度になると、プラズマ重合処
理が容易に行われ、さらにその膜厚が特定膜厚となると
その濃色効果が比較例1、7に比べて△L*が2以上に
もなり、顕著に向上することが実施例1〜6で示され
る。しかしプラズマ処理時間が短かかったり、逆に長す
ぎる場合、即ちプラズマ重合膜が薄すぎる比較例8、9
の場合には濃色効果が低く、逆に膜厚が厚すぎる比較例
10、11の場合となるとL*値は頭打ちとなる。また
比較例11では退色傾向となり、さらには風合も硬くな
る傾向となる。なお、実施例1〜6はプラズマ処理時間
を15〜300秒にかえたものであるが、この間でのL
*値の差は小さく、15秒(膜厚で0.021μm)で
充分濃色物を得ることができることがわかる。
【0021】濃色化樹脂の付着量をさらに5wt%に高
めた例が実施例7〜11および比較例12〜16に示さ
れる。この樹脂量の場合でも、プラズマ重合膜厚が特定
範囲の実施例7〜11では濃色効果が顕著であり、特定
範囲を外れる比較例12〜16の場合には効果が低く、
あるいは退色傾向となり、風合も硬くなる傾向は樹脂付
着量が0.5wt%の場合と同様の傾向である。
めた例が実施例7〜11および比較例12〜16に示さ
れる。この樹脂量の場合でも、プラズマ重合膜厚が特定
範囲の実施例7〜11では濃色効果が顕著であり、特定
範囲を外れる比較例12〜16の場合には効果が低く、
あるいは退色傾向となり、風合も硬くなる傾向は樹脂付
着量が0.5wt%の場合と同様の傾向である。
【0022】濃色化樹脂の付着量をさらに上げ10wt
%にした場合が実施例12〜15である。この場合、濃
色効果もさらに向上するが頭打ちとなる。また付着量を
12.0wt%にした比較例18〜22の場合には、頭
打ち傾向がさらにはっきりするばかりか、付着樹脂量が
多すぎ、風合が硬くなり、商品価値に乏しいものとな
る。なお、前記実施例1〜6、7〜11、12〜15の
間でのL*値の差は平均0.2〜0.3であり、若干、
濃色化樹脂の付着量が多い方が濃色になる傾向にある。
%にした場合が実施例12〜15である。この場合、濃
色効果もさらに向上するが頭打ちとなる。また付着量を
12.0wt%にした比較例18〜22の場合には、頭
打ち傾向がさらにはっきりするばかりか、付着樹脂量が
多すぎ、風合が硬くなり、商品価値に乏しいものとな
る。なお、前記実施例1〜6、7〜11、12〜15の
間でのL*値の差は平均0.2〜0.3であり、若干、
濃色化樹脂の付着量が多い方が濃色になる傾向にある。
【0023】以上のように、濃色化樹脂の付着量は色濃
度L*値、風合を考慮すると0.5〜10wt%が好適
であり、さらにその上に載るプラズマ重合膜の膜厚は
0.02〜0.5μmが好適であることがわかる。
度L*値、風合を考慮すると0.5〜10wt%が好適
であり、さらにその上に載るプラズマ重合膜の膜厚は
0.02〜0.5μmが好適であることがわかる。
【0024】比較例23〜26 実施例1において、ビニルトリメトキシシランの代わり
に六フッ化プロピレンガスを30cc/分で導入し、内
圧を0.3Torrに保持した。ついで13.56MH
z電源にて、電極間に1W/cm2の電力を投入し、3
0〜180秒間プラズマ重合処理を行った。その結果を
表3に示す。
に六フッ化プロピレンガスを30cc/分で導入し、内
圧を0.3Torrに保持した。ついで13.56MH
z電源にて、電極間に1W/cm2の電力を投入し、3
0〜180秒間プラズマ重合処理を行った。その結果を
表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】フッ素系化合物でプラズマ処理を行うと、
シラン系化合物でプラズマ処理したものと濃色効果は同
じレベルであった。しかしながら、プラズマ処理面同志
を数回こすり合わせると色が褪せてしまい、摩擦によっ
てプラズマ重合膜が脱落して退色しており、消費性能に
問題があった。
シラン系化合物でプラズマ処理したものと濃色効果は同
じレベルであった。しかしながら、プラズマ処理面同志
を数回こすり合わせると色が褪せてしまい、摩擦によっ
てプラズマ重合膜が脱落して退色しており、消費性能に
問題があった。
【0027】
【発明の効果】本発明のポリエステル・ウール混織編物
からなる繊維構造物は、その表面に濃色化樹脂と薄膜と
の両者の膜を形成させたことにより、従来のこの種の布
帛の濃色度の限界を打破し顕著な濃色化とし、摩擦堅牢
性も優れたものとなしたものであり、実用性の高いもの
である。
からなる繊維構造物は、その表面に濃色化樹脂と薄膜と
の両者の膜を形成させたことにより、従来のこの種の布
帛の濃色度の限界を打破し顕著な濃色化とし、摩擦堅牢
性も優れたものとなしたものであり、実用性の高いもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 5/08 DBH Z 9160−4H // D06M 101:12 101:32
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエステル・ウール混織編物からなる
繊維構造物であって、ウールを20重量%以上含む染色
された織編物に濃色化樹脂が0.5〜10重量%付着
し、該樹脂層上にはさらにシラン系重合体からなる薄膜
が膜厚0.02〜0.5ミクロンの厚さで存在すること
を特徴とする繊維構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4238744A JPH0693568A (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 繊維構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4238744A JPH0693568A (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 繊維構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0693568A true JPH0693568A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=17034618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4238744A Pending JPH0693568A (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 繊維構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0693568A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030023775A (ko) * | 2001-09-14 | 2003-03-20 | 라이프존 주식회사 | 폴리에스터 혼합 편물의 제조방법 |
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1992
- 1992-09-08 JP JP4238744A patent/JPH0693568A/ja active Pending
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