JPH0692662A - ガラス管の加熱装置および加熱方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラス管をその全周から加熱するための回転と
搬送とを簡単な構成で実施できるとともに、コンパクト
にできるガラス管に加熱装置および方法を提供する。 【構成】互いに離間して配設される少なくとも２枚の円
板１８が固定され同一方向に同期して回転される多数の
回転軸１４を並設するとともに、これら回転軸１４の並
び方向に隣接する前記円板１８相互を、その一部が前記
回転軸１４の軸方向に重なるように対向させ、前記回転
軸１４の軸方向に対向された前記円板１８間に渡ってこ
れら円板１８の周面に接して支持されるガラス管Ａに対
向してバーナ２０を配置し、前記各円板１８にその周面
に開放して前記ガラス管Ａが出入り可能な搬送凹部１９
を夫々設けて、円板１８の回転によりガラス管Ａの回転
と搬送とを行うことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば管球用バルブ等
のガラス管に対する加熱処理、例えばガラス管の一部を
加熱軟化させる処理を行う場合等に使用されるガラス管
の加熱装置および加熱方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来の管球用バルブの加熱装置の
構成を示している。同図中１は同一方向に同期して回転
される多数の回転軸で、これら回転軸１には少なくとも
２枚（一枚のみ図示）の円板２が互いに離間して固定さ
れている。回転軸１は、その並び方向に隣接する円板２
相互を、その一部が回転軸１の軸方向に重なるように対
向させて配設されており、それによって、回転軸１の軸
方向に対向された円板２間に渡ってこれら円板２の周面
に接してガラス管、例えば管球用バルブ３が支持される
ようになっている。

【０００３】これら回転軸１と円板２とはバルブ回転機
構を形成しており、この機構の上方にはバーナ４が配置
されている。バーナ４はバルブ回転機構における多数の
バルブ支持位置に夫々対向して設けられ、管球用バルブ
３の一部に対して火炎を吹き付けて加熱軟化させるため
に設けられている。

【０００４】また、バルブ回転機構の幅方向（回転軸１
の軸方向）両側には、同期して動作されるバルブ搬送台
５が夫々配設されている。この台５は図４に一方のみを
示すが、バルブ回転機構の回転軸１の並び方向略全長に
渡る長さのベース板６上に、前記バルブ支持位置と同ピ
ッチで凹状のバルブ受け７を取付けてなる。これらのバ
ルブ搬送台５は図４中矢印ａ〜ｂに示すように図示しな
い駆動部により動かされるものである。

【０００５】前記構成の管球用バルブ加熱装置は、その
バルブ回転機構に支持された管球用バルブ３を、バルブ
支持位置において円板２の周面との接触により円板２と
は逆方向に回転させながら、このバルブ３の一部をバー
ナ４の火炎４ａにより加熱する。それにより、前記バル
ブ３の軸方向の一部を全周に亘り加熱できる。そして、
所定時間ごとにバルブ搬送台５が図４中矢印ａ〜ｄのよ
うに動かされ、ａの上昇工程においてバルブ３をバルブ
支持位置からバルブ受け７に受取り、ｂの前進工程にお
いて受取ったバルブ３を送り方向に隣接するバルブ支持
位置の上方に移動させ、ｃの下降工程においてバルブ３
を前記隣接するバルブ支持位置にバルブ受け７から受け
渡し、ｄの後退工程においてホームポジションに戻って
次の搬送動作に備える。そして、以上のような加熱と搬
送動作とを繰返しながら、次の曲げ工程に適するように
バルブ３の軸方向の一部を全周から加熱軟化させるもの
である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構成に
おいては、バルブ回転機構の他に、バルブ４を搬送する
一対のバルブ搬送台５とこれらを同期して動作させる駆
動部とからなる搬送機構を必とするため、加熱装置全体
の構成が複雑であるとともに、この搬送機構を設けるス
ペースにより装置が大形であるという問題がある。

【０００７】本発明の目的は、ガラス管をその全周から
加熱するための回転と搬送とを簡単な構成で実施できる
とともに、コンパクトにできるガラス管の加熱装置およ
び加熱方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のガラス管の加熱装置は、

