JPH0692617A - 種シリコン粒子の製造方法及び顆粒状多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents
種シリコン粒子の製造方法及び顆粒状多結晶シリコンの製造方法Info
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- JPH0692617A JPH0692617A JP4264195A JP26419592A JPH0692617A JP H0692617 A JPH0692617 A JP H0692617A JP 4264195 A JP4264195 A JP 4264195A JP 26419592 A JP26419592 A JP 26419592A JP H0692617 A JPH0692617 A JP H0692617A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】種シリコン粒子製造のための特別の装置を必要
とせず、高純度で球状の種シリコン粒子を製造できる方
法、及び種シリコン粒子を反応器外より供給する必要の
ない顆粒状多結晶シリコンの製造方法を提供する。 【構成】外部加熱器が流動層下端部から上へ50mm以
上離して設置され、平均粒子径100〜1,000μm
の多結晶シリコン粒子からなり、反応器内径に対する静
止層高の比が2〜4の流動層を有する反応器に、反応温
度620℃〜750℃で圧力1〜5atmの条件下、シ
ラン濃度15〜45体積%のシランと希釈ガスとの混合
ガスを、流動層内のガス流速として0.3〜0.9m/
sで供給することにより、気相中で種シリコン粒子を生
成させる方法。前記方法で種シリコン粒子を製造し、こ
れを反応系内に残留させて反応条件を顆粒状多結晶シリ
コンの製造条件に変える、顆粒状多結晶シリコンの製造
方法。
とせず、高純度で球状の種シリコン粒子を製造できる方
法、及び種シリコン粒子を反応器外より供給する必要の
ない顆粒状多結晶シリコンの製造方法を提供する。 【構成】外部加熱器が流動層下端部から上へ50mm以
上離して設置され、平均粒子径100〜1,000μm
の多結晶シリコン粒子からなり、反応器内径に対する静
止層高の比が2〜4の流動層を有する反応器に、反応温
度620℃〜750℃で圧力1〜5atmの条件下、シ
ラン濃度15〜45体積%のシランと希釈ガスとの混合
ガスを、流動層内のガス流速として0.3〜0.9m/
sで供給することにより、気相中で種シリコン粒子を生
成させる方法。前記方法で種シリコン粒子を製造し、こ
れを反応系内に残留させて反応条件を顆粒状多結晶シリ
コンの製造条件に変える、顆粒状多結晶シリコンの製造
方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シランを原料とし、流
動層法により高純度の種シリコン粒子を製造する方法、
及びこの種シリコン粒子を用いて、流動層法により高純
度の顆粒状多結晶シリコンを製造する方法に関するもの
である。
動層法により高純度の種シリコン粒子を製造する方法、
及びこの種シリコン粒子を用いて、流動層法により高純
度の顆粒状多結晶シリコンを製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコンの製造方法としては、代
表的な方法としてシーメンス法や小松法がある。これら
の方法は、ベルジャー炉内に配置したシリコンロッドを
通電加熱し、そこにガス状のクロロシラン(シーメンス
法)やシラン(小松法)を流通させ、該シラン類の熱分
解、還元によりシリコンを生成させ、シリコンロッド上
に多結晶シリコンを析出させるものである。シリコンロ
ッドは所定のサイズまで成長させた後に回収して製品と
する。現在、大部分の多結晶シリコンは、これらの方法
で製造されており、製品の高純度を維持することが比較
的容易であるという特長を有している。しかしながら、
これらの方法は基本的にバッチ操作であることから、生
産効率が悪く、大量生産に際しては、ベルジャーの数を
増やして対処する必要があり、従って設備費用がかさむ
こと、反応は1,050〜1,150℃で行うが、壁へ
のシリコン析出を防ぐために冷却するので、与えるエネ
ルギーは大部分が熱となって放散されてしまうこと等の
欠点を有している。
表的な方法としてシーメンス法や小松法がある。これら
の方法は、ベルジャー炉内に配置したシリコンロッドを
通電加熱し、そこにガス状のクロロシラン(シーメンス
法)やシラン(小松法)を流通させ、該シラン類の熱分
解、還元によりシリコンを生成させ、シリコンロッド上
に多結晶シリコンを析出させるものである。シリコンロ
ッドは所定のサイズまで成長させた後に回収して製品と
する。現在、大部分の多結晶シリコンは、これらの方法
で製造されており、製品の高純度を維持することが比較
的容易であるという特長を有している。しかしながら、
これらの方法は基本的にバッチ操作であることから、生
産効率が悪く、大量生産に際しては、ベルジャーの数を
増やして対処する必要があり、従って設備費用がかさむ
こと、反応は1,050〜1,150℃で行うが、壁へ
のシリコン析出を防ぐために冷却するので、与えるエネ
ルギーは大部分が熱となって放散されてしまうこと等の
欠点を有している。
【0003】このような状況のもと、最近開発が進めら
れているのが、流動層法による顆粒状多結晶シリコンの
製造である。これは多結晶シリコン粒子を種結晶として
用い、その表面上に円筒状の流動層反応器内でシリコン
の析出を行うものである。この方法では通常、反応器が
外部加熱器により加熱され、反応器の上方より種シリコ
ン粒子が供給され、下方の原料ガス供給ラインより原料
のシラン類を含む原料ガスが供給される。反応器内のシ