【０００９】互いに離間して配設される少なくとも２枚
の円板が固定され同一方向に同期して回転される多数の
回転軸を並設するとともに、これら回転軸の並び方向に
隣接する前記円板相互を、その一部が前記回転軸の軸方
向に重なるように対向させ、前記回転軸の軸方向に対向
された前記円板間に渡ってこれら円板の周面に接して支
持されるガラス管に対向して加熱手段を配置し、前記各
円板にその周面に開放して前記ガラス管が出入り可能な
搬送凹部を夫々設けたものである。また、本発明の加熱
方法は、

【００１０】回転軸の並び方向に隣接し相互に一部が重
なる円板の周面に接してガラス管を支持し、これら円板
の回転に応じて上記ガラス管をこれら円板の周面間で回
転させ、この回転の間にガラス管を加熱する工程と、

【００１１】一方の円板の周面に開放して形成した搬送
凹部に上記ガラス管を嵌入させ、この搬送凹部の周方向
の変位に伴ってガラス管を円板の回転方向に移動させる
工程と、

【００１２】上記ガラス管が隣接する他の円板の周面に
当接して移動を妨げられ、このガラス管が上記搬送凹部
から押し出されて隣接する円板間の周面に接して支持さ
れる工程とからなることを特徴とする。

【００１３】

【作用】本発明のガラス管の加熱装置および方法によれ
ば、多数の回転軸はこれに固定された円板を伴って同一
方向に同期して回転され、回転軸の並び方向に隣接する
円板同志は、回転軸の軸方向から見た際に谷間を形成す
る部分でガラス管を支持するとともに、これら回転され
る円板の周面とガラス管との接触により、支持したガラ
ス管を円板の回転方向とは逆方向に回転させる。そし
て、円板の搬送凹部は、これがガラス管に対向したとき
にガラス管を受取り、このガラス管を円板の回転に伴い
移動させ、搬送方向前側に位置された前記谷間部分にお
いてガラス管から外れるものであり、このようにしてガ
ラス管を搬送する。そのため、特別にガラス管の搬送装
置を備える必要がない。また、加熱手段は、以上のよう
にして円板により回転されるとともに、その搬送凹部に
より定期的に搬送されるガラス管に対する加熱を行う。

【００１４】

【実施例】以下、図１ないし図３を参照して本発明の一
実施例を説明する。

【００１５】図３中１１は本発明の一実施例に係る管球
用バルブ加熱装置の機枠であり、この機枠１１の長さ方
向一端（図３においてこの図が描かれた紙面の裏面側の
端）には管球用バルブ供給装置（図示しない）が設置さ
れているとともに、長さ方向他端（図３においてこの図
が描かれた紙面の表面側の端）には管球用バルブの曲成
装置（図示しない）が設置されている。なお、図１〜図
３中Ａは管球用バルブであって、これは直管状をなすと
ともに、その長さ方向中央部に加熱軟化すべき小径部Ｂ
を有している。また、図１中２１は管球用バルブ供給装
置から供給される管球用バルブＡを管球用バルブ加熱装
置に導入する受渡しシュート板である。

【００１６】機枠１１の上面には、この機枠１１の幅方
向に対向する一対のサポート１２を介して多数の軸受け
１３が取付けられている。機枠１１の幅方向に対向する
各軸受け１３間には、機枠１１の長手方向に沿って並設
される回転軸１４が夫々回転自在に取付けられている。

【００１７】図３中１５は機枠１１に搭載されたモー
タ、１６はモータ１５によって駆動される第１鎖伝導機
構、１７はこの鎖伝導機構１６に連動する第２鎖伝導機
構であって、第２鎖伝導機構のチェーンは回転軸１４の
一端に夫々取付けられた従動用鎖車に夫々掛合されてい
る。このような構造によりモータ１５の動力で各回転軸
１４が同期して同一方向に回転されるようになってい
る。

【００１８】各回転軸１４には図２および図３に示され
るようにいずれも同一直径の４枚の円板１８が互いに離
間して固定されている。そして、回転軸１４の並び方向
に隣接する円板相互１８は、図１に示されるようにその
一部が回転軸１４の軸方向に重なるように対向して設け
られている。しかも、この重なりを得るにあたり、図１
に示されるように円板１８は一つ置きに前後（図１を描
いた紙面の表面が前、裏面が後）に位置をずらされてい
るとともに、回転軸１４の並び方向に隣接する回転軸１
４相互は可能な限り近付けられている。