リコン粒子は、反応器内を上昇する原料ガスにより流動
化されて流動層を形成する。原料ガスは反応器内を通過
する間に流動層内のシリコン粒子により加熱され、熱分
解してシリコンを生成し、流動化しているシリコン粒子
の表面に析出し、最終的には、製品の顆粒状多結晶シリ
コンとなる。流動層法による顆粒状多結晶シリコンの製
造は、連続的に運転することができ、スケールアップも
容易であることから工業化に適しているのみならず、断
熱した反応器が使用できることから、熱の放散がシーメ
ンス法の1/10以下と省エネルギーであり、また顆粒
の表面積はロッドに比較して著しく大きいため、生産性
の点でも極めて有利な方法である。さらに、この方法で
製造された顆粒状多結晶シリコンは、シーメンス法で製
造されたロッド状のものに比較して、運搬、解砕、梱包
等の手間が軽減される。さらに、粒子が流動性を有する
ことから、単結晶シリコン製造時に行われる、るつぼへ
の供給が容易であり、且つ充填密度が上げられる、連続
的に供給することも容易であるなど、単結晶製造におい
ても数々の利点を有している。
れているのが、流動層法による顆粒状多結晶シリコンの
製造である。これは多結晶シリコン粒子を種結晶として
用い、その表面上に円筒状の流動層反応器内でシリコン
の析出を行うものである。この方法では通常、反応器が
外部加熱器により加熱され、反応器の上方より種シリコ
ン粒子が供給され、下方の原料ガス供給ラインより原料
のシラン類を含む原料ガスが供給される。反応器内のシ
リコン粒子は、反応器内を上昇する原料ガスにより流動
化されて流動層を形成する。原料ガスは反応器内を通過
する間に流動層内のシリコン粒子により加熱され、熱分
解してシリコンを生成し、流動化しているシリコン粒子
の表面に析出し、最終的には、製品の顆粒状多結晶シリ
コンとなる。流動層法による顆粒状多結晶シリコンの製
造は、連続的に運転することができ、スケールアップも
容易であることから工業化に適しているのみならず、断
熱した反応器が使用できることから、熱の放散がシーメ
ンス法の1/10以下と省エネルギーであり、また顆粒
の表面積はロッドに比較して著しく大きいため、生産性
の点でも極めて有利な方法である。さらに、この方法で
製造された顆粒状多結晶シリコンは、シーメンス法で製
造されたロッド状のものに比較して、運搬、解砕、梱包
等の手間が軽減される。さらに、粒子が流動性を有する
ことから、単結晶シリコン製造時に行われる、るつぼへ
の供給が容易であり、且つ充填密度が上げられる、連続
的に供給することも容易であるなど、単結晶製造におい
ても数々の利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、流動層法による
顆粒状多結晶シリコン製造では、析出面積が大きいこと
から、製品が汚染され易い上に、種シリコン粒子、生成
した顆粒状多結晶シリコンが反応器内壁と常時接触して
いるので一層汚染を受け易く、製品の純度確保が技術的
に大きな課題となっている。流動層法により、高純度の
多結晶シリコンを製造する方法としては、反応器内壁を
多結晶シリコンが汚染しないような高純度の石英を使用
する等の反応器内を清浄な環境にして反応する方法があ
る。
顆粒状多結晶シリコン製造では、析出面積が大きいこと
から、製品が汚染され易い上に、種シリコン粒子、生成
した顆粒状多結晶シリコンが反応器内壁と常時接触して
いるので一層汚染を受け易く、製品の純度確保が技術的
に大きな課題となっている。流動層法により、高純度の
多結晶シリコンを製造する方法としては、反応器内壁を
多結晶シリコンが汚染しないような高純度の石英を使用
する等の反応器内を清浄な環境にして反応する方法があ
る。
【0005】又、高純度の製品を得るためには、反応器
内を清浄な環境にすることと併せて、多結晶シリコン生
成の核となる種シリコン粒子として、高純度のものを使
用することも不可欠な要素である。しかしながら、種シ
リコン粒子として、適当な粒径を有する高純度の種シリ
コン粒子を製造することは容易なことではなく、一度汚
染した種シリコン粒子を酸により洗浄して純度を高める
方法もあるが、この方法では、種シリコンの粒径が小さ
いため洗浄が困難である上、洗浄後に洗浄液を完全に除
去することが困難であり、さらに大量の酸が必要となる
ため、目的の純度にすることはほぼ不可能である。
内を清浄な環境にすることと併せて、多結晶シリコン生
成の核となる種シリコン粒子として、高純度のものを使
用することも不可欠な要素である。しかしながら、種シ
リコン粒子として、適当な粒径を有する高純度の種シリ
コン粒子を製造することは容易なことではなく、一度汚
染した種シリコン粒子を酸により洗浄して純度を高める
方法もあるが、この方法では、種シリコンの粒径が小さ
いため洗浄が困難である上、洗浄後に洗浄液を完全に除
去することが困難であり、さらに大量の酸が必要となる
ため、目的の純度にすることはほぼ不可能である。
【0006】従って、汚染の少ない、高純度の種シリコ
ン粒子を製造するために、種々の方法が提案がされてい
る。例えば、特開昭57−67019号では、シリコン
製のロールクラッシャーを用いてシリコンを粉砕し、粉
砕時のロールからの汚染を防止して種シリコン粒子を製
造する方法が提案されている。しかしながら、この方法
は、必要な粒径範囲の破砕物が得にくい、同じ材質のロ
ールで粉砕するためロールの摩耗、破損が大きく継続的
な粉砕を行いづらいといった問題を有しており、実用的
な方法ではない。特開昭64−5903号では、シリコ
ン粒子をシリコンターゲットに衝突させて微細なシリコ
ンを得る方法が提案されており、シリコン同士の接触で
製造されるため汚染の可能性は少ない方法ではあるが、
衝突させる粒子が微細化してしまう上に、所望する粒子
径の種シリコン粒子を得ることが難しく、且つターゲッ
トは消耗品であるので頻繁に交換する必要があるなど実
験室規模では問題ないが、工業的な大量生産に対応させ
るには実用的な方法とはいえない。又、上記いずれの方
法においても、得られる種シリコン粒子は、破砕品であ
り形状が球状を有しておらず、従ってこれを使用して顆
粒状多結晶シリコンを製造した場合、球状を有する顆粒
状多結晶シリコンが得られ難い。球状を有していない顆
粒状多結晶シリコンは、これを単結晶製造に使用する場
合、供給ライン中で流動しにくく、目詰まりを起こす等
の問題を有するものである。
ン粒子を製造するために、種々の方法が提案がされてい
る。例えば、特開昭57−67019号では、シリコン
製のロールクラッシャーを用いてシリコンを粉砕し、粉
砕時のロールからの汚染を防止して種シリコン粒子を製
造する方法が提案されている。しかしながら、この方法
は、必要な粒径範囲の破砕物が得にくい、同じ材質のロ
ールで粉砕するためロールの摩耗、破損が大きく継続的
な粉砕を行いづらいといった問題を有しており、実用的
な方法ではない。特開昭64−5903号では、シリコ
ン粒子をシリコンターゲットに衝突させて微細なシリコ
ンを得る方法が提案されており、シリコン同士の接触で
製造されるため汚染の可能性は少ない方法ではあるが、
衝突させる粒子が微細化してしまう上に、所望する粒子
径の種シリコン粒子を得ることが難しく、且つターゲッ
トは消耗品であるので頻繁に交換する必要があるなど実
験室規模では問題ないが、工業的な大量生産に対応させ
るには実用的な方法とはいえない。又、上記いずれの方
法においても、得られる種シリコン粒子は、破砕品であ
り形状が球状を有しておらず、従ってこれを使用して顆
粒状多結晶シリコンを製造した場合、球状を有する顆粒
状多結晶シリコンが得られ難い。球状を有していない顆
粒状多結晶シリコンは、これを単結晶製造に使用する場
合、供給ライン中で流動しにくく、目詰まりを起こす等
の問題を有するものである。
【0007】以上のように、従来の方法では、粒子の汚
染が少なく且つ工業的規模で種シリコン粒子を製造する
適当な方法が見いだされていない上、得られる種シリコ
ン粒子の形状は球状を有しておらず、又顆粒状多結晶シ
リコン製造するに当たっては、反応器の他に種シリコン
粒子製造のための特別の装置を必要とするのが現状であ
り、流動層法による顆粒状多結晶シリコン製造の大きな
ネックとなっている。さらに、この様な現状のため、従
来の流動層法による顆粒状多結晶シリコン製造において
は、種シリコン粒子を反応器外より供給する必要があ
る。本発明者らは、工業的規模で、種シリコン粒子製造
のための特別の装置を必要とせず、効率よく高純度で球
状の種シリコン粒子を製造できる方法、及び種シリコン
粒子を反応器外より供給する必要のない顆粒状多結晶シ
リコンの製造方法を見出すため鋭意検討を行ったのであ
る。
染が少なく且つ工業的規模で種シリコン粒子を製造する
適当な方法が見いだされていない上、得られる種シリコ
ン粒子の形状は球状を有しておらず、又顆粒状多結晶シ
リコン製造するに当たっては、反応器の他に種シリコン
粒子製造のための特別の装置を必要とするのが現状であ
り、流動層法による顆粒状多結晶シリコン製造の大きな
ネックとなっている。さらに、この様な現状のため、従
来の流動層法による顆粒状多結晶シリコン製造において
は、種シリコン粒子を反応器外より供給する必要があ
る。本発明者らは、工業的規模で、種シリコン粒子製造
のための特別の装置を必要とせず、効率よく高純度で球
状の種シリコン粒子を製造できる方法、及び種シリコン
粒子を反応器外より供給する必要のない顆粒状多結晶シ
リコンの製造方法を見出すため鋭意検討を行ったのであ
る。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決には、多結晶シリコン粒子を流動層とする反応器
に、特定の反応条件でシランを供給して、気相中で種シ
リコン粒子を製造すること、及び上記条件で種シリコン
粒子を製造した後、反応条件を顆粒状多結晶シリコン製
造に好適な条件に変えることが有効であることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、外部加熱
器が流動層下端部から上へ50mm以上離して設置さ
れ、平均粒子径100〜1,000μmの多結晶シリコ
ン粒子からなり、反応器内径に対する静止層高の比が2
〜4の流動層を有する反応器に、反応温度620℃〜7
50℃で圧力1〜5atmの条件下、シラン濃度15〜
45体積%のシランと希釈ガスとの混合ガスを、流動層
内のガス流速として0.3〜0.9m/sで供給するこ
とにより、気相中で種シリコン粒子を生成させることを
特徴とする種シリコン粒子の製造方法、及び前記方法で
種シリコン粒子を製造し、これを反応系内に残留させて
反応条件を顆粒状多結晶シリコンの製造に変えることを
特徴とする顆粒状多結晶シリコンの製造方法に関するも
のである。以下、本発明を詳細に説明する。
の解決には、多結晶シリコン粒子を流動層とする反応器
に、特定の反応条件でシランを供給して、気相中で種シ
リコン粒子を製造すること、及び上記条件で種シリコン
粒子を製造した後、反応条件を顆粒状多結晶シリコン製
造に好適な条件に変えることが有効であることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、外部加熱
器が流動層下端部から上へ50mm以上離して設置さ
れ、平均粒子径100〜1,000μmの多結晶シリコ
ン粒子からなり、反応器内径に対する静止層高の比が2
〜4の流動層を有する反応器に、反応温度620℃〜7
50℃で圧力1〜5atmの条件下、シラン濃度15〜