【００１９】各円板１８の周部には、その周面１８ａに
開放されて例えば半円形状の搬送凹部１９が形成されて
いる。この凹部１９は同じ回転軸１４に固定された円板
１８については、回転軸１４の軸方向から見たときに対
向する位置に夫々設けられている。しかも、本実施例に
おいて、回転軸１４の並び方向に隣接する各円板１８に
形成された搬送凹部１９は、周方向に所定角度ずつ順次
位置をづらして形成されている。

【００２０】また、図１および図２中２０は加熱手段と
してのバーナである。バーナ２０は回転軸１４の軸方向
から見たときに回転軸１４の並び方向に隣接する円板１
８相互の上部に形成される谷間部分（バルブ支持位置）
の上方に対向して配設されて、下方に火炎を噴射して管
球用バルブＡの小径部Ｂに吹き当てるようになってい
る。しかも、これらバーナ２０の高さ位置、および前記
谷間部分相互間の離間距離は、バーナ２０の真下に位置
された管球用バルブＡの小径部Ｂに吹き当たってその左
右両側に別れる火炎（図１の２点鎖線参照）が、隣接す
る管球用バルブＡの小径部Ｂに回り込むように定められ
ている。このようにしたことにより、管球用バルブＡの
加熱効率を向上させることができる。

【００２１】次に、前記構成の管球用バルブ加熱装置に
よる加熱動作を説明する。説明の都合上、図１中受渡し
シュート２１に最も近い側に配置された円板１８を第１
円板と称するとともに、これから搬送方向左側に次々に
配置された円板１８をその配置順に夫々第２円板、第３
円板…と称する。

【００２２】この管球用バルブ加熱装置に管球用バルブ
供給装置から受渡しシュート板２１を介して供給された
管球用バルブＡは、図１中イの谷間位置において受渡し
シュート板２１と第１円板１８の周面１８ａとの間で支
持され、第１円板１８の回転に伴いその周面１８ａとの
接触に基づき第１円板１８の図１中反時計回りの回転と
は逆方向に回転される。

【００２３】そして、第１円板１８の搬送凹部１９が前
記イの谷間位置に達すると、この凹部１９内に管球用バ
ルブＡの両側部分が落ち込んで嵌入され、次いで、搬送
凹部１９の変位に伴って前記イの谷間位置から左側に移
動されて図１中ロの谷間位置に搬送凹部１９が達する。
そうすると、管球用バルブＡの両側部分が第１円板１８
の左隣の第２円板１８の周面１８ａに当接して移動を妨
げられるから、第１円板１８の回転に伴ってその搬送凹
部１９から管球用バルブＡが押し出され、このバルブＡ
は第１図中ロの谷間位置において第１，第２円板１８の
周面１８ａに接して支持される。そのため、前記ロの谷
間位置において，管球用バルブＡは第１，第２円板１８
の回転に応動して回転される。

【００２４】このようにして前記ロの谷間位置に支持さ
れた管球用バルブＡは、所定時間後に、第２円板１８の
搬送凹部１９によって図１中ハの谷間位置に移動され、
ここで所定時間回転された後に、第２円板１８の左隣の
第３円板１８の搬送凹部１９によって図１中ニの谷間位
置に移動される（なお、このときの管球用バルブＡの左
方向の移動の態様は図１中２点鎖線で示されてい
る。）。

【００２５】すなわち、以上のようにして管球用バルブ
Ａを、同期して同一方向に回転される円板１８によっ
て、各谷間位置イ，ロ，ハ…において回転させることが
できるとともに、所定時間後に左隣の谷間位置に搬送凹
部１９を介して搬送させることができる。

【００２６】そして、この動作中に管球用バルブＡの上
方に対向配置されたバーナ２０が動作されて、その火炎
を管球用バルブＡの小径部Ｂに吹き付けるので、小径部
Ｂをその全周から均一に加熱して、次の曲げ工程におい
て曲げが可能なように軟化させることができる。