45体積%のシランと希釈ガスとの混合ガスを、流動層
内のガス流速として0.3〜0.9m/sで供給するこ
とにより、気相中で種シリコン粒子を生成させることを
特徴とする種シリコン粒子の製造方法、及び前記方法で
種シリコン粒子を製造し、これを反応系内に残留させて
反応条件を顆粒状多結晶シリコンの製造に変えることを
特徴とする顆粒状多結晶シリコンの製造方法に関するも
のである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】第1の発明において、多結晶シリコン粒子
は、反応器内で流動層を形成させ、混合ガスを加熱する
ためのものであり、種シリコン粒子、種シリコン粒子に
シリコンが析出した多結晶シリコン粒子等を使用するこ
とができる。多結晶シリコン粒子の平均粒子径は、10
0〜1,000μmである。平均粒子径がこの範囲を外
れる場合は、本発明で必要とする混合ガスの流動層にお
ける流速において、満足な流動状態が得られない。多結
晶シリコン粒子からなる流動層は、反応器内径に対する
静止層高の比を2〜4とする必要がある。2に満たない
場合は、混合ガスを十分に加熱することができないた
め、種シリコン粒子が生成し難く、他方4を越えると、
スラッギングが著しくなる上、粒子凝集などの副次的現
象も生じ好ましくない。
は、反応器内で流動層を形成させ、混合ガスを加熱する
ためのものであり、種シリコン粒子、種シリコン粒子に
シリコンが析出した多結晶シリコン粒子等を使用するこ
とができる。多結晶シリコン粒子の平均粒子径は、10
0〜1,000μmである。平均粒子径がこの範囲を外
れる場合は、本発明で必要とする混合ガスの流動層にお
ける流速において、満足な流動状態が得られない。多結
晶シリコン粒子からなる流動層は、反応器内径に対する
静止層高の比を2〜4とする必要がある。2に満たない
場合は、混合ガスを十分に加熱することができないた
め、種シリコン粒子が生成し難く、他方4を越えると、
スラッギングが著しくなる上、粒子凝集などの副次的現
象も生じ好ましくない。
【0010】原料のシランは、窒素、アルゴン又は水素
等の希釈ガスで希釈し、混合ガスとして流動層反応器に
供給する。この場合のシランの濃度は、15〜45体積
%の必要がある。シラン濃度が15体積%に満たない場
合には、種シリコン粒子が気相中で生成し難く、他方4
5体積%を越える場合には、微粉の生成が多くなり過ぎ
現実的でない。該混合ガスは、上記多結晶シリコンから
なる流動層へ、流動層内の混合ガス流速として0.3〜
0.9m/sで供給しなければならない。混合ガスの流
速が0.3m/sに満たない場合には、多結晶シリコン
流動層の十分な流動が得られず、0.9m/sを越える
場合には、気相中で生成した微粒子が反応器外へ排出さ
れてしまい、種シリコン粒子の生成が期待できない。
等の希釈ガスで希釈し、混合ガスとして流動層反応器に
供給する。この場合のシランの濃度は、15〜45体積
%の必要がある。シラン濃度が15体積%に満たない場
合には、種シリコン粒子が気相中で生成し難く、他方4
5体積%を越える場合には、微粉の生成が多くなり過ぎ
現実的でない。該混合ガスは、上記多結晶シリコンから
なる流動層へ、流動層内の混合ガス流速として0.3〜
0.9m/sで供給しなければならない。混合ガスの流
速が0.3m/sに満たない場合には、多結晶シリコン
流動層の十分な流動が得られず、0.9m/sを越える
場合には、気相中で生成した微粒子が反応器外へ排出さ
れてしまい、種シリコン粒子の生成が期待できない。
【0011】反応温度は620〜750℃である。反応
温度が620℃に満たない場合は、シランの分解反応が
十分に進行せず、他方750℃を越えても、シランの転
化率はもはや向上せず、むしろ微粉の生成割合が増加す
るので不適当である。上記反応温度に維持するため、反
応器は外部加熱器より加熱されるが、本発明では該外部
加熱器を、流動層下端部から上へ50mm以上、好まし
くは100mm以上上方に離して設置して加熱する。こ
の様に外部加熱器を設置することによって、種シリコン
粒子の生成に好適な温度勾配を反応器内につけることが
できる。反応圧力は、1〜5atmである。混合ガスを
供給し易くするためには、加圧して反応を行う方が好ま
しいが、反応圧力が5atmを越える場合は、反応器を
耐圧構造にする必要がある等の反応器の構造に関して制
約も多い上、格別の効果も得られないため、5atm以
下で反応を行う必要がある。
温度が620℃に満たない場合は、シランの分解反応が
十分に進行せず、他方750℃を越えても、シランの転
化率はもはや向上せず、むしろ微粉の生成割合が増加す
るので不適当である。上記反応温度に維持するため、反
応器は外部加熱器より加熱されるが、本発明では該外部
加熱器を、流動層下端部から上へ50mm以上、好まし
くは100mm以上上方に離して設置して加熱する。こ
の様に外部加熱器を設置することによって、種シリコン
粒子の生成に好適な温度勾配を反応器内につけることが
できる。反応圧力は、1〜5atmである。混合ガスを
供給し易くするためには、加圧して反応を行う方が好ま
しいが、反応圧力が5atmを越える場合は、反応器を
耐圧構造にする必要がある等の反応器の構造に関して制
約も多い上、格別の効果も得られないため、5atm以
下で反応を行う必要がある。
【0012】以上の条件で反応を行うことにより、流動
層の多結晶シリコン粒子上へのシリコンの析出と同時
に、気相中で平均粒子径20〜300μmの球状の種シ
リコン粒子を生成させることができる。生成した種シリ
コン粒子は、多結晶シリコン粒子上にシリコンが成長し
た顆粒状多結晶シリコンと種シリコン粒子との混合物と
して、必要に応じて流動層反応器から抜き出し、該混合
物から分離される。種シリコン粒子の分離方法として
は、風篩分け等の種々の方法が採用される。また、篩分
けしたものをさらに細分化し粒子径を制御して使用する
こともできる。
層の多結晶シリコン粒子上へのシリコンの析出と同時
に、気相中で平均粒子径20〜300μmの球状の種シ
リコン粒子を生成させることができる。生成した種シリ
コン粒子は、多結晶シリコン粒子上にシリコンが成長し
た顆粒状多結晶シリコンと種シリコン粒子との混合物と
して、必要に応じて流動層反応器から抜き出し、該混合
物から分離される。種シリコン粒子の分離方法として
は、風篩分け等の種々の方法が採用される。また、篩分
けしたものをさらに細分化し粒子径を制御して使用する
こともできる。
【0013】こうして得られる種シリコン粒子は、球状
を有するため、これを使用することにより、球状の顆粒
状多結晶シリコンを容易に製造することができる。この
球状を有する顆粒状多結晶シリコンは、流動性に優れ、
供給ライン中で目詰まりを起こすこともなく、単結晶シ
リコン製造に好適に使用出来るものである。
を有するため、これを使用することにより、球状の顆粒
状多結晶シリコンを容易に製造することができる。この
球状を有する顆粒状多結晶シリコンは、流動性に優れ、
供給ライン中で目詰まりを起こすこともなく、単結晶シ
リコン製造に好適に使用出来るものである。
【0014】又、第1発明においては、反応条件を上記
した範囲内において適宜選択することにより、通常の顆
粒状多結晶シリコン製造における種シリコン粒子供給量
に見合うだけの種シリコン粒子を製造すると共に、同時
に生成種シリコン粒子上及び予め反応器に仕込んだ多結
晶シリコン粒子上にシリコンを析出させることも可能で
あり、種シリコン粒子の製造と平行して、顆粒状多結晶
シリコンの製造も行うことができる。この方法では、生
成した種シリコン粒子を利用することによって、これを
外部から補給することなしに、或いは別の装置で種結晶
を製造することを必要とすることなく、種シリコン粒子
と顆粒状多結晶シリコンを併産することができる。更
に、反応条件を上記の範囲内で制御することにより、種
シリコン粒子の生成を優位なものとし、顆粒状多結晶シ
リコンの生成に必要な量を上回る分の生成種シリコン粒
子を反応系外に取り出すことも、勿論可能である。
した範囲内において適宜選択することにより、通常の顆
粒状多結晶シリコン製造における種シリコン粒子供給量
に見合うだけの種シリコン粒子を製造すると共に、同時
に生成種シリコン粒子上及び予め反応器に仕込んだ多結
晶シリコン粒子上にシリコンを析出させることも可能で
あり、種シリコン粒子の製造と平行して、顆粒状多結晶
シリコンの製造も行うことができる。この方法では、生
成した種シリコン粒子を利用することによって、これを
外部から補給することなしに、或いは別の装置で種結晶
を製造することを必要とすることなく、種シリコン粒子
と顆粒状多結晶シリコンを併産することができる。更
に、反応条件を上記の範囲内で制御することにより、種
シリコン粒子の生成を優位なものとし、顆粒状多結晶シ
リコンの生成に必要な量を上回る分の生成種シリコン粒
子を反応系外に取り出すことも、勿論可能である。
【0015】第2の発明は、上記方法により種シリコン
粒子を製造した後、これを反応系内に残留させて反応条
件を顆粒状多結晶シリコンの製造条件に変え、種シリコ
ン粒子上にシリコンを析出させ、顆粒状多結晶シリコン
製造を製造するものである。種シリコン粒子を製造した
後の、顆粒状多結晶シリコンの製造条件としては、一般
に採用されている条件で十分であり、例えば、反応温度
が600〜800℃、混合ガス中のシラン濃度が5〜4
0体積%、好ましくは10〜30体積%、混合ガス供給
速度が反応器内空塔速度として最小流動化速度以上等で
あって、これらの条件を適宜選択して反応で行えば良
い。顆粒状多結晶シリコンの製造を継続した結果、系内
の種シリコン粒子の量が不足するに至ったときは、必要
に応じて反応条件を第1発明で設定した範囲に戻すこと
により、種シリコン粒子を生成させる。これにより、種
シリコン粒子を外部から補給することなしに、或いは別
の装置で種結晶を製造することなしに、種シリコン粒子
製造と顆粒状多結晶シリコン製造とを交互に繰り返すこ
とにより、顆粒状多結晶シリコンを連続して製造するこ
とができる。
粒子を製造した後、これを反応系内に残留させて反応条
件を顆粒状多結晶シリコンの製造条件に変え、種シリコ
ン粒子上にシリコンを析出させ、顆粒状多結晶シリコン
製造を製造するものである。種シリコン粒子を製造した
後の、顆粒状多結晶シリコンの製造条件としては、一般
に採用されている条件で十分であり、例えば、反応温度
が600〜800℃、混合ガス中のシラン濃度が5〜4
0体積%、好ましくは10〜30体積%、混合ガス供給
速度が反応器内空塔速度として最小流動化速度以上等で
あって、これらの条件を適宜選択して反応で行えば良
い。顆粒状多結晶シリコンの製造を継続した結果、系内
の種シリコン粒子の量が不足するに至ったときは、必要
に応じて反応条件を第1発明で設定した範囲に戻すこと
により、種シリコン粒子を生成させる。これにより、種
シリコン粒子を外部から補給することなしに、或いは別
の装置で種結晶を製造することなしに、種シリコン粒子
製造と顆粒状多結晶シリコン製造とを交互に繰り返すこ
とにより、顆粒状多結晶シリコンを連続して製造するこ
とができる。
【0016】図1に本発明を実施するための装置の例を
示す。円筒状の反応器1には、反応器上部にガス排出ラ
イン2を、反応器の底部に混合ガス供給ライン6を備え
ている。又、反応器の底部は、底板4との間に間隔をあ
けて設けられたガス分散板5により二重にされている。
分散板5の中心部には、底板4を貫通して製品抜きだし