【００２７】なお、本実施例では隣接する円板１８の搬
送凹部１９の角度の相を次第にずらしており、そのずら
し角度が隣接する谷間位置相互と回転軸１４とを結ぶ角
度θ（図１参照）の略半分としたから、各谷間位置にお
いてそこから管球用バルブＡが左側に搬出されてから、
その谷間位置に右側の管球用バルブＡが搬入される前
に、搬送凹部１９が各谷間位置を通過し、その直後に各
谷間位置に右側の管球用バルブＡが搬入されるため、円
板１８の周面１８ａと管球用バルブＡとの接触期間を最
大に確保して、各谷間位置での管球用バルブＡの回転を
多くできる。

【００２８】前記のように管球用バルブＡの一部をその
全周から加熱するに際して、周面に開放する搬送凹部１
９を有した円板１８により、管球用バルブＡを回転させ
るとともに定期的に搬送させることができるから、特別
に搬送機構を設ける必要がない。そのため、管球用バル
ブＡをその全周から加熱するための回転と搬送とを、簡
単な構成にして安価に実施できるとともに、搬送機構を
配設するためのスペースが不要であり、コンパクトな管
球用バルブ加熱装置とすることができる。

【００２９】なお、本発明は前記一実施例に制約される
ものではなく、例えば隣接する円板の搬送凹部は、互い
に位相をずらすことなく同一の向きとなるように設け
て、同時にガラス管の搬送動作を行うようにしてもよい
とともに、加熱手段は搬送されるガラス管に対向してそ
の下方に配設してもよく、また、回転軸に取付けられる
円板は少なくとも２枚あれば良いものである。

【００３０】

【発明の効果】以上詳記したように本発明のガラス管加
熱装置および加熱方法においては、周面に開放する搬送
凹部を有した円板により、ガラス管を回転させるととも
に定期的に搬送させながら、このガラス管を加熱手段で
加熱できるから、特別に搬送機構を設ける必要がなくな
り、コンパクトにできるとともに、ガラス管をその全周
から加熱するための回転と搬送とを簡単な構成で実施で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る管球用バルブ加熱装置
の要部の構成を示す略側面図。

【図２】同実施例に係る管球用バルブ加熱装置の要部の
構成を図１中矢印Ｚ方向から見て示す図。

【図３】同実施例に係る管球用バルブ加熱装置の構成を
示す略正面図。

【図４】従来例に係る管球用バルブ加熱装置の構成を示
す略側面図。

【符号の説明】

１４…回転軸、１８…円板、１９…搬送凹部、２０…バ
ーナ（加熱手段）、Ａ…管球用バルブ（ガラス管）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 勇治 東京都港区三田一丁目４番28号 東芝ライ テック株式会社内 (72)発明者 北村 照弘 東京都港区三田一丁目４番28号 東芝ライ テック株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸方向に互いに離間して配設される少な
   くとも２枚の円板が固定され同一方向に同期して回転さ
   れる多数の回転軸を並設するとともに、これら回転軸の
   並び方向に隣接する前記円板相互を、その一部が前記回
   転軸の軸方向に重なるように対向させ、前記回転軸の軸
   方向に対向された前記円板間に渡ってこれら円板の周面
   に接して支持されるガラス管に対向して加熱手段を配置
   し、前記各円板にその周面に開放して前記ガラス管が出
   入り可能な搬送凹部を夫々設けたことを特徴とするガラ
   ス管の加熱装置。
2. 【請求項２】 回転軸の並び方向に隣接し相互に一部が
   重なる円板の周面に接してガラス管を支持し、これら円
   板の回転に応じて上記ガラス管をこれら円板の周面間で
   回転させ、この回転の間にガラス管を加熱する工程と、 一方の円板の周面に開放して形成した搬送凹部に上記ガ
   ラス管を嵌入させ、この搬送凹部の周方向の変位に伴っ
   てガラス管を円板の回転方向に移動させる工程と、 上記ガラス管が隣接する他の円板の周面に当接して移動
   を妨げられ、このガラス管が上記搬送凹部から押し出さ
   れて隣接する円板間の周面に接して支持される工程とか
   らなることを特徴とするガラス管の加熱方法。