ライン7が接続されている。流動層下端部に当たる分散
板5より上方には、反応器1を包む様に加熱器8が設け
られている。反応器1内に所定量の多結晶シリコンを装
入し、加熱器8により反応器を加熱し、混合ガス供給ラ
イン6よりシランと水素等の混合ガスを吹き込む。この
場合、シラン又はシランと希釈ガスとの混合ガスと、希
釈ガスを別々に反応器に供給することもでき、またこれ
らのガスを予熱して供給することもできる。多結晶シリ
コン粒子はこれらのガス流により、激しく流動して流動
層9を形成する。この多結晶シリコン粒子表面にシリコ
ンが析出して成長してゆくと同時に、気相中で平均粒子
径20〜300μmの種シリコン粒子も生成される。こ
の種シリコン粒子表面にも同様にシリコンが析出成長す
る。所定の反応が終了した後、種シリコン粒子は、多結
晶シリコン粒子上にシリコンが析出した顆粒状多結晶シ
リコンとの混合物として、製品抜き出しライン7より反
応器外に抜き出される。シリコン析出反応後の未反応シ
ランと水素ガスからなる排ガスは、ガス排出ライン2よ
り系外に排出される。
示す。円筒状の反応器1には、反応器上部にガス排出ラ
イン2を、反応器の底部に混合ガス供給ライン6を備え
ている。又、反応器の底部は、底板4との間に間隔をあ
けて設けられたガス分散板5により二重にされている。
分散板5の中心部には、底板4を貫通して製品抜きだし
ライン7が接続されている。流動層下端部に当たる分散
板5より上方には、反応器1を包む様に加熱器8が設け
られている。反応器1内に所定量の多結晶シリコンを装
入し、加熱器8により反応器を加熱し、混合ガス供給ラ
イン6よりシランと水素等の混合ガスを吹き込む。この
場合、シラン又はシランと希釈ガスとの混合ガスと、希
釈ガスを別々に反応器に供給することもでき、またこれ
らのガスを予熱して供給することもできる。多結晶シリ
コン粒子はこれらのガス流により、激しく流動して流動
層9を形成する。この多結晶シリコン粒子表面にシリコ
ンが析出して成長してゆくと同時に、気相中で平均粒子
径20〜300μmの種シリコン粒子も生成される。こ
の種シリコン粒子表面にも同様にシリコンが析出成長す
る。所定の反応が終了した後、種シリコン粒子は、多結
晶シリコン粒子上にシリコンが析出した顆粒状多結晶シ
リコンとの混合物として、製品抜き出しライン7より反
応器外に抜き出される。シリコン析出反応後の未反応シ
ランと水素ガスからなる排ガスは、ガス排出ライン2よ
り系外に排出される。
【0017】
【作用】一般に、シランを原料として流動層法で顆粒状
多結晶シリコンを製造する場合には、多結晶シリコン粒
子表面への不均一相でのシリコン析出反応と、均一相即
ち気相での核生成反応が協奏的に進むことが知られてい
る。生成した核は、多結晶シリコン粒子表面に取り込ま
れるか、あるいは凝集して0.1〜数μmの微粒子を生
成する。この均一相で生成した微粒子の終末速度は、流
動化ガスの空塔速度に比べて著しく小さいので、微粒子
は流動層内部に留まることができず、系外に排ガスと共
に排出されるか、壁に付着するか、或いは多結晶シリコ
ン粒子に取り込まれてしまい、微粒子が単独で系内に存
在するのは極めて短時間に限られている。従って、この
気相で生成した微粒子上にシリコンが析出したとして
も、極く僅かな量であり、数10〜数100μmまで成
長するに留まり、流動層内に安定して存在する可能性は
ほとんどない。
多結晶シリコンを製造する場合には、多結晶シリコン粒
子表面への不均一相でのシリコン析出反応と、均一相即
ち気相での核生成反応が協奏的に進むことが知られてい
る。生成した核は、多結晶シリコン粒子表面に取り込ま
れるか、あるいは凝集して0.1〜数μmの微粒子を生
成する。この均一相で生成した微粒子の終末速度は、流
動化ガスの空塔速度に比べて著しく小さいので、微粒子
は流動層内部に留まることができず、系外に排ガスと共
に排出されるか、壁に付着するか、或いは多結晶シリコ
ン粒子に取り込まれてしまい、微粒子が単独で系内に存
在するのは極めて短時間に限られている。従って、この
気相で生成した微粒子上にシリコンが析出したとして
も、極く僅かな量であり、数10〜数100μmまで成
長するに留まり、流動層内に安定して存在する可能性は
ほとんどない。
【0018】しかしながら、本発明によれば、数十〜数
百μmの種シリコン粒子を生成させることが可能とな
る。その正確な理由は判っていないものの、以下の理由
によるものと考えられる。分散板から反応器内に供給さ
れた混合ガスは、ジェット気流を形成した後、次第に拡
散して気泡を生成する。その後この気泡が合体してさら
に大きな気泡となり層内を上昇してゆく。ジェット気流
の状態では熱交換がほとんどないので、混合ガス温度は
低く、シランの分解も少ない。気泡の状態では多結晶シ
リコン粒子からの伝熱により次第に温度が上昇し、シラ
ンの分解反応も進行する。通常の方法では、多結晶シリ
コン粒子表面へのシリコンの析出反応が、気相での核生
成に比較して優勢であるため、そのまま粒子に取り込ま
れたり、系外に排出されたりして、生成した核がそのま
ま存在する量は少ない。これに対して、本発明は、混合
ガスを適当な流速で供給し、加熱器が流動層下端部から
離れて存在するため、流動層下端部から加熱器間の温度
は比較的低温で、加熱器付近で高温となり、このため気
泡発生時における温度は低く抑えられ、大きな気泡とな
り層内を上昇して行くうち温度が急激に上昇し、従って
シランの分解反応もこの高温部で一気に始まり、ここで
は気泡が成長していることもあって、核生成の割合も大
きくなる。これに加えて、シラン濃度が15〜45%と
高濃度であるので、この現象が加速され、ついには気相
中で生成した微粒子の表面にもシリコンが析出するよう
になり、数十μm以上に成長する。こうなると、もはや
成長した微粒子の終末速度は、空塔速度以上となるの
で、系内にとどまり、さらに粒径の大きなシリコン粒子
と同様な成長が進行する。以上の理由で、従来法では困
難であった、数十〜数百μmの種シリコン粒子を製造で
きるものと考えられる。
百μmの種シリコン粒子を生成させることが可能とな
る。その正確な理由は判っていないものの、以下の理由
によるものと考えられる。分散板から反応器内に供給さ
れた混合ガスは、ジェット気流を形成した後、次第に拡
散して気泡を生成する。その後この気泡が合体してさら
に大きな気泡となり層内を上昇してゆく。ジェット気流
の状態では熱交換がほとんどないので、混合ガス温度は
低く、シランの分解も少ない。気泡の状態では多結晶シ
リコン粒子からの伝熱により次第に温度が上昇し、シラ
ンの分解反応も進行する。通常の方法では、多結晶シリ
コン粒子表面へのシリコンの析出反応が、気相での核生
成に比較して優勢であるため、そのまま粒子に取り込ま
れたり、系外に排出されたりして、生成した核がそのま
ま存在する量は少ない。これに対して、本発明は、混合
ガスを適当な流速で供給し、加熱器が流動層下端部から
離れて存在するため、流動層下端部から加熱器間の温度
は比較的低温で、加熱器付近で高温となり、このため気
泡発生時における温度は低く抑えられ、大きな気泡とな
り層内を上昇して行くうち温度が急激に上昇し、従って
シランの分解反応もこの高温部で一気に始まり、ここで
は気泡が成長していることもあって、核生成の割合も大
きくなる。これに加えて、シラン濃度が15〜45%と
高濃度であるので、この現象が加速され、ついには気相
中で生成した微粒子の表面にもシリコンが析出するよう
になり、数十μm以上に成長する。こうなると、もはや
成長した微粒子の終末速度は、空塔速度以上となるの
で、系内にとどまり、さらに粒径の大きなシリコン粒子
と同様な成長が進行する。以上の理由で、従来法では困
難であった、数十〜数百μmの種シリコン粒子を製造で
きるものと考えられる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
の態様に限定されるものではない。 ○実施例1 図1に示す装置を用いて、以下の条件で多結晶シリコン
製造用の種シリコン粒子を製造した。誤って石英製管が
破壊した場合シランが漏洩することを防ぐため、内径1
00mm、高さ2,000mmのステンレス製管の内部
に、内径80mm、高さ1,800mm、厚さ5mmの
石英製反応管を設置した流動層反応器を用いた。加熱器
は流動層下端部に当たる分散板上から100〜500m
mの位置に設置した。粒子径が250〜1,500μm
で平均粒子径が500μmの多結晶シリコン粒子を、反
応器内径に対する静止層高の比が3(静止層高 240
mm)となるように、石英製反応管内に1.8kg充填
した。反応温度を700℃とし、混合ガスがシラン濃度
25%で、流動層における流速が0.5m/sとなるよ
う、シラン9L/min、水素36L/minで反応器
に供給して反応させた。多結晶シリコン粒子は追加供給
しなかった。その結果、多結晶シリコン粒子にシリコン
が析出した顆粒状多結晶シリコンと種シリコン粒子から
なる平均粒子径250μmの混合物が0.5kg/hで
連続的に得られた。この混合物を篩い分けした結果、こ
の中には粒子径が20〜250μmであり種シリコン粒
子として好適な球状粒子が、40重量%含有されてい
た。
の態様に限定されるものではない。 ○実施例1 図1に示す装置を用いて、以下の条件で多結晶シリコン
製造用の種シリコン粒子を製造した。誤って石英製管が
破壊した場合シランが漏洩することを防ぐため、内径1
00mm、高さ2,000mmのステンレス製管の内部
に、内径80mm、高さ1,800mm、厚さ5mmの
石英製反応管を設置した流動層反応器を用いた。加熱器
は流動層下端部に当たる分散板上から100〜500m
mの位置に設置した。粒子径が250〜1,500μm
で平均粒子径が500μmの多結晶シリコン粒子を、反
応器内径に対する静止層高の比が3(静止層高 240
mm)となるように、石英製反応管内に1.8kg充填
した。反応温度を700℃とし、混合ガスがシラン濃度
25%で、流動層における流速が0.5m/sとなるよ
う、シラン9L/min、水素36L/minで反応器
に供給して反応させた。多結晶シリコン粒子は追加供給
しなかった。その結果、多結晶シリコン粒子にシリコン
が析出した顆粒状多結晶シリコンと種シリコン粒子から
なる平均粒子径250μmの混合物が0.5kg/hで
連続的に得られた。この混合物を篩い分けした結果、こ
の中には粒子径が20〜250μmであり種シリコン粒
子として好適な球状粒子が、40重量%含有されてい
た。
【0020】○比較例1 シランガスの濃度を10%とする以外は、実施例と同条
件で反応させた。定期的に抜き出す混合物中には、25
0μm以下の種シリコン粒子は見いだせず、5時間経過
時点で系内の全粒子を抜き出したが、250μm以下の
粒子は見いだされなかった。
件で反応させた。定期的に抜き出す混合物中には、25
0μm以下の種シリコン粒子は見いだせず、5時間経過
時点で系内の全粒子を抜き出したが、250μm以下の
粒子は見いだされなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明により、従来流動層法による顆粒
状多結晶シリコンの製造において、工業的レベルでの生
産が困難であった高純度で球状の種シリコン粒子を製造
することができる。又、本発明は、粉砕などの汚染源と
接触する様な操作を伴わず、効率よく種シリコン粒子が
製造でき、且つ種シリコン粒子製造のための特別の装置
も必要とせず、工業的意義は非常に大きなものである。
状多結晶シリコンの製造において、工業的レベルでの生
産が困難であった高純度で球状の種シリコン粒子を製造
することができる。又、本発明は、粉砕などの汚染源と
接触する様な操作を伴わず、効率よく種シリコン粒子が
製造でき、且つ種シリコン粒子製造のための特別の装置
も必要とせず、工業的意義は非常に大きなものである。
【図1】実施例1で使用した反応装置である。
1;反応器 2;ガス排出ライン 3;多結晶シリコン粒子供給ライン 4;底板 5;分散板 6;混合ガス供給ライン 7;製品抜き出しライン 8;加熱器 9;流動層 10;石英製反応管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 善徳 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 石井 正明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 高綱 和敏 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 猿渡 康裕 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号東燃 化学株式会社技術開発センター内
Claims (2)
- 【請求項1】外部加熱器が流動層下端部から上へ50m
m以上離して設置され、平均粒子径100〜1,000
μmの多結晶シリコン粒子からなり、反応器内径に対す
る静止層高の比が2〜4の流動層を有する反応器に、反
応温度620℃〜750℃で圧力1〜5atmの条件
下、シラン濃度15〜45体積%のシランと希釈ガスと
の混合ガスを、流動層内のガス流速として0.3〜0.
9m/sで供給することにより、気相中で種シリコン粒
子を生成させることを特徴とする種シリコン粒子の製造
方法。 - 【請求項2】請求項1において種シリコン粒子を製造
し、これを反応系内に残留させて反応条件を顆粒状多結
晶シリコンの製造条件に変えることを特徴とする顆粒状
多結晶シリコンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264195A JPH0692617A (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 種シリコン粒子の製造方法及び顆粒状多結晶シリコンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264195A JPH0692617A (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 種シリコン粒子の製造方法及び顆粒状多結晶シリコンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692617A true JPH0692617A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=17399806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4264195A Pending JPH0692617A (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 種シリコン粒子の製造方法及び顆粒状多結晶シリコンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0692617A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100661284B1 (ko) * | 2006-02-14 | 2006-12-27 | 한국화학연구원 | 유동층 반응기를 이용한 다결정실리콘 제조 방법 |
US7829863B2 (en) | 2005-05-17 | 2010-11-09 | Kyoto University | Electron beam irradiation device |
US8105718B2 (en) * | 2008-03-17 | 2012-01-31 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Non-aqueous electrolyte secondary battery, negative electrode material, and making method |
-
1992
- 1992-09-07 JP JP4264195A patent/JPH0692617A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7829863B2 (en) | 2005-05-17 | 2010-11-09 | Kyoto University | Electron beam irradiation device |
KR100661284B1 (ko) * | 2006-02-14 | 2006-12-27 | 한국화학연구원 | 유동층 반응기를 이용한 다결정실리콘 제조 방법 |
US8105718B2 (en) * | 2008-03-17 | 2012-01-31 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Non-aqueous electrolyte secondary battery, negative electrode material, and making method |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |